JP3559637B2 - 画像形成方法、インクセット、インク、インクの調製方法及びカラー画像の異色境界滲みの低減方法 - Google Patents

画像形成方法、インクセット、インク、インクの調製方法及びカラー画像の異色境界滲みの低減方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録媒体上に高品位で耐水性に優れた記録画像を得ることのできる画像形成方法、インクセット、インク、インクの調製方法及びカラー画像の異色境界滲みの低減方法に関し、特に、上記の優れた記録画像を高速に得ることのできるインクジェット記録方式を適用した画像形成方法、インクセット、インク、インクの調製方法及びカラー画像の異色境界滲みの低減方法に関する。本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用紙等の各種の被記録媒体を用いるプリンタ、複写機及びファクシミリ等の事務機器すべてに適用可能な画像形成方法、インクセット、インク、インクの調製方法及びカラー画像の異色境界滲みの低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録方式は、低騒音、低ランニングコスト、高速記録が可能、装置の小型化が容易、カラー化が容易である等の種々の利点から、プリンタや複写機等に利用されている。しかしながら、インクジェット記録方法を応用したこれらの記録装置で、いわゆる普通紙と呼ばれる被記録媒体上に画像を記録する場合、得られた記録画像の耐水性が不十分であったり、フェザリング現象のない十分な印字濃度を有する画像が得られないという問題があった。
【0003】
これに対し、記録画像の耐水性を向上させる方法として、近年、インク中に含まれる色材に耐水性を持たせたインクが実用化されてきている。しかしながら、その耐水性はまだまだ不十分であると共に、このようなインクは、原理的に乾燥後に水に溶解しにくいインクであるために、記録ヘッドのノズル詰まりが生じ易く、これを防止するために、装置構成が複雑になってしまうといった欠点があった。
又、従来より記録画像の堅牢性を向上させる技術が多数開示されている。例えば、特開昭53−24486号公報では、染色物の湿潤堅牢度を増進させるために、染色物を後処理することで染料をレーキ化し、固着させる技術が開示されている。
【0004】
特開昭54−43733号公報では、インクジェット記録方式を用いて、相互に接触すると常温又は加熱時に被膜形成能が増大する2以上の成分を用いて記録する方法が開示されており、被記録媒体上で各成分を接触させることで、強固に密着した被膜が形成された耐水性に優れた印刷物を得ている。特開昭55−150396号公報でも、水性染料インクをインクジェット記録後に染料とレーキを形成する耐水化剤を付与する方法が開示されている。
【0005】
又、特開昭58−128862号公報では、記録すべき画像位置を予め識別し、色材が含有されているインクと液体組成物とを重ねて記録するインクジェット記録方法が開示されており、被記録媒体上にインク画像の形成に先だって液体組成物で描いたり、先に描かれているインク画像上に液体組成物を重ねたり、先に描かれた液体組成物上にインクを重ねて画像を形成したり、更に液体組成物をその上に重ねて描いたりする方法が開示され、耐水性の向上した画像を得ている。
【0006】
又、インクジェット記録方式に使用するインクを構成する色材については、水溶性染料だけではなく、顔料の使用も検討されており、更に染料と顔料とを併用した併有系についても、例えば、特開昭56−155260号公報、特開昭56−155261号公報、特開昭56−155262号公報、特開昭59−129272号公報、特開平2−276873号公報等に開示され、耐水性や耐光性等の向上を図っている。
【0007】
しかしながらこれらの方法では、まず染料系のインクに液体組成物を使用して画像を形成した場合には、一般にブロンズ(現象)と呼ばれている染料が結晶化したような金属光沢を持った色に変色してしまうという課題が存在する。この現象は、黒色染料を用いたインクにおいて特に顕著である。
又、従来知られている染料と顔料とを併有するインクでは、染料及び顔料が夫々持つ弱点(例えば、染料インクであれば耐水性や印字品位等の問題、顔料インクであれば保存性や定着性等の問題)を互いに補いあうにとどまり、問題の根本的な解決には至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、インクジェット記録方式によって様々な被記録媒体上に、高品位且つ耐水性に優れたブロンズ現象のない黒色の記録画像を定着性よく与える画像形成方法、インクセット、インク、インクの調製方法及びカラー画像の異色境界滲みの低減方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明の一実施態様は、アニオン性基を有している水溶性黒色染料黒色顔料及び水を含んでいる黒色インクをインクジェット記録方式被記録媒体の画像形成領域に付与するを有する画像形成方法であって、更に、被記録媒体上の画像形成領域において、上記黒色インクをカチオン性化合物及び水を含んでいる液体組成物と共存させる工程を有し、且つ上記黒色インク中の水溶性黒色染料と上記黒色顔料との比率(重量)が1:1〜5:1の範囲にあることを特徴とする画像形成方法である
発明の他の実施態様は、アニオン性基を有している水溶性黒色染料、黒色顔料及び水を含む黒色インクと、カチオン性物質及び水を含有している液体組成物とを組み合わせてなるインクセットであって、上記黒色インク中の水溶性黒色染料と上記黒色顔料との比率(重量)が1:1〜5:1の範囲にあることを特徴とするインクセットである
発明の他の実施態様は、水、アニオン性基を可溶化基として有している水溶性の第1の黒色色材、及び分散剤の作用によって水に分散させられている第2の黒色色材を含んでいる黒色インクと、カチオン性物質及び水を含んでいる液体組成物とを組み合わせてなるインクセットであって、上記黒色インク中の第1の黒色色材と第2の黒色色材との比率(重量)が1:1〜5:1の範囲にあることを特徴とするインクセットである
発明の他の実施態様は、カチオン性物質及び水を含有している液体組成物と共に記録に用いる黒色のインクであって、水、アニオン性基を可溶化基として有している水溶性の黒色の色材、及び分散剤の作用によって水に分散させられている黒色の色材を含んでおり、上記水溶性の黒色の色材と上記分散剤の作用によって水に分散させられている黒色の色材との比率(重量)が、1:1〜5:1の範囲にあることを特徴とするインクである。
本発明の他の実施態様は、カチオン性物質及び水を含有している液体組成物と共に記録に用いる黒色のインクの調製方法であって、(i)水、アニオン性基を可溶化基として有し、該可溶化基によって水に溶解している黒色の色材を含んでいる第1のインクを調製する工程、(ii)水、及び分散剤の作用によって水に分散させられている黒色の色材を含んでいる第2のインクを調製する工程、(iii)上記第1のインクと上記第2のインクとを、上記水に溶解している黒色の色材と上記水に分散させられている黒色の色材との比率(重量)が1:1〜5:1の範囲になるように混合する工程を有することを特徴とするインクの調製方法である
発明の他の実施態様は、被記録媒体に、黒色インク及びカラーインクの各々をインクジェット記録方式で付与して形成された黒色の領域とカラーの領域とを有し、該黒色の領域とカラーの領域とが異色境界を形成しているカラー画像の異色境界滲みを低減する方法であって、上記黒色の領域を下記工程(i)及び(ii)を含む方法によって形成することを特徴とするカラー画像の異色境界滲みの低減方法である。(i)アニオン性基を有している水溶性黒色染料、黒色顔料及び水を含んでいる黒色インクであって、上記黒色インク中の水溶性黒色染料と上記黒色顔料との比率(重量)が1:1〜5:1の範囲にある黒色インクをインクジェット記録方式で、上記黒色の領域となるべき領域に付与する工程。(ii)カチオン性物質及び水を含んでいる液体組成物を、上記黒色の領域及び該黒色の領域となるべき領域の少なくとも一方に、上記黒色インクと共存するように付与する工程。
【0010】
本発明によれば、様々な被記録媒体上に、高品位の耐水性に優れた、特にブロンズ現象のない黒色記録画像を得ることが可能となる。その理由については、詳細なところは定かではないが、以下のように推測される。
【0011】
本発明においては、水溶性黒色染料と黒色顔料とを併有する黒色インクと液体組成物とを用いているため、水溶性黒色染料が黒色顔料と顔料分散剤との相互作用を受け、黒色の染料インクに液体組成物を使用した場合に生じるブロンズ現象を防ぐ効果が発揮されると共に、普通紙上においては、おそらく黒色顔料と水溶性黒色染料の普通紙への浸透速度が異なるために、黒色顔料が水溶性黒色染料よりも紙のより上面にとどまる結果、黒色顔料が有する良好な耐水性や耐光性等の特性が発揮されるものと考えられ、得られる印字物の印字品位や耐水性が損なわれることなく液体組成物の効果が発揮され、単に両者の欠点を補い合う以上の効果が得られるものと考えられる。
【0012】
又、通常、黒色顔料を用いた顔料インクにおいては、光沢紙やバックプリントフィルムといった特殊紙に対しての定着性や均一性といった問題があるが、本発明においては、水溶性黒色染料と黒色顔料とを併用しているため、これらの特殊な被記録媒体に対しても良好な記録特性が実現されると考えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
先ず、本発明で使用する色材を含有しない液体組成物について説明する。
本発明で使用される液体組成物は、水溶性黒色染料と黒色顔料とが併有されている黒色インクとの併用において以下の2つの機能を有するものであればいずれのものでもよい。
▲1▼ 記録画像の耐水性を向上させる。
▲2▼ 記録画像の特にブロンズ現象を防止して印字品位を向上させる。
【0014】
本発明においては、上記機能を有効に発揮させるために、液体組成物として、少なくとも1種のカチオン性物質が含有されたものを使用するのが好ましい。そして、カチオン性物質としては、分子中にカチオン性基を有するものであれば特に制限はないが、中でもポリアリルアミンを好ましく使用することができる。更には、ポリアリルアミンと低分子カチオン性界面活性剤とを併用すると、カラー記録を行った場合に、異色境界滲みが低減されるという利点がある。
【0015】
本発明で使用される低分子カチオン性界面活性剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩型の化合物、具体的には、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウムが挙げられるが、本発明は勿論これらに限定されるものではない。
【0016】
次に、上記液体組成物と共に本発明で使用される黒色インクについて説明する。本発明で使用する黒色インク中には、色材として水溶性黒色染料と黒色顔料とが併有されているが、黒色インク中の水溶性黒色染料と黒色顔料の混合比は、重量比で、水溶性黒色染料:黒色顔料=1:1〜5:1の範囲とする。かかる水溶性黒色染料と黒色顔料との混合比において、染料の比率が1:1よりも低い場合には、黒色インクの被記録媒体への定着性が悪くなる傾向があり、又、染料の比率が5:1より高くなると、水溶性黒色染料が受ける黒色顔料と顔料分散剤との相互作用が不十分となり、黒色インク画像にブロンズ現象が発生し易くなるため好ましくない。
【0017】
本発明で使用される水溶性黒色染料としては、特に、可溶化基としてアニオン性基を有するものを用いるのが好ましい。この様にすれば、該アニオン性基が、先に述べた液体組成物中のカチオン性物質と被記録媒体上で混合して凝集体を形成し、得られる黒色インク画像の耐水性を向上させ、フェザリングを有効に防止することができる。
【0018】
本発明で好ましく用いられるアニオン性基を有する水溶性黒色染料としては、具体的には、カラーインデックス(COLOUR INDEX)に記載されている水溶性の、酸性染料、直接染料、反応性染料であれば特に限定はない。又、カラーインデックスに記載のない水溶性黒色染料であっても、アニオン性基、例えば、スルホン基及びカルボキシル基等を有するものであれば特に制限はない。
又、2種以上の水溶性黒色染料を混合併用してもよいし、場合によっては少量のカラー染料を調色用に混合して使用してもよい。尚、ここでいう水溶性黒色染料の中には、溶解度のpH依存性があるものも当然に含まれる。
【0019】
本発明においては、上記した様な水溶性黒色染料と次に述べる黒色顔料とが併有された黒色インクが用いられるが、この様なインクの調製方法としては、例えば、上記した水溶性黒色染料が溶解含有されたインク(以下、黒色染料インクと呼ぶ)と、黒色顔料が分散含有されたインク(以下、黒色顔料インクと呼ぶ)とを夫々調製した後、両者のインクを適宜の割合で混合して水溶性黒色染料と黒色顔料とが併有された所望の黒色インクを調製するのが好ましい。従って、本発明においては、先ず、上記の様な水溶性黒色染料を用い、通常の水溶性インクの成分である、水、水溶性有機溶媒からなる水性液媒体、及びその他の成分、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防かび剤、中性又はアニオン性の界面活性剤、酸化防止剤等を必要に応じて添加して、黒色染料インクを調製する。本発明において、黒色染料インク中の水溶性黒色染料の含有量としては、黒色インク中に1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲で用いるとよい。
【0020】
次に、上記した黒色染料インクと併用される黒色顔料インクについて説明する。
本発明で使用する黒色顔料は、黒色顔料インク全重量に対して、重量比で1〜20重量%、好ましくは2〜12重量%の範囲で用いるのが好ましい。黒色顔料の具体的な例としては、カーボンブラックが挙げられるが、本発明においては、例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒子径が15〜40mμ、BET法による比表面積が50〜300m/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好ましく用いられる。このような特性を有する市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN 1255(以上、コロンビア製)、REGAL 400R、REGAL 330R、REGAL 660R、MOGULL(以上、キャボット製)、Color Black FWl、Color Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)等があり、いずれも好ましく使用することができる。
【0021】
黒色顔料インクの場合も、黒色染料インクと同様に、通常のインクの成分である、水、水溶性有機溶媒からなる水性液媒体、及びその他の成分、例えば、粘度調整剤、防かび剤、中性又はアニオン性の界面活性剤、酸化防止剤等が必要に応じて用いられるが、黒色顔料インクの場合には、黒色顔料をインク中に均一に分散させるための分散剤が必要である。黒色顔料インク中に含有される分散剤としては、水溶性樹脂ならどのようなものでも使用することができるが、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更に好ましくは、3,000〜15,000の範囲のものが好ましく使用される。このような分散剤として、具体的には、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基が溶解された水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂である。上記したこれらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂の黒色顔料インク全重量に対する含有量としては、0.1〜5重量%の範囲とするのが好ましい。
【0022】
又、黒色顔料インクの場合には、インク全体が中性又はアルカリ性に調整されていると、顔料分散剤として使用する水溶性樹脂の溶解性が向上し、長期保存性に一層優れた黒色インクとすることができる。従って、pH調整剤を用いて黒色顔料インクを中性又はアルカリ性に調整するのが好ましいが、この際に、アルカリ性が強過ぎるとインクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合がある。従って、好ましくは、黒色顔料インクのpHを7〜10のpH範囲とする。pH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、各種有機酸や鉱酸が挙げられる。上記した黒色顔料及び分散剤である水溶性樹脂は、インクをこのようなpHに調整することによって水性液媒体中に十分に分散又は溶解されて、黒色顔料インクが形成される。
【0023】
本発明で使用する黒色インクは、上記の様にして調製された黒色顔料インクと、先に述べた黒色染料インクとを所望の割合で混合撹拌して調製する。その際、調製された黒色インク中の水溶性黒色染料と黒色顔料の混合比は、先に述べた様に、重量比で、水溶性黒色染料:黒色顔料=1:1〜5:1の範囲になるようにする。
【0024】
本発明の画像形成方法では、上記した色材が含有されていない無色又は淡色の液体組成物と、黒色色材が含有された黒色インクとを、同一の被記録媒体上に付与し、画像形成領域で共存させるが、以下、本発明で行われる液体組成物及び黒色インクの被記録媒体への付与方法について説明する
【0025】
本発明で画像を形成する方法としては、先に述べたような構成の液体組成物と黒色インクとが被記録媒体上で共存し得る状態にできればいずれのものでもよい。従って、液体組成物と黒色インクのいずれを先に被記録媒体上に付与するかは問題ではない。又、例えば、液体組成物を被記録媒体に先に付着させた場合を例に挙げて説明すると、液体組成物を被記録媒体に付着せしめてから、黒色インクを被記録媒体上に付着させるまでの時間については特に制限されるものではない。しかし、本発明の効果をより有効に発揮させるためには、被記録媒体上における液体組成物と黒色インクの付着がほぼ同時に行われるようにするか、或いは液体組成物の付着から数秒以内に黒色インクが付着させるのが好ましい。
【0026】
更に、本発明においては、画像の形成方法として、黒色インクの1画素の記録を複数のノズルに分けて記録する記録方法を用いるのも好ましい。この様なものとしては、例えば、先ず、黒色インクを付与した後、液体組成物を付与し、更にその後に黒色インクを再び付与するといった画像形成方法が挙げられる。
【0027】
本発明の画像形成方法に使用される被記録媒体としては、特に限定されるものではなく、従来から使用されている、コピー用紙、ボンド紙等のいわゆる普通紙が好適なものとして挙げられる。勿論、インクジェット記録用に特別に作成されたコート紙やOHP用透明フィルムも好適に画像が形成される。更に、一般の上質紙や光沢紙にも好適に画像を形成することができ、広範な利用が可能である。
【0028】
液体組成物を被記録媒体上に付着せしめる方法としては、例えば、スプレーやローラー等によって被記録媒体の全面に付着せしめる方法も考えられるが、更に好ましくは、黒色インクが付着する画像形成領域、或いは画像形成領域とその画像形成領域の近傍にのみに選択的且つ均一に液体組成物を付着せしめることのできるインクジェット方式により行うのが好ましい。又、この際に種々のインクジェット記録方式を用いることができるが、特に好ましいのは熱エネルギーによって発生した気泡を用いて液滴を吐出する方式である。
【0029】
以下、本発明の画像形成方法に好適に用いられる熱エネルギーにより液滴を発生させる記録装置について説明する。このような装置の主要部である記録ヘッドの構成を、図1、図2及び図3に示す。
図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での断面図であるが、ヘッド13は、インクを通す溝14をが設けられているガラス、セラミック又はプラスチックからなる板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図では薄膜ヘッドが示されているが、これに限定されるものではない。)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は、酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1及び17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、及びアルミナ等の放熱性のよい基板20より成っている。
【0030】
インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まで来ており、不図示の圧力によりメニスカス23を形成している。
今、アルミニウム電極17−1及び17−2に電気信号情報が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出しインク小滴24となり、吐出オリフィス22より被記録媒体25に向って飛翔する。
【0031】
図3は、図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1で説明したものと同様の発熱ヘッド28を密着して作製されている。
【0032】
図4に、上記ヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。
図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
62は記録ヘッド65の吐出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
【0033】
上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵挨等の除去が行われる。
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載してその移動を行うためのキャリッジである。
キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0034】
51は被記録媒体を挿入するための給入部、52は不図示のモーターにより駆動する送りローラーである。これらの構成によって記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ被記録媒体が給送され、記録が進行するにつれて排出ローラー53を配した排出部へ排出される。
【0035】
上記構成において記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0036】
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は、上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
上述の記録ヘッド65のホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッド65が記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0037】
図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ45の一例を示す図である。
ここで、40は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44は廃インクを受容するインク吸収体である。インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが本発明にとって好ましい。
【0038】
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記のごときヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示すごときそれらが一体になったものにも好適に用いられる。
図6において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。
【0039】
インク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース又はポリビニルアセタールを用いることが本発明にとって好ましい。72は記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は、図3で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し着脱自在になっている。尚、本発明に使用する記録装置において、上記ではインクに熱エネルギーを作用させてインク液滴を吐出するインクジェット記録装置を例に挙げたが、そのほか圧電素子を使用するピエゾ方式のインクジェット記録装置でも同様に利用できる。
【0040】
本発明の画像形成方法は、カラー画像の形成における黒色画像部分の形成にも用いられるが、カラー記録を実施する場合には、例えば、図3に示したマルチ記録ヘッドを5つキャリッジ80上に並べた記録装置を使用する。図7はその一例である。81は液体組成物を吐出するための記録ヘッドであり、85は水溶性黒色染料と黒色顔料とを併有する黒色インクを吐出するための記録ヘッドであり、82、83、84は夫々イエローインク、マゼンタインク、シアンインク等のカラーインクを吐出するための記録ヘッドである。該ヘッドは前記した図4に示した記録装置に配置され、記録信号に応じて、各色のインクを吐出する。この場合には、液体組成物の付与によって黒色インクと他のカラーインクとの混色滲みが抑制され、高品位のカラー画像が得られる。
【0041】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示して、本発明を更に具体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」とあるのは、特に示さない限り重量基準とする。尚、黒色顔料インク中の分散剤の重量平均分子量については、スチレンポリマーを標準としたGPC法により測定した。
【0042】
<実施例1〜4、比較例1>
黒色インクの製造
<黒色顔料インクの作製>
アニオン系の水溶性高分子であるP−1(スチレン−メタクリル酸−エチルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,000、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ、3時間分散処理を行い分散液を作製した。分散後の分散液の粘度は、9mN/mであり、pHは10.0であった。この分散液を使用し、下記の組成のカーボンブラック分散体とし、遠心分離機にかけて粗大粒子を除去して重量平均粒径100nmのカーボンブラック分散体を作製した。
【0043】
[黒色顔料インク(カーボンブラック分散体)の組成]
・P−1水溶液(固形分20%) 40部
・カーボンブラック Mogul L
(キャボット製) 12部
・グリセリン 15部
・エチレングリコールモノブチルエーテル0.5部
・イソプロピルアルコール 3部
・水 135部
更に、上記で得られた分散体を十分に撹拌して、インクジェット用の黒色顔料インクを得、黒色インクBk1とした。該インクの最終調製物の固形分は、約5.8%であった。
【0044】
Figure 0003559637
上記成分を混合し、十分撹拌した後、水酸化ナトリウムでpHを約9に調整した後、孔径0.22μmのフロロポアフィルター(商品名、住友電気工業株式会社製)で加圧ろ過し、黒色染料インクAを得た。これを黒色インクBk2とした。
【0045】
[黒色染料インクBの組成]
・C.I.ダイレクトブラック168 3部
・グリセリン 10部
・チオジグリコール 8部
・イソプロピルアルコール 4部
・水 75部
上記成分を混合し、十分撹拌した後、黒色染料インクAと同様にして黒色染料インクBを得た。これを黒色インクBk3とした。
【0046】
<黒色顔料及び水溶性黒色染料を併有した黒色インクの作製>
上記で得られた黒色顔料インクBk1と黒色染料インクAとを重量比2:8で混合し、十分撹拌することで、本発明の実施例で使用する黒色顔料と水溶性黒色染料とを併有する黒色インクBk4を得た。インクBk4中の黒色染料と黒色顔料の重量比は、染料:顔料=約3:1であった。
【0047】
上記で得られた黒色顔料インクBk1と黒色染料インクAとを重量比4:6で混合し、十分撹拌することで、本発明の実施例で使用する黒色顔料と水溶性黒色染料とを併有する黒色インクBk5を得た。インクBk5中の黒色染料と黒色顔料の重量比は、染料:顔料=約1:1であった。
【0048】
上記で得られた黒色顔料インクBk1と黒色染料インクAとを重量比12:88で混合し、十分撹拌することで、本発明の実施例で使用する黒色顔料と水溶性黒色染料とを併有する黒色インクBk6を得た。インクBk6中の黒色染料と黒色顔料の重量比は、染料:顔料=約5:1であった。
【0049】
上記で得られた黒色顔料インクBk1と黒色染料インクBとを重量比2:8で混合し、十分撹拌することで、本発明の実施例で使用する黒色顔料と水溶性黒色染料とを併有する黒色インクBk7を得た。インクBk7中の黒色染料と黒色顔料の重量比は、染料:顔料=約2:1であった。
【0050】
<液体組成物の作製>
下記成分を混合し、十分撹拌した後、孔径0.22μmのフロロポアフィルター(住友電気工業株式会社製:商品名)で加圧ろ過し、pH7の液体組成物S1を得た。ポリアリルアミンについては、機能材料Vol.5,29(1985)に記載の方法によって合成を行った。即ち、アリルアミンを出発原料とし、これを濃塩酸で中和して得られたアリルアミン塩酸塩を、2,2’−アゾ−ビス−(2−メチルプロピオンアミジン)塩酸塩を重合開始剤としてラジカル重合を行い合成した。
・ポリアリルアミン塩酸塩 5部
・塩化ベンザルコニウム(カチオンG50、
三洋化成製) 1部
・ジエチレングリコール 15部
・水 79部
【0051】
<画像形成>
上記した組成を有する各黒色インクBk1〜Bk7を夫々使用して、表1に示す黒色インクと液体組成物の組み合わせで、且つ表1に示した条件でインクジェット記録を行った。記録装置としては、記録ヘッド内のインクに熱エネルギーを与えて液滴を発生させ、インクを吐出させるインクジェットヘッド(360dpi)を2つ主走査方向に並べたインクジェット記録装置を用意し、市販のPPC用紙、ボンド紙及び再生紙に記録を行った。
【0052】
【表1】
Figure 0003559637
注)表中の吐出量とは、1ドット当りの吐出体積を示す。
【0053】
<評価>
上記の実施例1〜実施例4及び比較例1で得られた夫々の記録画像について、下記の評価方法及び評価基準で評価を行った。評価項目としては、1.画像濃度、2.文字品位、3.定着性、4.耐水性、5.ブロンズについて評価した。
1.画像濃度
黒色のベタ画像を形成し、12時間放置後の反射濃度を反射濃度計マクベスRD915(マクベス社製)にて測定した。評価基準は以下の通りである。
◎:全ての反射濃度が、1.35以上
○:一部の紙の反射濃度が、1.3以上1.35未満
△:一部の紙の反射濃度が、1.2以上1.3未満
×:一部の紙の反射濃度が、1.2未満
【0054】
2.文字品位
英数文字を印字して、室内で12時間自然乾燥させた後の印字品位を評価した。
◎:全ての紙でフェザリングが殆どない
○:一部の紙でフェザリングがややあるが実用上は問題ない
△:一部の紙でフェザリングが目立ち実用上問題がある
×:フェザリングが目立ち実用上問題がある
【0055】
3.定着性
市販のコピー用紙、ボンド紙に英数文字及びベタ画像を形成した後、別の白紙をその自重で記録画像の上に重ね、紙の裏側に記録した画像の転写がなくなり、地汚れが発生しなくなるまでの時間を記録の終了時を時間ゼロとしてこれを基準に測定し、定着性の尺度とした。評価基準は、以下の通りである。
◎:定着性が20秒未満
○:定着性が20秒以上30秒未満
△:定着性が30秒以上40秒未満
×:定着性が40秒以上
【0056】
4.耐水性
黒色のベタ画像及び英数文字を印字し、1時間放置した後、水温20℃の水道水中へ10秒間浸漬した。その後、水中から取り出してそのまま風乾し、目視にて耐水性を評価した。耐水性評価基準は、以下の通りである。
◎:余白部分への記録剤の流れ出しがなく、地汚れが殆ど見られない。又、英数文字の滲みも殆ど発生していない。
○:余白部分への記録剤の流れ出しがやや発生し、英数文字がやや滲んではいるが、実用上問題ないレベルである。
×:余白部分への記録剤の流れ出しがひどく、地汚れが著しい。又、英数文字の滲みもひどい。
【0057】
5.ブロンズ
黒色のベタ画像を印字し、室内で12時間自然乾燥させた後の色調を目視で評価した。
◎:ブロンズなし
○:ややブロンズしているように見えるが実用上は問題ない
△:ややブロンズしているように見え、実用上やや問題がある
×:ブロンズが目立ち、実用上問題がある
尚、上記の評価の際の液体組成物の被記録媒体への付着領域は、黒色インクの画像形成領域と同一領域であり、黒色インクが記録媒体に対して打ち込まれているところは1:1で対応して液体組成物が打ち込まれている。
【0058】
上記した評価項目について、実施例1〜実施例4で得られた画像についての評価結果を表2に記載する。表2から明らかなように、実施例では、定着性、文字品位、画像濃度、耐水性及びブロンズ共に良好な画像が得られた。これらの実施例におけるブロンズの結果は、比較例1の黒色染料インクのみと液体組成物を使用して記録した場合より、更に良好であった。
【0059】
【表2】
Figure 0003559637
【0060】
<実施例5及び実施例6>
実施例1で使用した黒色インクを夫々用い、Bkヘッドを夫々40plの吐出量のヘッド2個にし、これら2個のヘッドによって80plの記録を行った。液体組成物については、実施例1の場合と同様に、1個のヘッドで80plの記録を行った。実施例5では、液体組成物→黒色インクBk4→黒色インクBk4の順に記録を行い、実施例6では、黒色インクBk4→液体組成物→黒色インクBk4の順に記録を行った。この結果、どちらの実施例でも実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、インクジェット記録方式によって、様々な被記録媒体上に定着性よく、ブロンズ現象を生じない高濃度の高品位画像を形成することが可能である。又、本発明によって形成された黒色画像は、耐水性に優れた画像となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッドの横断面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【図7】複数の記録ヘッドが配列した記録部を示した斜視図である。
【符号の説明】
13:ヘッド
14:インク溝
15:発熱ヘッド
16:保護膜
17:アルミニウム電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20:基板
21:インク
22:吐出オリフィス(微細孔)
23:メニスカス
24:インク小滴
25:被記録媒体
26:マルチ溝
27:ガラス板
28:発熱ヘッド
40:インク袋
42:栓
44:インク吸収体
45:インクカートリッジ
51:給紙部
52:紙送りローラー
53:排紙ローラー
61:ブレード
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
67:ガイド軸
68:モーター
69:ベルト
70:記録ユニット
71:ヘッド部
72:大気連通口
80:キャリッジ
81:液体組成物を吐出するための記録ヘッド
85:黒色インクを吐出するための記録ヘッド

Claims (21)

  1. アニオン性基を有している水溶性黒色染料黒色顔料及び水を含んでいる黒色インクをインクジェット記録方式被記録媒体の画像形成領域に付与するを有する画像形成方法であって、更に、被記録媒体上の画像形成領域において、上記黒色インクを、カチオン性化合物及び水を含んでいる液体組成物と共存させる工程を有し、且つ上記黒色インク中の水溶性黒色染料と上記黒色顔料との比率(重量)が1:1〜5:1の範囲にあることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記液体組成物が色材を含んでいない請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記カチオン性化合物が、ポリアリルアミンである請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 前記カチオン性化合物が、カチオン性界面活性剤及びポリアリルアミンである請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  5. 前記黒色インクを液体組成物と共存させる工が、液体組成物をインクジェット記録方式で、黒色インクの画像形成領域、或いは該画像形成領域とその近傍に付与する工程を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 前記液体組成物が、黒色インクよりも先に被記録媒体に付与される請求項に記載の画像形成方法。
  7. 前記黒色インクが、液体組成物よりも先に被記録媒体に付与される請求項に記載の画像形成方法。
  8. アニオン性基を有している水溶性黒色染料、黒色顔料及び水を含む黒色インクと、カチオン性物質及び水を含有している液体組成物とを組み合わせてなるインクセットであって、上記黒色インク中の水溶性黒色染料と上記黒色顔料との比率(重量)が1:1〜5:1の範囲にあることを特徴とするインクセット。
  9. 前記液体組成物が、無色又は淡色である請求項に記載のインクセット。
  10. 前記液体組成物が、色材を含んでいない請求項に記載のインクセット。
  11. 前記液体組成物中のカチオン性物質が、ポリアリルアミンを含んでいる請求項〜1のいずれか1項に記載のインクセット。
  12. 前記液体組成物中のカチオン性物質が、ポリアリルアミンと低分子カチオン性界面活性剤とを含んでいる請求項〜1のいずれか1項に記載のインクセット。
  13. 前記黒色インク中の黒色顔料が、分散剤によってインク中で分散させられている請求項〜1のいずれか1項に記載のインクセット。
  14. 更に、カラーインクが組み合わされている請求項〜1のいずれか1項に記載のインクセット。
  15. 前記黒色顔料が、カーボンブラックである請求項1に記載のインクセット。
  16. 水、アニオン性基を可溶化基として有している水溶性の第1の黒色色材、及び分散剤の作用によって水に分散させられている第2の黒色色材を含んでいる黒色インクと、カチオン性物質及び水を含んでいる液体組成物とを組み合わせてなるインクセットであって、上記黒色インク中の第1の黒色色材と第2の黒色色材との比率(重量)が1:1〜5:1の範囲にあることを特徴とするインクセット。
  17. 前記黒色インクが、インクジェット用インクである請求項16のいずれか1項に記載のインクセット。
  18. 前記液体組成物が、インクジェット用液体組成物である請求項17のいずれか1項に記載のインクセット。
  19. カチオン性物質及び水を含有している液体組成物と共に記録に用いられる黒色のインクであって、水、アニオン性基を可溶化基として有している水溶性の黒色の色材、及び分散剤の作用によって水に分散させられている黒色の色材を含んでおり、上記水溶性の黒色の色材と上記分散剤の作用によって水に分散させられている黒色の色材との比率(重量)が、1:1〜5:1の範囲にあることを特徴とするインク。
  20. カチオン性物質及び水を含有している液体組成物と共に記録に用いる黒色のインクの調製方法であって、
    (i)水、アニオン性基を可溶化基として有し、該可溶化基によって水に溶解している黒色の色材を含んでいる第1のインクを調製する工程;
    (ii)水、及び分散剤の作用によって水に分散させられている黒色の色材を含んでいる第2のインクを調製する工程;及び
    (iii)上記第1のインクと上記第2のインクとを、上記水に溶解している黒色の色材と上記水に分散させられている黒色の色材との比率(重量)が1:1〜5:1の範囲になるように混合する工程、
    を有することを特徴とするインクの調製方法。
  21. 被記録媒体に、黒色インク及びカラーインクの各々をインクジェット記録方式で付与して形成された黒色の領域とカラーの領域とを有し、該黒色の領域とカラーの領域とが異色境界を形成しているカラー画像の異色境界滲みを低減する方法であって、上記黒色の領域を下記工程(i)及び(ii)を含む方法によって形成することを特徴とするカラー画像の異色境界滲みの低減方法:
    (i)アニオン性基を有している水溶性黒色染料、黒色顔料及び水を含んでいる黒色インクであって、上記黒色インク中の水溶性黒色染料と上記黒色顔料との比率(重量)が1:1〜5:1の範囲にある黒色インクをインクジェット記録方式で、上記黒色の領域となるべき領域に付与する工程;及び
    (ii)カチオン性物質及び水を含んでいる液体組成物を、上記黒色の領域及び該黒色の領域となるべき領域の少なくとも一方に、上記黒色インクと共存するように付与する工程。
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