JP3817388B2 - インクジェット記録用インクセット、印刷方法、およびインクジェット記録用淡インク - Google Patents

インクジェット記録用インクセット、印刷方法、およびインクジェット記録用淡インク Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、普通紙に対するカラー画像の形成において耐水性のある画像を得る技術に関し、とりわけインクジェット記録方式を利用した画像形成に最適に使用される液体組成物及びインクを使用したインクセット、これらを用いた画像形成方法、これを用いた画像形成装置及び画像形成物である。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、インクを飛翔させ、紙等の被記録媒体にインクを付着させて記録を行うものである。特に特公昭61―59911号公報、特公昭61―59912号公報、特公昭61―59914号公報において開示された、吐出エネルギー供給手段として電気変換体を用い、熱エネルギーをインクに与えて気泡を発生させることにより液滴を吐出させる方式のインクジェット記録方法によれば、記録ヘッドの高密度マルチオリフィス化を容易に実現することができ、高解像度及び高品位の画像を高速で記録することができる。
【0003】
しかしながら、従来のインクジェット記録方法に用いられるインクは、水を主成分とし、これにノズル内でのインクの乾燥防止、ノズルの目詰まり防止等の目的でグリコール等の水溶性高沸点溶剤を含有しているものが一般的である。そのためこのようなインクを用いて被記録媒体に記録を行った場合には、十分な定着性が得られなかったり、被記録媒体としての記録紙表面における填料やサイズ剤の不均一な分布によると推定される不均一画像が発生する等の問題を生じていた。また、特にカラー画像を得ようとした場合には、ある色のインクが次々と重ねられることから、異色の画像の境界部分で色がにじんだり、不均一に混ざり合って(以下この現象を「ブリーディング」と呼ぶ)満足すべき画像が得られないという問題があった。
【0004】
これに対しインクの記録媒体への定着性を早める手段として、特開昭56―65269号公報に、インク中に界面活性剤等の浸透性を高める化合物を添加する方法が開示されている。
【0005】
また、特開昭56―66976号公報には、揮発性溶剤を主体としたインクを用いることが開示されている。しかし、インク中に界面活性剤等を添加する前者の方法では、記録紙へのインクの浸透性が高まり、インクの定着性やブリーディングについてはある程度向上するものの、インク中の色材も記録紙の奥深くまで浸透してしまうため、画像濃度及び彩度が低下する等の不都合が生じる。その他、インクの横方向に対する広がりも発生し、その結果、エッジやシャープさが低下したり、解像度が低下したりする等の問題も発生する。一方、揮発性溶剤を主体としたインクを用いる後者の方法の場合には、上記した前者の場合と同様の不都合が生じるのに加え、記録ヘッドのノズル部での溶剤の蒸発による目詰まりが発生しやすくなる場合がある。
【0006】
さらに、上述した問題を改善するために、記録画像を記録するためのインクの噴射に先立ち、被記録媒体上に予め画像を良好にせしめる液体組成物を付与させておく方法が提案されている。
【0007】
例えば、特開昭63―60783号公報には、塩基性ポリマーを含有する液体組成物を付着させた後、アニオン染料が含有されたインクによって記録する方法が開示されており、特開昭63―22681号公報には、反応性化学種を含む第1の液体組成物と前記反応性化学種と反応を起こす化合物を含む液体組成物を被記録媒体上で混合する記録方法が開示されており、さらに特開昭63―299971号公報には、1分子あたり2個以上のカチオン性基を有する有機化合物を含有する液体組成物を被記録媒体上に付与した後、アニオン染料を含有するインクで記録する方法が開示されている。また、特開昭64―9279号公報には、コハク酸等を含有した酸性液体組成物を被記録媒体上に付与した後、アニオン染料を含有するインクで記録する方法が開示されている。また、さらに特開昭64―63185号公報には、染料を不溶化させる液体組成物をインクの記録に先立って付与するという方法が開示されている。
【0008】
しかしながら、上記のいずれの方法も、染料自体の析出により画像の滲みの抑制や耐水性を向上させようとするものであり、前述したカラーインク間のブリーディング抑制効果も十分であり、また、析出した染料が記録紙上で不均一に分布しやすいために記録紙のパルプ繊維に対する被覆性が悪く、画像の均一感が低下し、文字品位に劣る場合があった。
【0009】
そこで、特開平8―224955では、カチオン性物質を含む液体組成物をアニオン性化合物を含むインクと共に用いることによって、画像濃度が高く、印字品位、耐水性が良好で、色再現性、ブリーディングにおいても良好な画像が得られることが提案されている。
【0010】
一方より階調性の高い画像を得るために、同一の色調のインクについて色材の濃度の異なるインク(例えば、通常の色材濃度のインク(以下濃インク)と色材濃度の低い(例えば、色の薄いインク(以下淡インク)を用いることによってインクの粒状感がなくなり、より高画質な画像が得られることが知られており、さらにはアニオン性物質を含有する濃インク、アニオン性物質を含有する淡インク及びカチオン性物質を含む液体組成物とを用いてさらに高品質なインクジェット記録物を得る技術が例えば特開平11―48462号には開示されている。
【0011】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記した、アニオン性物質を含有する濃インク、アニオン性物質を含有する淡インク及びカチオン性物質を含む液体組成物とを用いてさらに高品質なインクジェット記録物を得る技術について検討を重ねた結果、例えば写真画像のハイライト部を有する画像を淡インクを用いて形成した印字部分に不均一な白いムラ(以降、この現象を白もやと呼ぶ)が生じる場合があることを見出した。またこの白もやは、異なる色調の2つの淡インクを重ねうちすることによって得る2次色以上の部位においても観察され、単色部位よりも2次色以上の部位で白もやが顕著な場合も観察された。そしてより一層高品位な画像の形成にはこの白もやの発生を軽減、あるいは解消することが重要であるとの結論を得るに至った。
【0012】
本発明の目的は、色材濃度の低いインクと前記インクの被記録媒体への定着性を向上させる液体組成物とを併用することによって耐水性や文字品位に優れ、またブリードの少ない印刷物を得る際に生じることがあった問題点、具体的には例えば写真画像のハイライト部分への白もやの発生を抑えた印刷方法を提供することにある。
【0013】
また本発明は、より高い品位を有するカラー画像の形成方法を提供することを他の目的とする。
【0014】
また本発明は、より高い品位を備え、特に階調性に優れた画像を形成する方法を提供することを他の目的とする。
【0015】
また本発明は、イエロー、シアン及びマゼンタの各色について、濃インクと淡インクを用いて、より高い品位を備えたマルチカラーの画像を形成する方法を提供することを他の目的とする。
【0016】
また本発明は、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの各色について、濃インク及び淡インクを用いてより高い品位を備えたマルチカラーの画像を形成する方法を提供することを他の目的とする。
【0017】
また本発明は、写真画像のハイライト部分等に白もやが生じることを抑えることのできるインクセットを提供することを目的とする。
【0018】
また本発明は、より高い品位を備えたカラー画像を形成できるインクセットを提供することを目的とする。
【0019】
また本発明は、高品位のマルチカラー画像を形成できるインクセットを提供することを目的とする。
【0020】
また本発明は、より高い品位のマルチカラー画像を形成できるインクセットを提供することを目的とする。
【0021】
また本発明は、例えば写真画像のハイライト部分等でも白もやの生じさせることのない、高品位は画像の形成に好適に用いられる記録ユニットを提供することを目的とする。
【0022】
また本発明は、例えば写真画像のハイライト部分等でも白もやの生じさせることない、高品位な画像の形成に好適に用いられる画像記録装置を提供することを目的とする。
【0023】
また本発明は、カチオン性化合物を含む液体組成物と共に用いて被記録媒体上に画像を形成した場合に、前記画像に白もやを生じさせることのないインクを提供することを他の目的とする。
【0024】
また本発明は、耐水性や文字品位に優れ、またブリードが少なく、さらに白もや等の生じていない印刷物を提供する点にある。
【0025】
さらにまた本発明は、白もや等が生じておらず、階調性にも優れた高品位な画像を形成する方法を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することのできるインクセットは、カチオン性物質を含有する液体組成物と、アニオン性色材を含有するインクもしくは色材とアニオン性物質を含有するインクと、からなるインクセットであり、前記インクの色材濃度は、1重量%以下であり、且つ該インクのpHは、10.5以上であることを特徴とする。印刷方法は、被記録媒体上に印刷する方法であって、液体組成物とインクとを、互いに被記録媒体上で接するように前記被記録媒体に付与する工程を有してなり、前記液体組成物とインクとは、それぞれ前記記載のインクセットを構成している液体組成物とインクとであることを特徴とする。
【0027】
上記目的を達成することのできる画像形成方法は、アニオン染料を色材として含み、色材濃度が1重量%以下のインク、ないしはアニオン性化合物と色材としての顔料とを含み、色材濃度が1重量%以下のインクの少なくとも1つを含む複数の色のインクと、カチオン性物質を含有する液体組成物とを用いて被記録媒体上の画像形成領域に画像を記録する画像形成方法であって、
(a)前記液体組成物を前記被記録媒体上の前記画像形成領域に付与する工程及び、
(b)前記色材濃度が1重量%以下のインクを前記画像形成領域に付与する工程、とを有し、
前記色材濃度が1重量%以下のインクは、pH10.5以上であることを特徴とする。
【0028】
また、上記目的を達成することのできる画像形成方法は、カチオン性物質を含む液体組成物、アニオン性物質を含む第1のインク及びアニオン性物質を含み且つ前記第1のインクと同一の色調を有し、前記第1のインクよりも色材の濃度が低い第2のインクを各々被記録媒体に付与する工程を有する画像形成方法であって、
前記付与工程では、前記第2のインクと前記液体組成物とが前記被記録媒体上で接するように、前記第2のインクと前記液体組成物の各々を前記被記録媒体に付与する工程を含み、前記第2のインクは色材濃度が1重量%以下であり、且つpHが10.5以上であることを特徴とする。
【0029】
さらに、上記目的を達成することのできる画像形成方法は、アニオン性物質を含有する色材濃度の異なる2種類のイエローインク、アニオン性物質を含有する色材濃度の異なる2種類のマゼンタインク、及びアニオン性物質を含有する色材濃度の異なる2種類のシアンインクを含む複数の色のインクと、カチオン性物質を含有する液体組成物とを用いて被記録媒体上の画像形成領域に画像を記録する画像形成方法であって、
(a)前記液体組成物を前記被記録媒体上の前記画像形成領域に付与する工程及び、
(b)前記イエローインク、前記マゼンタインク及び前記シアンインクから選ばれるインクであって、且つ色材濃度が相対的に低いインクを前記画像形成領域に付与する工程、とを有し、
前記色材濃度が相対的に低いインクは、すべて色材濃度が1重量%以下であり、且つpH10.5以上であることを特徴とする。
【0030】
さらに、上記目的を達成することのできる画像形成方法は、アニオン性物質を含有する色材濃度の異なる2種類のイエローインク、アニオン性物質を含有する色材濃度の異なる2種類のマゼンタインク、アニオン性物質を含有する色材濃度の異なる2種類のシアンインク及びアニオン性物質を含有する色材濃度異なる2種類のブラックインクを含む複数の色のインクと、カチオン性物質を含有する液体組成物とを用いて被記録媒体上の画像形成領域に画像を記録する画像形成方法であって、
(a)前記液体組成物を前記被記録媒体上の前記画像形成領域に付与する工程及び、
(b)前記イエローインク、前記マゼンタインク、前記シアンインク及び前記ブラックインクから選ばれるインクであって、且つ色材濃度が相対的に低いインクを前記画像形成領域に付与する工程、とを有し、
前記色材濃度が相対的に低いインクは、すべて色材濃度が1重量%以下であり、且つpH10.5以上であることを特徴とする。
【0031】
さらに、上記目的を達成することのできるインクセットは、カチオン性物質を含有する液体組成物と共に用いられる、少なくとも第1のインクと第2のインクとを具えるセットであり、
該第1のインクおよび第2のインクは、各々アニオン性色材を含有するインクもしくは色材とアニオン性物質を含有するインクであり、
該第1のインクと第2のインクとは、同一の色調を有し且つ、該第2のインクの色材濃度は、第1のインクの色材濃度よりも低く、
さらに、前記第2のインクは、色材濃度が1重量%以下であり、且つpHが10.5以上であることを特徴とする。
【0032】
さらに上記目的を達成することのできるインクセットは、i)カチオン性物質を含有する液体組成物と、ii)アニオン性染料もしくは、顔料及びアニオン性化合物を含むインクを含有するインクを組み合わせたインクセットであって、前記インクは色材濃度が1%以下のインクを含む複数の色のインクであって、前記色材濃度が1%以下の色インクは、pH10.5以上であることを特徴とする。
【0033】
さらに、上記目的を達成することのできるインクセットは、
i)カチオン性物質を含有する液体組成物と、
ii)アニオン性染料を含むインク、もしくは顔料及びアニオン性化合物を含有するインクを組み合わせたインクセットであって、
前記インクは、色材濃度の異なる2種類のイエローインク、色材濃度の異なる2種類のマゼンタインク及び色材濃度の異なる2種類のシアンインクであり、前記色材濃度が相対的に低いイエローインク、マゼンタインク及びシアンインクの各々は、色材濃度が1重量%以下であり、且つpH10.5以上であることを特徴とする。
【0034】
さらに上記目的を達成することのできるインクセットは、
i)カチオン性物質を含有する液体組成物と、
ii)アニオン性染料を含むインク、もしくは顔料及びアニオン性化合物を含有するインクを組み合わせたインクセットであって、
前記インクは、色材濃度の異なる2種類のイエローインク、色材濃度の異なる2種類のマゼンタインク、色材濃度の異なる2種類のシアンインク及び色材濃度の異なる2種類のブラックインクであり、
前記色材濃度が相対的に低いイエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクの各々は、色材濃度が1重量%以下であり、且つpHが10.5以上であることを特徴とする。
【0035】
上記の目的を達成することのできる記録ユニットは、
カチオン性物質を含有する液体組成物を収納するためのインク収納部と、
アニオン性物質を含有し、色材濃度が1重量%以下でpHが10.5以上の少なくとも1種類のインクを収納するためのインク収納部と、
前記液体組成物及び前記インクをインク滴として吐出させるためのヘッド部とを具えていることを特徴とする。
【0036】
さらに、上記の目的を達成することのできる画像記録装置は、
カチオン性物質を含有する液体組成物と、アニオン性物質を含有し、且つpHが10.5以上である少なくとも1種類以上の色のインクとを、個別に収納するインク収納部と、
前記液体組成物及び前記インクの各々をインク滴として吐出させるためのヘッド部とを具えている記録ユニットを備えていることを特徴とする。
【0037】
さらに、上記の目的を達成することのできるインクは、カチオン性物質を含む液体組成物と共に用いられ、アニオン性色材、もしくは色材及びアニオン性物質、を含有するインクであって、該インク中の色材濃度は、1重量%以下であり、且つpHは、10.5以上であることを特徴とするインク。
【0038】
さらに、上記の目的を達成する印刷物は、例えば、カチオン性物質を含有する液体及びアニオン性物質を含有するインクを被記録媒体に、互いに記録媒体上で接するように付与する工程を有し、前記インクは、色材濃度が1重量%以下であり、且つpHが10.5以上である印刷方法によって得られたものであることを特徴とする。
【0039】
さらに、上記の目的を達成する画像形成物は、
例えば、アニオン染料を色材として含み、色材濃度が1重量%以下のインク、及びアニオン性化合物と色材としての顔料とを含み、色材濃度が1重量%以下のインクの少なくとも1つを含む複数の色のインクと、カチオン性物質を含有する液体組成物とを用いて被記録媒体上の画像形成領域に画像を記録する画像形成方法であって、
(a)前記液体組成物を前記被記録媒体上の前記画像形成領域に付与する工程及び、
(b)前記色材濃度が1重量%以下のインクを前記画像形成領域に付与する工程、とを有し、
前記色材濃度が1重量%以下のインクは、pH10.5以上である画像形成方法によって形成されたことを特徴とするものである。
【0040】
また、上記目的を達成することのできる印刷方法は、
カチオン性物質を含有する液体組成物、アニオン性物質を含有する第1のインク及び、アニオン性物質を含み、前記第1のインクと同一の色調を有し、且つ前記第1のインクよりも色材濃度が低い第2のインクの各々を記録媒体上に付与する工程を備えた印刷方法であって、
前記付与工程は、前記液体組成物と前記第2のインクとが前記記録媒体上で互いが液体の状態で接するように、前記液体組成物及び前記第2のインクとを前記記録媒体に付与する工程を含み、
前記記録媒体に付与した際に、前記第2のインクは、前記液体組成物との間の反応性が、前記第1のインクと前記液体組成物との間の反応性よりも低いことを特徴とする。
【0041】
ここで上記した各発明が前記したような目的を達成できる理由は明らかではないが、本発明者が、白もやの原因を鋭意研究したところ、従来のアニオン性物質を含む淡インクとカチオン性物質を含む液体組成物を用いた記録方法、例えば(a)カチオン性物質を含有する液体組成物を付着させて被記録媒体上に付与する工程と、(b)アニオン性物質を含有する少なくとも一種以上のインクを記録信号にしたがって吐出オリフィスから液滴として吐出させて被記録媒体上に付与する工程とを有する画像形成方法において、ハイライト部を淡インクで形成すると、淡インク中に含有されるアニオン性基の数が液体組成物中のカチオン性基の数よりも極端に少ないため、両者の反応速度が極めて速く、その結果、被記録媒体上でアニオン性物質とカチオン性物質とが不均一な凝集をしてしまい、白もやを生じてしまうことが判明した。そして淡インクのpHを10.5以上にすると、被記録媒体上でのカチオン性物質との反応が抑制され、インク中のアニオン性物質と液体組成物中のカチオン性物質との間での反応速度が低下し、さらにアニオン性物質とカチオン性物質のインターラクションを弱まるため、被記録媒体上での不均一と、それによる白もやの発生を有効に防止することができるものと考える。
【0042】
【発明の実施の形態】
次に、好ましい実施形態を挙げて、さらに詳しく本発明を説明する。本発明は、カチオン性物質を含有する液体及びアニオン性物質を含有するインクを被記録媒体に、互いに記録媒体上で接するように付与する工程を有することを特徴とする印刷方法(あるいは画像形成方法)において、前記インクは、色材濃度が1重量%以下であり、且つpHが10.5以上であることを特徴とする印刷方法(あるいは画像形成方法)に関するものである。
【0043】
この画像形成方法(あるいは印刷方法)において、被記録媒体上に形成される画像に付与される単位面積当たりの前記カチオン性物質を含有する液体組成物と前記アニオン性物質を含有するインクの構成比が、前記液体組成物:前記インク=1:10〜8:10の範囲にあることが好ましい。このような範囲は、例えば写真画像のハイライト部を有する画像において白もやの発生を抑えることができる。
【0044】
また同じくこの画像形成方法において、アニオン性物質を含有するインクが、カラーインクとブラックインクを含み、前記カチオン性物質を含有する液体組成物と前記カラーインクの吐出量が1ドットにつき2〜40ng、ブラックインクの吐出量が1ドットについ2〜80ngである場合、画像品位、ブリーディング性に優れるので好ましい。
【0045】
また、本発明においては、液体組成物は、被記録媒体上の少なくとも画像形成領域を含む領域に吐出されていればよく、必ずしも画像形成領域と液体組成物の吐出領域は一致するものではない。
【0046】
〔カチオン性物質含有液体組成物〕
次に本発明で使用する液体組成物について説明する。本発明で使用する液体組成物には、少なくともカチオン性物質が含有されている。使用されるカチオン性物質としては、高分子量のカチオン性化合物であることが好ましく、GPCを使用して測定したカチオン性物質の重量平均分子量が400〜1400の範囲であることが好ましい。これにより、液体組成物とインクとの反応において、高分子のカチオン性化合物は、染料または顔料中のアニオン性化合物と低分子量のカチオン性化合物との会合体または顔料の凝集体を分子中に吸着し、サイズがさらに大きくなる。したがって、染料または顔料が、被記録媒体である記録紙の繊維の隙間に入り込みにくくなり、固液分離した液体部分のみを前記記録紙中に浸け込むことで印字品位と定着性の両立が達成されるのである。
【0047】
したがって、カチオン性物質を含む液体組成物の粘度が増大することがないので、前記液体組成物をインクジェット記録ヘッド、特にインクに熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させる記録ヘッドをもったいわゆるオンデマンド型のサーマルインクジェット記録装置を使用して記録媒体に付着させようとした場合に、周波数応答性、安定した吐出体積、安定した吐出速度等の吐出特性に対して非常に有利である。また多価の金属塩を使用する必要がないので、コゲーションが発生しない等の利点も本発明の別の効果として挙げられる。
【0048】
本発明における高分子物質の分子量とは、特に断らない限り、GPC(ゲルパーミーションクロマトグラフィ)を使用して求めた平均分子量のことを言い、ポリエチレンオキサイド換算の重量平均分子量のことを言う。また、本発明で用いられる液体組成物中に含まれるカチオン性物質の分子量分布は、予め各々単独でGPC測定を行ってもよいし、液体組成物そのものの分子量分布を測定した後、少なくともアニオン性基を有する水溶性染料が含まれたインクを十分な量用いて、前記インクと液体組成物とビーカー内で撹拌し、沈殿物を取り除いた後に再びGPC測定を行い、インク混合前とインクを混合して沈殿物を取り除いた後のGPCの測定結果を比較して、インク中の染料によって沈殿して系内から取り除かれた分子量分布から求めてもよい。
【0049】
上記高分子量のカチオン性化合物の例としては、例えば、ポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビニルアミン、キトサン、及びこれらの塩酸あるいは酢酸等の酸による中和物または部分中和物を挙げることができるが、もちろんこれらに限定されるわけではない。この中で特に好ましいのはポリアリルアミンである。
【0050】
また、本発明においては、上記の高分子のカチオン性化合物として、高分子のノニオン性化合物の一部をカチオン化した化合物を使用してもよい。このようなものとしては、具体的には、ビニルピロリドンとアミノアルキルアルキレート、4級塩との共重合体、アクリルアマイドとアミノメチルアクリルアマイド4級塩との共重合体等を挙げることができるが、もちろんこれらの化合物に限定されないことは言うまでもない。さらに上述した高分子化合物及びカチオン性の高分子物質は水溶性であればよく、ラテックスやエマルジョンのような分散体であってもかまわない。
【0051】
また、その他のカチオン性化合物としては、下記に挙げるようなものを好適に使用することができる。例えば、1級、2級及び3級アミンの塩型の化合物、具体的には、ドデシルアミン、ヤシアミン、ステアルアミン、ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等、第4級アンモニウム塩型の化合物、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルベンジルトリメチルクロライド、ドデシルメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド等、ピリジウム塩型化合物として、具体的には、セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジウムブロマイド等、イミダゾリン型カチオン性化合物として、具体的には、2−ヘプタデニセル−ヒドロキシエチルイミダゾリン等、高級アルキルアミンのエチレンオキシド付加物として、具体的には、ジヒドロキシエチルステアリルアミン等が挙げられる。この中では、炭素数8以上のアルキル基を有する第4級アンモニウム塩型のカチオン性化合物が好ましく、さらに好ましくは塩化ベンザルコニウムである。
【0052】
さらに本発明では、あるpH領域においてカチオン性を示す両性界面活性剤も使用することができる。例えば、アミノ酸型両性界面活性剤であるR―NH―CH2―CH2―COOH 型の化合物またはベタイン型の化合物であるステアリンジメチルベタイン、またドデシルジヒドロキシエチルベタイン等のカルボン酸塩型両性界面活性剤、その他、硫酸エステル型、スルホン酸型、燐酸エステル型等の両性界面活性剤等が挙げられる。もちろんこれらの両面活性剤を使用する場合には、それらの等電点以下のpHになるように液体組成物を調整するか、被記録媒体上でインクと混合した場合に前記等電点以下のpHになるように調整するかのいずれかの方法をとる必要がある。
【0053】
以上カチオン性化合物の例を挙げたが、本発明で使用することのできる化合物は必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0054】
上記の液体組成物中に含有されるカチオン性物質の量としては、液体組成物全量に対して0.05〜20重量%が好適な範囲であり、より好ましくは0.5〜5重量%の範囲であるが、各々使用する物質の組み合わせにより最適な範囲を決定する必要がある。
【0055】
本発明で使用する液体組成物は、上記したカチオン性物質の他に通常、水、水溶性有機溶剤及びその他の添加剤からなる。
【0056】
本発明で使用される水溶性有機溶剤としてはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6 ―ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、エタノール、イソプロピルアルコール、n―ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の1価のアルコール類、その他、グリセリン、N―メチル―2―ピロリドン、1,3―ジメチルイミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルホオキサイド等が用いられる。上記水溶性有機溶剤の含有量について特に制限はないが、好ましくはインクに対して5〜60重量%、さらに好ましくは5〜40重量%である。
【0057】
また本発明使用する液体組成物にはさらにこの他、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤及び蒸発促進剤等の添加剤を適宜配合してもかまわない。界面活性剤の選択は、液体組成物の被記録剤への浸透性を調整する上で特に重要である。
【0058】
本発明で使用する液体組成物は、無色であるのがより好ましいが、被記録媒体上等でインクと混合された際に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色のものでもよい。さらに、以上のような液体組成物の各種物性の好適な範囲としては、25℃付近でのpHが3〜12、好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8であり、表面張力が10〜60dyne/cm、好ましくは10〜40dyne/cmであり、粘度が1〜30cpsのものである。
【0059】
〔インク〕
次に本発明で使用するインクについて説明する。本発明に用いられるインクはアニオン性物質含有する少なくとも一種類以上のインクである。このインクのうち、少なくとも一種類は、色材濃度が1%以下でpHが10.5以上の色の薄いインクとすることが好ましい。これによって例えば写真画像のハイライト部を再現性よく記録媒体上に印刷でき、しかもカチオン性物質を含む液体組成物と記録媒体上で混合したときにも白もやの発生を抑えることができる。
【0060】
高い階調性が求められる印刷物、例えば写真画像の印刷等には、いくつかの色例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等について、それぞれの色に対して、互いに色材濃度が異なる、濃インクと淡インクを用いることが好ましい。そして、濃インク(色材濃度のより高いインク)に関しては色材濃度をインク全量に対して2重量%以上とする一方で、淡インク(色材濃度のより低いインク)については色材濃度をインク全量に対して1重量%以下とすることは、例えば写真画像の微妙な階調を極めて高度に再現することができる点で特に好ましい。そして、濃インクについては、pHが10.5以上である必要はないが、ヘッドやタンクへの腐食性等の問題から、インクのpHは12以下であることが好ましい。
【0061】
淡インクについては、上記したようにpHが10.5以上となるように調整することで、前述したカチオン性物質と記録媒体上で液体状態で接触した場合にもアニオン―カチオン間の急激な反応を抑制できるため、白もやの発生を有効に抑えることができる。そして淡インクに用いる色材の種類によっては液体組成物とのインターラクションの強い場合があるので、マージンを加味すると、淡インクのpHを10.7以上とすることがより好ましい。さらに、画像形成で用いられるすべての色の淡インクが、pHが10.5以上、さらに好ましくは10.7以上である場合、特に2次色形成時に、白もやが著しく良好である。この淡インクについても、ヘッドやタンクへの腐食性等の問題から、インクのpHは12以下であることが好ましい。
【0062】
このインクのpHを上記の範囲内とするために、pH調整剤を加えることが可能であり、こう言ったpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸が挙げられる。
【0063】
本発明に用い得るインクは、アニオン染料であるアニオン性基を含有する水溶性染料と、水、水溶性有機溶剤及びその他の成分、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等を必要に応じて含む。
【0064】
〔インク中の色材〕
本発明で使用する色材は、アニオン性基を有する水溶性染料または顔料である。
〔水溶性アニオン染料〕
本発明で使用するアニオン性基を有する水溶性染料(アニオン性色材)としては、例えばカラーインデックス(Color Index)に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料であれば特に限定はない。また、カラーインデックスに記載のないものでも、アニオン性基、例えばスルホン基、カルボキシル基等を有するものであれば特に限定はない。ここで言う水溶性染料の中には、溶解度のpH依存性があるものも含まれる。
【0065】
〔顔料+アニオン性化合物〕
このインクの別の形態としては、アニオン性基を有する水溶性染料(アニオン性色材)の代わりに、顔料及びアニオン性化合物を用い、水、水溶性有機溶剤、及びその他の成分、例えば粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等を必要に応じて含むインクであってもよい。ここで、アニオン性化合物が顔料の分散剤であってもよいし、顔料の分散剤がアニオン性でない場合、分散剤とは別のアニオン性化合物を添加してもよい。もちろん、分散剤がアニオン性化合物である場合でも、さらに他のアニオン性化合物を添加してもよい。
【0066】
〔顔料〕
本発明で使用することができる顔料に特に限定はないが、例えば以下に説明する顔料が好適に使用される。
【0067】
〔ブラック顔料〕
まず、ブラック顔料インクに使用されるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15から40ミリミクロン、BET法による比表面積が50から300平方メートル/g、DBP 吸油量が、40から150ml/100g、揮発分が0.5から10%、pH値が2から9を有し、例えば、No. 2300, No. 900, MCF88, No. 40, No. 52, MA7, MA8, No. 2200B (以上三菱化成製)、RAVEN1255 (コロンビア製)、REGAL400R, REGAL660R, MOGUL L (キャボット製)、Color Black FWl, Color Black FW18, Color Black S170, Color Black S150, Printex 35, Printex U(デグッサ)等の市販品を使用することができる。また、本発明のために新たに試作されたものでもよい。
【0068】
〔イエロー顔料〕
イエローインクに使用される顔料としては、C. I. Pigment Yellow 1, C. I. Pigment Yellow 2, C. I. Pigment Yellow 3, C. I. Pigment Yellow 13, C. I. Pigment Yellow 16, C. I. Pigment Yellow 83等が挙げられる。
【0069】
〔マゼンタ顔料〕
マゼンタインクとして使用される顔料としては、C. I. Pigment Red 5, C. I. Pigment Red 7, C. I. Pigment Red 12, C. I. Pigment Red 48 (Ca), C. I. Pigment Red 48 (Mn), C. I. Pigment Red 57 (Ca), C. I. Pigment Red 112, C. I. Pigment Red 122等が挙げられる。
【0070】
〔シアン顔料〕
シアンインクとして使用される顔料としては、C. I. Pigment Blue 1, C. I. Pigment Blue 2, C. I. Pigment Blue 3, C. I. Pigment Blue 15, C. I. Pigment Blue 16, C. I. Pigment Blue 22, C. I. Vat Blue 4, C. I. Vat Blue 6等が挙げられる。
【0071】
またいずれの色の色材に関しても、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。上述した顔料はインク全量に対して、1〜20重量%、好ましくはは2〜12重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0072】
〔顔料分散剤〕
本発明で使用するインク中の顔料の分散剤は、水溶性樹脂ならどんなものでも使用可能だが、重量平均分子量は1000から30000の範囲が好ましい。さらに、好ましくは、3000から15000の範囲である。具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α, β―エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等の疎水性単量体、または、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体から選ばれる二つ以上の単量体からなるブロック共重合体、グラフト共重合体、あるいは、ランダム共重合体、また、これらの塩等が挙げられる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶でアルカリ可溶型樹脂である。さらに、親水性単量体からなるホモポリマーまた、それらの塩でもよい。また、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等の水溶性樹脂も使用することが可能である。しかし、アルカリ可溶型の樹脂を用いた場合の方が、分散液の低粘度かが可能で、分散も容易であるという利点がある。前記、水溶性樹脂は、インク全量に対して、0.1から5重量%の範囲で使用されることが好ましい。
【0073】
以上のごとき、顔料及び水溶性樹脂は水溶性媒体中に分散または溶解される。上記の本発明に用い得る顔料系インクにおいて好適な水性媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
【0074】
分散剤が、アニオン性高分子ではない場合、上述した顔料を含むインクにさらに、アニオン性化合物を添加する必要がある。本発明で好適に使用されるアニオン性化合物としては、顔料分散剤の項で説明したアルカリ可溶性樹脂等の高分子物質の他、低分子アニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0075】
低分子アニオン性界面活性剤の具体的な例としては、スルホコハク酸ラウリルニナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミドエステルニナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ニナトリウム、カルボキシル化ポリオキシエチレンラウリルエーテルナトリウム塩、カルボキシル化ポリオキシエチレンラウリルエーテルナトリウム塩、カルボキシル化ポリオキシエチレントリデシルエーテルナトリウム塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
【0076】
以上のようなアニオン性物質の好適な使用量としては、インク全量に対して、0.05から10重量%の範囲であり、さらに好適には0.05から5重量%である。
【0077】
また、本発明で使用される顔料としては、分散剤を必要としない、自己分散型の顔料も使用できる。自己分散型の顔料は、顔料表面に少なくとも1種の親水性基が直接もしくは他の原子団を介して結合された水性顔料インクである。親水性基としては、下記に挙げた親水性基の中から選択される少なくとも1種であり、さらに他の原子団が炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよいナフチル基であってもよい。
―COOM、―SO3M、―SO2NH2、―PO3HM、―PO2M2、―SO2NHCOR
(ただし、式中のMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表し、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよいナフチル基を表す。)
また、本発明のインクは、上記の成分の他に必要に応じて所望の物性値をもつインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を添加することができ、さらに、市販の水溶性染料等を添加することもできる。
【0078】
界面活性剤としては脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤があり、これらの1種または2種以上を適宜選択して使用できる。その使用量は分散剤により異なるがインク全量に対して0.01から5重量%が望ましい。この際、インクの表面張力は30dyne/cm以上になるように活性剤の添加する量を決定することが好ましい。なぜなら、本発明のような記録方式においてはノズル先端の濡れによる印字ヨレ(インク滴の着弾点のズレ)等の発生を有効に抑えることができるからである。
【0079】
以上で説明したような顔料系インクの作成方法としては、はじめに、分散樹脂、水を少なくとも含有する水溶液に顔料を添加し、撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行い、所望の分散液を得る。次に、この分散液に上記に揚げたような成分を加え、撹拌してインクをする。
【0080】
また、アルカリ可溶型樹脂を使用する場合、樹脂を溶解させるために塩基を添加することが必要である。樹脂を溶解させるアミンあるいは塩基の量を、樹脂の酸価から計算によって求めたアミンあるいは塩基量の1倍以上添加することが必要である。このアミンあるいは塩基の量は以下の式によって求められる。
【0081】
アミンあるいは塩基の量(g)=(樹脂の酸価×アミンあるいは塩基の分子量×樹脂量(g))/5600
さらに、顔料を含む水溶液を分散処理する前にプレミキシングを30分間以上行うと分散効率がよい。このプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進するものである。
【0082】
アルカリ可溶型樹脂を使用した場合の分散液に添加される塩基類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、あるいは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が好ましい。
【0083】
一方、本発明に使用する分散機は、一般に使用される分散機ならいかなるものでもよいが、例えば、ボールミル、サンドミル等が挙げられる。
【0084】
その中でも、高速型のサンドミルが好ましく、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノールミル、パールミル、コボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0085】
なお、本発明のインクは上記成分の他に必要に応じて水溶性有機溶剤、界面活性剤、pH調製剤、防錆剤、防カビ剤、酸化防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤及び水溶性ポリマー等の添加剤を添加してもよい。
【0086】
〔水性媒体〕
本発明で使用される上記色材を溶解または分散する液媒体は、水と水溶性有機溶剤との混合物であることが好ましい。具体的な水溶性有機溶剤の例としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n―プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n―ブチルアルコール、sec―ブチルアルコール、tert ―ブチルアルコール等の炭素数1―4のアルキルアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジアキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6―ヘキサントリオール、チオジグリコール、へキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類、グリセリン、エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、N―メチル―2―ピロリドン、1,3―ジメチル―2―イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルサルフォオキサイド、2―ピロリドン、ε―カプロラクタム等の環状アミド化合物及びスクシンイミド等のイミド化合物等が挙げられる。
【0087】
上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般には、インクの全重量に対して重量%で1%〜40%が好ましく、より好ましくは3%〜30%の範囲である。また、インク中の水の含有量は、30〜95重量%の範囲で使用される。30重量%より少ないと色材の溶解性等が悪くなり、インクの粘度も高くなるため好ましくない。一方、95%より多いと蒸発成分が多すぎて十分な固着特性を満足できない。本発明にかかるインクは、一般の水溶性筆記用具としても使用できるが、熱エネルギーによるインクの発泡現象によりインクを吐出させるタイプのインクジェット記録方法に適用する場合に特に好適であり、吐出が極めて安定となり、サテライトドットの発生等が生じないという特徴がある。ただし、この場合には、熱的な物性値(例えば、比熱、熱膨張係数、熱伝導率)を調整する場合もある。
【0088】
さらに、本発明に係るインクは普通紙等に記録した場合の印字記録物のインクの耐水性の問題を解決すると同時に、インクジェット用ヘッドに対するマッチングを良好にする面から、インク自体の物性として25℃における表面張力が30〜68dyne/cm、粘度が15cP以下、好ましくは10cP以下、より好ましくは5cP以下に調整されることが望ましい。
【0089】
インクセットは、カチオン物質を含有する液体組成物とアニオン性物質を含有する少なくとも1種類以上のインクの組み合わせを言う。また、カチオン物質を含有する液体組成物とともに、このインクセットを構成している、前記少なくとも1種類以上のインクの組み合わせをインクサブセットという。本発明のインクセットで用いられるインクは、アニオン性物質を含有する少なくとも1種類以上のインクで、このインクのうち、少なくとも1種類は、色材濃度が1重量%以下で、pHが10.5以上の色の薄いインクである。
【0090】
次に本発明に係る印刷方法、画像記録方法について説明する。次に上述したように構成されている液体組成物及びインクを被記録媒体上に付与する方法について説明する。
【0091】
本発明に係る印刷方法、画像記録方法は、(A)カチオン性物質を含有する液体組成物を付着させて被記録媒体上に付与する工程と、(B)アニオン性物質を含有する少なくとも1種類以上の色のインクを記録信号にしたがって吐出オリフィスから液滴として吐出させて被記録媒体上に付与する工程とを有する。
【0092】
工程(A)は、工程(B)により形成される記録画像の良好な文字品位と定着性の向上を図り、さらにブリーディング防止と画像の耐水性の向上の目的のためになされるものであり、工程(A)を工程(B)に先立って行っても、工程(B)の後に工程(A)を行ってもかまわない。どちらの過程を先に行っても、液体組成物中のカチオン性物質とインク中のアニオン性物質とが被記録媒体上で混合し凝集体を形成させるからである。また、画像濃度及び定着性の向上の観点からは、工程(B)の後に工程(A)を行い、さらにそれに続いて工程(B)を行うことがより好ましい。
【0093】
工程(A)を工程(B)に先立って行う場合の液体組成物を被記録媒体に付着せしめてから、インクを付着させるまでの時間については特に制限されるものではないが、本発明の一層効果的なものにするためには、数秒以内、特に好ましくは1秒以内である。これは工程(A)を工程(B)の後にした場合についても同様である。
【0094】
液体組成物及びインクを被記録媒体上に付着せしめる方法としては、種々のインクジェット方式を用いることができるが、特に好ましいのは、前述の熱エネルギーによって発生した気泡を用いて液滴を吐出する、いわゆるオンデマンド型のサーマルインクジェット方法である。
【0095】
そして高い階調性の印刷物もしくは画像記録物を得るためには、インクとして前述したように濃インクと淡インクとを用いることが好ましい。濃インクと淡インクとは所定の階調数に応じて、またリニアな階調表現が得られるように、濃インクのドットのみ、濃インクのドットと淡インクのドットの両方、及び淡インクのドットのみを記録媒体に形成する。そして、カチオン性物質を含む液体組成物は、記録媒体上において前記インクと接するように付与されるものである。具体的には例えば、各々のインクのドットが形成される部位、もしくはその部位に隣接する部位等に液体組成物が付与される。そして淡インクのドットが付与される部位を含む記録媒体上の単位面積あたりの前記液体組成物と前記インクの構成比を1:10〜8:10(液体組成物:インク)とするのが好ましい。すなわち、白もやの発生の抑制と、記録画像の優れた耐水性や耐ブリーディング性、そして高い画像品位等とを両立させることができる。
【0096】
またこのときインクとしてイエロー、マゼンタ及びシアンから選ばれる少なくとも1つのカラーインクとブラックインクとを用いる場合、前記液体組成物と前記カラーインクの吐出量を1ドットにつき2〜40ng、ブラックインクの吐出量を2〜80ngとした場合、画像品位や画像の耐ブリーディング性において優れた結果を得ることができる。
【0097】
各々の吐出量を上記したような範囲に設定した場合、前記液体組成物とインクとを十分に反応させることができる。また、記録媒体上でインクが広がらず、十分な画像濃度が得られないといった現象の発生も抑えることができる。
【0098】
本発明の画像形成方法を実施するための記録装置について説明する。本発明には記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、前記熱エネルギーにより液滴を吐出させるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置が挙げられる。その装置の主要部であるヘッド構成例を図1、図2及び図3に示す。
【0099】
ヘッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミック、またはプラスチック板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これに限定されるものではない。)とを密着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17―1及び17―2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基板20より成っている。
【0100】
インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まできており、不図示の圧力によりメニスカス23を形成している。
【0101】
電極17―1、17―2に電気信号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記録材25に向かって飛翔する。
【0102】
図3には図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。前記マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作される。
【0103】
なお、図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA―B線での断面図である。
【0104】
図4に、かかるヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の1例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配設される。
【0105】
また、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して突出口面と当接し、キャッピングを行う構成を具備する。さらに63はブレード61に隣接して配設されるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62、インク吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
【0106】
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出指摘録を行う記録ヘッドであり、66はこの記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿って移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能になる。
【0107】
51は被記録材を挿入するための給紙部であり、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラを配した排紙部へ排紙される。
【0108】
上記の構成において、記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の突出面がワイピングされる。なお、キャップ62が記録ヘッド65の突出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0109】
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は、上記したワイピング時の位置にと同様の位置にある。この結果、この移動においても、記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
【0110】
上記の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0111】
図5はヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。このインクカートリッジ45には、供給用インクを収容した収容部、例えば、インク袋40の先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているのが本発明にとって好ましい。
【0112】
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示す記録ユニットのようにそれらが一体となったものにも好適に用いられる。
【0113】
図6において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容した収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース、またはポリビニルアセテートを用いることが本発明にとって好ましい。
【0114】
72は、記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し、着脱自在になっている。
【0115】
なお、本発明に使用する記録装置において、上記ではインクに熱エネルギーを作用させてインク液滴を吐出するインクジェット記録装置を例に挙げたが、そのほか圧電素子を使用するピエゾ方式のインクジェット記録装置でも同様に利用できる。
【0116】
さて、本発明の画像形成方法を実施する場合には、例えば前記図3に示した記録ヘッドを5つのキャリッジ上に並べた記録装置を使用する。図7はその一例である。81,82,83,84はそれぞれ濃淡イエロー、濃淡マゼンタ、濃淡シアン、濃淡ブラックの各インクを吐出するための記録ヘッドである。また、85は液体組成物を吐出するためのヘッドである。前記ヘッドは前記した記録装置に配置され、記録信号に応じて、各色の記録インクを吐出する。また、液体組成物はそれに先立ち、少なくとも各色の記録インクが記録紙に付着する部分に予め付着させておく。図7では記録ヘッドを5つ使用した例を示したが、具体的にはこれらの記録ヘッドは例えば図11に示すインクジェット記録装置のキャリッジ1101に装着してカラー印刷を行うものである。キャリッジ1101は、ガイドシャフト1103及びサポートシャフト1105によって摺動自在に支持され、ガイドシャフト1103及びサポートシャフト1105は、シャーシ1107の両側壁に配設されている。これら両シャフト上を主走査方向に往復移動するキャリッジ1101の駆動力は、駆動ベルト1109を介してキャリッジモータ1111から与えられる。
【0117】
また、紙等の記録媒体(不図示)の挟持搬送は、プラテンローラ1113及びピンチローラ1115により行われ、プラテン1117上に記録媒体が搬送される。このとき、キャリッジ1101に搭載された記録ヘッドの記録ヘッド部7(不図示)はキャリッジ1101から下方へ突出して、記録ヘッド部の吐出口形成面は、プラテン1117上の記録媒体に平行に対向するようになっている。なお、前記シャーシ1107が固着されている本体1119には、廃インクタンク1121が配設されている。図8は、図11のインクジェット記録装置のキャリッジ1101に5つの記録ヘッドが取り付けられた状態を、インクが吐出されるノズル側から見たときの概略図である。図8において86は液体組成物を吐出させるヘッドであって、前記ヘッドは吐出口列86Aを備えている。前記吐出口列86Aは例えば(600)dpi間隔で吐出口が(304)個配列されてなるものである。同様に87は濃黒インクを吐出させるヘッド、88は淡黒インクを吐出させるヘッドであり、各々のヘッドは吐出口86Aと同様の吐出口列87A及び88Aを備えている。さらに89は濃イエローインク、濃マゼンタインク及び濃シアンインクを吐出させるヘッドであって、各々のインクを吐出するインク吐出口列89A、89B及び89Cを備えている。インク吐出口89A、89B及び89Cは各々が例えば(600)dpi間隔で(80)個の吐出口を有している。さらにまた90は淡イエローインク、淡マゼンタインク及び淡シアンインクを吐出させるヘッドであり、各々のインクを吐出するインク吐出口列90A、90B及び90Cを有している。インク吐出口列90A、90B及び90Cの各々は、例えば(600)dpi間隔で(80)個の吐出口を有している。
【0118】
図9は図8に示した記録ヘッド配列及び吐出口配列の変形例を示す概略図であり、91〜98の各々が記録ヘッドである。そして91は吐出口列91Aから液体組成物を吐出させる記録ヘッド、92は吐出口列92Aから黒インクを吐出させる記録ヘッド、93は吐出口列93Aから濃シアンインクを吐出させるヘッド、94は吐出口列94Aから濃マゼンタインクを吐出させる記録ヘッド、95は吐出口列95Aから濃イエローインクを吐出させる記録ヘッド、96は吐出口列96Aから淡シアンインクを吐出させる記録ヘッド、97は吐出口列97Aから淡マゼンタインクを吐出させる記録ヘッド、そして98は吐出口列98Aから淡イエローインクを吐出させる記録ヘッドである。
【0119】
図10もまた図8に示した記録ヘッド配列及び吐出口配列の変形例を示す概略図であり、101は吐出口列101Aから液体組成物を吐出する記録ヘッド、102は吐出口列102A、102B、102C及び102Dの各々から濃黒インク、濃シアンインク、濃マゼンタインク及び濃イエローインクを吐出する記録ヘッドである。また103は吐出口列103A、103B、103C及び103Dの各々から淡黒インク、淡シアンインク、淡マゼンタインク及び淡イエローインクを吐出する記録ヘッドである。
【0120】
また、図12は、記録ヘッド配置及び吐出口配列の更なる変形例を示す概略図であり、2個の記録ヘッド1201及び1203で構成されている。
【0121】
記録ヘッド1201液体組成物を吐出する吐出口列1201A及び黒インクを吐出する吐出口列1201Bを備えている。前記吐出口列1201A及び1201Bは例えば600dpi間隔で吐出口が304個配列されてなるものである。また、記録ヘッド1203は、濃イエローインク、濃マゼンタインク及び濃シアンインクの各々を吐出させる吐出口列1203A、1203B及び1203Cと、淡イエローインク、淡マゼンタインク及び淡シアンインクの各々を吐出させる吐出口列1203D、1203E及び1203Fを備えている。そして各吐出口列1203A〜Fの各々は、例えば(600)dpi間隔で(80)個の吐出口を有している。
【0122】
図13は、図12の記録ヘッド1201を構成例のうちの1つであって、記録ヘッド部分と吐出される液体組成物及び黒インクと個別に収納されたタンクとが一体化されたカートリッジ1301の概略斜視図である。1302は、記録液滴を吐出するための複数のノズル及びオリフィスが2列、内部に形成された1個の天板と、記録液滴を吐出するためのエネルギー発生部である複数の発熱用ヒータが形成された2個のヒータボードと、それぞれのヒータボードを天板に固定する2個の固定用ばねとが一体的に組み立てられた吐出チップである。
【0123】
1303は、その内部に黒インク及び液体組成物を個別に内蔵し、保持するインクタンクである。吐出チップ1302とインクタンク1303とは、互いに一体的に固定される。そしてインクタンク中の液体組成物と黒インクとは各々が記録ヘッドの液室(不図示)に導かれ、記録情報に応じて吐出口列1201Aと1201Bとから吐出される。液体組成物は、インクタンク1303内の図中の手前側、黒インクは、図中奥側に、それぞれ同量に配置されている。液体組成物及び黒インクのそれぞれは吐出チップ1302内に連通し、液体組成物は吐出チップ1302内の図中の手前側、黒インクは図中奥側の液室に導かれている。そして液体組成物の吐出口列1201Aから、また黒インクは吐出口列1201Bから個別に吐出される。
【0124】
図14は、図12の記録ヘッド1203の構成例の一つであって、記録ヘッド部分1401と前記記録ヘッド部分に着脱可能に装着されてなる、カラーインクを収納したインクタンク1403の概略斜視図である。
【0125】
1402は、記録液滴を吐出するための複数のノズル及びオリフィスが2列、内部に形成された1個の天板と、記録液滴を吐出するためのエネルギー発生部である複数の発熱用ヒータが形成された2個のヒータボードと、このヒータボードを天板に固定する2個の固定用ばねとが一体的に組み立てられた吐出チップである。
【0126】
インクタンク1403は、その内部に濃イエローインク、淡イエローインク、濃マゼンタインク、淡マゼンタインク、濃シアンインク、淡シアンインクの6色のインクを個別に内蔵、保持している。そしてインクタンク1403は記録ヘッド部分1401のインクタンクホルダ1405部分に着脱可能に装着され、そのときに各々のインクはインク供給口1404を介して記録ヘッド部分1401に供給される。具体的には、インクタンク1403をインクタンクホルダ1405内に装着することで6種のインクは吐出チップ1402内に連通し、吐出チップ1402内の図中の奥側の3色分離された液室(不図示)にY, M, C 濃インクが導かれ、図中の手前側の3色分離された液室(不図示)にY, M, C淡インクが導かれ、インクタンク内のインクは各々吐出口各々のインクは吐出口列1203A〜Fから記録情報に応じて個別に吐出される。
【0127】
上記図13に示したカートリッジ1301及び図14に示した記録ヘッドは、例えば図15に示すインクジェット記録装置のキャリッジ1501に装着することで図12に示したような記録ヘッド配列、及び吐出口配列を実現することができる。1503は、ヘッド先端部に形成されたインクを吐出する複数のオリフィスからのインク乾燥を防止するヘッドキャップと、ヘッドの動作不良時に複数のオリフィスからインクを吸引するための吸引ポンプとが組み込まれたヘッド回復ユニットである。1505は記録媒体が搬送される面である。
【0128】
ここでは、キャリッジ1501は、回復ユニット1503上での位置をホームポジションとしており、印刷図中の左方向へ走査し始めることで開始される。このようにC, M, Yそれぞれが濃淡2種のインクで構成されることで色再現領域が拡大し、写真調の高画質を再現することが可能となる。この際、写真調の画像ではハイライト部の色再現が多くなるため、淡インクの使用量が濃インクの使用量に比べ多くなり、Y, M, C各色濃淡の6種のインクを同一タンク内に内蔵する場合には、淡インクをより多量に内蔵することが必要となる。したがって、図14に示したインクタンク1403では、図中の右部に淡インク、左部に濃インクを配置し、各色の淡インクを各色の濃インクの2倍保持するような構成にしている。
【0129】
本発明の画像形成方法を用いて形成された画像形成物は、白もやがなく、非常に鮮明な画像形成物である。特に、ハイライト部を有する写真画像を本発明の画像形成方法を用いて被記録媒体上に形成した画像形成物は、際だって鮮明な画像形成物であるとの印象を与えるものである。
【0130】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中、部及び%とあるのは特に断りない限り重量基準である。なお、カチオン性物質の分子量分布のピークは、ポリエチレンオキシド標準でGPCで測定した。また、顔料が含有されているインク中の分散剤の重量平均分子量については、スチレンポリマーを標準としたGPC法により測定し、分散剤の平均粒径は、動的光散乱法によって測定した。
【0131】
(実施例1〜6)
以下に示す各成分を混合溶解した後、ポアサイズが0.46μmのメンブレンフィルター(商品名、フロロポアフィルター、住友電工(株)製)にて加圧濾過し、本発明の液体組成物A 及びB, Cを得た。
【0132】
<液体組成物Aの組成>
・ トリエチレングリコール 5部
・ ジエチレングリコール 6部
・ ポリエチレンイミン塩酸塩(エポミンSP−012、日本触媒製) 4部
・ セチルトリメチルアンモニウムクロライド 1部
(レポンTM−16、三洋化成製)
・ 水 84部
ここで、カチオン性物質の重量平均分子量は以下の通りである。
・ ポリエチレンイミン塩酸塩 1200
・ セチルトリメチルアンモニウムクロライド 310
<液体組成物Bの組成>
・ グリセリン 6部
・ チオジグリコール 5部
・ ポリアリルアミン塩酸塩 4部
・ 塩化ベンザルコニウム(カチオンG50、三洋化成製) 0.5部
・ 水 84.5部
ここで、カチオン性物質の重量平均分子量は以下の通りである。
・ ポリアリルアミン塩酸塩 960
・ 塩化ベンザルコニウム 300
<液体組成物Cの組成>
・ ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド 2部
(エレクトロストリッパーQE、花王製)
・ ポリアリルアミン酢酸塩 10部
・ チオジグリコール 10部
・ 水 78部
ここで、カチオン性物質の重量平均分子量は以下の通りである。
・ ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド 340
・ ポリアリルアミン酢酸塩 1000
次に、本発明で使用するインクサブセット1及び2の作製について説明する。
(インクサブセット1の作製
下記に示す各成分を混合し、十分撹拌し溶解後、ポアサイズが0.45μmのフロロポアフィルター(商品名、住友電工(株)製)にて加圧濾過し、本発明のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色インクY1−a、Y1−b、M1−a、M1−b、C1−a、C1−b、BK1−a、BK1−bを得た。の記録液:Y1−a、Y1−b、M1−a、M1−b、C1−a、C1−b、BK1−a、BK1−bをインクサブセット1とする。
【0133】
<イエローインクY1―a(濃インク)>
・ C. I. ダイレクトイエロー132 3部
・ チオジグリコール 8部
・ エチレングリコール 8部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.3部
・ 水 80.7部
<イエローインクY1ーb(淡インク)(pH10.6)>
・ C. I.ダイレクトイエロー132 0.7部
・ チオジグリコール 8部
・ エチレングリコール 8部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.3部
・ 水酸化リチウム 0.05部
・ 水 82.95部
<マゼンタインクM1―a(濃インク)>
・ C. I. Acid Red 289 2部
・ グリセリン 6部
・ 尿素 7部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.3部
・ 水 84.7部
<マゼンタインクM1―b(淡インク)(pH10.8)>
・ C. I. Acid Red 289 0.5部
・ グリセリン 6部
・ 尿素 7部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.3部
・ 水酸化ナトリウム 0.07部
・ 水 86.13部
<シアンインクC1―b(濃インク)>
・ C. I. ダイレクトブルー86 3部
・ エチレングリコール 7部
・ ジエチレングリコール 10部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.3部
・ 水 79.7部
<シアンインクC1―b(淡インク)(pH10.7)>
・ C. I. ダイレクトブルー86 0.5部
・ エチレングリコール 7部
・ ジエチレングリコール 10部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.3部
・ 水酸化リチウム 0.03部
・ 水 82.14部
<ブラックインクBk1―a(濃インク)>
下記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂成分を完全に溶解させる。
・ スチレン―アクリル酸―アクリル酸エステル共重合体 1.5部
・ (酸化160、重量平均分子量8000)
・ モノエタノールアミン 1.2部
・ イオン交換水 81.5部
この溶液にカーボンブラックMCF88(三菱化成製)10部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
・ 分散機、サンドグラインダー(五十嵐機械製)
・ 粉砕メディア、ジルコニアビーズ
・ 粉砕メディアの充填率、50%(体積)
・ 粉砕時間、3時間
さらに遠心分離処理(12000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0134】
次に下記成分を混合し、pH9.5のブラックインクBk1を得た。
・ 上記分散体 30部
・ グリセリン 8部
・ ジエチレングリコール 8部
・ エチレングリコール 5部
・ イソプロピルアルコール 3.5部
・ 純水 45.5部
<ブラックインクBk1―b(淡インク)(pH10.9)>
・ 上記分散体 10部
・ グリセリン 8部
・ ジエチレングリコール 8部
・ エチレングリコール 5部
・ イソプロピルアルコール 3.5部
・ 水酸化ナトリウム 0.08部
・ 純水 65.42部
(インクサブセット2の作製)
下記に示す各成分を混合し、十分撹拌して溶解後、ポアサイズが0.45μmのフロロポアフィルターに(商品名、住友電工(株)製)にて加圧濾過し、本発明のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色インクY2―a、Y2―b、M2―a、M2―b、C2―a、C2―b、BK2―a、BK2―bを得た。この記録液Y2―a、Y2―b、M2―a、M2―b、C2―a、C2―b、BK2―a、BK2―bをインクサブセット2とする。
【0135】
<イエローインクY2―a(濃インク)>
・ Projet Fast Yellow 2 (Zeneca 社製) 2.0部
・ C. I. ダイレクトイエロー86 1.0部
・ チオジグリコール 8部
・ エチレングリコール 8部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.2部
・ イソプロピルアルコール 4部
・ 水 76.8部
<イエローインクY2―b(淡インク)(pH10.6)>
・ Projet Fast Yellow 2 (Zeneca 社製) 0.5部
・ C. I. ダイレクトイエロー86 0.3部
・ チオジグリコール 8部
・ エチレングリコール 8部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.2部
・ イソプロピルアルコール 4部
・ 水酸化リチウム 0.05部
・ 水 78.95部
<マゼンタインクM2―a(濃インク)>
・ Projet Fast Magenta 2(Zeneca 社製) 3部
・ グリセリン 7部
・ 尿素 7部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.2部
・ イソプロピルアルコール 4部
・ 水 78.8部
<マゼンタインクM2―b(淡インク)(pH10.6)>
・ Projet Fast Magenta 2(Zeneca 社製) 0.6部
・ グリセリン 7部
・ 尿素 7部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.2部
・ 水酸化ナトリウム 0.06部
・ イソプロピルアルコール 4部
・ 水 81.1部
<シアンインクC2―a(濃インク)>
・ C. I. ダイレクトブルー199 3部
・ エチレングリコール 7部
・ ジエチレングリコール 10部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.3部
・ 水 79.7部
<シアンインクC2―a(淡インク)(pH10.8)>
・ C. I. ダイレクトブルー199 0.5部
・ エチレングリコール 7部
・ ジエチレングリコール 10部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.3部
・ 水酸化ナトリウム 0.07部
・ 水 82.2部
<ブラックインクBk2―a(濃インク)>
・ C. I. ダイレクトブラック195 2.5部
・ 2―ピロリドン 10部
・ グリセリン 5部
・ イソプロピルアルコール 4部
・ 水酸化ナトリウム 0.4部
・ 水 78.1部
<ブラックインクBk2―b(淡インク)(pH11.1)>
・ C. I. ダイレクトブラック195 0.6部
・ 2―ピロリドン 10部
・ グリセリン 5部
・ イソプロピルアルコール 4部
・ 水酸化ナトリウム 0.1部
・ 水 80.3部
上記のようにして得られた液体組成物とインクサブセットとを下記表1に示すように組み合わせてインクセットを構成し、PPC用紙(キャノン製)に記録を行った記録ヘッド及び吐出口の配列は、図8に示した通りとし、5つの記録ヘッドを図11に示すインクジェット記録装置のキャリッジに装着してカラー画像を形成した。この際、液体組成物Aを先うちしてまず記録紙上に付着させた後に各インクを付着させた。なお、用いた記録ヘッドは、600dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数6kHzとした。600dpiのヘッドを使用したときの1ドットあたりの吐出量はイエロー、マゼンタ、シアンインク及び液体組成物Aについてはそれぞれ15ng、ブラックインクについては1ドットあたり30ngのヘッドを使用した。
【0136】
また、液体組成物Aは、ブラックインクに対して、50%duty、カラーインクに対しては33%dutyの割合で印字を行った。
【0137】
なお、これらの記録条件は以下に述べる染料を含むインクを使用した場合の実施例及び比較例を通じて同一である。
【0138】
【表1】
Figure 0003817388
(比較例1〜3)
(インクサブセット3の作製)
下記に示す各成分を混合し、十分撹拌して溶解後、ポアサイズが0.45μmのフロロポアフィルターに(商品名、住友電工(株)製)にて加圧濾過し、本発明のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色インクY3―a、Y3―b、M3―a、M3―b、C3―a、C3―b、BK3―a、BK3―bを得た。この記録液Y3―a、Y3―b、M3―a、M3―b、C3―a、C3―b、BK3―a、BK3―bをインクサブセット3とする。
【0139】
<イエローインクY3―a(濃インク)>
・ Projet Fast Yellow 2 (Zeneca 社製) 2.0部
・ C. I. ダイレクトイエロー86 1.0部
・ チオジグリコール 8部
・ エチレングリコール 8部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.2部
・ イソプロピルアルコール 4部
・ 水 76.8部
<イエローインクY3―b(淡インク)(pH8.7)>
・ Projet Fast Yellow 2 (Zeneca 社製) 0.5部
・ C. I. ダイレクトイエロー86 1.0部
・ チオジグリコール 8部
・ エチレングリコール 8部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.2部
・ イソプロピルアルコール 4部
・ 水 78.30部
<マゼンタインクM3―a(濃インク)>
・ Projet Fast Magenta 2(Zeneca 社製) 3部
・ グリセリン 7部
・ 尿素 7部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.2部
・ イソプロピルアルコール 4部
・ 水 78.8部
<マゼンタインクM3―b(淡インク)(pH8.5)>
・ Projet Fast Magenta 2(Zeneca 社製) 0.6部
・ グリセリン 7部
・ 尿素 7部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.2部
・ イソプロピルアルコール 4部
・ 水 81.2部
<シアンインクC3―a(濃インク)>
・ C. I. ダイレクトブルー199 3部
・ エチレングリコール 7部
・ ジエチレングリコール 10部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.3部
・ 水 79.7部
<シアンインクC3―b(淡インク)(pH7.5)>
・ C. I. ダイレクトブルー199 0.5部
・ エチレングリコール 7部
・ ジエチレングリコール 10部
・ アセチレノールEH(川研ケミカルス社製) 0.3部
・ 水 82.2部
<ブラックインクBk3―a(濃インク)>
・ C. I. ダイレクトブラック195 2.5部
・ 2―ピロリドン 10部
・ グリセリン 5部
・ イソプロピルアルコール 4部
・ 水酸化ナトリウム 0.4部
・ 水 78.1部
<ブラックインクBk3―b(淡インク)(pH9.5)>
・ C. I. ダイレクトブラック195 0.6部
・ 2―ピロリドン 10部
・ グリセリン 5部
・ イソプロピルアルコール 4部
・ 水酸化ナトリウム 0.1部
・ 水 80.3部
液体組成物A、B、Cと、インクサブセット3(Y3―a、Y3―b、M3―a、M3―b、C3―a、C3―b、BK3―a、BK3―b)の下記表2に示すように組み合わせた以外は実施例1〜6と同様にして印字を行った。
【0140】
【表2】
Figure 0003817388
(評価方法及び評価基準)
実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例3で得られたそれぞれの記録画像について、下記の評価方法及び評価基準で評価を行った。その結果を表3に示す。
【0141】
【表3】
Figure 0003817388
(1)色もやの評価
ハイライト部を有する写真画像を印字し、ハイライト部で白もやが起きているかどうかを目視にて下記基準にて評価した。
A:全くわからない。
B:よく見るとごく僅かに白もやが発生している。
C:明らかに白もやが発生している。
【0142】
(2)耐水性の評価
プリンターを用いて、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラック各色のインクのベタ画像及び英数文字を印字して1時間放置した後、水温20℃の水道水中へ10秒間浸漬した。その後、水中から取り出し、そのまま風乾し、目視にて耐水性を評価した。イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各色のインクのうち、耐水性の最も低いものを耐水性評価結果とした。評価基準は、以下の通りである。
A:余白部分への色材の流れ出しがなく、地汚れが殆ど見られない。英数字の滲みも殆ど発生していない。
B:余白部分への色材の流れ出しがやや発生し、英数文字がやや滲んではいるが、使用上問題のないレベルである。
C:余白部分への色材の流れ出しがひどく、地汚れが著しい。また、英数文字の滲みもひどい。
【0143】
(3)ブリーディング
30℃80%の条件下にプリンターを24時間以上入れ、印字モードE(1Pass、片方向印字)と同じモードで、液体組成物とイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各色のインクのベタ部を隣接して印字し、各色の境界部でのブリーディングの程度を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
A:ブリーディングが殆ど発生していない。
B:ブリーディングがやや発生しているが、実質上問題のないレベルである。
C:ブリーディングが目立つ。
【0144】
【発明の効果】
本発明によれば、普通紙に対するカラー画像の形成においていわゆる普通紙に対して耐水性、カラー間のブリードが良好で、さらにハイライト部を有するような画像であっても、白もやが起こらない、高精細な画像を得ることができるインクジェット記録方法による画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図である。
【図3】インクジェット記録装置のヘッド部の外観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【図7】複数の記録ヘッドが配列した記録ユニットを示した斜視図である。
【図8】 記録ヘッド配列及び吐出口配列の一実施態様の説明図である。
【図9】記録ヘッド配列及び吐出口配列の他の実施態様の説明図である。
【図10】記録ヘッド配列及び吐出口配列の他の実施態様の説明図である。
【図11】インクジェット記録装置の概略斜視図である。
【図12】記録ヘッド配列及び吐出口配列のさらに他の実施態様の説明図である。
【図13】インクカートリッジの概略斜視図である。
【図14】記録ヘッド及びそれに装着されるインクタンクの概略斜視図である。
【図15】インクジェット記録装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
13 ヘッド
12 溝
15 発熱ヘッド
16 保護膜
17―1 アルミニウム電極
17―2 アルミニウム電極
18 発熱抵抗体層
19 蓄熱層
20 基板
21 インク
22 吐出オリフィス
23 メニスカス
24 記録小滴
25 記録媒体
26 マルチ溝
27 ガラス板
28 発熱ヘッド
40 インク袋
42 栓
44 インク吸収体
45 インクカートリッジ
51 給紙部
52 紙送りローラ
53 排紙ローラ
61 ブレード
62 キャップ
63 インク吸収体
64 ヘッド回復部
65 記録ヘッド
66 キャリッジ
67 ガイド軸
68 モータ
69 ベルト
70 記録ユニット
71 ヘッド部
72 大気連通孔
81 記録ヘッド
82 記録ヘッド
83 記録ヘッド
84 記録ヘッド
85 記録ヘッド
86 液体組成物を吐出させる記録ヘッド
87 濃ブラックインクを吐出させる記録ヘッド
88 淡ブラックインクを吐出させる記録ヘッド
89 濃カラーインクを吐出させる記録ヘッド
90 淡カラーインクを吐出させる記録ヘッド
91〜98 記録ヘッド
101〜103 記録ヘッド
1101 キャリッジ
1103 ガイドシャフト
1105 サポートシャフト
1107 シャーシ
1109 駆動ベルト
1111 キャリッジモータ
1113 プラテンローラ
1115 ピンチローラ
1117 プラテン
1119 本体
1121 廃インクタンク
1201、1203 記録ヘッド
1301 カートリッジ
1302 吐出チップ
1303 インクタンク
1401 記録ヘッド部分
1402 吐出チップ
1403 インクタンク
1404 インク供給口
1405 インクタンクホルダ
1501 キャリッジ
1503 回復ユニット
1505 記録媒体が搬送される面

Claims (12)

  1. カチオン性物質を含有する液体組成物を有しているインクジェット記録用インクセットであり、
    該インクセットはアニオン性色材を含有するインクもしくは色材とアニオン性化合物を含有するインクを有するインクセットであり、
    該インクは、少なくとも、同一の色調を有し、色材濃度が高い濃インクと、前記濃インクの色材濃度と比較して色材濃度が低い淡インクとを具え、
    前記淡インクの色材濃度は、1重量%以下であり、且つ該淡インクのpHは、10.5以上、12以下であり、
    前記カチオン性物質は、水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物であり、
    該水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物は、前記アニオン性色材もしくはアニオン性化合物と反応可能なカチオン性化合物であり、
    該水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物が有する分子量あるいは重量平均分子量は、300以上であり、
    前記液体組成物中の、前記水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物の含有濃度は、液体組成物全量に対して、0.05〜20重量%の範囲である
    ことを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
  2. 前記淡インクのpHは、10.7以上、12以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インクセット。
  3. 前記高分子量のカチオン性化合物は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)を使用して測定した重量平均分子量が400〜1400の範囲にあるカチオン性化合物である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用インクセット。
  4. 前記水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物は、ポリアリルアミンである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インクセット。
  5. 前記液体組成物中における、前記水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物の含有濃度は、液体組成物全量に対して、0.5〜5重量%の範囲である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インクセット。
  6. 前記濃インクの色材濃度は、2重量%以上である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インクセット。
  7. カチオン性物質を含有する液体組成物と共に用いられる、少なくとも第1のインクと第2のインクとを具える、インクジェット記録用インクのセットであり、
    該第1のインクおよび第2のインクは、各々アニオン性色材を含有するインクもしくは色材とアニオン性化合物を含有するインクであり、
    該第1のインクと第2のインクとは、同一の色調を有し且つ、該第2のインクの色材濃度は、第1のインクの色材濃度よりも低く、
    さらに、前記第2のインクは、色材濃度が1重量%以下であり、且つpHが10.5以上、12以下であり、
    前記カチオン性物質は、水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物であり、
    該水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物は、前記アニオン性色材もしくはアニオン性化合物と反応可能なカチオン性化合物であり、
    該水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物が有する分子量あるいは重量平均分子量は、300以上であり、
    前記液体組成物中の、前記水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物の含有濃度は、液体組成物全量に対して、0.05〜20重量%の範囲であり、
    前記インクジェット記録用インクセットは、前記第1のインク及び第2のインクに加え て、更に、第1のインク及び第2のインクの示す色調とは異なる色調を示すインクとして、少なくとも第3のインクおよび第4のインクを具え、
    該第3のインクおよび第4のインクは、前記カチオン性物質を含有する液体組成物と共に用いられるインクであり、
    該第3のインクおよび第4のインクは、各々アニオン性色材を含有するインクもしくは色材とアニオン性化合物を含有するインクであり、
    該第3のインクと第4のインクとは、同一の色調を有し、且つ、該第4のインクの色材濃度は、第3のインクの色材濃度よりも低く、
    さらに、前記第4のインクは、色材濃度が1重量%以下であり、且つpHが10.5以上、12以下である
    ことを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
  8. 前記第1のインクの色材濃度及び前記第3のインクの色材濃度は、それぞれ、2重量%以上である
    ことを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録用インクセット。
  9. インクジェット記録方式を適用して、被記録媒体上に印刷する方法であって、
    少なくとも、カチオン性物質を含有する液体組成物、およびアニオン性物質を含有するインクを利用して、
    前記カチオン性物質を含有する液体組成物とアニオン性物質を含有するインクとを、互いに被記録媒体上で接するように前記被記録媒体に付与する工程を有してなり、
    前記カチオン性物質を含有する液体組成物とアニオン性物質を含有するインクとは、それぞれ、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インクセットを構成している液体組成物ならびに濃インクと淡インクである
    ことを特徴とする印刷方法。
  10. 前記カチオン性物質を含有する液体組成物とアニオン性物質を含有するインクとを、前記被記録媒体上に付与する際、
    少なくとも、前記液体組成物と淡インクとを、互いに被記録媒体上で接するように前記被記録媒体に付与する領域においては、
    該付与部の単位面積あたりの前記カチオン性物質を含有する液体組成物と前記アニオン性物質を含有するインクの構成比は、1:10〜8:10(液体組成物:インク)の範囲である
    ことを特徴とする請求項9に記載の印刷方法。
  11. インクジェット記録に際して、カチオン性物質を含有する液体組成物と共に用いられる淡インクであって、
    該淡インクは、
    アニオン性色材を含有するインク、もしくは色材及びアニオン性化合物を含有するインクであり、
    インクジェット記録に際して、該淡インクと同一の色調を有する、アニオン性色材を含有する、もしくは色材及びアニオン性化合物を含有し、該淡インク中の色材濃度よりも高い色材濃度の濃インクとともに使用可能な淡インクであり
    記液体組成物中に含有される前記カチオン性物質は、水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物であり、
    該水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物は、前記アニオン性色材もしくはアニオン性化合物と反応可能なカチオン性化合物であり、
    該水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物が有する分子量あるいは重量平均分子量は、300以上であり、
    該淡インク中の色材濃度は、1重量%以下であり、且つpHは、10.5以上、12以下であり、
    前記液体組成物中の、前記水溶性を有する高分子量のカチオン性化合物の含有濃度は、液体組成物全量に対して、0.05〜20重量%の範囲である
    ことを特徴とするインクジェット記録用淡インク。
  12. 該インクジェット記録用淡インクのpHは、10.7以上、12以下である
    ことを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録用淡インク。
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