JPH09272199A - インクジェットプリント方法およびインクジェットプリント装置 - Google Patents

インクジェットプリント方法およびインクジェットプリント装置

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JPH09272199A
JPH09272199A JP8434096A JP8434096A JPH09272199A JP H09272199 A JPH09272199 A JP H09272199A JP 8434096 A JP8434096 A JP 8434096A JP 8434096 A JP8434096 A JP 8434096A JP H09272199 A JPH09272199 A JP H09272199A
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JP
Japan
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ink
liquid
pigment
inkjet printing
printing method
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Pending
Application number
JP8434096A
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English (en)
Inventor
Shinichi Sato
真一 佐藤
Mikifumi Ogasawara
幹史 小笠原
Katsuhiko Takahashi
勝彦 高橋
Shinya Mishina
伸也 三品
Eriko Saitou
絵里子 齋藤
Yutaka Kurabayashi
豊 倉林
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染料や顔料の発色性を十分に発揮した高画
質、高耐水性の画像を与えるインクジェットプリント方
法等を提供する。 【解決手段】 インクジェットプリント方法は、色材と
しての水溶性染料または顔料を溶解または分散した液体
組成物を含むインクを被プリント材上にインクジェット
プリント方式で付与する工程(A)と、前記インクを付
与すべき画像形成領域に前記インク中の色材を不溶化ま
たは凝集させる処理液を付与する工程(B)とを含む。
インク付与時には前記被プリント材107をヒータ10
9および又はファン111により加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被プリント材上に
高速で高品位の画像を得ることができるインクジェット
プリント装置およびインクジェットプリント方法に関す
る。
【0002】本発明は、紙、布、革、不織布、OHP用
紙等、さらには金属等の被プリント材を用いる機器すべ
てに適用でき、具体的な適用機器としては、プリンタ、
複写機、ファクシミリ等の事務機器等を挙げることがで
きる。
【0003】
【従来の技術】従来、インクジェットプリント方法は、
低騒音、低ランニングコスト、装置が小型化しやすい、
カラー化が容易、等からプリンタや複写機等に利用され
ている。
【0004】しかしながら、インクジェットプリント方
法を応用した装置により、所謂普通紙と呼ばれる被プリ
ント材上に画像を得る場合、画像の耐水性が不十分であ
ったり、また、カラー画像を得る場合には、フェザリン
グの生じない高濃度の画像と色間のにじみの生じない画
像とを両立させることができず、良好な画像堅牢性でか
つ良好な品位のカラー画像が得られていなかった。
【0005】画像の耐水性を向上させる方法としてイン
ク中に含まれる色材に耐水性を持たせたインクも近年で
は実用化されてきている。しかしながらその耐水性は未
だ不十分であるとともに、原理的に乾燥後、水に溶解し
にくいインクであるために、プリントヘッドのノズル詰
まりが生じやすく、これを防止するために装置構成が複
雑になってしまう欠点があった。
【0006】また、印字物の品位は発色性の点で写真と
比較すると今一つである。
【0007】また、従来よりプリント物の堅牢性を向上
させる技術が多数開示されている。例えば、特開昭53
−24486号では染色物の湿潤堅牢度を増進させるた
めに、染色物を後処理することで染料をレーキ化し固着
させる技術が開示されている。
【0008】特開昭54−43733号では、インクジ
ェットプリント方式を用いて、相互に接触すると常温ま
たは加熱時に被膜形成能が増大する2以上の成分を用い
て記録する方法が開示されており、被プリント材上で各
成分が接触することで強固に密着した被膜を形成した印
刷物を得ている。
【0009】特開昭55−150396号でも水性染料
インクをインクジェットプリントした後に、染料とレー
キを形成する耐水化剤を付与する方法が開示されてい
る。
【0010】特開昭58−128862号では記録すべ
き画像位置をあらかじめ識別し、記録インクと処理液と
を重ねて記録するインクジェット記録方法が開示されて
おり、記録インクに先立って処理液で描いたり、先に描
かれた記録インク上に処理液を重ねたり、先に描かれた
処理液上に記録インクを重ね、さらに処理液を重ねて描
いたりする方法が開示されている。
【0011】また、特開昭55−69464号、特開昭
55−84670号には、プラテン部分を加熱すること
によってインクの被プリント材への定着を促進するとい
った記録装置が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記処
理液を使用する方法では、あらゆる被プリント材につい
て、染料や顔料が持つ発色性を完全に発揮しているとは
まだ言えない。また、インクジェットプリント装置のノ
ズル数が現状よりも非常に増加した場合、様々な媒体に
対応できる完全な定着性と良好な印字品位を両立できる
物とは言えない。
【0013】さらに、インクの被プリント材への定着促
進のための加熱手段を伴うプリント装置に関しては、そ
の目的は単なる水分の蒸発による定着性の改良にある。
【0014】そこで、本発明の目的は種々の被プリント
材上において、染料や顔料の発色性を十分に発揮した高
画質、高耐水性の画像を与える記録装置を提供すること
にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の本
発明によって達成される。
【0016】すなわち、色材としての水溶性染料または
顔料を溶解または分散した液体組成物を含むインクを被
プリント材上にインクジェットプリント方式で付与する
工程(A)と、前記インクを付与すべき画像形成領域に
前記インク中の色材を不溶化または凝集させる物質を含
む液体を付与する工程(B)とを含むインクジェットプ
リント方法であって、前記インク付与時に前記被プリン
ト材を加熱するインクジェットプリント方法、前記工程
(A)を前記工程(B)に先立って行うインクジェット
プリント方法、前記工程(B)を前記工程(A)に先立
って行うインクジェットプリント方法、前記液体は前記
インクと逆の極性を有するインクジェットプリント方
法、前記液体は低分子のカチオン性物質と高分子のカチ
オン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料を含む
インクジェットプリント方法、前記液体は低分子のカチ
オン性物質と高分子のカチオン性物質を含み、前記イン
クは少なくともアニオン性化合物と顔料とを含むインク
ジェットプリント方法、前記工程(B)における前記液
体の前記被プリント材上への付与はスプレーまたはロー
ルコートによる塗布により行うインクジェットプリント
方法、前記工程(B)における前記液体の前記被プリン
ト材上への付与はインクジェットプリント方式で行うイ
ンクジェットプリント方法、インクと、該インクの色材
を不溶化または凝集させる液体を含む液体とを被プリン
ト材に付与する手段と、前記インクの前記被プリント材
上への付与に際し、該被プリント材を加熱する手段とを
含むインクジェットプリント装置、前記付与手段は前記
液体および前記インクの吐出に利用されるエネルギを発
生する吐出エネルギ発生素子であるインクジェットプリ
ント装置、前記吐出エネルギ発生素子は、前記液体およ
び前記インクに吐出のために与える熱エネルギを発生す
る熱エネルギ発生体であるインクジェットプリント装
置。
【0017】本発明によれば、種々の被プリント材上に
高品質かつ耐水性に優れた画像を得ることが可能とな
る。
【0018】その理由については、以下のように推測さ
れる。
【0019】本発明における処理液の役割は、色記録用
のインクと、それと逆の極性を持つ処理液との反応によ
り、色材を紙上にとどめ、高発色性を得るという物であ
る。
【0020】しかしながら、加熱方法を使用しない場
合、一部の紙の断面を観察してみると未反応と思われる
色材が紙中に浸透しているのが観察された。
【0021】これは、おそらく色材と処理液との反応が
被プリント材によっては液体の浸透速度に追いつかない
場合があり、今一つ効果が発揮されていないのではない
かと推測できる。
【0022】この問題は、処理液中の機能化合物を増量
することにより改良できることもあるが、処理液の粘度
が大きくなり、吐出口が目詰まりして吐出特性が低下す
るなど、プリンタの信頼性の点からは必ずしも最適な手
段であるとも言えない。
【0023】そこで、記録時に被プリント材を加熱する
と上記の問題は全て解決した。
【0024】これは、被プリント材の温度が上昇するこ
とによって、液体同士の反応速度が増大することによっ
て処理液中の機能物質が少量であっても十分反応を完了
させることが可能となることによると推測される。
【0025】さらにインク中の水分を蒸発させる作用と
の相乗作用によって、加熱させない場合より、色材が記
録媒体のさらに上層部で定着するので、加熱のみ、処理
液のみの場合よりも高画質な記録が可能になると考えら
れる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェットプリント
方法における処理液および記録インクの被プリント材へ
の付与方法について説明する。
【0027】本発明のインクジェットプリント方法は、
被プリント材上の記録インクからなる画像形成領域に対
し処理液を付着させる工程(A)と、色材として、水溶
性染料や顔料を溶解または分散した液体組成物を含むイ
ンクを被プリント材上にインクジェットプリント方式に
よって付与する工程(B)とを含むことを特徴とする。
【0028】この場合、工程の順序は、工程(A)の後
に工程(B)を行っても、また工程(B)の後に工程
(A)を行っても問題はない。
【0029】さらに、記録インクの1画素の記録を、複
数のノズル列に分けて、行っても構わない。この場合に
は、まず工程(B)を行った後に工程(A)を行い、さ
らにその後に工程(B)を行うといった画像形成方法な
どが例として挙げられる。
【0030】処理液の被プリント材への付与方法として
は、スプレー、ロールコートによる塗布で行う方法や、
処理液用の記録ヘッドを記録インク用の記録ヘッドとは
別に用意し、インクジェット記録方式で処理液を付与す
る方法等が挙げられる。
【0031】本発明においては1画素当たりの処理液の
付与量は、画像記録用インクの単位面積当たりの付与量
より少ないことが好ましく、画像記録用インクの付与量
に対し、13%〜90%であることが好ましく、25%
〜75%であることがさらに好ましい。
【0032】上述したように1画素当たりの処理液の付
与量や処理液を付与する画素数を減らすことによって、
十分な効果を保ったまま、処理液の消費、被プリント材
への過度のインクの付着を抑制するという点で好まし
い。
【0033】本発明で使用される処理液は、 1.記録画像の耐水性を向上させる機能、 2.記録画像の印字品位を向上させる機能、さらに、カ
ラー記録においては 3.記録画像の異なる色間の異色境界にじみを低減させ
る機能 を持つものであれば制限はなく使用可能であるが、画像
を記録するインク中の色材の極性と異なる極性を持つ化
合物が好適である。
【0034】まず、インク中の色材がアニオン性の場合
について述べる。
【0035】処理液中のカチオン性物質は、分子中にカ
チオン性基を持つものであれば、特に制限はないが、そ
の中でも分子中に一つのカチオン性基を持つ化合物より
は複数のカチオン性基を持つ化合物が好ましい。それら
を併用すると特に効果が大きい場合がある。
【0036】分子中に一つのカチオン性基を持つ化合物
としては、1級、2級または3級アミンの塩の化合物、
具体的にはラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリルア
ミン、ロジンアミン等の塩酸塩;第4級アンモニウム型
の化合物、具体的には、セチルトリメチルアンモニウム
クロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化
ベンザルコニウム等;あるpH領域においてカチオン性
を示す両性界面活性剤、具体的にはアモノ酸型両性界面
活性剤、ベタイン型化合物等を等電点以下に調整したも
のが挙げられるが、もちろんこれらに限定されるもので
はない。
【0037】そして、これらの化合物の中でも特に第4
級アンモニウム型化合物が好適である。
【0038】複数のカチオン性基を有する化合物として
は、分子中にアミノ基を複数個有する化合物が好適であ
る。具体的な化合物としては、まずカチオン性のオリゴ
マー、ポリマーが挙げられる。具体的なモノマーユニッ
トとしては、ビニルアミン、アリルアミン、ビニルピリ
ジン、ビニルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノア
クリルアミド、エチレンイミン、2−オキサザオリン等
が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものでは
ない。
【0039】また、上記カチオン性のモノマーユニット
の単独重合体だけでなく、非イオン性モノマーユニット
との共重合体、非イオン性オリゴマー、ポリマーの一部
を高分子化したものでも使用可能である。
【0040】そして、これらの化合物の中でも特にエチ
レンイミンをユニットとしたオリゴマー、アリルアミン
をユニットとしたオリゴマーまたは、ポリマーが好適で
ある。
【0041】これらのカチオン性化合物は処理液中に1
〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲で用い
る。
【0042】本発明における画像を記録するインク中の
アニオン性に色材としては水溶性染料やアニオン分散型
の顔料が挙げられる。
【0043】本発明で使用されるインクには、さらに上
記色材に加え、水、水溶性有機溶媒、およびその他の成
分、例えば粘度調整剤、pH調整剤、防かび剤、中性、
アニオン性の界面活性剤、酸化防止剤等を必要に応じて
含めることができる。
【0044】本発明で使用されるアニオン性基を有する
水溶性染料としては、カラーインデクス(COLOUR INDEX)
に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性
染料であれば特に限定はない。また、カラーインデック
スに記載のない染料であっても、アニオン性基、例えば
スルホン基およびカルボキシル基等を有するものであれ
ば特に制限はない。ここでいう水溶性染料の中には、溶
解度のpH依存性があるものも当然に含まれる。これら
の染料はインク中に1〜10重量%、好ましくは1〜5
重量%の範囲で用いる。
【0045】次に、インク中の顔料について説明する。
本発明でインクの色材に用いられる顔料は、インク全重
量に対して、重量比で1〜20重量%、好ましくは2〜
12重量%の範囲で用いられる。本発明で使用される顔
料の具体的な例としては、黒色のインクに使用されるも
のとしてはカーボンブラックが挙げられるが、例えば。
ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラッ
クであって、一次粒子径が15〜40μm、BET法に
よる比表面積が50〜300m2 /g、DBP吸油量が
40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10
%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好ましく用
いられる。このような特性を有する市販品としては、例
えば、No.2300、No.900、MCF88、N
o.33、No.40、No.45、No.52、MA
7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成製)、
RAVEN 1255(以上、コロンビア製)、REG
AL400R、REGAL330R、REGAL660
R、MOGUL L(以上、キャボット製)、Colo
r Black FW1、COLOR BlackFW
18、Color Black S170、Color
Black S150、Printex 35、Pr
intex U(以上、デグッサ製)等があり、いずれ
も好ましく使用することができる。
【0046】また、イエローインクに使用される顔料と
しては、例えば、C.I.Pigment Yello
w 1、C.I.Pigment Yellow 2、
C.I.Pigment Yellow 3、C.I.
Pigment Yellow 13、C.I.Pig
ment Yellow 16,C.I.Pigmen
t Yellow 83等が挙げられ、マゼンタインク
に使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigm
ent Red 5、C.I.PigmentRed
7、C.I.Pigment Red 12、C.I.
Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pi
gment Red 48(Mn)、C.I.Pigm
ent Red 57(Ca)、C.I.Pigmen
t Red 112、C.I.Pigment Red
122等が挙げられ、シアンインクに使用される顔料
としては、例えば、C.I.Pigment Blue
1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.
Pigment Blue 3、C.I.Pigmen
t Blue 15:3、C.I.Pigment B
lue 16、C.I.Pigment Blue 2
2、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat
Blue 6等が挙げられるが、これらに限られるもの
ではない。また、以上の他、本発明のために新たに製造
された顔料も勿論使用することが可能である。
【0047】また、上記したような顔料をインク中に分
散させるためにインク中に含有させる分散剤としては、
水溶性樹脂ならどのようなものでも使用することができ
るが、重量平均分子量が1,000〜30,000の範
囲のものが好ましく、さらに好ましくは、3,000〜
15,000の範囲のものが好ましく使用される。この
ような分散剤として、具体的には、スチレン、スチレン
誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコー
ルエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイ
ン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導
体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニ
ルピロリドン、アクリルアミド、およびその誘導体等か
ら選ばれた少なくとも2つ以上の単量体(このうち少な
くとも1つは親水性単量体)からなるブロック共重合
体、あるいはランダム共重合体、グラフト共重合体、ま
たはこれらの塩等が挙げられる。あるいは、ロジン、シ
ェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用するこ
とができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液
に可溶なアルカリ可溶型樹脂である。なお、上記したこ
れらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂のインク
全重量に対する含有量としては、0.1〜5重量%の範
囲とするのが好ましい。
【0048】また、顔料が含有されているインクの場合
には、インク全体が中性またはアルカリ性に調整されて
いることが好ましい。すなわち、このようなものとすれ
ば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を
向上させ、長期保存性に一層優れたインクとすることが
できる。ただし、この場合、アルカリ性が強過ぎるとイ
ンクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食
の原因となる場合がある。従って、好ましくは、インク
のpHを7〜10のpH範囲とする。
【0049】この際に使用されるpH調整剤としては、
例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等
の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無
機アルカリ剤、各種有機酸や鉱酸等が挙げられる。上記
した顔料および分散剤である水溶性樹脂は、インクをこ
のようなpHに調整することによって水性液媒体中に十
分に分散または溶解されて、インクが形成される。
【0050】次に、色材がカチオン性の場合について述
べる。
【0051】処理液中のカチオン性物質は、分子中にア
ニオン性基を持つものであれば、特に制限はないが、そ
の中でも分子中に一つのアニオン性基を持つ化合物より
は複数のアニオン性基を持つ化合物が好ましい。それら
を併用すると特に効果が大きい場合がある。
【0052】分子中に1つのアニオン性基を持つ化合物
としては、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スル
ホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールア
ミドエステル二ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキ
ルスルホコハク酸二ナトリウム、カルボキシル化ポリオ
キシエチレンラウリルエーテルナトリウム塩、カルボキ
シル化ポリオキシエチレンラウリルエーテルナトリウム
塩、カルボキシル化ポリオキシエチレントリデシルエー
テルナトリウム塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウ
ム、アルキル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられる
が、これらに限定されるわけではない。
【0053】複数のアニオン性基を持つ化合物としては
アニオン性のオリゴマー、ポリマーが挙げられる。
【0054】本発明に使用されるアニオン性オリゴマ
ー、ポリマーを形成するためのモノマーユニットとして
は、スチレン誘導性、ビニルナフタレン誘導体、α,β
−エチレン性不飽和カルボン酸、アクリル酸、アクリル
酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン
酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体
等の単量体が挙げられる。
【0055】上記単量体のうち1つまたはそれ以上の単
量体から成るアニオン性オリゴマーの例であるが、これ
らに限定されない。
【0056】さらに、本発明で使用することのできるア
ニオン性オリゴマーは、ノニオン性のペンダント基を有
するモノマーユニットとの共重合体であっても構わな
い。
【0057】次に、本発明で使用するカチオン性基を含
有する水溶性染料としては、例えば、下記に挙げるもの
があるが、これらに限定されるわけではない。
【0058】C.I.ベーシックブラック 2、8 Aizen Cathilon Black SBH、
BXH、SH、ACH、MH、TH(保土ケ谷化学製) Sumiacryl Black B、R、AP、B
P、CP、FFP(住友化学製) Diacryl Supra Black GSL、R
SL、ESL(三菱化学製) C.I.ベーシックイエロー 1、11、13、19、
25、33、36 C.I.ベーシックレッド 1、2、9、12、13、
38、39、92 C.I.ベーシックブルー 1、3、5、9、19、2
4、25、26、28、45、54、65 次に、カチオン性の顔料について述べる。
【0059】本発明で使用されるカチオン性の顔料分散
剤としては、下記に説明するカチオン性モノマーを重合
したポリマーが好適に使用できる。本発明で用いられる
カチオン性モノマーとしては、下記モノマーの4級化さ
れた化合物である。
【0060】N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、CH2 =C(CH3 )−CONH−CH2 CH2
N(CH32 N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、CH2
CH−CONH−CH2 CH2 N(CH32 : N,N−ジメチルアミノアクリルアミド、CH2 =CH
−CON(CH32 N,N−ジメチルアミノメタアクリルアミド、CH2
C(CH3 )−CON(CH32 N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、CH
2 =CH−CONH−C36 N(CH32 N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、C
2 =C(CH3 )−CONH−C36 N(CH3
2 などである。4級化するには、塩化メチル、ジメチル硫
酸、ベンジルクロライド、エピクロルヒドリン等を用い
て常法で行えばよい。本発明の水溶性樹脂に用いられる
疎水性モノマーとしてはスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエンなどのスチレン類、および(メタ)
アクリル酸アルキルエステル類である。(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルとしてはメチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n
−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メ
タ)アクリレート、tert−ブメチル(メタ)アクリ
レート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルブチル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル
(メタ)アクリレート、1,3−ジメチルブチル(メ
タ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、3
−ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)
アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、2−エト
キシエチルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリ
レート、2−エトキシブチルアクリレート、3−エトキ
シブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、ハーフエステル化に用いられるアルコール成分と
しては、メタノール、エタノール、プロパノール、任意
に用いられるモノマーとしては、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミド等が挙げられる。
【0061】カチオン性モノマーと疎水性モノマーの共
重合体の中の重量比率は、15対85から40対60の
範囲である。
【0062】これらの樹脂は、水に可溶あるいは酸性に
調製された水溶液に可溶である。なお、前記水溶性樹脂
はインク全量に対して0.1から5重量%の範囲で含有
されることが好ましい。
【0063】本発明で使用するインクに含有される顔料
の量は重量比で1〜20重量%、好ましくは、2〜12
重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0064】本発明で使用する顔料は上記性能を満足す
るものならばどのようなものでも使用可能である。顔料
は前述したものであれば使用することが可能である。
【0065】また、本発明におけるpH調整剤として
は、水溶液中で酸性を示すものならどんなものでもよい
が、例えば、塩酸、酢酸およびカルボキシル基を有する
化合物、炭酸、硫酸およびスルホン基を有する化合物、
硝酸、リン酸化合物、亜硫酸、亜硝酸等が挙げられる。
水溶液中で酸性を示すものならば、これらに限定される
ものではない。
【0066】以上のごとき、顔料および水溶性樹脂は水
溶性媒体中に分散または溶解される。
【0067】次に、図面を参照して本発明のインクジェ
ットプリント装置を説明する。
【0068】図1は、本発明のインクジェットプリント
装置の一実施態様例を示す概略斜視図である。
【0069】図1はマルチヘッドで紙面上を印字してい
く際のプリンタ部の構成を示したものである。この図に
おいて、101はインクカートリッジである。これら
は、4色のカラーインク、ブラック、シアン、マゼン
タ、イエローがそれぞれ詰め込まれたインクタンクと、
102のマルチヘッドより構成されている。このマルチ
ヘッドの分解図とマルチヘッド上に配列するインク吐出
孔およびz方向からの外観を示したものが図2(a)お
よび(b)であり、221はマルチヘッド102上に配
列するインク吐出孔である。マルチヘッド102は図2
(b)に示すようにインクタンクから供給されるインク
を受けるインク供給口211を有する天板21と、この
天板21の下部に形成されたインク流路となる複数の溝
に対応する位置に形成されたヒータ231を有するヒー
タボード23とから概略構成されている。天板21の一
端部にはオリフィスプレートとしてのフェイス面222
が取り付けられている。このフェイス面には上記インク
吐出孔221が上記天板21の溝の溝部に対応する位置
に形成されている。本図ではインク吐出孔221が図1
のY軸に沿って平行に配列されているが、例えば図1の
XY平面上多少の傾きを持っていても良い。この場合に
は、ヘッドが進行方向Xに進んで行くのに対し、各ノズ
ルはそれぞれタイミングをずらしながら印字を行ってい
くことになる。再び図1に戻る。103は紙送りローラ
で104の補助ローラとともに印字紙107を抑えなが
ら図1中の→の方向に回転し、印字紙107をy方向に
随時送っていく。また105は給紙ローラであり印字紙
の給紙を行うとともに、103,104と同様、印字紙
107を抑える役割も果たす。106は4つのインクカ
ートリッジを支持し、印字とともにこれらを移動させる
キャリッジである。これは印字を行っていないとき、あ
るいはマルチヘッドの回復作業などを行うときには図1
の点線で示した位置のホームポジション(h)に待機す
るようになっている。
【0070】印字開始前、hの位置(ホームポジショ
ン)にあるキャリッジ106は、印字開始命令がくる
と、x方向に移動しながら、マルチヘッド102上のn
個のマルチノズル221により、紙面上に幅Dだけの印
字を行う。紙面端部までデータの印字が終了するとキャ
リッジ106は元のホームポジション(h)に戻り、再
びx方向への印字を行う。往復印字であれば、−x方向
に移動しながら印字を行う。この最初の印字が終了して
から2回目の印字が始まる前までに、紙送りローラ10
3が矢印方向への回転することにより幅Dだけのy方向
への紙送りを行う。このようにしてキャリッジ1スキャ
ンごとにマルチヘッド幅Dだけの印字と紙送りを行う繰
り返しにより、一紙面上のデータ印字が完成する。
【0071】図3は図1に示したインクジェットプリン
ト装置におけるマルチヘッドをX方向から見た側面図で
ある。
【0072】図3において109はマルチヘッド102
による印字紙107上への記録領域の近傍に配され、記
録領域に対する加熱を行うヒータである。特に、このヒ
ータ109は印字紙107の搬送方向(Y方向)の下流
側に配されている。なお、110は搬送中の印字紙10
7の平面性を維持するためのプラテンである。
【0073】図4は、図3に示した加熱ヒータとは別の
タイプの加熱手段を備えたインクジェットプリント装置
におけるマルチヘッドをX方向から視た側面図である。
【0074】図4において111は加熱ヒータ109に
より発生した熱エネルギをマルチヘッド102による記
録領域に対し効率よく付与するための送風ファンであ
る。このファン111は図4においては印字紙107か
らヒータ109への延長線上に配置しているが、ファン
の位置はこれに限らず、プリント装置の他の構成要素と
の関係を考慮して最適な位置に配置することができる。
【0075】図5は図1に示したインクジェットプリン
ト装置に装着可能なマルチヘッドのユニット構成を示す
正面図である。
【0076】マルチヘッドのユニット構成は、図5に示
すように、処理液チップ101SとKチップ101Kと
Cチップ101CとMチップ101MとYチップ101
Yとからなっている。
【0077】各チップにおけるノズル数は64であり、
各チップのノズル列はマルチヘッド101がキャリッジ
106上に搭載されたときに、図1のX方向に対しほぼ
直交するように配置されている。各ノズルのピッチは約
70μmであり、360dpiの解像度で一度の主走査
(X方向)で64ノズル分のバンドを記録できる。吐出
量はそれぞれ処理液チップ101Sで40pl(ピロリ
ットル)、Kチップ101Kで80pl、Cチップ10
1Cで40pl、Mチップ101Mで40pl、Yチッ
プ101Yで40plである。
【0078】
【実施例】
(実施例1)図1に示したインクジェットプリント装置
および図5に示したマルチヘッドを使用して、イエロー
(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック
(K)の4色および処理液とによって、カラー記録を行
った。
【0079】使用したインクおよび処理液は次の通りで
ある。
【0080】 Kインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% C.I.フードブラック2 3.0重量% 水 78.0重量% Yインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% C.I.ダイレクトイエロー142 2.0重量% 水 79.0重量% Mインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% C.I.アシッドレッド289 2.5重量% 水 78.5重量% Cインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% C.I.ダイレクトブルー199 2.5重量% 水 78.5重量% 処理液 ポリアリルアミン酢酸塩 5.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% 水 85.0重量% なお、ポリアリルアミンについては、機能材料Vol.
5,29(1986)に記載の方法によって、合成を行
った。
【0081】評価項目を以下に示す。被プリント材とし
ては、市販のコピー用紙、ボンド紙、再生紙を使用し
た。
【0082】(1)文字品位 英数文字を印字し、室内で12時間自然乾燥させた後の
印字品位を評価した。
【0083】 ◎:すべての紙でフェザリングがほとんどない ○:一部の紙でフェザリングがややあるが、実用上には
問題ない △:一部の紙でフェザリングが目立ち、実用上問題ある ×:フェザリングが目立ち、実用上問題がある (2)定着性 整数文字およびベタ部を記録し、別の白紙をその自重で
記録画像の上に重ね、紙の裏側に記録した画像の転写が
なくなり地汚れが発生しなくなるまでの時間を、記録の
終了時を時間ゼロとして、これを基準に測定し、定着性
の尺度とした。評価は以下の基準とした。
【0084】 ○:全ての紙で定着性5秒未満 △:一部に紙で定着性10秒以上のものがある ×:ほとんどの紙で定着性20秒以上で、問題がある (3)耐水性 各色のインクのベタ画像および英数文字を印字し、1時
間放置した後、水温20℃の水道水中へ10秒間浸漬し
た。その後、水中から取り出してそのまま風乾し、目視
にて耐水性を評価した。評価基準は ◎:余白部への記録インクの流れ出しがなく、地汚れが
ほとんどみられない。また、英数文字のにじみもほとん
ど発生していない ○:余白部への記録インクの流れ出し、地汚れがほとん
どみられない。また、英数文字のにじみが若干発生して
いるが、実用上問題ないレベルである ×:余白部への記録インクの流れ出し、地汚れがほとん
どみられない。また、整数文字のにじみが発生し、実用
上問題がある (4)発色性 ベタ画像、写真調の画像を印字し、室内で12時間自然
乾燥させた後の色調を目視で評価した。
【0085】 ○:全ての紙で非常に鮮やかである △:紙によっては若干だか○と比較すると見劣りする ×:ほとんどの紙で○と比較すると見劣りする 結果は後出の表1に示す。
【0086】(比較例1)ヒータを使用しない以外は実
施例1と同様の記録を行った。結果は後出の表1に示
す。
【0087】(比較例2)処理液を使用しない以外は実
施例1と同様の記録を行った。結果は後出の表1に示
す。
【0088】(実施例2,3)使用するインクセットは
実施例1と同様にして、処理液の付与をロールコート
(実施例2)、スプレー(実施例3)で行った。結果を
後出の表1に示す。
【0089】(実施例4〜8)使用するインクセットは
実施例1と同様にして、処理液を画素数を画像記録総画
素数に対して、それぞれ90%(実施例4)、75%
(実施例5)、50%(実施例6)、25%(実施例
7)、13%(実施例8)に間引いた記録を行った。結
果を後での表1に示す。
【0090】(実施例9)使用するインクセットは実施
例1と同様にして、処理液を20plに変更して記録を
行った。結果を後での表1に示す。
【0091】(実施例10) Kインク アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径の
ガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ、3
時間分散処理を行った。分散後の粘度は9mN/m、p
Hは10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ
粗大粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボン
ブラック分散体を作製した。
【0092】 (顔料インク(カーボンブラック分散体)の組成) P−1水溶液(固形分20%) 40部 カーボンブラック Mogul L(キャブラック製) 12部 グリセリン 15部 エチレングリコールモノボチルエーテル 0.5部 イソプロピルアルコール 3部 水 135部 次に、上記で得られた分散体を十分に攪拌して、顔料が
含有されたインクジェット用の顔料インクを得た。最終
調整物の固形分は、約5.8%であった。
【0093】Cインク ブラック顔料インクの作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、重量平均粒径120nmのシアン色分散体を作製し
た。
【0094】 (シアン顔料インクの組成 P−1水溶液(固形分20%) 30部 C.I.ピグメントブルー15:3 12部 (ファストゲンブルーFGF、 大日本インキ化学株式会社製) グリセリン 15部 エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 アセチレノールEH 0.1部 水 135部 次に、上記で得られた分散体を十分に攪拌して、顔料が
含有されたインクジェット用の顔料インクを得た。最終
調整物の固形分は、約6.2%であった。
【0095】Mインク ブラック顔料インクの作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分散体を作製
した。
【0096】 (マゼンタ顔料インクの組成) P−1水溶液(固形部20%) 20部 C.I.ピグメントレッド122 12部 (大日本インキ化学株式会社製) グリセリン 15部 エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 アセチレノールEH 0.1部 水 135部 次に、上記で得られた分散体を十分に攪拌して、顔料が
含有されたインクジェット用の顔料インクを得た。最終
調整物の固形物は、約6.5%であった。
【0097】Yインク アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料を用いて、重
要平均粒径103nmのイエロー色分散体を作製した。
【0098】 (イエロー顔料インクの組成) P−1水溶液(固形部20%) 35部 C.I.ピグメントイエロー180 12部 (ノバパームイエローPH−G、ヘキスト) トリエチレングリコール 10部 ジエチレングリコール 10部 エチレングリコールモノブチルエーテル 1部 アセチレノールEH 0.1部 水 135部 次に、上記で得られた分散体を十分に攪拌して、顔料が
含有されたインクジェット用の顔料インクを得た。最終
調整物の固形分は、約5.9%であった。
【0099】処理液 下記成分を混合し、十分攪拌した後、孔径0.22μm
のフロロポアフィルター(住友電気工業株式会社製:商
品名)で加圧ろ過し、処理液を得た。
【0100】 ポリエチレンイミン 5部 塩化ベンザルコニウム 0.1部 (カチオンG50、三洋化成株式会社製) ジエチレングリコール 15部 水 78.9部 結果を後述の表1に示す。
【0101】(実施例11)画像を記録するインクをカ
チオン性に、処理液をアニオン性にした。使用したイン
クは次の通りである。
【0102】 Kインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% カヤセルブラックCN 3.0重量% (日本化薬株式会社製) 水 78.0重量% Yインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% C.I.ベーシックイエロー29 2.0重量% 水 79.0重量% Mインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% C.I.ベーシックレッド1 2.5重量% 水 78.5重量% Cインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% C.I.ベーシックブルー100 2.5重量% 水 78.5重量% 処理液 アクリル酸オリゴマー(自社合成) 5.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% 水 85.0重量% 結果を次の表1に示す。
【0103】
【表1】 文字品位 定着性 耐水性 発色性 実施例1 ◎ ○ ◎ ○ 比較例1 ◎ △ ◎ △ 比較例2 ○ ○ × △ 実施例2 ○ ○ ◎ ○ 実施例3 ○ ○ ◎ ○ 実施例4 ◎ ○ ◎ ○ 実施例5 ◎ ○ ◎ ○ 実施例6 ◎ ○ ◎ ○ 実施例7 ◎ ○ ◎ ○ 実施例8 ○ ○ ○ ○ 実施例9 ◎ ○ ◎ ○ 実施例10 ◎ ○ ◎ ○ 実施例11 ◎ ○ ◎ ○ 本発明に用いられるインク染料を不溶化する処理液は、
一例として以下のようにして得ることができる。
【0104】すなわち、下記の成分を混合溶解した後、
さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ
(商品名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社
製)にて加圧濾過した後、NaOHでpHを4.8に調
製し、処理液Sを得ることができる。
【0105】[Sの成分] カチオン性化合物の低分子成分 ステアリルトリメチルアンモニウム塩 2.0部 (商品名;エレクトロストリッパQE、花王株式会社製) または、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド (商品名;ユータミン86P、花王株式会社製) カチオン性化合物の高分子成分 ジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとの共重合体 3.0部 (平均分子量;5000) (商品名;ポリアミンスルホンPAS−92、 日東紡績株式会社製) チオジグリコール 10部 水 残部 また、上記処理液と混合し不溶化するインクの好適な例
として以下のものを挙げることができる。
【0106】すなわち、下記の成分を混合し、さらにポ
アサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品
名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社製)に
て加圧濾過してイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック
のインクY1,M1,C1,K1を得ることができる。
【0107】 Y1 C.I.ダイレクトイエロー142 2部 チオジグリコール 10部 アセチレノールEH 0.05部 (川研ファインケミカル株式会社製) 水 残部 M1 染料をC.I.アシッドレッド289;2.5部に代えた以外はY1と 同じ組成 C1 染料をC.I.アシッドブルー9;2.5部に代えた以外はY1と同じ 組成 K1 染料をC.I.フードブラック2;3部に代えた以外はY1と同じ組成 以上示したそれぞれ処理液(液体組成物)とインクとの
混合において、本発明では、上述した処理液とインクが
被プリント材上あるいは被プリント材に浸透した位置で
混合する結果、反応の第1段階として処理液中に含まれ
ているカチオン性物質の内、低分子量の成分またはカチ
オン性オリゴマーとインクに使用しているアニオン性基
を有する水溶性染料とがイオン的相互作用により会合を
起こし、瞬間的に溶液相から分離を起こす。
【0108】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体が処理液中に含まれる高分子成分により吸着
されるために、会合で生じた染料の凝集体のサイズがさ
らに大きくなり、被プリント材の繊維間の隙間に入り込
みにくくなり、その結果として固液分離した液体部分の
みが記録紙中にしみこむことにより、プリント品位と定
着性との両立が達成される。同時に上述したようなメカ
ニズムにより生成したカチオン物質の低分子成分または
カチオン性オリゴマーとアニオン性染料で形成される凝
集体は粘性が大きくなり、液媒体の動きとともに移動す
ることがないので、フルカラーの画像形成時のように隣
接したインクドットが異色のインクで形成されていたと
しても互いに混じり合うようなことはなく、ブリーデイ
ングも起こらない。また、上記凝集体は本質的に水不溶
性であり形成された画像の耐水性は完全なものとなる。
また、ポリマーの遮蔽効果により形成された画像の耐光
堅牢性も向上するという効果も有する。
【0109】本明細書において使用される「不溶化」ま
たは「凝集」の用語は、前記第1段階のみの現象また
は、第1段階と第2段階の両方を含んだ現象を意味す
る。
【0110】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0111】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被プリント材については特に制限されるものではな
く、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等の
いわゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろん
インクジェットプリント用に特別に作製したコート紙や
OHP用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の
上質紙や光沢紙も好適に使用可能である。
【0112】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェットプリント方式の中でも、インク吐出を行わせるた
めに利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手
段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱
エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式のプ
リントヘッド、プリント装置において優れた効果をもた
らすものである。かかる方式によればプリントの高密度
化,高精細化が達成できるからである。
【0113】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、プリント情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発
生せしめ、プリントヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状
の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細
書,同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率
に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記
載されている条件を採用すると、さらに優れたプリント
を行うことができる。
【0114】プリントヘッドの構成としては、上述の各
明細書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変
換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基いた構成と
しても本発明の効果は有効である。すなわち、プリント
ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によ
ればプリントを確実に効率よく行うことができるように
なるからである。
【0115】さらに、プリント装置がプリントできるプ
リント媒体の最大幅に対応した長さを有するフルライン
タイプのプリントヘッドに対しても本発明は有効に適用
できる。そのようなプリントヘッドとしては、複数プリ
ントヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、
一体的に形成された1個のプリントヘッドとしての構成
のいずれでもよい。
【0116】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定されたプリントヘッド、あるい
は装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接
続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在
のチップタイプのプリントヘッド、あるいはプリントヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプのプリントヘッドを用いた場合にも本発明は
有効である。
【0117】また、本発明にプリント装置の構成として
設けられる、プリントヘッドに対しての回復手段、予備
的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安
定できるので、好ましいものである。これらを具体的に
挙げれば、プリントヘッドに対してのキャッピング手
段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換
体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせに
よる予備加熱手段、プリントとは別の吐出を行なう予備
吐出モードを行なうことも安定したプリントを行なうた
めに有効である。
【0118】また、搭載されるプリントヘッドの種類な
いし個数についても、例えば単色のインクに対応して1
個のみが設けられたものの他、プリント色や濃度を異に
する複数のインクに対応して複数個数設けられるもので
あってもよい。すなわち、例えばプリント装置のプリン
トモードとしては黒色等の主流色のみのプリントモード
だけではなく、プリントヘッドを一体的に構成するか複
数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、異なる色
の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくと
も一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0119】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいはインクジェット方式ではイ
ンク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を
行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制
御するものが一般的であるから、使用プリント信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、積
極的に熱エネルギによる昇温をインクの固形状態から液
体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめること
で防止するか、またはインクの蒸発防止を目的として放
置状態で固化するインクを用いるかして、いずれにして
も熱エネルギのプリント信号に応じた付与によってイン
クが液化し、液状インクが吐出されるものや、プリント
媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよ
うな、熱エネルギによって初めて液化する性質のインク
を使用する場合も本発明は適用可能である。このような
場合のインクは、特開昭54−56847号公報あるい
は特開昭60−71260号公報に記載されるような、
多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として
保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するよう
な形態としてもよい。本発明においては、上述した各イ
ンクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を
実行するものである。
【0120】さらに加えて、本発明の液体噴射プリント
ヘッドを使用するプリント機構を備えたプリント装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた
複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装
置の形態を採るもの等であってもよい。
【0121】図6は本発明のプリント装置をワードプロ
セッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、
複写装置としての機能を有する情報処理装置に適用した
場合の概略構成を示すブロック図である。
【0122】図中、1801は装置全体の制御を行なう
制御部で、マイクロプロセッサ等のCPUや各種I/O
ポートを備え、各部に制御信号やデータ信号等を出力し
たり、各部よりの制御信号やデータ信号を入力して制御
を行なっている。1802はディスプレイ部で、この表
示画面には各種メニューや文書情報およびイメージリー
ダ1807で読み取ったイメージデータ等が表示され
る。1803はディスプレイ部1802上に設けられた
透明な感圧式のタッチパネルで、指等によりその表面を
押圧することにより、ディスプレイ部1802上での項
目入力や座標位置入力等を行なうことができる。
【0123】1804はFM(Frequency M
odulation)音源部で、音楽エディタ等で作成
された音楽情報をメモリ部1810や外部記憶装置18
12にデジタルデータとして記憶しておき、それらメモ
リ等から読み出してFM変調を行なうものである。FM
音源部1804からの電気信号はスピーカ部1805に
より可聴音に変換される。プリンタ部1806はワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装
置、複写装置の出力端末として、本発明プリント装置が
適用されたものである。
【0124】1807は原稿データを光電的に読取って
入力するイメージリーダ部で、原稿の搬送経路途中に設
けられており、ファクシミリ原稿や複写原稿の他各種原
稿の読取りを行なう。1808はイメージリーダ部18
07で読取った原稿データのファクシミリ送信や、送ら
れてきたファクシミリ信号を受信して復号するファクシ
ミリ(FAX)の送受信部であり、外部とのインターフ
ェース機能を有する。1809は通常の電話機能や留守
番電話機能等の各種電話機能を有する電話部である。
【0125】1810はシステムプログラムやマネージ
ャプログラムおよびその他のアプリケーションプログラ
ム等や文字フォントおよび辞書等を記憶するROMや、
外部記憶装置1812からロードされたアプリケーショ
ンプログラムや文書情報さらにはビデオRAM等を含む
メモリ部である。
【0126】1811は文書情報や各種コマンド等を入
力するキーボード部である。
【0127】フロッピィディスクやハードディスク等を
記憶媒体とする外部記憶装置で、この外部記憶装置18
12には文書情報や音楽或は音声情報、ユーザのアプリ
ケーションプログラム等が格納される。
【0128】図7は図6に示す情報処理装置の模式的外
観図である。
【0129】図中、1901は液晶等を利用したフラッ
トパネルディスプレイで、各種メニューや図形情報およ
び文書情報等を表示する。このディスプレイ1901上
にはタッチパネル1803の表面を指等で押圧すること
により座標入力や項目指定入力を行なうことができる。
1902は装置が電話器として機能するときに使用され
るハンドセットである。キーボード1903は本体と脱
着可能にコードを介して接続されており、各種文書情報
や各種データ入力を行なうことができる。また、このキ
ーボード1903には各種機能キー1904等が設けら
れている。1905は外部記憶装置1812へのフロッ
ピーディスクの挿入口である。
【0130】1906はイメージリーダ部1807で読
取られる原稿を戴置する用紙戴置部で、読取られた原稿
は装置後部より排出される。またファクシミリ受信等に
おいては、インクジェットプリンタ1907よりプリン
トされる。
【0131】なお、上記でディスプレイ部1802はC
RTでもよいが、強誘電性液晶を利用した液晶ディスプ
レイ等のフラットパネルが望ましい。小型、薄型化に加
え軽量化が図れるからである。
【0132】上記情報処理装置をパーソナルコンピュー
タやワードプロセッサとして機能する場合、キーボード
部1811から入力された各種情報が制御部1801に
より所定のプログラムに従って処理され、プリンタ部1
806に画像として出力される。
【0133】ファクシミリ装置の受信機として機能する
場合、通信回線を介してFAX送受信部1808から入
力したファクシミリ情報が制御部1801により所定の
プログラムに従って受信処理され、プリンタ部1806
に受信画像として出力される。
【0134】また、複写装置として機能する場合、イメ
ージリーダ部1807によって原稿を読取り、読取られ
た原稿データが制御部1801を介してプリンタ部18
06に複写画像として出力される。なお、ファクシミリ
装置の受信機として機能する場合、イメージリーダ部1
807によって読取られた原稿データは、制御部180
1により所定のプログラムに従って送信処理された後、
FAX送受信部1808を介して通信回線に送信され
る。
【0135】なお、上述した情報処理装置は図8に示す
ようにインクジェットプリンタを本体に内蔵した一体型
としてもよく、この場合は、よりポータブル性を高める
ことが可能となる。同図において、図7と同一機能を有
する部分には、対応する符号を付す。
【0136】以上説明した多機能型情報処理装置に本発
明のプリント装置を適用することによって、高品位のプ
リント画像を高速かつ低騒音で得ることができるため、
上記情報処理装置の機能をさらに向上させることが可能
となる。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被プリント材の温度を上げながら記録用インクを被プリ
ント材に付与することによって、インクの前または後に
被プリント材に付与される処理液と上記インク中の色材
との反応速度が増大する。これによって、処理液中の色
材または機能物質が少量であっても短時間で十分に反応
を完了させることができる。
【0138】さらに、本発明における加熱工程により、
インク中の水分を蒸発させることができ、この蒸発作用
との相乗作用によって、加熱させない場合と比べて、色
材が被プリント材のさらに上層部で定着するので、加熱
のみ、処理液のみの場合よりも高画質な記録が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットプリント装置の一実施
形態例を示す概略斜視図である。
【図2】(a)および(b)は図1に示したインクジェ
ットプリント装置におけるインクジェットプリントヘッ
ドを示すもので、(a)はヘッドの概略斜視図であり、
(b)はヘッドの分解斜視図である。
【図3】図1に示したインクジェットプリント装置に搭
載されるインクジェットプリントヘッドの一例を示す側
面図である。
【図4】図1に示したインクジェットプリント装置に搭
載されるインクジェットプリントヘッドの他の例を示す
側面図である。
【図5】図1に示したインクジェットプリント装置に装
着可能なマルチヘッドのユニット構成を示す正面図であ
る。
【図6】本発明のプリント装置をワードプロセッサ、パ
ーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複写装置と
しての機能を有する情報処理装置に適用した場合の概略
構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示す情報処理装置の模式的外観図であ
る。
【図8】本発明のプリント装置を情報処理装置に適用し
た場合の一例を示す模式的外観図である。
【符号の説明】
101 インクカートリッジ 102 マルチヘッド 103 紙送りローラ 104 補助ローラ 105 給紙ローラ 106 キャリッジ 107 印字紙 109 ヒータ 110 プラテン 111 ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三品 伸也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 齋藤 絵里子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 倉林 豊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材としての水溶性染料または顔料を溶
    解または分散した液体組成物を含むインクを被プリント
    材上にインクジェットプリント方式で付与する工程
    (A)と、 前記インクを付与すべき画像形成領域に前記インク中の
    色材を不溶化または凝集させる物質を含む液体を付与す
    る工程(B)とを含むインクジェットプリント方法であ
    って、 前記インク付与時に前記被プリント材を加熱することを
    特徴とするインクジェットプリント方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(A)を前記工程(B)に先立
    って行うことを特徴とする請求項1記載のインクジェッ
    トプリント方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(B)を前記工程(A)に先立
    って行うことを特徴とする請求項1記載のインクジェッ
    トプリント方法。
  4. 【請求項4】 前記液体は前記インクと逆の極性を有す
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載
    のインクジェットプリント方法。
  5. 【請求項5】 前記液体は低分子のカチオン性物質と高
    分子のカチオン性物質を含み、前記インクはアニオン性
    染料を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの
    項に記載のインクジェットプリント方法。
  6. 【請求項6】 前記液体は低分子のカチオン性物質と高
    分子のカチオン性物質を含み、前記インクは少なくとも
    アニオン性化合物と顔料とを含むことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかの項に記載のインクジェットプリン
    ト方法。
  7. 【請求項7】 前記工程(B)における前記液体の前記
    被プリント材上への付与はスプレーまたはロールコート
    による塗布により行うことを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかの項に記載のインクジェットプリント方法。
  8. 【請求項8】 前記工程(B)における前記液体の前記
    被プリント材上への付与はインクジェットプリント方式
    で行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に
    記載のインクジェットプリント方法。
  9. 【請求項9】 インクと、該インクの色材を不溶化また
    は凝集させる液体を含む液体とを被プリント材に付与す
    る手段と、 前記インクの前記被プリント材上への付与に際し、該被
    プリント材を加熱する手段とを含むことを特徴とするイ
    ンクジェットプリント装置。
  10. 【請求項10】 前記付与手段は前記液体および前記イ
    ンクの吐出に利用されるエネルギを発生する吐出エネル
    ギ発生素子であることを特徴とする請求項9記載のイン
    クジェットプリント装置。
  11. 【請求項11】 前記吐出エネルギ発生素子は、前記液
    体および前記インクに吐出のために与える熱エネルギを
    発生する熱エネルギー発生体であることを特徴とする請
    求項10記載のインクジェットプリント装置。
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