JP2019022947A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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英輔 西谷
啓一郎 竹内
Keiichiro Takeuchi
啓一郎 竹内
暁 森田
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暁 森田
香菜子 相馬
Kanako Soma
香菜子 相馬
拓海 大谷
Takumi Otani
拓海 大谷
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Fumihiro Goto
史博 後藤
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Koichiro Nakazawa
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Abstract

【課題】 記録画像の光沢の経時変化を抑制することが可能になり、高光沢な画像を安定的に形成することができるインクジェット記録装置を提供すること。【解決手段】 本発明に係るインクジェット記録装置は、被記録媒体にインクを付与させることによって画像を形成するインクジェット記録装置であって、前記被記録媒体に反応液を塗布する塗布手段と、被記録媒体に少なくとも樹脂と溶媒とを含むインクを用いて画像を形成する画像形成手段と、前記記録媒体上に形成された画像に対して熱圧定着を行う定着手段と、前記熱圧定着された画像に含まれる前記溶媒を除去する溶媒除去手段と、を備えることを特徴とする。【選択図】 図8

Description

本発明は、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に係り、特に記録画像の光沢変化を抑制することが出来るインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方式において、樹脂微粒子を含んだインクを被記録媒体に付与し、被記録媒体に付与されたインク中の液体分を除去した後、被記録媒体を加熱加圧手段で定着することにより、被記録媒体上のインクに含まれる樹脂微粒子を造膜させて記録画像を作成する方式が提案されている。この方式を用いると、記録画像を皮膜化することが可能になり、記録画像の擦過性を向上させることが可能になるとともに、光沢の高い記録画像を得ることが出来る。
特許文献1では、乾燥後におけるインク由来水の残水量を調節することにより、定着部材へのインクのオフセットや記録画像のカールを防止することが可能になり、より高品質な画像形成を可能とする画像形成方法が提案されている。
特開2010−5815号公報
しかしながら、特許文献1のように、乾燥後におけるインク由来水の残水量を調節した後に加熱加圧手段で定着したとしても、一時的には光沢が高くなるものの時間が経過するにつれて光沢が著しく低下する場合があるという課題が新たに見つかった。加熱加圧手段で定着した時刻からの経過時間に対して、20度光沢値(日本工業規格JIS Z 8741による)をプロットした結果を図3に示す。加熱加圧手段で定着した直後は、20度光沢値は66と高くなるものの、時間が経過するとともに経時で光沢が低下し、20度光沢値が54になったところで安定する。
つまり、最終的に得られる画像は、加熱加圧手段で定着した直後の20度光沢値よりも12程度も低くなってしまい、高光沢の画像を得ることが出来なかった。
本発明者は先述した背景技術を深く鑑み、鋭意検討の結果、以下に示す構成がインクジェット記録方法として課題に対し優れた性能を有することを見出し、本発明を成すに至った。
本発明に係るインクジェット記録装置は、被記録媒体にインクを付与させることによって画像を形成するインクジェット記録装置であって、前記被記録媒体に反応液を塗布する塗布手段と、被記録媒体に少なくとも樹脂と溶媒とを含むインクを用いて画像を形成する画像形成手段と、前記記録媒体上に形成された画像に対して熱圧定着を行う定着手段と、前記熱圧定着された画像に含まれる前記溶媒を除去する溶媒除去手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、記録画像の光沢の経時変化を抑制することが可能になり、高光沢な画像を安定的に提供することが可能なインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の模式図である 従来形態におけるインクジェット記録装置の模式図である 従来形態における20度光沢の経時変化を示したグラフである。 本発明の第1の実施例における20度光沢の経時変化を示したグラフである。 本発明の第2の実施例における20度光沢の経時変化を示したグラフである。 本発明の実施形態におけるロールニップ方式による加圧加熱手段の模式図である。 本発明の実施形態におけるエンドレスプレス方式による加圧加熱手段の模式図である。 本発明の第1の実施例における溶剤除去装置の模式図である。 本発明の第2の実施例における溶剤除去装置の模式図である。
以下に本発明の実施形態に係る印刷方法の概略を説明する。なお本明細書において「被記録媒体」とは、一般的な印刷で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック、フィルムその他の印刷媒体、記録メディアも含めて言う。
本発明では、加熱加圧手段で記録画像を定着した後、記録画像の凝集物より表面エネルギーの高い基材を凝集物に押し当て、凝集物表面から溶剤を除去することにより、記録画像の光沢低下を抑制することが出来るため、上述の課題を解決することができる。
まず、本発明の概略について説明する。最初に、ローラ式塗布装置を利用して、被記録媒体に該インク中の色材成分と接触して高粘度化インク画像を形成する反応液を塗布する。続いて、被記録媒体がインクジェット記録ヘッドの位置に到達すると、インクジェット記録ヘッドから被記録媒体へとインクが吐出され、被記録媒体上に予め塗布してあった反応液と反応し、被記録媒体上にインク凝集層が形成される。更に、被記録媒体が送風装置に到達すると、インク凝集層の中に含まれる水分が送風により除去される。
続いて、加熱加圧手段の位置に達すると、インク凝集層が加圧加熱により定着(熱圧定着)される。最後に、溶媒除去手段を用いて被記録媒体から溶媒を除去することにより、光沢が低下しない記録物を作成することが出来る。
<発明の構成>
次に、本発明の実施形態における構成について詳細に説明する。
<反応液>
本発明における反応液は、インク高粘度化成分を含有する。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している組成物の一部である色材や樹脂等がインク高粘度化成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材などインク組成物の一部が凝集する事により局所的に粘度上昇を生じる場合をも含む意である。この成分は被記録媒体上でのインクおよび/又はインク組成物の一部の流動性を低下せしめて、画像形成時のブリーディング、ビーディングを抑制する効果がある。本発明の態様においてはインク高粘度化成分として、多価の金属イオン、有機酸、カチオンポリマー、多孔質性微粒子など、旧来公知の物を特に制限無く用いることができる。中でも特に多価の金属イオンおよび有機酸が好適である。また複数の種類のインク高粘度化成分を含有させることも好適である。
なお、反応液中のインク高粘度化成分の含有量は、反応液全質量に対して5質量%以上であることが好ましい。
具体的にインク高粘度化成分として使用できる金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+、Cr3+、Y3+およびAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。
また具体的にインク高粘度化成分として使用できる有機酸としては、例えば、シュウ酸、ポリアクリル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、レブリン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタミン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸等が挙げられる。
本発明に係る反応液は適量の水や有機溶剤を含有していてもよい。この場合に用いる水はイオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また本発明にかかる反応液に用いることのできる有機溶剤としては特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。
また本発明に係る反応液には、各種樹脂を添加することもできる。適当な樹脂を添加しておくことで、最終画像の機械強度を高めたりすることが可能であり好適である。用いられる材料としてはインク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無い。
また反応液は界面活性剤や粘度調整剤を加えてその表面張力や粘度を適宜調整して用いることができる。用いられる材料としてはインク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無い。具体的に用いられる界面活性剤としてはアセチレノールE100(川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。
<反応液付与>
被記録媒体表面へ反応液を付与する方法は、従来知られている各種手法を適宜用いることができる。例としてはダイコーティング、ブレードコーティング、グラビアローラーを用いる手法、オフセットローラーを用いる手法、スプレーコーティング等が挙げられる。またインクジェット記録ヘッドを用いて付与する方法も好適である。さらにいくつかの方法を複数組み合わせることも極めて好適である。
続いて該反応液が付与された被記録媒体表面に、インクジェット記録ヘッドを用いてインクが画像様に付与される。
<描画>
本発明に適用されるインクジェット記録ヘッドとしては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態、電気−機械変換体によってインクを吐出する形態、静電気を利用してインクを吐出する形態等がある。インクジェット液体吐出技術で提案される各種インクジェット記録ヘッドをいずれも用いることができる。中でも特に高速で高密度の印刷の観点からは電気−熱変換体を利用したものが好適に用いられる。
またインクジェット記録ヘッド全体の形態としては特に制限はない。被記録媒体の進行方向と垂直にヘッドを走査しながら記録を行ういわゆるシャトル形態のインクジェット記録ヘッドや、被記録媒体の進行方向に対し略垂直にインク吐出口をライン状に配列してなるいわゆるラインヘッド形態のインクジェット記録ヘッドを用いることもできる。加えて、記録方式においても制限はなく、シャトル形態のインクジェット記録ヘッドの場合、同一の記録位置に対して複数回走査が行われることによって記録されるマルチパス記録方式であっても、同一の記録位置に対して一回のみ走査が行われることによって記録されるワンパス記録方式であっても良い。更には、画像を複数のマスクパターンに分割し、記録する方法を用いることもできる。
<インク>
本発明におけるインクに用いることのできる各成分について説明する。
[色材]
本発明におけるインクは、公知の染料やカーボンブラック、有機顔料等を溶解および/または分散させた色材を用いることができる。中でも各種顔料は印刷物の耐久性や品位に特徴があり好適である。
[顔料]
本発明に用いることのできる顔料としては特に限定されず、公知の無機顔料・有機顔料を用いることができる。具体的にはC.I.(カラーインデックス)ナンバーであらわされる顔料を用いることができる。また、黒色顔料としては、カーボンブラックを用いることも好ましい。インク中の顔料の含有量は、インク全質量に対し0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
[顔料分散剤]
顔料を分散させる分散剤としては、従来公知のインクジェットに用いられるものであればいずれも使用することができる。中でも本発明の態様においては構造中に親水性部と疎水性部とを併せ持つ水溶性の分散剤を用いることが好ましい。特に、少なくとも親水性のモノマーと疎水性のモノマーとを含んで共重合させた樹脂からなる顔料分散剤が好ましく用いられる。ここで用いられる各モノマーについては特に制限はなく、旧来公知の物が好適に用いられる。具体的には、疎水性モノマーとしてはスチレン、スチレン誘導体、アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。
該分散剤の酸価は50mgKOH/g以上550mgKOH/g以下であることが好ましい。また、該分散剤の重量平均分子量は1000以上50000以下であることが好ましい。
なお、顔料と分散剤との比としては1:0.1〜1:3の範囲であることが好ましい。
また分散剤を用いず、顔料自体を表面改質して分散可能としたいわゆる自己分散性顔料を用いることも本発明において好適である。
[樹脂微粒子]
本発明におけるインクは、色材を有しない各種微粒子を含有させて用いることができる。中でも樹脂微粒子は画像品位や定着性の向上に効果がある場合があり好適である。
本発明に用いることのできる樹脂微粒子の材質としては、特に限定されず公知の樹脂を適宜用いることができる。具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ尿素、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリジエン等の単独重合物もしくはこれらを複数組み合わせた共重合物が挙げられる。該樹脂の質量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下の範囲が好適である。またインク中における樹脂微粒子の量は、インク全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上40質量%以下である。
さらに本発明の態様においては、該樹脂微粒子が液中に分散した樹脂微粒子分散体として用いることが好ましい。分散の手法については特に限定はないが、解離性基を有するモノマーを単独重合もしくは複数種共重合させた樹脂を用いて分散させたいわゆる自己分散型樹脂微粒子分散体は好適である。ここで解離性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられ、この解離性基を有するモノマーとしてはアクリル酸やメタクリル酸等が挙げられる。また、乳化剤により樹脂微粒子を分散させたいわゆる乳化分散型樹脂微粒子分散体も、同様に本発明に好適に用いることができる。ここで言う乳化剤としては、低分子量、高分子量に関わらず公知の界面活性剤が好適に用いられる。該界面活性剤はノニオン性か、もしくは樹脂微粒子と同じ電荷を持つ物が好適である。
本発明の態様に用いる樹脂微粒子分散体は、10nm以上1000nm以下の分散粒径をもつことが望ましく、さらに100nm以上500nm以下が望ましい。
また本発明の態様に用いる樹脂微粒子分散体を作製する際に、安定化のために各種添加剤を加えておくことも好ましい。該添加剤は例えば、n−ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン、オリーブ油、青色染料(Blue70)、ポリメチルメタクリレート等が好適である。
[界面活性剤]
本発明に用いることのできるインクは界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、具体的には、アセチレノ−ルEH(川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。インク中の界面活性剤の量は、インク全質量に対して0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
[水及び水溶性有機溶剤]
本発明に用いるインクは溶剤として水および/または水溶性有機溶剤を含むことができる。水は、イオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、インク中の水の含有量は、インク全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることが好ましい。
また用いる水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。具体的には、グリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン等が挙げられる。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク全質量に対して3質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
[その他添加剤]
本発明に用いることのできるインクは上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂およびその中和剤、粘度調整剤など種々の添加剤を含有してもよい。
<水分除去>
本発明の態様においては、該インクジェット記録ヘッドにより形成されたインクジェット記録画像から液体分を減少させる工程を設けることも好ましい。該インクジェット記録画像の液体分が過剰であると画像乱れの原因となりうる。
水分除去の手法としては旧来用いられている各種手法がいずれも好適に適用できる。加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法、またこれらを組み合わせる手法がいずれも好適に用いられる。また、自然乾燥により行うことも可能である。
<定着>
画像が記録された被記録媒体をローラで加圧し、被記録媒体と画像との定着性を高めることが可能である。また被記録媒体を加熱することも定着性が向上する場合があり好適である。加熱加圧ローラを用いてこれらを同時に行うとより好適である。加熱加圧ローラを用いる代表的な定着方式にはローラニップ方式、エンドレスプレス方式があり、いずれも好適に用いられる。以下、図5、図6を用いて各々の方式について詳細に説明する。
(ローラニップ方式)
ここでは、図6を用いて、加熱加圧定着方式のひとつであるローラニップ方式について説明する。ローラニップ方式は、図6に示すように、加熱ローラ52及び支持ローラ53が接触しており、これら2つのローラの間を被記録媒体31の上に形成されたインク凝集層32が通過する方式である。加熱ローラ52でインク凝集層32に熱が加えられることによりインク凝集層32が軟化し、インク凝集層は加圧されることにより平滑になる。ここで、加熱ローラ52の表面は、記録画像で得たい所望の平滑性よりも、少なくとも平滑でなければならない。
また、インク凝集層32が加熱された状態で加熱ローラ52と剥離することから、加熱ローラ52とインク凝集層32の剥離性が良好であるような加熱ローラ52の表面基材を選定する必要がある。加熱ローラ52の表面基材としては、PTFE、PFAなどのフッ素樹脂、あるいはユーピレックス−S(宇部興産株式会社製)などが好適である。
(エンドレスプレス方式)
続いて、図7を用いて、加熱加圧定着方式のひとつであるエンドレスプレス方式について説明する。加熱ローラ52に巻きつけられている定着ベルト51及び支持ローラ53が接触しており、これら2つのローラの間を被記録媒体31の上に形成されたインク凝集層32が通過する。定着ベルト51は、加熱ローラ52及び剥離ローラ54に巻きつけられており、剥離ローラ54の位置に達するまで、定着ベルト51と被記録媒体31の上に形成されたインク凝集層32は接触したままとなっている。
加熱ローラ52と剥離ローラ54の間には、冷却装置55が設置されており、被記録媒体31が剥離ローラ54の位置に達した時にはインク凝集層32は冷却されているため、定着ベルト51とインク凝集層32を低温で剥離することが可能となっている。定着ベルト51の表面基材としては、カプトン(東レ・デュポン株式会社製)が好適である。
<溶剤除去(溶媒除去)>
本工程は、定着工程後にインク凝集層に存在する溶剤分を除去するために実施する。定着工程前に実施する水分除去工程において、インク凝集層中に含まれる水分は除去されるが、定着工程後においても、水よりも揮発性の低い溶剤分は残ったままである。インク凝集層中に多くの溶剤分が残留することにより、光沢の経時変化が発生することが分かっており、定着工程後に本工程を通すことで光沢の経時変化を抑制することが可能となる。特に、本工程においては、凝集層の表面に圧力をかけることにより、凝集層中の液体分を表面に押し出すことを特徴としている。
また、本工程は、水分除去工程、定着工程後に実施されるため、凝集層内に含有される液体分の粘度が高くなっている。従って、接触方式の溶剤除去方法の方が、より好ましい。
続いて、図8を用いて溶剤除去工程について説明する。溶剤除去工程は、図8に示すように、先に説明したローラニップ方式に近い構成となっている。すなわち、溶剤除去ローラ52及び支持ローラ53が接触しており、これら2つのローラの間を被記録媒体31の上に形成されたインク凝集層32が通過する。インク凝集層32が通過すると、溶剤除去ローラ52にインク凝集層32中に含まれる溶剤分が付着し、インク凝集層32に含まれる溶剤分を除去することが出来る。連続して使用する際は、溶剤除去ローラ52に付着した溶剤分をクリーニングするためのクリーニング装置57があった方が好ましい。
溶剤除去ローラ52の表面基材(溶媒除去用基材)として、インク凝集層32中に含まれる溶剤分をより多く付着させるために、表面エネルギーが高い方が好ましい。溶剤除去ローラ52の表面基材としては、カプトン(東レ・デュポン株式会社製)が好適である。
[実施例]
次に、本発明にかかるインクジェット記録装置の実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、下記の実施例によって限定されるものではない。尚、文中「部」、及び「%」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。
ここでは、本発明にかかるインクジェット記録方法の実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、下記の実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
本発明の実施例においては、被記録媒体としてミラーコート紙 (連量127.9)を用いた。ミラーコート紙のようなキャストコート紙は、グロスコート紙よりも紙白の平滑性が高く、光沢も高くなる。また、本構成では電気熱変換素子を用いオンデマンド方式にてインク吐出を行うタイプのデバイスを、被記録媒体の搬送方向に対して略平行となるライン状に配列してなるラインヘッド形態のインクジェット記録ヘッドを使用し、記録ドット解像度を1200dpiとして画像を形成した。印刷条件としては、「インク吐出量を3pl」、「被記録媒体の温度を50℃」、「反応液塗布量を1g/m」、「インクの総付与量を20g/cm」とした。
(反応液の調整)
本発明に用いられる反応液は、下記の組成の成分を混合し、十分攪拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過することにより調整した。
・グリセリン 20.0%
・塩化カルシウム・4水和物 16.0%
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1.0%
・純水 63.0%
また、本例におけるインクは以下の各手順により作成し用いた。
(ブラック顔料分散液の調製)
カーボンブラック(製品名:モナク1100、キャボット社製)10%、顔料分散剤水溶液(スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体<酸価150、重量平均分子量8,000>;固形分20%;水酸化カリウムにて中和済み)15%、純水75%を混合し、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを200%充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去し、顔料濃度が約10%のブラック顔料分散液を得た。
(シアン顔料分散液の調製)
ブラック顔料分散液の調製の際に使用したカーボンブラック10%を、C.I.ピグメントブルー15:3、10%に代えたこと以外は、ブラック顔料分散液の調製の場合と同様の方法で、シアン顔料分散液を調製した。
(マゼンタ顔料分散液の調製)
ブラック顔料分散液の調製の際に使用したカーボンブラック10%を、C.I.ピグメントレッド122、10%に代えたこと以外は、ブラック顔料分散液の調製の場合と同様の方法で、マゼンタ顔料分散液を調製した。
(イエロー顔料分散液の調製)
ブラック顔料分散液の調製の際に使用したカーボンブラック10%を、C.I.ピグメントイエロー74、10%に代えたこと以外は、ブラック顔料分散液の調製の場合と同様の方法で、イエロー顔料分散液を調製した。
(樹脂微粒子分散体の作製)
ブチルメタクリレート18%、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)2%、n−ヘキサデカン2%を混合し、0.5時間攪拌した。この混合物を、乳化剤であるNIKKOL BC15(日光ケミカルズ製)の6%水溶液78%に滴下して、0.5時間攪拌した。次に超音波照射機で超音波を3時間照射した。続いて、窒素雰囲気下で80℃、4時間重合反応を行い、室温冷却後にろ過して濃度約20%の樹脂微粒子分散体を得た。該樹脂微粒子の質量平均分子量は約(1,000〜2,000,000)、分散粒径は約(100nm〜500nm)であった。
(インクの調製)
下記の処方の組成からなるインクをブラック、シアン、マゼンタ、イエローそれぞれについて調製した。具体的には、下記の処方の成分を各々混合し、十分攪拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過することにより調整した。
(インク処方)
・上述の各色顔料分散液(濃度約10%) 20%
・上述の樹脂微粒子分散体(濃度約20%) 50%
・グリセリン 5%
・ジエチレングリコール 7%
・アセチレノ−ルEH(川研ファインケミカル製) 0.5%
・純水 17.5%
続いて、本実施例の要部について、図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の模式図を示している。図1において、まず、被記録媒体31にローラ式塗布装置21を利用して、該インク中の色材成分と接触して高粘度化インク画像を形成する反応液22を塗布する。続いて、被記録媒体31がインクジェット記録ヘッド11の位置に到達すると、インクジェット記録ヘッド11からブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各々のインクが吐出され、被記録媒体31上に予め塗布してあった反応液22と反応し、被記録媒体31上にインク凝集層32が形成される。更に、被記録媒体31が送風装置12に到達すると、インク凝集層32の中に含まれる水分が送風により除去される。
続いて、加熱加圧手段41の位置に達すると、インク凝集層32が加圧加熱により定着され、いったんは高光沢の記録画像が形成される。本実施例においては、加熱加圧手段41として図7に示すエンドレスプレス方式を採用した。エンドレスプレス方式を用いると、低温での剥離が可能になり、ローラニップ方式よりも高光沢が出やすいことが知られている。定着ベルト51の表面基材としてカプトン(東レ・デュポン社製)を採用し、定着時の温度は、該インク中に含有される樹脂微粒子の最低造膜温度(MFT)よりも十分高温となる140℃に、加圧する圧力は10kgf/cmとした。また、インク凝集層32が定着ベルト51を介して加熱加圧ローラ52と支持ローラ53にニップされる時間は900msecとした。
続いて、溶剤除去手段42を用いて、被記録媒体31上に形成されたインク凝集層32に含まれる溶剤を除去した。溶剤除去手段42の実施例を図8に示す。溶剤除去ローラの温度は、80℃(インクのガラス転移点以下の温度)に、加圧する圧力は10kgf/cmとした。また、インク凝集層32が溶剤除去ローラ56と支持ローラ53にニップされる時間は300msecとした。また、連続して用いる場合は、溶剤除去ローラ56に付着した溶剤をクリーニングするクリーニング装置57を備えている方が好ましい。本実施例においては、クリーニング装置57として、不織布を用いて溶剤除去ローラ56に付着した溶剤をクリーニングした。
従来例であげているように、加熱加圧手段41で定着した後、溶剤除去手段42を用いない場合の20度光沢度の変化を図3に示す。図3に示すように、溶剤除去手段42を用いない場合は、加熱加圧手段41での定着直後の20度光沢値は66と高い値となっているが、16時間後には54まで低下してしまい、20度光沢値は定着直後から12も低下してしまった。
一方、本実施例において、溶剤除去手段42を用いた直後、及び16時間後の20度光沢値を図4に示す。図4に示すように、溶剤除去手段42を用いた直後の20度光沢値は62となっており、16時間後にも59の値を示している。すなわち、従来例では定着後16時間で12も低下していた20度光沢値の低下幅が、本実施例では3にまで軽減されている。
このように、加熱加圧手段41で定着した後、溶剤除去手段42を適用することにより、光沢低下を抑制することが出来る。本実施例を用いると、高光沢である高品位な画像を得ることが可能なインクジェット記録装置を提供することが出来る。
[実施例2]
次に、本発明にかかるインクジェット記録装置の第2の実施例について詳細に説明する。
本実施例は、実施例1の構成において、溶剤除去手段42に変更を加えたものである。本実施例における溶剤除去手段42の模式図を図9に示す。本実施例における溶剤除去手段42は、図9に示すように、溶剤除去ローラ56及び支持ローラ53を3つタンデムに接続した方式となっている。このような構成にすると、溶剤除去ローラ52にインク凝集層32中に含まれる溶剤分が付着し、インク凝集層32に含まれる溶剤分を除去するという溶剤除去効果が、より効果的になり、20度光沢値の低下を、より強力に抑制することが出来る。
本実施例において、溶剤除去手段42を用いた直後、及び16時間後の20度光沢値を図5に示す。図5に示すように、溶剤除去手段42を用いた直後の20度光沢値は70となっており、16時間後にも70の値を示している。すなわち、本実施例では、時間が経っても20度光沢値は変化しなくなった。
このように、このように、加熱加圧手段41で定着した後、溶剤除去ローラによる溶剤除去を複数回適用することにより、高光沢で、かつ光沢の変化のない高品位な画像を得ることが可能なインクジェット記録装置を提供することが出来る。
11・・・インクジェット記録ヘッド
12・・・送風装置
13・・・記録媒体支持部材
16・・・画像処理・演算装置
21・・・ローラ式塗布装置
22・・・反応液
31・・・被記録媒体
32・・・インク凝集層
41・・・加熱加圧手段
42・・・溶剤除去手段
51・・・定着ベルト
52・・・加熱加圧ローラ
53・・・支持ローラ
54・・・剥離ローラ
55・・・冷却装置
56・・・溶剤除去ローラ
57・・・クリーニング装置

Claims (6)

  1. 被記録媒体にインクを付与させることによって画像を形成するインクジェット記録装置であって、
    前記被記録媒体に反応液を塗布する塗布手段と、
    被記録媒体に少なくとも樹脂と溶媒とを含むインクを用いて画像を形成する画像形成手段と、
    前記記録媒体上に形成された画像に対して熱圧定着を行う定着手段と、
    前記熱圧定着された画像に含まれる前記溶媒を除去する溶媒除去手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記溶媒除去手段において、少なくとも前記インクよりも表面エネルギーが高い溶媒除去用基材を前記画像の表面に接触し、溶媒を前記溶媒除去用基材に付着させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記溶媒除去手段において、溶媒除去用基材の温度が、前記インクのガラス転移点以下の温度であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記溶媒除去手段において、前記溶媒除去用基材に付着した溶媒をクリーニングするためのクリーニング手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記溶媒除去手段を複数回適用することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記定着手段が、エンドレスプレス方式であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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