JP4078849B2 - インク組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク組成物、特にはインクジェット記録方法に用いられるインク組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、インクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う記録方法である。このインクジェット記録方法は、高解像度、高品位な画像を、高速で印刷することができるという特徴を有するものである。インクジェット記録方法に使用されるインク組成物は、水溶性溶媒を主成分とし、これに色材成分および目詰まりを防止する目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。
【0003】
インクジェット記録方法を用いてガラス、金属、プラスチック等の記録媒体に印刷するインク組成物としてはこれまでに各種提案されており、例えば特開平6−57188号公報では着色剤、2−ヒドロキシカルボン酸の電解質錯体と樹脂を含有することで記録媒体に対する密着性を向上できることが開示されている。
【0004】
また、特開平11−343443号公報では等電点がインクのpHよりも大きい酸化チタンと、樹脂粒子と、結着剤と、水とを含むインク組成物が開示されており、この処方により酸化チタンの再分散性が向上し、隠蔽性と再分散性の両立が可能であるとしている。更に、特開平8−113746号公報においては二酸化チタン、バインダーおよび水性キャリヤーを含有し、食品にインクジェット記録方法を用いて記録を行うのに好適なインク組成物が開示されている。
【0005】
また、着色剤として二酸化チタンを用いうるインク組成物および記録方法についても各種の提案がなされており、例えば特開平3−216379号公報では紫外線付与により高分子化する成分を含んでなるインク組成物が開示されている。記録方法に関しては着色剤を含むインク組成物と重合開始剤を含んでなる反応液との二液を用いて記録媒体に印字を行う記録方法が提案されている。(例えば特開平5−186725号公報)
しかし、着色剤に酸化チタンを用いたこれまでのインク組成物においては記録媒体上での定着性を得るために、バインダーとしての樹脂を酸化チタンに対して多く添加する必要や、印字後の付加手段(紫外線照射等)が必要であった。インク中の樹脂成分が多くなると、インクの粘度が上昇したり、インクジェットヘッドのノズル近傍での乾燥が進み、吐出安定性が劣化する等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前述した様な酸化チタンを着色剤とし、さらにバインダー樹脂等を含有する水性インク組成物において、インクジェット記録方法用インク組成物に求められる種々の特性(例えば、吐出安定性、保存安定性、発色性(隠蔽性))を維持したままで、印字後に紫外線の照射や熱処理等の後処理を必要とせず、記録メディア(特にOHPシートの様な透明記録媒体)に対する耐擦性を向上させる手段を鋭意研究したところ、特定の樹脂をインク組成物に含有させることによって前記の課題が解消することができることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明のインク組成物は、少なくとも着色剤として酸化チタンを5重量%以上含有し、かつエチレン性不飽和カルボン酸単量体およびこれと共重合可能なその他の単量体を、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物または共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる酸価40以下の共重合体を、無機塩基によって中和して調製したpH調整樹脂と、水とを含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明のインク組成物は、前記インク組成物中におけるpH調整樹脂(a)と酸化チタン(b)との重量比が固形分換算でa/b=0.05〜0.3であることが望ましい。pH調整樹脂(a)と酸化チタン(b)との重量比a/b(固形分換算)が0.05以下となる場合、印字媒体に対して十分な定着性が得られない場合があり、また重量比a/bが0.3以上となる場合は印字安定性が低下する場合がある。
【0009】
また、本発明のインク組成物は、前記樹脂の調製に用いる無機塩基は、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のインク組成物は、前記樹脂の調製に用いるアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物は、ビニルアルコール系重合体であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のインク組成物は、前記樹脂の調製に用いるエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、アクリル酸またはメタクリル酸であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のインク組成物は、前記樹脂の調製に用いる前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な単量体は、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のインク組成物は、好ましくはインクジェット記録用である。
【0014】
また、本発明は、前記のインク組成物を用いインクジェット記録方法により記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記インク組成物を用いてインクジェット記録方法により記録媒体上に形成された記録物であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明において使用するインク組成物に含まれる酸化チタンは、一般的に顔料として用いられるTiO2があげられる。TiO2は、その結晶構造の違いによりルチル型、アナターゼ型、ブルーカイト型等に分類することができる。本発明のインク組成物に用いられるTiO2は、上記のいずれの分類に属するものであっても用いることができ、好ましくはルチル型、アナターゼ型を用いることができる。
【0017】
本発明の好ましい態様によれば、酸化チタンは分散剤または界面活性剤で水性媒体に分散させて得られた酸化チタン分散液としてインク組成物に添加されるのが好ましい。
【0018】
本発明に使用するインク組成物に使用できる分散剤としては、顔料分散液の調製に慣用される分散剤、例えば高分子分散剤があげられ、また分散剤として用いられる界面活性剤としては、後記する各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤があげられる。
【0019】
高分子分散剤の好ましい例としては天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類、サポニンなどのグルコシド類、アルギン酸およびアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
更に、高分子分散剤の好ましい例として合成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリル二トリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリルエステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、および疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。
【0020】
本発明のインク組成物に使用する酸化チタンの粒子径は概ね10μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1〜0.5μm程度である。
【0021】
また、本発明のインク組成物における酸化チタンの添加量は5重量%以上が好ましく、5〜50重量%程度の範囲が好ましく、より好ましくは5〜30重量%程度の範囲である。酸化チタンの添加量が5重量%以下の場合、記録媒体に印字した際に十分な隠蔽性が得られない場合がある。
【0022】
本発明において使用するインク組成物は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体およびこれと共重合可能なその他の単量体を、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物または共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる酸価40以下の共重合体を無機塩基によって中和してなるpH調整樹脂をさらに含有する。
【0023】
前記のpH調整樹脂を製造する際に用いるアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物とは、水溶性高分子化合物のうち、例えば、分子量1000当たりアルコール性水酸基5〜25個含有している化合物をいい、例えばポリビニルアルコールおよびその各種変性物などのビニルアルコール系重合体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸または無水マレイン酸との共重合体のけん化物;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体;アルキル澱粉、カルボキシルメチル澱粉、酸化澱粉などの澱粉誘導体;アラビアゴム、トラガントゴム、ポリアルキレングリコールなどを挙げることができる。中でも、工業的に品質の安定したものを入手しやすい点から、ビニルアルコール系重合体が好ましい。
【0024】
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常1,000〜500,000、好ましくは2,000〜300,000である。分子量が1,000より小さいと、分散安定効果が低くなることがあり、逆に500,000より大きいと、この高分子化合物の存在下で重合するとき粘度が高くなり、重合が困難になることがある。
【0025】
pH調整樹脂の製造に使用する前記アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の量は、単量体100重量部に対して、通常、0.05重量部〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。0.05重量部より少ないと分散安定化効果が低くなるので、重合時に凝集物が発生し、逆に20重量部より多くなると、重合するとき粘度が高くなり、重合が困難になることがある。
【0026】
なお、pH調整樹脂の製造においては、乳化重合において通常使用される界面活性剤を併用しないことが好ましいが、界面活性剤を併用する場合は、界面活性剤の量はアルカリ可溶性共重合体の合成に使用する全単量体の100重量部に対して、通常0.05重量部未満である。界面活性剤の量が多くなると得られた画像の耐水性が劣る傾向がある。
【0027】
pH調整樹脂の製造に使用するエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、特に限定されず、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ブテントリカルボン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸単量体;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロピル等のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル単量体;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の多価カルボン酸無水物等が挙げられる。これらの単量体は、単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらのエチレン性不飽和単量体のうち、(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
【0028】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、pH調整樹脂の酸価40以下、好ましくは10〜40、より好ましくは30〜40になるように算出される量である。この量を換算してアルカリ可溶性共重合体の酸価が40を超えたり、あるいは10未満になると、得られた画像の品質が劣ることがある。
【0029】
pH調整樹脂の製造に使用することのできる、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体は、特に限定されず、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸-n-アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸-n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸-n-オクチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;(メタ)アクリルニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル単量体;アリルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和グリシジルエーテル単量体;(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル、(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド単量体;1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン等の共役ジエン単量体;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル等があげられる。中でも、得られた画像の耐光性および光沢性に優れる点で、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体が好ましく、メタアクリル酸メチルおよびアクリル酸エチルがより好ましい。
【0030】
pH調整樹脂は、上記単量体混合物を、好ましくは水媒体中で、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の存在下に重合することによって得ることができる。この際、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物および単量体混合物は、重合開始前に反応器に一括して全量添加するか、または重合開始前に一部分を装入し、重合開始後に残りの部分を分割的に少しずつ添加するか、あるいは残りの部分を連続的に添加することができる。分割添加あるいは連続添加する場合、添加量は均等にあるいは一定にすることもでき、重合の進行段階に応じて変えることもできる。
【0031】
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と単量体混合物とは、それぞれ別々に添加しても、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物、単量体混合物および水を混合して得られる単量体分散化物の形態で添加しても構わない。アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と単量体とを別々に添加する場合は、両者の添加をほぼ同時に開始するのが望ましい。単量体混合物のみが先に多量に添加されると凝集物が発生しやすく、逆に、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物のみが多量に添加されると重合系が増粘したり、または凝集物が発生しやすくなるなどの問題が起きやすい。両者の添加終了後は、必ずしも同時である必要はないがほぼ同時であることが望ましい。
【0032】
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と単量体混合物の添加方法のうち、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物を単量体混合物および水と混合して分散化して、重合開始後に反応器に添加する方法が、pH調整樹脂の高分子鎖におけるエチレン性不飽和酸単量体の連鎖分布が均一になるので好ましい。
【0033】
前記pH調整樹脂は、共重合性界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和カルボン酸単量体およびこれと共重合可能なその他の単量体を重合(好ましくは乳化重合)して製造することができる。
【0034】
共重合性界面活性剤は、その分子中に1個以上の重合可能なビニル基を有する界面活性剤である。その具体例としては、プロペニル-2-エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンエステル燐酸エステルなどのアニオン性重合性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエーテル(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メタ)アクリル酸エステルなどのノニオン性重合性界面活性剤などがあげられる。これらの共重合性界面活性剤のうち、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸アンモニウム塩は、単量体の乳化分散性能および単量体との共重合性のバランスが優れているので好適である。
【0035】
共重合性界面活性剤の量は、pH調整樹脂の合成に使用する全単量体100重量部に対して、通常、0.01〜5.0重量部、好ましくは0.05〜5.0重量部、さらに好ましくは0.1〜3.0重量部である。0.01重量部未満では乳化安定性が低くなるので、重合時に多量の凝集物が発生することがある。逆に5.0重量部を超えると、樹脂組成物が泡立ちやすくなる問題が発生することがある。なお、pH調整樹脂においては、非重合性界面活性剤を併用しないことが好ましいが、非重合性界面活性剤を併用する場合は、非重合性界面活性剤の量はpH調整樹脂の合成に使用する全単量体の100重量部に対して、通常、0.05重量部未満である。非重合性界面活性剤の量が多くなると、得られた画像の耐水性が劣る傾向がある。
【0036】
pH調整樹脂の製造に用いることのできる重合開始剤は、特に限定されない。具体例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイル-パーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物等をあげることができる。これらの開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。中でも、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩が好ましい。
【0037】
重合開始剤の使用量は、その種類によって異なるが、pH調整樹脂の水分散液の製造で使用する全単量体100重量部に対して、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.8〜4重量部である。
【0038】
また、これらの重合開始剤は還元剤との組み合わせで、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。
【0039】
レドックス系開始剤の還元剤は特に限定されず、その具定例としては、硫酸第一鉄、ナフテン酸第一銅等の還元状態にある金属イオンを含有する化合物;メタンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸化合物;ジメチルアニリン等のアミン化合物などがあげられる。
【0040】
これらの還元剤は単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】
還元剤の使用量は、還元剤によって異なるが、重合開始剤1重量部に対して0.03〜10重量部であることが好ましい。
【0042】
pH調整樹脂の重量平均分子量を調節するためには、必要に応じて連鎖移動剤を重合時に使用することができる。連鎖移動剤としてはt-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;α-メチルスチレンダイマー;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのスルフィド類;2-メチル-3-ブチンニトリル、3-ペンテンニトリルなどのニトリル化合物;チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸オクチルなどのチオグリコール酸エステル;β-メルカプトプロピオン酸メチル、β-メルカプトプロピオン酸オクチルなどのβ-メルカプトプロピオン酸エステル等があり、これらは単独または2種類以上で使用できる。これら連鎖移動剤のうちチオグリコール酸エステルが好ましく、チオグリコール酸オクチルがより好ましい。
【0043】
連鎖移動剤を使用する場合、その添加量は、pH調整樹脂の製造に使用する単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量部である。連鎖移動剤の使用量が少なすぎると、中和後の粘度が高くなり取り扱いが困難になることがあり、また、多すぎると、分子量が著しく低下することがある。連鎖移動剤の添加方法は、特に限定されず、全量を一括して添加しても、少量ずつ断続的にまたは連続的に重合系に添加してもよい。
【0044】
pH調整樹脂を製造する時の重合温度は、通常、0〜100℃、好ましくは30〜90℃である。重合転化率は、通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上である。
【0045】
本発明で用いるpH調整樹脂の中和物における中和度(エチレン性不飽和カルボン酸単量体のモル当量に対する無機塩基のモル当量)は特に限定されないが、その中和度は70%以上好ましくは95%以上である。
【0046】
pH調整樹脂を中和するために用いる無機塩基は、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物をあげることができ、これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの無機塩基のうち、水酸化ナトリウムが好適である。前記無機塩基としてアンモニアを用いることもできるが、インクの経時安定性(例えばpHの低下)および吐出安定性が低下する原因となることがある。
【0047】
本発明で用いるpH調整樹脂としては、上述したものの中でも、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の存在下で重合して得られるものが樹脂組成物を長期貯蔵した際に、粘度変化しにくい点において好ましい。
【0048】
本発明で用いる樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、大きすぎる場合(例えば50,000を超える場合)は樹脂水溶液の粘度が高くなり、その取り扱いが困難となることがある。一方、低すぎると(例えば8,000未満になる)と耐擦性が劣化することがある。樹脂の重量平均分子量は、好ましくは8,000以上、より好ましくは9,000〜100,000、更に好ましくは10,000〜50,000である。
【0049】
本発明で用いる樹脂のガラス転移温度は、任意に設定可能であるが、好ましくは5〜50℃、より好ましくは20〜40℃である。樹脂のガラス転移温度がこの範囲にあると、耐折曲げ性および耐ブロッキング性にも優れた画像が得られる。なお、本発明で用いる樹脂のガラス転移温度が多少高くなっても、本発明のインク組成物の成膜温度は、一般に低いまま維持される。
【0050】
本発明のインク組成物において、樹脂は、通常、水溶液の状態で使用される。この場合の固形分濃度は、通常、1〜40重量%、好ましくは20〜30重量%である。この水溶液は後述する水溶性有機溶媒を含有していてもよい。
【0051】
本発明で用いる樹脂における、前記pH調整樹脂の使用量は固形分換算で、着色剤の固形分に対して、好ましくは重量比で0.02〜2、より好ましくは0.05〜1、特に好ましくは0.05〜0.3である。
【0052】
本発明に使用できるpH調整樹脂は水溶性樹脂または樹脂エマルジョンまたはポリマー微粒子のいずれの形態でもインクに添加可能である。
【0053】
本発明に使用できるインク組成物の好ましい態様によれば、インク組成物は水溶性有機溶媒を含有することが望ましい。水溶性有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブチン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリドン、グリセリン、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルグリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
【0054】
本発明のインク組成物において、水溶性有機溶剤を用いる場合の含有量は、インク組成物の全重量に対して、好ましくは10〜40重量%程度であり、より好ましくは10〜20重量%である。
【0055】
本発明の好ましい態様のインク組成物は、更に界面活性剤を含有することができる。本発明において用いられる界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤からなる群から選択される1種以上の界面活性剤である。
【0056】
界面活性剤の例としては、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、ノニオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなど)及び、アセチレングリコール等が挙げられる。これらは単独使用又は2種以上を併用することができる。
【0057】
更に、本発明の好ましい態様によるインク組成物は、pH調整剤として三級アミンを含有する。
【0058】
本発明によるインク組成物に添加することができる三級アミンは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ブチルジエタノールアミン等が挙げられる。これらは、単独で使用しても併用しても構わない。これら三級アミンの本発明のインク組成物への添加量は、0.1〜10重量%、より好ましくは、0.5〜5重量%である。
【0059】
また、本発明によるインク組成物には、浸透促進剤、糖、及び/又はアルギン酸誘導体を含有させることもできる。
【0060】
前記浸透促進剤としては、例えば、多価アルコールの炭素数3以上のアルキルエーテル誘導体、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、又はジプロピレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0061】
糖の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)及び多糖類を挙げることができ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などを挙げることができる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖[ (例えば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここで、nは2〜5の整数を表す)で表される]、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などを挙げることができる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどを挙げることができる。これら糖類の添加量は0.1〜40重量%程度が好ましく、より好ましくは1〜30重量%程度である。
アルギン酸誘導体の好ましい例としては、アルギン酸アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アルギン酸有機塩(例えば、トリエタノールアミン塩)、アルギン酸アンモニウム塩、等を挙げることができる。このアルギン酸誘導体のインク組成物への添加量は、好ましくは0.01〜1重量%程度であり、より好ましくは0.05〜0.5重量%程度である。
【0062】
本発明のインク組成物には、その他、必要に応じて、防腐剤、防かび剤、及び/又はりん酸系酸化防止剤等を添加することもできる。
【0063】
本発明のインク組成物は、常法によって調製することができ、例えば、前記の各成分を適当な方法で分散、及び混合することによって製造することができる。好ましくは、まず、顔料(酸化チタン)と高分子分散剤とイオン交換水とを適当な分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなど)で混合し、均一な顔料分散液を調製する。次いで、前記のpH調整樹脂溶液、イオン交換水、水溶性有機溶剤、防腐剤、及び/又は防かび剤等を常温で充分に撹拌してインク溶媒を調製する。このインク溶媒を適当な分散機で撹拌した状態のところに前記顔料分散液を徐々に添加して充分に撹拌する。充分に撹拌した後に、目詰まりの原因となる粗大粒子及び異物を除去するために濾過を行って目的のインク組成物を得ることができる。
【0064】
(実施例)
以下に実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでない。なお、実施例中の「%」及び「部」は特に断りのない限り、重量基準である。また、以下の調製例で得られた共重合体の酸価は、JIS K 0070に従い測定した。
【0065】
《樹脂の調製》
<調製例1>
メタクリル酸エチル60部、メタクリル酸メチル36部、メタクリル酸4部、分子量調整剤としてチオグリコール酸オクチル3部、ポリビニルアルコール1部及びイオン交換水280部を撹拌混合して、単量体混合物の分散物を調製した。
【0066】
別の撹拌機付き反応器に、イオン交換水130部及び過硫酸カリウム2部を仕込み、80℃に昇温し、そして前記単量体混合物の分散物を4時間かけて連続添加して重合させた。連続添加終了後、80℃にて、30分間反応を行った。重合転化率は、99%以上であった。
次いで、仕込みのメタクリル酸と当モル量の水酸化ナトリウムに相当する量の10%水酸化ナトリウム水溶液を反応器に添加し、更に80℃にて、1時間熱処理した後に、適量のイオン交換水を加えて、固形分濃度15%の樹脂溶液Aを得た。この樹脂溶液Aの酸価は30であった。
【0067】
<調製例2>
アクリル酸エチル56部、メタクリル酸メチル36部、メタクリル酸8部、分子量調整剤としてチオグリコール酸オクチル3部、ラウリル硫酸ナトリウム2.5部及びイオン交換水80部を撹拌混合して、単量体混合物の分散物を調製した。
【0068】
別の撹拌機付き反応器に、エチレンジアミン四酢酸0.05部を溶解したイオン交換水90部を仕込み、80℃に昇温し、5%過硫酸カリウム水溶液40部を添加した後、前記単量体混合物の分散物を2時間かけて連続添加して重合させた。連続添加終了後、80℃にて、30分間反応を行った。重合転化率は99%以上であった。
【0069】
次いで、仕込みのメタクリル酸と当モル量のアンモニアに相当する量の28%アンモニア水溶液と5%過硫酸ナトリウム水溶液2部を反応器に添加し、更に80℃にて、1時間処理した後、適量のイオン交換水を加えて、固形分25%の樹脂溶液Bを得た。この樹脂溶液Bの酸価は、50であった。
【0070】
<インクの調製>
顔料(二酸化チタン)と分散剤と水とを混合し、サンドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ〔直径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量)〕とともに2時間分散させた後に、ガラスビーズを取り除き、顔料分散液を調製した。
【0071】
次いで、二酸化チタン及び分散剤を除く溶剤及を混合してインク溶媒とし、上記の二酸化チタン分散液及び上記調製例で製造した樹脂溶液A又はBを撹拌しながら、前記のインク溶媒を徐々に滴下し、常温で20分間攪拌した。5μmのメンブランフィルターでろ過し、インクジェット記録用インクを得た。
【0072】
<実施例1>
二酸化チタン 5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
樹脂溶液A(固形分15%) 10重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量%
オルフィンE−1010 3重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
重量比:a/b= 0.3
(固形分換算 a:pH調整樹脂、b:二酸化チタン)
【0073】
<実施例2>
二酸化チタン 20重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
樹脂溶液A 6.67重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量%
オルフィンE−1010 3重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
重量比:a/b= 0.05
【0074】
<実施例3>
二酸化チタン 15重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
樹脂溶液A 40重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量%
オルフィンE−1010 3重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
重量比:a/b= 0.4
【0075】
<実施例4>
二酸化チタン 5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
樹脂溶液A 1.34重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量%
オルフィンE−1010 3重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
重量比:a/b= 0.04
【0076】
<比較例1>
二酸化チタン 5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
樹脂溶液B(固形分25%) 6重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量%
オルフィンE−1010 3重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
重量比:a/b= 0.3
【0077】
<比較例2>
二酸化チタン 4重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
樹脂溶液B 2重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量%
オルフィンE−1010 3重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
重量比:a/b= 0.125
【0078】
<印字評価>
前記の実施例及び比較例で製造した各インク組成物を用いて印字評価を行った。
印字評価は、インクジェットプリンター(EM−930C(セイコーエプソン(株)製)を用いて透明OHPシートに印字を行った。
【0079】
<評価1>
<耐擦性評価(指擦りによる評価)>
印字後1時間経過した時点で、印字をした記録媒体の表面を指で擦り、色材の剥離により、耐擦性を目視で判断した。評価基準は、以下の通りである。
A:色材の剥離が全くない。
B:色材の剥離がわずかにある(色材全体の20%未満)。
C:色材の剥離がある(色材全体の20%以上80%未満)。
D:色材がほとんど剥離する(色材全体の80%以上剥離する)。
【0080】
<評価2>
<隠蔽性評価>
透明OHPシートに100%dutyでベタパターンを印字した後に以下の基準で目視により隠蔽性評価を行った。
A:透明フィルムに対する隠蔽性が非常に優れている。
B:透明フィルムに対する隠蔽性が許容レベルである。
C:透明フィルムに対する隠蔽性が劣る。
D:透明フィルムに対する隠蔽性が非常に劣る。
【0081】
<評価3>
<吐出安定性評価>
インクジェットプリンタEM−930Cのヘッドにインクを充填し、常温下でA4サイズの紙に連続して8時間英数文字を印字した。8時間の印字の後、1時間印字させずに放置した後に、再び英数文字を印字した。吐出安定性評価は以下の基準で行い、印字中および印字再開後のノズルの抜け、曲がり等から印字安定性を判断した。
A:印字中および印字再開後もノズルの抜け、曲がりなし
B:印字中は問題無いが、印字再開後数ノズルの抜け、曲がりが確認される
C:印字中に数ノズルの抜け、曲がりが確認される
D:印字中のノズルの抜け、曲がりが顕著に確認される
評価結果は以下の通りであった。
【0082】
【表1】
Figure 0004078849
【0083】
【発明の効果】
本発明のインク組成物によれば、酸化チタンを色剤とするインク組成物において良好な隠蔽性とインクジェット記録方法に適した印字安定性および記録媒体に対する良好な耐擦性が実現できる。

Claims (8)

  1. 少なくとも着色剤として酸化チタンを5重量%以上含有し、かつエチレン性不飽和カルボン酸単量体およびこれと共重合可能なその他の単量体を、ポリビニルアルコールの存在下で重合して得られる酸価が40以下の共重合体を無機塩基によって中和して調製したpH調整樹脂と、水とを含むことを特徴とするインク組成物。
  2. 前記pH調整樹脂(a)と酸化チタン(b)との重量比が固形分換算でa/b=0.05〜0.3である、請求項1記載のインク組成物。
  3. 前記pH調整樹脂のpH調整に用いる無機塩がアルカリ土類金属水酸化物である、請求項1または請求項2に記載のインク組成物。
  4. 前記pH調整樹脂の調製に用いるエチレン性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸またはメタクリル酸である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
  5. 前記pH調整樹脂の調製に用いる前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な単量体が、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体である、請求項1〜4のいずれか一項記載のインク組成物。
  6. インクジェット記録用のインク組成物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のインク組成物を用いて記録媒体に記録するインクジェット記録方法。
  8. 請求項7記載の記録方法により記録媒体上に形成された記録物。
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