JP2017031382A - インクセットおよび記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係るインクセットの一態様は、
水と、0.3質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラックの含有
量の20倍量以上である第1のブラックインク組成物と、
水と、0.3質量%以上0.6質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラック含有量の10倍量以上である、第2のブラックインク組成物と、
水と、0.6質量%以上1.5質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラック含有量の2倍量以上である、第3のブラックインク組成物と、
水と、1.5質量%以上10質量%以下のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含む第4のブラックインク組成物、を有することを特徴とする。
適用例1のインクセットにおいて、
前記第1のブラックインク組成物ないし前記第4のブラックインク組成物が含んでなる前記樹脂成分のエマルジョンが、ポリアルキレン型エマルジョン及び/またはエチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体を、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物または共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる酸化が40以下の共重合体を、無機塩によってpHを調整したpH調整樹脂を樹脂成分とするエマルジョンを含むことができる。
適用例2のインクセットにおいて、
前記pH調整樹脂の調整に用いる無機塩基が、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類水酸化物であることができる。
適用例2または適用例3において、
前記pH調整樹脂の調整に用いるエチレン性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸またはメタクリル酸であることができる。
適用例2ないし適用例4のいずれか一例のインクセットにおいて、
前記pH調整樹脂の調整に用いる前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な単量体が、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体であることができる。
適用例2ないし適用例5のいずれか一例のインクセットにおいて、
前記pH調整樹脂を樹脂成分とするエマルジョンのpHが、8以上11以下であることができる。
適用例2ないし適用例6のいずれか一例のインクセットにおいて、
前記ポリアルキレン型エマルジョンが、ポリエチレン型エマルジョンまたはポリプロピレン型エマルジョンであることができる。
本発明に係る記録方法の一態様は、
インク組成物の液滴を吐出して、前記液滴を記録媒体に付着させて記録を行う記録方法であって、
適用例1ないし適用例7のいずれか1例のインクセットを用いたことを特徴とする。
本実施形態に係るインクセットは、カーボンブラックの濃度が異なる第1〜第4のブラックインク組成物によって構成されるものである。第1〜第4のブラックインク組成物は、それぞれ、水と、色材としてのカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含む。第1〜第4のブラックインク組成物が含有する樹脂成分のエマルジョンは、分散媒が水であり、分散質がポリマー微粒子である水系分散液である。第1〜第4のブラックインク組成物は、主として、色材として使用するカーボンブラックの含有量が異なっている。
色材(顔料または着色剤ともよぶ。)として使用するカーボンブラックとしては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネスト法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
FW2V,Color Black FW18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color
Black 170,Printex 35,Printex U,Printex V,Printex 140U,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black 4等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
体積と等しい球に換算された粒子集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その際の累積値が50%となる点を上記50%平均粒子径(d50)とする。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、カーボンブラックや、後述する樹脂成分の微粒子を分散させる分散媒としての水を含有する。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射または過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、樹脂成分のエマルジョンを含む。この樹脂成分のエマルジョンは、樹脂成分の微粒子が分散媒
である水に分散された水系分散液である。
マルジョンの固形分含有量は、上限は特に限定されないが、前記カーボンブラックの含有量の2倍量を超えると、吐出不良となる場合がある。また、前記カーボンブラックの含有量の1倍量未満になると、カーボンブラックの記録媒体への定着性が悪化する場合がある。
コールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジメタクリレート化合物;トリメチロールプロパンメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート化合物;メチレビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
いることができる。また、該水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
得られる単量体分散化物の形態で添加しても構わない。アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と単量体とを別々に添加する場合は、両者の添加をほぼ同時に開始するのが望ましい。単量体混合物のみが先に多量に添加されると凝集物が発生しやすく、逆に、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物のみが先に多量に添加されると重合系が増粘したり、または凝集物が発生しやすくなるなどの問題が起きやすい。両者の添加終了は、必ずしも同時である必要はないが、ほぼ同時であることが望ましい。
液の製造で使用する全単量体混合物100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上5質量部以下、より好ましくは0.8質量部以上4質量部以下である。また、これらの重合開始剤は還元剤との組み合わせで、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。
成物を長期貯蔵した際に、粘度変化しにくく、その網点再現性により優れる点で、好ましい。
クリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩、並びに樹脂系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどを挙げることができる。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、上記以外の着色剤、有機溶剤、樹脂、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有してもよい。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、カーボンブラックが本来的に有している帯色性(濃色部における帯赤性、または、特には淡色部における帯黄性)を無彩色化するための補色用の着色剤を含有することもできる。補色用の着色剤とは、ブラックインクによる記録画像に生じる帯色を低減ないし解消して無彩色の画像を得るためにブラックインク組成物中に含有させる着色剤を意味し、例えば、カラーインデックス・ピグメントブルー60(C.I.PB60)、カラーインデックス・ピグメントブルー15:3、およびカラーインデックス・ピグメントブルー15:4などを挙げることができる。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物において、カーボンブラックは、例えば、分散剤で水性媒体中に分散させた顔料分散液としてインク組成物に添加するのが好ましい。顔料分散液を調製するのに用いられる分散剤としては、一般に顔料分散液を調製するのに用いられている分散剤、例えば高分子分散剤や界面活性剤を使用することができる。
)等を挙げることができる。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤の具体例としては、アニオン性界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、またはポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、ノニオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、またはポリオキシエチレンアルキルアミドなど)、両性界面活性剤(例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸塩、N,N、N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビスポリオキシエチレンアンモニウム硫酸エステルベタイン、または2−アルキル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン)等を挙げることができ、これらは単独でまたは二種以上を組合せて使用することができる。
手可能)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(いずれも日信化学社製の商品名)を挙げることができる。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、更に、湿潤剤、乾燥速度調整剤、および/または安定化剤として、水溶性有機溶媒を含有することができる。各ブラックインク組成物に添加される水溶性有機溶媒の含有量は、ブラックインク組成物の全質量に対して、好ましくは0.5質量%以上40質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上30質量%以下である。
また、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、防腐剤を更に含有するのが好ましい。ここで、防腐剤は、アルキルイソチアゾロン、クロルアルキルイソチアゾロン、ベンズイソチアゾロン、ブロモニトロアルコール、オキサゾリジン系化合物、およびクロルキシレノールからなる群から選択された1種以上の化合物が好ましい。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、金属イオン捕獲剤を更に含有するのが好ましい。ここで、金属イオン捕獲は、エチレンジアミン四酢酸塩が好ましい。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、防錆剤を更に含有するのが好ましい。ここで、防錆剤は、ジシクロヘキシルアンモニウムニトラートおよび/またはベンゾトリアゾールが好ましく用いられる。
更に、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、インク成分の溶解性を向上させ、更に、記録媒体、例えば、紙に対する浸透性を向上させ、あるいはノズルの目詰まりを防止する成分として、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、またはイソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホランなどを適宜選択して使用することができる。
更に、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、pH調整剤として三級アミンを含有することが好ましい。三級アミンとしては、例えば
、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリイソプロペノールアミン、ブチルジエタノールアミン等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても併用しても構わない。これら三級アミンの各ブラックインク組成物への添加量は、0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは、0.5質量%以上5質量%以下である。
また、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物には、浸透促進剤を含有させることもできる。浸透促進剤としては、例えば、多価アルコールの炭素数3以上のアルキルエーテル誘導体、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、またはジプロピレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
また、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物には、糖を含有させることもできる。糖の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類を挙げることができ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などを挙げることができる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖[(例えば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここで、nは2〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などを挙げることができる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどを挙げることができる。また、市販品としてHS−500またはHS−300(林原生物化学研究所製)等を用いることができる。これら糖類の添加量は0.1質量%以上40質量%以下程度が好ましく、より好ましくは1質量%以上30質量%以下程度である。
また、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物には、アルギン酸誘導体を含有させることもできる。アルギン酸誘導体の好ましい例としては、アルギン酸アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アルギン酸有機塩(例えば、トリエタノールアミン塩)、アルギン酸アンモニウム塩、等を挙げることができる。このアルギン酸誘導体のブラックインク組成物への添加量は、好ましくは0.01質量%以上1質量%以下程度であり、より好ましくは0.05質量%以上0.5質量%以下程度である。
その他、本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物には、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン類およびそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機水酸化物、水酸化アンモニウム、4級アンモニウム塩(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム
、炭酸リチウムなどの炭酸塩類、その他、燐酸塩などを含有させることもできる。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、例えば、前記の各成分を適当な方法で分散、および混合することによって製造することができる。好ましくは、まず、顔料と高分子分散剤とイオン交換水とを適当な分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなど)で混合し、均一な顔料分散液を調製する。
本実施形態に係るインクセットを構成する第1〜第4のブラックインク組成物は、表面張力が45mN/m以下であることが好ましく、更に好ましくは、25以上45mN/m以下の範囲である。表面張力が45mN/mを越えると、印字の乾燥性が悪くなり、滲みが発生しやすくなり、カラーブリードが発生する等のため、良好な記録画像が得られにくい。また、表面張力が25mN/m未満では、プリンタヘッドのノズル周囲が濡れやすくなるためにインク滴の飛行曲がりが発生する等、吐出安定性に問題が生じ易い。上記表面張力は、通常に用いられる表面張力計によって測定することができる。
本実施形態に係るインクセットは、第1〜第4のブラックインク組成物によるモノクロ記録用のインクセットであるが、その他のインク組成物と組み合わせることにより、カラー記録用のインクセットであることができる。
ト;ライトシアンインク組成物およびライトマゼンタインク組成物を加えたインクセット;ダークイエローインク組成物を加えたインクセット;レッドインク組成物、グリーンインク組成物、およびブルーインク組成物を加えたインクセット;オレンジインク組成物、グリーンインク組成物、およびブルーインク組成物を加えたインクセット;並びにオレンジインク組成物、グリーンインク組成物、およびバイオレットインク組成物を加えたインクセット;を挙げることができる。
本実施形態に係る記録方法は、インク組成物の液滴を吐出して、前記液滴を記録媒体に付着させて記録を行う記録方法であって、上記本実施形態に係るインクセットを用いる。ここで、記録方法は、本発明のインクセットが収容されたインクカートリッジ(各ブラックインク組成物が個別に収容されたインクカートリッジ)を公知のインクジェット記録装置に搭載させて、記録媒体に対して記録することにより、好適に行うことができる。
以下、本発明を実験例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、以下の調製例で得られた共重合体の酸価は、JIS K 0070に従って測定した。
3.1.1.pH調整樹脂エマルジョンの調製
メタクリル酸エチル60部、メタクリル酸メチル36部、メタクリル酸4部、分子量調整剤としてチオグリコール酸オクチル3部、ポリビニルアルコール1部およびイオン交換水280部を攪拌混合して、単量体混合物の分散物を調製した。
粒状性・ブロンジングおよび吐出性の評価である。
前項3.1.1.で調製した10種のインクセットについて、各インクセットを構成す
る4種のインク組成物を、インクジェットプリンター(MC2000;セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのインク室にそれぞれ充填した。次に、各インクセットに関して、専用記録媒体(MC写真用紙;セイコーエプソン株式会社製)にそれぞれ白から黒へのグレーの階調パターン(グレースケール)を、階調を区切らずに、無段階で出力した。出力は各インクの吐出量を分配して行った。
3.2.1.ブロンジングの評価
得られた記録物に対し、評価は5人の観察者によって行った。出力した記録物を室内光である蛍光灯の直下1.5mの机上に設置し、観察者を机脇に立たせた。観察者は直立した状態から光りをさえぎらないように、印刷物の右端から左端までを、種々の視角で視線を動かして印刷物を観察した。なお、ブロンジングが発生している記録物では、ある一定の角度の視線によって観察した場合に、グレーレベル140前後の範囲の黒い出力色において、蛍光灯の光りが金色気味に強く反射して見える。ここでは、下記の基準にてブロンジングの発生を評価した。
(判定基準)
A:観察者全員がブロンジングを観察しない。
B:一人でもブロンジングを観察した。
上記ブロンジングの評価において得られた記録物を、目視により観察し、下記の基準にて粒状性を評価した。
(判定基準)
A:目視で画像にざらつき感が見られない。
B:目視で画像にざらつき感が見られる。
上記記録物の記録後、ノズルチェックパターンを印刷した。このとき、目視にて、ノズルの抜けや飛行曲がりを観察して、各インクセットの吐出安定性を下記の基準にて吐出性を評価した。
A:ノズルの抜けがなく、かつ、飛行曲がりもない。
B:ノズルの抜けおよび/または飛行曲がりが認められる。
以上の評価結果は上記表1に示すとおりである。実施例に係るインクセットでは、顔料固形分と樹脂固形分を所定の割合で含有することにより、得られる画像の粒状感が少なく、ブロンジングが改善された良好な画像が得られた。実施例のうち、顔料固形分の含有量に対する樹脂固形分の含有量の比が高い実施例3、5、7では、他の実施例と比較して吐出性が劣る結果となった。これに対し、顔料固形分の含有量に対する樹脂固形分の含有量の比が本発明の範囲よりも低い比較例では、吐出性は優れているものの、得られた画像の粒状感に劣り、ブロンジングも発生した。
Claims (8)
- 水と、0.3質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラックの含有量の20倍量以上である第1のブラックインク組成物と、
水と、0.3質量%以上0.6質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラック含有量の10倍量以上である、第2のブラックインク組成物と、
水と、0.6質量%以上1.5質量%未満のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含み、当該エマルジョンのインク組成物中においての固形分含有量が当該カーボンブラック含有量の2倍量以上である、第3のブラックインク組成物と、
水と、1.5質量%以上10質量%以下のカーボンブラックと、樹脂成分のエマルジョンとを含む第4のブラックインク組成物、を有する、インクセット。 - 前記第1のブラックインク組成物ないし前記第4のブラックインク組成物が含んでなる前記樹脂成分のエマルジョンが、ポリアルキレン型エマルジョンおよび/またはエチレン性不飽和カルボン酸単量体およびこれと共重合可能なその他の単量体を、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物または共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる酸化が40以下の共重合体を、無機塩によってpHを調整したpH調整樹脂を樹脂成分とするエマルジョンを含む、請求項1に記載のインクセット。
- 前記pH調整樹脂の調整に用いる無機塩基が、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類水酸化物である、請求項2に記載のインクセット。
- 前記pH調整樹脂の調整に用いるエチレン性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸またはメタクリル酸である、請求項2または請求項3に記載のインクセット。
- 前記pH調整樹脂の調整に用いる前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な単量体が、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体である、請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記pH調整樹脂を樹脂成分とするエマルジョンのpHが、8以上11以下である、請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記ポリアルキレン型エマルジョンが、ポリエチレン型エマルジョンまたはポリプロピレン型エマルジョンである、請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載のインクセット。
- インク組成物の液滴を吐出して、前記液滴を記録媒体に付着させて記録を行う記録方法であって、
請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のインクセットを用いた、記録方法。
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