JP3509013B2 - インク組成物 - Google Patents

インク組成物

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JP3509013B2 JP2001029431A JP2001029431A JP3509013B2 JP 3509013 B2 JP3509013 B2 JP 3509013B2 JP 2001029431 A JP2001029431 A JP 2001029431A JP 2001029431 A JP2001029431 A JP 2001029431A JP 3509013 B2 JP3509013 B2 JP 3509013B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、インクジェット記録用インク組成物に関す
る。
【0002】背景技術 インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔
させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法
である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高
品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有す
る。通常インクジェット記録に使用されるインク組成物
は、水を主成分とし、これに着色成分および目詰まり防
止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一
般的である。
【0003】また、インクジェット記録用インク組成物
には、記録媒体への浸透を促進または抑制し、にじみな
どのない良好な画像を実現するために界面活性剤が添加
されることがある。例えば、特開平5−59314号公
報には、水性液体ビヒクル、着色材、およびリン酸エス
テルを組合わせた乾燥時間の短いインク組成物が提案さ
れている。また、特開平6−107971号公報には、
水溶性溶液、顔料、水溶性樹脂、および水を含んでなる
インク組成物に、リン酸エステル系界面活性剤、フッ素
を含有する界面活性剤、ホウ素を含有する界面活性剤、
ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシ
エチレンケニルエーテル系界面活性剤を添加することが
開示されている。この様なインク組成物よれば、良好な
印刷品質が確保することができ、かつ、吐出口周辺に液
だまりが生じないとされている。
【0004】さらには、浸透性を付与する界面活性剤ま
たは浸透性溶剤および金属塩を含有するカラーインク
と、この塩との作用により増粘または凝集するブラック
インクとを組み合わせて使用することにより、画像濃度
が高くかつカラーブリードがない高品位のカラー画像が
得られるという提案もなされている(特開平6−106
735号公報)。
【0005】一方、インクジェット記録用インク組成物
には、記録媒体上においてにじみのない良好な画像を実
現する性能に加えて、インクジェット記録ヘッドのノズ
ルから確実に、かつ所定の飛翔方向からずれることなく
吐出することが求められる。インクが吐出しなかった
り、所定の飛翔方向からずれてインク液滴が吐出される
(以下、このようなインク液滴が所定の飛翔方向からず
れることをインク液滴の飛行曲がりということがある)
と、ドット抜け、画像の鮮明さの低下などを生ずる。こ
のようなインクの吐出不良や、飛行曲がりを防止するた
めに、インク組成物の添加成分の種類および量を調整す
ることが種々提案されている。さらに、飛行曲がりを起
こしにくいインクジェット記録ヘッドの構成もまたいく
つか提案されている。例えば、ノズルプレートにインク
に対して濡れがたい性質(撥インク性)を付与し、イン
ク滴の飛行曲がりのない吐出を保証しようとする提案が
なされている。例えば、特開昭57−107848号で
はスパッタリングによってノズルの内面とノズルプレー
トの表面にフッ素樹脂等の撥インク性被膜を均一に形成
して、ノズル回りのインクの漏れを押さえることを提案
している。さらに、特開平7−125220号公報に
は、撥インク性被膜をインク滴のインク量との関連づけ
て所定量ノズルの内面にまで設けることが提案されてい
る。
【0006】
【発明の概要】本発明者らは、今般、顔料と、トリエチ
レングリコールモノブチルエーテルと、2−ピロリドン
と、特定の界面活性剤とを、特定の重量比で組み合わせ
て含んでなるインク組成物によって、インク滴の吐出安
定性および目詰まり信頼性を向上させることができ、そ
の結果、良好な印刷画像を実現することができる、との
知見を得た。
【0007】よって、本発明は、吐出安定性および目詰
まり信頼性に優れたインク組成物の提供をその目的とし
ている。
【0008】そして、本発明によるインクジェット記録
用インク組成物は、顔料と、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルと、2−ピロリドンと、界面活性剤
と、水と、水溶性有機溶媒を少なくとも含んでなるもの
であって、界面活性剤と、トリエチレングリコールモノ
ブチルエーテルと、2−ピロリドンとの重量比が1:
4:4〜1:20:20であり、界面活性剤が下記の式
(I):
【化2】 で表される化合物である。
【0009】本発明によるインク組成物は、特定構造の
撥インク性ノズルプレートを備えたインクジェット記録
ヘッドに好ましくは用いられる。そのノズルプレート
は、その表面からメニスカス形成面までのノズル内空隙
容積が吐出させるインク量に対して0.05乃至0.5
0の範囲となるよう、上記ノズルプレートの表面を被覆
する撥インク性被覆層の一部を上記ノズルの内面に入り
込ませたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の具体的説明】
【0011】インク組成物 本発明におけるインク組成物は、特定の界面活性剤と、
トリエチレングリコールモノブチルエーテルと、2−ピ
ロリドンとを、特定の重量比によって組み合わせて含ん
でなる。本発明によるインク組成物は、インクの吐出安
定性および目詰まり信頼性に優れ、記録媒体に印刷され
た時、良好な品質の画像を実現することができる。
【0012】界面活性剤 本発明におけるインク組成物は、界面活性剤として、下
記の式(I)で表される化合物を用いる。この化合物は
アセチレングリコール系界面活性剤のなかでも、インク
組成物の記録媒体に対する浸透性を向上させて、印刷ム
ラを有効に防止することができるという利点を有する。
【化3】
【0013】上記の式(I)で表される界面活性剤とし
て市販品を利用することも可能であり、その具体例とし
ては、サーフィノール104(Air Products and
Chemicals.Inc.より入手可能)、オルフィンSTG(日
信化学社製より入手可能)が挙げられる。
【0014】上記の式(I)で表される化合物の添加量
は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して、0.
05〜5重量%程度の範囲が好ましく、より好ましくは
0.1〜2.5重量%程度である。
【0015】トリエチレングリコールモノブチルエーテ
トリエチレングリコールモノブチルエーテルの添加は記
録ヘッドのノズル前面でのインク組成物の乾燥を有効に
防止し、ノズルの目詰まりを防ぐ。トリエチレングリコ
ールモノブチルエーテルの添加量は適宜決定されてよい
が、インク組成物に対して、1〜20重量%程度の範囲
が好ましく、より好ましくは1〜10重量%程度であ
る。
【0016】2−ピロリドン 2−ピロリドンの添加は、印刷ムラと長短期のノズルの
目詰りを有効に防止できる。その添加量は適宜決定され
てよいが、インク組成物に対して、1〜20重量%程度
の範囲が好ましく、より好ましくは1〜10重量%程度
である。
【0017】添加量 本発明によるインク組成物にあっては、式(I)で表さ
れる界面活性剤と、トリエチレングリコールモノブチル
エーテルと、2−ピロリドンとの重量比は1:4:4〜
1:20:20が好ましく、より好ましくは1:4:4
〜1:10:10である。即ち、式(I)で表される界
面活性剤の量が1重量%のとき、トリエチレングリコー
ルモノブチルエーテルの量は4〜20重量%であり、2
−ピロリドンの量は4〜20重量%である。よって、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテルと、2−ピロ
リドンとの重量比は4:20〜20:4である。
【0018】顔料 本発明におけるインク組成物は、着色剤として顔料を用
いる。顔料としては、特に限定されず、無機顔料および
有機顔料のいずれも使用することができる。無機顔料と
しては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト
法、ファーネスト法、サーマル法などの公知の方法によ
って製造されたカーボンブラックを使用することができ
る。また、有機顔料としては、アゾ染料(アゾレーキ、
不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料など
を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、
ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キ
ナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔
料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、
染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染
料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニ
リンブラックなどを使用することができる。
【0019】顔料の具体例としては、カーボンブラック
として、三菱化学製のNo.2300、No.900、
MCF88、No.33、No.40、No.45、N
o.52、MA7、MA8、MA100、No2200
B等が、コロンビア社製のRaven5750、同52
50、同5000、同3500、同1255、同700
等が、キャボット社製のRegal 400R、同3
30R、同660R、Mogul L、同700、Mo
narch 800、同880、同900、同100
0、同1100、同1300、同1400等が、デグッ
サ社製の Color Black FW1、同FW
2、同FW2V、同FW18、同FW200、 Col
or Black S150、同S160、同S17
0、Printex 35、同U、同V、同140U、
Special Black 6、同5、同4A、同4
等が挙げられる。イエローインクに使用される顔料とし
ては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、
13、14、16、17、73、74、75、83、9
3、95、97、98、109、110、114、12
8、129、138、150、151、154、15
5、180、185等が挙げられる。また、マゼンタイ
ンクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレ
ッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57
(Ca)、57:1、112、122、123、16
8、184、202等が挙げられる。さらに、シアンイ
ンクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブ
ルー1、2、3、15:3、15:4、16、22、6
0、C.I.バットブルー4、60が挙げられる。
【0020】顔料の添加量はインク組成物に対して、
0.5〜25重量%程度の範囲が好ましく、より好まし
くは2〜15重量%程度の範囲、さらに好ましくは1〜
5重量%程度である。また、顔料の粒径は10μm以下
が好ましく、さらに好ましくは0.1μm以下である。
【0021】本発明の好ましい態様によれば、顔料は、
顔料を分散剤で溶媒中に分散させて得られた顔料分散液
としてインク組成物に添加されるのが好ましい。好まし
い分散剤としては、従来公知の顔料分散液を調製するの
に用いられている分散剤、例えば高分子分散剤、界面活
性剤を利用することができる。
【0022】高分子分散剤の好ましい例としては天然高
分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチ
ン、ガゼイン、アルブミンなどのタンパク質類;アラビ
アゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類;サボニンな
どのグルコシド類;アルギン酸およびアルギン酸プロピ
レングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールア
ミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導
体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチル
セルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0023】さらに高分子分散剤の好ましい例として合
成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類;ポリビ
ニルピロリドン類;ポリアクリル酸、アクリル酸−アク
リロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロ
ニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共
重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重
合体などのアクリル系樹脂;スチレン−アクリル酸共重
合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メ
タクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、ス
チレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、ス
チレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸
アルキルエステル共重合体などのスチレン−アクリル酸
樹脂;スチレン−マレイン酸;スチレン−無水マレイン
酸;ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体;ビニルナ
フタレン−マレイン酸共重合体;酢酸ビニル−エチレン
共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合
体、酢酸ビニルマレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニ
ルクロトン酸共重合体、酢酸ビニルアクリル酸共重合体
などの酢酸ビニル系共重合体およびこれらの塩が挙げら
れる。これらのなかで、特に疎水性基を持つモノマーと
親水性基を持つモノマーとの共重合体、および、疎水性
基と親水性基とを合わせ持ったモノマーからなる重合体
が好ましい。上記の塩としては、ジエチルアミン、アン
モニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルア
ミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチル
アミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホ
リンなどとの塩が挙げられる。これらの共重合体は、重
量平均分子量が3,000〜30,000程度であるの
が好ましく、より好ましくは5,000〜15,000
程度である。
【0024】また、分散剤として好ましい界面活性剤の
例としては、脂肪酸塩類、高級アルキルジカルボン酸
塩、高級アルコール硫酸エステル塩類、高級アルキルス
ルホン酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、スルホ琥
珀酸エステル塩、ナフテン酸塩、液体脂肪油硫酸エステ
ル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類などの陰イオン
界面活性剤;脂肪酸アミン塩、第四アンモニウム塩、ス
ルホニウム塩、ホスホニウムなどの陽イオン界面活性
剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキ
シエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエ
ステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエス
テル類などの非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
上記した界面活性剤はインク組成物に添加されること
で、界面活性剤としての機能をも果たすことは当業者で
あれば理解するであろう。これらの分散剤の添加量は、
顔料に対して1〜50重量%程度の範囲が好ましく、よ
り好ましくは5〜30重量%程度の範囲である。
【0025】水、水溶性有機溶媒 本発明におけるインク組成物は水および水溶性有機溶媒
を主成分として用いる。水は、イオン交換水、限外濾過
水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いる
ことができる。
【0026】水溶性有機溶媒は、好ましくは低沸点有機
溶剤であり、その好ましい例としては、メタノール、エ
タノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピル
アルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t
ert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタ
ノールなどがあげられる。特に一価アルコールが好まし
い。低沸点有機溶媒の添加量は、インク組成物に対して
0.5〜10重量%程度の範囲がこのましく、より好ま
しくは1.5〜6重量%の程度の範囲である。
【0027】また、本発明の好ましい態様によれば、イ
ンク組成物はさらに高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含
んでなることが好ましい。高沸点有機溶媒剤の好ましい
例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ
ール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン
などの多価アルコール類;エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエー
テル、などの多価アルコールのアルキルエーテル類;N
−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、トリエタノールアミンなどがあげられ
る。
【0028】この中でも沸点が180℃以上の水溶性有
機溶媒の利用が好ましい。沸点が180℃以上の水溶性
有機溶媒の使用はインク組成物の保水性と湿潤性をもた
らす。この結果、インク組成物を長期間保管しても着色
剤の凝集や粘度の上昇がなく、優れた保存安定性を実現
できる。さらに、開放状態(室温で空気に触れている状
態)で放置しても流動性と再分散性を長時間維持するイ
ンク組成物が実現できる。さらに、インクジェット記録
方法においては、印刷中もしくは印刷中断後の再起動時
にノズルの目詰まりが生じることもなく、高い吐出安定
性が得られる。
【0029】沸点が180℃以上の水溶性有機溶媒の例
としては、エチレングリコール(沸点:197℃;以下
括弧内は沸点を示す)、プロピレングリコール(187
℃)、ジエチレングリコール(245℃)、ペンタメチ
レングリコール(242℃)、トリメチレングリコール
(214℃)、2−ブテン−1,4−ジオール(235
℃)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(243
℃)、2−メチル−2,4ーペンタンジオール(197
℃)、N−メチル−2−ピロリドン(202℃)、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(257〜260
℃)、2−ピロリドン(245℃)、グリセリン(29
0℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル
(243℃)、ジプロピレングリコールモノエチルグリ
コール(198℃)、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル(190℃)、ジプロピレングリコール(2
32℃)、トリエチレングリコルモノメチルエーテル
(249℃)、テトラエチレングリコール(327
℃)、トリエチレングリコール(288℃)、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル(230℃)、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル(202℃)、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル(194℃)が挙
げられる。沸点が200℃以上であるものが好ましい。
これら水溶性有機溶媒は単独または2種以上混合して使
用することができる。
【0030】これら高沸点有機溶媒の含有量は、インク
組成物に対して好ましくは0.5〜40重量%程度であ
り、より好ましくは2〜20重量%程度である。
【0031】三級アミン 本発明の好ましい態様によれば、インク組成物は三級ア
ミンをさらに含んでなることができる。三級アミンの添
加はインク組成物に湿潤性をもたらす。また、三級アミ
ンと後記する水酸化アルカリの添加は、着色剤である顔
料のインク組成物中における分散安定化をもたらす。
【0032】三級アミンの例としては、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリ
イソプロペノールアミン、ブチルジエタノールアミン等
が挙げられる。これらは単独または混合して使用されて
よい。これら三級アミンのインク組成物への添加量は、
0.1〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは、
0.5〜5重量%程度である。
【0033】その他の成分 インク組成物は、水酸化アルカリ、アルギン酸誘導体、
糖および糖の誘導体を含んでなることができる。これら
の成分の添加は、インク組成物中の着色剤および樹脂エ
マルジョン粒子のインク中での分散安定化をもたらす。
糖または糖の誘導体の添加はインク組成物に湿潤性をも
たらす。
【0034】水酸化アルカリの例としては、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムであり、その
添加量は0.01〜5重量%程度が好ましく、より好ま
しくは0.05〜3重量%程度である。
【0035】アルギン酸誘導体の好ましい例としては、
アルギン酸アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カ
リウム塩)アルギン酸有機塩(例えば、トリエタノール
アミン塩)、アルギン酸アンモニウム塩、等が挙げられ
る。このアルギン酸誘導体のインク組成物への添加量
は、好ましくは0.01〜1重量%程度であり、より好
ましくは0.05〜0.5重量%程度である。
【0036】糖の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ
糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげ
られ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトー
ス、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトー
ス、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マル
トース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレ
ハロース、マルトトリオース、などがあげられる。ここ
で、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シ
クロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在す
る物質を含む意味に用いることとする。また、これらの
糖の誘導体としては、前記した糖類の還元糖[(例え
ば、糖アルコール(一般式HOCH (CHOH)
CHOH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表さ
れる]、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸な
ど)、アミノ酸、チオ糖などがあげられる。特に糖アル
コールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソル
ビットなどが挙げられる。糖または糖の誘導体の添加量
はインク組成物に対して、2.5〜40重量%程度が好
ましく、より好ましくは2.5〜20重量%程度であ
る。また、本発明におけるインク組成物は、インク組成
物中の糖または糖誘導体と樹脂エマルジョンの重量比が
好ましくは1:2程度以上であり、好ましくは1:1程
度以上である。
【0037】インク組成物は、さらに界面活性剤を含有
することができる。界面活性剤の具体例としては、アニ
オン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩な
ど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン
アルキルアミドなど)および、アセチレングリコール等
が挙げられる。これらは単独または二種以上を併用する
ことができる。
【0038】インク組成物は、さらにノズルの目詰まり
防止剤、防腐剤、酸化防止剤、導電率調整剤、pH調整
剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを添
加することができる。
【0039】防腐剤・防かび剤の例としては、安息香酸
ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−
ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビ
ン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジ
ベンジソチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセル
CRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキ
セルXL−2、プロキセルTN)などがあげれる。
【0040】さらに、pH調整剤、溶解助剤、または酸
化防止剤の例としては、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、プロパノールアミン、モルホリンなどの
アミン類およびそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化
アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチ
ルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩など、あ
るいはN−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、
テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチル
アロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメ
チルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレ
ット類など、L−アスコルビン酸およびその塩を挙げる
ことができる。
【0041】また、本発明によるインク組成物は酸化防
止剤および紫外線吸収剤を含むことができ、その例とし
てはチバガイギーのTinuvin328、900、1
130、384、292、123、144、622、7
70、292、Irgacor252、153、Irg
anox1010、1076、1035、MD102
4、ランタニドの酸化物などが挙げられる。
【0042】インク組成物の製造 本発明によるインク組成物は、前記成分を適切な方法で
分散、混合することによって製造することができる。顔
料と、界面活性剤と、トリエチレングリコールモノブチ
ルエーテルと、2−ピロリドンと、水と、水溶性有機溶
媒と分散剤とその他の成分とを適切な分散機(例えば、
ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、
アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、
超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルな
ど)で混合して、均一な分散液を調製する。次に、水、
水溶性有機溶媒、糖、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等
を加えて充分溶解させてインク溶液を調製する。充分に
攪拌した後に、目詰まりの原因となる粗大粒子および異
物を除去するためにろ過を行って目的のインク組成物を
得る。
【0043】ノズルプレート 本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組
成物は、特開平7−125220号公報に記載のノズル
プレートを備えたインクジェット記録ヘッドを用いたイ
ンクジェット記録方法に好ましく用いられる。特開平7
−125220号公報に記載のノズルプレートと上記し
たインク組成物とを組み合わせることによって、吐出安
定性をより向上させるとともに飛行曲がりを大きく抑制
し、さらに高応答周波数に対応することができるのであ
る。
【0044】特開平7−125220号公報に記載のノ
ズルプレートの基本構造は図1に示されるとおりであ
る。このノズルプレート1は、基材2にノズル3が設け
られ、さらにこの基材1およびノズル3の内面に入り込
むように撥インク性被膜層4が設けられてなる。この撥
インク性被膜層4はノズル3の内面の5の位置まで入り
込むように構成されてなる。図2は、ノズル3近傍の拡
大図である。このような構造のノズルプレートを備えた
インクジェット記録ヘッドにインク組成物を充填する
と、インク組成物のメニスカスの振動面は、撥インク性
被膜層4のノズル3内撥インク性被覆層下縁5を結ぶ形
で形成される。その振動中心位置Aは図2中に示される
ようになる。さらにインク組成物が吐出される際、イン
ク滴は図2中のBで示されるような形態で吐出され、ノ
ズルから離脱する。インク吐出後、インク組成物は、図
2中のCで示される位置まで一旦引き込まれるが、メニ
スカス振動位置Aまでまもなく復帰する。この公報記載
のプレートは、ノズルプレート1の表面からメニスカス
の振動中心Aまでのノズル内空隙容積をVmを、ノズル
4の表面2から吐出直前のインクの前面Bまでの容積、
つまり吐出させるインク滴の量をViに対して、0.0
5乃至0.50の範囲となるよう、撥インク性被覆層の
下縁5を定める。好ましい態様によれば、この撥インク
性被膜層は、ニッケルイオンとポリテトラフルオロエチ
レン等の撥水性高分子樹脂の粒子を電荷により分散させ
た電解液中に浸漬し、液を撹拌しながらノズルプレート
1の表面に共析メッキ層を形成する手法により形成され
るのが好ましい。共析メッキ処理に使用されるフッ素系
高分子材としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
バーフルオロアルコキシブタジエン、ポリフルオロビニ
リデン、ポリフルオロビニル、ポリジパーフルオロアル
キルフマレート等の樹脂を単独にまたは混合したものが
挙げられる。
【0045】インク収納容器 本発明によるインク組成物は、収納容器に納められてイ
ンクジェット記録装置に装填されるのが通常である。こ
の収納容器は、インクパックと呼ばれることがある。イ
ンクジェット記録装置は、インクを収納容器に装填封入
し、一色または多色のインクカートリッジとして用い
る。収納容器は、円筒状、楕円状、直方体状、正方体状
等の形態を有するものである。その形態を構成するもの
の具体例としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、アクリル樹脂、イオン交換樹脂、アルキド
樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽
和ポリエチレン、フッ素樹脂等からなる合成樹脂フィル
ム、アルミニウムフィルム等の金属フィルム、が挙げら
れる。各形態に形成する場合、上記のフィルムを一種ま
たは二種以上用いて、単層または積層させることによっ
て行うことができる。
【0046】収納容器の一般的な構造は、図3に示され
る通りである。筒胴体は、表面部11と裏面部12を構
成する四辺形状のフィルムの各長辺部に、側面部13お
よび14を構成する四辺形状のフィルムの各長辺部が熱
溶融して形成される。一方、表面部11と裏面部12を
構成する四辺形状のフィルムの各短辺部に、側面部13
および14を構成する四辺形状のフィルムの各短辺部が
熱溶融して袋閉じを形成する(符号16−17近辺、符
号18−19近辺)。なお、符号16−17付近ではイ
ンク供給口15が熱溶着によって収納容器本体に結合し
てなる。
【0047】インクジェット記録方法 本発明による記録方法は、記録媒体上にインク組成物を
付着させて画像を記録する工程とを含んでなるものであ
る。本発明にあっては、インク組成物は上記したものを
用いることができる。
【0048】本発明において記録媒体は、紙などのイン
ク組成物に対して吸収性を有するもの、インク組成物に
対して実質的に非吸収性のもののいずれであっても好適
に用いられる。本発明によるインクジェット記録方法が
適用可能な記録媒体の具体例としては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリサルフォン、ABS樹脂、ポリ塩化ビ
ニル等を基材とするプラスチックシート、黄銅、鉄、ア
ルミニウム、SUS、銅等の金属表面または非金属の基
材に蒸着等の手法により金属コーティング処理をした記
録媒体、紙を基材として撥水処理などがなされた記録媒
体、布等の繊維表面に撥水処理等がなされた記録媒体、
無機質の材料を高温で焼成した、いわゆるセラミックス
材料からなる記録媒体などが挙げられる。
【0049】
【実施例】本発明を以下の実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されて解釈されるも
のではない。
【0050】また、本明細書において使用される単位
「duty」は、下記の式(I)で定義され、算出される値
Dの単位を示すものである。
【数1】
【0051】インク組成物の調製 下記の組成を有するインク組成物を次の操作によって製
造した。まず、顔料と分散剤樹脂とを混合し、サンドミ
ル(安川製作所製)中でガラスビーズ(直径1.7m
m、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散
させた。その後ガラスビーズを取り除き、他の添加物を
加え、常温で20分間撹拌した。5μmのメンブランフ
ィルターでろ過して、インク組成物を得た。
【0052】 例1 C.I.ピグメントイエロー128 3.5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1.3重量%(固形分) グリセリン 15重量% トリエタノールアミン 0.5重量% エチレングリコール 4重量% サーフィノール104 1重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 4重量% 2−ピロリドン 4重量% 純水 残量
【0053】 例2 C.I.ピグメントイエロー110 2.5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1.4重量%(固形分) グリセリン 12重量% ジエチレングリコール 5重量% トリエタノールアミン 0.9重量% オルフィンSTG 0.8重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量% 2−ピロリドン 4重量% 純水 残量
【0054】 例3 C.I.ピグメントブルー15:3 2.5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1.5重量%(固形分) グリセリン 10重量% エチレングリコール 5重量% トリエタノールアミン 0.8重量% オルフィンSTG 1重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量% 2−ピロリドン 6重量% 純水 残量
【0055】 例4 C.I.ピグメントレッド122 3.5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1.5重量%(固形分) グリセリン 15重量% トリエタノールアミン 0.7重量% オルフィンSTG 1.2重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 6重量% 2−ピロリドン 6重量% 純水 残量
【0056】 例5 C.I.ピグメントレッド122 3.4重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1.5重量%(固形分) グリセリン 15重量% エチレングリコール 3重量% トリエタノールアミン 0.7重量% サーフィノール104 1.5重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7重量% 2−ピロリドン 8重量% 純水 残量
【0057】 例6 C.I.ピグメントイエロー74 4.1重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1.8重量%(固形分) グリセリン 12重量% ジエチレングリコール 2重量% トリエタノールアミン 0.7重量% オルフィンSTG 1重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 8重量% 2−ピロリドン 5重量% 純水 残量
【0058】 例7 カーボンブラック 2.1重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 0.5重量%(固形分) グリセリン 15重量% トリエタノールアミン 0.7重量% エチレングリコール 5重量% オルフィンSTG 1重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量% 2−ピロリドン 4重量% 純水 残量
【0059】 例8(比較例) C.I.ピグメントイエロー128 3.5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1.3重量%(固形分) グリセリン 16重量% トリエタノールアミン 0.5重量% エチレングリコール 4重量% サーフィノール104 1重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 4重量% 2−ピロリドン 2重量% 純水 残量
【0060】 例9(比較例) C.I.ピグメントブルー15:3 2.5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1.5重量%(固形分) グリセリン 12重量% エチレングリコール 5重量% トリエタノールアミン 0.8重量% オルフィンSTG 1重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量% 2−ピロリドン 1重量% 純水 残量
【0061】 例10(比較例) C.I.ピグメントレッド122 3.4重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1.5重量%(固形分) グリセリン 18重量% トリエタノールアミン 0.7重量% オルフィンSTG 1.5重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7重量% 2−ピロリドン − 純水 残量
【0062】印刷評価試験 上記で調製したインク組成物をアルミニウム製インクパ
ック(内側にポリエチレンシートを内包)に充填した。
上記インクパックがポリエチレン製のチューブを通じて
ヘッドに直結されてなる構成を有したインクジェットプ
リンタMJ−930C(セイコーエプソン株式会社製)
を用いて、インクジェット専用記録媒体(セイコーエプ
ソン株式会社製、専用光沢フィルム)に印刷した。1ド
ット当たりの吐出インク重量は0.040μgとし、解
像度は360dpi×360dpiの出力とした。
【0063】評価1:印刷安定性評価 上記プリンタMJ−930Cを用いて、例1〜6のイン
ク組成物を、長期間、常温下で、連続印刷し、ドット抜
け、およびインクの飛び散りの有無を観察して、下記の
基準によって評価した。その結果は、下記の表1に示さ
れる通りであった。 評価A:ドット抜け、またはインクの飛び散りの発生が
48時間経過時に10回未満であった。 評価B:ドット抜け、またはインクの飛び散りの発生が
24時間経過時に10回未満であったが、48時間経過
前に10回発生した。 評価C:ドット抜け、またはインクの飛び散りの発生が
24時間経過時に10回発生した。 評価D:ドット抜け、またはインクの飛び散りの発生が
24時間経過時に10回を超えた。
【0064】評価2:目詰まり信頼性 プリンタに例1〜6のインク組成物を充填し、10分間
連続して英数文字を印刷した。その後、プリンターを停
止し、キャップをせずに、温度40℃、湿度25%の環
境下で、2週間放置した。放置後に再び英数文字を印刷
し、放置前と同等の印刷品質が得られるまでに要した復
帰動作の回数を調べた。評価は下記の基準に従って行っ
た。その結果は、下記の表1に示される通りであった。 評価A:0〜2回の復帰動作で初期と同等の印字品質が
得られた。 評価B:3〜5回の復帰動作で初期と同等の印字品質が
得られた。 評価C:6回の復帰動作で初期と同等の印字品質が得ら
れなかった。
【0065】表1 例/評価 1 2 例1 A A 例2 A A 例3 A A 例4 A A 例5 A A 例6 A A 例7 A A 例8(比較例) B B 例9(比較例) B B例10(比較例) C B
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によるインク組成物が用いられ
るインクジェット記録ヘッドのノズルプレートの構成を
表す図である。
【図2】図2は、図1のノズルプレートの拡大図であ
る。
【図3】図3は、本発明のインク組成物を収納するイン
クパックについて表した図である。
【符号の説明】
1 ノズルプレート 2 基板 3 ノズル 4 撥インク性被膜層 5 ノズル3内撥インク性被覆層下縁 A インクメニスカス振動位置面

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料と、界面活性剤と、トリエチレングリ
    コールモノブチルエーテルと、2−ピロリドンと、水
    と、水溶性有機溶媒と、分散剤とを少なくとも含んでな
    るインクジェット記録用インク組成物であって、 前記界面活性剤が下記の式(I): 【化1】 で表される化合物であり、 前記界面活性剤と、トリエチレングリコールモノブチル
    エーテルと、2−ピロリドンとの重量比が1:4:4〜
    1:10:10である、インク組成物。
  2. 【請求項2】ノズルプレートの表面からメニスカス形成
    面までのノズル内空隙容積が吐出させるインク量に対し
    て0.05〜0.50の範囲となるよう、上記ノズルプ
    レートの表面を被覆する撥インク性被覆層の一部を上記
    ノズルの内面に入り込ませたことを特徴とするノズルプ
    レートを備えたインクジェット記録ヘッドを用いたイン
    クジェット記録方法に用いられる、請求項1に記載のイ
    ンク組成物。
  3. 【請求項3】前記着色剤の添加量がインク組成物に対し
    て1〜5重量%である、請求項1または2に記載のイン
    ク組成物。
  4. 【請求項4】前記分散剤がスチレン−(メタ)アクリル
    酸系水溶性樹脂である、請求項1に記載のインク組成
    物。
  5. 【請求項5】前記水溶性有機溶媒が180℃以上の沸点
    を有するものである、請求項1〜4のいずれか一項に記
    載のインク組成物。
  6. 【請求項6】三級アミンをさらに含んでなる、請求項1
    〜5のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. 【請求項7】水酸化アルカリ、アルギン酸誘導体、また
    は糖もしくは糖の誘導体をさらに含んでなる、請求項1
    〜6のいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. 【請求項8】前記糖が、単糖、二糖、オリゴ糖、および
    多糖からなる群から選択されるものである、請求項7に
    記載のインク組成物。
  9. 【請求項9】前記糖の誘導体が、還元糖、酸化糖、糖脱
    水誘導体、アミノ糖、またはチオ糖である、請求項7に
    記載のインク組成物。
  10. 【請求項10】前記撥インク性被膜層が共析メッキによ
    り形成されたものである、請求項2〜9のいずれか一項
    に記載のインク組成物。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれか一項に記載の
    インク組成物を収納してなる、収納容器。
  12. 【請求項12】請求項1〜10のいずれか一項に記載の
    インク組成物を記録媒体に付着させて印刷を行う記録方
    法。
  13. 【請求項13】前記記録方法がインク組成物の液滴を吐
    出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行うインク
    ジェット記録方法である、請求項12に記載の記録方
    法。
  14. 【請求項14】請求項12または13に記載の記録方法
    によって印刷された、印刷物。
  15. 【請求項15】インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を
    記録媒体に付着させて印刷を行うインクジェット記録方
    法であって、前記インク組成物が請求項1〜10のいず
    れか一項に記載のインク組成物であり、かつ、撥インク
    性処理がなされたノズルプレートを備えたインクジェッ
    ト記録ヘッドを用いることを含んでなる、記録方法。
  16. 【請求項16】前記請求項1〜10のいずれか一項に記
    載のインク組成物が、記録ヘッドにインク組成物を供給
    する収納容器に収納されてなる、請求項16に記載の記
    録方法。
  17. 【請求項17】請求項15または16に記載の記録方法
    によって印刷された、印刷物。
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