JP2015209510A - 重合体 - Google Patents

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知哉 東原
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Abstract

【課題】耐熱性、高屈折性及び成形性にバランスよく優れる重合体を提供すること。【解決手段】下記式(1)で表される構造単位を有する重合体。[式(1)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。aは0〜2の整数であり、b及びcはそれぞれ独立して、0〜4の整数である。Yは独立して、−O−又は−S−である。Zは、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO2−又は2価の有機基である。dは0〜2の整数である。]【選択図】なし

Description

本発明は新規重合体に関する。
高機能レンズ、反射防止コーティング、フラットディスプレイ、光ディスク、光ファイバーなど、情報の記録・表示・伝達を担う光技術分野の中心にあるのが光学ポリマーであり、技術の高度化により、耐熱性や高い屈折率などが必要とされる。
従来、レンズなどの光学部品では、ガラスやセラミックスなどの無機材料が多用されてきたが、近年の、軽量化、低価格化へのニーズの高まりにより、多くの用途で無機材料から樹脂への置換が進んでいる。
樹脂は無機材料に比べ屈折率を制御しにくいが、高屈折率の樹脂を得るために、分極率の高い元素又は基の導入が効果的であり、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、金属原子、芳香族環などの導入が効果的であると考えられている。特に硫黄を含んだ高屈折率ポリマーが多数報告されている(非特許文献1〜5)。
また、N−N=C結合やC−N=C結合は、C=C結合に比べて高い分子屈折を示すことも報告されている(非特許文献2)。
このような結合を有する重合体として、特許文献1には、トリアジン単位含有ポリ(フェニレンチオエーテル)が記載されている。しかしながら、トリアジン単位は触媒存在下、熱により異性化することが知られている(特許文献2)。
また、特許文献3には、フルオレン単位含有ポリマーが記載されている。
特開2011−219643号公報 特表2009−542755号公報 特開2012−38785号公報
Matsuda, T.; Funae, Y.; Yoshida, M; Takaya, T., J. Macromol. Sci.., Pure Appl. Chem 1999, A36, 1271-1288. Choi, M.; Wakita, J.; Ha, C.; Ando, S., Macromolecules, 2009, 42, (14), 5112-5120. Liu, J.-g.; Nakamura, Y.; Shibasaki, Y.; Ando, S.; Ueda, M., Macromolecules, 2007, 40, (13), 4614-4620. Paquet, C.; Cyr, P. W.; Kumacheva, E.; Manners, I., Chem. Common. (Cambridge, U. K.) 2004, 234-235. Manners, I., J. Opt. A: Pure Appl. Opt. 2002, 4, S221-S223.
しかしながら、さらに、耐熱性、高屈折性及び成形性にバランスよく優れる重合体が求められており、前記重合体には、改良の余地があった。
本発明は、以上のことに鑑みてなされたものであり、耐熱性、高屈折性及び成形性にバランスよく優れる重合体を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく、鋭意研究した。その結果、特定の構造単位を有する重合体によれば、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。本発明の態様例は、以下[1]〜[2]に示すことができる。
[1] 下記式(1)で表される構造単位を有する重合体。
Figure 2015209510
[式(1)中、
1、R2及びR3はそれぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。
aは0〜2の整数であり、aが2である場合、2つのR1は同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。
b及びcはそれぞれ独立して、0〜4の整数である。bが2以上の場合、複数のR2は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも2つのR2が互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。cが2以上の場合、複数のR3は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも2つのR3が互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。
Yは独立して、−O−又は−S−である。
Zは、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO2−又は2価の有機基である。
dは0〜2の整数である。dが2の場合、複数のR3、Z及びcはそれぞれ、同一であっても異なっていてもよい。]
[2] 前記式(1)におけるZが、−S−又は下記式(2)で表される基である[1]に記載の重合体。
Figure 2015209510
[式(2)中、
4及びR5はそれぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。
g及びhはそれぞれ独立して、0〜6の整数である。gが2以上の場合、複数のR4は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも2つのR4が互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。hが2以上の場合、複数のR5は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも2つのR5が互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。
e及びfはそれぞれ独立して、0又は1である。]
本発明によれば、耐熱性、高屈折性及び成形性にバランスよく優れる重合体を提供することができる。
さらに、本発明によれば、高い屈折率及び光線透過率を有し、かつ、耐熱性に優れる重合体を提供することができる。
図1は、実施例1で得られた重合体P1の1H NMRスペクトルである。 図2は、実施例1で得られた重合体P1の13C NMRスペクトルである。 図3は、実施例1で得られた重合体P1のDSC曲線である。 図4は、実施例1で得られた重合体P1のUV−visスペクトルである。 図5は、実施例2で得られた重合体P2の1H NMRスペクトルである。
≪重合体≫
本発明に係る重合体は、下記式(1)で表される構造単位を有する重合体(以下「重合体(1)」ともいう。)である。重合体(1)は、耐熱性、高屈折性及び成形性にバランスよく優れる。
Figure 2015209510
[式(1)中、
1、R2及びR3はそれぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。
aは0〜2の整数であり、aが2である場合、2つのR1は同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。
b及びcはそれぞれ独立して、0〜4の整数である。bが2以上の場合、複数のR2は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも2つのR2が互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。cが2以上の場合、複数のR3は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも2つのR3が互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。
Yは独立して、−O−又は−S−である。
Zは、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO2−又は2価の有機基である。
dは0〜2の整数である。dが2の場合、複数のR3、Z及びcはそれぞれ、同一であっても異なっていてもよい。]
1、R2及びR3における炭素数1〜12の1価の有機基としては、炭素数1〜12の1価の炭化水素基、並びに、該炭化水素基の少なくとも1つの炭素原子又は水素原子が、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子で置換された基等が挙げられる。
このような基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メチルチオ基(−SCH3)、エチルチオ基(−SC25)、メチルスルホニル基(−SO2CH3)、シクロヘキシル基、モルホリノ基、フェニル基が挙げられる。
aは、0又は1が好ましい。
ピリミジン環に結合する結合手(ピリミジン環に結合するY)は、メタ位であることが好ましく、ピリミジン環の4,6位が好ましい。また、aが1の場合、R1はピリミジン環の2位に結合していることが好ましい。
aが2の場合、2つのR1互いに結合して形成しうる環構造としては、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロペンタジエン環、ベンゼン環、が挙げられる。また、前記環構造における炭素−炭素結合間には、−O−、−CO−、−COO−、−OCOO−、−NR*−(R*は、水素原子又は1価の炭化水素基である)、−CS−、−S−、−SO−、−SO2−等が導入されていてもよい。
b及びcはそれぞれ独立して、0が好ましい。
b又はcが2以上の場合、少なくとも2つのR2又はR3がそれぞれ互いに結合して形成しうる環構造としては、前記2つのR1が互いに結合して形成しうる環構造と同様の環構造等が挙げられる。
dは1が好ましい。
dが1又は2の場合、Z及びYのベンゼン環への置換位置は、それぞれの基が結合するベンゼン環の1及び4位であることが好ましい。
Zは、−S−又は下記式(2)で表される基であることが好ましい。
Zが−S−である場合には、高い屈折率及び光線透過率を有する重合体となる。また、この重合体は、射出成形性に優れるため、射出成形により成形体を容易に形成することができる。
一方、Zが下記式(2)で表される基である場合には、より耐熱性に優れる重合体となる。
Figure 2015209510
[式(2)中、
4及びR5はそれぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。
g及びhはそれぞれ独立して、0〜6の整数である。gが2以上の場合、複数のR4は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも2つのR4が互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。hが2以上の場合、複数のR5は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも2つのR5が互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。
e及びfはそれぞれ独立して、0又は1である。]
4及びR5における、炭素数1〜12の1価の有機基としては、前記R1、R2及びR3における炭素数1〜12の1価の有機基で例示した基と同様の基等が挙げられる。
e及びfはそれぞれ独立して、0が好ましい。
g及びhはそれぞれ独立して、0が好ましい。
g又はhが2以上の場合、少なくとも2つのR4又はR5が互いに結合して形成しうる環構造としては、前記2つのR1が互いに結合して形成しうる環構造と同様の環構造等が挙げられる。
なお、g又はhが5又は6の場合とは、それぞれe又はfが1の場合、ナフタレン環にR4又はR5が5個又は6個結合することを意味する。
重合体(1)は、前記式(1)で表される構造単位以外の他の構造単位を含有していてもよい。他の構造単位は、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されない。
〔重合体(1)の物性等〕
前記重合体(1)は、耐熱性に優れる重合体となるなどの点から、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、好ましくは1,000〜400,000、より好ましくは10,000〜200,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が、好ましくは1.5〜12.0、より好ましくは1.7〜6.0である。
なお、前記分子量は、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
前記重合体(1)は、D線(波長589nm)の光に対して、好ましくは1.63以上、より好ましくは1.65以上の屈折率(nD)を有する。屈折率が前記範囲にある重合体は、高い屈折率を有する重合体といえる。
なお、前記屈折率は、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
前記重合体(1)は、熱重量分析法(TGA)で測定された熱分解温度Td5(5%重量損失温度)が、好ましくは200〜600℃、より好ましくは250〜600℃である。
d5が前記範囲にある重合体は、耐熱性に優れる重合体といえる。
なお、Td5は、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
前記重合体(1)は、示差走査熱量(DSC)で測定されたガラス転移温度Tgが、好ましくは100〜250℃、より好ましくは120〜230℃である。
Tgが前記範囲にある重合体は、成形性に優れる。
なお、Tgは、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
≪重合体の合成方法≫
前記重合体(1)は、例えば、下記式(A)で表される化合物と下記式(B)で表される化合物とを炭酸カリウムなどのアルカリ金属化合物の存在下、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)などの適当な有機溶媒中で加熱して重合させることによって得ることができる。
Figure 2015209510
[式(A)中、R1及びaはそれぞれ、式(1)中のR1及びaと同義であり、Xはハロゲン原子である。]
Figure 2015209510
式(B)中、R2、R3、Z、b、c及びdはそれぞれ、式(1)中のR2、R3、Z、b、c及びdと同義である。
式(B)中、Raはそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、アセチル基、メタンスルホニル基又はトリフルオロメチルスルホニル基を示し、この中でも水素原子が好ましい。
前記加熱の条件としては、重合反応が進行する限り特に制限されないが、加熱温度は、好ましくは60〜250℃、より好ましくは80〜200℃であり、加熱時間は、好ましくは0.5〜100時間、より好ましくは1〜24時間である。
特に、着色のない重合体が得られる等の点から、加熱温度は、好ましくは約60〜110℃、加熱時間は、4〜20時間であり、さらに、低分子量成分の少ない高分子量の重合体(1)が得られる等の点から、加熱温度は、より好ましくは約100℃である。
前記重合体(1)における式(A)で表される化合物と式(B)で表される化合物の使用割合は、式(A)で表される化合物と式(B)で表される化合物の合計を100モル%とした場合に、式(A)で表される化合物が好ましくは45モル%以上55モル%以下、より好ましくは50モル%以上52モル%以下、さらに好ましくは50モル%を超えて52モル%以下であり、式(B)で表される化合物が好ましくは45モル%以上55モル%以下、より好ましくは48モル%以上50モル%以下、さらに好ましくは48モル%以上50モル%未満である。
反応に使用するアルカリ金属化合物としては、リチウム、カリウムおよびナトリウムなどのアルカリ金属;水素化リチウム、水素化カリウムおよび水素化ナトリウムなどの水素化アルカリ金属;水酸化リチウム、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリ金属;炭酸リチウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩等を挙げることができる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
アルカリ金属化合物の使用量としては、前記式(B)で表される化合物中の1つの−O−Raに対し、アルカリ金属化合物中の金属原子の量が、通常1〜3倍当量、好ましくは1.1〜2倍当量、さらに好ましくは1.2〜1.5倍当量となる量で使用される。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
下記実施例で得られた重合体の分析条件は以下に示す通りである。
<NMRスペクトル>
下記実施例1及び2で得られた重合体のNMR(Nuclear Magnetic Resonance)スペクトルは以下のようにして測定した。
1H NMRスペクトル及び13C NMRは、日本電子(株)製のJEM-EX400 FT NMRを用いて測定した。溶媒は重水素化クロロホルムを用い、基準物質としてテトラメチルシラン(0ppm)を使用した。解析には日本電子(株)製の解析プログラムDelta version. 4.3.4を用いた。ケミカルシフトは該プログラムで解析した値をそのまま用いた。
<数平均分子量及び分子量分布の測定>
数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、サイズ排除クロマトグラフィー(東ソー(株)製、HLC-8320GPC、UV-8320)を用いて測定した。
なお、送液速度は0.35mL/minとし、カラムオーブンを40℃に設定して測定を行った。分析カラムは、TSKgel Super Multipore HZ-M (4.6mmI.D. × 15cm)2本を直列に繋いで使用し、溶媒にはクロロホルムを用いた。
検量線はポリスチレン標準サンプル(Mn=427000, 190000, 96400, 37900, 18100, 10200, 5970, 2630, 1050, 500)を用いて作製した。
<熱重量分析>
熱重量分析(TGA)は、セイコーインスツル(株)製TGA/6200を使用し、アルミニウムパンを用いて窒素雰囲気下、昇温速度を10℃/minとして行い、5%重量減少温度を測定した。
<屈折率の測定>
重合体を適量の塩化メチレンに溶解させたものをガラス板上に塗布し、常温常圧下にて一晩乾燥させることで塗膜を形成した。次いで、得られた塗膜から真空乾燥機にて残存塩化メチレンを除去し、重合体のフィルムを得た。このフィルムの屈折率を、Metricon社製、プリズムカプラー(model PC-2010)を用いて測定した。408、633、828nmの3波長の光を用いて屈折率を測定し、Cauchyの式を用いてD線(589nm)に対する屈折率(nD)を求めた。
<DSC測定>
示差走査熱量(DSC)測定は、セイコーインスツル(株)製DSC6200を使用し、アルミニウムパンを用いて窒素雰囲気下で測定した。具体的には、100℃から220℃まで、20℃/minで昇温した(1st Heating)。その後、100℃まで20℃/minで降温し、次いで、220℃まで20℃/minで昇温した(2nd Heating)。
[実施例1]
窒素雰囲気下、2口ナスフラスコに、4,6-Dichloropyrimidine (0.75g, 5mmol)、Bis(4-hydroxypenyl) Sulfide (1.09g, 5mmol)、炭酸カリウム (2.07g, 15mmol)及びDMAc (11mL)を仕込み、100℃にて6時間反応させた。反応終了後、蒸留水とメタノールとを用いて再沈殿させることで単離精製を行った。その後、析出物を回収し、80℃にて減圧乾燥することにより、白色の固体(重合体P1)を得た。収率は91%であった。
Figure 2015209510
得られた重合体P1の構造は、1H NMR及び13C NMRにより確認した。結果を図1及び2にそれぞれ示す。
重合体P1のMnは108000であり、Mw/Mnは1.76であり、屈折率(nD)は1.682であり、5%重量減少温度は436℃であった。
得られた重合体P1のDSC測定の結果を図3に示す。
DSC測定の結果より、重合体P1のガラス転移温度が132℃であることが分かった。また1st Heatingでは186℃で融点が見られた。このことから結晶化が起こっているのではないかと考えられる。
得られた重合体P1の、シクロヘキサノン(CHO)、CHCl3、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、CH2Cl2、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)及びテトラクロロエタン(TCE)それぞれに対する溶解性を評価した。
室温にて重合体P1(2mg)を前記各溶媒1mLに入れ、10分間撹拌後、該重合体が溶解した場合を(++)とし、室温10分間では溶解しなかったが、80℃に加熱すると溶解した場合を(+)とし、80℃による加熱でも溶解しなかった場合を(−)と評価した。結果を表1に示す。
Figure 2015209510
重合体P1は、クロロホルム及びテトラクロロエタンには良い溶解性を示した。また、テトラクロロエタン溶液からは、溶液塗布法等により、透明な自立膜を作製することができた。
得られた重合体P1(2mg)をテトラクロロエタン1mLに溶解させた溶液を用い、重合体P1からなる厚み10μmの薄膜を作成した。この薄膜及び紫外可視光光度計V−630BIO(JASCO社製)を用いて重合体P1の光透過性を評価した。結果を図4に示す。
重合体P1は、350nm以上の波長の光に対し、90%以上の高い光透過率を示した。また、前記薄膜を加熱処理(窒素下、230℃、6時間)した後も、光透過性は変化せず、重合体P1は優れた耐熱性を示すことが明らかとなった。
[実施例2]
窒素雰囲気下、2口ナスフラスコに、4,6-Dichloropyrimidine (0.45g, 3mmol)、Bis(4-hydroxypenyl) Sulfide (0.33g, 1.5mmol)、9,9-Bis(4-hydroxyphenyl)fluorene (0.53g, 1.5mmol)、炭酸カリウム(1.24g, 9mmol)及びDMAc(7.5mL)を仕込み、100℃にて18時間反応させた。反応終了後、蒸留水とメタノールとを用いて再沈殿させることで単離精製を行った。その後、析出物を回収し、80℃にて減圧乾燥することにより、白色の固体(重合体P2)を得た。収率は93%であった。
Figure 2015209510
得られた重合体P2の構造は、1H NMRにより確認した。結果を図5に示す。
重合体P2のMnは104000であり、Mw/Mnは2.11であり、屈折率(nD)は1.680であり、5%重量減少温度は375℃であった。また、DSC測定により求めたガラス転移温度は205℃であった。
得られた重合体P2の、シクロヘキサノン(CHO)、CHCl3、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、CH2Cl2、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)及びテトラクロロエタン(TCE)それぞれに対する溶解性を評価した。
室温にて重合体P2(2mg)を前記各溶媒1mLに入れ、10分間撹拌後、該重合体が溶解した場合を(++)とし、室温10分間では溶解しなかったが、80℃に加熱すると溶解した場合を(+)とし、80℃による加熱でも溶解しなかった場合を(−)と評価した。結果を表2に示す。
Figure 2015209510
カルド構造を有するフルオレン骨格を導入したことにより溶解性の向上が見られた。重合体P2は、クロロホルムやテトラクロロエタン、シクロヘキサノンなどの多くの有機溶媒に優れた溶解性を示した。また、重合体P2をこれらの有機溶媒に溶かして得られる溶液を用いることで、溶液塗布法等により、重合体膜を容易に作成することができた。
本発明の重合体(1)は、高屈折率であり、耐熱性に優れる。従って、本発明の重合体(1)は、高機能レンズ、反射防止コーティング、フラットディスプレイ、光ディスク、光ファイバーなど、情報の記録・表示・伝達を担う光技術分野において好適に使用され、特に、波長板、位相差板等の光学フィルム、円錐レンズ、球面レンズ、円筒レンズ等の特殊レンズ、レンズアレイなどの光学部品に好適に使用される。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で表される構造単位を有する重合体。
    Figure 2015209510
    [式(1)中、
    1、R2及びR3はそれぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。
    aは0〜2の整数であり、aが2である場合、2つのR1は同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。
    b及びcはそれぞれ独立して、0〜4の整数である。bが2以上の場合、複数のR2は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも2つのR2が互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。cが2以上の場合、複数のR3は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも2つのR3が互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。
    Yは独立して、−O−又は−S−である。
    Zは、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO2−又は2価の有機基である。
    dは0〜2の整数である。dが2の場合、複数のR3、Z及びcはそれぞれ、同一であっても異なっていてもよい。]
  2. 前記式(1)におけるZが、−S−又は下記式(2)で表される基である請求項1に記載の重合体。
    Figure 2015209510
    [式(2)中、
    4及びR5はそれぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。
    g及びhはそれぞれ独立して、0〜6の整数である。gが2以上の場合、複数のR4は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも2つのR4が互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。hが2以上の場合、複数のR5は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも2つのR5が互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。
    e及びfはそれぞれ独立して、0又は1である。]
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