JP2017031382A - インクセットおよび記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】明るい階調領域においても粒状感が少なくブロンジングが改善された良好な画像が得られるインクセットを提供する。【解決手段】水と0.3質量%未満のカーボンブラックと樹脂成分のエマルジョンとを含み、インク組成物中の固形分含有量がカーボンブラックの含有量の20倍量以上の第1のブラックインク組成物と、水と0.3質量%以上0.6質量%未満のカーボンブラックと樹脂成分のエマルジョンとを含み、インク組成物中の固形分含有量がカーボンブラック含有量の10倍量以上の第2のブラックインク組成物と、水と0.6質量%以上1.5質量%未満のカーボンブラックと樹脂成分のエマルジョンとを含み、インク組成物中の固形分含有量がカーボンブラック含有量の2倍量以上の第3のブラックインク組成物と、水と1.5質量%以上10質量%以下のカーボンブラックと樹脂成分のエマルジョンとを含む第4のブラックインク組成物を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、インクセットおよびこのインクセットを用いた記録方法に関する。
インクジェット記録用のインクセットとして、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及びシアン(C)のインクを備えた3色インクセットや、さらにブラック(K)のインクを加えた4色インクセットが提供されている。また、良好な黒白モノクロ画像やグレースケールを得る目的で、もしくは、カラー画像の無彩色部分(黒色、灰色及び白色の部分)の高品位化の要求に応じるために、カーボンブラック濃度が異なる2種類または3種類以上のブラックインクを含むインクセットを用いることがある。
カーボンブラック濃度が異なる複数種のブラックインクを含むインクセットを用いて記録すると、最も暗い階調領域の色再現性やグレーの階調性は向上する。一方、明るい階調領域、つまり、カーボンブラック濃度が薄いインクを用いて記録した領域では、インク発生量を調節するためにインクを多く使用するため、粒状性に劣るだけでなく、見る角度や光源環境によって虹色に反射して色が変化して見える「ブロンジング」と呼ばれる現象が発生する。ブロンジングが発生すると、記録物の表面は通常の拡散反射している状態とは異なる色味がついて見え、あたかも金属光沢があるように見える。このため、ブロンジングが発生している記録物では、見る人との相対的な位置関係によって色味が変化して不自然に見えることがある。このように、ブロンジングは好ましくない現象であり、解消することが望まれている。
そこで、カーボンブラックの含有量を調整した複数のブラックインク組成物を用いたインクセットにより、明るい階調領域の粒状性の向上と、ブロンジングを解消する試みがなされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−132909号公報
しかしながら、上記技術によっても、粒状性の向上とブロンジングの解消は充分ではない。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上述の課題の少なくとも一部を解決することで、明るい階調領域においても粒状感が少なく、ブロンジングが改善された良好な画像が得られるインクセットおよびこのインクセットを用いた記録方法を提供するものである。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るインクセットの一態様は、
水と、0.3質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラックの含有
量の20倍量以上である第1のブラックインク組成物と、
水と、0.3質量%以上0.6質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラック含有量の10倍量以上である、第2のブラックインク組成物と、
水と、0.6質量%以上1.5質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラック含有量の2倍量以上である、第3のブラックインク組成物と、
水と、1.5質量%以上10質量%以下のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含む第4のブラックインク組成物、を有することを特徴とする。
適用例1の態様によれば、インクセットを構成する4種のブラックインク組成物を用い、更に、各インク組成物中における固形分含有量とカーボンブラックの含有量を調整することにより、明るい階調領域においても粒状感が少なく、ブロンジングが改善された良好な画像が得られるインクセットを提供することが可能となる。
[適用例2]
適用例1のインクセットにおいて、
前記第1のブラックインク組成物ないし前記第4のブラックインク組成物が含んでなる前記樹脂成分のエマルジョンが、ポリアルキレン型エマルジョン及び/またはエチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体を、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物または共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる酸化が40以下の共重合体を、無機塩によってpHを調整したpH調整樹脂を樹脂成分とするエマルジョンを含むことができる。
[適用例3]
適用例2のインクセットにおいて、
前記pH調整樹脂の調整に用いる無機塩基が、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類水酸化物であることができる。
[適用例4]
適用例2または適用例3において、
前記pH調整樹脂の調整に用いるエチレン性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸またはメタクリル酸であることができる。
[適用例5]
適用例2ないし適用例4のいずれか一例のインクセットにおいて、
前記pH調整樹脂の調整に用いる前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な単量体が、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体であることができる。
[適用例6]
適用例2ないし適用例5のいずれか一例のインクセットにおいて、
前記pH調整樹脂を樹脂成分とするエマルジョンのpHが、8以上11以下であることができる。
[適用例7]
適用例2ないし適用例6のいずれか一例のインクセットにおいて、
前記ポリアルキレン型エマルジョンが、ポリエチレン型エマルジョンまたはポリプロピレン型エマルジョンであることができる。
[適用例8]
本発明に係る記録方法の一態様は、
インク組成物の液滴を吐出して、前記液滴を記録媒体に付着させて記録を行う記録方法であって、
適用例1ないし適用例7のいずれか1例のインクセットを用いたことを特徴とする。
4種類のブラックインク組成物を用いてグレースケールを印刷した場合における、色とインク発生量との関係を模式的に示すグラフ。
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.インクセット(第1〜第4のブラックインク組成物)
本実施形態に係るインクセットは、カーボンブラックの濃度が異なる第1〜第4のブラックインク組成物によって構成されるものである。第1〜第4のブラックインク組成物は、それぞれ、水と、色材としてのカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含む。第1〜第4のブラックインク組成物が含有する樹脂成分のエマルジョンは、分散媒が水であり、分散質がポリマー微粒子である水系分散液である。第1〜第4のブラックインク組成物は、主として、色材として使用するカーボンブラックの含有量が異なっている。
すなわち、本実施形態に係るインクセットは、水と、0.3質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラックの含有量の20倍量以上である第1のブラックインク組成物と、水と、0.3質量%以上0.6質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラック含有量の10倍量以上である、第2のブラックインク組成物と、水と、0.6質量%以上1.5質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラック含有量の2倍量以上である、第3のブラックインク組成物と、水と、1.5質量%以上10質量%以下のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含む第4のブラックインク組成物、を有することを特徴とする。
図1に、本実施形態に係るインクセットを構成する4種類のブラックインク組成物を用いてグレースケールを印刷した場合における、色とインク発生量との関係を模式的に示す。図1に示すように、本実施形態では、カーボンブラック濃度の異なる第1〜第4のブラックインク組成物(K1〜K4)の使用割合を変化させることによって、黒色から白色に至るグレースケールを適切に作成するものであり、この4種類のブラックインク組成物を用いて記録することにより、明るい階調領域においても、粒状感が少なく、ブロンジングが改善された良好な画像が得られることを可能とする。
ここで、上記したブロンジングは、カーボンブラック濃度の薄いインクで記録される領域で発生する。ブロンジング発生領域は、グレーレベル0を絶対黒とし、グレーレベル255を絶対白とした場合に、グレーレベル約100〜約140の領域を中心として、約90〜約160の領域にまで及ぶ。また、ブロンジング発生領域の明度範囲は、約50〜約60を中心領域とし、約40〜約70の領域まで及ぶ。図1に示すように、本実施形態に係るインクセットでは、黒白モノクロ画像を記録する場合において、ブロンジング発生領域を少なくとも2種類のブラックインク組成物を用いて記録する。
以下、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物(以下インクともいう)、および該ブラックインク組成物に含まれる成分、および含まれ得る成分について説明する。
1.1.カーボンブラック
色材(顔料または着色剤ともよぶ。)として使用するカーボンブラックとしては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネスト法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
上記カーボンブラックの市販品として、例えば、三菱化学(株)製のNo.2300,No.900,HCF88,No.33,No.40,No.45,No.52,MA7,MA8,MA100,No2200B等が、コロンビア社製のRaven5750,Raven5250,Raven5000,Raven3500,Raven1255,Raven700等が、キャボット社製のRegal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Monarch700,Monarch800,Monarch880,Monarch900,Monarch1000,Monarch1100,Monarch1300,Monarch1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1,Color Black FW2,Color Black
FW2V,Color Black FW18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color
Black 170,Printex 35,Printex U,Printex V,Printex 140U,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black 4等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明においては、後述するpH調整樹脂とともに、表面を酸化処理したカーボンブラックを用いることができる。表面を酸化処理したカーボンブラックを用いた場合には、後述する分散剤を用いることなく、カーボンブラックを水性媒体中に分散させた顔料分散液としてインク組成物に添加することができる。カーボンブラックの酸化処理は、公知の方法で行うことができる。酸化処理によって、前記カーボンブラックの表面に、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン基等の親水性基を導入することができる。
カーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本実施形態に係るインクセットにおいて、各ブラックインク組成物が含有するカーボンブラックは、それぞれ同じであることも異なることもできる。
カーボンブラックの平均粒径は、特に限定されるものではないが、10μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下であり、より好ましくは50nm以上500nm以下である。平均粒径が50nm以上であると、発色性がより良好になるためインクとして使用しやすくなる。他方、平均粒径が500nm以下であると、インクジェット方式で使用しやすくなる。また、上記平均粒径は、インクの保存安定性、吐出安定性、及び沈降性に優れるため、50nm以上300nm以下であることがより好ましく、50nm以上200nm以下であることがさらに好ましい。
ここで、本明細書における「平均粒径」とは、光散乱法により得られた球換算50%平均粒子径(d50)のことをいう。「光散乱法による球換算50%平均粒子径(d50)」は、以下のようにして得られる値である。分散媒中の粒子に光を照射し、当該分散媒の前方・側方・後方に配置されたディテクターによって、発生する回折散乱光を測定する。前記測定値を利用して、本来は不定形である粒子を球形であるものと仮定し、当該粒子の
体積と等しい球に換算された粒子集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その際の累積値が50%となる点を上記50%平均粒子径(d50)とする。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物において、カーボンブラックの含有量はそれぞれ異なるものである。
最も明るい階調部分で用いられる第1のブラックインク組成物において、カーボンブラックの含有量は、第1のブラックインク組成物の全質量(100質量%)に対して0.3質量%未満であり、好ましく0.01質量%以上0.28質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上0.25質量%以下である。
次に明るい階調部分で用いられる第2のブラックインク組成物において、カーボンブラックの含有量は、第2のブラックインク組成物の全質量に対して0.3質量%以上0.6質量%未満であり、好ましく0.32質量%以上0.55質量%以下、より好ましくは0.35質量%以上0.5質量%以下である。
中間の階調部分で用いられる第3のブラックインク組成物において、カーボンブラックの含有量は、第3のブラックインク組成物の全質量に対して0.6質量%以上1.5質量%未満であり、好ましく0.7質量%以上1.2質量%以下、より好ましくは0.8質量%以上1.0質量%以下である。
最も暗い階調部分で用いられる第4のブラックインク組成物において、カーボンブラックの含有量は、第4のブラックインク組成物の全質量に対して1.5質量%以上10質量%以下であり、好ましく2.0質量%以上9.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以上8.0質量%以下である。
本実施形態に係るインクセットを用いて黒白モノクロ画像を記録する場合には、図1に示すブロンジング発生領域を、カーボンブラック量が異なる、少なくとも2種類のブラックインク組成物、すなわち、第1〜第3のブラックインク組成物(K1〜K3)のうちの少なくとも2種のブラックインク組成物を用いて記録する。このため、本実施形態に係るインクセットを用いると、インク発生量を適宜調節することが可能となり、粒状感が抑えられて階調性が向上し、滑らかなモノクロの階調表現を実現することができる。
1.2.水
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、カーボンブラックや、後述する樹脂成分の微粒子を分散させる分散媒としての水を含有する。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射または過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物水の含有量は、それぞれインクの全質量(100質量%)に対して、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは45質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上である。ここで、水の含有量は、水を添加した量に限られず、他の添加剤等を加える場合には添加剤中の水分も含むものである。
1.3.樹脂成分
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、樹脂成分のエマルジョンを含む。この樹脂成分のエマルジョンは、樹脂成分の微粒子が分散媒
である水に分散された水系分散液である。
この樹脂成分のエマルジョンに含まれるポリマー微粒子の最低造膜温度(MFT)は、特に限定されるものではないが、好ましくは25℃以下、より好ましくは0〜25℃、更に好ましくは10〜20℃である。MFTは、JIS K 6800に従って測定される。MFTが前記範囲内のエマルジョンを含有するブラックインク組成物を用いて記録媒体に印字することにより、室温下で印字面を被覆する保護膜が自動的に形成される。
前記微粒子エマルジョンに含有される前記ポリマー微粒子のガラス転移温度(Tg)は、該エマルジョンのMFTを前記範囲内に調整する観点から、−15℃以上10℃以下であることが好ましく、−5℃以上5℃以下であることが更に好ましい。Tgは、JIS K 6900に従って測定される。
前記エマルジョンのMFTを上記範囲内に調整するその他の方法としては、市販のMFT降下剤を使用する方法を挙げることができる。
本実施形態に係るインクセットにおいて、第1のブラックインク組成物における前記微粒子エマルジョンの固形分濃度は、カーボンブラック濃度の20倍量以上である限り任意の濃度であることができるが、第1のブラックインク組成物の全質量に対して、0.2質量%以上20質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以上15質量%以下、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。また、前記微粒子エマルジョンの固形分含有量は、前記カーボンブラックの含有量の20倍量以上であり、上限は特に限定されないが、前記カーボンブラックの含有量の40倍量を超えると、吐出不良となる場合がある。一方、前記微粒子エマルジョンの含有量が、前記カーボンブラックの含有量の20倍量未満になると、ブロンジングを充分に抑制することができない。
本実施形態に係るインクセットにおいて、第2のブラックインク組成物における前記微粒子エマルジョンの固形分濃度は、カーボンブラック濃度の10倍量以上である限り任意の濃度であることができるが、第2のブラックインク組成物の全質量に対して、0.2質量%以上20質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以上15質量%以下、より好ましくは2.5質量%以上10質量%以下である。また、前記微粒子エマルジョンの固形分含有量は、前記カーボンブラックの含有量の10倍量以上であり、上限は特に限定されないが、前記カーボンブラックの含有量の25倍量を超えると、吐出不良となる場合がある。一方、前記微粒子エマルジョンの含有量が、前記カーボンブラックの含有量の10倍量未満になると、ブロンジングを充分に抑制することができない。
本実施形態に係るインクセットにおいて、第3のブラックインク組成物における前記微粒子エマルジョンの固形分濃度は、カーボンブラック濃度の2倍量以上である限り任意の濃度であることができるが、第3のブラックインク組成物の全質量に対して0.8質量%以上10質量%以下であり、好ましくは1質量%以上8質量%以下、より好ましくは1.5質量%以上5質量%以下である。また、前記微粒子エマルジョンの固形分含有量は、前記カーボンブラックの含有量の2倍量以上であり、上限は特に限定されないが、前記カーボンブラックの含有量の10倍量を超えると、吐出不良となる場合がある。一方、前記微粒子エマルジョンの含有量が、前記カーボンブラックの含有量の2倍量未満になると、ブロンジングを充分に抑制することができない。
本実施形態に係るインクセットにおいて、第4のブラックインク組成物における前記微粒子エマルジョンの固形分濃度は、特に限定されないが、第4のブラックインク組成物の全質量に対して0.5質量%以上10質量%以下であり、好ましくは0.7質量%以上8質量%以下、より好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、前記微粒子エ
マルジョンの固形分含有量は、上限は特に限定されないが、前記カーボンブラックの含有量の2倍量を超えると、吐出不良となる場合がある。また、前記カーボンブラックの含有量の1倍量未満になると、カーボンブラックの記録媒体への定着性が悪化する場合がある。
前記ポリマー微粒子は、インク組成物中における分散安定性の観点から、その平均粒子径が5nm以上200nm以下であることが好ましく、5nm以上100nm以下であることが更に好ましい。
また、前記ポリマー微粒子は、親水性部分と疎水性部分とを有するものが好ましい。また、前記ポリマー微粒子の構造は、単相構造、複相構造(コアシェル構造)等のいずれでもよい。該コアシェル構造は、異なる2種以上のポリマーが相分離して存在する構造であればよく、例えば、シェル部がコア部を完全に被覆している構造、シェル部がコア部の一部を被覆している構造、シェル部ポリマーの一部がコア部ポリマー内にドメイン等を形成している構造、コア部とシェル部の中間に更にもう一層以上、組成の異なる層を含む3層以上の多層構造であってもよい。
前記ポリマー微粒子として、前記コアシェル構造のものを用いる場合、コア部がエポキシ基を有するポリマーからなり、シェル部がカルボキシル基を有するポリマーからなるものが好ましい。インク組成物に、このようなポリマー微粒子を含有させることにより、前記保護膜の形成時に、前記コア部のエポキシ基と前記シェル部のカルボキシル基とが結合して網目構造を形成するので、該保護膜の強度を向上させることができる。
また、前記ポリマー微粒子は、カルボキシル基を有する不飽和ビニルモノマーに由来する構造を1質量%以上10質量%以上有し、かつ重合可能な二重結合を好ましくは2つ以上、更に好ましくは3つ以上有する架橋性モノマーによって架橋された構造(架橋性モノマーに由来する構造)を0.2質量%以上4質量%以上有するものが好ましい。インク組成物に、このようなポリマー微粒子を含有させることにより、ノズルプレート表面が該インクにより濡れ難くなるので、該インク液滴の飛行曲がりを防止することができ、吐出安定性をより向上させることができる。
前記カルボキシル基を有する不飽和ビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等を挙げることができ、特にメタクリル酸が好ましい。
前記架橋性モノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジアクリレート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート等のトリアクリレート化合物;ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のテトラアクリレート化合物;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のヘキサアクリレート化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリ
コールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジメタクリレート化合物;トリメチロールプロパンメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート化合物;メチレビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
前記ポリマー微粒子は、前記エマルジョンとして、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物に含有されるが、該エマルジョンは、公知の乳化重合により製造することができる。例えば、不飽和ビニルモノマーを、界面活性剤(乳化剤)、重合触媒、重合開始剤、分子量調整剤及び中和剤等の存在下、水中で乳化重合させることにより、前記ポリマー微粒子の前記エマルジョンが製造される。
前記不飽和ビニルモノマー(前記ポリマー微粒子を構成するモノマー)としては、一般的に乳化重合で使用されるアクリル酸エステルモノマー類、メタクリル酸エステルモノマー類、芳香族ビニルモノマー類、ビニルエステルモノマー類、ビニルシアン化合物モノマー類、ハロゲン化モノマー類、オレフィンモノマー類及びジエンモノマー類等を挙げることができる。具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等のビニルシアン化合物類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン化モノマー類;スチレン、2−メチルスチレンビニルトルエン、tert−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体類;エチレン、プロピレン、イソプロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、クロロプレン等のジエン類;ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン等のビニルモノマー類を挙げることができる。
乳化重合で用いる前記界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等)及び非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等)を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。また、アセチレングリコール[オレフィンY並びにサーフィノール82,104,440,465及び485(何れもAir Products and Chemicals.Inc.製)]を用いることもできる。
前記エマルジョン(前記ポリマー微粒子)の製造時においては、印刷安定性の向上の観点から、前記乳化重合の際に、前記不飽和ビニルモノマーに加えて、アクリルアミド類及び水酸基含有モノマーからなる群から選ばれる1種または2種以上を配合することが好ましい。該アクリルアミド類としては、例えば、アクリルアミド及びN,N’−ジメチルアクリルアミド等を挙げることができ、使用に際しては、これらの1種または2種以上を用
いることができる。また、該水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
また、前記ポリマー微粒子として、前記コアシェル構造のものを用いる場合、それを含有するエマルジョンは、例えば、特開平4−76004号公報に開示されている方法(前記不飽和ビニルモノマーの多段階の乳化重合)等により製造することができる。
なお、前述したように、コアシェル構造のポリマー微粒子は、そのコア部がエポキシ基を有するポリマーからなることが好ましいが、コア部へのエポキシ基の導入方法としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和ビニルモノマーであるグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等を他の不飽和ビニルモノマーと共重合させる方法、あるいは1種以上の不飽和ビニルモノマーを重合させてコア部(コア粒子)を調製する際に、エポキシ化合物を同時に添加し、これらを複合化させる方法等を挙げることができる。特に、前者の方法が、重合の容易さや重合安定性等の点で好ましい。
前記の微粒子エマルジョンの樹脂成分としては、例えば、エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体を、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物または共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる酸価が40以下の共重合体(以下、「アルカリ可溶性共重合体」と称する)を、無機塩基によってpHを調整して製造したpH調整樹脂を用いることができる。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物において、前記pH調整樹脂の含有量は、各ブラックインク組成物の全質量に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることができ、好ましくは0.5質量%以上5質量%以下、より好ましくは1質量%以上3質量%以下である。但し、pH調整樹脂含有量が5質量%以上になると、ブロンジングの発生抑制には効果があるものの、印刷物の色味が印刷直後から変化することがある。
前記のアルカリ可溶性共重合体を製造する際に用いるアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物とは、水溶性高分子化合物のうち、例えば、分子量1000当りにアルコール性水酸基を5〜25個含有している化合物をいい、例えば、ポリビニルアルコール及びその各種変性物などのビニルアルコール系重合体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸または無水マレイン酸との共重合体のけん化物;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキシアルキルセルロースなどのセルロース誘導体;アルキル澱粉、カルボキシルメチル澱粉、酸化澱粉などの澱粉誘導体;アラビアゴム、トラガントゴム;ポリアルキレングリコールなどを挙げることができる。中でも、工業的に品質が安定したものを入手しやすい点から、ビニルアルコール系重合体が好ましい。
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の質量平均分子量は、特に限定されないが、通常1,000〜500,000、好ましくは2,000〜300,000である。分子量が1,000より小さいと、分散安定効果が低くなることがあり、逆に500,000より大きいと、この高分子化合物の存在下で重合するときの粘度が高くなり、重合が困難になることがある。
アルカリ可溶性共重合体の製造に使用する前記アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の量は、単量体100質量部に対して、通常、0.05質量部以上20質量部以下、好ましくは1質量部以上10質量部以下である。0.05質量部より少ないと分散安定効果が低くなるので、重合時に凝集物が発生し、逆に20質量部より多くなると、重合するときの粘度が高くなり、重合が困難になることがある。
なお、アルカリ可溶性共重合体の製造においては、乳化重合において通常使用される界面活性剤を併用しないことが好ましいが、界面活性剤を併用する場合は、界面活性剤の量はアルカリ可溶性共重合体の合成に使用する全単量体の100質量部に対して、通常、0.05質量部未満である。界面活性剤の量が多くなると得られた画像の耐水性に劣る傾向がある。
アルカリ可溶性共重合体の製造に使用するエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ブテントリカルボン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸単量体;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロピル等のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル単量体;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の多価カルボン酸無水物;などを挙げることができる。これらの単量体は、単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらのエチレン性不飽和酸単量体のうち、(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、アルカリ可溶性共重合体の酸価が40以下、好ましくは10以上40以下、より好ましくは30以上40以下になるように算出される量である。この量を換算してアルカリ可溶性共重合体の酸価が40を超えたり、あるいは10未満になると、得られた画像の品質が劣ることがある。
アルカリ可溶性共重合体の製造に使用することのできる、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体は、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;(メタ)アクリルニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル単量体;アリルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和グリシジルエーテル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン単量体;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル等を挙げることができる。これらの単量体は単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。中でも、得られた画像の耐光性及び光沢性に優れる点で、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体が好ましく、メタアクリル酸メチル及びアクリル酸エチルがより好ましい。
アルカリ可溶性共重合体は、上記単量体混合物を、好ましくは水媒体中で、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の存在下に重合することによって得ることができる。この際、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物及び単量体混合物は、重合開始前に反応器に一括して全量を添加するか、または重合開始前には一部分を装入し、重合開始後に残りの部分を分割的に少しずつ添加するか、あるいは残りの部分を連続的に添加することができる。分割添加あるいは連続添加する場合、添加量は均等にあるいは一定にすることもでき、重合の進行段階に応じて変えることもできる。
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と単量体混合物とは、それぞれ別々に添加しても、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物、単量体混合物および水を混合して
得られる単量体分散化物の形態で添加しても構わない。アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と単量体とを別々に添加する場合は、両者の添加をほぼ同時に開始するのが望ましい。単量体混合物のみが先に多量に添加されると凝集物が発生しやすく、逆に、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物のみが先に多量に添加されると重合系が増粘したり、または凝集物が発生しやすくなるなどの問題が起きやすい。両者の添加終了は、必ずしも同時である必要はないが、ほぼ同時であることが望ましい。
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と単量体混合物の添加方法のうち、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物を単量体混合物および水と混合して分散化して、重合開始後に反応器に添加する方法が、アルカリ可溶性共重合体の高分子鎖におけるエチレン性不飽和酸単量体の連鎖分布が均一になるので好ましい。
前記pH調整樹脂の製造に用いるアルカリ可溶性共重合体は、共重合性界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和カルボン酸単量体およびこれと共重合可能なその他の単量体を重合(好ましくは乳化重合)して製造することができる。
アルカリ可溶性共重合体の製造に用いる共重合性界面活性剤は、その分子中に1個以上の重合可能なビニル基を有する界面活性剤である。その具体例としては、プロペニル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンエステル燐酸エステルなどのアニオン性重合性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエーテル(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メタ)アクリル酸エステルなどのノニオン性重合性界面活性剤などを挙げることができる。これらの共重合性界面活性剤のうち、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸アンモニウム塩は、単量体の乳化分散性能および単量体との共重合性のバランスが優れているので好適である。
前記共重合性界面活性剤の量は、アルカリ可溶性共重合体の合成に使用する全単量体100質量部に対して、通常、0.01質量部以上5.0質量部以下、好ましくは、0.05質量部以上5.0質量部以下、更に好ましくは0.1質量部以上3.0質量部以下である。0.01質量部未満では乳化安定性が低くなるので、重合時に多量の凝集物が発生することがある。逆に5.0質量部を超えると、pH調整樹脂組成物が泡立ちやすくなる間題が発生することがある。なお、アルカリ可溶性共重合体の重合においては、非重合性界面活性剤を併用しないことが好ましいが、非重合性界面活性剤を併用する場合は、非重合性界面活性剤の量はアルカリ可溶性共重合体の合成に使用する全単量体の100質量部に対して、通常、0.05質量部未満である。非重合性界面活性剤の量が多くなると得られた画像の耐水性に劣る傾向がある。
アルカリ可溶性共重合体の製造に用いることのできる重合開始剤は、特に限定されない。具体例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ペンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物等を挙げることができる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩が好ましい。
重合開始剤の使用量は、その種類によって異なるが、アルカリ可溶性共重合体の水分散
液の製造で使用する全単量体混合物100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上5質量部以下、より好ましくは0.8質量部以上4質量部以下である。また、これらの重合開始剤は還元剤との組み合わせで、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。
レドックス系重合開始剤の還元剤は特に限定されず、その具体例としては、硫酸第一鉄、ナフテン酸第一銅等の還元状態にある金属イオンを含有する化合物;メタンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸化合物;ジメチルアニリン等のアミン化合物;などを挙げることができる。
これらの還元剤は単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。還元剤の使用量は、還元剤によって異なるが、重合開始剤1質量部に対して0.03質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
アルカリ可溶性共重合体の質量平均分子量を調節するためには、必要に応じて連鎖移動剤を重合時に使用することができる。連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカブタンなどのメルカプタン類;α−メチルスチレンダイマー;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのスルフィド類;2−メチル−3−ブチンニトリル、3−ペンテンニトリルなどのニトリル化合物;チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸オクチルなどのチオグリコール酸エステル;β−メルカプトプロピオン酸メチル、β−メルカプトプロピオン酸オクチルなどのβ−メルカプトプロピオン酸エステル;等があり、これらは単独または二種以上で使用できる。これら連鎖移動剤のうちチオグリコール酸エステルが好ましく、チオグリコール酸オクチルがより好ましい。
連鎖移動剤を使用する場合、その添加量は、アルカリ可溶性共重合体の製造に使用する単量体100質量部に対して、通常、0.1質量部以上5質量部以下、好ましくは0.5質量部以上4質量部以下である。連鎖移動剤の使用量が、少なすぎると、中和後の粘度が高くなり取扱いが困難になることがあり、また、多すぎると、分子量が著しく低下することがある。連鎖移動剤の添加方法は、特に限定されず、全量を一括して添加しても、少量ずつ断続的にまたは連続杓に重合系に添加してもよい。
アルカリ可溶性共重合体を製造する時の重合温度は、通常、0℃以上100℃以下、好ましくは30℃以上90℃以下である。重合転化率は、通常、90質量%以上、好ましくは95質量%以上である。
本発明で用いるアルカリ可溶性共重合体の中和物における中和度(エチレン性不飽和カルボン酸単量体のモル当量に対する無機塩基のモル当量)は、特に限定されないが、その中和度は通常70%以上、好ましくは95%以上である。
アルカリ可溶性共重合体を中和するために用いる無機塩基は、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物を挙げることができ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの無機塩基のうち、水酸化ナトリウムが好適である。前記無機塩基として、アンモニアを用いることもできるが、インクの経時安定性(例えば、pHの低下)および吐出安定性が低下する原因となることがある。
本発明で用いるアルカリ可溶性共重合体としては、上述したもののなかでも、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の存在下で重合して得られるものが、pH調整樹脂組
成物を長期貯蔵した際に、粘度変化しにくく、その網点再現性により優れる点で、好ましい。
本発明で用いるpH調整樹脂の質量平均分子量は、特に限定されるものではないが、大きすぎる場合(例えば、50,000を超える場合)は、pH調整樹脂エマルジョンの粘度が高くなり、その取扱いが困難となることがある。一方、低すぎる(例えば、8,000未満になる)と耐擦性が劣化することがある。pH調整樹脂の質量平均分子量は、例えば、好ましくは8,000以上、より好ましくは9,000以上100,000以下、更に好ましくは10,000以上50,000以下である。
本発明で用いるpH調整樹脂のガラス転移温度は、任意に設定可能であるが、好ましくは5℃以上50℃以下、より好ましくは20℃以上40℃以下である。pH調整樹脂のガラス転移温度がこの範囲にあると、耐折り曲げ性および耐ブロッキング性にも優れた画像が得られる。なお、本発明で用いるpH調整樹脂のガラス転移温度が多少高くなっても、本発明のインク組成物の成膜温度は、一般に低いまま維持される。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物において用いるpH調整樹脂の固形分濃度は、各ブラックインク組成物の全質量に対して、10質量%以下であることができ、好ましくは0.1質量%以上8質量%以下、より好ましくは0.3質量%以上6質量%以下であり、通常、前記樹脂エマルジョンは水系エマルジョンの状態で使用される。
本発明で用いるpH調整樹脂エマルジョンは、pHが8以上11以下を示すものであることが好ましく、pHが9以上11以下を示すものであることがより好ましい。pHが8未満では吐出安定性に、11を超えると分散安定性に問題が生じることがある。
本発明で用いるpH調整樹脂における、前記アルカリ可溶性共重合体の使用量は、着色剤100質量部に対して、好ましくは2質量部以上200質量部以下、より好ましくは5質量部以上150質量部以下、特に好ましくは10質量部以上100質量部以下である。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、前記の通り、前記の微粒子エマルジョンとして、ポリアルキレン型エマルジョンを用いることができる。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物において、前記ポリアルキレン型エマルジョンの固形分含有量は、ブラックインク組成物の全質量に対して、10質量%以下であることができ、好ましくは0.5質量%以上8質量%以下、より好ましくは1質量%以上5質量%以下である。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、好ましくは前記pH調整樹脂を樹脂成分とするエマルジョンおよび/または前記ポリアルキレン型エマルジョンを含み、より好ましくは前記pH調整樹脂を樹脂成分とするエマルジョンおよび前記ポリアルキレン型エマルジョンを両方とも含む。前記pH調整樹脂と前記ポリアルキレン型エマルジョンの固形分との合計含有量は、好ましくは、ブラックインク組成物の全質量に対して0.5質量%以上20質量%以下である。
また、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、場合によりその他の樹脂成分を含有することがある。その他の樹脂成分とは、ブラックインク組成物の製造に通常用いられる樹脂成分を意味し、例えば、樹脂系分散剤、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−ア
クリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩、並びに樹脂系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどを挙げることができる。
本実施形態に係るインクセットを用いて黒白モノクロ画像を記録する場合には、図1に示すブロンジング発生領域を、カーボンブラック量および樹脂成分の量が異なる、少なくとも2種類のブラックインク組成物、すなわち、第1〜第3のブラックインク組成物(K1〜K3)のうちの少なくとも2種のブラックインク組成物を用いて記録する。このため、本実施形態に係るインクセットを用いると、粒状感が抑えられて階調性が向上するだけでなく、記録する際の吐出が安定すると同時に、ブロンジング発生領域において付着される樹脂量も適宜調節することが可能となる。このため、本実施形態に係るインクセットにより、粒状感が抑えられるだけでなく、ブロンジングが改善された良好な画像が得られ、吐出安定性に優れたインクセットを提供することが可能となる。
1.4.その他の成分
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、上記以外の着色剤、有機溶剤、樹脂、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有してもよい。
1.4.1.着色剤
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、カーボンブラックが本来的に有している帯色性(濃色部における帯赤性、または、特には淡色部における帯黄性)を無彩色化するための補色用の着色剤を含有することもできる。補色用の着色剤とは、ブラックインクによる記録画像に生じる帯色を低減ないし解消して無彩色の画像を得るためにブラックインク組成物中に含有させる着色剤を意味し、例えば、カラーインデックス・ピグメントブルー60(C.I.PB60)、カラーインデックス・ピグメントブルー15:3、およびカラーインデックス・ピグメントブルー15:4などを挙げることができる。
前記ピグメントブルー60は、カーボンブラック含有量が0.01質量%以上1質量%以下のブラックインク組成物に用いることが好ましく、その含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、前記ブラックインク組成物の全質量に対して、0.01質量%以上0.5質量%以下の量であることが好ましい。また、前記ピグメントブルー15:3およびピグメントブルー15:4は、カーボンブラック含有量が1質量%以上10質量%以下のブラックインク組成物に用いることが好ましく、その含有量も、特に限定されるものではないが、例えば、前記ブラックインク組成物の全質量に対して、0.1質量%以上5質量以下の量であることが好ましい。
1.4.2.分散剤
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物において、カーボンブラックは、例えば、分散剤で水性媒体中に分散させた顔料分散液としてインク組成物に添加するのが好ましい。顔料分散液を調製するのに用いられる分散剤としては、一般に顔料分散液を調製するのに用いられている分散剤、例えば高分子分散剤や界面活性剤を使用することができる。
分散剤の量は特に限定されるものではないが、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上5質量%以下の範囲である。分散剤の含有量が0.01質量%未満になると界面活性効果が十分に得られず、10質量%を超えると結晶の析出、液晶の形成、あるいは顔料の安定性低下などによる吐出不良の原因となる場合が認められる。
分散剤としては、慣用の界面活性剤の他、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を好適に使用することができる。なお、この顔料分散液に含まれる分散剤がブラックインク組成物の分散剤および界面活性剤としても機能するであろうことは当業者に明らかであろう。
より好ましい分散剤としては、高分子分散剤、特に樹脂分散剤を使用することができる。高分子分散剤の好ましい例としては、天然高分子を挙げることができる。その具体例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、またはアルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、またはトラガントゴムなどの天然ゴム類、サポニンなどのグルコシド類、アルギン酸、あるいはアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、またはアルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはエチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などを挙げることができる。
また、高分子分散剤の好ましい例としては合成高分子も挙げられる。その具体例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸塩−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、またはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、またはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、あるいは、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、または酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩を挙げることができる。これらの中でも、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、およびスチレン−無水マレイン酸共重合体が前記分散剤として好ましい。
また、樹脂分散剤としては、市販のものを使用することができ、その具体例としては、ジョンソンポリマー株式会社製、ジョンクリル68(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル61J(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル680(分子量3900、酸価215)、ジョンクリル682(分子量1600、酸価235)、ジョンクリル550(分子量7500、酸価200)、ジョンクリル555(分子量5000、酸価200)、ジョンクリル586(分子量3100、酸価105)、ジョンクリル683(分子量7300、酸価150)、ジョンクリルB−36(分子量6800、酸価250
)等を挙げることができる。
1.4.3.界面活性剤
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤の具体例としては、アニオン性界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、またはポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、ノニオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、またはポリオキシエチレンアルキルアミドなど)、両性界面活性剤(例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸塩、N,N、N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビスポリオキシエチレンアンモニウム硫酸エステルベタイン、または2−アルキル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン)等を挙げることができ、これらは単独でまたは二種以上を組合せて使用することができる。
界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤を使用することが好ましい。この添加によってブラックインク組成物の記録媒体への浸透性を向上することができ、種々の記録媒体においてにじみの少ない記録を期待することができる。本発明で用いるブラックインク組成物において用いられるアセチレングリコール系界面活性剤の好ましい具体例としては、一般式(1):
Figure 2017031382
(式中、0≦m+n≦50であり、R、R、R、およびRはそれぞれ独立してアルキル基、好ましくは炭素数6以下のアルキル基である)で表わされる化合物を挙げることができる。
前記一般式(1)で表される化合物の中で、特に好ましくは2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどを挙げることができる。前記一般式(1)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤として市販品を利用することも可能であり、その具体例としてはサーフィノール104、82、465、485、またはTG(いずれもAir Products and Chemicals.Inc.より入
手可能)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(いずれも日信化学社製の商品名)を挙げることができる。
また、界面活性剤として、一般式(2):
Figure 2017031382
(式中、R11〜R17は、独立して、C1−6アルキル基を表し、jおよびkは、独立して、1以上の整数を表し、EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表し、sおよびtは0以上の整数を表すが、但しs+tは1以上の整数を表し、EOおよびPOは、[ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい)で表されるシリコーン系界面活性剤を含むのが好ましい。この添加によってブラックインク組成物の記録媒体への浸透性を向上することができる。
前記一般式(2)で表されるシリコーン系界面活性剤において好ましい化合物は、前記一般式(2)において、R11〜R17が、独立して、C1−6アルキル基、より好ましくはメチル基であり、jおよびkが、独立して、1以上の整数、より好ましくは1〜2であり、sおよびtは0以上の整数を表すが、但しs+tが1以上の整数、より好ましくはs+tは2〜4である化合物である。
前記一般式(2)で表されるシリコーン系界面活性剤において特に好ましい化合物は、前記式(2)において、jおよびkが同じ数であり、しかも1〜3、特には1または2である化合物であり、更に好ましい前記一般式(2)で表される化合物は、R11〜R17が全てメチル基を表し、jが1を表し、kが1を表し、uが1を表し、sが1以上の整数、特には1〜5の整数を表し、tが0を表す化合物である。
前記一般式(2)で表されるシリコーン系界面活性剤の添加量は適宜決定されてよいが、本発明で用いるブラックインク組成物の全質量に対して0.03質量%以上3質量%以下が好ましく、より好ましくは0.1〜2質量%程度であり、更に好ましくは0.3質量%以上1質量%程度である。
前記一般式(2)で表されるシリコーン系界面活性剤は市販されており、それを利用することが可能である。例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社より市販されているシリコーン系界面活性剤BYK−347またはBYK−348が利用可能である。
各ブラックインク組成物に含有される界面活性剤量は特に限定されるものではないが、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上5質量%以下の範囲である。界面活性剤の含有量が0.01質量%未満になると界面活性効果が十分に得られず、10質量%を超えると結晶の析出、液晶の形成、あるいは顔料の安定性低下などによる吐出不良の原因となる場合が認められる。
1.4.4.水溶性有機溶媒
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、更に、湿潤剤、乾燥速度調整剤、および/または安定化剤として、水溶性有機溶媒を含有することができる。各ブラックインク組成物に添加される水溶性有機溶媒の含有量は、ブラックインク組成物の全質量に対して、好ましくは0.5質量%以上40質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上30質量%以下である。
前記の水溶性有機溶媒としては、通常の水性顔料インク組成物に配合される水溶性有機溶媒を用いることができ、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、若しくはトリメチロールプロパンなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、若しくはトリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;あるいは、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、またはトリエタノールアミンを挙げることができる。
1.4.5.防腐剤
また、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、防腐剤を更に含有するのが好ましい。ここで、防腐剤は、アルキルイソチアゾロン、クロルアルキルイソチアゾロン、ベンズイソチアゾロン、ブロモニトロアルコール、オキサゾリジン系化合物、およびクロルキシレノールからなる群から選択された1種以上の化合物が好ましい。
1.4.6.金属イオン捕獲剤
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、金属イオン捕獲剤を更に含有するのが好ましい。ここで、金属イオン捕獲は、エチレンジアミン四酢酸塩が好ましい。
1.4.7.防錆剤
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、防錆剤を更に含有するのが好ましい。ここで、防錆剤は、ジシクロヘキシルアンモニウムニトラートおよび/またはベンゾトリアゾールが好ましく用いられる。
1.4.8.溶解助剤
更に、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、インク成分の溶解性を向上させ、更に、記録媒体、例えば、紙に対する浸透性を向上させ、あるいはノズルの目詰まりを防止する成分として、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、またはイソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホランなどを適宜選択して使用することができる。
1.4.9.pH調整剤
更に、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、pH調整剤として三級アミンを含有することが好ましい。三級アミンとしては、例えば
、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリイソプロペノールアミン、ブチルジエタノールアミン等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても併用しても構わない。これら三級アミンの各ブラックインク組成物への添加量は、0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは、0.5質量%以上5質量%以下である。
1.4.10.浸透促進剤
また、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物には、浸透促進剤を含有させることもできる。浸透促進剤としては、例えば、多価アルコールの炭素数3以上のアルキルエーテル誘導体、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、またはジプロピレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
1.4.11.糖
また、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物には、糖を含有させることもできる。糖の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類を挙げることができ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などを挙げることができる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖[(例えば、糖アルコール(一般式HOCH(CHOH)nCHOH(ここで、nは2〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などを挙げることができる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどを挙げることができる。また、市販品としてHS−500またはHS−300(林原生物化学研究所製)等を用いることができる。これら糖類の添加量は0.1質量%以上40質量%以下程度が好ましく、より好ましくは1質量%以上30質量%以下程度である。
1.4.12.アルギン酸誘導体
また、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物には、アルギン酸誘導体を含有させることもできる。アルギン酸誘導体の好ましい例としては、アルギン酸アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アルギン酸有機塩(例えば、トリエタノールアミン塩)、アルギン酸アンモニウム塩、等を挙げることができる。このアルギン酸誘導体のブラックインク組成物への添加量は、好ましくは0.01質量%以上1質量%以下程度であり、より好ましくは0.05質量%以上0.5質量%以下程度である。
アルギン酸誘導体の添加により良好な画像が得られる理由は明確ではないが、反応液に存在する多価金属塩が、ブラックインク組成物中のアルギン酸誘導体と反応し、着色剤の分散状態を変化させ、着色剤の記録媒体への定着が促進されることに起因するものと考えられる。
1.4.13.その他
その他、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物には、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン類およびそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機水酸化物、水酸化アンモニウム、4級アンモニウム塩(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム
、炭酸リチウムなどの炭酸塩類、その他、燐酸塩などを含有させることもできる。
その他の添加剤として、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩、市販の酸化防止剤、紫外線吸収剤なども用いることができる。
1.5.ブラックインク組成物の調製方法
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、例えば、前記の各成分を適当な方法で分散、および混合することによって製造することができる。好ましくは、まず、顔料と高分子分散剤とイオン交換水とを適当な分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなど)で混合し、均一な顔料分散液を調製する。
次いで、前記の微粒子エマルジョン(特には、pH調整樹脂エマルジョン、ポリアルキレン型エマルジョン)、イオン交換水、水溶性有機溶媒、防腐剤、および/または防黴剤等を常温で充分に攪拌してインク溶媒を調製する。このインク溶媒を適当な分散機で攪拌した状態のところに前記顔料分散液を徐々に滴下して充分に攪拌する。充分に攪拌した後に、目詰まりの原因となる粗大粒子および異物を除去するために濾過を行って目的のブラックインク組成物を得ることができる。なお、前記のポリアルキレン型エマルジョンは、市販のものを使用することができる。例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社より市販されているAQ593やAQ513、またはPEM−17を利用することができる。
1.6.物性
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、表面張力が45mN/m以下であることが好ましく、更に好ましくは、25以上45mN/m以下の範囲である。表面張力が45mN/mを越えると、印字の乾燥性が悪くなり、滲みが発生しやすくなり、カラーブリードが発生する等のため、良好な記録画像が得られにくい。また、表面張力が25mN/m未満では、プリンタヘッドのノズル周囲が濡れやすくなるためにインク滴の飛行曲がりが発生する等、吐出安定性に問題が生じ易い。上記表面張力は、通常に用いられる表面張力計によって測定することができる。
インクの表面張力は、インクを構成する各成分の種類や組成比などを調整することにより上記範囲内とすることができる。
1.7.用途
本実施形態に係るインクセットは、第1〜第4のブラックインク組成物によるモノクロ記録用のインクセットであるが、その他のインク組成物と組み合わせることにより、カラー記録用のインクセットであることができる。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物を含み、所望により前記各ブラックインク組成物は、それぞれ適切な補色用着色剤を含んでもよく、あるいは、補色を印刷することが可能なカラーインク組成物、例えば、ライトマゼンタとライトシアンの組合せ、ライトマゼンタとライトシアンとイエローの組合せなどを含む。
また、本実施形態に係るインクセットを構成するインク組成物の種類や数は、本発明の第1〜第4のブラックインク組成物を含む限り特に限定されるものではないが、更に、イエローインク組成物、シアンインク組成物およびマゼンタインク組成物を含むインクセッ
ト;ライトシアンインク組成物およびライトマゼンタインク組成物を加えたインクセット;ダークイエローインク組成物を加えたインクセット;レッドインク組成物、グリーンインク組成物、およびブルーインク組成物を加えたインクセット;オレンジインク組成物、グリーンインク組成物、およびブルーインク組成物を加えたインクセット;並びにオレンジインク組成物、グリーンインク組成物、およびバイオレットインク組成物を加えたインクセット;を挙げることができる。
なお、「ライトマゼンタ」および「ライトシアン」の各インク組成物とは、一般的には、濃度変調による記録画像の画質向上を目的に、それぞれマゼンタインク組成物、およびシアンインク組成物の色材濃度を低くしたインク組成物である。また、「ダークイエロー」のインク組成物とは、シャドー部等の暗色に対する色再現性を向上させる目的で、イエローインク組成物よりも明度・彩度の低い色材(顔料)を用いたイエローインク組成物である。そして、「レッド」、「オレンジ」、「グリーン」、「ブルー」、および「バイオレット」の各インク組成物は、色再現範囲を向上させるために、イエロー、マゼンタ、シアンの中間色を構成する要素として使用されるインク組成物である。
本発明のインクセットは、本発明の第1〜第4のブラックインク組成物を含むことを除けば、従来公知のインクセットと同様に構成することができ、従来公知の各種の記録方法用インクとして利用することができる。好ましいインクセットは、水系であり、特にインクジェット記録用インクセットである。
また、インクセットを収容するインクカートリッジ(収容ケース)としては、公知のものを好適に使用することができる。
2.記録方法
本実施形態に係る記録方法は、インク組成物の液滴を吐出して、前記液滴を記録媒体に付着させて記録を行う記録方法であって、上記本実施形態に係るインクセットを用いる。ここで、記録方法は、本発明のインクセットが収容されたインクカートリッジ(各ブラックインク組成物が個別に収容されたインクカートリッジ)を公知のインクジェット記録装置に搭載させて、記録媒体に対して記録することにより、好適に行うことができる。
ここで、インクジェット記録装置としては、電気信号に基づいて振動可能な電歪素子が搭載されるとともに、前記電歪素子の振動によって、本発明に係るインクセットが含むインクを吐出することができるように構成されたインクジェット記録装置が好ましい。
また、本実施形態に係る記録方法により得られた画像は、本実施形態に係るインクセットを用いて記録されているため、得られた画像の粒状性が良好であり、公知の技術よりもブロンジングが改善されている。
本発明のインクセットは、任意の記録方法に用いることができ、例えば、水性グラビアインク、水性フレキソインク、または特にインクジェット記録用水性インクとして好適に使用することができる。また、水性塗料として使用することも可能である。
記録媒体として、各ブラックインク組成物に含まれる前記着色剤(特に顔料)と微粒子エマルジョン(特にpH調整樹脂とポリアルキレン型エマルジョン)の樹脂成分を表面上に実質的に残留させるが、前記各ブラックインク組成物の液体成分を実質的に吸収する記録媒体に利用するのが特に好ましい。こうした記録媒体は、例えば、表面の平均孔径が、前記顔料の平均粒径よりも小さい。好ましい記録媒体は、前記顔料の平均粒径よりもそれぞれ小さい平均孔径を有するインク受容層を含む記録媒体である。
好ましい記録媒体として、多孔質顔料を含有するインク受容層を、基材上に設けた記録媒体を使用することができる。インク受容層は、記録媒体の最上層であるか、あるいはその上に、例えば、光沢層を有する中間層であることもできる。このような記録媒体としては、そのインク受容層中に多孔質顔料およびバインダー樹脂を含有する、いわゆる吸収型(空隙型ともいう)の記録媒体と、前記インク受容層中にカゼイン、変性ポリビニルアルコール(PVA)、ゼラチン、または変性ウレタン等の樹脂を更に含有する、いわゆる膨潤型の記録媒体とが知られており、上記各ブラックインク組成物はいずれの記録媒体にも使用することができる。
吸収型記録媒体のインク受容層に含有される前記多孔質顔料としては、例えば、沈殿法、ゲルタイプ、または気相法等のシリカ系、擬ベーマイト等のアルミナ水和物、シリカ/アルミナハイブリッドゾル、スメクタイト粘土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、カオリン、白土、タルク、珪酸マグネシウム、または珪酸カルシウム等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
また、吸収型記録媒体のインク受容層に含有される前記バインダー樹脂としては、結着能力を有し、インク受容層の強度を高めることのできる化合物であれば特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、澱粉、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、スチレン−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス、アクリル酸およびメタクリル酸の重合体等のアクリル系共重合体ラテックス等を挙げることができる。
前記インク受容層には、吸収型記録媒体のインク受容層の場合も、膨潤型の記録媒体のインク受容層の場合も、必要に応じ、定着剤、蛍光増白剤、耐水化剤、防かび剤、防腐剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤、pH調整剤、消泡剤、および/または保水剤等の各種添加剤を含有させることもできる。
前記の各インク受容層が設けられる前記基材としては、紙(サイズ処理紙を含む);ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエステル等を紙にコートしたレジンコート紙;バライタ紙;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、またはポリプロピレン等の熱可塑性樹脂フィルム;合成紙;合成繊維で形成されたシート状物等を挙げることができる。
特に好ましい態様の記録媒体は、前記基材と、その上に設けた最上層としての前記インク受容層とを有する記録媒体であり、それらの基材およびインク受容層も、例えば、以下の物性を有するものが好ましい。
前記基材としては、紙(木材パルプを含有するもの)が好ましく、その坪量は、好ましくは100g/m以上350g/m以下、更に好ましくは180g/m以上260g/m以下である。また、厚みは、好ましくは100μm以上400μm以下、更に好ましくは180μm以上260μm以下である。前記インク受容層は、インク受容層全体の質量を基準として、固形分換算で、前記多孔質顔料として湿式法シリカゲルを50質量%以上60質量%以下の量で含有し、前記バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを30質量%以上40質量%以下の量で含有することが、インク吸収性、および印字堅牢性等の点で好ましい。また、前記インク受容層の塗工量は、固形分換算で、5g/m以上50g/m以下であることが、インク吸収性の点で好ましい。なお、インク受容層自体の厚みとしては、好ましくは10μm以上40μm以下、更に好ましくは20μm以上30μm以下である。
本発明の記録方法に用いる記録媒体は、前記記録媒体の表面(特には、インク受容層)の平均孔径が50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましい。平均孔径が300nmを超えると、顔料がインク受容層内部まで浸透し、発色性が低下することがある。
なお、本実施形態に係るインクセットを構成する第1および第2のブラックインク組成物は、一般的には前記のとおり、濃度の異なるその他のブラックインク組成物1種またはそれ以上と組み合わせて、薄いグレー領域を印刷するための薄いブラックインクとして使用することができるだけでなく、クレアインクとしても使用することもできる。クレアインクとして使用する場合としては、例えば、記録画像における樹脂成分の塗布量のばらつきを減少させる用途などを挙げることができる。
以上示したように、本実施形態に係るインクセットおよび記録方法によれば、インクセットを構成する4種のブラックインク組成物中における樹脂成分のエマルジョンの固形分含有量とカーボンブラックの含有量を調整することにより、明るい階調領域においても粒状性が良好であり、ブロンジングが改善された良好な画像を得ることができるインクセットおよび記録方法を提供することが可能となる。更に、各ブラックインク組成物中における樹脂成分のエマルジョンの固形分含有量とカーボンブラックの含有量を調整することにより、インクの吐出安定性にも優れる。
3.実施例
以下、本発明を実験例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、以下の調製例で得られた共重合体の酸価は、JIS K 0070に従って測定した。
3.1.各インクセットの調製
3.1.1.pH調整樹脂エマルジョンの調製
メタクリル酸エチル60部、メタクリル酸メチル36部、メタクリル酸4部、分子量調整剤としてチオグリコール酸オクチル3部、ポリビニルアルコール1部およびイオン交換水280部を攪拌混合して、単量体混合物の分散物を調製した。
別の攪拌機付き反応器に、イオン交換水130部および過硫酸カリウム2部を仕込み、80℃に昇温し、そして前記単量体混合物の分散物を4時間かけて連続添加して重合させた。連続添加終了後、80℃にて、30分間の後反応を行った。重合転化率は、99%以上であった。
次いで、仕込みのメタクリル酸と当モル量の水酸化ナトリウムに相当する量の10%水酸化ナトリウム水溶液を反応器に添加し、更に80℃にて、1時間熱処理した後に、適量のイオン交換水を加えて、固形分濃度15%のpH調整樹脂エマルジョンを得た。このpH調整樹脂エマルジョンの酸価は30であった。
次に、以下の表1に記載の10種のインクセットを構成するブラックインク組成物に関して、各配合成分を混合し、サンドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ〔直径=1.7mm;混合物の1.5倍量(質量)〕とともに2時間分散させ、10種のインクセット、すなわち、実施例1〜7および比較例1〜3を得た。
なお、以下の表1においては、固形分の含有量(質量%)、その比、および評価結果のみが記載されている。すなわち、顔料であるカーボンブラック(顔料固形分)の含有量(質量%)と、樹脂固形分の含有量(質量%)と、顔料固形分に対する樹脂固形分の比と、
粒状性・ブロンジングおよび吐出性の評価である。
上記固形分以外のインク成分としては、水溶性樹脂として、スチレン−アクリル酸共重合体(分子量=15000;酸価=100)を0.1質量%、糖を主成分とする溶剤(HS500、林原商事社製)、グリセリン、トリエタノールアミン、1,2−ヘキサンジオール、シリコーン系界面活性剤(BYK348、ビックケミージャパン社製)、防腐剤(プロキセルGXL、アヴィシア社製)、EDTAを適量添加した。なお、各インクには、その他に全体を100質量%とする純水が含まれている。
Figure 2017031382
3.1.2.記録方法
前項3.1.1.で調製した10種のインクセットについて、各インクセットを構成す
る4種のインク組成物を、インクジェットプリンター(MC2000;セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのインク室にそれぞれ充填した。次に、各インクセットに関して、専用記録媒体(MC写真用紙;セイコーエプソン株式会社製)にそれぞれ白から黒へのグレーの階調パターン(グレースケール)を、階調を区切らずに、無段階で出力した。出力は各インクの吐出量を分配して行った。
3.2.評価方法
3.2.1.ブロンジングの評価
得られた記録物に対し、評価は5人の観察者によって行った。出力した記録物を室内光である蛍光灯の直下1.5mの机上に設置し、観察者を机脇に立たせた。観察者は直立した状態から光りをさえぎらないように、印刷物の右端から左端までを、種々の視角で視線を動かして印刷物を観察した。なお、ブロンジングが発生している記録物では、ある一定の角度の視線によって観察した場合に、グレーレベル140前後の範囲の黒い出力色において、蛍光灯の光りが金色気味に強く反射して見える。ここでは、下記の基準にてブロンジングの発生を評価した。
(判定基準)
A:観察者全員がブロンジングを観察しない。
B:一人でもブロンジングを観察した。
3.2.2.粒状性の評価
上記ブロンジングの評価において得られた記録物を、目視により観察し、下記の基準にて粒状性を評価した。
(判定基準)
A:目視で画像にざらつき感が見られない。
B:目視で画像にざらつき感が見られる。
3.2.3.吐出性の評価
上記記録物の記録後、ノズルチェックパターンを印刷した。このとき、目視にて、ノズルの抜けや飛行曲がりを観察して、各インクセットの吐出安定性を下記の基準にて吐出性を評価した。
A:ノズルの抜けがなく、かつ、飛行曲がりもない。
B:ノズルの抜けおよび/または飛行曲がりが認められる。
3.3.評価結果
以上の評価結果は上記表1に示すとおりである。実施例に係るインクセットでは、顔料固形分と樹脂固形分を所定の割合で含有することにより、得られる画像の粒状感が少なく、ブロンジングが改善された良好な画像が得られた。実施例のうち、顔料固形分の含有量に対する樹脂固形分の含有量の比が高い実施例3、5、7では、他の実施例と比較して吐出性が劣る結果となった。これに対し、顔料固形分の含有量に対する樹脂固形分の含有量の比が本発明の範囲よりも低い比較例では、吐出性は優れているものの、得られた画像の粒状感に劣り、ブロンジングも発生した。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (8)

  1. 水と、0.3質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラックの含有量の20倍量以上である第1のブラックインク組成物と、
    水と、0.3質量%以上0.6質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラック含有量の10倍量以上である、第2のブラックインク組成物と、
    水と、0.6質量%以上1.5質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラック含有量の2倍量以上である、第3のブラックインク組成物と、
    水と、1.5質量%以上10質量%以下のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含む第4のブラックインク組成物、を有する、インクセット。
  2. 前記第1のブラックインク組成物ないし前記第4のブラックインク組成物が含んでなる前記樹脂成分のエマルジョンが、ポリアルキレン型エマルジョンおよび/またはエチレン性不飽和カルボン酸単量体およびこれと共重合可能なその他の単量体を、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物または共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる酸化が40以下の共重合体を、無機塩によってpHを調整したpH調整樹脂を樹脂成分とするエマルジョンを含む、請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記pH調整樹脂の調整に用いる無機塩基が、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類水酸化物である、請求項2に記載のインクセット。
  4. 前記pH調整樹脂の調整に用いるエチレン性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸またはメタクリル酸である、請求項2または請求項3に記載のインクセット。
  5. 前記pH調整樹脂の調整に用いる前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な単量体が、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体である、請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載のインクセット。
  6. 前記pH調整樹脂を樹脂成分とするエマルジョンのpHが、8以上11以下である、請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載のインクセット。
  7. 前記ポリアルキレン型エマルジョンが、ポリエチレン型エマルジョンまたはポリプロピレン型エマルジョンである、請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載のインクセット。
  8. インク組成物の液滴を吐出して、前記液滴を記録媒体に付着させて記録を行う記録方法であって、
    請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のインクセットを用いた、記録方法。
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