JP6898610B2 - 重合体及び光学レンズ - Google Patents
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本発明の重合体(以下、「(A)重合体」ともいう)は、式(1)で表される第1構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)と、式(2−1)又は(2−2)で表される第2構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう)とを有し、ゴム状態での応力光学係数の絶対値が1.0×10−9Pa−1以下である。(A)重合体は、構造単位(I)及び(II)以外の他の構造単位を有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
構造単位(I)は、下記式(1)で表される。
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の1価の単環の脂環式飽和炭化水素基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の2価の単環の脂環式不飽和炭化水素基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の1価の多環の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデセニル基等の1価の多環の脂環式不飽和炭化水素基などが挙げられる。
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
二塩化フェニルホスホン酸、二臭化フェニルホスホン酸、二ヨウ化フェニルホスホン酸、二塩化ナフチルホスホン酸、二塩化アントリルホスホン酸、二塩化シクロヘキシルホスホン酸、二塩化メチルホスホン酸、二塩化フェニルチオホスホン酸、二塩化ナフチルチオホスホン酸、二塩化フェニルセレノホスホン酸等のホスホン酸、チオホスホン酸、セレノホスホン酸のジハロゲン化物;
フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、ナフチルホスホン酸ジメチル、アントリルホスホン酸ジメチル、シクロヘキシルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジメチル、フェニルチオホスホン酸ジメチル、ナフチルチオホスホン酸ジメチル、フェニルセレノホスホン酸ジメチル等のホスホン酸、チオホスホン酸、セレノホスホン酸のジエステルなどが挙げられる。これらの中で、ホスホン酸、チオホスホン酸又はセレノホスホン酸のジハロゲン化物が好ましく、ホスホン酸又はチオホスホン酸の二塩化物がより好ましい。
構造単位(II)は、下記式(2−1)又は(2−2)で表される。
シクロブテン構造、シクロペンテン構造、シクロヘキセン構造、ノルボルネン構造、ビシクロ[2.2.2]オクテン構造、ジベンゾビシクロ[2.2.2]オクテン構造等の脂環構造;
ベンゼン構造、ナフタレン構造、アントラセン構造等の芳香環構造などの炭素環構造、
オキサシクロヘキセン構造、アザシクロヘキセン構造、チアシクロヘキセン構造等の脂肪族複素環構造;
フラン構造、ピロール構造、ピリジン構造、チオフェン構造等の芳香族複素環構造などが挙げられる。
yとしては、0及び1が好ましく、1がより好ましい。
ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、フェニルヒドロキノン等のジヒドロキシフェニル化合物;
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,4−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン等のビスフェノール化合物などが挙げられる。
他の構造単位としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されない。
ジフェニルカーボネート、ジフェニルチオカーボネート、ジフェニルセレノカーボネート、ホスゲン、チオホスゲン、セレノホスゲン等のカーボネート残基、チオカーボネート残基又はセレノカーボネート残基を含む構造単位を与える化合物;
ベンゼンジメタノール、シクロヘキサンジメタノール等のジヒドロキシ化合物;
フタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジクロリド、テレフタル酸ジクロリド等のジカルボン酸のジハロゲン化物などが挙げられる。
GPC装置:東ソー社の「HLC−8320型」
カラム:東ソー社の「TSKgel α―M」と、東ソー社の「TSKgel gua
rdcоlumn α」とを連結したもの
展開溶媒:N−メチル−2−ピロリドンにLiBrを10mMの濃度になるよう添加したもの
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:0.33質量%
試料注入量:50μL
検出器:紫外可視吸光光度計
標準物質:単分散ポリスチレン
(A)重合体は、ゴム状態での応力光学係数(以下、「CR」ともいう)の絶対値が、1.0×10−9Pa−1以下である。CRの正負について、重合体の主鎖に平行な方向の屈折率と主鎖に直交する方向の屈折率とを比較したとき、主鎖に平行な方向の屈折率の方が大きい場合、CRは正であり、主鎖に直交する方向の屈折率の方が大きい場合、CRは負である。「ゴム状態」とは、重合体分子が動き易く、力をかけることにより分子が流れて伸び縮みできる軟らかい固体状態をいう。これに対し、「ガラス状態」とは、分子がランダムな構造を有し、結晶化していない非晶質の状態で、力をかけても分子があまり流れない硬い固体状態をいう。ゴム状態とガラス状態との境界点の温度がガラス転移温度(Tg)である。(A)重合体は、CRの絶対値を上記範囲とすることで、低複屈折性に優れるものとなる。
(A)重合体は、公知の方法、例えば二ハロゲン化ホスホン酸化合物等の構造単位(I)を与える単量体、ビスフェノール化合物等の構造単位(II)を与える単量体及び他の構造単位を与える単量体を、アルカリ金属化合物等の存在下、有機溶媒中で縮合重合等を行うことにより合成することができる。縮合重合の際、例えば2−フェニルフェノール等のモノフェノール化合物などの末端封止剤を存在させて反応を行ってもよい。
アルカリ金属化合物は、(A)重合体の合成の過程で、芳香族ジオール化合物等と反応してアルカリ金属塩を形成する。このようなアルカリ金属化合物としては、例えば
リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;
水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属;
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;
炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩などが挙げられる。これらの中で、水素化アルカリ金属が好ましく、水素化ナトリウムがより好ましい。
重合に用いる有機溶媒としては、例えば
テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アニソール、フェネトール、ジフェニルエーテル、ジアルコキシベンゼン、トリアルコキシベンゼン等のエーテル系溶媒;
N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素系溶媒;
γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶媒などのエステル系溶媒;
スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン等の含硫黄系溶媒;
ベンゾフェノン等のケトン系溶媒;
塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらの有機溶媒は、1種又は2種以上を用いることができる。これらの有機溶媒の中で、THF、塩化メチレン及びトルエンが好ましく、THFがより好ましい。
(A)重合体の合成時の反応温度の下限としては、−30℃が好ましく、−10℃がより好ましい。上記反応温度の上限としては、200℃が好ましく、100℃がより好ましい。上記合成時の反応時間の下限としては、5分が好ましく、1時間がより好ましく、2時間がさらに好ましい。上記反応時間の上限としては、100時間が好ましく、24時間がより好ましく、12時間がさらに好ましい。
(ガラス転移温度(Tg))
(A)重合体のTgの下限としては、80℃が好ましく、100℃がより好ましく、110℃がさらに好ましく、120℃が特に好ましい。上記Tgの上限としては、200℃が好ましく、180℃がより好ましく、175℃がさらに好ましく、170℃が特に好ましい。(A)重合体のTgを上記範囲とすることで、溶融成形をより容易に行うことができ、成形体をより簡便にコスト的により有利に得ることができる。
(A)重合体の屈折率の下限としては、1.60が好ましく、1.62がより好ましく、1.63がさらに好ましく、1.64が特に好ましい。上記屈折率の上限としては、例えば1.70である。
(A)重合体のアッベ数の上限としては、28が好ましく、27がより好ましく、25がさらに好ましく、24が特に好ましい。上記アッベ数の下限としては、例えば15であり、20が好ましい。
当該重合体は、溶融成形法、溶剤キャスト法等の成形方法により、成形して成形体とすることができる。当該重合体から光学部品の成形体を形成する場合、低複屈折性、機械強度及び寸法精度等の特性に優れた成形体を得るためには、成形方法としては溶融成形法が好ましい。溶融成形法としては、プレス成形法、押出成形法、射出成形法等が挙げられる。これらの中で、成形性及び生産性の観点から射出成形法が好ましい。
本発明の光学レンズは、当該重合体の成形体からなる。当該重合体は、特に光学レンズとして好適に用いることができる。当該光学レンズは、当該重合体を射出成形機又は射出圧縮成形機によってレンズ形状に射出成形することで得ることができる。光学レンズを得る際には異物の混入を極力避けるため、成形環境が低ダスト環境であることが好ましい。
重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPC装置(東ソー社の「HLC−8320型」)を使用し、下記条件で測定した。
カラム:東ソー社の「TSKgel α−M」と、東ソー社の「TSKgel gua
rdcоlumn α」とを連結したもの
展開溶媒:N−メチル−2−ピロリドンにLiBrを10mMの濃度になるよう添加したもの
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:0.33質量%
試料注入量:50μL
検出器:紫外可視吸光光度計
標準物質:単分散ポリスチレン
重合体における各構造単位の含有割合を求めるための1H−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社の「ECX400P」)を使用し、測定溶媒として重クロロホルムを用いて行った。
[実施例1](重合体1の合成)
撹拌子を入れた300mLの2つ口フラスコに、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BisOPPA)5.88g(15.5mmоl)及び塩基性化合物としての水素化ナトリウム(純度53.2%オイル分散体)1.53g(33.9mmоl)を仕込み、三方コック及び滴下ロートを取り付けた。フラスコ内を窒素置換したのち、滴下ロートに二塩化フェニルホスホン酸3.01g(15.4mmоl)を仕込んだ。2つ口フラスコ及び滴下ロートに蒸留精製したTHFをそれぞれ25mL及び5mL投入した。2つ口フラスコ内の混合物を還流下で30分間攪拌した。この混合物を0℃に冷却したのち、二塩化フェニルホスホン酸のTHF溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、滴下ロートをTHF5mLで洗浄し、洗浄液も反応混合物に滴下した。反応混合物を室温まで昇温し、2時間半反応させた。反応終了後、酢酸3.78g及びイオン交換水50gを投入して反応をクエンチした。クロロホルムでポリマーを抽出したのち、有機層を同体積のイオン交換水で3回洗浄した。得られた有機層を濃縮したのち、アセトン300mLに強攪拌下で投入した。得られた膨潤状態のポリマーをアセトン300mLで3回洗浄した。続いて、ポリマーをクロロホルムに再溶解させ、ヘキサン1Lに強攪拌下で投入し、白色繊維状の固体を得た。得られた固体をろ過で回収した後、100℃で真空乾燥し、下記式(P−1)で表される構造を有する重合体1を得た(収量3.19g、収率41.1%)。図1は、重合体1の1H−NMRスペクトルを示すチャートである。
実施例1において、BisOPPAの代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BisA)1.79g(7.8mmol)及び9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(BisFL)2.74g(7.8mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして、下記式(P−2)で表される構造を有する重合体2を得た(収量3.98g、収率62.0%)。
実施例1において、BisOPPAの代わりに、BisA1.66g(7.3mmol)及び1,1−ビ−2−ナフトール(BINOL)2.08g(7.3mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして、下記式(P−3)で表される構造を有する重合体3を得た(収量0.99g、収率17.9%)。
実施例1において、BisOPPAの代わりに、BisA1.84g(8.1mmol)及び1,4−ジヒドロキシトリプチセン(TPHQ)2.33g(8.1mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして、下記式(P−4)で表される構造を有する重合体4を得た(収量2.66g、収率43.3%)。
実施例1において、二塩化フェニルホスホン酸の代わりに、二塩化フェニルチオホスホン酸3.05g(14.4mmol)を用い、BisOPPAの代わりに、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BisC)3.74g(14.6mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして、下記式(P−5)で表される構造を有する重合体5を得た(収量3.00g、収率52.4%)。
実施例5において、BisCの代わりに、BisA1.72g(7.5mmol)及びBisFL2.65g(7.6mmol)を用いた以外は、実施例5と同様にして、下記式(P−6)で表される構造を有する重合体6を得た(収量3.12g、収率48.4%)。
実施例1において、BisOPPAの代わりに、BisA3.49g(15.3mmol)及び末端封止剤としての2−フェニルフェノール(2−PhPhOH)0.0417g(0.24mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして、下記式(P−7)で表される構造を有する重合体7を得た(収量2.65g、収率49.4%)。
比較例1において、BisAの代わりに、BisFL5.08g(14.5mmol)を用いた以外は、比較例1と同様にして、下記式(P−8)で表される構造を有する重合体8を得た(収量4.58g、収率66.8%)。
4,4’−ビフェノール(4,4’−BP)2.85g(15.3mmol)、2−PhPhOH0.0231g(0.14mmol)、フェニルホスホン酸ジクロリド2.98g(15.3mmol)、1−メチルイミダゾール0.089g(1.1mmol)、トリエチルアミン6.5g(64.6mmol)及び塩化メチレン40mLを用い、J.Polym.Sci.Part A: Polym. Chem.,2001,39(17),2901−2910に記載の方法に従って重合し、下記式(P−9)で表される構造を有する重合体9を得た(収量3.75g、収率79.6%)。
比較例1において、二塩化フェニルホスホン酸の代わりに、二塩化フェニルチオホスホン酸3.23g(15.3mmol)を用いた以外は、比較例1と同様にして、下記式(P−10)で表される構造を有する重合体10を得た(収量3.54g、収率63.1%)。
実施例1〜6及び比較例1〜4の重合体1〜10について、下記方法に従いガラス転移温度(Tg)、屈折率(nD)、アッベ数(νD)及びゴム状態での応力光学係数(CR)を評価した。評価結果を表1に示す。
重合体のガラス転移温度は、DSC装置(Rigaku社の「Thermo Plus DSC8230」)を用いて得られたサーモグラムから算出した。DSC測定は、窒素下、昇温速度を20℃/分として行った。ガラス転移温度は、サーモグラムでのDSCの昇温曲線において、ベースラインと変曲点での接線との交点に対応する温度として算出した。変曲点は、サーモグラムのDDSC(DSCの微分値)曲線におけるピークに対応する温度とした。また、DSCのベースラインの確認には、適宜DDSC曲線を参照した。
ガラス転移温度(Tg)は、80℃以上180℃以下である場合は「良好」と、80℃未満又は180℃を超える場合は「不良」と評価できる。
重合体を適量の塩化メチレンに溶解させたものをガラス板上にキャスト成膜し、常温常圧下にて一晩乾燥させた。次いで真空乾燥機にて残存塩化メチレンを除去し、重合体のフィルムを得た。これらのフィルムの屈折率を、プリズムカプラ(Metricon社の「モデル2010」)にて測定した。屈折率は、408nm、633nm、828nmの3波長にて測定し、Cauchyの式を用いてD線(589nm)での屈折率(nD)を求めた。F線(486nm)及びC線(656nm)の屈折率についても同様にして求め、アッベ数(νD)を算出した。
屈折率(nD)は、1.60以上である場合は「良好」と、1.60未満の場合は「不良」と評価できる。
アッベ数(νD)は、28.0以下である場合は「良好」と、28.0を超える場合は「不良」と評価できる。
ゴム状態での応力光学係数(CR)は、公知の方法(Polymer Journal、Vol.27,No.9,943−950,1995)により求めた。上記屈折率評価用に成膜したフィルムを短冊状に切り出し、数種類の荷重をかけ、Tg+20℃の温度条件下にて加熱延伸し、荷重をかけたままゆっくりと冷却した。フィルムに加えた応力と、生じた複屈折(測定波長598nm)との関係を求め、その比例係数をCRとした。複屈折の測定には大塚電子社の「RETS100」を用いた。また、CRの正負は、上記得られた延伸フィルムと、ポリカーボネートの延伸フィルム(CRが正)とを延伸方向同士が平行又は垂直になるように重ねてリターデーション値を測定することにより評価した。測定したリターデーション値が平行に重ねた方が垂直に重ねた場合より大きいとき、CRは正であり、垂直に重ねた方が平行に重ねた場合より大きいとき、CRは負である。
CRは、絶対値(|CR|)が10−9Pa−1以下である場合は「良好」と、10−9Pa−1を超える場合は「不良」と評価できる。
Claims (7)
- 下記式(1)で表される第1構造単位と、下記式(2−1)又は(2−2)で表される第2構造単位とを有し、
ゴム状態での応力光学係数の絶対値が1.0×10−9Pa−1以下である重合体。
- 上記式(1)におけるR1が炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である請求項1に記載の重合体。
- ポリスチレン換算重量平均分子量が2,000以上300,000以下である請求項1又は請求項2に記載の重合体。
- ガラス転移温度が80℃以上180℃以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の重合体。
- アッベ数が28以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の重合体。
- 屈折率が1.60以上である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の重合体。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の重合体の成形体からなる光学レンズ。
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