JPH10237372A - 液体組成物、これを用いたインクセット、画像形成方法と画像形成装置 - Google Patents

液体組成物、これを用いたインクセット、画像形成方法と画像形成装置

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JPH10237372A
JPH10237372A JP5864497A JP5864497A JPH10237372A JP H10237372 A JPH10237372 A JP H10237372A JP 5864497 A JP5864497 A JP 5864497A JP 5864497 A JP5864497 A JP 5864497A JP H10237372 A JPH10237372 A JP H10237372A
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Yoichi Takada
陽一 高田
Mikio Sanada
幹雄 真田
Eriko Saitou
絵里子 齋藤
Yoshihisa Takizawa
吉久 滝沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カチオン性ポリマーを含む液体組成物を用い
たインクジェット記録方法において、被記録材上での高
画像濃度、画像均一性、カラーブリード抑制、画像の耐
久性の向上等の効果を維持しつつ、記録ヘッドを過酷な
環境下で使用した場合でも、或いはインクジェット記録
装置に液体組成物を搭載してこれを長期間放置した後に
再度使用して画像形成を行った場合にも、信頼性の高い
画像が得られる液体組成物、これを用いたインクセッ
ト、画像形成方法等の提供。 【解決手段】 カチオン性ポリマーを含む液体組成物で
あって、該液体組成物中の塩素イオン濃度が3,000
ppm以下であることを特徴とする液体組成物、該液体
組成物と各色のインクとを有するインクセット、これを
用いた画像形成方法及び画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクによるカラ
ー画像の形成において生じるブリーディングを低減し、
耐水性のある画像を得る技術に関し、とりわけ液体組成
物を用いたインクジェット記録方法において、記録ヘッ
ドを過酷な環境下で使用した場合や、液体組成物をイン
クジェット記録装置内に長期間放置した後に使用した場
合にも、信頼性の高い優れた画像を得ることができる液
体組成物、該液体組成物を使用するインクセット、画像
形成方法及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、インクを飛
翔させ、紙等の被記録材にインクを付着させて記録を行
うものである。特に、特公昭61−59911号公報、
特公昭61−59912号公報、特公昭61−5991
4号公報において開示された、吐出エネルギー供給手段
として電気変換体を用い、熱エネルギーをインクに与え
て気泡を発生させることにより液滴を吐出させる方式の
インクジェット記録方法によれば、記録ヘッドの高密度
マルチオリフィス化を容易に実現することができ、高解
像度及び高品位の画像を高速で記録することができる。
【0003】ところで、従来のインクジェット記録方法
に用いられるインクは、水を主成分とし、これに乾燥防
止、ノズルの目詰まり防止等の目的でグリコール等の水
溶性高沸点溶剤が含有されたものが一般的であるので、
このようなインクを用いて被記録材に記録を行った場合
には、十分な定着性が得られなかったり、被記録材とし
て用いられる記録紙表面における、填料やサイズ剤の不
均一分布によると推定される不均一画像の発生等の問題
が生じることがあった。又、特に、カラー画像を得よう
とする場合には、色の異なるインクが次々と重ねられる
ことから、異色画像の境界部分で色が滲んだり、不均一
に混ざりあったりして(以下、この現象を「ブリーディ
ング」と呼ぶ)満足すべき画像が得られないことがあっ
た。
【0004】これらの問題に対し、特開平8−2249
55号公報には、分子量分布の異なる2種以上のカチオ
ン性ポリマーを含む液体組成物を被記録材の画像形成領
域に付着させる工程(A)と、少なくともアニオン性化
合物を含有するインクをインクジェット方式により前記
被記録材に付与する工程(B)とを含む画像形成方法が
記載されており、下記の優れた効果を得ている。即ち、
上記方法により普通紙に対してインクジェット記録を行
った場合には、下記の5点が改良される。 (1)良好な定着性を有しながら文字品位も良好である
こと (2)十分な画像濃度が得られ、ベタ画像の均一性が高
いこと 特に普通紙に対するカラー画像形成時においては、 (3)ブリーディングを防止すること (4)色再現性が良好であり、高精彩な画像が得られる
こと (5)記録画像の耐水性を完全にすること
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような優れた効果をもたらすカチオン性ポリマーを含む
液体組成物を用いインクジェット記録方式で画像形成し
た場合に、記録ヘッドを過酷な環境下で使用した場合
や、或いは、インクジェット記録装置の記録ヘッドに上
記の液体組成物を搭載したままの状態で長期間使用せず
に放置し、その後、再度使用して画像形成を行った場合
に、記録ヘッドのヒーターボードのアルミ配線の腐蝕や
断線を引き起こすことがあり、画像品位の低下につなが
ることがあった。このため、上記したカチオン性ポリマ
ーを含む液体組成物を用いたインクジェット記録方法に
おいては、上記のような優れた効果がもたらされる一
方、あらゆる環境下で、長期間にわたり信頼性の高い画
像を得ることは困難であった。
【0006】従って本発明の目的は、液体組成物を用い
たインクジェット記録方法において、従来の方法によっ
て達成された被記録材上での高画像濃度、画像均一性、
カラーブリード抑制、及び画像の耐久性の向上等の効果
を維持しつつ、更に、記録ヘッドを過酷な環境下で使用
した場合であっても、或いは、インクジェット記録装置
に上記のカチオン性ポリマーを含む液体組成物を搭載
し、これを長期間保持した後に再度使用して画像形成を
行った場合であっても、信頼性の高い画像を得ることの
できる液体組成物、これを用いたインクセット、画像形
成方法及び画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明はカチオン性ポリ
マーを含む液体組成物であって、該液体組成物中の塩素
イオン濃度が3,000ppm以下であることを特徴と
する液体組成物、該液体組成物と、各色のインクとを有
するインクセット、該インクセットを用いた画像形成方
法及び画像形成装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を挙げて
本発明をより詳細に説明する。本発明者らは、上記従来
技術の問題点を解決すべく鋭意検討の結果、従来のカチ
オン性ポリマーを含む液体組成物中には、通常、下記に
挙げる(i)〜(iii)等の理由から、少なからず塩素
イオンが含まれており、これらの塩素イオン濃度が特定
の濃度を超えた場合に、先に述べたような問題が生じる
ことを知見して本発明に至った。 (i)液体組成物を構成するカチオン性物質としては、
カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤等が用いら
れるが、これらの合成・精製の際に行われる酸処理等に
起因する塩酸根等の塩素イオンを多少ではあるが含む。 (ii)特に、カチオンポリマーは、アミノ基等のカチオ
ン性部位をフリーの状態で用いると、液体組成物のpH
が非常に高くなるが、この状態のまま用いると、記録ヘ
ッド部材やヒーターボードに悪影響を及ぼし、インクジ
ェット適正が損なわれるので、塩酸等の酸で中和した状
態で用いられるため、(i)に挙げた合成・精製段階以
外でも塩素イオンが含まれる場合がある。 (iii)上記カチオン性物質以外の液体組成物の構成材
料である界面活性剤や溶剤中にも、塩素イオンを含有し
ている場合がある。
【0009】即ち、上記の様な理由等で、カチオン性ポ
リマーを含む液体組成物中に含有されてくる塩素イオン
の濃度が3,000ppmを超えると、このような液体
組成物を用い、且つ記録ヘッドを過酷な環境下で使用し
て画像形成を行った場合や、或いは、インクジェット記
録装置にこのような液体組成物を搭載し、これを長期間
放置した状態で、その後に使用して画像形成を行った場
合に、塩素イオンによって記録ヘッドのヒーターボード
のアルミ配線の腐蝕や断線を引き起こすことがあり、画
像品位の低下につながることがあることがわかった。従
って、本発明の液体組成物においては、カチオン性ポリ
マーを含む液体組成物中の塩素イオン濃度が、3,00
0ppm以下となるように制限する。
【0010】以下、本発明の液体組成物について詳しく
説明する。上記で述べたように、本発明の液体組成物の
特徴は、液体組成物中に含まれる塩素イオン濃度を3,
000ppm以下、好ましくは2,700ppm以下と
したことにある。液体組成物に含有される塩素イオン濃
度としては、本来は0ppmであることが最も好ましい
が、本発明の液体組成物において使用するカチオン性ポ
リマーには、先に説明したように、その合成段階におけ
る処理に用いた塩酸の残留根等に起因する塩素イオンが
多少とも含有されている。従って、本発明の液体組成物
中の塩素イオン濃度を3,000ppm以下に制限する
ためには、これら原材料に含まれている塩素イオン以外
の塩素イオンの混入を極力低減する必要がある。
【0011】例えば、本発明の液体組成物は、前述した
ように液体組成物のpHが高いと、記録ヘッドの部材や
ヒーターボードに悪影響を及ぼすため、そのpH値を3
〜10の範囲、更に好ましくは、pH5〜9の範囲に調
整しているが、この際に使用するpH調整剤に、塩素イ
オンを含まない酸を使用することが好ましい。即ち、本
発明の液体組成物のpH調整には、pH調整剤として塩
酸等の塩素イオンを含む酸を使用せずに、例えば、酢
酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、パラトルエンス
ルホン酸、乳酸、プロピオン酸等の塩素イオンを含まな
い酸を使用するとよい。勿論、本発明は、これらに限定
されるわけではない。
【0012】次に、本発明の液体組成物の構成材料であ
るカチオン性ポリマーについて説明する。本発明におい
て使用するカチオン性ポリマーとしては、重量平均分子
量が400〜5,000の範囲にあるものが好ましい。
即ち、重量平均分子量400〜5,000のカチオン性
ポリマーは、水溶性が高いため、ポリマー水溶液の粘度
が低く、ノズル先端から水分の蒸発が起こっても液体組
成物がノズル先端に固着しにくい。又、重量平均分子量
400〜5,000のカチオン性ポリマーを使用すれ
ば、液体組成物の初期粘度及び蒸発粘度を低く抑えるこ
とができるため、実使用上における耐固着性、吐出の周
波数応答特性、スタートアップ特性等の信頼性が確保で
きる。
【0013】本発明の液体組成物で使用するカチオン性
ポリマーとしては、例えば、ポリアリルアミン、ポリア
ミンスルホン及びこれらの共重合体、ポリビニルアミン
等が挙げられるが、本発明においては、これらの中で特
に、分子量の調整や分子量分布の調整が容易であるポリ
アリルアミンが好適である。尚、本発明で述べる重量平
均分子量とは、GPCでポリエチレングリコールを標準
として測定される重量平均分子量のことである。
【0014】本発明の液体組成物は、上記のようなカチ
オン性ポリマーを水性媒体に溶解して調製されるが、本
発明においては、水性媒体中におけるカチオン性ポリマ
ーの濃度を0.05〜20重量%の範囲とすることが好
ましい。前述したように、ポリアリルアミン等のカチオ
ン性ポリマーは、合成の際に塩酸等の酸で処理を行う必
要があり、カチオン性ポリマー中には多少とも塩酸根が
含まれてくるので、液体組成物中の塩素イオン濃度が
3,000ppmを超えないように、カチオン性ポリマ
ーの種類や含有量を決定する必要がある。又、カチオン
性ポリマーの濃度が高過ぎると液体組成物の粘度が高く
なり過ぎ、一方、カチオン性ポリマーの濃度が低過ぎる
と被記録材に対する画像の耐水性、カラーブリード抑制
能等が十分ではなくなるので、この点からも最適なカチ
オン性ポリマーの種類及び含有量を決定する必要があ
る。
【0015】本発明の液体組成物は、上記のようなカチ
オン性ポリマーを水性の液媒体に溶解させて得られる
が、この際に使用する水性の液媒体としては、水及び水
溶性有機溶剤の混合溶媒を使用することが好ましい。そ
して、水としては、一般の水は、塩素イオンを多く含ん
でいるので適当ではなく、特に、脱塩素イオンがされた
イオン交換水を使用するのがよい。又、水と混合して使
用される水溶性有機溶剤についても、本発明において
は、構成成分としては勿論、不純物としても塩素イオン
が極力含まれていないものを使用することが好ましい。
本発明で使用し得る水溶性有機溶剤としては、例えば、
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルア
ルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド
類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケ
トアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサント
リオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、
ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭
素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エ
チレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、
ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、
トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N
−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。本発
明においては、これら多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレ
ングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多
価アルコールの低級アルキルエーテルが特に好ましい。
【0016】又、上記したような水溶性有機溶剤の含有
量としては、一般的には液体組成物全量に対して3〜5
0重量%、好ましくは3〜40重量%の範囲であり、
又、水の含有量は、液体組成物全量に対して10〜90
重量%、好ましくは30〜80重量%の範囲とする。
【0017】本発明の液体組成物においては、液体組成
物中に上記した成分の他、更に炭素数8以上のアミンを
含有させることが好ましい。又、上記アミンの中でも第
4級アミンを用いることが、より好ましい。これらのア
ミンを含有させることによって、理由は定かではない
が、液体組成物をインクジェット記録装置に搭載し、被
記録材上に付与する場合に、発熱ヘッドが著しく長寿命
化し、長期間に渡る液体組成物の吐出安定性が確保され
る。
【0018】この際に用いられる第4級アミンとして
は、例えば、第4級アンモニウム塩型の化合物、具体的
には、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラ
ウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベン
ジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザル
コニウム、安息香酸ベンザルコニウム等;ピリジニウム
塩型化合物、具体的には、セチルピリジニウムクロライ
ド、セチルピリジニウムブロマイド等が挙げられる。本
発明においては、これらの中でも特に、塩素イオンの含
有量の少ない安息香酸ベンザルコニウムが好適である。
本発明の液体組成物中における第4級アミンの濃度とし
ては、通常、約0.1〜5重量%、好適には約0.2〜
2重量%の範囲とすることが好ましい。
【0019】更に、本発明においては、必要に応じて液
体組成物中に、その他の各種の添加剤を含有させること
ができるが、その場合にも、添加剤として用いる材料中
に塩素イオンが含有されているかどうかを調べ、含有さ
れていないものを使用することが好ましい。上記のよう
な構成材料からなる本発明の液体組成物の好ましい表面
張力の範囲としては、25〜50dyn/cm、更に好
ましくは30〜40dyn/cmである。更に、本発明
の液体組成物の粘度の範囲としては、1.3〜5cP、
更に好ましくは1.5cP〜3cPである。尚、本発明
の液体組成物は色材を含まないものであって、無色であ
ることがより好ましいが、被記録材上等でインクと混合
された場合に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色
のものであってもよい。
【0020】次に、上記した本発明の液体組成物と、イ
エロー、マゼンタ、シアン、ブラック、レッド、ブルー
及びグリーンから選ばれる少なくとも1色のインクとを
組み合わせて構成される本発明のインクセットについて
説明する。例えば、本発明においては、本発明の液体組
成物を、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色のインク
と組み合わせたインクセットや、本発明の液体組成物
を、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の
インクと組み合わせたインクセット等が、フルカラー画
像を形成するものとして好ましく使用される。
【0021】上記した本発明のインクセットにおいて使
用される各色インクは、色材としてアニオン性基を含有
する水溶性染料を用いるか、又は色材として顔料を用い
る場合には、これとアニオン性化合物とを併用させたも
のを用いることが好ましい。本発明で使用されるインク
は、上記のような色材に、少なくとも、水、または水と
水溶性有機溶剤からなる液媒体とを有し、更に、その他
の成分として、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐
剤、界面活性剤、或いは酸化防止剤等が必要に応じて含
まれる。
【0022】本発明で使用されるアニオン性基を有する
水溶性染料としては、カラーインデックスに記載されて
いる水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料等のアニ
オン性基を有する水溶性染料であれば特に限定はない。
又、カラーインデックスに記載のないものでも、アニオ
ン性基、例えば、スルホン基及びカルボキシル基等を有
するものであれば特に制限はない。ここでいう水溶性染
料の中には、溶解度のpH依存性があるものも当然に含
まれる。
【0023】色材として上記のようなアニオン性基を有
する水溶性染料が含有されているインクの場合には、液
媒体として、水、又は水と水溶性有機溶剤からなる液媒
体が用いられるが、水溶性有機溶剤としては、前述の液
体組成物に使用される水溶性有機溶剤を同様に用いるこ
とができる。又、これらの水溶性有機溶剤のインク中の
含有量の好適な範囲についても、前記した本発明の液体
組成物の場合と同様とすればよい。又、インクの好適な
物性範囲についても、前述の液体組成物の場合と全く同
様でよい。但し、インクの表面張力については、インク
の表面張力を本発明の液体組成物の表面張力よりも高く
した方が、本発明の画像形成方法を実施するにあたって
有効な場合があるので好ましい。これは、このように両
者の表面張力を調整すれば、例えば、印字プロセス上、
先に打ち込まれた液体組成物が、後から打ち込まれるイ
ンクの被記録材上での濡れ性を均一にし得る効果を発揮
するためであろうと考えられるが、その詳細は明らかで
はない。
【0024】本発明のインクセットを構成するインクの
色材に顔料を使用する場合には、染料含有インクについ
て上記で説明した各種成分の他に、アニオン性の界面活
性剤或いはアニオン性の高分子物質等、アニオン性化合
物を添加するのが好ましい。又、両性界面活性剤をその
等電点以上のpHに調整して含有させることもできる。
更に、本発明においては、この際に用いるアニオン性化
合物の重量平均分子量が、好ましくは1,000以上の
高分子物質であることが好ましい。上記の場合に使用さ
れるアニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン
酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステ
ル型等が挙げられ、これらの一般に使用されているもの
を何れも好ましく使用することができる。又、アニオン
性高分子の例としては、アルカリ可溶型の樹脂、具体的
には、ポリアクリル酸ソーダ、或いは高分子の一部にア
クリル酸を共重合したもの等を挙げることができるが、
本発明は、勿論、これらに限定されない。
【0025】本発明で使用されるインクの色材として顔
料を用いる場合には、顔料の量は、インク全重量に対し
て、好ましくは重量比で1〜20重量%、より好ましく
は2〜12重量%の範囲で用いる。本発明において使用
し得る顔料としては、具体的には、黒色のインクに使用
されるものとしてカーボンブラックが挙げられるが、例
えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボン
ブラックであって、一次粒子径が15〜40mμ、BE
T法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸
油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜
10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好まし
く用いられる。このような特性を有する市販品として
は、例えば、No.2300、No.900、MCF8
8、No.33、No.40、No.45、No.5
2、MA7、MA8、No.2200B(以上三菱化成
製)、RAVEN1255(以上コロンビア製)、RE
GAL400R、REGAL330R、REGAL66
0R、MOGUL L(以上キャボット製)、Colo
rBlack FWl、COLOR Black FW
18、Color Black S170、Color
Black S150、Printex 35、Pr
intex U(以上デグッサ製)等があり、何れも好
ましく使用することができる。
【0026】又、イエローインクに使用される顔料とし
ては、例えば、C.I.Pigment Yellow
1、C.I.Pigment Yellow 2、
C.I.Pigment Yellow 3、C.I.
Pigment Yellow13、C.I.Pigm
ent Yellow 16、C.I.Pigment
Yellow 83等が挙げられ、マゼンタインクに
使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigme
nt Red 5、C.I.PigmentRed
7、C.I.Pigment Red 12、C.I.
PigmentRed 48(Ca)、C.I.Pig
ment Red 48(Mn)、C.I.Pigme
nt Red 57(Ca)、C.I.Pigment
Red 112、C.I.Pigment Red
122等が挙げられ、シアンインクに使用される顔料と
しては、例えば、C.I.Pigment Blue
1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.
Pigment Blue 3、C.I.Pigmen
t Blue 15:3、C.I.Pigment B
lue 16、C.I.Pigment Blue 2
2、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat
Blue 6等が挙げられる。勿論、本発明は、これら
に限定されず、以上の他、本発明のために新たに製造さ
れた顔料も使用することが可能である。
【0027】又、色材として顔料を使用する場合にイン
ク中に含有させる分散剤としては、水溶性樹脂ならどの
ようなものでも使用することができるが、重量平均分子
量が1,000〜30,000の範囲のものが好まし
く、更に好ましくは、3,000〜15,000の範囲
のものが好ましく使用される。このような分散剤とし
て、具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナ
フタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン
性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、ア
クリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸
誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、
フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ア
クリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくと
も2つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性
単量体)からなるブロック共重合体、或いはランダム共
重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げら
れる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然
樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂
は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可
溶型樹脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いら
れる水溶性樹脂は、インク全重量に対して0.1〜5重
量%の範囲で含有させるのが好ましい。
【0028】更に、顔料含有インクの場合には、インク
全体が中性又はアルカリ性に調整されていることが好ま
しい。このようにすれば、顔料分散剤として使用される
水溶性樹脂の溶解性を向上させ、長期保存安定性に一層
優れたインクとすることができるので好ましい。好まし
くは7〜10のpH範囲とするのが望ましい。
【0029】この際に使用されるpH調整剤としては、
例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等
の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無
機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。
【0030】上記したような顔料及び分散剤は、水性媒
体中に分散又は溶解される。この際、顔料を含有するイ
ンクに好適に使用される水性媒体としては、前述の液体
組成物に使用される水性媒体を同様に用いることができ
る。又、水溶性有機溶剤のインク中の含有量の好適な範
囲についても同様とする。又、インクの好適な物性範囲
についても、前述の液体組成物の場合と同様である。
【0031】又、インクの表面張力、低級アルコールの
添加等についても、前記の染料を含有するインクの場合
と同様である。但し、低級アルコールの添加について
は、顔料の分散液にこれらの溶剤を添加することによっ
て、分散処理時における泡の発生が抑えられ、効率的に
分散処理を行うことができる。顔料を含有するインク中
における水溶性有機溶剤の含有量は、一般的にはインク
全量に対して3〜50重量%、好ましくは3〜40重量
%の範囲であり、又、水の含有量はインク全量に対して
10〜90重量%、好ましくは30〜80重量%の範囲
である。
【0032】インク中に含有させる顔料の分散剤がアニ
オン性化合物ではない場合には、インク中にはアニオン
性化合物を更に添加するとよい。本発明で好適に使用さ
れるアニオン性化合物としては、顔料分散剤の項で説明
したアルカリ可溶性樹脂等の高分子物質の他、低分子量
のアニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0033】低分子量のアニオン性界面活性剤の具体的
な例としては、スルホコハク酸ドデシル二ナトリウム、
スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノー
ルアミドエステル二ナトリウム、ポリオキシエチレンア
ルキルスルホコハク酸二ナトリウム、カルボキシル化ポ
リオキシエチレンドデシルエーテルナトリウム塩、ポリ
オキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリ
オキシエチレンドデシルエーテル硫酸トリエタノールア
ミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリ
ウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリ
ウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸トリエタ
ノールアミン等が挙げられるが、これらに限定される訳
ではない。
【0034】以上のようなアニオン性化合物のインク中
の好適な含有量としては、インク全量に対して0.05
〜10重量%の範囲であり、更に好適には0.05〜5
重量%である。又、本発明で使用する顔料含有インクに
は、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持
つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等
を適宜に添加することができる。又、色材として上記顔
料の他に水溶性染料等を適宜添加することもできる。
【0035】この際にインク中に添加させる界面活性剤
としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩
類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスル
ホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエ
ステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエス
テル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール
等の非イオン性界面活性剤が挙げられ、これらの1種又
は2種以上を適宜選択して使用することができる。その
使用量はインク中に含有させる分散剤の種類により異な
るが、インク全量に対して0.01〜5重量%程度とす
るのが望ましい。又、この際、インクの表面張力が30
dyn/cm以上になるように界面活性剤の添加量を決
定することが好ましい。即ち、インクの表面張力がこれ
よりも小さい値を示すと、本発明で使用されるインクジ
ェット記録方式による記録においては、ノズル先端の濡
れによる印字ヨレ(インク滴の着弾点のずれ)等好まし
くない事態を引き起こしてしまうからである。
【0036】上記したような顔料が含有されたインクの
作製方法としては、始めに、分散剤としての水溶性樹脂
及び水が少なくとも含有された水性媒体に顔料を添加
し、撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、
必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得
る。次に、この分散液にサイズ剤、及び、上記で挙げた
ような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して本
発明で使用するインクとする。
【0037】又、分散剤としてアルカリ可溶型樹脂を使
用する場合には、樹脂を溶解させるために塩基を添加す
ることが必要である。この際、樹脂を溶解させるための
アミン或いは塩基の量としては、樹脂の酸価から計算に
よって求めたアミン或いは塩基の量の1倍以上を添加す
ることが必要である。尚、アミン或いは塩基の量は以下
の式によって求める。 アミン或いは塩基の量(g)=(樹脂の酸価×アミン或いは
塩基の分子量×樹脂量(g))/5,600
【0038】更に、顔料を含む水溶液を分散処理する前
にプレミキシングを30分間以上行うと分散効率がよ
い。このプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改
善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進するものであ
る。上記した顔料の分散処理の際に使用される分散機
は、一般に使用される分散機なら、如何なるものでもよ
いが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサンドミル
等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミルが好
ましく使用され、このようなものとしては、例えば、ス
ーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテ
ータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及び
コボルミル(何れも商品名)等が挙げられる。
【0039】本発明の画像形成方法は、本発明の液体組
成物を被記録材上の画像形成領域に付与する工程(A)
と、上記したような本発明のインクセットを構成してい
るインクをインクジェット記録方式により被記録材上の
画像形成領域に付与する工程(B)とを有することを特
徴とするが、その際に使用される被記録材は、特に限定
されるものではなく、従来から使用されている、コピー
用紙、ボンド紙等のいわゆる普通紙が好適に使用され
る。勿論、インクジェット記録用に特別に作成されたコ
ート紙やOHP用透明フィルムも好適に使用される。更
に、一般の上質紙や光沢紙にも好適に使用することがで
きる。
【0040】次に、本発明の画像形成方法に好ましく用
いられる画像形成装置について説明する。本発明の画像
形成方法においては、インクを被記録材上の画像形成領
域に付与する方法としてインクジェット記録方式を用い
るが、同様に、本発明の液体組成物を被記録材上の画像
形成領域に付与する場合にもインクジェット記録方式を
用いる。本発明において用いるインクジェット記録方式
としては、オンデマンド型インクジェット方式が好まし
く、例えば、記録ヘッドの液体組成物(インク)に記録
信号を与え、発生した熱エネルギーにより液滴を吐出す
るインクジェット記録方式が好ましく用いられる。この
ような装置の主要部である記録ヘッドの構成を、図1、
図2及び図3に示す。図1は、インク流路に沿ったヘッ
ド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での断面
図である。以下、これらに基づいて説明する。
【0041】図1中のヘッド13は、インクを通す溝1
4を有するガラス、セラミック、又はプラスチック板等
と、感熱記録に用いられる発熱抵抗体を有する発熱ヘッ
ド15(図では薄膜ヘッドが示されているが、これに限
定されるものではない)とを接着して得られる。この発
熱ヘッド15は、酸化シリコン等で形成される保護膜1
6、アルミニウム電極17−1及び17−2、ニクロム
等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミ
ナ等の放熱性のよい基板20よりなっている。記録イン
ク21は、吐出オリフィス22まで来ており、圧力Pに
よりメニスカス23を形成している。
【0042】上記のような構成の記録ヘッドにおいて、
アルミニウム電極17−1及び17−2に電気信号が加
わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発
熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、そ
の圧力でメニスカス23が突出し、吐出オリフィス22
よりインク小滴24となり、被記録材25に向かって飛
翔する。図3は、図1に示したノズルを多数並べた記録
ヘッドの概略図を示す。この際の記録ヘッドは、多数の
流路を有するガラス板等27と、図1において説明した
ものと同様の発熱ヘッド28とを密着して作られる。
【0043】図4に、上記で説明したヘッドを組み込ん
だインクジェット記録装置の一例を示す。図4におい
て、61はワイピング部材としてのブレードで、その一
端はブレード保持部材によって保持されて固定端とな
り、カレンチレバーの形態をなす。ブレード61は、記
録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置さ
れ、又、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突
出した形態で保持される。
【0044】又、62は記録ヘッド65の吐出口面のキ
ャップであり、ブレード61に隣接するホームポジショ
ンに配設され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向
に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを
行う構成を備える。更に、63はブレード61に隣接し
て設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同
様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持
される。前記ブレード61、キャップ62及びインク吸
収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード
61、及びインク吸収体63によってインク吐出口面に
水分、塵等の除去が行われる。
【0045】図4において、65は吐出エネルギー発生
手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録
材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は、
記録ヘッド65を搭載してその移動を行うためのキャリ
ッジである。キャリッジ66は、ガイド軸67と慴動可
能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によ
って駆動されるベルト69と接続(図示せず)してい
る。これによりキャリッジ66は、ガイド軸67に沿っ
た移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及
びその隣接した領域の移動が可能となる。51は、被記
録材を挿入するための給送部、52はモーター(図示せ
ず)により駆動される送りローラーである。これらの構
成によって記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ
被記録材が給送され、記録が進行するにつれて、排出ロ
ーラー53を配した排出部へ排出される。
【0046】上記構成において、記録ヘッド65が記録
終了等でホームポジションに戻る際に、吐出回復部64
のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避し
ているが、ブレード61は移動経路中に突出している。
この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口面に当
接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘ
ッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0047】又、記録ヘッド65がホームポジションか
ら記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレ
ード61は前記したワイピング時の位置と同一の位置に
ある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の
吐出口面はワイピングされる。前記の記録ヘッド65の
ホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時
ばかりではなく、記録ヘッド65が記録のために記録領
域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホー
ムポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピン
グが行われる。
【0048】図5は、ヘッドにインク供給部材、例え
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジ45の一例を示す図である。ここで40
は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、イン
ク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられて
いる。この栓42に針(図示せず)を挿入することによ
り、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならし
める。44は廃インクを受容するインク吸収体である。
インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフ
ィン、特にポリエチレンで形成されているものが好まし
い。
【0049】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、前記の如きヘッドとインクカートリッジが
別体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが一
体となったものも好適に用いられる。図6において、7
0は記録ユニットであって、この中にインクを収容した
インク収容部、例えば、インク吸収体が収納されてお
り、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィス
を有するヘッド部71からインク滴として吐出される構
成になっている。インク吸収体の材料としては、例え
ば、ポリウレタンを用いることができる。72は記録ユ
ニット内部を大気に連通させるための大気連通口であ
る。
【0050】この記録ユニット70は、図4で示す記録
ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ6
6に対し着脱自在になっている。尚、本発明に使用する
画像形成装置において、上記ではインクに熱エネルギー
を作用させてインク液滴を吐出するインクジェット記録
装置を例に挙げたが、そのほか圧電素子を使用するピエ
ゾ方式のインクジェット記録装置でも同様に利用でき
る。
【0051】本発明のインクセットを使用する本発明の
画像形成方法を実施する場合には、例えば、前記図3に
示した記録ヘッドを5つキャリッジ上に並べた画像形成
装置を使用する。図7はその一例である。81、82、
83、84はそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン及び
ブラック各色のインクを吐出するための記録ヘッドであ
る。又、85は本発明の液体組成物を吐出するヘッドで
ある。このような構成のヘッドは、前記した画像形成装
置に配置され、記録信号に応じて各色のインクを吐出す
る。そして、例えば、本発明の液体組成物が、それに先
立ち、少なくとも被記録材上の各色のインクが付着する
画像領域部分に予め付着されるようにする。
【0052】図7では記録ヘッドを5つ使用した例を示
したが、これに限定されるものではなく、図8に示した
ように1つの記録ヘッドでイエロー、マゼンタ、シアン
及びブラック、本発明の液体組成物を液流路を分けて行
う場合も好ましい。勿論、本発明の液体組成物とインク
の記録順が、上記した順序と逆になるようなヘッドの配
置をとって、先ず、被記録材上にインクを付与し、引き
続いて、その画像領域に液体組成物を付与する構成とし
てもよい。
【0053】本発明で好適に使用されるインクジェット
記録装置を構成する記録ヘッドの配置の具体的な構成例
としては、図9〜11に示したような3種のものが挙げ
られる。図9〜11において、Y、M、C及びBkは、
夫々、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色
のインクを吐出するための記録ヘッドである。又、S
は、本発明の液体組成物を吐出するための記録ヘッドで
ある。各記録ヘッドは、図7で示したと同様にキャリッ
ジ上に並べらる(構成例によって異なる)。各記録ヘッ
ドは、前記したような画像形成装置に配置され、記録信
号に応じて、各色のインクを吐出する。又、本発明の液
体組成物はそれに先立ち或いは後に、少なくとも各色の
インクが被記録材に付着する領域に付着させる。尚、各
記録ヘッドは矢印(1)の方向にキャリッジによって移
動し、被記録材は矢印(2)方向に給紙ローラー等によ
って移動する。
【0054】先ず、図9は第1の構成例を示しており、
S、Bk、Y、M、C用の記録ヘッドが並列にキャリッ
ジ上に配置されている。図10は第2の構成例を示して
おり、並列に配置された液体組成物及びブラックインク
用の記録ヘッドと、これらの記録ヘッドとは並列に、且
つ互いに直列に配置されたY、M、C用の記録ヘッドと
からなっている。ここで、各記録ヘッドの1ドットあた
りの吐出体積は、必ずしも同一である必要はなく、液体
組成物の組成等により、記録適正が最適になるように、
各記録ヘッドの1ドットあたりの吐出体積(Vd)を調
整してもよい。好適には、S、Y、M、CのVdを同一
にしてBkをその2倍とする構成がよいが、これに限定
されない。
【0055】更に、図11に示した第3の構成例のもの
では、吐出体積が同一のBk、S、Bk、Y、M、C用
の記録ヘッドが並列にキャリッジ上に配置されており、
ブラックインクの吐出量を、他の液体組成物及びカラー
インクの吐出量の倍量とすることができる。尚、図11
の構成例においても、S、Bk、Y、M、Cの吐出体積
(Vd)は必ずしも同一である必要はない。
【0056】又、本発明においては、画像形成領域にお
ける液体組成物とインクの被記録材の単位面積当たりの
付与量の比は、1:1であってもよいが、液体組成物:
インク=1:10〜8:10としてもよい。このように
すれば、得られる画像のベタ均一性が達成される。尚、
画像形成領域における被記録材上の単位面積当たりの液
体組成物とインクの付与量の比の調整は、具体的には、
例えば、被記録材上に付着させる液体組成物の画素数
が、被記録材上に付着するインクの画素数の10〜80
%の範囲となるように制御する、液体組成物とインクの
付与を共にインクジェット記録方式で行い、その際に液
体組成物の吐出量をインクの吐出量よりも小さくなるよ
うに制御する、或いはこれらを組み合わせて、被記録材
上に付着させる液体組成物の画素数が被記録材上に付着
するインクの画素数の10〜80%の範囲となるように
制御し、且つ液体組成物とインクの被記録材上への付与
を共にインクジェット記録方式によって行い、その際の
液体組成物の吐出量をインクの吐出量よりも小さくする
方法等によって行う。
【0057】本発明では、液体組成物及びインクの付与
を、共にインクジェット記録方式で行い、且つ記録密度
の大きいヘッドを使用し、1ドット当りの吐出量を共に
2〜25plの範囲と少なくすることが好ましい。この
ようにすれば、インクのフェザリングが抑制され、より
精緻な文字品位の高い画像が得られる。
【0058】次に、上述の如きインクジェット記録装置
において、本発明の液体組成物及びインクを被記録材上
に付与する方法について具体的に説明する。本発明の画
像形成方法は、少なくともカチオン性ポリマーを含有す
る液体組成物を少なくとも被記録材上の画像形成領域に
付与する工程(A)と、各色インクを、記録信号に従っ
て吐出オリフィスから液滴として被記録材上に吐出させ
て付与するインクジェット記録方式で付与する工程
(B)の2つの工程を有する。
【0059】工程(A)は、工程(B)により形成され
る記録画像の良好な文字品位と定着性の向上の両立を図
り、更にブリーディング防止と画像の耐水性の向上の目
的でなされるものであり、工程(A)を工程(B)に先
立って行っても、工程(B)の後に工程(A)を行って
も構わない。どちらの工程を先に行っても、液体組成物
中のカチオン性ポリマーとインク中のアニオン性物質と
が被記録材上で混合し凝集体を形成させるからである。
又、画像濃度及び定着性の向上の観点からは、工程
(B)の後に工程(A)を行い、更にそれに続いて工程
(B)を行うことがより好ましい。
【0060】工程(A)を工程(B)に先立って行う場
合の液体組成物を被記録材に付着せしめてから、インク
を付着させるまでの時間については特に制限されるもの
ではないが、本発明をより一層効果的なものにするため
には、数秒以内、特に好ましくは1秒以内である。これ
は、工程(A)を工程(B)の後に行う場合についても
同様である。
【0061】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明する。 <実施例1〜6>以下に示す成分を混合溶解した後、ポ
アサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過
し、実施例1〜6の液体組成物S−1〜S−6を得た。
【0062】 (S−1) ・ポリアリルアミン 4.0重量% (重量平均分子量Mw=700、塩素イオン濃度=50,000ppm) ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 5.0重量% ・酢酸 3.5重量% ・水 残部
【0063】 (S−2) ・ポリアリルアミン 4.0重量% (重量平均分子量Mw=700、塩素イオン濃度=50,000ppm) ・安息香酸ベンサルコニウム 0.5重量% ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 5.0重量% ・酢酸 3.5重量% ・水 残部
【0064】 (S−3) ・ポリアリルアミン 4.0重量% (重量平均分子量Mw=700、塩素イオン濃度=50,000ppm) ・塩化ベンザルコニウム(三洋化成製、G−50) 0.5重量% ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 5.0重量% ・酢酸 3.5重量% ・水 残部
【0065】 (S−4) ・ポリアリルアミン 4.0重量% (重量平均分子量Mw=1,400、塩素イオン濃度=50,000ppm) ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 5.0重量% ・酢酸 3.5重量% ・水 残部
【0066】 (S−5) ・ポリアリルアミン 4.0重量% (重量平均分子量Mw=1,400、塩素イオン濃度=50,000ppm) ・塩化ベンザルコニウム(三洋化成製、G−50) 0.5重量% ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 5.0重量% ・酢酸 3.5重量% ・水 残部
【0067】 (S−6) ・ポリアリルアミン 4.0重量% (重量平均分子量Mw=1,400、塩素イオン濃度=50,000ppm) ・安息香酸ベンサルコニウム 0.5重量% ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 5.0重量% ・酢酸 3.5重量% ・水 残部
【0068】次にBk、Y、M、Cとして、以下の組成
のカラーインクBk−1−1、Bk−1−2、Y−1、
M−1、C−1を調製した。作成方法としては、まず、
下記の成分を充分に撹拌して溶解した後、加圧濾過して
各インクを調製した。 (Bk−1−1) ・C.I.ダイレクトブラック168 2.5重量% ・C.I.ダイレクトブルー199 0.5重量% ・C.I.ダイレクトイエロー86 0.3重量% ・グリセリン 8.0重量% ・エチレングリコール 8.0重量% ・尿素 5.0重量% ・水 残部
【0069】 (Bk−1−2) ・顔料分散液1 30重量部 ・グリセリン 5重量部 ・2−ピロリドン 5重量部 ・イソプロピルアルコール 3重量部 ・水 57重量部顔料分散液1 スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(酸
価174、平均分子量18,000)15部と、モノエ
タノールアミン4.5部と、エチレングリコール5部
と、水57部を混合し、ウォーターバスで70℃に加温
し、樹脂分を完全に溶解させる。この際、溶解させる樹
脂の濃度が低いと完全に溶解しないことがあるため、樹
脂を溶解する際は高濃度溶液を予め作成しておき、希釈
して所望の樹脂溶液を調整してもよい。この溶液に、カ
ーボンブラック(MCF−88、pH8.0、三菱化成
製)10部と、エタノール5部を加え、30分間プレミ
キシングを行った。その際の分散条件は、下記に示した
通りである。 分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製) 粉砕メディア:ジルコニウムビーズ1mm径 粉砕メディアの充填率:50%(体積) 粉砕時間:3時間 その後、遠心分離処理(12,000RPM、20分
間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液1とした。
【0070】 (Y−1) ・C.I.ダイレクトイエロー132 2.5重量% ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 8.0重量% ・アセチレングリコール系界面活性剤 0.7重量% (川研ファインケミカル製アセチレノールEH) ・水 残部
【0071】 (M−1) ・C.I.Acid Red 92 2.5重量% ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 8.0重量% ・アセチレングリコール系界面活性剤 0.7重量% (川研ファインケミカル製アセチレノールEH) ・水 残部
【0072】 (C−1) ・C.I.Direct Blue 199 3.0重量% ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 8.0重量% ・アセチレングリコール系界面活性剤 0.7重量% (川研ファインケミカル製アセチレノールEH) ・水 残部
【0073】以上のようにして調製した液体組成物S−
1〜S−6、及びインクBk−1−1、Y−1、M−1
及びC−1を組み合わせてインクセットとし、図10に
示したヘッド構成例2で示されるのと全く同様の構成の
ヘッドで、且つ各インク及び液体組成物の吐出量が次の
ようになっているヘッドを使用して、600dpiのカ
ラー記録を行った。 ・液体組成物 15pl/dot ・Bk−1−1 30pl/dot ・Y−1 15pl/dot ・M−1 15pl/dot ・C−1 15pl/dot
【0074】この際、液体組成物の被記録材上の塗布位
置が、インクが記録される位置と正確に重なるように電
気的に調整した。又、画像を記録する被記録材は、キヤ
ノン製PB用紙(複写機とインクジェット記録用の共用
紙)を使用した。
【0075】評価 上記で使用した液体組成物S−1〜S−6についての
(1)塩素イオン濃度、及び、上記のようにしてカラー
記録を行った場合における(2)ヒーターボードの耐久
と、得られた画像の(3)耐水性を以下の評価方法及び
評価基準で評価した。その結果を表1に示す。
【0076】(1)塩素イオン濃度 液体組成物の塩素イオン濃度は、イオンクロマトグラフ
ィーで測定した。
【0077】(2)ヒーターボードの耐久(液体組成物
の吐出耐久) 図2に示す記録ヘッドを有する記録ユニットを、温度4
0℃/湿度40%の条件下に放置し、この記録ユニット
に搭載されている液体組成物を1ケ月毎に吐出させて、
ヒーターボードの耐久の確認を行った。この際、図12
のようなノズルチェックパターンをOHPシートに印字
させ、吐出しないノズルの数で評価した。 ○:吐出しないノズル 0本 △:吐出しないノズル 1〜5本 ×:吐出しないノズル 5本以上
【0078】(3)耐水性 ヒーターボードの耐久試験と同条件で放置した液体組成
物を用い、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの
各色のベタ画像及び英数文字を印字した。得られた画像
を1時間放置した後、水温20℃の水道水中へ10秒間
浸漬した。その後、水からとり出し、そのまま風乾し、
目視にて耐水性を評価した。イエロー、マゼンタ、シア
ン及びブラックのうち、耐水性の最も低いインクを耐水
性の評価結果とした。耐水性の評価基準は以下の通りで
ある。 ○:余白部分への記録剤の流れ出しがなく、地汚れがほ
とんど見られない。英数文字の滲みもほとんど発生して
いない。 △:余白部分への記録剤の流れ出しがやや発生し、英数
文字がやや滲んでいる。 ×:余白部分への記録剤の流れ出しがひどく、地汚れが
著しい。又、英数文字の滲みもひどい。
【0079】<比較例1及び比較例2>下記成分を用い
て、実施例1〜6と同様にして、比較例1〜2に用いる
液体組成物S−7及びS−8を調製した。 (S−7) ・ポリアリルアミン 4.0重量% (重量平均分子量Mw=700、塩素イオン濃度:87,500ppm) ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 5.0重量% ・酢酸 3.5重量% ・水 残部
【0080】 (S−8) ・ポリアリルアミン 4.0重量% (重量平均分子量Mw=1,400、塩素イオン濃度=87,500ppm) ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 5.0重量% ・酢酸 3.5重量% ・水 残部
【0081】インクは、下記の組成のBk−2−1、Y
−2、M−2、C−2を使用した。 (Bk−2−1) ・C.I.ダイレクトブラック168 2.5重量% ・C.I.ダイレクトブルー199 0.5重量% ・C.I.ダイレクトイエロー86 0.3重量% ・グリセリン 8.0重量% ・エチレングリコール 8.0重量% ・尿素 5.0重量% ・イソプロピルアルコール 4.0重量% ・水 残部
【0082】 (Bk−2−2) ・顔料分散液1 30重量部 ・グリセリン 5重量部 ・2−ピロリドン 5重量部 ・イソプロピルアルコール 3重量部 ・水 57重量部顔料分散液1 スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(酸
価174、平均分子量18,000)15部と、モノエ
タノールアミン4.5部と、エチレングリコール5部
と、水57部を混合し、ウォーターバスで70℃に加温
し、樹脂分を完全に溶解させる。この際、溶解させる樹
脂の濃度が低いと完全に溶解しないことがあるため、樹
脂を溶解する際は高濃度溶液を予め作成しておき、希釈
して所望の樹脂溶液を調整してもよい。この溶液に、カ
ーボンブラック(MCF−88、pH8.0、三菱化成
製)10部と、エタノール5部を加え、30分間プレミ
キシングを行った。その際の分散条件は、下記に示した
通りである。 分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製) 粉砕メディア:ジルコニウムビーズ1mm径 粉砕メディアの充填率:50%(体積) 粉砕時間:3時間 その後、遠心分離処理(12,000RPM、20分
間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液1とした。
【0083】 (Y−2) ・C.I.ダイレクトイエロー132 2.5重量% ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 8.0重量% ・アセチレングリコール系界面活性剤 0.1重量% (川研ファインケミカル製アセチレノールEH) ・イソプロピルアルコール 2.5重量% ・水 残部
【0084】 (M−2) ・C.I.Acid Red 92 2.5重量% ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 8.0重量% ・アセチレングリコール系界面活性剤 0.1重量% (川研ファインケミカル製アセチレノールEH) ・イソプロピルアルコール 2.5重量% ・水 残部
【0085】 (C−2) ・C.I.Direct Blue 199 3.0重量% ・グリセリン 7.0重量% ・ジエチレングリコール 8.0重量% ・アセチレングリコール系界面活性剤 0.1重量% (川研ファインケミカル製アセチレノールEH) ・イソプロピルアルコール 2.5重量% ・水 残部
【0086】上記で得られた液体組成物S−7及びS−
8、及びインクBk−2−1、Y−2、M−2及びC−
2を用い、実施例と同様の記録条件、画像形成装置を使
用してカラー記録を行った。又、実施例と同様にして、
液体組成物S−7及びS−8の(1)塩素イオン濃度、
液体組成物S−7及びS−8を記録ユニット中に長期間
放置した場合の(2)ヒーターボード耐久、及び得られ
た画像の(3)耐水性の評価を行った。その評価結果を
表1に示す。
【0087】
【表1】表1:評価結果
【0088】<実施例7〜実施例12、比較例3及び比
較例4>更に、実施例7〜実施例12として、液体組成
物S−1〜S−6を用い、インクセットとしてインクB
k−1−1に代えて上記で調製した顔料を含むインクB
k−1−2を使用した以外は、実施例1〜6と同様の記
録条件、画像形成装置を使用してカラー記録を行った。
又、その比較として、比較例3及び比較例4として、液
体組成物S−7及びS−8を用い、インクセットとして
インクBk−2−1に代えて上記で調製した顔料を含む
インクBk−2−2を使用した以外は、比較例1及び2
と同様の記録条件、画像形成装置を使用してカラー記録
を行った。この結果、表1に示したと同様に、実施例7
〜実施例12では、ヒーターボード耐久、及び得られた
画像の耐水性が充分であったが、比較例3及び比較例4
では、比較例1及び比較例2と同様、ヒーターボードの
耐久に劣っていた。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カチオン性ポリマーを含む液体組成物をインクと共に使
用するカラーインクジェット記録において、高い画像濃
度、優れた画像均一性、カラーブリード抑制、及び画像
の耐水性の向上等の効果を維持しつつ、更に、記録ヘッ
ドを過酷な環境下で使用した場合や、液体組成物を記録
ユニット中に長期間放置した後に使用を再開した場合に
も、信頼性の高い画像を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの縦断面図。
【図2】インクジェット記録装置のヘッドの横断面図。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
【図5】インクカートリッジの縦断面図。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図。
【図7】複数の記録ヘッドが配列した記録部を示した斜
視図。
【図8】本発明に使用する別の記録ヘッドの斜視図。
【図9】記録ヘッドの第1の構成例。
【図10】記録ヘッドの第2の構成例。
【図11】記録ヘッドの第3の構成例。
【図12】ヒーターボード耐久評価に用いた印字パター
ン。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:インク溝 15:発熱ヘッド 16:保護膜 17−1、17−2:アルミニウム電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス(微細孔) 23:メニスカス 24:インク小滴 25:被記録材 26:マルチ溝 27:ガラス板 28:発熱ヘッド 40:インク袋 42:栓 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 51:給紙部 52:紙送りローラー 53:排紙ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:ベルト 70:記録ユニット 71:ヘッド部 72:大気連通口 81:イエローインク記録ヘッド 82:マゼンタインク記録ヘッド 83:シアンインク記録ヘッド 84:ブラックインク記録ヘッド 85:液体組成物記録ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝沢 吉久 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン性ポリマーを含む液体組成物で
    あって、該液体組成物中の塩素イオン濃度が3,000
    ppm以下であることを特徴とする液体組成物。
  2. 【請求項2】 カチオン性ポリマーが、重量平均分子量
    400〜5,000の範囲にあるカチオン性物質である
    請求項1に記載の液体組成物。
  3. 【請求項3】 カチオン性ポリマーが、ポリアリルアミ
    ンである請求項1に記載の液体組成物。
  4. 【請求項4】 カチオン性ポリマーを0.05〜20重
    量%の範囲で含有する請求項1に記載の液体組成物。
  5. 【請求項5】 更に、炭素数8以上のアルキル基を有す
    る第4級アミンが含有されている請求項1に記載の液体
    組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の液体組
    成物と、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、レッ
    ド、ブルー及びグリーンから選ばれる少なくとも1色の
    インクとを組み合わせたことを特徴とするインクセッ
    ト。
  7. 【請求項7】 液体組成物を、イエロー、マゼンタ及び
    シアンの3色のインクと組み合わせた請求項6に記載の
    インクセット。
  8. 【請求項8】 液体組成物を、イエロー、マゼンタ、シ
    アン及びブラックの4色のインクとを組み合わせた請求
    項6に記載のインクセット。
  9. 【請求項9】 インクが、アニオン性化合物を含む請求
    項6に記載のインクセット。
  10. 【請求項10】 インクが、顔料とアニオン性化合物と
    を含む請求項6に記載のインクセット。
  11. 【請求項11】 アニオン性化合物が、分子量1,00
    0以上の高分子物質である請求項9又は請求項10に記
    載のインクセット。
  12. 【請求項12】 アニオン性化合物が、界面活性剤であ
    る請求項9又は請求項10に記載のインクセット。
  13. 【請求項13】 インクが、アニオン性基を有する水性
    染料を含む請求項6に記載のインクセット。
  14. 【請求項14】 請求項6のインクセットを使用し、該
    インクセット中の液体組成物をインクジェット記録方式
    により被記録材上の画像形成領域に付与する工程(A)
    と、インクセット中のインクをインクジェット記録方式
    により上記被記録材上の画像形成領域に付与する工程
    (B)とを少なくとも有することを特徴とする画像形成
    方法。
  15. 【請求項15】 インクジェット記録方式が、オンデマ
    ンド型インクジェット方式である請求項14に記載の画
    像形成方法。
  16. 【請求項16】 インクジェット記録方式が、インクに
    熱エネルギーを作用させてインクを吐出させるインクジ
    ェット記録方式である請求項14に記載の画像形成方
    法。
  17. 【請求項17】 工程(A)を工程(B)に先立って行
    う請求項14に記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 工程(A)を工程(B)の後に行う請
    求項14に記載の画像形成方法。
  19. 【請求項19】 工程(B)、工程(A)、工程(B)
    の順で順次行う請求項14に記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 請求項6〜13のいずれかに記載のイ
    ンクセットとインクジェット手段とを有することを特徴
    とする画像形成装置。
  21. 【請求項21】 請求項1〜5のいずれかに記載の液体
    組成物の収納部及び吐出手段を有する第一の記録ユニッ
    トと、少なくともアニオン性化合物を含有するインクの
    収納部及び吐出手段を有する第二の記録ユニットを備え
    たことを特徴とする画像形成装置。
  22. 【請求項22】 吐出手段がインクジェット手段である
    請求項21に記載の画像形成装置。
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