JP4182341B2 - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
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    • B41J2/2107Ink jet for multi-colour printing characterised by the ink properties
    • B41J2/2114Ejecting specialized liquids, e.g. transparent or processing liquids

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のインクを印刷媒体上に吐出することによって画像の印刷を行う印刷技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像の印刷装置として、インクジェットプリンタが広く普及している。印刷媒体としては、ユーザの好みに応じて様々な種類のものが利用されている。例えば、比較的光沢の強い、いわゆる光沢紙や、比較的光沢の弱い、いわゆる普通紙、マット紙などが、印刷媒体としてよく用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
印刷媒体に吐出されるインク量は、印刷したい画像データによって決まる。明度の低い領域では、吐出されるインク量が多くなり、明度の高い領域では、吐出されるインク量が少なくなる。
【0004】
比較的光沢の強い印刷媒体に印刷する場合には、吐出されたインク量が多い領域ほど、光沢が強くなる傾向がある。例えば、白い背景に人物がいる画像を印刷した場合、インクの吐出量が多い人物の領域は光沢が強く、インクの吐出量が少ない背景の領域は光沢が弱くなる。そのため、画像を見る人は、同じ画像の内にもかかわらず領域によって光沢が異なるという違和感を覚えてしまうという問題があった。
【0005】
比較的光沢の弱い印刷媒体に印刷する場合には、吐出されたインクが印刷媒体に吸収されやすい。そのため、印刷媒体の表面に残るインク色材が少なくなり、印刷媒体の、本来はインクに隠したい部分が表面に現れてしまい、必要とするインクの発色が得られにくい。この現象(発色のムラ)は、特にインクの吐出量が多い領域、例えば、ほぼ全ての画素にインクを吐出するような領域で、非常に目立ちやすい。例えば、白い背景に人物がいる画像を印刷した場合、インクの吐出量が多い人物の領域は、この現象が生じ、画像がざらついた感じになってしまうという問題があった。
【0006】
このように、通常のインクによる印刷では、十分な画質が得られない場合があるという問題があった。
【0007】
この発明は、従来技術における上述の問題を解決するためになされたものであり、画質の改善を安定に行う印刷技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、この発明による第1の印刷装置は、印刷媒体上にインクを吐出することによって画像の印刷を行う印刷装置であって、着色剤を含む少なくとも1種類の有色インクと、印刷画像の画質を改善するための改善インクとして、ポリアリルアミンまたはその誘導体と、ポリマー微粒子と、水溶性有機溶剤と、水とを含んでなり、かつ着色剤を含まない液体組成物と、を吐出することが可能な印刷ヘッドと、前記有色インクの吐出量が取りうる全範囲のうちの少なくとも一部の範囲において、前記改善インクの吐出量が0でない可変値となるように、前記改善インクの吐出量を前記有色インクの吐出量に基づいて調整する調整部と、を備える。
【0009】
この第1の印刷装置は、画像の画質を改善させるための改善インクの吐出量を、有色インクの吐出量に基づいて調整するので、過不足なく改善インクを吐出して、画質の改善を行うことができるという利点がある。
【0010】
上記第1の印刷装置において、比較的光沢の強い第1印刷媒体と、比較的光沢の弱い第2印刷媒体と、を利用可能であり、前記調整部は、前記第1印刷媒体が利用される場合に、ほぼ全ての画素に有色インクが吐出された領域における前記改善インクの第1の吐出量が、前記有色インクの吐出がほぼ無い領域での前記改善インクの第2の吐出量よりも少なくなるように設定することによって、印刷画像の光沢のムラを改善する第1調整モードを有しているのが好ましい。
【0011】
こうすることで、改善インク以外のインクの吐出量が少ない領域での光沢を、改善インクによって強くすることができる。よって、改善インク以外のインクの吐出量が多い領域と少ない領域との光沢の差を小さくし、光沢のムラを改善することができるという利点がある。
【0012】
上記第1の印刷装置において、比較的光沢の強い第1印刷媒体と、比較的光沢の弱い第2印刷媒体と、を利用可能であり、前記調整部は、前記第2印刷媒体が利用される場合に、ほぼ全ての画素に有色インクが吐出された領域における前記改善インクの第1の吐出量が、前記有色インクの吐出がほぼ無い領域での前記改善インクの第2の吐出量よりも多くなるように設定することによって、印刷画像の発色のムラを改善する第2調整モードを有しているのが好ましい。
【0013】
こうすることで、吐出されたインクの発色のムラを、改善インクによって改善することができるという利点がある。
【0014】
上記第1の印刷装置において、前記調整部は、第1の表色系で表された第1の画像データから、前記印刷部で利用可能なインクで構成される第2の表色系で表された第2の画像データへの変換を、ルックアップテーブルを使用して行うインク量データ変換部を備えているのが好ましい。
【0015】
こうすることで、画像データをインク量データに変換する処理を、ルックアップテーブルを参照することで迅速に行うことができるという利点がある。
【0016】
上記第1の印刷装置において、前記調整部は、前記調整部が有する複数の調整モードに対応して予め準備される複数のルックアップテーブルを備え、前記インク量データ変換部は、前記調整部が使用する調整モードに対応したルックアップテーブルを使用するのが好ましい。
【0017】
こうすることで、所望の画質の改善を実現する印刷を行うことができるという利点がある。
【0018】
上記第1の印刷装置において、前記改善インクは、着色剤を含まない透明な液体であるのが好ましい。
【0019】
こうすることで、有色インクで再現された画像を改変することなく、改善インクを用いて画質の改善を行うことができるという利点がある。
【0020】
この発明の第2の印刷装置は、印刷媒体上にインクを吐出することによって画像の印刷を行う印刷装置であって、着色剤を含む少なくとも1種類の有色インクと、印刷画像の画質を改善するための改善インクと、を吐出することが可能な印刷ヘッドと、前記改善インクの吐出量を、前記有色インクの吐出量に基づいて調整する調整部と、を備え、前記印刷装置は、比較的光沢の強い第1印刷媒体と、比較的光沢の弱い第2印刷媒体と、を利用可能であり、前記調整部は、前記第1印刷媒体が利用される場合に、ほぼ全ての画素に有色インクが吐出された領域における前記改善インクの第1の吐出量が、前記有色インクの吐出がほぼ無い領域での前記改善インクの第2の吐出量よりも少なくなるように設定することによって、印刷画像の光沢のムラを改善する第1調整モードと、前記第2印刷媒体が利用される場合に、ほぼ全ての画素に有色インクが吐出された領域における前記改善インクの第1の吐出量が、前記有色インクの吐出がほぼ無い領域での前記改善インクの第2の吐出量よりも多くなるように設定することによって、印刷画像の発色のムラを改善する第2調整モードと、を有する。
【0021】
この第2の印刷装置は、画像の画質を改善させる改善インクを用いて、印刷画像の光沢のムラの改善と発色のムラの改善とを行うことができるという利点がある。
【0022】
本発明の第3の印刷装置は、印刷媒体の印刷対象領域にインクを吐出することによって画像の印刷を行う印刷装置であって、着色剤を含む少なくとも1種類の有色インクと、印刷画像の画質を改善するための改善インクと、を吐出することが可能な印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドから吐出される各インクの吐出量を決定するインク吐出量決定部と、を備え、前記インク吐出量決定部は、少なくともゼロでない所定の吐出量範囲で前記有色インクが吐出される前記印刷対象領域内の領域において、前記改善インクのインクドットがほぼ均一に分散して形成されるように前記改善インクの吐出量を決定する。
【0023】
有色インクの吐出量が所定に範囲にある印刷媒体上の領域において、改善インクのインクドットがほぼ均一に形成されるので、その領域に関して改善インクによって画質を均一に改善することができる。また、改善インクのインクドットは分散して配置されるので、過度の改善インクの吐出によって却って画質を損ねる可能性を抑制することができる。
【0024】
前記インク吐出量決定部は、前記有色インクの吐出量がゼロである第1の領域においては前記改善インクの吐出量がゼロとなり、前記有色インクの吐出量がゼロで無い第2の領域においては前記改善インクのインクドットがほぼ均一に分散して形成されるように前記改善インクの吐出量を決定するようにしても良い。
【0025】
有色インクの吐出量がゼロの画像領域は画質改善が不要な場合がある。上記の構成では、そのような領域には不要な改善インクを吐出しないので、改善インクを節約することができる。
【0026】
あるいは、前記インク吐出量決定部は、前記有色インクの吐出量に拘わらず、前記印刷対象領域において前記改善インクのインクドットがほぼ均一に分散して形成されるように前記改善インクの吐出量を決定するようにしても良い。
【0027】
この構成によれば、有色インクの吐出量に拘わらず印刷対象領域に改善インクのドットを均一に分散して配置するので、有色インクが吐出される領域と吐出されない領域との境界が目立ってしまうことを防止できる。
【0028】
なお、前記改善インクのインクドットは、約1%ないし約20%の範囲内の所定のドット記録率でほぼ均一に形成されるようにすることが好ましい。
【0029】
この範囲のインク吐出量であれば、過度の改善インクの吐出によって却って有色インクが滲んだり、吐出したインクが乾くのに必要な時間が長くなったり、あるいは印刷媒体が波打ったりすることを防止できる。また、ある程度以上の画質改善効果を達成することができる。
【0030】
なお、この発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、印刷方法および印刷装置、印刷制御方法および印刷制御装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の構成
B.第1調整モードの実施例
C.第2調整モードの実施例
D.変形例
E.改善インクおよび有色インク
[A.装置の構成]
図1は、本発明の一実施例として印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムは、印刷制御装置としてのコンピュータ90と、印刷部としてのプリンタ20と、を備えている。なお、プリンタ20とコンピュータ90とは、広義の「印刷装置」と呼ぶことができる。
【0032】
コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91や、本発明の調整部またはインク吐出量決定部として機能するプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバを介して、プリンタ20に転送するための印刷データPDが出力されることになる。画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介してCRT21に画像を表示している。
【0033】
アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ20に供給する印刷データPDに変換する。図1に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、解像度変換部97と、インク量データ変換部98と、ハーフトーン処理部99と、印刷データ生成部100と、ルックアップテーブル102と、調整モード選択部103と、が備えられている。
【0034】
解像度変換部97は、アプリケーションプログラム95で形成されたカラー画像データの解像度(即ち、単位長さ当りの画素数)を、印刷解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだRGBの3つの色成分からなる画像情報である。インク量データ変換部98は、ルックアップテーブル102を参照しつつ、各画素のRGB画像データ(第1の画像データ)を、プリンタ20が利用可能な複数のインクの量に相当する多階調データ(第2の画像データ)に変換する。
【0035】
利用可能な調整モードが複数ある場合には、ユーザは、調整モード選択部103を用いることによって、使用する調整モードを選択することが可能である。利用可能な調整モードが1つである場合には、調整モード選択部103による処理、もしくは、調整モード選択部103そのものを省略することができる。
【0036】
ルックアップテーブル102は、調整モード選択部103で選択可能な調整モードに対応して準備される。インク量データ変換部98は、選択された調整モードに対応したルックアップテーブルを選択して参照する。調整モードの種類、インク量データ変換部98、ルックアップテーブル102については、後述する。
【0037】
インク量データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーン処理部99は、いわゆるハーフトーン処理を実行して、インク量データからハーフトーン画像データを生成する。このハーフトーン画像データは、印刷データ生成部100によりプリンタ20に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとして出力される。なお、印刷データPDは、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータと、を含んでいる。
【0038】
なお、プリンタドライバ96は、印刷データPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相当する。プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0039】
図2は、プリンタ20の概略構成図である。プリンタ20は、紙送りモータ22によって印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査送り機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ30をプラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走査送り機構と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータ90に接続されている。
【0040】
印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、紙送りモータ22の回転をプラテン26と用紙搬送ローラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ30を往復動させる主走査送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位置センサ39とを備えている。
【0041】
図3は、制御回路40を中心としたプリンタ20の構成を示すブロック図である。制御回路40は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備えた算術論理演算回路として構成されている。この制御回路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェースを専用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ22およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回路54と、を備えている。I/F専用回路50は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータ90から供給される印刷データPDを受け取ることができる。I/F専用回路50が内蔵する回路は、パラレルインタフェース回路に限らず、ユニバーサルシリアルバスインタフェース回路などコンピュータ90との接続の容易性を考慮して決めることができる。プリンタ20は、この印刷データPDに従って印刷を実行する。なお、RAM44は、ラスタデータを一時的に格納するためのバッファメモリとして機能する。
【0042】
印刷ヘッドユニット60は、印刷ヘッド28を有しており、また、利用可能なインクのインクカートリッジを搭載可能である。なお、印刷ヘッドユニット60は、1つの部品としてプリンタ20に着脱される。すなわち、印刷ヘッド28を交換しようとする際には、印刷ヘッドユニット60を交換することになる。印刷ヘッド28の下面には利用可能なインクを吐出するためのノズルが設けられる。
【0043】
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ20は、紙送りモータ22により印刷用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ30をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印刷ヘッド28のピエゾ素子を駆動して、各インク滴の吐出を行い、インクドットを形成して印刷用紙P上に画質が改善された印刷画像を形成する。
【0044】
図4は、印刷ヘッド28の下面におけるノズルNzの配列を示す説明図である。印刷ヘッド28の下面には、ブラックインクK、シアンインクC、淡シアンインクLC、マゼンタインクM、淡マゼンタインクLM、イエローインクY、改善インクCLをそれぞれ吐出するためのノズル群が形成されている。なお、改善インクCL以外に利用することができるインクは、6つのインクK、C、LC、M、LM、Yに限られるものではなく、印刷画像の画質の好みなどに応じて任意に設定することができる。例えば、4つのインクK、C、M、Yを利用可能としても良く、ブラックインクKのみを利用可能としても良い。また、イエローインクYよりも明度の低いダークイエロインクや、ブラックインクKよりも明度の高いグレイインクや、ブルーインクや、レッドインクや、グリーンインクなどを利用することができるように組み合わせても良い。
【0045】
改善インクCLとしては、他のインクと同様の光沢を有するとともに、他のインクの発色性を改善させる、無色透明なインクを用いるのが好ましい。なお、改善インクとして好適に用いることのできる液体組成物については後述する。こうすることで、他のインクの吐出量を再調整することなく、印刷画像の画質を改善させることができる。また、耐水性、耐光性を良くするインクを用いることで、印刷画像の耐水性、耐光性を改善することもできる。
この場合、有色インクの吐出量が少ない領域により多くの改善インクを吐出する第1調整モードを使用することで、印刷媒体の耐水性、耐光性を改善することができる。また、有色インクの吐出量が多い領域により多くの改善インクを吐出する第2調整モードを使用することで、インクを吐出した領域の耐水性、耐光性を改善することができる。
【0046】
図5は、実施例における2つの調整モードの概略を説明する説明図である。ここでは、白い背景の上に人物が印刷される例を示している。図5において、(a)は、光沢紙GP上に印刷を行う場合に適用される第1調整モードを示し、(b)は、非光沢紙NP上に印刷を行う場合に適用される第2調整モードを示している。なお、これらの調整モードは、プリンタドライバ96のユーザ設定画面(図示せず)上から調整モード選択部103に対して普通紙や光沢紙を使用するように設定することで、プリンタドライバ96によって自動的に選択される。
【0047】
図5(a)に示す第1調整モードにおいては、人物の領域には、人物の色を再現するために、改善インクCL以外のインクK,C,LC,M,LM,Y(以下有色インクと呼ぶ)が1種類以上吐出される。背景の領域には、白い背景であるために、有色インクは吐出されない。改善インクCLは、有色インクが吐出されない背景の領域には吐出され、有色インクが吐出される人物の領域にはほとんど吐出されない。改善インクを使用しない場合には、背景の領域にはインクが吐出されないため、背景の領域の光沢が人物の領域と比べて弱くなる。しかし、第1調整モードでは、有色インクが吐出されない背景領域に改善インクを吐出するので、背景領域の光沢を強くすることができる。その結果、人物領域と背景領域との光沢の差を小さくし、光沢のムラを改善することができる。さらに、人物領域には改善インクをほとんど吐出しないため、印刷媒体が波打ったり、吐出したインクが乾くのに必要な時間が長くなることを防止したり、改善インクの使用量を節約したりすることができる。
【0048】
改善インクの吐出量は、画像データに応じて変化する有色インクの吐出量に応じて変化させるのが好ましい。こうすることで、画像内における光沢のムラを、より細かく改善することができる。詳細については後述する。
【0049】
図5(b)に示す第2調整モードにおいては、人物の領域には、人物の色を再現するために、有色インクが吐出される。背景の領域には、白い背景であるために、有色インクは吐出されない。改善インクCLも、有色インクが吐出される人物領域には吐出され、有色インクが吐出されない背景領域にはほとんど吐出されない。改善インクを使用しない場合には、人物領域に吐出した有色インクが印刷媒体に吸収されることで発色のムラが生じる。しかし、第2調整モードでは、有色インクが吐出されている人物領域に改善インクを吐出するので、人物領域での発色のムラを改善することができる。さらに、背景領域には改善インクをほとんど吐出しないため、改善インクの使用量を節約することができる。
【0050】
改善インクの吐出量は、画像データに応じて変化する有色インクの吐出量に応じて変化させるのが好ましい。こうすることで、画像内における発色のムラを、より細かく改善することができる。詳細については後述する。
【0051】
[B.第1調整モードの実施例]
<B1.第1調整モードの実施例1>
図6は、有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図6において、(a)は有色インクの吐出量VSと、改善インクの吐出量VCLの関係を示し、(b)は有色インクの吐出量VSと、有色インクと改善インクの吐出量の合計値VT(=VS+VCL)との関係を示している。横軸は有色インクの吐出量VSであり、縦軸は、凡例で示されたインクの吐出量である。
【0052】
吐出量としては、全ての画素にいずれかのインクを吐出する場合を100%とする記録率を用いている。一つの画素の領域にサイズの異なるドットを形成することが可能な場合には、吐出したインクの容量を吐出量として用いて、吐出量の関係を設定することが好ましい。有色インクの吐出量VSは、有色インクとして使用することが可能なインクの吐出量の合計値である。従って、同じ画素位置に複数種類のインクが吐出される場合には、有色インク吐出量VSや合計吐出量VTは100%よりも大きな値となる。インク毎に光沢が異なる場合には、インク毎に異なる係数で重みをつけて合計値を計算することが好ましい。
【0053】
改善インクの吐出量VCLは、有色インクの吐出量VSがほぼ0%のときの値(第2の吐出量)が、有色インク吐出量VSがほぼ100%のときの値(第1の吐出量)と比べて、大きくなるように設定されている。よって、有色インクの吐出量VSが少ない領域の光沢を、改善インクによって強くすることができ、有色インクの吐出量VSが多い領域との光沢の差を小さくすることができる。また、有色インクの吐出量VSが多い領域では改善インクの吐出量VCLを少なくすることで、必要以上の改善インクを吐出しないように設定されている。よって、印刷媒体が波打つことを防止したり、吐出したインクが乾くのに必要な時間が長くなることを防止したり、改善インクの使用量を節約したりすることができる。さらに、この実施例1では、改善インク吐出量VCLの値は、合計吐出量VTの値が有色インク吐出量VSによらず0でない第1の所定の値A以上となるように設定されている。すなわち、印刷画像の全領域において、吐出された全てのインクの合計量が、第1の所定の値A以上となるように、改善インクの吐出量が設定されている。その結果、印刷画像の全領域において、所定の強さ以上の光沢を保つことができ、光沢の小さい領域が目立ってしまうことを防止することができる。図6の例では第1の所定の値Aは30%であるが、この値Aは使用するインクの種類や印刷媒体の種類に応じて決めることができる。
【0054】
次に、この実施例におけるインク量データ変換部98(図1)について説明する。インク量データ変換部98は、準備されたルックアップテーブル102の中から、調整モード選択部103で選択された調整モードに対応したルックアップテーブル102を選択し参照しつつ、画像のRGBデータ(第1の画像データ)を、各インクの量に相当する多階調データ(第2の画像データ)に変換する。ルックアップテーブル102は、RGBの各階調値に対する各インク量の階調値を記憶したテーブルであり、このテーブルを参照することで、RGBの3つの階調値から、改善インクと改善インク以外のインクとのインク量階調値を決めることができる。このようにルックアップテーブル102を参照してデータ変換を行うことで、画質を改善する印刷を迅速に行うことができる。ここで、RGBとインク量の階調は256段階に細分されており、0以上255以下の値をとる。こうすることで、高画質な印刷を行うことができる。なお、RGB階調や、インク量階調は256段階に限定されるものではない。より多い段階数、例えば512段階とすることで、さらに高画質な印刷を行うことができ、より少ない段階数、例えば128段階とすることで、ルックアップテーブルを記録するのに必要な記録媒体の大きさを小さくすることができる。なお、第1の画像データを、RGBの3つの色成分からなる画像データに限定するものではなく、L*a*b*表色系や、XYZ表色系など様々な表色系の画像データを第1の画像データとして用いることができる。
【0055】
次に、調整モードとルックアップテーブルとの関係について説明する。ルックアップテーブル102は、選択可能な調整モードに対応して準備される。例えば、第1調整モードの実施例1の調整モードを選択することができる場合には、有色インクと改善インクの吐出量が図6(a)に示すような関係となるようなルックアップテーブルを準備する。調整モード選択部103にて第1調整モードが選択された場合には、上述のルックアップテーブルを選択して参照することで、光沢のムラを改善することができる。改善インクを使用しない通常モードを選択することができる場合には、改善インクに関するデータの無い、もしくは、改善インクの吐出量が0であるルックアップテーブルを準備して使用することができる。また、改善インクの吐出を停止させる制御部(図示せず)を作動させることで、第1調整モードと同じルックアップテーブルを使用することもできる。
【0056】
<B2.第1調整モードの実施例2>
図7は、第1調整モードの実施例2における、有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図7におけるVS,VCL,VTの意味と、横軸と縦軸の定義は、図6のグラフと同じである。
【0057】
改善インク吐出量VCLの値は、合計吐出量VTの値が0でない第1の所定の値A以上となるように設定されている。さらに、有色インク吐出量VSの値が第1の所定の値Aよりも大きい領域においては、改善インク吐出量VCLの値が、0でない第2の所定の値B以上の値となるように設定されている。すなわち、印刷画像の全領域において、吐出された全てのインクの合計吐出量VTが第1の所定の値A以上となり、さらに、印刷画像の全領域において、改善インクの吐出量VCLが第2の所定の値B以上となる。その結果、改善インクの光沢と有色インクの光沢とが異なる場合でも、印刷画像の全領域に改善インクを吐出することで、光沢の違いを緩和することができる。図7の例では第1の所定の値Aは40%であり、第2の所定の値Bは5%であるが、これらの値AとBとは、使用するインクの種類や印刷媒体の種類に応じて決めることができる。
【0058】
<B3.第1調整モードの実施例3>
図8は、第1調整モードの実施例3における、有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図8におけるVS,VCL,VTの意味と、横軸と縦軸の定義は、図6のグラフと同じである。
【0059】
改善インク吐出量VCLの値は、合計吐出量VTの値が0でない第1の所定の値A以上となるように設定されている。さらに、有色インク吐出量VSの値がほぼ0に近い領域において、合計吐出量VTの値が、0でない第1の所定の値A以上、かつ、0でない第3の所定の値C以下となるように改善インク吐出量VCLの値が設定されている。第3の所定の値Cは第1の所定の値Aよりも大きい値である。有色インク吐出量VSの値が小さい領域、特に有色インク吐出量VSの値がほぼ0に近い領域では、印刷画像の光沢は印刷媒体の光沢によって決まる。印刷媒体の光沢が弱い場合は、有色インク吐出量VSの値がほぼ0%に近い領域に、改善インクを第1の所定の値Aだけ吐出しても、光沢の差が十分に小さくならない場合がある。そのような場合には、有色インク吐出量VSの値が小さい領域、特に有色インク吐出量VSの値がほぼ0%に近い領域において、合計吐出量VTの値が第1の所定の値A以上かつ第3の所定の値C以下の量となるように改善インク吐出量VCLを設定することで、光沢の差を小さくすることができる。図8の例では、第1の所定の値Aは20%であり、第3の所定の値Cは40%であるが、これらの値AとCとは、使用するインクの種類や印刷媒体の種類に応じて決めることができる。
【0060】
<B4.第1調整モードの実施例4>
図9は、第1調整モードの実施例4における、有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図9におけるVS,VCL,VTの意味と、横軸と縦軸の定義は、図6のグラフと同じである。
【0061】
改善インク吐出量VCLの値は、合計吐出量VTの値が0でない第1の所定の値A以上となるように設定されている。さらに有色インク吐出量VSの値が第1の所定の値Aよりも小さい領域の少なくとも一部においては、合計吐出量VTの値が、0でない第1の所定の値A以上、かつ、0でない第3の所定の値C以下となるように改善インク吐出量VCLの値が設定されている。第3の所定の値Cは第1の所定の値Aよりも大きい値である。よって、印刷媒体の光沢が弱い場合でも、有色インク吐出量VSの小さい領域において、合計吐出量VTの値が第1の所定の値A以上かつ第3の所定の値C以下となるように改善インク吐出量VCLを設定することで、光沢の差を安定して小さくすることができる。図9の例では、第1の所定の値Aは30%であり、第3の所定の値Cは40%であるが、これらの値AとCとは、使用するインクの種類や印刷媒体の種類に応じて決めることができる。
【0062】
<B5.第1調整モードの実施例5>
図10は、第1調整モードの実施例5における、有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図10におけるVS,VCL,VTの意味と、横軸と縦軸の定義は、図6のグラフと同じである。
【0063】
改善インク吐出量VCLの値は、合計吐出量VTの値が0でない第3の所定の値C以上となるように設定されている。よって、印刷媒体の光沢が弱い場合でも、有色インク吐出量VSの値によらずに、光沢の差を安定して小さくすることができる。さらに、改善インク吐出量VCLの値は、合計吐出量VTの値が有色インク吐出量VSの値の増加に伴って減少する領域が無いように、設定されている。よって、印刷画像において有色インク吐出量VSの値が連続的に増加する領域、例えばグラデーション領域においても、光沢の異なる境界が目立たないように、光沢のムラを改善することができる。図10の例では、上述の第3の所定の値Cは30%であるが、この値Cは、使用するインクの種類や印刷媒体の種類に応じて決めることができる。
【0064】
<B6.第1調整モードの実施例6>
図11は、第1調整モードの実施例6における、有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図11におけるVS,VCL,VTの意味と、横軸と縦軸の定義は、図6のグラフと同じである。
【0065】
改善インク吐出量VCLの値は、合計吐出量VTの値が0でない第1の所定の値A以上となるように設定されている。さらに有色インク吐出量VSの値が第1の所定の値Aよりも小さい領域においては、合計吐出量VTの値が、0でない第3の所定の値C以上となるように改善インク吐出量VCLの値が設定されている。第3の所定の値Cは第1の所定の値Aよりも大きい値である。よって、印刷媒体の光沢が弱い場合でも、有色インク吐出量VSの小さい領域において、合計吐出量VTの値が第3の所定の値C以上となるように改善インク吐出量VCLを設定することで、光沢の差を安定して小さくすることができる。図11の例では、第1の所定の値Aは20%であり、第3の所定の値Cは40%であるが、これらの値AとCとは、使用するインクの種類や印刷媒体の種類に応じて決めることができる。
【0066】
<B7.第1調整モードの実施例7>
図12は、第1調整モードの実施例7における、有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図12におけるVS,VCL,VTの意味と、横軸と縦軸の定義は、図6のグラフと同じである。
【0067】
改善インク吐出量VCLの値は、合計吐出量VTの値が0でない第1の所定の値A以上となるように設定されている。さらに有色インク吐出量VSの値が第1の所定の値Aよりも小さい領域においては、改善インク吐出量VCLの値が、0でない第4の所定の値D以上となるように設定されている。第4の所定の値Dは第1の所定の値Aよりも大きい値である。よって、印刷媒体の光沢が弱い場合でも、有色インク吐出量VSの小さい領域において、改善インク吐出量VCLの値を第4の所定の値D以上とすることで、光沢の差を安定して小さくすることができる。また、有色インク吐出量VSの値が第1の所定の値Aよりも小さい領域において、改善インク吐出量VCLの値を一定値とすることで、改善インクの吐出量の制御を簡単なものにすることもできる。図12の例では、第1の所定の値Aは20%であり、第4の所定の値Dは40%であるが、これらの値AとDとは、使用するインクの種類や印刷媒体の種類に応じて決めることができる。
【0068】
[C.第2調整モードの実施例]
<C1.第2調整モードの実施例1>
図13は、第2調整モードの実施例1における、有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図13におけるVS,VCL,VTの意味と、横軸と縦軸の定義は、図6のグラフと同じである。有色インクの吐出量は、有色インクとして使用することが可能なインクの吐出量の合計値である。インク毎に発色のムラ具合が異なる場合には、インク毎に異なる係数で重みをつけて合計値を計算することもできる。
【0069】
改善インクの吐出量VCLは、有色インクの吐出量VSがほぼ0%のときの値(第2の吐出量)が、有色インク吐出量VSがほぼ100%のときの値(第1の吐出量)と比べて、小さくなるように設定されている。よって、有色インクの吐出量が多い領域での発色のムラを、改善インクによって改善することができる。また、有色インクの吐出量VSが少なく、発色の改善に必要な改善インクの量が少ない領域では、改善インクの吐出量VCLを少なくすることで、必要以上の改善インクを吐出しないように設定されている。よって、印刷媒体が波打つことを防止したり、吐出したインクが乾くのに必要な時間が長くなることを防止したり、改善インクの使用量を節約したりすることができる。さらに、改善インク吐出量VCLの値は、有色インク吐出量VSの値の増加に伴って減少しないように設定されている。よって、有色インクの量に応じた適量の改善インクを吐出することができる。
【0070】
<C2.第2調整モードの実施例2>
図14は、第2調整モードの実施例2における、有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図14におけるVS,VCL,VTの意味と、横軸と縦軸の定義は、図6のグラフと同じである。
【0071】
改善インク吐出量VCLの値は、有色インク吐出量VSの値の増加に伴って増加するように設定されている。さらに、有色インク吐出量VSの値が所定の値より小さい領域では、改善インクを吐出しないように設定されている。有色インクの吐出量VSが少なく、インクの発色のムラが目立たない領域において、改善インクを使用しないようにすることで、印刷媒体が波打ったり、吐出したインクが乾くのに必要な時間が長くなることを防止したり、改善インクの使用量を節約したりすることができる。
【0072】
<C3.第2調整モードの実施例3>
図15は、第2調整モードの実施例3における、有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図15におけるVS,VCL,VTの意味と、横軸と縦軸の定義は、図6のグラフと同じである。
【0073】
改善インク吐出量VCLの値は、有色インク吐出量VSの値が所定の値より小さい領域では、改善インクを吐出しないように設定されている。有色インクの吐出量VSが少なく、インクの発色のムラが目立たない領域において、改善インクを使用しないようにすることで、印刷媒体が波打ったり、吐出したインクが乾くのに必要な時間が長くなることを防止したり、改善インクの使用量を節約したりすることができる。さらに、改善インク吐出量VCLの値は、有色インク吐出量VSの値が所定の値より大きい領域において、0でない第5の所定の値E以上の値となるように設定されている。よって、発色の改善に必要な改善インクの吐出量が有色インク吐出量VSによらずほぼ一定である場合には、必要以上の改善インクを使用することなく、インクの発色の改善を行うことができる。なお、改善インク吐出量VCLの値は、0%から第5の所定の値Eにかけて、有色インク吐出量VSに基づいて滑らかに変化するのが好ましい。こうすることで、改善インクの吐出された領域と吐出されない領域との境界が目立つことを防止することができる。図15の例では、第5の所定の値Eは5%であるが、この値Eは、使用するインクの種類や印刷媒体の種類に応じて決めることができる。
【0074】
<C4.第2調整モードの実施例4>
図16は、第2調整モードの実施例4における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図16におけるVS,VCL,VTの意味と、横軸と縦軸の定義は、図6のグラフと同じである。
【0075】
有色インク吐出量VSが所定の値F以下の範囲では、改善インク吐出量VCLがゼロに設定されている。また、有色インク吐出量VSが所定の値Fよりも大きい範囲では、改善インク吐出量VCLがゼロで無い一定値Eに設定されている。この設定によっても、上述した図15の実施例3とほぼ同様の効果を達成することができる。但し、本実施例4では改善インク吐出量VCLがステップ状に変化しているのに対して、図15の実施例3ではなめらかに増加している。この結果、印刷媒体の種類によっては、実施例3の方が、改善インクが吐出される画像領域と吐出されない画像領域との間の境界がより目立ち難くなる場合がある。このような場合には、本実施例4よりも実施例3の方が好ましい。
【0076】
図17は、実施例4の具体例を示している。ここでは、有色インク吐出量VSが0のときにのみ改善インク吐出量VCLがゼロに設定されており、有色インク吐出量VSが0でない範囲では、改善インク吐出量VCLが一定値E(=5%)に設定されている。有色インク吐出量VSがゼロの画像領域では、インクの発色の改善は必要とされないので、図17の設定では改善インクを節約することができる。
【0077】
<C5.第2調整モードの実施例5>
図18は、第2調整モードの実施例5における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図18におけるVS,VCL,VTの意味と、横軸と縦軸の定義は、図6のグラフと同じである。
【0078】
この実施例5では、有色インク吐出量VSの値に拘わらず、改善インク吐出量VCLがゼロで無い100%未満の一定値Eに設定されている。この設定によれば、画質の改善(特に発色の改善)を達成しつつ、かつ、改善インクが吐出される画像領域と吐出されない画像領域との間に望ましくない境界が発生することを防止できるという利点がある。
【0079】
図19は、実施例5における改善インクのインクドットの配置例を示している。このように、実施例5では、印刷媒体上の印刷対象領域(印刷可能領域)において、改善インクのインクドットCLDが均一に分散して形成される。この例では、改善インク吐出量の値E(図18(a))が5%であり、20個の画素PXに1箇所の割合で改善インクのインクドットCLDが形成されている。なお、前述したように、本明細書において、インク吐出量の単位は、ドット記録率(全ての画素にインクドットを形成する場合を100%とする)を用いている。
【0080】
仮に、改善インクのインクドットCLDをほぼすべての画素に形成すると、却って有色インクが滲んだり、吐出したインクが乾くのに必要な時間が長くなったり、あるいは、印刷媒体が波打ったりする不具合が発生する可能性がある。これに対して、図19に示すように改善インクのインクドットCLDを画像印刷対象領域内に均一に分散して配置すれば、このような不具合を防止することができる。また、印刷の際の1画素PXは、肉眼で各画素を個別に識別できない程度に微細である。従って、改善インクのインクドットCLDを均一に分散して配置すれば、十分な画質改善効果(特に発色の改善)を達成することができる。このような効果を達成するためには、改善インクの吐出量VCLの値Eは、約1%〜約20%の範囲内の値に設定すればよいが、約1%〜約10%の範囲内の値が好ましく、約5%〜約10%の範囲内の値が最も好ましい。
【0081】
なお、改善インクのインクドットCLDの配置は、図19の例のように完全に均一に分散していることが好ましいが、完全に均一である必要は無く、ほぼ均一であれば良い。このような改善インクのインクドットCLDの配置は、本実施例5に限らず、上述した他のすべての実施例にも適用することが好ましい。
【0082】
なお、上述の各実施例の記載から理解できるように、改善インクを吐出する範囲は、前記有色インクの吐出量が取りうる全範囲のうちの一部の範囲とすることもできる。こうすることで、改善インクを節約することができる。また、改善インクを吐出する範囲を、前記有色インクの吐出量が取りうる全範囲とすることもできる。こうすることで、改善インクの吐出の有る領域と無い領域との境界が目立つことを防止することができる。
【0083】
この発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0084】
[D.変形例]
<D1.変形例1>
プリンタドライバ96は、上述の第1調整モードと第2調整モードとを選択的に実行できるようにしてもよく、一方のみを実行できるようにしてもよい。但し、第1調整モードと第2調整モードを選択的に実行できるようにすれば、1種類の改善インクで、光沢のムラの改善と、発色のムラの改善とを行うことができる。さらに、第1調整モード、第2調整モードともに、それぞれ複数の調整モードで構成されるようにしてもよい。このように選択できる調整モードを複数準備することで、ユーザの要求に細かく対応することができ、利便性を向上させることができる。さらに、使用できる調整モードが複数ある場合には、複数の調整モードに対応して複数のルックアップテーブルを準備するのが好ましい。こうすることで、選択された調整モードによる印刷を迅速に行うことができる。
【0085】
<D2.変形例2>
改善インクの吐出量は、使用できる有色インク全ての吐出量の合計値ではなく、一部の有色インクの吐出量の合計値に基づいて調整することもできる。例えば、第1調整モードでは、各有色インクを吐出して光沢を比較し、比較的光沢の強い有色インクのみの吐出量に基づいて、改善インクの吐出量を調整することもできる。具体的には、有色インクの中の、K,C,M,Yインクの吐出量に基づいて改善インクの吐出量を調整することで、光沢のムラの改善を行うことができる。
【0086】
<D3.変形例3>
改善インクとして、吐出されたインクの光沢を抑制するようなインクを使用することも可能である。この場合には、第2調整モードを使用することで、印刷画像の光沢のムラを改善することができる。改善インクの吐出量VCLは、有色インクの吐出量VSがほぼ0%のときの値(第2の吐出量)が、有色インク吐出量VSがほぼ100%のときの値(第1の吐出量)と比べて、小さくなるように設定されることが好ましい。よって、有色インクの吐出量が多い領域の光沢を、改善インクによって弱くすることができ、有色インクの吐出量が少ない領域との光沢の差を小さくすることができる。また、有色インクの吐出量が少ない領域では改善インクの吐出量を少なくすることで、必要以上の改善インクを吐出しないように設定される。よって、改善インクの使用量を節約することができる。
【0087】
<D4.変形例4>
改善インクの吐出量は、他のインクの吐出量に応じて連続的に変化させずに、複数の段階に分けて階段状に変化させることもできる。こうすることで、改善インクの吐出量の制御を簡単なものにすることができる。
【0088】
<D5.変形例5>
上述の各実施例では、ルックアップテーブルを用いて印刷を行っていたが、本発明は、このようなルックアップテーブルを使用しない印刷方法や印刷装置にも適用可能である。また、上述した実施例では、改善インクCLに関してもハーフトーン処理(ディザ処理や誤差拡散)を行うものとしていたが、改善インクCLに関してはハーフトーン処理を行わずに、その吐出量VCLに応じて予め決定されたドット配置パターンに従って改善インクCLのインクドットを形成するようにしてもよい。
【0089】
<D6.変形例6>
この発明はドラムスキャンプリンタにも適用可能である。この発明は、いわゆるインクジェットプリンタのみではなく、一般に、印刷ヘッドからインクを吐出することによって画像を印刷する印刷装置に適用することができる。このような印刷装置としては、例えばファクシミリ装置や、コピー装置がある。
【0090】
<D7.変形例7>
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、プリンタドライバ96(図1)の機能の一部を、プリンタ20内の制御回路40(図3)が実行するようにすることも可能である。
【0091】
[E.改善インク]
本発明に用いることのできる改善インクについて以下に説明する。
(改善インク)
上記改善インクは、ポリアリルアミンまたはその誘導体と、ポリマー微粒子と、水溶性有機溶剤と、水とを含んでなり、かつ着色剤を含まない液体組成物である。
(1)ポリアリルアミンおよびその誘導体
本発明による改善インクが含むポリアリルアミンまたはその誘導体は、下記式(I)で表される繰り返し単位を少なくとも一種含んでなる高分子である。
【0092】
【化2】
Figure 0004182341
(上記式中、R1、R2は、独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいアルキルアミノ基、または置換されていてもよいヒドラジノ基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいハイドロキシアルキル基を表す。)
ポリアリルアミンまたはその誘導体を含んでなる本発明の改善インクによれば、良好な発色性および光沢性を維持しながら、保存安定性に優れた記録物を実現できる。より具体的には、変色し難い画像を実現する。
【0093】
ポリアリルアミンまたはその誘導体の含有量は、発色性および光沢性向上の観点から適宜決定されてよいが、本発明の好ましい態様によれば、改善インク全量に対して、好ましくは0.1重量%以上、30重量%以下、より好ましくは下限が0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上であり、より好ましくは上限が10重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下である。
【0094】
本発明による改善インクは、ポリアリルアミンまたはその誘導体の重量平均分子量が5,000以上であることが好ましい。本発明の好ましい態様によれば、本発明の改善インクは、重量平均分子量が5,000未満のポリアリルアミンまたはその誘導体をさらに含んでなるものが好ましい。
【0095】
重量平均分子量が5,000未満のポリアリルアミンまたはその誘導体は、式(I)で表される繰り返し単位を少なくとも一種含んでなる高分子であることが好ましい。
【0096】
ポリアリルアミンまたはその誘導体は、二種以上混合して添加してもよい。混合して添加する場合には、これらの合計含有量が改善インク全量に対して、好ましくは0.1重量%以上、30重量%以下、より好ましくは下限が0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上であり、より好ましくは上限が10重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下である。本明細書中において、ポリアリルアミンまたはその誘導体の含有量は固形分換算量である。
【0097】
本発明の好ましい態様によれば、ポリアリルアミンまたはその誘導体を、二種以上混合して添加する場合には、重量平均分子量が5.000以上のポリアリルアミンまたはその誘導体と、重量平均分子量が5.000未満のポリアリルアミンまたはその誘導体とを含んでなるのが好ましい。このような分子量の異なるポリアリルアミンを含むことで、良好な発色性および光沢性を維持しながら、クリーニングキャップに改善インクが滞留することなく、良好なクリーニング操作を可能とするとの利点を有する。
【0098】
本発明の好ましい態様によれば、改善インクは、重量平均分子量が5,000以上の高分子量ポリアリルアミンまたはその誘導体と、重量平均分子量が5,000未満の低分子量ポリアリルアミンまたはその誘導体とを、1:0.25〜1:4の割合で含んでなることが好ましく、より好ましくは1:0.5〜1:2の割合いで含んでなることが好ましい。
【0099】
(2)ポリマー微粒子
本発明による改善インクに含まれるポリマー微粒子はいずれのものも利用できるが、好ましくはアニオン性ポリマー微粒子および/またはノニオン性ポリマー微粒子が利用でき、より好ましくは一種以上のアニオン性ポリマー微粒子と一種以上のノニオン性ポリマー微粒子との組合せが利用される。
【0100】
本発明の好ましい態様によれば、ポリマー微粒子を水性媒体中で分散(混合)させて得たエマルジョンで改善インクに添加されてなることが好ましい。エマルジョンとして添加されることにより、改善インクの製造時安定性および貯蔵安定性が向上し、より信頼性が高まり、高品位な記録画像が得られる。
【0101】
本発明の好ましい態様によれば、エマルジョンは、乳化型エマルジョン、ゾル型エマルジョン、アニオン性ポリエチレンエマルジョンまたはその変性物、アニオン性ポリプロピレンエマルジョンまたはその変性物、およびこれらの混合物からなる群から選択されるものが好ましい。本発明の好ましい態様によれば、アニオン性ポリエチレンエマルジョンまたはアニオン性ポリプロピレンエマルジョンは、カルボン酸化、スルホン酸化等の変性体であることが好ましい。
【0102】
ポリマー微粒子は、平均粒子径が10nm以上、200nm以下であり、ガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)が50℃以下であり、最低造膜温度(MFT)が20℃以下であり、重量平均分子量(Mw)が5,000以上、1,000,000以下であり、好ましくは下限が6,000以上であり、上限が600,000以下である。
【0103】
本発明の好ましい態様によれば、ポリマー微粒子の含有量は、改善インク全量に対して、好ましくは0.1重量%以上、20.0重量%以下、より好ましくは下限が0.2重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上であり、より好ましくは上限が5.0重量%以下、さらに好ましくは3.0重量%以下である。本明細書中において、ポリマー微粒子の含有量は固形分換算量である。
【0104】
本発明の好ましい態様によれば、上記ポリマー微粒子と、改善インク全量に対して0.1重量%以上30.0重量%以下のポリエチレンイミンまたはポリアリルアミンとを含んでなる改善インクによれば、記録画像の非印刷部分における光沢性の向上を顕著に実現することができる。
【0105】
(A)アニオン性ポリマー微粒子
アニオン性ポリマー微粒子を水性媒体中で混合分散させて得たエマルジョンの好ましい具体例としては、乳化型エマルジョン、ゾル型エマルジョン、アニオン性ポリエチレンエマルジョンまたはその変性物、アニオン性ポリプロピレンエマルジョンまたはその変性物、およびこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0106】
(乳化型エマルジョン)
乳化型エマルジョンのガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)は、光沢性および記録画像の安定性向上の観点から、好ましくは30℃以下であり、より好ましくは10℃以下である。
【0107】
乳化型エマルジョンの重量平均分子量(Mw)は、光沢性および記録画像の安定性向上の観点からは、好ましくは100,000以上、1,000,000以下であり、より好ましくは400,000以上、600,000以下である。重量平均分子量(Mw)がこの範囲内であることで、貯蔵安定性が高まり、さらに記録画像の非印刷部分における光沢性の向上を図ることができる。
【0108】
乳化型エマルジョンを構成するアニオン性ポリマー微粒子の平均粒子径は、70nm以上であることが好ましく、より好ましくは100nm以上、200nm以下であり、特に好ましくは110nm以上、150nm以下である。アニオン性ポリマー微粒子の平均粒子径がこの範囲内であると、水中においてアニオン性ポリマー微粒子がエマルジョンを形成し易くなり、貯蔵安定性が高まり、高品位な記録画像が得られる。
【0109】
乳化型エマルジョンの最低造膜温度(MFT)は、光沢性向上および記録画像の安定性向上の観点からは、好ましくは20℃以下、より好ましくは0℃以下である。最低造膜温度(MFT)がこの範囲内であると、さらに記録画像の非印刷部分における光沢性の向上を図ることができる。
【0110】
(ゾル型エマルジョン)
ゾル型エマルジョンのガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)は、光沢性および記録画像の安定性向上の観点から、好ましくは50℃以下であり、より好ましくは30℃以下であり、さらに好ましくは20℃以下である。
【0111】
ゾル型エマルジョンの重量平均分子量(Mw)は、光沢性向上および記録画像の安定性向上の観点からは、好ましくは1,000以上、1,000,000以下であり、より好ましくは3,000以上、500,000以下であり、特に好ましくは5,000以上、15,000以下である。重量平均分子量(Mw)がこの範囲内であることで、吐出安定性が高まり、さらに記録画像の非印刷部分における光沢性の向上を図ることができる。
【0112】
ゾル型エマルジョンを構成するアニオン性ポリマー微粒子の平均粒子径は、70nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは50nm以下である。アニオン性ポリマー微粒子の平均粒子径がこの範囲内であると、水中においてアニオン性ポリマー微粒子がエマルジョンを形成し易くなりゾル型分散状態が安定化し、貯蔵安定性が高まり、高品位な記録画像が得られる。
【0113】
ゾル型エマルジョンの最低造膜温度(MFT)は、光沢性向上および記録画像の安定性向上の観点からは、好ましくは20℃以下、より好ましくは0℃以下である。最低造膜温度(MFT)がこの範囲内であると、さらに記録画像の非印刷部分における光沢性の向上を図ることができる。
【0114】
ゾル型エマルジョンの好ましい具体例としては、アルカリ可溶性エマルジョンまたはスルホン基含有エマルジョンが挙げられる。
【0115】
(a)アルカリ可溶性エマルジョン
アルカリ可溶性エマルジョンは、塩基、好ましくは無機塩基、より好ましくはアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物により、pHが調整されたものが好ましい。このエマルジョンの酸価は40以下であることが好ましい。
【0116】
アルカリ可溶性エマルジョンは、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と、この単量体と共重合可能な単量体とを、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物または共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られた重合体を水性媒体中で分散させてるエマルジョンであることが好ましい。
【0117】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ブテントリカルボン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸単量体;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロピル等のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル単量体;無水マレイン酸、無水シストラコン酸等の多価カルボン酸無水物等を挙げることができ、これらの一種または二種以上の混合物が利用できる。これらの中では、アクリル酸またはメタクリル酸が特に好ましい。
【0118】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な単量体は、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有エチレン性不飽和単量体;アリルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和グリシジルエーテル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン単量体;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル単量体などが挙げられ、これらの一種または二種以上の混合物が利用できる。これらの中でも、画像の耐光性および光沢性に優れる点で、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体が好ましく、特に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体がより好ましい。
【0119】
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物は、ビニルアルコール系重合体であることが好ましく、具体的には、分子量1,000当たりアルコール性水酸基を5〜25個含有しているも水溶性高分子化合物が好ましい。例えば、ポリビニルアルコールやその各種変性物等のビニルアルコール系重合体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸または無水マレイン酸との共重合体の鹸化物;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキシアルキルセルロース等のセルロース誘導体;アルキル澱粉、カルボキシメチル澱粉、等の澱粉誘導体;アラビアゴム、トラガントゴム;ポリアルキレングリコール等を挙げることができ、これらの一種または二種以上の混合物を利用できる。
【0120】
共重合性界面活性剤は、分子中に1個以上の重合可能なビニル基を有する界面活性剤であり、例えば、プロペニル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンエステル燐酸エステル等のアニオン性重合性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエーテル(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メタ)アクリル酸エステル等のアニオン性重合性界面活性剤を挙げることでき、これらの一種または二種以上の混合物を利用できる。これらの中で、単量体の乳化分散性能および単量体との共重合性のバランスが優れている点で、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩が好ましい。
【0121】
(b)スルホン酸基含有エマルジョン
スルホン酸基含有エマルジョンは、ジエン系スルホン酸基含有エマルジョンまたは非ジエン系スルホン酸基含有エマルジョンであることが好ましい。
【0122】
前記スルホン酸基含有エマルジョンは、後記するモノマーを単独または共重合して得た重合体または共重合体をスルホン化処理して得たもの(特開平11−217525号公報を参照)、またはスルホン化されたモノマーを単独または共重合して得た重合体を水性媒体中で分散させて得たエマルジョンが挙げられ、ジエン系モノマーを必須成分とするジエン系スルホン酸基含有エマルジョンまたはジエンモノマーを必須成分としない非ジエン系スルホン酸基含有エマルジョンとが挙げられる。
【0123】
ジエン系スルホン酸基含有エマルジョンを得るために使用されるモノマーとしては、ジエン系モノマーと、ジエン系モノマーと併用できる他のモノマーが挙げられる。
【0124】
ジエン系モノマーの具体例としては、炭素数が4〜10のジエン系化合物であり、例えば、1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,2−ペンタジエン、2,3−ペンタジエン、イソプレン、1,2−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,2−ヘプタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,3−ヘプタジエン、2,5−ヘプタジエン、3,4−ヘプタジエン、3,5−ヘプタジエン、シクロヘプタジエン等を挙げることができ、これらの一種または二種以上の混合物を利用できる。
【0125】
ジエン系モノマーと併用できる他のモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、O−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等のモノ或いはジカルボン酸またはジカルボン酸の無水物、(メタ)アクリロニトリルなどのビニルシアン化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルメチルエチルケトン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの不飽和化合物が挙げられ、これらの一種または二種以上の混合物を利用できる。
【0126】
これらの他のモノマーを併用する場合には、ジエン系モノマーの使用量は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、更に好ましくは5重量%以上である。
【0127】
上記のジエン系モノマーまたはジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとを共重合して得られるジエン系共エマルジョンは、ランダム共重合体、ブロック共重合体を含め如何なる共重合体であっても良い。
【0128】
好ましい重合体としては、例えば、イソプレン単独重合体、ブタジエン単独重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元ブロック共重合体等が挙げられる。より好ましい共重合体としては、例えば、イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体等が挙げられる。
【0129】
本発明で使用されるジエン系スルホン酸基含有重合体は、上記のジエン系重合体および/またはその前駆モノマーに基づく残存二重結合の一部または全部を水添して得られる重合体を、公知のスルホン化方法、例えば、日本化学会編集、新実験化学講座(14巻III.1773頁)または特開平2−227403号公報等に記載された方法によってスルホン化したものであってもよい。
【0130】
スルホン化剤としては、無水硫酸、硫酸、クロルスルホン酸、発煙硫酸、亜硫酸水素塩(Li塩,Na塩,K塩,Rb塩,Cs塩等)等が挙げられる。スルホン化剤の量は、上記重合体1モルに対して、好ましくは、無水硫酸換算で0.005〜1.5モル、より好ましくは、0.01〜1.0モルである。
【0131】
前記ジエン系スルホン酸基含有エマルジョンは、上記のようにしてスルホン化された生成物に水および/または塩基性化合物を作用させて得られた状態で使用されるのが好ましい。塩基性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属の炭酸塩、アンモニア水、有機金属化合物、アミン類などが挙げられる。塩基性化合物は、一種または二種以上を併用して用いることができる。塩基性化合物の使用量は、使用したスルホン化剤1モルに対して、2モル以下、好ましくは、1.3モル以下である。
【0132】
非ジエン系スルホン酸基含有エマルジョンを得るために使用されるモノマーとしては、例えば、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、またはイソブチレンと三酸化イオウとを反応させて得られるメタクリルスルホン酸等のビニルモノマー、あるいはp−スチレンスルホン酸ナトリウム等のスチレン系単量体(例えば、東ソ(株)製、スピロマー)、あるいは一般式CH2=C(CH3)−COO(AO)nSO3Na(A:低級アルキレン基)で表わされるメタクリル酸エステル系単量体(例えば、三洋化成(株)製、エレミノールRS−30)のようなスルホニル基を有するモノマー、および前記モノマーのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
【0133】
非ジエン系スルホン酸基含有エマルジョンは、上記スルホン酸基を有するモノマーにスルホン酸基を含有しないモノマーを共重合させることによっても得られる。
【0134】
共重合可能な他のモノマーとしては、スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリン等の芳香族モノビニル化合物、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、α−メタクリロイルオキシエチルハイドロジエンフタレート、N,N'−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステルモノマー、2−エチルヘキシルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、N,N'−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、シリコン変性モノマー、マクロモノマー等を挙げることができる。更に、ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合化合物や酢酸ビニル等のビニルエステル化合物、4−メチル−1−ペンテン、その他のα−オレフィン化合物が挙げられる。共重合可能なモノマーのうちでは、スチレン、メチルメタクリレート、アクリロニトリルが好ましい。
【0135】
共重合可能なモノマーの使用量は、重合性モノマーの通常1〜93重量%、好ましくは、5〜80重量%である。
【0136】
非ジエン系スルホン酸基含有エマルジョンは、上記のスルホン酸基含有モノマーまたは、スルホン酸基含有モノマーと共重合可能な他のモノマーとを、例えば、水あるいは有機溶媒などの重合用溶媒の中で、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤等を使用してラジカル重合する。
【0137】
上記の非ジエン系モノマーを共重合して得られる非ジエン系スルホン酸基含有エマルジョンは、ランダム共重合体、ブロック共重合体を含め如何なる共重合体であっても良い。
【0138】
アニオン性ポリエチレンエマルジョンまたはその変性物、およびアニオン性ポリプロピレンエマルジョンまたはその変性物
アニオン性ポリエチレンエマルジョンまたはその変性物、およびアニオン性ポリプロピレンエマルジョンまたはその変性物の融点は、光沢性および記録画像の安定性向上の観点からは、好ましくは70度以上である。また、これらの粒子径は200nm以下が好ましく、平均粒子径は160nm以下が好ましい。
【0139】
アニオン性ポリエチレンエマルジョンは市販品を利用でき、例えばビックケミー・ジャパン社から、AQUACER507等として入手できる。AQUACER507は、アニオン性の酸化高密度ポリエチレンエマルジョンで、融点が130度、pHが10、粒子径が100nm〜200nmであり、平均粒子径は150nmである。
【0140】
(B)ノニオン性ポリマー微粒子
ノニオン性ポリマー微粒子を水性媒体中で混合分散させて得たエマルジョンの具体例としては、ノニオン性ポリエチレンエマルジョンまたはその変性物、ノニオン性ポリプロピレンエマルジョンまたはその変性物、およびこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0141】
ノニオン性ポリエチレンエマルジョンまたはその変性物、あるいはポリプロピレンエマルジョンまたはその変性物の融点は、光沢性向上および記録画像の安定性向上の観点からは、好ましくは70度以上である。また、粒子径は200nm以下が好ましく、平均粒子径は160nm以下が好ましい。
【0142】
これらのエマルジョンは市販品を利用でき、例えばビックケミー・ジャパン社から、AQUACER513、AQUACER593、AQUACER543等として入手できる。
【0143】
AQUACER513は、ノニオン性の酸化高密度ポリエチレンエマルジョンで、融点が130度、pHが9、粒子径が100nm〜200nmであり、平均粒子径は150nmである。また、AQUACER593は、ノニオン性の酸化高密度ポリプロピレンエマルジョンで、融点が160度、pHが9、粒子径が100nm〜200nmであり、平均粒子径は150nmである。また、AQUACER543は、AQUACER593にノニルフェノールが配合されているものである。
【0144】
(3)水、水溶性有機溶剤、およびその他の成分
本発明における改善インクに含まれる水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水が挙げられる。また、紫外線照射、または過酸化水素添加などにより滅菌した水を用いることにより、インク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
【0145】
本発明による改善インクに含まれる水溶性有機溶剤としては、グリコールエーテル系化合物、アルカンジオール系化合物、または多価アルコール系化合物等およびこれらの混合物が挙げられる。
【0146】
これら化合物を水溶性有機溶剤として用いることにより、目詰まりおよび吐出安定性に優れ、発色性および光沢性を維持し、記録画像の画像品質を向上させることができる。水溶性有機溶媒の含有量(複数種を混合する場合にはその総量)は、画像品質の向上の観点から、改善インク全量に対して、好ましくは1.0重量%以上、70重量%以下であり、より好ましくは10重量%以上、50重量%以下である。
【0147】
グリコールエーテル系化合物としては、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。特に、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが好適である。
【0148】
グリコールエーテル系化合物の含有量は、改善インク中好ましくは0.1重量%以上、30.0重量%以下であり、より好ましくは1.0重量%以上、20.0重量%以下であり、特に好ましくは、2.0重量%以上、10.0重量%以下である。
【0149】
アルカンジオール系化合物としては、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等が挙げられる。特に、1,2−ヘキサンジオールが好適である。
【0150】
アルカンジオール系化合物の含有量は、改善インク中好ましくは0.1重量%以上、30.0重量%以下であり、より好ましくは1.0重量%以上、20.0重量%以下であり、特に好ましくは、2.0重量%以上、10.0重量%以下である。
【0151】
多価アルコール系化合物としては、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等の水溶性の水溶性有機溶剤が挙げられる。特に、グリセリンが好適である。
【0152】
多価アルコール系化合物の含有量は、改善インク中好ましくは0.1重量%以上、50.0重量%以下であり、より好ましくは1.0重量%以上、40.0重量%以下であり、特に好ましくは、8.0重量%以上、30.0重量%以下である。
【0153】
本発明による改善インクは、界面活性剤を含むことができ、例えばアセチレングリコール系化合物、アセチレンアルコール系化合物、若しくはポリシロキサン系化合物およびこれらの混合物を含有することができる。これにより、発色性および光沢性を維持しつつ、改善インクの吐出安定性を高めることができる。
【0154】
界面活性剤の含有量は、改善インク中好ましくは0.1重量%以上、10.0重量%以下であり、より好ましくは0.1重量%以上、3.0重量%以下であり、特に好ましくは、0.3重量%以上、2.0重量%以下である。また、界面活性剤の添加の結果、改善インクの表面張力は、吐出安定性向上の観点から、好ましくは15dyn/cm以上、45dyn/cm以下であり、より好ましくは20dyn/cm以上、35dyn/cm以下であり、特に好ましくは、25dyn/cm以上、30dyn/cm以下である。
【0155】
本発明において好ましく用いられるアセチレングリコール系化合物としては、オルフィンE1010、STG、Y(何れも商品名、日信化学社製)、サーフィノール82、104、440、465、485(何れも商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)等の市販品を用いることができる。
【0156】
本発明において好ましく用いられるアセチレンアルコール系化合物としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オール、サーフィノール61(商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)等を用いることができる。
【0157】
本発明において好ましく用いられるポリシロキサン系化合物としては、下記の一般式(2)で表わされる化合物等を用いることができる。
【0158】
【化3】
Figure 0004182341
(上記式中、R1〜R9は、独立してC1-6アルキル基を表し、j、kおよびxは独立して1以上の整数を表し、EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表し、mおよびnは0以上の整数を表すが、m+nは1以上の整数を表し、EOおよびPOは[ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。)
式(2)の化合物は市販されており、それを利用することが可能である。例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社より、BYK−347、BYK−348(商品名)が利用可能である。
【0159】
本発明による改善インクは、必要に応じてインクジェット記録用の水性インク組成物に一般的に用いられている溶媒をさらに含むことができる。そのような溶媒としては、2−ピロリドン、トリエタノールアミン、糖等が挙げられる。
【0160】
糖の具体例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、等が挙げられる。ここで多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロース等自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表わされる)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸等)、アミノ酸、チオ糖等が挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビット等が挙げられる。また市販品としては、HS−300、500(登録商標林原商事)等を入手することができる。
【0161】
本発明による改善インクは、ノズルの目詰まり防止剤、防腐剤、酸化防止剤、導電率調整剤、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤、紫外線吸収剤、キレート剤などをさらに添加することができる。防腐剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)などが挙げられる。
【0162】
さらに、pH調整剤、溶解助剤、または酸化防止剤の具体例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン類およびそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩など、あるいはN−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩を挙げることができる。また、紫外線吸収剤の具体例としては、チバガイギーのTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024、ランタニドの酸化物が挙げられる。
キレート剤の具体例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が挙げられる。
【0163】
本発明による改善インクは、粘度および記録物上での滲みを調整する目的で、高沸点水溶性有機溶剤を含有しても良い。その具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。特に一価アルコールが好ましい。
【0164】
高沸点水溶性有機溶剤の含有量は、改善インク中好ましくは、0.1重量%以上、30.0重量%以下であり、より好ましくは1.0重量%以上、10.0重量%以下であり、特に好ましくは、2.0重量%以上、5.0重量%以下である。
なお、上述したB.第1調整モードの実施例(1〜7)、C.第2調整モードの実施例(1〜5)およびD.変形例(1〜7)で実際用いた改善インクの組成を以下の表に表す。
【0165】
【表1】
Figure 0004182341
表中、PAAはポリアリルアミン、Glyはグリセリン、TEGmBEはトリエチレングリコールモノブチルエーテルを表す。また、エマルジョンは以下の様に調製した。また、Aquacer593については上述したとおりである。
【0166】
[エマルジョンの調製]
下記に従い、各エマルジョンを調製した。ポリマー微粒子のガラス転移温度TgはJIS K6900に従い測定し、濁度は濁度計(日本電色工業製WATER−ANALYZER2000)を用いて、セル幅10mmにて測定した。
【0167】
(乳化型樹脂エマルジョン)
攪拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム3gを仕込み、攪拌下に窒素置換しながら70度まで昇温した。内温を70度に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予め、イオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20gにスチレン300g、ブチルアクリレート640g、及びメタクリル酸30gを攪拌下に加えて作成した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の熟成を行った。得られた乳化型エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液を添加して固形分40重量%、pH8に調整した。
【0168】
この乳化型エマルジョン中のポリマー微粒子について、ガラス転移温度Tgが15℃、平均粒子径が130nm、重量平均分子量(Mw)が50万、最低造膜温度(MFT)が0℃、濁度が30mg/L以上であった。
【0169】
(アルカリ可溶型樹脂エマルジョン)
攪拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水130部と過硫酸カリウム2部を仕込み、80℃に昇温した。予め、イオン交換水280部、エチルアクリレート55部、メチルアクリレート37部、メタクリル酸6部、分子量調整剤としてチオグリコール酸オクチル3部、及びポリビニルアルコール2.5部を攪拌下に加えて作成した単量体混合物の分散物を4時間かけて連続添加して重合させた。連続添加終了後、80℃で30分間反応を行った。
【0170】
次いで、仕込みのメタクリル酸と当モルの水酸化ナトリウムに相当する量の10%水酸化ナトリウム水溶液を反応器に添加し、さらに80℃で1時間熱処理した後に、適量のイオン交換水を加えて固形分濃度15%のアルカリ可溶性エマルジョンを得た。このアルカリ可溶性エマルジョンの酸価は40、pHは9.2であった。
【0171】
このアルカリ可溶性エマルジョン中のポリマー微粒子は、ガラス転移温度Tg(JIS K6900に従い測定)が25℃、平均粒子径が50nm以下、重量平均分子量(Mw)が1.1万、最低造膜温度(MFT)が15℃、濁度が30mg/L以下であった。
【0172】
(スルホン基含有型樹脂エマルジョン)
ガラス製反応容器にジオキサン100gを入れ、これに無水硫酸11.8gを25℃の内温を保ちながら添加し、2時間攪拌して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。
【0173】
次に、スチレン/イソプレン/スチレン3元ブロック共重合体(10/80/10重量比、Mw=100000)100gのTHF溶液(濃度=15%)中に上記で得た錯体全量を、内温25℃に保ちながら添加し、さらに2時間攪拌を続けて溶液とした。
【0174】
水1200g、水酸化ナトリウム7.1g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1gをフラスコに入れ、内温を40℃に保った。この中に、上記溶液の全量を40℃℃に内温を保ちつつ1時間で滴下した。滴下後、40℃で2時間攪拌した後、減圧蒸留により、水を残しつつ溶剤を除去し、濃度15%のスルホン基含有エマルジョンを得た。固形分中のスルホン酸含量は1.2mmo1/gであった。
【0175】
このスルホン基含有エマルジョンエマルジョン中のポリマー微粒子は、ガラス転移温度Tgが25℃、平均粒子径が50nm以下、重量平均分子量(Mw)が1万、最低造膜温度(MFT)が15℃、濁度が30mg/L以下であった。
【0176】
[有色インク]
本発明に用いることのできる有色インクについて以下に説明する。
本発明による有色インクは、着色剤と水と水溶性有機溶媒とを少なくとも含んでなるものである。
(1)着色剤
着色剤としては顔料または染料が用いられ、好ましくは顔料を用いる。顔料としては、無機顔料、有機顔料が利用できる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、顔料キレート(例えば、塩基性顔料型キレート、酸性顔料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
【0177】
黒インクとして使用されるカーボンブラックとしては、三菱化学製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、5250、5000、3500、1255、700等が、キャボット社製のRegal400R、330R、660R、Mogul L.Monarch700、800、880、900、1000、1100、1300、1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、Printex35、U、V、140U、Special Black6、5、4A、4等が挙げられる。
【0178】
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、108、109、110、113、114、116、117、120、128、129、133、138、139、147、150、151、153、154、155、156、167、172、173、180、185、95等が挙げられる。
【0179】
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメント レッド1、2、3、5、7、9、10、11、12、14、17、18、23、30、31、38、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、67、88、112、114、122、123、144、147、149、150、151、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
【0180】
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメント ブルー1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:34、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー4、60等が挙げられる。
【0181】
レッドインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド17、49:2、112、149、177、178、188、255、264等が挙げられる。
【0182】
バイオレットインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット3、9、19、23、31、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
【0183】
これらの顔料の粒径は、200nm以下が好ましく、さらに好ましくは100nm以下である。
【0184】
顔料の含有量は、インク組成物中、0.01重量%以上、10重量%以下、好ましくは下限が0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは上限が6.0重量%以下、より好ましくは4.0重量%以下である。
【0185】
(分散剤)
着色剤としての顔料は、分散剤を用いて顔料の分散液としてインクに添加されることが好ましい。分散剤としては、天然高分子が挙げられる。その具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸およびアルギン酸プロピレングリコールエステルアルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0186】
また、分散剤としては合成高分子が好ましくは挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。
【0187】
これらの中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、および疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。また、上記重合体の塩としては、ジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどとの塩が挙げられる。これらの共重合体は、重量平均分子量が1,000〜100,000程度であり、好ましくは3,000〜50,000程度であり、より好ましくは上限が5,000であり、下限が20,000である。
【0188】
分散剤の含有量は、有色インク全量に対して、0.001重量%以上、14.0重量%以下、好ましくは下限が0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上であり、好ましくは上限が9.0重量%以下、より好ましくは6.0重量%以下である。
【0189】
(自己分散型顔料)
本発明による有色インクは、着色剤として、分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能なものとされた顔料、即ち、一般に自己分散型顔料と言われるものを好ましくは利用できる。この顔料は、その表面に、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、またはスルホン基の少なくとも一種の官能基またはその塩が結合するような表面処理により、分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能とされたものである。具体的には、真空プラズマなどの物理的処理や化学的処理(例えば、次亜塩素酸、スルホン酸などによる酸化処理)により、官能基または官能基を含んだ分子を顔料の表面にグラフトさせることによって得ることができる。本発明において、一つの顔料粒子にグラフトされる官能基は単一でも複数種であってもよい。グラフトされる官能基の種類およびその程度は、インク中での分散安定性、色濃度、およびインクジェットヘッド前面での乾燥性等を考慮しながら適宜決定されてよい。自己分散型顔料に利用される顔料は上記した顔料と同様であって良い。
【0190】
本発明において、顔料が分散剤なしに水中に安定に存在している状態を「分散および/または溶解」と表現する。物質が溶解しているか、分散しているのかを明確に区別することが困難な場合も少なくない。本発明にあっては、分散剤なしに水中に安定に存在しうる顔料である限り、その状態が分散か、溶解かを問わず、そのような顔料が利用可能である。よって、本明細書において、分散剤なしに水中に安定に存在しうる顔料をも着色剤ということがあるが、顔料が分散状態にあるものまでも排除することを意味するものではない。
【0191】
(2)水、水溶性有機溶剤、およびその他の成分
本発明における有色インクは、水と水溶性水溶性有機溶剤とを含んでなる。
水、水溶性有機溶剤、およびその他の成分は、先の改善インクと同様であって良い。
【0192】
(有色インクの調製)
本発明による有色インクは、常法によって調製することができ、例えば、前記の各成分を適当な方法で分散、および混合することによって製造することができる。好ましくは、先ず、イオン交換水と、顔料と、分散剤と、水溶性有機溶剤と、および必要に応じて、その他の成分を適当な分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなど)で混合し、均一な顔料分散液を調製する。次いで、イオン交換水と、水溶性有機溶剤と、および必要に応じて、その他の成分を常温で充分に攪拌してインク溶媒を調製する。このインク溶媒を適当な攪拌機で攪拌した状態のところに前記顔料分散液を徐々に滴下して充分に攪拌する。充分に攪拌した後に、目詰まりの原因となる粗大粒子および異物を除去するために濾過を行って目的の有色インクを得る。
【0193】
また、自己分散型顔料を着色剤として用いる場合には、顔料を表面処理し顔料自体を分散状態とする以外は、上記と同様にして有色インクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例として印刷システムの構成を示すブロック図。
【図2】 プリンタの構成を示す説明図。
【図3】 プリンタ20における制御回路40の構成を示すブロック図。
【図4】 印刷ヘッド28下面のノズル配列を示す説明図。
【図5】 第1調整モードと第2調整モードの概略を説明する説明図。
【図6】 第1調整モードの実施例1における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明する説明図。
【図7】 第1調整モードの実施例2における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明する説明図。
【図8】 第1調整モードの実施例3における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明する説明図。
【図9】 第1調整モードの実施例4における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明する説明図。
【図10】 第1調整モードの実施例5における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明する説明図。
【図11】 第1調整モードの実施例6における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明する説明図。
【図12】 第1調整モードの実施例7における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明する説明図。
【図13】 第2調整モードの実施例1における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明する説明図。
【図14】 第2調整モードの実施例2における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明する説明図。
【図15】 第2調整モードの実施例3における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明する説明図。
【図16】 第2調整モードの実施例4における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフ。
【図17】 第2調整モードの実施例4の具体例を示すグラフ。
【図18】 第2調整モードの実施例5における有色インクの吐出量と改善インクの吐出量との関係を説明するグラフ。
【図19】 改善インクのインクドットの配置例を示す説明図。
【符号の説明】
20…プリンタ
21…CRT
22…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印刷ヘッド
30…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置センサ
40…制御回路
41…CPU
43…P−ROM
44…RAM
45…CG
50…I/F専用回路
52…ヘッド駆動回路
54…モータ駆動回路
56…コネクタ
60…印刷ヘッドユニット
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…解像度変換部
98…インク量データ変換部
99…ハーフトーン処理部
100…印刷データ生成部
102…ルックアップテーブル
103…調整モード選択部
A …第1の所定の値
B …第2の所定の値
C …第3の所定の値
D …第4の所定の値
E …第5の所定の値
GP…光沢紙
NP…非光沢紙

Claims (34)

  1. 比較的光沢の強い第1印刷媒体と、比較的光沢の弱い第2印刷媒体とを利用可能であり、印刷媒体上にインクを吐出することによって画像の印刷を行う印刷装置であって、
    着色剤を含む少なくとも1種類の有色インクと、印刷画像の画質を改善するための改善インクとして、ポリアリルアミンまたはその誘導体と、ポリマー微粒子と、水溶性有機溶剤と、水とを含んでなり、かつ着色剤を含まない液体組成物と、を吐出することが可能な印刷ヘッドと、
    前記改善インクの吐出量を、前記有色インクの吐出量に基づいて調整する調整部と、を備え、
    前記調整部は、
    前記第1印刷媒体が利用される場合に、ほぼ全ての画素に有色インクが吐出された領域における前記改善インクの第1の吐出量が、前記有色インクの吐出がほぼ無い領域での前記改善インクの第2の吐出量よりも少なくなるように設定することによって、印刷画像の光沢のムラを改善する第1調整モードと、
    前記第2印刷媒体が利用される場合に、ほぼ全ての画素に有色インクが吐出された領域における前記改善インクの第1の吐出量が、前記有色インクの吐出がほぼ無い領域での前記改善インクの第2の吐出量よりも多くなるように設定することによって、印刷画像の発色のムラを改善する第2調整モードと、
    を有する、印刷装置。
  2. 比較的光沢の強い第1印刷媒体と、比較的光沢の弱い第2印刷媒体とを利用可能であり、印刷媒体上にインクを吐出することによって画像の印刷を行う印刷装置であって、
    着色剤を含む少なくとも1種類の有色インクと、印刷画像の画質を改善するための改善インクとして、ポリアリルアミンまたはその誘導体と、ポリマー微粒子と、水溶性有機溶剤と、水とを含んでなり、かつ着色剤を含まない液体組成物と、を吐出することが可能な印刷ヘッドと、
    前記改善インクの吐出量を、前記有色インクの吐出量に基づいて調整する調整部と、を備え、
    前記調整部は、
    前記第1印刷媒体が利用される場合に、ほぼ全ての画素に有色インクが吐出された領域における前記改善インクの第1の吐出量が、前記有色インクの吐出がほぼ無い領域での前記改善インクの第2の吐出量よりも少なくなるように設定する第1調整モードと、
    前記第2印刷媒体が利用される場合に、ほぼ全ての画素に有色インクが吐出された領域における前記改善インクの第1の吐出量が、前記有色インクの吐出がほぼ無い領域での前記改善インクの第2の吐出量よりも多くなるように設定する第2調整モードと、
    を有する、印刷装置。
  3. 前記改善インクの前記ポリアリルアミンまたはその誘導体が、下記式(I)で表される繰り返し単位を少なくとも一種含んでなる高分子である、請求項1または2に記載の印刷装置。
    ―[CH2CH(CH2NR12)]n― (I)
    (上記式中、
    、Rは、独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいアルキルアミノ基、または置換されていてもよいヒドラジノ基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいハイドロキシアルキル基を表す。)
  4. 前記ポリアリルアミンまたはその誘導体が、重量平均分子量5,000以上である請求項に記載の印刷装置。
  5. 重量平均分子量が5,000未満のポリアリルアミンまたはその誘導体をさらに含んでなる、請求項またはに記載の印刷装置。
  6. 前記重量平均分子量が5,000未満のポリアリルアミンまたはその誘導体が、請求項で定義された式(I)で表される繰り返し単位を少なくとも一種含んでなる高分子である、請求項に記載の印刷装置。
  7. 前記重量平均分子量5,000以上のポリアリルアミンまたはその誘導体と、前記重量平均分子量5,000未満のポリアリルアミンまたはその誘導体とを、1:0.25〜1:4の割合で含んでなる、請求項またはに記載の印刷装置。
  8. 前記ポリマー微粒子のガラス転移温度点が50℃以下である、請求項1または2に記載の印刷装置。
  9. 前記ポリマー微粒子の最低造膜温度が20℃以下である、請求項1または2に記載の印刷装置。
  10. 前記ポリマー微粒子が、アニオン性ポリマー微粒子もしくはノニオン性ポリマー微粒子またはこれらの組み合わせである、請求項またはに記載の印刷装置。
  11. 前記ポリマー微粒子を水性媒体中で分散させて得たエマルジョンを含んでなる、請求項8〜10のいずれか一項に記載の印刷装置。
  12. 前記アニオン性ポリマー微粒子を水性媒体中で分散させて得たエマルジョンが、乳化型エマルジョン、ゾル型エマルジョン、アニオン性ポリエチレンエマルジョンまたはその変性物、アニオン性ポリプロピレンエマルジョンまたはその変性物、およびこれらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項11に記載の印刷装置。
  13. 前記ゾル型エマルジョンが、アルカリ可溶性エマルジョンもしくはスルホン基含有エマルジョンまたはその組み合わせである、請求項12に記載の印刷装置。
  14. 前記アルカリ可溶性エマルジョンが、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と、該エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な単量体とを、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物または共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られた重合体を水性媒体中で分散させて得たものである、請求項13に記載の印刷装置。
  15. 前記スルホン基含有エマルジョンが、ジエン系スルホン酸基含有エマルジョンもしくは非ジエン系スルホン酸基含有エマルジョンまたはその組み合わせである、請求項13に記載の印刷装置。
  16. 前記ノニオン性ポリマー微粒子を水性媒体中で分散させて得たエマルジョンが、ノニオン性ポリエチレンエマルジョンまたはその変性物、ノニオン性ポリプロピレンエマルジョンまたはその変性物、およびこれらの混合物とからなる群から選択されるものである、請求項11に記載の印刷装置。
  17. 前記水溶性有機溶剤が、グリコールエーテル系化合物、アルカンジオール系化合物、多価アルコール系化合物およびこれらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項1または2に記載の印刷装置。
  18. 比較的光沢の強い第1印刷媒体と、比較的光沢の弱い第2印刷媒体とを利用可能で、着色剤を含む少なくとも1種類の有色インクと、印刷画像の画質を改善するための改善インクとして、ポリアリルアミンまたはその誘導体と、ポリマー微粒子と、水溶性有機溶剤と、水とを含んでなり、かつ着色剤を含まない液体組成物と、を用いて印刷を行う印刷方法であって、
    前記第1印刷媒体が利用される場合に、ほぼ全ての画素に有色インクが吐出された領域における前記改善インクの第1の吐出量が、前記有色インクの吐出がほぼ無い領域での前記改善インクの第2の吐出量よりも少なくなるように設定することによって、印刷画像の光沢のムラを改善する工程と、
    前記第2印刷媒体が利用される場合に、ほぼ全ての画素に有色インクが吐出された領域における前記改善インクの第1の吐出量が、前記有色インクの吐出がほぼ無い領域での前記改善インクの第2の吐出量よりも多くなるように設定することによって、印刷画像の発色のムラを改善する工程と、
    を備える、印刷方法。
  19. 比較的光沢の強い第1印刷媒体と、比較的光沢の弱い第2印刷媒体とを利用可能で、着色剤を含む少なくとも1種類の有色インクと、印刷画像の画質を改善するための改善インクとして、ポリアリルアミンまたはその誘導体と、ポリマー微粒子と、水溶性有機溶剤と、水とを含んでなり、かつ着色剤を含まない液体組成物と、を用いて印刷を行う印刷方法であって、
    前記第1印刷媒体が利用される場合に、ほぼ全ての画素に有色インクが吐出された領域における前記改善インクの第1の吐出量が、前記有色インクの吐出がほぼ無い領域での前記改善インクの第2の吐出量よりも少なくなるように設定する工程と、
    前記第2印刷媒体が利用される場合に、ほぼ全ての画素に有色インクが吐出された領域における前記改善インクの第1の吐出量が、前記有色インクの吐出がほぼ無い領域での前記改善インクの第2の吐出量よりも多くなるように設定する工程と、
    を備える、印刷方法。
  20. 前記改善インクの前記ポリアリルアミンまたはその誘導体が、下記式(I)で表される繰り返し単位を少なくとも一種含んでなる高分子である、請求項18または19に記載の印刷方法
    ―[CH2CH(CH2NR12)]n― (I)
    (上記式中、
    、Rは、独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいアルキルアミノ基、または置換されていてもよいヒドラジノ基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいハイドロキシアルキル基を表す。)
  21. 前記ポリアリルアミンまたはその誘導体が、重量平均分子量5,000以上である請求項20に記載の印刷方法
  22. 重量平均分子量が5,000未満のポリアリルアミンまたはその誘導体をさらに含んでなる、請求項20または21に記載の印刷方法
  23. 前記重量平均分子量が5,000未満のポリアリルアミンまたはその誘導体が、請求項20で定義された式(I)で表される繰り返し単位を少なくとも一種含んでなる高分子である、請求項22に記載の印刷方法
  24. 前記重量平均分子量5,000以上のポリアリルアミンまたはその誘導体と、前記重量平均分子量5,000未満のポリアリルアミンまたはその誘導体とを、1:0.25〜1:4の割合で含んでなる、請求項22または23に記載の印刷方法
  25. 前記ポリマー微粒子のガラス転移温度点が50℃以下である、請求項18または19に記載の印刷方法
  26. 前記ポリマー微粒子の最低造膜温度が20℃以下である、請求項18または19に記載の印刷方法
  27. 前記ポリマー微粒子が、アニオン性ポリマー微粒子もしくはノニオン性ポリマー微粒子またはこれらの組み合わせである、請求項25または26に記載の印刷方法
  28. 前記ポリマー微粒子を水性媒体中で分散させて得たエマルジョンを含んでなる、請求項25〜27のいずれか一項に記載の印刷方法
  29. 前記アニオン性ポリマー微粒子を水性媒体中で分散させて得たエマルジョンが、乳化型エマルジョン、ゾル型エマルジョン、アニオン性ポリエチレンエマルジョンまたはその変性物、アニオン性ポリプロピレンエマルジョンまたはその変性物、およびこれらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項28に記載の印刷方法
  30. 前記ゾル型エマルジョンが、アルカリ可溶性エマルジョンもしくはスルホン基含有エマルジョンまたはその組み合わせである、請求項29に記載の印刷方法
  31. 前記アルカリ可溶性エマルジョンが、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と、該エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な単量体とを、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物または共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られた重合体を水性媒体中で分散させて得たものである、請求項30に記載の印刷方法
  32. 前記スルホン基含有エマルジョンが、ジエン系スルホン酸基含有エマルジョンもしくは非ジエン系スルホン酸基含有エマルジョンまたはその組み合わせである、請求項30に記載の印刷方法
  33. 前記ノニオン性ポリマー微粒子を水性媒体中で分散させて得たエマルジョンが、ノニオン性ポリエチレンエマルジョンまたはその変性物、ノニオン性ポリプロピレンエマルジョンまたはその変性物、およびこれらの混合物とからなる群から選択されるものである、請求項28に記載の印刷方法
  34. 前記水溶性有機溶剤が、グリコールエーテル系化合物、アルカンジオール系化合物、多価アルコール系化合物およびこれらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項18または19に記載の印刷方法
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