JP3825891B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3825891B2
JP3825891B2 JP21973797A JP21973797A JP3825891B2 JP 3825891 B2 JP3825891 B2 JP 3825891B2 JP 21973797 A JP21973797 A JP 21973797A JP 21973797 A JP21973797 A JP 21973797A JP 3825891 B2 JP3825891 B2 JP 3825891B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
liquid composition
weight
recording method
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21973797A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1095107A (ja
Inventor
豊 倉林
吉久 滝沢
絵里子 小野
幹雄 真田
真一 佐藤
勝彦 高橋
幹史 小笠原
伸也 三品
真由美 山本
能史 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP21973797A priority Critical patent/JP3825891B2/ja
Publication of JPH1095107A publication Critical patent/JPH1095107A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3825891B2 publication Critical patent/JP3825891B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体組成物及び着色インクとを併用するインクジェット記録方法に関し、更に詳しくは、被記録媒体(例えば、普通紙)に、液体組成物及び着色インクをともに適用することで、カラーブリーディング現象の低減された、耐水性のあるカラー画像を形成するインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、インクの小滴を飛翔させ、紙等の被記録媒体にインクを付着させて記録を行うものである。特に、特公昭61−59911号公報、特公昭61−59912号公報、特公昭61−59914号公報において開示された方式、即ち、吐出エネルギー供給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギーをインクに与えて気泡を発生させることにより液滴を吐出させる方式のインクジェット記録方法によれば、記録ヘッドの高密度マルチオリフィス化を容易に実現することができ、高解像度及び高品位の画像を高速で記録することができる。
【0003】
しかしながら、従来のインクジェット記録方法に用いられるインクとしては、水を主成分とし、これに乾燥防止やノズルの目詰まり防止等の目的でグリコール等の水溶性高沸点溶剤が含有されたインクが一般的である。このようなインクを用いて被記録媒体に記録を行った場合には、十分な定着性が得られなかったり、被記録媒体表面における填料やサイズ剤の不均一な分布によると推定される不均一画像が発生する等の問題を生じていた。又、特にカラー画像を得ようとした場合には、ある色のインクが被記録媒体に定着する以前に複数の色のインクが次々と重ねられることから、異色の画像の境界部分で色が滲んだり、インクが不均一に混ざり合って(以下、この現象をブリーディングと呼ぶ)、満足すべき画像が得られないという問題があった。
【0004】
これに対し定着性を高める手段として、特開昭55−65269号公報には、インク中に界面活性剤等の浸透性を高める化合物を添加する方法が開示されている。又、特開昭55−66976号公報には、揮発性溶剤を主体としたインクを用いることが開示されている。しかしながら、前者のインク中に界面活性剤等を添加する方法では、被記録媒体へのインクの浸透性が高まり、インクの定着性やブリーディングについてはある程度改善されるものの、インク中の色材も被記録媒体の奥深くまで浸透してしまうため、画像濃度及び彩度が低下する等の不都合が生じる。その他、インクの横方向に対する広がりも発生し、その結果、ドットのエッジのシャープさが低下したり、解像度が低下したりする等の問題も発生した。一方、揮発性溶剤を主体としたインクを用いる後者の方法の場合には、上記した前者の場合と同様の不都合が生じるのに加え、記録ヘッドのノズル部での溶剤の蒸発による目詰まりが発生し易く、好ましくなかった。
【0005】
更に、上述した問題を改善するために、インクの噴射に先だち、被記録媒体上に予め画像を良好にせしめる液体を付着させておく方法が提案されている。例えば、特開昭58−128862号公報には、インクの定着性を改良する液体をインクとは別の記録ヘッドを使用して、インクの記録位置に重ねる装置が開示されており、特開昭63−60783号公報には、塩基性ポリマーを有する液体を付着させた後、アニオン性染料を含有するインクを記録する方法が開示されており、特開昭63−22681号公報には、反応性化学種を含む第一の液体と、該反応性化学種と反応を起こす化合物を含む液体を被記録媒体上で混合する記録方法が開示されており、更に、特開昭63−299971号公報には、1分子あたり2個以上のカチオン性基を有する有機化合物を含有する液体を被記録媒体上に付着させた後、アニオン性の染料が含有されたインクで記録する方法が開示されている。又、特開昭64−9279号公報には、コハク酸等を含有した酸性液体を被記録媒体上に付着させた後、アニオン性染料が含有されたインクで記録する方法が開示されている。更に、特開昭64−63185号公報には、染料を凝集不溶化させるカチオン性ポリマーを含む液体をインクの付与に先だって被記録媒体に付与するという方法が開示されている。
【0006】
一方、画像を高精細にするための手段として、従来より種々の方法が提案されているが、インクジェット記録の解像度を向上させるに伴い、記録ヘッドの1ドットあたりのインク吐出体積を従来よりも小さくする方法が主流になりつつある。例えば、解像度で言えば300dpi、360dpiから600dpi、720dpi或いは更に高解像度への追及が進んでいるが、これに伴って、1ドットあたりのインク吐出体積について言えば、40pl、25pl、更には、それ以下の吐出体積の記録ヘッドの追及が続いている。
【0007】
このような状況下において、前述したインクとは別の液体組成物をインクジェット記録ヘッドを用いて、インクの記録位置に付与することにより、被記録媒体上のインクジェット記録画像の種々の性能を向上させるカラー普通紙記録技術においても、インク中の染料又は顔料を凝集させるための液体組成物の周波数特性、吐出安定性、耐久性の他、目詰まりを起こしにくい性質(以下、本発明では、耐固着性と呼ぶことにする)、一定期間の記録を休止した後の吐出安定性(本発明ではスタートアップ特性と呼ぶ)等の信頼性の更なる向上が求められている。
【0008】
ところが、従来技術で開示されているインク中の染料等の色材を凝集させるための液体組成物中に使用される成分、例えば、カチオン性ポリマーを上述したような高精細記録用の1ドットあたりのインク吐出体積の小さい、例えば、1ドットあたりのインク吐出体積が2〜25plであるような記録ヘッドに適用しようとするとき、上記液体組成物の周波数特性、吐出安定性、耐久性、耐固着性及びスタートアップ特性等の信頼性を満足することは困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、上記のように、1ドットあたりのインク吐出体積の小さい、例えば、1ドットあたりのインク吐出体積が2〜25pl(ピコリットル)であるような記録ヘッドを使用しても、周波数特性、吐出安定性、耐久性、耐固着性及びスタートアップ特性等の信頼性を満足することができる液体組成物及び着色インクを併用するインクジェット記録方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、着色インク及び該着色インク中の色材を凝集させる液体組成物を各々1ドットあたりの吐出体積が2〜25pl(ピコリットル)である記録ヘッドを用いて吐出せしめ、被記録媒体上で着色インク及び液体組成物を混合させるインクジェット記録方法において、上記液体組成物が、重量平均分子量400〜1,400の範囲にあるカチオン性水溶性ポリマーを2〜6重量%含有し、更に、トリエチレングリコールモノブチルエーテル或いはジエチレングリコールモノブチルエーテルを0.5〜3.0重量%含有し、且つ、炭素数8以上のアルキル基を有する第4級アミンである塩化ベンザルコニウムを含有していることを特徴とするインクジェット記録方法である。
【0011】
本発明によれば、特に、1ドットあたりの吐出体積が2〜25pl(ピコリットル)の記録ヘッドを使用し、カチオン性ポリマー及びトリエチレングリコールモノブチルエーテル或いはジエチレングリコールモノブチルエーテルを含有する液体組成物と色材を含有する着色インクとを併用して行う記録方法において、重量平均分子量400〜1,400の範囲のカチオン性ポリマーを含有する液体組成物を用いることによって、被記録媒体上での画像濃度、画像均一性、カラーブリード抑制、及び画像の耐久性を向上させることができると共に、各種の信頼性、即ち、吐出安定性(周波数特性)、吐出耐久性、スタートアップ特性、及び耐固着性等を満足させることが可能となった。
【0012】
以上の如き本発明において用いる液体組成物が、上記したような顕著な効果を示す理由は明らかではないが、液体組成物中のカチオン性ポリマーと、インク中の色材との間において下記の現象が生じ、その結果、上記の作用効果を奏するものと考えられる。
即ち、インクとしてアニオン性基を有する水溶性染料を含有するインクを用いた場合には、前記液体組成物中のカチオン性ポリマーの低分子量成分が、イオン的及び/又は分子的相互作用により、上記染料と結合して溶液相から染料の分離を起こし、染料の凝集体を形成する。又、アニオン性化合物を含有する顔料インクの場合にも、液体組成物中のカチオン性ポリマーの低分子量成分が、イオン的及び/又は分子的相互作用により上記顔料と結合して顔料の分散破壊が起こり、顔料の凝集体が形成される。
【0013】
そして、次に染料の凝集体或いは顔料の凝集体が、液体組成物中のカチオン性ポリマーの高分子量成分に吸着され、より大きなサイズの凝集体を形成し、これらの凝集体が紙等の被記録媒体の繊維の間隙に入り込みにくくなることで、被記録媒体上での染料又は顔料の移動度が、溶媒の移動度よりも極めて小さくなる。そして、この反応が極めて高速で起こるため、上述したような高品位のインクジェット記録による画像形成が可能となるものと推定される。
【0014】
同時に上述したようなメカニズムにより生成したカチオン性ポリマーとアニオン性染料、又は顔料インク中のアニオン性化合物と顔料とで形成される凝集体自体の流動性が低下し、インクの液媒体の動きと共に移動することがないので、前述したフルカラー画像形成時のように隣接したドットが異色のインクで形成されていたとしても、互いに混じり合うことがなく、ブリーディングも起りにくい。又、上記凝集体は、本質的に水不溶性であるので形成された画像の耐水性は非常に向上する。
【0015】
又、本発明を実施するにあたっては、平均分子量400〜1,400のカチオン性ポリマーを使用するので、カチオン性ポリマーを含む液体組成物の粘度が増大することがないので、液体組成物をインクジェット記録ヘッド、特にオンデマンド型のサーマルインクジェット記録ヘッドを使用して被記録媒体に付着させようとした場合に、周波数応答性、安定した吐出体積、安定した吐出速度等の吐出特性に対して有利であり、又、色材の凝集若しくは不溶化に多価の金属塩を使用する必要がないので、発熱ヘッド上でのコゲーションの問題も発生しない等の利点も本発明の別の効果として挙げられる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明をより詳細に説明する。
先ず、本発明において用いる液体組成物について説明する。本発明における液体組成物に用いるカチオン性ポリマーとしては、重量平均分子量が400〜1,400の範囲にあるカチオン性ポリマーを使用する。このようなカチオン性ポリマーを含有する液体組成物を使用すれば、1ドットあたりの液体の吐出体積が、2〜25plである小さな吐出口面積を有する記録ヘッドで使用されても、前記の如き種々の信頼性を得ることができる。
【0017】
その理由は、重量平均分子量400〜1,400のカチオン性ポリマーの水溶性が非常に高く、従ってポリマー水溶液の粘度が低いことで、ノズル先端から水分の蒸発が起こっても液体組成物がノズル先端に固着しにくく、又、液体組成物の初期粘度及び蒸発粘度を低く抑えることができ、その結果、実使用上における耐固着性、吐出の周波数応答特性、スタートアップ特性等の信頼性が確保できるのである。
【0018】
本発明においては、上記のカチオン性ポリマーは前記の範囲の重量平均分子量を有するが、該ポリマーの分子量分布は狭いものではなく、比較的低分子量のポリマーと比較的高分子量のポリマーとを含むことが好ましい。その理由は既に述べた通りである。このように分子量の異なるカチオン性ポリマーの混合物は、該混合物の分子量分布をGPC(ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー)で測定した時に複数のフラクション、例えば、低分子領域と高分子領域とに分かれていることが好ましい。
【0019】
本発明で使用するカチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリアリルアミン、ポリアミンスルホン及びこれらの共重合体、ポリビニルアミン等が挙げられるが、これらのなかでは、特に分子量の調整及び分子量分布の調整が容易であるポリアリルアミンが本発明においては好適に用いられる。本発明で述べる重量平均分子量とは、GPCでポリエチレングリコールを標準として測定される重量平均分子量のことである。
【0020】
本発明で用いる液体組成物は上記の如きカチオン性ポリマーを水性媒体に溶解して調製されるが、水性媒体中におけるカチオン性ポリマーの濃度は、通常約1〜10重量%、好適には約2〜6重量%の範囲である。カチオン性ポリマーの濃度が高過ぎると得られる液体組成物の粘度が高くなりすぎ、一方、カチオン性ポリマーの濃度が低過ぎると被記録媒体に対する画像の耐水性、カラーブリード抑制能等が十分ではない。
前記カチオン性ポリマーを溶解させる水性媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
【0021】
又、水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でもジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが特に好ましい。
【0022】
上記したような水溶性有機溶剤の含有量は、一般的には液体組成物全量に対して3〜50重量%、好ましくは3〜40重量%の範囲であり、又、水の含有量は液体組成物全量に対して10〜90重量%、好ましくは30〜80重量%の範囲である。
【0023】
更に本発明では、液体組成物にトリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル等の水溶性有機溶媒を0.5〜5重量%の割合で使用すると、前述したスタートアップ特性が更に向上することを見出した。このような水溶性有機溶媒としては、具体的には、例えば、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。中でも、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル或いはジエチレングリコールモノアルキルエーテルがより好ましい。
【0024】
液体組成物中には、更に、ポリアリルアミン等のカチオン性ポリマーの耐固着性を向上させる目的でグリセリンを使用することが好ましい。グリセリンの含有量としては、液体組成物全量に対して2〜10重量%の範囲とすることが好ましい。
更に、本発明における液体組成物中には炭素数8以上のアミンを含有させることが好ましい。前記アミンの中でも第4級アミンをもちいることが更に好ましい。これらのアミンを含有させることによって、理由は定かではないが、インクジェット記録装置における発熱ヘッドが著しく長寿命化し、長期間安定した液体組成物及び色材含有インクの吐出安定性を確保することができる。
【0025】
これらの第4級アミンとしては、例えば、第4級アンモニウム塩型の化合物、具体的には、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム等;ピリジニウム塩型化合物、具体的には、セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイド等が挙げられるが、これらのなかでは、特に塩化ベンザルコニウムが好適である。液体組成物中における第4級アミンの濃度は、通常約0.1〜5重量%、好適には約0.2〜2重量%の範囲である。
【0026】
本発明における液体組成物のpHは3〜11の範囲とすることが好ましく、更に好ましくはpH6〜9の範囲がよい。このようなpH範囲とするためのpH調整剤としては、例えば、酢酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、乳酸、プロピオン酸等の酸があるがこれらに限定されない。又、本発明における液体組成物の好ましい表面張力の範囲としては、25〜50dyn/cm、更に好ましくは30〜40dyn/cmである。更に、本発明における液体組成物の粘度の範囲としては、1.3〜5cps、更に好ましくは1.5〜3cpsである。
【0027】
次に、本発明において前記液体組成物と併用する色材含有インクについて説明する。
本発明で使用されるインクは、色材としてアニオン性基を含有する水溶性染料を用いるか、又は色材として顔料を用いる場合には、アニオン性化合物を併用させたものを用いることが好ましい。本発明で使用される上記のようなインクには、更に水、水溶性有機溶剤及びその他の成分、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等が必要に応じて含まれる。
【0028】
本発明で使用されるアニオン性基を有する水溶性染料としては、カラーインデックス(COLOUR INDEX)に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料、即ちアニオン性基を有する水溶性染料であれば特に限定はない。又、カラーインデックスに記載のないものでも、アニオン性基、例えば、スルホン基及びカルボキシル基等を有するものであれば特に制限はない。ここでいう水溶性染料の中には、溶解度のpH依存性があるものも当然に含まれる。
【0029】
上記のような色材として水溶性染料が含有されているインクに含有される水溶性有機溶剤としては、前述の液体組成物に使用される水溶性有機溶剤を同様に用いることができる。又、これらの水溶性有機溶剤のインク中の含有量の好適な範囲についても、前記液体組成物の場合と同様とする。又、インクの好適な物性範囲についても、前述の液体組成物の場合と全く同様である。但し、インクの表面張力については、インクの表面張力を液体組成物の表面張力よりも高くした方が、本発明の記録方法を実施するにあたって有効な場合があるので好ましい。これは、このように両者の表面張力を調整すれば、例えば、印字プロセス上、先に打ち込まれた液体組成物が、後から打ち込まれるインクの被記録媒体上での濡れ性を均一にし得る効果を発揮するためであろうと考えられるが、その詳細は明らかではない。
【0030】
本発明において、顔料を含有するインクを使用する場合には、染料含有インクについて上記で説明した各種成分の他に、アニオン性の界面活性剤或いはアニオン性の高分子物質等、アニオン性化合物を添加するのが好ましい。両性界面活性剤をその等電点以上のpHに調整して含有させることができる。この際に使用されるアニオン性界面活性剤の例としては、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般に使用されているものを何れも好ましく使用することができる。又、アニオン性高分子の例としては、アルカリ可溶型の樹脂、具体的には、ポリアクリル酸ソーダ、或いは高分子の一部にアクリル酸を共重合したもの等を挙げることができるが、勿論、これらに限定されない。
【0031】
本発明で使用されるインクの色材として顔料を用いる場合には、顔料の量は、インク全重量に対して、重量比で1〜20重量%、好ましくは2〜12重量%の範囲で用いる。
本発明において使用される顔料としては、具体的には、黒色のインクに使用されるものとしてカーボンブラックが挙げられるが、例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒子径が15〜40mμ、BET法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好ましく用いられる。このような特性を有する市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上三菱化成製)、RAVEN1255(以上コロンビア製)、REGAL400R、REGAL330R、REGAL660R、MOGUL L(以上キャボット製)、Color Black FWl、COLOR Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上デグッサ製)等があり、何れも好ましく使用することができる。
【0032】
又、イエローのインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 83等が挙げられ、マゼンタのインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122等が挙げられ、シアンのインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられるが、これらに限られるものではない。又、以上の他、本発明のために新たに製造された顔料も勿論使用することが可能である。
【0033】
又、顔料を使用する場合にインク中に含有させる分散剤としては、水溶性樹脂ならどのようなものでも使用することができるが、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更に好ましくは、3,000〜15,000の範囲のものが好ましく使用される。このような分散剤として、具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、インク全重量に対して0.1〜5重量%の範囲で含有させるのが好ましい。
【0034】
更に、顔料含有インクの場合には、インク全体が中性又はアルカリ性に調整されていることが好ましい。このようにすれば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させ、長期保存安定性に一層優れたインクとすることができるので好ましい。好ましくは7〜10のpH範囲とするのが望ましい。
【0035】
この際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。
【0036】
上記したような顔料及び分散剤は、水性媒体中に分散又は溶解される。この際、顔料を含有するインクに好適に使用される水性媒体としては、前述の液体組成物に使用される水性媒体を同様に用いることができる。又、水溶性有機溶剤のインク中の含有量の好適な範囲についても同様とする。又、インクの好適な物性範囲についても、前述の液体組成物の場合と全く同様である。
【0037】
又、インクの表面張力、低級アルコールの添加等についても、前記の染料を含有するインクの場合と同様である。但し、低級アルコールの添加については、顔料の分散液にこれらの溶剤を添加することによって、分散処理時における泡の発生が抑えられ、効率的に分散処理を行うことができる。
顔料を含有するインク中における水溶性有機溶剤の含有量は、一般的にはインク全量に対して3〜50重量%、好ましくは3〜40重量%の範囲であり、又、水の含有量はインク全量に対して10〜90重量%、好ましくは30〜80重量%の範囲である。
【0038】
インク中に含有させる顔料の分散剤がアニオン性化合物ではない場合には、インク中にはアニオン性化合物を更に添加する必要がある。本発明で好適に使用されるアニオン性化合物としては、顔料分散剤の項で説明したアルカリ可溶性樹脂等の高分子物質の他、低分子量のアニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0039】
低分子量のアニオン性界面活性剤の具体的な例としては、スルホコハク酸ドデシル二ナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二ナトリウム、カルボキシル化ポリオキシエチレンドデシルエーテルナトリウム塩、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
【0040】
以上のようなアニオン性化合物のインク中の好適な含有量としては、インク全量に対して0.05〜10重量%の範囲であり、更に好適には0.05〜5重量%である。
又、本発明で使用する顔料が含有されているインクは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を適宜に添加することができる。又、色材として上記顔料の他に水溶性染料等を適宜添加することもできる。
【0041】
この際にインク中に添加させる界面活性剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。その使用量はインク中に含有させる分散剤の種類により異なるが、インク全量に対して0.01〜5重量%程度とするのが望ましい。又、この際、インクの表面張力が30dyn/cm以上になるように界面活性剤の添加量を決定することが好ましい。即ち、インクの表面張力がこれよりも小さい値を示すと、本発明で使用されるインクジェット記録方式による記録においては、ノズル先端の濡れによる印字ヨレ(インク滴の着弾点のずれ)等好ましくない事態を引き起こしてしまうからである。
【0042】
上記したような顔料が含有されたインクの作成方法としては、始めに、分散剤としての水溶性樹脂及び水が少なくとも含有された水性媒体に顔料を添加し、撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得る。次に、この分散液にサイズ剤、及び、上記で挙げたような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して本発明で使用するインクとする。
【0043】
又、分散剤としてアルカリ可溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させるために塩基を添加することが必要である。この際、樹脂を溶解させるためのアミン或いは塩基の量としては、樹脂の酸価から計算によって求めたアミン或いは塩基の量の1倍以上を添加することが必要である。尚、アミン或いは塩基の量は以下の式によって求める。
アミン或いは塩基の量(g)
=(樹脂の酸価×アミン或いは塩基の分子量×樹脂量(g))/5,600
【0044】
更に、顔料を含む水溶液を分散処理する前にプレミキシングを30分間以上行うと分散効率がよい。このプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進するものである。
上記した顔料の分散処理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機なら、如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサンドミル等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミルが好ましく使用され、このようなものとしては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及びコボルミル(何れも商品名)等が挙げられる。
【0045】
本発明の記録方法に使用される被記録媒体としては、特に限定されるものではなく、従来から使用されている、コピー用紙、ボンド紙等のいわゆる普通紙が好適に使用される。勿論、インクジェット記録用に特別に作成されたコート紙やOHP用透明フィルムも好適に使用される。更に、一般の上質紙や光沢紙にも好適に使用することができる。
【0046】
次いで、本発明の記録方法に好ましく用いられる記録装置について説明する。本発明においては、記録ヘッドの液体組成物(インク)に記録信号を与え、発生した熱エネルギーにより液滴を吐出するインクジェット記録方式が好ましく用いられる。このような装置の主要部である記録ヘッドの構成を、図1、図2及び図3に示す。
【0047】
ヘッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミック、又はプラスチック板等と感熱記録に用いられる発熱抵抗体を有する発熱ヘッド15(図では薄膜ヘッドが示されているが、これに限定されるものではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1及び17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基板20よりなっている。
【0048】
記録インク21は吐出オリフィス22まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
ここで、アルミニウム電極17−1及び17−2に電気信号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、吐出オリフィス22よりインク小滴24となり、被記録媒体25に向かって飛翔する。
図3には図1に示したノズルを多数並べた記録ヘッドの概略図を示す。該記録ヘッドは多数の流路を有するガラス板等27と図1において説明したものと同様の発熱ヘッド28を密着して作られる。
尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での断面図である。
【0049】
図4に、該ヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。
図4において、61はワイピング部材としてのブレードで、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カレンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
【0050】
62は記録ヘッド65の吐出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。前記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61、及びインク吸収体63によってインク吐出口面に水分、塵等の除去が行われる。
【0051】
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載してその移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と慴動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(図示せず)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
51は被記録媒体を挿入するための給送部、52はモーター(図示せず)により駆動される送りローラーである。これらの構成によって記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ被記録媒体が給送され、記録が進行するにつれて、排出ローラー53を配した排出部へ排出される。
【0052】
上記構成において記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0053】
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は前記したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
前記の記録ヘッド65のホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりではなく、記録ヘッド65が記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0054】
図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ45の一例を示す図である。ここで40は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(図示せず)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44は廃インクを受容するインク吸収体である。
インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。
【0055】
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、前記の如きヘッドとインクカートリッジが別体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体となったものも好適に用いられる。
図6において、70は記録ユニットであって、この中にインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としては、例えば、ポリウレタンを用いることができる。72は記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。
【0056】
この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し着脱自在になっている。尚、本発明に使用する記録装置において、上記ではインクに熱エネルギーを作用させてインク液滴を吐出するインクジェット記録装置を例に挙げたが、そのほか圧電素子を使用するピエゾ方式のインクジェット記録装置でも同様に利用できる。
【0057】
本発明の記録方法を実施する場合には、例えば、前記図3に示した記録ヘッドを5つキャリッジ上に並べた記録装置を使用する。図7はその一例である。81、82、83、84はそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラック各色のインクを吐出するための記録ヘッドである。又、85は液体組成物を吐出するヘッドである。該ヘッドは前記した記録装置に配置され、記録信号に応じて、各色のインクを吐出する。又、液体組成物はそれに先立ち、少なくとも各色のインクが被記録媒体に付着する部分に予め付着させておく。
【0058】
図7では記録ヘッドを5つ使用した例を示したが、これに限定されるものではなく、図8に示したように1つの記録ヘッドでイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各インク、及び液体組成物を液流路を分けて行う場合も好ましい。
勿論、液体組成物とインクの記録順が、上記した順序と逆になるようなヘッドの配置をとってもよい。
【0059】
本発明で好適に使用されるインクジェット記録ヘッドの配置の具体的な構成例としては、図9〜11に示したような3種が挙げられる。
図9〜11において、Y、M、C及びBkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のインクを吐出するための記録ヘッドである。又、Sは液体組成物を吐出するための記録ヘッドである。各記録ヘッドは、図7で示したと同様にキャリッジ上に並べらる(構成例によって異なる)。各記録ヘッドは前記したような記録装置に配置され、記録信号に応じて、各色のインクを吐出する。又、液体組成物はそれに先立ち或いは後に、少なくとも各色のインクが被記録媒体に付着する領域に付着させる。尚、各記録ヘッドは矢印(1)の方向にキャリッジによって移動し、被記録材は矢印(2)方向に給紙ローラー等によって移動する。
【0060】
先ず、図9は第1の構成例を示しており、S、Bk、Y、M、C用の記録ヘッドが並列にキャリッジ上に配置されている。図10は第2の構成例を示しており、並列に配置された液体組成物及びブラックインク用の記録ヘッドと、これらの記録ヘッドとは並列に、且つ互いに直列に配置されたY、M、C用の記録ヘッドとからなっている。ここで、各記録ヘッドの1ドットあたりの吐出体積は、必ずしも同一である必要はなく、液体組成物の組成等により、記録適正が最適になるように、各記録ヘッドの1ドットあたりの吐出体積(Vd)を調整してもよい。好適には、S、Y、M、CのVdを同一にしてBkをその2倍とする構成がよいが、これに限定されない。
更に、図11に示した第3の構成例のものでは、吐出体積が同一のBk、S、Bk、Y、M、C用の記録ヘッドが並列にキャリッジ上に配置されており、ブラックインクの吐出量を、他の液体組成物及びカラーインクの吐出量の倍量とすることが出来る。尚、図11の構成例においても、S、Bk、Y、M、CのVdは必ずしも同一である必要はない。
【0061】
又、本発明においては、画像形成領域における液体組成物とインクの被記録媒体の単位面積当たりの付与量の比は、1:1であってもよいが、液体組成物:インク=1:10〜8:10としてもよい。このようにすれば、得られる画像のベタ均一性が達成される。尚、画像形成領域における被記録媒体上の単位面積当たりの液体組成物とインクの付与量の比の調整は、具体的には、例えば、被記録媒体上に付着させる液体組成物の画素数が、被記録媒体上に付着するインクの画素数の10〜80%の範囲となるように制御する、液体組成物とインクの付与を共にインクジェット記録方式で行い、その際に液体組成物の吐出量をインクの吐出量よりも小さくなるように制御する、或いはこれらを組み合わせて、被記録媒体上に付着させる液体組成物の画素数が被記録媒体上に付着するインクの画素数の10〜80%の範囲となるように制御し、且つ液体組成物とインクの被記録媒体上への付与を共にインクジェット記録方式によって行い、その際の液体組成物の吐出量をインクの吐出量よりも小さくする方法等によって行う。
【0062】
本発明では、液体組成物及びインクの付与を、共にインクジェット記録方式で行い、且つ記録密度の大きいヘッドを使用し、1ドット当りの吐出量を共に2〜25plの範囲と少なくする。このようにすれば、インクのフェザリングが抑制され、より精緻な文字品位の高い画像が得られる。
次に上述の如きインクジェット記録装置において前記液体組成物及びインクを被記録媒体上に付与する方法について説明する。
本発明の記録方法は、少なくともカチオン性ポリマーを含有する液体組成物を被記録媒体上に付与する過程(A)と、少なくともアニオン性物質を含有するインクを記録信号に従って吐出オリフィスから液滴として被記録媒体上に噴射し、付与する過程(B)の2つの過程を有する。
【0063】
過程(A)は、過程(B)により形成される記録画像の良好な文字品位と定着性の向上の両立を図り、更にブリーディング防止と画像の耐水性の向上の目的でなされるものであり、過程(A)を過程(B)に先立って行っても、過程(B)の後に過程(A)を行っても構わない。どちらの過程を先に行っても、液体組成物中のカチオン性ポリマーとインク中のアニオン性物質とが被記録媒体上で混合し凝集体を形成させるからである。又、画像濃度及び定着性の向上の観点からは、過程(B)の後に過程(A)を行い、更にそれに続いて過程(B)を行うことがより好ましい。
【0064】
過程(A)を過程(B)に先立って行う場合の液体組成物を被記録媒体に付着せしめてから、インクを付着させるまでの時間については特に制限されるものではないが、本発明をより一層効果的なものにするためには、数秒以内、特に好ましくは1秒以内である。これは、過程(A)を過程(B)の後に行う場合についても同様である。
【0065】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1及び2
液体組成物S−1及びS−2を調製した
【0067】
S−
・ポリアリルアミン(重量平均分子量Mw=600) 4.0重量%
・塩化ベンザルコニウム(三洋化成製 G−50) 0.5重量%
・グリセリン 7.0重量%
・ジエチレングリコール 5.0重量%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量%
・水 残部
【0070】
S−
・ポリアリルアミン(重量平均分子量Mw=1300) 4.0重量%
・塩化ベンザルコニウム(三洋化成製 G−50) 0.5重量%
・グリセリン 7.0重量%
・ジエチレングリコール 5.0重量%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量%
・水 残部
【0071】
次にBk、Y、M、Cとして以下の組成のカラーインクBk−1、Y−1、M−1、C−1を調製した。
Bk−1
・C.I.ダイレクトブラック168 2.5重量%
・C.I.ダイレクトブルー199 0.5重量%
・C.I.ダイレクトイエロー86 0.3重量%
・グリセリン 8.0重量%
・エチレングリコール 8.0重量%
・尿素 5.0重量%
・水 残部
【0072】
Y−1
・C.I.ダイレクトイエロー132 2.5重量%
・グリセリン 7.0重量%
・ジエチレングリコール 8.0重量%
・アセチレングリコール系界面活性剤 0.7重量%
(川研ファインケミカル製アセチレノールEH)
・水 残部
【0073】
M−1
・Acid Red 92 2.5重量%
・グリセリン 7.0重量%
・ジエチレングリコール 8.0重量%
・アセチレングリコール系界面活性剤 0.7重量%
(川研ファインケミカル製アセチレノールEH)
・水 残部
【0074】
C−1
・C.I.Direct Blue 199 3.0重量%
・グリセリン 7.0重量%
・ジエチレングリコール 8.0重量%
・アセチレングリコール系界面活性剤 0.7重量%
(川研ファインケミカル製アセチレノールEH)
・水 残部
【0075】
以上のように調製した液体組成物及びインクをヘッド構成例2で示されるのと全く同様の構成のヘッドで各インク及び液体組成物の吐出量が次のようになっているヘッドを使用して600dpiのカラー記録を行った。
・液体組成物 15pl/dot
・Bk−1 20pl/dot
・Y−1 15pl/dot
・M−1 15pl/dot
・C−1 15pl/dot
【0076】
尚、液体組成物の被記録媒体上の塗布位置は、インクが記録される位置と正確に重なるように電気的に調整した。又、画像を記録する被記録媒体は、キヤノン製PB用紙(複写機とインクジェット記録用の共用紙)を使用した。
評価項目、評価方法及び評価基準は以下の通りとした。
【0077】
(1)画像濃度
Bkベタ部の画像濃度をマクベスRD915で測定。
OD値1.35以上を◎、1.3以上1.35未満を○、1.2以上1.3未満を△、1.2未満を×とした。
(2)カラーブリード
イエローベタ背景中のブラックの抜き文字を印字し、そのブリードの状態を目視で評価した。評価結果は以下のように分類した。
◎:ブリードが全く認識できない。
○:ややブリードが起こっているが実用上問題ない。
△:ブリードが起こっており実用上問題有り。
×:実用上問題有り。
【0078】
(3)耐水性
Bk、Y、M、C、R、G、Bそれぞれのベタ印字後、1日後、水道水に3秒漬けた後乾燥させ初期OD値と試験後のOD値を比較して、残存OD率を求めた。
◎:残存OD値95%以上。
○:残存OD値85%以上95%未満。
△:残存OD値75%以上85%未満。
×:残存OD値75%未満。
【0079】
(4)液体組成物の吐出安定性(周波数応答性)
吐出周波数8kHzの時の1ドットあたりの吐出体積が、吐出周波数100Hzの時の1ドットあたりの吐出体積の何%になるかで評価した。
◎:90%以上。
○:80%以上90%未満。
△:70%以上80%未満。
×:70%未満。
(5)液体組成物のスタートアップ特性(発一性)
図12のようなドットラインを数行(10行)繰り返して印字した後、一定時間の休止を入れる。その後、再び同じパターンを印字しようとした後、正常な印字の行える最長の休止時間を測定し、スタートアップ特性の評価とした。測定環境は25℃、50%RHとした。
◎:最長休止時間 10秒以上。
○:最長休止時間 5秒以上10秒未満。
△:最長休止時間 3秒以上5秒未満。
×:最長休止時間 3秒未満。
【0080】
(6)液体組成物の耐固着性
記録ヘッドとインク収容部を結合した状態で記録ヘッドにキャッピングゴムによりキャッピングを施し、35℃で10%RHの環境下に2週間放置した後、25℃で50%RHの環境下に2時間放置した。
その状態で通常の吸引回復系を使用し、何回の吸引で印字が正常に戻るかを測定し、耐固着性の評価とした。
◎:2回以内で回復。
○:5回以内で回復。
△:10回以内で回復。
×:何回吸引しても不吐出ノズルがあり完全には正常な印字に戻らない。
【0081】
【表1】
Figure 0003825891
【0082】
実施例3及び4
液体組成物S−3及びS−を調製した
【0084】
S−
・ポリアリルアミン(重量平均分子量Mw=500) 4.0重量%
・塩化ベンザルコニウム(三洋化成製 G−50) 1.0重量%
・グリセリン 7.0重量%
・ジエチレングリコール 5.0重量%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量%
・水 残部
【0087】
S−
・ポリアリルアミン(重量平均分子量Mw=900) 4.0重量%
・塩化ベンザルコニウム(三洋化成製 G−50) 1.0重量%
・グリセリン 7.0重量%
・ジエチレングリコール 5.0重量%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量%
・水 残部
【0088】
インクは、下記Bk−2、Y−2、M−2、C−2を使用した。
Bk−2
・C.I.ダイレクトブラック168 2.5重量%
・C.I.ダイレクトブルー199 0.5重量%
・C.I.ダイレクトイエロー86 0.3重量%
・グリセリン 8.0重量%
・エチレングリコール 8.0重量%
・尿素 5.0重量%
・イソプロピルアルコール 4.0重量%
・水 残部
【0089】
Y−2
・C.I.ダイレクトイエロー132 2.5重量%
・グリセリン 7.0重量%
・ジエチレングリコール 8.0重量%
・アセチレングリコール系界面活性剤 0.1重量%
(川研ファインケミカル製アセチレノールEH)
・イソプロピルアルコール 2.5重量%
・水 残部
【0090】
M−2
・Acid Red 92 2.5重量%
・グリセリン 7.0重量%
・ジエチレングリコール 8.0重量%
・アセチレングリコール系界面活性剤 0.1重量%
(川研ファインケミカル製アセチレノールEH)
・イソプロピルアルコール 2.5重量%
・水 残部
【0091】
C−2
・C.I.DirectBlue199 3.0重量%
・グリセリン 7.0重量%
・ジエチレングリコール 8.0重量%
・アセチレングリコール系界面活性剤 0.1重量%
(川研ファインケミカル製アセチレノールEH)
・イソプロピルアルコール 2.5重量%
・水 残部
【0092】
ヘッド構成はヘッド構成例3と同じで各ヘッドの1ドットあたりの吐出量はそれぞれ下記の値を持つものを使用し、600dpiの印字を行った。
・液体組成物 7pl/dot
・Bk−2 15pl/dot
・Y−2 7pl/dot
・M−2 7pl/dot
・C−2 7pl/dot
画像評価項目、液体組成物の信頼性の評価項目及び各評価項目の評価方法は実施例1及び2と全く同様である。
【0093】
【表2】
Figure 0003825891
【0094】
【発明の効果】
以上実施例で具体的に説明したように、インクとは別の液体組成物をインクと共に使用する被記録媒体に対するカラーインクジェット記録、特に1ドットあたりの吐出体積が2pl〜25plの記録ヘッドを使用したカラーインクジェット記録において、高い画像濃度、高い画像均一性、カラーブリード抑制、高い耐水堅牢性が得られると同時に、上記インクとは別の液体組成物のそれを吐出する記録ヘッドに対する高い信頼性、即ち周波数が高い領域まで安定吐出が可能であり、又、周囲の環境が変化しても上記吐出安定性が保たれ、且つ耐固着性、耐久性等に優れたインクジェット記録方法及びこれを用いる液体組成物の提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェット記録装置のヘッドの縦断面図。
【図2】 インクジェット記録装置のヘッドの横断面図。
【図3】 図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図。
【図4】 インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
【図5】 インクカートリッジの縦断面図。
【図6】 記録ユニットの一例を示す斜視図。
【図7】 複数の記録ヘッドが配列した記録部を示した斜視図。
【図8】 本発明に使用する別の記録ヘッドの斜視図。
【図9】 記録ヘッドの第1の構成例。
【図10】 記録ヘッドの第2の構成例。
【図11】 記録ヘッドの第3の構成例。
【図12】 スタートアップ特性評価に用いた印字パターン。
【符号の説明】
13:ヘッド
14:インク溝
15:発熱ヘッド
16:保護膜
17−1、17−2:アルミニウム電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20:基板
21:インク
22:吐出オリフィス(微細孔)
23:メニスカス
24:インク小滴
25:被記録媒体
26:マルチ溝
27:ガラス板
28:発熱ヘッド
40:インク袋
42:栓
44:インク吸収体
45:インクカートリッジ
51:給紙部
52:紙送りローラー
53:排紙ローラー
61:ブレード
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
67:ガイド軸
68:モーター
69:ベルト
70:記録ユニット
71:ヘッド部
72:大気連通口
81:イエローインク記録ヘッド
82:マゼンタインク記録ヘッド
83:シアンインク記録ヘッド
84:ブラックインク記録ヘッド
85:液体組成物記録ヘッド

Claims (13)

  1. 着色インク及び該着色インク中の色材を凝集させる液体組成物を各々1ドットあたりの吐出体積が2〜25pl(ピコリットル)である記録ヘッドを用いて吐出せしめ、被記録媒体上で着色インク及び液体組成物を混合させるインクジェット記録方法において、上記液体組成物が、重量平均分子量400〜1,400の範囲にあるカチオン性水溶性ポリマーを2〜6重量%含有し、更に、トリエチレングリコールモノブチルエーテル或いはジエチレングリコールモノブチルエーテルを0.5〜3.0重量%含有し、且つ、炭素数8以上のアルキル基を有する第4級アミンである塩化ベンザルコニウムを含有していることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. カチオン性水溶性ポリマーが、ポリアリルアミンである請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 液体組成物が、更にグリセリンを含有する請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 液体組成物のpHが、3〜11の範囲である請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 液体組成物が、水性である請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 着色インクが、水性インクである請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 着色インクが、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクの中から選ばれる複数のインクを併用する請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 着色インクが、アニオン性基を有する染料を含む水性インクである請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 着色インクが、アニオン性化合物と顔料とを含む水性インクである請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 液体組成物の吐出を着色インクの吐出に先立って行う請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 液体組成物の吐出を着色インクの吐出の後に行う請求項1〜1の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 着色インクの吐出、液体組成物の吐出、更に着色インクの吐出を順次行う請求項1〜1の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  13. 記録ヘッドが、液体組成物及び着色インクに熱エネルギーを付与してこれらを吐出させる請求項1〜1の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
JP21973797A 1996-08-02 1997-08-01 インクジェット記録方法 Expired - Fee Related JP3825891B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21973797A JP3825891B2 (ja) 1996-08-02 1997-08-01 インクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21912296 1996-08-02
JP8-219122 1996-08-02
JP21973797A JP3825891B2 (ja) 1996-08-02 1997-08-01 インクジェット記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1095107A JPH1095107A (ja) 1998-04-14
JP3825891B2 true JP3825891B2 (ja) 2006-09-27

Family

ID=26522932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21973797A Expired - Fee Related JP3825891B2 (ja) 1996-08-02 1997-08-01 インクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3825891B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10245847B2 (en) 2016-09-29 2019-04-02 Seiko Epson Corporation Reaction solution and ink jet recording method

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6474803B1 (en) * 1998-03-03 2002-11-05 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink set, ink cartridge, recording unit, image recording method and image recording apparatus
US6412936B1 (en) * 1998-03-03 2002-07-02 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink set, ink cartridge, recording unit, image recording process and image recording apparatus
US6398355B1 (en) * 1998-03-03 2002-06-04 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink set, ink cartridge, recording unit, image recording method and image recording apparatus
JP2000273376A (ja) * 1999-03-23 2000-10-03 Konica Corp インクジェット用記録液及びインクジェット記録方法
US6752494B2 (en) 2001-02-27 2004-06-22 Canon Kabushiki Kaisha Ink-jet recording apparatus and ink-jet recording process
EP2305484A1 (en) * 2003-02-17 2011-04-06 Seiko Epson Corporation Liquid composition for ink-jet printing
JP4508706B2 (ja) * 2004-04-09 2010-07-21 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法
JP2009267206A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Konica Minolta Holdings Inc 配線パターン形成方法
JP6872308B2 (ja) 2015-04-14 2021-05-19 セイコーエプソン株式会社 記録方法及び記録装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10245847B2 (en) 2016-09-29 2019-04-02 Seiko Epson Corporation Reaction solution and ink jet recording method

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1095107A (ja) 1998-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100221509B1 (ko) 액체 조성물 및 잉크를 병용하는 잉크 제트 기록 방법
US5985975A (en) Liquid composition, ink set and method and apparatus for image by using the composition and ink set
JP3618825B2 (ja) 液体組成物、インクセット、画像形成方法、画像形成装置及びブリーディングの低減方法
US5549740A (en) Liquid composition, ink set and image forming method and apparatus using the composition and ink set
US5624484A (en) Liquid composition and ink set, and image-forming process and apparatus using the same
JPH06106735A (ja) 液滴噴射記録方法および記録装置
JPH0872393A (ja) 液体組成物、インクセット、及びこれらを用いた画像形成方法と装置
JP3624014B2 (ja) 液体組成物、インクセット及びこれを用いた画像形成方法と画像形成装置
JP3689444B2 (ja) 液体組成物、インクセット及びこれを用いた画像形成方法と装置
JPH0820720A (ja) 液体組成物、インクセット及びこれを用いた画像形成方法
JP3825891B2 (ja) インクジェット記録方法
JPH08142500A (ja) 画像形成方法
JP3461202B2 (ja) 液体組成物、インクセット及びインクジェット記録方法
JP4136814B2 (ja) インクセット及びインクジェット記録方法
JPH0692009A (ja) インクジェット記録方法
JPH09188062A (ja) 画像形成方法
JPH11217529A (ja) インク及びこれを用いるインクジェット記録方法
JPH0880664A (ja) 液体組成物、インクセット、及びこれらを用いた画像形成方法と装置
JPH0820159A (ja) 液体組成物、インクセット及びこれを用いた画像形成方法
JP3406917B2 (ja) インクジェット記録方法、インクジェット記録装置およびブリーディングの軽減方法
US7226157B2 (en) Ink-jet recording process
JP3817388B2 (ja) インクジェット記録用インクセット、印刷方法、およびインクジェット記録用淡インク
JPH08216498A (ja) 画像形成方法、これを用いた画像形成装置及び画像形成物
JPH08267903A (ja) インクジェット記録方法を適用した画像形成方法
JP3576582B2 (ja) インクセット、インクジェット記録方法、ブリード低減方法及びインクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040615

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040816

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050930

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20051215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060425

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060703

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130707

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees