JP2003096371A - インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置

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JP2003096371A
JP2003096371A JP2002176078A JP2002176078A JP2003096371A JP 2003096371 A JP2003096371 A JP 2003096371A JP 2002176078 A JP2002176078 A JP 2002176078A JP 2002176078 A JP2002176078 A JP 2002176078A JP 2003096371 A JP2003096371 A JP 2003096371A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンブラックを含むBkインクと、顔料
を含むカラーインクとを用いたインクジェット記録で、
Bk画像と隣接するカラー画像との間のブリードの発生
が大幅に緩和された高品位な画像の形成が可能なインク
セットの提供。 【解決手段】 Bk及び他のカラーの各水性インクを組
み合わせた被記録材へのインクジェット記録に用いるイ
ンクのセットであって、Bkインクは、水不溶性の色材
としてカーボンブラックを含み、該色材の体積平均粒子
径が50nm以上であり、カラーインクは、水不溶性の
色材を含み、該色材の体積平均粒子径が60nm以下で
あり、且つ累積90%粒径が100nm以下であり、該
Bkインク中の色材の粒子径が、カラーインク中の色材
よりも大きく、Bkインクの表面張力は、カラーインク
のそれよりも高いインクジェット記録用インクセット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用インクセット、該インクセットを用いるインクジェ
ット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及び
インクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のインクジェット記録画像の品質
は、銀塩写真とほぼ同等のレベルにまで向上してきてい
る。一方、インクジェット記録画像の更なる耐久性、例
えば、耐光性の向上のために、マルチカラー画像の形成
に必要なインクの全てについて、例えば、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)、及びシアン(C)の各カラー
インクと、ブラック(Bk)インクの全てについて、色
材を水不溶性のもの、例えば、顔料とすることが検討さ
れてきている。しかし、全てのインクが色材として顔料
を含んでいるインクセットを用いて形成したインクジェ
ット記録画像の品位は、銀塩写真のレベルには及ばない
ものであり、本発明者らは、かかるインクセットを用い
て、銀塩写真並の高い品質のインクジェット記録画像を
得るためには、更なる技術の開発が必要であるとの認識
を得ている。ところで、本発明者らは、色材として顔料
を含む顔料インクを組み合わせたインクセットに対して
も、色材として染料を用いている染料インクで採用され
てきた技術が、有効な場合があるとの知見を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまで染料インクで
採用されてきた技術には、多種多様のものがある。例え
ば、色材として染料を用いた染料インクでは、ブラック
インク(Bkインク)に対しては、キャラクターのプリ
ントに多用されることから、より高いOD(画像濃度)
とエッジシャープネスが要求されるため、Bkインクに
は、比較的高い表面張力を持たせるのが好ましいとされ
ている。一方、カラーインクに対しては、異なる色のカ
ラーインク同士が、被記録材上に隣接して付与されたと
きに、それらのインクの境界領域で生じるインクの混色
の抑制、即ち、ブリードの緩和が要求されるため、カラ
ーインクには、比較的低い表面張力を持たせることが有
効であるとされている。このこと自体は、例えば、特開
平3−41171号公報にも記載されているように、公
知の事項である。
【0004】本発明者らは、水不溶性の色材、例えば顔
料を含むインクを用いたインクジェット記録システムの
検討を通じ、当該システムにおいても、Bkインクの表
面張力を高くし、カラーインクの表面張力をBkインク
よりも低くすることが高品位なマルチカラー画像を形成
するためには有効であるとの知見を得ている。しかしな
がら、このようなシステムにおける解決すべき技術課題
の一つに、被記録材上にBkインク画像とカラーインク
画像とが隣接しているときの、Bkインク画像とカラー
インク画像との間におけるブリード発生の抑制がある。
本発明者らは、この技術課題に対して種々の検討を重ね
た結果、Bkインク画像とカラーインク画像との間のブ
リードが緩和された、高品位なマルチカラー画像の形成
に好適に用いることのできるインクジェット記録用イン
クセットを見出すに至った。本発明は、かかる知見に基
づき為されたものである。
【0005】従って、本発明の目的は、水不溶性の色材
としてカーボンブラックを含むBkインクと、水不溶性
の色材を含む各色のカラーインクとを用いて、マルチカ
ラーのインクジェット記録を行なう場合において、Bk
インク画像と、それと隣接しているカラーインク画像と
の間のブリードの発生が大幅に緩和された、高品位なイ
ンクジェット記録画像の形成を可能とするインクジェッ
ト記録用インクセット(以下、単にインクセットと呼
ぶ)を提供することにある。又、本発明の他の目的は、
上記インクセットを用いた高品位なインクジェット記録
画像を形成するためのインクジェット記録方法を提供す
ることにある。更に本発明の他の目的は、上記インクセ
ットを用いた高品位なインクジェット記録画像を形成す
るための記録ユニット、インクカートリッジ及びインク
ジェット記録装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様にか
かるインクジェット記録用インクセットは、ブラック及
び他のカラーの各インクジェット記録用水性インクを含
む組み合わせからなる、被記録材へのインクジェット記
録に用いられるインクのセットであって、上記ブラック
インクは、水不溶性の色材としてカーボンブラックを含
み、該色材の動的光散乱法によって測定した体積平均粒
子径が50nm以上であり、上記カラーインクは、水不
溶性の色材を含み、該色材の動的光散乱法によって測定
した体積平均粒子径が60nm以下であり、且つ体積粒
度分布の累積90%粒径が100nm以下であり、該ブ
ラックインク中の色材の体積平均粒子径が、カラーイン
ク中の色材よりも大きく、且つ該ブラックインクの表面
張力は、該カラーインクのそれよりも高いことを特徴と
する。
【0007】本発明の第二の態様にかかるインクジェッ
ト記録用インクセットは、少なくともブラックインク
と、イエロー、マゼンタ及びシアンの各カラーインクと
を組み合わせた4色のインクからなるインクジェット記
録用インクのセットにおいて、(a)ブラックインク
は、少なくとも水と、水不溶性の色材としてカーボンブ
ラックを含有し、動的光散乱法による該色材の体積平均
粒子径が50nm以上であり、(b)カラーの各インク
は、少なくとも水と、水不溶性の色材を含有し、動的光
散乱法によって測定した該色材の体積平均粒子径が60
nm以下、且つ体積粒度分布の累積90%粒径が100
nm以下であり、(c)ブラックインク中の該色材の動
的光散乱法によって測定した体積平均粒子径が、カラー
インク中の該色材の体積平均粒子径よりも大きく、且つ
該ブラックインクの表面張力が該カラーインクのそれよ
りも高いことを特徴とする。
【0008】又、本発明の一実施態様にかかるインクジ
ェット記録方法は、(i)上記した第一及び第二の態様
にかかるインクジェット記録用インクセットを用意する
工程;(ii)該インクセットを構成しているブラックイ
ンクを被記録材に付与する工程;及び(iii)該インク
セットを構成しているカラーインクを被記録材に付与す
る工程、を有することを特徴とする。
【0009】又、本発明にかかるインクカートリッジ
は、上記した第一及び第二の態様にかかるインクジェッ
ト記録用インクセットを構成しているブラックインクと
カラーインクとを各々収納していることを特徴とする。
【0010】又、本発明にかかる記録ユニットは、上記
した第一及び第二の態様にかかるインクジェット記録用
インクセットを構成しているブラックインクとカラーイ
ンクとを各々収納しているインクタンクと、各々のイン
クを吐出するためのインクジェットヘッドと、を備えて
いることを特徴とする。
【0011】又、本発明にかかるインクジェット記録装
置は、上記した第一及び第二の態様にかかるインクジェ
ット記録用インクセットを構成しているブラックインク
とカラーインクとを各々収納しているインクタンクと、
各々のインクを吐出するためのインクジェットヘッドと
を備えていることを特徴とする。
【0012】本発明にかかるインクジェット記録用イン
クセット(以下、単にインクセットと呼ぶ)では、先
ず、全ての色の水性インクにおいて、水不溶性の色材、
具体的には例えば顔料を用いることで、該インクセット
を用いて形成される画像の、耐水性、耐光性、及び耐ガ
ス性を大幅に向上させる。又、本発明においては、ブラ
ックインクの色材として、例えば、カーボンブラックを
使用する。この場合、該カーボンブラックの粒径は、高
い画像濃度を得るために、ある程度大きいことが望まれ
る。一方、カラーインクにおいては、カラー画像の広い
色再現範囲を得るために、使用する色材(例えば顔料
等)の粒径が小さいことが望まれる。
【0013】但し、本発明者らの検討によれば、ブラッ
クインクにおいては、インクの保存安定性や、ノズルの
目詰まり防止の観点から、ブラックインクで使用する色
材の、動的光散乱法によって測定した体積平均粒子径
(以下、単に粒径と呼ぶ)の上限を200nmとするこ
とが望ましく、一方、画像濃度の観点からは、下限を5
0nm以上とすることが好ましいことがわかった。更
に、このようなブラックインクと併用するカラーインク
では、使用する色材の粒径が60nm以下であり、且つ
体積粒度分布の累積90%粒径(以下、単に累積90%
粒径と呼ぶ)を100nm以下とすることが好ましい。
このように構成すれば、広い色再現範囲と、優れた耐光
性とを有するインクジェット記録画像を得ることがで
き、更に、インク自体の粘度が大きくなったりする可能
性を低くすることもできる。
【0014】更に、本発明者らの検討によれば、上記し
た構成を有するインクセットを用いた場合に、ブラック
インク画像とカラーインク画像との境界領域において発
生するブリードを有効に防止し、或いは緩和するために
は、例えば、ブラックインクとカラーインクとが同一極
性である場合、例えば、ブラックインクとカラーインク
とが、共にアニオン性の場合においては、ブラックイン
クで先ず印字し、その後、少なくとも1スキャン以上遅
らせて、カラーインクを印字することが望ましいことが
わかった。しかし、ブラックインクを被記録材に付与し
た後に1スキャン遅らせて、カラーインクを付与した場
合であっても、カラーインクに含まれる色材の粒径が、
ブラックインクに含まれる色材の粒径よりも大きい場合
においては、ブラック画像とカラー画像との境界領域で
生じるブリードの抑制効果は十分とはいえない場合があ
ることがわかった。これに対して、ブラックインク中の
水不溶性の色材、例えばカーボンブラックと、カラーイ
ンク中の水不溶性の色材、例えば有機顔料との粒径の関
係を、本発明において規定しているように調整した場合
には、ブラックインクを被記録材に付与した後に、1ス
キャン遅らせてカラーインクを付与することで、ブラッ
ク画像とカラー画像との境界領域におけるブリードの発
生は、明らかな改善を示す。
【0015】次に、ブラックインクとカラーインクとの
極性が異なる場合、例えば、ブラックインクがカチオン
性で、カラーインクがアニオン性である場合には、ブラ
ックインクとカラーインクとを同時スキャンで印字する
ことが可能である。しかし、この場合においても、カラ
ーインクに含まれる色材の粒径が、ブラックインクに含
まれる色材の粒径よりも小さく、且つ粒径が60nm以
下で、且つ累積90%粒径が100nm以下であること
が望ましい。即ち、このような構成を採用することで、
ブラック画像とカラー画像との間のブリードの発生が極
めて有効に緩和される。この理由は詳細には不明である
が、カラーインク中に含まれる水不溶性の色材の粒径
を、ブラックインク中の水不溶性の色材の粒径よりも小
さくすることによって、カラーインク中の色材の表面積
が増加し、黒インク中の色材との反応場が増え、この結
果、ブラック画像とカラー画像との間のブリードを有効
に防止することができたものと考えられる。
【0016】上記した場合において、逆に、カラーイン
ク中に含まれる色材の粒径が、ブラックインク中の色材
の粒径よりも大きいと、ブラック画像とカラー画像との
間に生じるブリード抑制効果が十分とはいえない場合が
ある。又、カラーインク中に含まれる顔料若しくは色材
の粒径が、ブラックインク中に含まれるカーボンブラッ
ク若しくは色材の粒径より小さくても、その粒径が60
nmを超えると、ブリーディング抑制効果は薄くなる場
合が認められる。
【0017】顔料を色材とするブラックインクとそれと
イオン性の異なる各カラーインクを組み合わせてなるイ
ンクセットを用いて、ブラックインクの記録画素領域の
一部分に、浸透性のあるカラーインクを下打ちし、定着
性を向上させる場合においては、カラーインクに含まれ
る顔料若しくは色材の粒径が大きいと、紙に対する浸透
性が悪くなり、つまりは下打ちをすることによる定着性
向上の効果が薄れることがある。逆に、カラーインクに
含まれる顔料若しくは色材の粒径を小さくし過ぎて、例
えば、染料のような領域に入ってくると、カラーインク
を下打ちをすることによるブラックインクの定着性は向
上するものの、下打ちの品位に関しては、染料の場合と
同様に、浸透性が大きくなるため、色材の染み出しが発
生し、画像品位が低下してしまう場合がある。これに対
して、本発明にかかるインクセットは、各インクに使用
する顔料若しくは色材の粒径を特定のものに規定してい
るため、上記したような現象が起こることはなく、画像
品位を低下させることなく定着性を向上させることが可
能となる。
【0018】更に、本発明にかかるインクセットを用い
てグレー画像を形成する場合には、図1に示したよう
に、明度の高い(明るい)グレーの時は、イエロー、マ
ゼンタ及びシアンの各インクからなるプロセスブラック
で形成し(領域1)、次いで、明度が小さい(暗い)グ
レーになるにしたがって、このプロセスブラックに、ブ
ラックインクを入れていき(領域2)、最後はブラック
インクのみにしていく(領域3)ことが好ましい。
【0019】このような手法を用いることにより、明度
の明るい領域でも、粒状感のない画像を形成することが
可能となる。更に、ブラックとカラーのイオン性が異な
るインクセットと、先ほど述べた同時スキャン印字をキ
ャリッジの往方向、復方向交互に印字する1パス往復印
字プロセスと、上記したグレー画像の形成方法を併用し
た場合には、図1に示した領域2において、ブラックと
カラーの打ち込みの順番が逆転することによる画像の濃
度差(以下「黒往復濃度ムラ」と呼ぶ)が発生する恐れ
があるが、本発明にかかるインクセット、特には、ブラ
ックとカラーとでイオン性の異なる各インクを組み合わ
せてなる本発明にかかるインクセットを用いれば、この
黒往復濃度ムラの発生を非常に高いレベルで改善するこ
とが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、好ましい実施の形態を挙げ
て本発明を更に詳細に説明する。先ず、本発明にかかる
インクセットを構成するブラックインク、カラーインク
について説明する。本発明で使用するブラックインクと
カラーインクに関しては、各々のインクに含有させる水
不溶性の色材(以降、単に「色材」と略)、例えば顔料
等、の量は、質量比で1〜20%、好ましくは、2〜1
2%の範囲で用いる。ブラックインクに好適に使用され
るカーボンブラックとしては、ファーネス法又はチャネ
ル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒径
が15〜40mμm(=nm)、BET法による比表面
積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜15
0ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が
2〜9の各値を有するものが好ましい。
【0021】このようなカーボンブラックとしては、例
えば、No.2300、No.900、MCF−88、
No.33、No.40、No.45、No.52、M
A7、MA8、MA100、No.2200B(以上、
三菱化学製)、Raven700、同5750、同52
50、同5000、同3500、同1255(以上、コ
ロンビア製)、Regal400R、同330R、同6
60R、MogulL、Monarch700、同80
0、同880、同900、同1000、同1100、同
1300、Monarch1400(以上、キャボット
製)、カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、
同FW18、同FW200、同S150、同S160、
同S170、プリンテックス35、同U、同V、同14
0U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4
A、同4(以上、デグッサ製)等を使用することができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0022】イエローインクに使用される色材として好
適に用いられる顔料の例としては、例えば、C.I.ピ
グメントイエロー1、同2、同3、同12、同13、同
14、同16、同17、同73、同74、同75、同8
3、同93、同95、同97、同98、同114、同1
28、同129、同151、同154等が挙げられる
が、これらに限られるものではない。
【0023】マゼンタインクに使用される色材として好
適に用いられる顔料の例としては、例えば、C.I.ピ
グメントレッド5、同7、同12、同48(Ca)、同
48(Mn)、同57(Ca)、同57:1、同11
2、同123、同168、同184、同202等が挙げ
られるが、これらに限られるものではない。
【0024】シアンインクに使用される色材として好適
に用いられる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグ
メントブルー1、同2、同3、同15:3、同15:3
4、同16、同22、同60、C.I.バットブルー
4、同60等が挙げられるが、これらに限られるもので
はない。又、本発明で使用する各インクに含有される顔
料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可
能である。
【0025】本発明で使用するブラックインク中には、
色材として例えば前記に挙げたようなカーボンブラック
を用いるが、動的光散乱法によって測定したカーボンブ
ラックの体積平均粒子径が50nm以上のものを使用す
ることが好ましい。このブラックインクと併用するカラ
ーインク中の色材には、動的光散乱法によって測定した
体積平均粒子径が60nm以下、且つ体積粒度分布の累
積90%粒径が100nm以下のものを用いることが好
ましい。これらの色材の体積平均粒子径、90%粒径の
値は、水系中に色材が安定に分散しているときの値であ
り、分散前の粉体としての色材、ウエットケーキの粒径
を意味していない。本発明において、粒径を測る手段と
して具体的には、マイクロトラック社製のUPA150
を用い、サンプル濃度指数が0.01〜0.1の範囲に
なるようにインクを純水で希釈し、超音波洗浄器で分散
処理した試料で測定したものである。
【0026】色材、例えば顔料を水性インク中において
安定に分散させるためには、公知の様々な手段を用いる
ことができる。例えば、所謂分散剤(水溶性樹脂、若し
くは酸/アルカリ可溶型樹脂)を用いて水性へ分散させ
る手段、又、界面重合法、界面沈降法等の手法による顔
料のマイクロカプセル化を用いる手段、更には、顔料表
面をプラズマ処理を施すことや、ジアゾニウムカップリ
ング等を施し、顔料表面に官能基を共有結合させる方法
等の一般的な表面処理を施すことによってイオン性官能
基を導入させる手段等が挙げられるが、これらに限定さ
れない。
【0027】上記顔料を溶解又は分散する液媒体は、水
と水溶性有機溶剤との混合物であることが好ましい。具
体的な水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec
−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の
炭素数1〜4のアルキルアルコール類、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン
等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
コリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2,6−へキサント
リオール、チオジグリコール、へキシレングリコール、
ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭
素原子を含むアルキレングリコール類、グリセリン、エ
チレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、
ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテ
ル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、N−
メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン、スルホラン、ジメチルサルフォオキサイ
ド、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等の、環状ア
ミド化合物及びスクシンイミド等のイミド化合物等が挙
げられる。
【0028】上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般に
は、インクの全重量に対して、質量基準で、1〜40%
が好ましく、より好ましくは3〜30%の範囲である。
又、インク中の水の含有量は30〜95%の範囲とした
場合、色材の分散性等も良好であり、インクの粘度が高
くなることを抑えることができ、且つ固着特性を十分に
満足させることができる。又、上記した色材の重量濃度
は、色材の種類に応じて適宜選択されるが、カラーイン
クの場合には、インクの全重量に対し、質量基準で、
0.1〜20%、特には0.1〜12%の範囲とするこ
とが好ましい。尚、本発明で使用する各インクは、上記
成分の他に必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防
錆剤、防黴剤、蒸発促進剤、キレート化剤及び水溶性ポ
リマー等の添加剤を添加してもよい。
【0029】本発明にかかるインクセットを構成するブ
ラックインクは、その粘度を1〜10cp(mPa・
s)の範囲内とすることが望ましく、特には1.5〜5
cp(mPa・s)が好適である。この範囲内とするこ
とで、当該ブラックインクをインクジェットノズルから
高周波数で吐出させることが可能となる。又、ブラック
インクの表面張力は、画像を形成した場合のキャラクタ
ーの品位を考慮すると、35dyn/cm(mN/m)
以上、更に望ましくは、38dyn/cm(mN/m)
以上とすることが好適である。
【0030】本発明にかかるインクセットを構成するカ
ラーインクは、その粘度を1〜10cp(mPa・s)
の範囲内とすることが望ましく、更には、1.5〜5c
p(mPa・s)が好適である。この範囲内とすること
で、当該カラーインクをインクジェットノズルから高周
波数で吐出させることができる。又、互いに隣接してい
る異色のカラー画像の境界領域のブリードの発生は、マ
ルチカラー画像の品位を低下させてしまうことを考慮す
ると、カラーインクの表面張力は、35dyn(mN/
m)以下とすることが望ましい。先に述べたブラックイ
ンクの場合ように、インクの表面張力を高くすること
は、確かに文字品位に対しては有利になるが、1次色や
2次色の画像均一性の向上の点からも、カラーインクの
表面張力は35dyn/cm(mN/m)以下とするこ
とが有効である。従って、本発明にかかるインクセット
おいては、ブラックインクの表面張力を、これと併用す
るカラーインクのそれよりも高くすることを構成の一つ
とする。
【0031】又、本発明にかかるインクジェット記録方
法或いは記録装置は、上記した構成を有する本発明のイ
ンクセットが用いられる限り、従来公知の何れのインク
ジェット記録方式を用いてもよいが、例えば、好ましい
方式としては、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に
対応した熱エネルギーを与え、該エネルギーにより液滴
を発生させるタイプのインクジェット記録方式が挙げら
れる。
【0032】本発明にかかるインクジェット記録用のイ
ンクセットは、少なくとも1以上のカラーインクが、上
記した構成を有することを要する。従って、例えば、マ
ルチカラー画像の形成に必要な複数のカラーインク、例
えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)
の各カラーインクの中から選ばれる少なくとも1のイン
クが、先に説明した構成を有するものであればよいが、
より好ましい態様は、マルチカラー画像の形成に必要
な、上記複数のカラーインクの全てが、本発明にかかる
インクセットのカラーインクに要求される構成を満たし
ているインクセットである。更に、本発明にかかるイン
クセットの別の態様としては、カラーインクとして、Y
インクと、第1のCインク、第2のCインク、の2種類
のシアンインクと、第1のMインク、第2のMインク、
の2種類のマゼンタインクを有している構成が挙げられ
る。ここで、上記第1と第2のCインクは、色材濃度が
互いに異なり、上記第1と第2のMインクは、色材濃度
が互いに異なっているものである。
【0033】次に、上記した本発明のインクセットを用
いて記録を行うのに好適な、本発明のインクジェット記
録装置の一例について説明する。先ず、熱エネルギーを
利用したインクジェット記録装置の主要部であるヘッド
構成の一例を、図2及び図3に示す。図2は、インク流
路に沿ったヘッド13の断面図であり、図3は図2のA
−B線での切断面図である。ヘッド13は、ガラス、セ
ラミック、シリコン、ポリサルホン又はプラスチック板
等からなりインクを通す流路(ノズル)14と、発熱素
子基板15とを有する。発熱素子基板15は、酸化シリ
コン、窒化シリコン、炭化シリコン等で形成される保護
層16−1と、白金等の金属又は白金の酸化物等の金属
の酸化物で形成される最表面保護層16−2と、アルミ
ニウム、金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極
17−1及び17−2と、ハフニウムボライド、窒化タ
ンタル、タンタルアルミニウム等の高融点材料から形成
される発熱抵抗体層18と、酸化シリコン、酸化アルミ
ニウム等で形成される蓄熱層19と、シリコン、アルミ
ニウム、窒化アルミニウム等の放熱性のよい材料で形成
される基板20とからなっている。
【0034】上記ヘッド13の電極17−1及び17−
2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板
15のnで示される領域(ヒーター)が急速に発熱し、
この表面に接しているインク21に気泡が発生し、その
圧力でメニスカス23が突出し、インク21がヘッドの
ノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりイ
ンク小滴24となり、被記録材25に向かって飛翔す
る。図4には、図2に示したヘッドを多数並べたマルチ
ヘッドの一例の外観図を示す。このマルチヘッドは、例
えば、マルチノズル26を有するボリサルホン27と、
図2に説明したものと同じような発熱ヘッド28を接着
して作られている。
【0035】図5に、このヘッドを組み込んだインクジ
ェット記録装置の一例を示す。図5において、61はワ
イピング部材としてのブレードであり、その一端はブレ
ード保持部材によって保持固定されており、カンチレバ
ーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による
記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、
記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持され
る。
【0036】62は、記録ヘッド65の突出口面のキャ
ップであり、ブレード61に隣接するホームポジション
に配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に
移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行
う構成を備える。更に、63は、ブレード61に隣接し
て設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同
様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持
される。上記ブレード61、キャップ62及びインク吸
収体63によって吐出回復部64が構成され、このうち
のブレード61及びインク吸収体63によって、吐出口
面からの、水分や塵埃等の除去が行われる。
【0037】65は、吐出エネルギー発生手段を有し、
吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを
吐出して記録を行う記録ヘッド、66は、記録ヘッド6
5を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリ
ッジである。キャリッジ66は、ガイド軸67と摺動可
能に係合し、キャリッジ66の一部は、モーター68に
よって駆動されるベルト69と接続(不図示)してい
る。これによりキャリッジ66は、ガイド軸67に沿っ
て移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及
びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0038】51は、被記録材を挿入するための給紙
部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りロ
ーラーである。これらの構成により記録ヘッド65の吐
出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録の進
行につれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙され
る。以上の構成において、記録ヘッド65が記録終了し
てホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャッ
プ62は、記録ヘッド65の移動経路から退避している
が、ブレード61は、移動経路中に突出している。その
結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
【0039】尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出
口面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62
は、記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動す
る。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位
置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は、
上記したワイピングのときの位置と同一の位置にある。
この結果、この移動においても、記録ヘッド65の吐出
口面はワイピングされる。
【0040】前記の記録ヘッド65のホームポジション
への移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりではなく、
記録ヘッド65が記録のために記録領域を移動する間に
所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移
動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0041】図6は、ヘッドのインク供給部材、例え
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジ45の一例を示す図である。ここで40
は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、イン
ク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられて
いる。この栓42に針(図示せず)を挿入することによ
り、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならし
める。44は廃インクを受容するインク吸収体である。
【0042】インク収容部としては、インクとの接液面
がポリオレフィン、特に、ポリエチレンで形成されてい
るものが好ましい。
【0043】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、前記の如きヘッドとインクカートリッジが
別体となったものに限らず、図7に示す如き、それらが
一体となったものも好適に用いられる。
【0044】図7において、70は記録ユニットであ
り、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数オリフィスを有するヘッド部71か
らインク滴として吐出される構成になっている。本発明
では、インク吸収体の材料としてポリウレタンを用いる
ことが好ましい。又、インク吸収体を用いず、インク収
容部が内部にバネ等を仕込んだインク袋であるような構
造であってもよい。
【0045】72は、カートリッジ内部を大気に連通さ
せるための大気連通口である。この記録ユニット70
は、図5に示す記録ヘッド65に換えて用いられるもの
であって、キャリッジ66に対して着脱自在になってい
る。
【0046】その他の実施例としては、複数のノズルを
有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される
圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力
発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により
圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから
吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙
げることができる。その記録装置の主要部である記録ヘ
ッドの構成の一例を図8に示す。
【0047】ヘッドは、インク室(不図示)に連通した
インク流路80と、所望の体積のインク滴を吐出するた
めのオリフィスプレート81と、インクに直接圧力を作
用させる振動板82と、この振動板82に接合され、電
気信号により変位する圧電素子83と、オリフィスプレ
ート81、振動板82等を指示固定するための基板84
とから構成されている。
【0048】図8において、インク流路80は、感光性
樹脂等で形成され、オリフィスプレート81は、ステン
レス、ニッケル等の金属を電鋳やプレス加工による穴あ
け等により吐出口85が形成され、振動板82はステン
レス、ニッケル、チタン等の金属フィルム及び高弾性樹
脂フィルム等で形成され、圧電素子83は、チタン酸バ
リウム、PZT等の誘電体材料で形成される。
【0049】以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素
子83にパルス状の電圧を与え、歪み応力を発生させ、
そのエネルギーが圧電素子83に接合された振動板を変
形させ、インク流路80内のインクを垂直に加圧しイン
ク滴(不図示)をオリフィスプレート81の吐出口85
より吐出して記録を行うように動作する。
【0050】このような記録ヘッドは、図5に示したも
のと同様なインクジェット記録装置に組み込んで使用さ
れる。インクジェット記録装置の細部の動作は、前述と
同様に行うもので差し支えない。
【0051】上記したような装置を利用する本発明にか
るインクジェット記録方法によってカラー画像を形成す
る場合には、例えば、図4に示した記録ヘッドをキャリ
ッジ43上に4個並べた記録装置を使用する。図9はそ
の一例である。91、92、93、94は、それぞれ4
種のインク、例えば、マゼンタ(M)、シアン(C)、
及びイエロー(Y)の各カラーインクと、ブラックイン
ク、の各々のインクを吐出するための記録ヘッドであ
る。該ヘッドは、前記した記録装置に配置され、記録信
号に応じて各色のインクを吐出する。
【0052】図9では、4個の記録ヘッドを使用した例
を示したが、これに限定されるものではなく、図10に
示したように、1つの記録ヘッドで、Mインク、Cイン
ク、Yインク及びBkインクの4種のインクを、液流路
を分けて行う場合も好ましい形態である。
【0053】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明する。尚、文中「部」又は「%」とある
のは特に断りのない限り質量基準である。又、各インク
は、純水(イオン交換水)で調整して総量を100部と
した。
【0054】<ブラックインク1の調製>先ず、スチレ
ン−アクリル酸共重合体(Joncryl678;商品
名、ジョンソンポリマー社製)と、これを中和するのに
必要な所定の水酸化カリウム、及び水を混合して、約6
0℃に保温した状態でこれらを攪拌混合し、10%のス
チレン−アクリル酸共重合体の水溶液を作成した。
【0055】次に、上記で作製したスチレン−アクリル
酸共重合体を分散剤として用い、以下の成分からなるブ
ラック顔料分散体を得、その後、これを用いて下記の方
法によってブラックインクを得た。 ・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液30部 ・カーボンブラック 7部 ・グリセリン 20部 ・ジエチレングリコール 20部 ・トリエチレングリコール 10部 ・純水 残部
【0056】先ず、上記の材料をバッチ式の縦型サンド
ミルに仕込み、500μm径のガラスビーズをメディア
として充填し、水冷しつつ、粉砕媒体速度5,000r
pmで4時間、分散処理を行った。次に、得られたブラ
ック顔料分散体を遠心分離処理(10,000rpm、
30分間)した後、水にて全体を2倍に希釈してインク
化した。更に、このインクにアセチレノールEH(川研
ファインケミカル社製)を、インク全体に対して0.2
wt%相当となるように外添した。更に、再び遠心分離
処理(10,000rpm、30分間)することによっ
て、粗大粒子を除去した。そして、最後にポア径1ミク
ロンのメンブレンフィルターで濾過することによって、
ブラックインク1を作製した。得られたインクを動的光
散乱法による粒径測定装置(商品名:UPA15;マイ
クロトラック社製)で測定したところ、ブラックインク
1中の色材(カーボンブラック)の体積平均粒子径は4
5nmであった。
【0057】<ブラックインク2の調製>5.3gの水
に5gの濃塩酸を溶かした塩酸溶液に、5℃の条件下、
アントラニル酸1.58gを加えた。これをアイスバス
を用い、攪拌することによって、溶液を常に10℃以下
に保った状態にし、この中に、8.7gの5℃の水に
1.78gの亜硝酸ナトリウムを加えて得た溶液を加え
た。これを更に15分間攪拌後、表面積が320m2
gで、DBP吸油量が120ml/100gのカーボン
ブラック20gを混合した状態のまま加え、更に15分
間攪拌した。得られたスラリーを濾紙(商品名;東洋濾
紙No.2;アドバンティス社製)で濾過し、濾別され
た顔料粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥
させ、更にこの顔料に水を足して、顔料濃度10%の顔
料水溶液を作成した。以上の方法によりカーボンブラッ
クの表面に下記化学式(I)で示される基を導入した。
【0058】その後、強酸性イオン交換樹脂(商品名;
ダイアイオンSK1B;日本錬水社製)10gへ、上記
で得た顔料水溶液100gを添加し、2時間攪拌し、上
記カルボキシル基をH型へイオン交換した。その後、ポ
ア径100μmのメッシュフィルターで、イオン交換樹
脂と顔料水溶液を分離し、この顔料水溶液へ、アンモニ
アを添加してpHを8に調整した。これを顔料分散液2
とした。
【0059】 上記成分を混合し、ポア径1.0μmのメンブランフィ
ルターで濾過し、ブラックインク2を作製した。このイ
ンクを動的光散乱法による粒径測定装置(商品名UPA
15;マイクロトラック社製)で測定したところ、ブラ
ックインク2中の色材(カーボンブラック)の体積平均
粒子径は80nmであった。
【0060】 上記3成分を、粉砕メディアとしてジルコニアビーズを
用いたサンドミルで4時間分散し、その後、遠心分離
(12,000回転、30分)を施した後、ポア径1.
0μmのメンブランフィルターで濾過し、顔料分散液3
を作成した。
【0061】 上記成分を混合し、ポア径1.0μmのメンブランフィ
ルターで濾過し、ブラックインク3を作製した。このイ
ンクを動的光散乱法による粒度測定装置(商品名:UP
A15;マイクロトラック社製)で測定したところ、ブ
ラックインク3中の色材(カーボンブラック)の体積平
均粒径は、120nmであった。
【0062】 上記3成分を、粉砕メディアとしてジルコニアビーズを
用いたサンドミルで1時間分散し、その後、遠心分離
(5,000回転、30分)を施した後、ポア径2.5
μmのメンブランフィルターで濾過し、顔料分散液4を
作成した。
【0063】 上記成分を混合し、ポア径1.0μmのメンブランフィ
ルターで濾過し、ブラックインク4を作製した。このイ
ンクを動的光散乱法による粒径測定装置マイクロトラッ
クUPA15で測定したところ、ブラックインク4中の
色材(カーボンブラック)の体積平均粒子径は250n
mであった。
【0064】<ブラックインク5の調製>表面積が23
0m2/gでDBP吸油量が70ml/100gのカー
ボンブラック10gと、3−アミノ−N−エチルピリジ
ニウムブロマイド2.06gを水72gによく混合した
後、これに硝酸1.62gを滴下し、70℃で攪拌し
た。これに更に数分後に、5gの水に1.07gの亜硝
酸Naを溶かした溶液を加え、更に1時間攪拌した。得
られたスラリーを濾紙(商品名:東洋濾紙No.2;ア
ドバンティス社製)で濾過し、濾別された顔料粒子を十
分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させた。更に、
この顔料に水を足して、顔料濃度10%の顔料水溶液を
作成した。以上の方法によりカーボンブラック表面に、
下記化学式(II)に示される基を導入した。
【0065】その後、強塩基性イオン交換樹脂(製品
名;ダイアイオンSA−10A;日本錬水(株)製)1
0gへ上記顔料水溶液100gを添加し、2時間攪拌
し、上記ピリジニウム基をOH型へイオン交換した。そ
の後、ポア径100μmのメッシュフィルターで、イオ
ン交換樹脂と顔料水溶液を分離し、この顔料水溶液を、
酢酸と硝酸とをモル比7:3で添加し、pH5に調整し
た。これを顔料分散体5とした。
【0066】 上記成分を混合し、ポア径1.0μmのメンブランフィ
ルターで濾過し、ブラックインク5を作製した。このイ
ンクを動的光散乱法による粒径測定装置(商品名:UP
A15;マイクロトラック社製)で測定したところ、ブ
ラックインク5中の色材(カーボンブラック)の体積平
均粒子径は90nmであった。
【0067】 上記成分を混合溶解し、酢酸で1.2当量中和した後、
転送乳化を行い、最終的にメチルエチルケトン(ME
K)を除去して、固形分濃度20%、平均粒子径120
nmの顔料分散体6を得た。
【0068】 上記に示す材料を攪拌混合し、酢酸でpHを4に調整し
た後に、ポア径1μmのメンブランフィルターで濾過し
て、ブラックインク6を得た。このインクを動的光散乱
法による粒径測定装置(商品名:UPA15;マイクロ
トラック社製)で測定したところ、ブラックインク6中
の色材(カーボンブラック)の体積平均粒子径は125
nmであった。
【0069】<カラーインクセット1(染料系)の調製
>カラーインクセット1を構成する各カラーインクの色
材として、イエローインクには、イエロー染料であるA
cid Yellow 23を用い、マゼンタインクに
は、マゼンタ染料であるAcid Red 52を用
い、シアンインクには、シアン染料であるAcid B
lue 9を用いた。 上記した成分を混合し、ポア径0.2μmのメンブラン
フィルターで濾過して、イエロー、マゼンタ、シアンの
3色の染料インクの組み合わせからなるカラーインクセ
ット1を調製した。
【0070】<カラーインクセット2の調製>先ず、特
開平11−057458号公報の実施例3に記載の気相
法による表面処理型顔料インクの製造方法を用いて、カ
ラーインクセット2の調製に用いる、イエロー、マゼン
タ、シアンの3色のカラーインクに使用する表面処理型
の各顔料を調製した。この際、原料として、イエロー顔
料には、Pigment Yellow 138を用
い、マゼンタ顔料には、Pigment Red 12
2を用い、シアン顔料には、Pigment Blue
15:3を用い、又、作業ガスとしては酸素を用い
た。上記の方法で得られた表面処理型の各顔料は、表面
にカルボキシル基が導入された微粒子であった。
【0071】次に、上記で得た各顔料微粒子を3部、グ
リセリン5部、ジエチレングリコール5部、アセチレノ
ールEH1部、残部をイオン交換水で調整して100部
としたものを各色インクの組成とし、これらを混合し、
更に、アンモニア水でpHを7〜8に調整した後、ポア
径1μmのメンブランフィルターで濾過した。このよう
にして調製した、イエロー、マゼンタ、シアンの3色の
カラーインクを組み合わせたものを、カラーインクセッ
ト2とした。これらの3色のカラーインクを動的光散乱
法による粒径測定装置(商品名:UPA15;マイクロ
トラック社製)で測定したところ、各色インク中の色材
(有機顔料)の体積平均粒子径は、イエロー40nm、
マゼンタ45nm、シアン55nmであった。又、体積
粒径分布の累積90%粒径は、イエロー75nm、マゼ
ンタ90nm、シアン95nmであった。
【0072】<カラーインクセット3の調製>スチレン
−アクリル酸共重合体(Joncryl678;商品
名、ジョンソンポリマー社製)とこれを中和するのに必
要な所定の水酸化カリウム、及び水を混合して、約60
℃に保温した状態でこれらを攪拌混合し、10%のスチ
レン−アクリル酸共重合体の水溶液を作成した。得られ
た水溶液を分散剤として用いて下記のようにシアンイン
ク(Cインク)、マゼンタインク(Mインク)及びイエ
ローインク(Yインク)を調製した。
【0073】[Cインク] ・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液30部 ・ピグメントブルー15:3 6部 ・グリセリン 20部 ・ジエチレングリコール 20部 ・トリエチレングリコール 10部 ・純水 残部
【0074】上記の材料をバッチ式の縦型サンドミルに
仕込み、500μm径のガラスビーズをメディアとして
充填し、水冷しつつ、粉砕媒体速度5,000rpmで
4時間、分散処理を行なってシアン顔料分散体を作成し
た。このシアン顔料分散体を遠心分離処理(10,00
0rpm、30分間)した後、水にて全体を2倍に希釈
してインク化した。更に、これにアセチレノールEH
(川研ファインケミカル社製)を、インク全体に対して
1.0wt%相当となるように外添した。最後に、この
インクをポア径1ミクロンのメンブレンフィルターで濾
過することによってCインクを作製した。
【0075】[Mインク] ・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液30部 ・ピグメントレッド122 8部 ・グリセリン 20部 ・ジエチレングリコール 20部 ・トリエチレングリコール 10部 ・純水 残部
【0076】上記の材料をバッチ式の縦型サンドミルに
仕込み、200μm径のガラスビーズをメディアとして
充填し、水冷しつつ、粉砕媒体速度9,000rpmで
6時間、分散処理を行ってマゼンタ顔料分散体を作成し
た。このマゼンタ顔料分散体を遠心分離処理(10,0
00rpm、30分間)した後、水にて全体を2倍に希
釈してインク化した。更に、これにアセチレノールEH
(川研ファインケミカル社製)を、インク全体に対して
1.0wt%相当となるように外添した。そして、再び
遠心分離処理(10,000rpmp、30分間)する
ことによって、粗大粒子を除去した。最後に、このイン
クをポア径1ミクロンのメンブレンフィルターで濾過し
てMインクを調製した。
【0077】[Yインク] ・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液30部 ・ピグメントイエロー128 8部 ・グリセリン 20部 ・ジエチレングリコール 20部 ・トリエチレングリコール 10部 ・純水 残部
【0078】上記の材料をバッチ式の縦型サンドミルに
仕込み、500μm径のガラスビーズをメディアとして
充填し、水冷しつつ、粉砕媒体速度5,000rpmで
5時間、分散処理を行った。このイエロー顔料分散体を
遠心分離処理(10,000rpm、30分間)した
後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。更に、
これにアセチレノールEH(川研ファインケミカル社
製)を、インク全体に対して1.0wt%相当となるよ
うに外添した。そして、再び遠心分離処理(10,00
0rpmp、30分間)することによって、粗大粒子を
除去した。最後に、このインクをポア径1ミクロンのメ
ンブレンフィルターで濾過してYインクを作製した。
【0079】以上のようにして調製した、イエロー、マ
ゼンタ、シアンの3色のカラーインクを組み合わせたも
のを、カラーインクセット3とした。カラーインクセッ
ト3を構成するCインク、Mインク及びYインクの各カ
ラーインクについて、動的光散乱法による粒径測定装置
マイクロトラックUPA15で測定した。この結果、各
色インク中の色材(有機顔料)の体積平均粒子径は、イ
エロー124nm、マゼンタ183nm、シアン128
nmであり、又、体積粒径分布の累積90%粒径は、イ
エロー230nm、マゼンタ330nm、シアン200
nmであった。
【0080】<カラーインクセット4の調製>上記した
カラーインクセット3の調製のために作成した10%の
スチレン−アクリル樹脂の水溶液を用いて、以下のよう
にして、カラーインクセット4を構成するCインク、M
インク及びYインクの3色のカラーインクを調製した。
【0081】[Cインク] ・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液30部 ・ピグメントブルー15:3 6部 ・グリセリン 20部 ・ジエチレングリコール 20部 ・トリエチレングリコール 10部 ・純水 残部
【0082】上記の材料をバッチ式の縦型サンドミルに
仕込み、500μm径のガラスビーズをメディアとして
充填し、水冷しつつ、粉砕媒体速度5,000rpmで
4時間、分散処理を行った。このシアン顔料分散体を遠
心分離処理(10,000rpm、30分間)した後、
水にて全体を2倍に希釈してインク化した。更に、これ
にアセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
を、インク全体に対して1.0wt%相当となるように
外添した。更に、再び、遠心分離処理(10,000r
pmp、30分間)することによって、粗大粒子を除去
した。そして、最後にこのインクをポア径1ミクロンの
メンブレンフィルターで濾過してCインクを作製した。
【0083】[Mインク] ・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液30部 ・ピグメントレッド122 8部 ・グリセリン 20部 ・ジエチレングリコール 20部 ・トリエチレングリコール 10部 ・純水 残部
【0084】上記の材料をバッチ式の縦型サンドミルに
仕込み、300μm径のガラスビーズをメディアとして
充填し、水冷しつつ、粉砕媒体速度7,000rpmで
5時間、分散処理を行った。このイエロー顔料分散体を
遠心分離処理(10,000rpm、30分間)した
後、水にて全体を2倍に希釈してイオン化した。更に、
これにアセチレノールEH(川研ファインケミカル社
製)を、インク全体に対して1.0wt%相当となるよ
うに外添した。更に、再び遠心分離処理(10,000
rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去
した。そして、最後に、このインクをポア径1ミクロン
のメンブレンフィルターで濾過してMインクを作製し
た。
【0085】[Yインク] ・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液30部 ・ピグメントイエロー128 8部 ・グリセリン 20部 ・ジエチレングリコール 20部 ・トリエチレングリコール 10部 ・純水 残部
【0086】上記の材料をバッチ式の縦型サンドミルに
仕込み、300μm径のガラスビーズをメディアとして
充填し、水冷しつつ、粉砕媒体速度9,000rpmで
5時間、分散処理を行った。このイエロー顔料分散体を
遠心分離処理(10,000rpm、30分間)した
後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。更に、
これに、アセチレノールEH(川研ファインケミカル社
製)を、全体に対して1.0wt%相当となるように外
添した。更に、再び、遠心分離処理(10,000rp
mp、30分間)することによって、粗大粒子を除去し
た。そして、最後に、ポア径1ミクロンのメンブレンフ
ィルターで濾過してYインクを作製した。
【0087】以上のようにして調製した、イエロー、マ
ゼンタ、シアンの3色のカラーインクを組み合わせたも
のを、カラーインクセット4とした。カラーインクセッ
ト4を構成する3色のインクを、動的光散乱法による粒
径測定装置(商品名:UPA15;マイクロトラック社
製)で測定したところ、各インク中の色材(有機顔料)
の体積平均粒子径はイエロー13nm、マゼンタ45.
6nm、シアン50.8nmであり、又、体積粒径分布
の累積90%粒径は、イエロー14nm、マゼンタ85
nm、シアン89nmであった。
【0088】下記表1に、上記で得たブラックインク1
〜6と、カラーインクセット2〜4を構成するイエロ
ー、マゼンタ、シアンの3色のカラーインクについて、
インク中の色材、及びインクの特性をまとめて示した。
表中に、本発明の主たる構成要件を合わせて記載した。
【0089】
【0090】<評価>上記のように調製したブラックイ
ンク1〜6、及びカラーインクセット1〜4を用いて、
下記に示すような手段及び基準にてインクの評価を行な
った。画像形成試験には、被印字媒体には、キヤノン製
の普通紙を用いた。尚、カラーインクセット1〜4を用
いて形成した画像についての評価は、カラーインクセッ
トを構成する各色インクによる画像についての総合評価
とした。表2にブラックインクについての評価結果を示
し、表3にカラーインクセットについての評価を示し
た。
【0091】[沈降性]先ず、各インクの吸光度を測定
し、イニシャルの吸光度とした。次に、各インクについ
て、5,000回転で30分間、遠心分離を行い、その
上澄みの、各インク全重量に対し20wt%を、上部か
ら採取し、それらについて吸光度を測定し、得られた吸
光度をイニシャルの吸光度で除して得られるパーセンテ
ージを求めた。そして、下記の基準で評価した。得られ
た結果を表2及び3に示した。 ◎:70%以上である。 ○:50%以上、70%未満である。 ×:50%未満である。
【0092】[画像濃度]各ブラックインクでベタのパ
ッチを印字し、画像濃度をマクベスRD918で測定
し、その結果を表2に示した。
【0093】[色再現範囲]各カラーインクセット1〜
4を用いて、Y、M、C、R、G、Bのそれぞれのベタ
パッチを印字した。得られた画像について、その発色性
を目視で観察し、下記の基準で総合評価した。得られた
結果を表3に示した。 ◎:非常に鮮やかである。 ○:比較的鮮やかである。 △:あまり鮮やかさが感じられない。
【0094】[耐水性]各カラーインクセット1〜4を
用いて、Y、M、C、R、G、Bのそれぞれのベタパッ
チを印字した。得られた画像について、その印字面へス
ポイトで水を垂らして、インクの流れ出しを目視で観察
し、下記の基準で総合評価した。得られた結果を表3に
示した。 ○:問題ないレベルである。 ×:インクの流れ出しがひどい。
【0095】[耐光性]各カラーインクセット1〜4を
用いて、Y、M、C、R、G、Bのそれぞれのベタパッ
チを印字した。得られた画像について、アトラス社製の
紫外線照射装置に100時間投入し、退色具合を評価し
た。評価方法は、試験の前後の画像についてL***
をミノルタCM2202で測定し、測定値の差ΔEを求
め、下記の基準で総合評価した。得られた結果を表3に
示した。 ○:ΔEが10以内である。 ×:ΔEが10以上である。
【0096】
【0097】
【0098】実施例1〜3及び比較例1〜6 上記で得た各ブラックインク2、5、6及びカラーイン
クセット1〜4を下記表4の如く組み合わせて、本発明
の実施例及び比較例のインクセットを作製した。これら
のインクセットについて、下記の方法及び評価基準で評
価を行った。そして、得られた結果を表4にまとめて示
した。
【0099】[ブラック画像とカラー画像の境界領域の
ブリード]ブラックインクによるブラックの細線の両側
が、各色カラーインク画像に隣接するようなパターンを
印字し、これらの画像の境界領域における色間滲みを目
視で観察した。そして、下記の基準で総合評価した。 ○:問題ないレベルである。 △:滲みが少し気になる。 ×:滲みがひどい。
【0100】[下打ち定着性]黒文字を印字する手法と
して、ブラックインクに先立って、カラーインクセット
を構成する各色のインクを付与量比で5%程度に間引い
てランダムに、但しカラーインク同士が重ならないよう
に付与した。そして、黒文字の定着性の早さを、目視に
て観察して下記の基準で比較した。○:10秒後に軽く
手で触っても汚れはなかった。 △:10秒後に軽く手で触ったら、少し汚れが発生し
た。
【0101】[下打ち品位]黒文字を印字する手法とし
て、ブラックインクに先立って、カラーインクセットを
構成する各インクを付与量比で5%程度に間引いてラン
ダムに、但しカラーインク同士が重ならないように付与
した。そして、得られた黒文字の品位を目視で観察し
て、下記の基準で評価した。 ○:印字品位は良好であった。 △:少しヒゲ状の滲みだしがあり、品位は今ひとつであ
った。
【0102】[黒往復濃度ムラ]カラーインクセットを
構成しているY、M、Cの各インクをそれぞれ10%デ
ューティー、ブラックインクを60%デューティー、こ
れらが同じエリアに印字される画像を1パス往復印字し
た。そして、得られた各画像について画像濃度を測定し
て、下記の基準で評価した。 ○:往復の画像濃度差が0.05未満である。 ×:往復の画像濃度差が0.05以上である。
【0103】
【0104】上記表4中の印字方法における「1sca
nディレイ」及び「1pass−bi」は、下記のこと
を示す。いずれの場合も、図9に示すヘッドを搭載し
た、被記録材を搬送する方向に対し、垂直方向にヘッド
を走査して印字を行う、図5に示すようなインクジェッ
ト記録装置を用いて印字を行った。 ・1scanディレイ:上記記録装置の第一のヘッド走
査でブラックインクを印字し、その走査より1走査分後
にカラーインクを印字した。 ・1pass−bi:上記記録装置の同一走査内で、ブ
ラックインクとカラーインクとを印字した。
【0105】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、イ
ンクジェット記録によって得られる記録画像が、耐光
性、耐水性、耐ガス性に優れ、且つ、特に、黒文字画像
においてはエッジのシャープさが達成され、高い画像濃
度の黒色画像が得られ、又、カラー画像においては、広
い色再現範囲性を有し、更に、ブラック画像とカラー画
像との境界領域で生じる異色間滲み(ブリーディング)
が有効に抑制された高品位画像を得ることのできる、イ
ンクジェット記録用インクセット、インクジェット記録
方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジ
ェット記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】グレー画像の領域の形成手段を説明するための
図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッドの一例を示す
縦断面図である。
【図3】図2のインクジェット記録ヘッドのAB線断面
図である。
【図4】図2に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図5】インクジェット記録装置の一例を示す概略斜視
図である。
【図6】インクカートリッジの一例を示す縦断面図であ
る。
【図7】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【図8】力学的エネルギーを利用したインクジェット記
録ヘッドの構成の一例を示す概略断面図である。
【図9】複数の記録ヘッドが配列した記録部を示した斜
視図である。
【図10】本発明に使用し得る別の態様にかかる記録ヘ
ッドの斜視図である。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:流路(ノズル) 15:発熱素子基板 16−1:保護層 16−2:最表面保護層 17−1、17−2:電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス(微細孔) 23:メニスカス 24:インク小滴 25:被記録材 26:マルチノズル 27:ボリサルホン 28:発熱ヘッド 40:インク収容部 42:栓 43:キャリッジ 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 51:給紙部 52:紙送りローラー 53:排紙ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:ベルト 70:記録ユニット 71:ヘッド部 72:大気連通口 80:インク流路 81:オリフィスプレート 82:振動板 83:圧電素子 84:基板 85:吐出口 91、92、93、94:記録ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼橋 勝彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA05 FC01 FC02 2H086 BA53 BA55 BA60 4J039 BA04 BE01 BE02 EA15 EA16 EA17 GA24

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラック及び他のカラーの各インクジェ
    ット記録用水性インクを含む組み合わせからなる、被記
    録材へのインクジェット記録に用いられるインクのセッ
    トであって、上記ブラックインクは、水不溶性の色材と
    してカーボンブラックを含み、該色材の動的光散乱法に
    よって測定した体積平均粒子径が50nm以上であり、
    上記カラーインクは、水不溶性の色材を含み、該色材の
    動的光散乱法によって測定した体積平均粒子径が60n
    m以下であり、且つ体積粒度分布の累積90%粒径が1
    00nm以下であり、該ブラックインク中の色材の体積
    平均粒子径が、カラーインク中の色材よりも大きく、且
    つ該ブラックインクの表面張力は、該カラーインクのそ
    れよりも高いことを特徴とするインクジェット記録用イ
    ンクセット。
  2. 【請求項2】 前記カラーインクが、イエロー、マゼン
    タ及びシアンから選ばれる少なくとも1つである請求項
    1に記載のインクジェット記録用インクセット。
  3. 【請求項3】 前記カラーインクが、第1のマゼンタイ
    ンクと、第2のマゼンタインクの、2種類のマゼンタイ
    ンクを含み、該第1及び第2のマゼンタインクは、色材
    の濃度が互いに異なっている請求項1に記載のインクジ
    ェット記録用インクセット。
  4. 【請求項4】 前記カラーインクが、第1のシアンイン
    クと、第2のシアンインクの、2種類のシアンインクを
    含み、該第1及び第2のシアンインクは、色材の濃度が
    互いに異なっている請求項1に記載のインクジェット記
    録用インクセット。
  5. 【請求項5】 少なくともブラックインクと、イエロ
    ー、マゼンタ及びシアンの各カラーインクとを組み合わ
    せた4色のインクからなるインクジェット記録用インク
    のセットにおいて、(a)ブラックインクは、少なくと
    も水と、水不溶性の色材としてカーボンブラックを含有
    し、動的光散乱法による該色材の体積平均粒子径が50
    nm以上であり、(b)カラーの各インクは、少なくと
    も水と、水不溶性の色材を含有し、動的光散乱法によっ
    て測定した該色材の体積平均粒子径が60nm以下、且
    つ体積粒度分布の累積90%粒径が100nm以下であ
    り、(c)ブラックインク中の色材の動的光散乱法によ
    って測定した体積平均粒子径が、カラーインク中の該色
    材の体積平均粒子径よりも大きく、且つ該ブラックイン
    クの表面張力が該カラーインクのそれよりも高いことを
    特徴とするインクジェット記録用インクセット。
  6. 【請求項6】 前記ブラックインク及び前記カラーイン
    クの各々が、同じイオン性を有している請求項5に記載
    のインクジェット記録用インクセット。
  7. 【請求項7】 前記ブラックインクのイオン性がアニオ
    ン性であって、前記カラーの各インクのイオン性もアニ
    オン性である請求項6に記載のインクジェット記録用イ
    ンクセット。
  8. 【請求項8】 前記ブラックインクと、前記カラーの各
    インクとが互いに異なるイオン性を有している請求項5
    に記載のインクジェット記録用インクセット。
  9. 【請求項9】 ブラックインクのイオン性がカチオン性
    であって、カラーインクの各インクのイオン性がアニオ
    ン性である請求項8に記載のインクジェット記録用イン
    クセット。
  10. 【請求項10】(i)請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の、ブラックインク及び他のカラーインクを含む組み
    合わせをからなるインクジェット記録用インクセットを
    用意する工程; (ii)上記ブラックインクを被記録材に付与する工程;
    及び(iii)上記カラーインクを被記録材に付与する工
    程、を有することを特徴とするインクジェット記録方
    法。
  11. 【請求項11】 前記ブラックインクと、前記カラーイ
    ンクとが同じイオン性を有している請求項10に記載の
    インクジェット記録方法。
  12. 【請求項12】 前記工程(iii)を、前記工程(ii)
    が行なわれた後、少なくとも1スキャン遅れて行なう請
    求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 【請求項13】 前記ブラックインクと、前記カラーイ
    ンクとが互いに異なるイオン性を有している請求項10
    に記載のインクジェット記録方法。
  14. 【請求項14】 前記工程(ii)と(iii)とを1スキ
    ャン動作のうちに行う請求項13に記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  15. 【請求項15】 (i)請求項5〜9のいずれか1項に
    記載の、ブラックインクと、イエロー、マゼンタ及びシ
    アンのカラーインクの組み合わせた4色のインクからな
    るインクジェット記録用インクセットを用意する工程; (ii)上記ブラックインクを被記録材に付与する工程;
    及び(iii)上記カラーインクを被記録材に付与する工
    程、を有することを特徴とするインクジェット記録方
    法。
  16. 【請求項16】 前記ブラックインクと、前記カラーイ
    ンクとが同じイオン性を有している請求項15に記載の
    インクジェット記録方法。
  17. 【請求項17】 前記工程(iii)を、前記工程(ii)
    が行なわれた後、少なくとも1スキャン遅れて行なう請
    求項16に記載のインクジェット記録方法。
  18. 【請求項18】 前記ブラックインクと、前記カラーイ
    ンクの各インクとが互いに異なるイオン性を有している
    請求項15に記載のインクジェット記録方法。
  19. 【請求項19】 前記工程(ii)と(iii)とを1スキ
    ャン動作のうちに行う請求項18に記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  20. 【請求項20】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    インクジェット記録用インクセットを構成しているブラ
    ックインクとカラーインクとを各々収納しているインク
    タンクを具備していることを特徴とするインクカートリ
    ッジ。
  21. 【請求項21】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    インクジェット記録用インクセットを構成しているブラ
    ックインクとカラーインクとをそれぞれに収容している
    インクタンクと、該ブラックインクと該カラーインクと
    を各々吐出するためのインクジェットヘッドと、を具備
    していることを特徴とする記録ユニット。
  22. 【請求項22】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    インクジェット記録用インクセットを構成しているブラ
    ックインクとカラーインクとをそれぞれに収容している
    インクタンクと、該ブラックインクと該カラーインクと
    を各々吐出するためのインクジェットヘッドと、を具備
    していることを特徴とするインクジェット記録装置。
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