JP4906276B2 - 含フッ素エステル化合物、含フッ素アリールエステル重合体、その製造方法、及び、それらを含む樹脂組成物 - Google Patents
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Description
しかしながら、これらの透明樹脂を含有する材料においては、低吸湿性を更に向上させて、光通信、光導波路、光記録、液晶ディスプレイ等の種々の用途に好適に用いられるものとするための工夫の余地があった。
本発明はまた、下記一般式(4);
本発明は、更に下記一般式(1);
以下に本発明を詳述する。
本発明の含フッ素エステル化合物においては、上記式(8−1)〜(8−19)で表される基のベンゼン環が置換基を1つ以上有し、その置換基が炭素数1〜30であって、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基等であること、又は、ベンゼン環が置換基を有しないことが好ましい。より好ましくは、ベンゼン環が置換基を有しないことである。すなわち、下記一般式(9−1)〜(9−19)で表される基であることが好ましい。
すなわち、上記一般式(4)で表される含フッ素アリールエステル重合体は、下記一般式(1);
なお、本発明の成形体は、上述した本発明の含フッ素エステル化合物を含んでいてもよい。すなわち、本発明の成形体は、含フッ素アリールエステル重合体と含フッ素エステル化合物の混合物からなるものであってもよい。本発明の成形体が含フッ素アリールエステル重合体と含フッ素エステル化合物の混合物からなるものである場合、両者の含有比率は特に制限されず、成形体100質量%に対して、両者の合計の割合が30質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、50質量%以上である。
上記成形物の成形方法としては、射出成形、押出成形、真空成形、ブロー成形、熱成形、圧縮成形、カレンダー成形、粉末成形、発泡成形、積層成形、溶剤キャスト法、スピンコート法等の方法が好適である。
例えば、溶媒キャスト法にてフィルムを作製する場合、重合体等を溶媒に溶解又は分散させ、その溶液を基板に塗布し、溶媒を除くことによりフィルムを得ることができる。
成形体の成形に用いる溶媒は特に限定されず、成形する環境、膜厚、溶液温度、塗布温度、乾燥温度等の種々の条件下で最も好ましいものを適宜選択することができる。溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上の溶媒を併用してもよい。また、溶液には、溶媒、重合体以外に添加剤等の第3成分を含有してもよい。また、溶媒除去は、例えば、加熱による乾燥、減圧乾燥、溶媒のみを溶解する液体への浸漬等によって行うことができる。
このような、本発明の含フッ素エステル化合物、及び/又は、含フッ素アリールエステル重合体を含んでなる樹脂組成物もまた、本発明の1つである。
含フッ素エステル化合物、及び/又は、含フッ素アリールエステル重合体の含有量が1質量%以下であると、充分に低吸湿化された樹脂組成物とすることができないこととなる。
なお、本発明の樹脂用組成物が含フッ素エステル化合物と含フッ素アリールエステル重合体との両方を含む場合、両者の含有比率は特に制限されない。
4,4’−ヒドロキシジフェニルエーテル5.00g(24.75mmol)、トリエチルアミン5.01g(49.50mmol)、ジクロロメタン100gをフラスコに仕込み、ウォーターバスを用いて10℃に保持した。ペンタフルオロベンゾイルクロライド11.41g(49.50mmol)と20gのジクロロメタンを滴下ロートに仕込みフラスコ内にゆっくりと滴下した。
滴下終了後、ウォーターバスをはずし、室温で3時間反応させた。水に投入後、固体を回収し、メタノールで再結晶することによりBPDESを得た。収率は86.0%、融点はTm=130℃であった。得られたBPDESの1H−NMRスペクトル及び19F−NMRスペクトルを図1、図2に示す。1H−NMR及び19F−NMRの測定装置及び測定条件は以下に示す。
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)へキサフルオロプロパン5.00g(14.88mmol)、トリエチルアミン3.31g(32.74mmol)、ペンタフルオロベンゾイルクロライド6.86g(29.76mmol)を用いて実施例1と同様に合成してBP6FBAを得た。
収率は80.7%、融点はTm=119℃であった。得られたBP6FBAの1H−NMRスペクトル及び19F−NMRスペクトルを図3、図4に示す。
BPDES 6.04g(10.23mmol)、HF 3.59g(10.23mmol)、炭酸カリウム 7.07g(51.16mmol)、モレキュラーシーブ10.00g及びMEK100gを仕込んで、75℃で2時間反応した。その後、この反応液を0.5Lの脱イオン水に注ぎ、重合体(BPDES−HF)を得た。この重合体の収率は90%であった。得られた重合体の1H−NMRスペクトル及び19F−NMRスペクトルを図5、図6に示す。得られた重合体の数平均分子量は、15400であった。また、この重合体の熱的特性評価、透過率測定、全光線透過率測定、及び、電気的特性評価を行った。結果を表1、2及び3に示す。数平均分子量測定、透過率測定、全光線透過率測定、及び、電気的特性評価の方法は以下に示す。
BPDES 3.00g(5.08mmol)、6FBA 1.70g(5.08mmol)、炭酸カリウム 3.51g(25.40mmol)、モレキュラーシーブ10.00g及びメチルエチルケトン(MEK) 100gを仕込んで、75℃で2時間反応した。その後、この反応液を0.5Lの脱イオン水に注ぎ、重合体を得た。この重合体の収率は82%であった。得られた重合体の1H−NMRスペクトル及び19F−NMRスペクトルを図7、図8に示す。得られた重合体の数平均分子量は、13000であった。また、この重合体の熱的特性評価、透過率測定、全光線透過率測定、及び、電気的特性評価を行った。結果を表1、2及び3に示す。
BP6FBA 3.00g(4.14mmol)、6FBA 1.39g(4.14mmol)、炭酸カリウム 2.86g(20.70mmol)、モレキュラーシーブ10.00g及びMEK100gを仕込んで、75℃で2時間反応した。その後、この反応液を0.5Lの脱イオン水に注ぎ、重合体を得た。この重合体の収率は85%であった。得られた重合体の1H−NMRスペクトル及び19F−NMRスペクトルを図9、図10に示す。得られた重合体の数平均分子量は、16100であった。また、この重合体の熱的特性評価、透過率測定、全光線透過率測定、及び、電気的特性評価を行った。結果を表1、2及び3に示す。
18gのトルエンに溶解させたポリメチルメタクリレート(PMMA)2gに対して実施例1〜5で合成した化合物をそれぞれ1gずつ添加した。ガラス板上にキャストし、乾燥させることによりフィルムを得た。各フィルムの熱的特性評価、屈折率及び吸湿率(吸水率)測定を行った。結果を表4〜6に示した。なお、比較のため、PMMA単独のものについても測定を行った。熱的特性評価、屈折率及び吸湿率測定の方法は以下に示す。
UNITY PLUS400MHz(Varian社製)を用いて測定した。測定溶媒として重クロロホルムを用いた。1H−NMRには標準としてテトラメチルシラン(TMS)を、19F−NMRには標準としてヘキサフルオロベンゼンを用いた。
〔熱的特性評価〕
島津示差熱熱重量同時測定装置(島津製作所社製)を用いて融点、ガラス転移温度、ガラス転移温度オンセット(ガラス転移開始温度)と、重量減少温度(5質量%減少)とを測定した。加熱速度は、窒素雰囲気下10℃/分とした。
〔数平均分子量〕
HLC−8120GPC(東ソー社製)、カラム:G−5000HXL+GMHXL−Lを用いて測定した。展開溶媒THF、流速1mL/分、標準としてポリスチレンを用い、ポリスチレン換算により数平均分子量を測定した。
得られたフィルムを110℃で15時間乾燥後、25℃の水に48時間浸漬させて、その重量変化を測定し、吸湿率を算出した。
〔屈折率測定〕
プリズムカプラーSPA−4000(SAIRON TECHNOLOGY社製)を用いて632.8nm、830nm、1310nm及び1550nmにおける屈折率を測定した。
〔透過率測定〕
Shimadzu UV−3100(島津製作所社製)を用いて850nmにおける透過率を測定した。30μmのフィルム状で測定を行った。
〔全光線透過率測定〕
NDH−1001DP型(日本電色工業社製)を用いて全光線透過率を測定した。
膜厚30μmのフィルム状で測定した。
〔電気的特性評価〕
インピーダンスアナライザHP4294A8(HEWLETT PACKERD社製)を用いて誘電率を測定した。
Claims (6)
- 請求項1若しくは2記載の含フッ素エステル化合物、及び/又は、請求項3若しくは4記載の含フッ素アリールエステル重合体とアクリル系樹脂又はポリカーボネート樹脂とを
含んでなる
ことを特徴とする樹脂組成物。
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