JP2015192987A - 塗布装置、塗布方法、及びディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents

塗布装置、塗布方法、及びディスプレイ用部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗布開始領域でノズルからの塗布液の定流量吐出に加えて、ビード形成に必要な量の塗布液を瞬時に余剰吐出することが可能な塗布装置及び塗布方法、並びにディスプレイ用部材を製造する方法を提供する。【解決手段】塗布液を吐出するノズルと、ノズルと被塗布部材とを相対的に移動させる移動手段と、ノズルへ塗布液を供給する供給手段と、ノズル内の塗布液の吸引を行う減圧手段と、を備え、上記供給手段は、ノズルへ塗布液を一定の流量で送り出す送液器を含む第1供給手段と、塗布液を溜めると共にノズルと流路を介して接続されるタンクと、タンクの塗布液を加圧して塗布液をノズルへ送り出す加圧手段とを有している第2供給手段と、を備えている塗布装置。【選択図】 図1

Description

本発明は、被塗布部材の表面に塗膜を形成するための塗布装置及び塗布方法、並びに、前記塗布方法を用いて行うディスプレイ用部材の製造方法に関する。
カラー液晶用ディスプレイは、カラーフィルタ、TFT用アレイ基板等により構成されている。これらカラーフィルタやTFT用アレイ基板の製造には、被塗布部材である基板に対して塗布液(液体材料)を塗布し乾燥させ塗膜を形成する工程が含まれている。例えば、カラーフィルタを製造するためには、ガラス基板上全面に黒色のフォトレジスト材を塗布し乾燥させ黒色塗膜を形成する。そして、この黒色塗膜をフォトリソグラフィ技術により格子状に形成した後に、格子間に赤色、青色、緑色のフォトレジスト材の塗膜を同様の手法により順次形成していく。
このような塗膜を被塗布部材上に形成するための塗布装置として、スリットコータが用いられている。スリットコータはスリット状の細長い吐出口を有するノズルを備えており、ノズルの吐出口を被塗布部材との間に一定すきまを設けて近接させた後に、ノズルと被塗布部材とを相対的に一方向に一定速度で移動させながら、被塗布部材に対してノズルの吐出口から塗布液を吐出させる。これにより、被塗布部材上に一定膜厚の塗膜を形成することができる。
ここで、高品質な製品(例えば高品質なカラーフィルタ)を製造するためには、塗布開始から塗布終了までの全領域で膜厚を均一にするのが求められる。このためには、一定速度で移動する被塗布部材に対してノズルから吐出する塗布液の流量(単位時間あたりの液容量)を一定にする必要があり、これを実現するために、ノズルへの塗布液の送り出し流量を高精度に一定とすることが可能であるピストンポンプ(シリンジポンプともいう。)が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、ピストンポンプを用いてノズルへの塗布液の送り出し流量を一定にし、一定速度で移動する被塗布部材にノズルから塗布液を「定流量吐出」しても、塗布開始と終了のわずかな領域(塗布開始/終了点から数ミリメートルの範囲の区域)での膜厚は、塗布中間の領域の膜厚と許容値以上に異なる、いわゆる不良膜厚となってしまう。これは、被塗布部材の塗布中間の領域を塗布している間は、ノズルの吐出口と被塗布部材間のすきまに塗布液の液溜りであるビードが定常的に存在し、一定の大きさのビードによって安定した膜厚での塗布が維持されるのに対して、
(1)塗布開始領域では、ノズルから吐出される塗布液でビードを形成しながら塗布されるために、ビード形成完了までは塗布のための流量が不足して不良膜厚となる、
(2)塗布終了領域では、ノズルから塗布液の吐出が停止しても、漸次縮小するビードが完全に破壊されるまでは塗布されて、不良膜厚となる、ためである。
特に塗布開始領域で、不良膜厚となる領域を小さくするために、ノズルからの塗布液の前記「定流量吐出」に加えて、ビードを形成するのに必要な量の塗布液を余分に吐出させる「余剰吐出」の試みが行われている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2では、「正パルス」と名付けたこの余剰吐出を実現するために、ノズル内に変位ピストンを設け、ポンプで一定流量の塗布液をノズルに送り込みながら、この変位ピストンを一定距離だけ素早く動作させることで、ノズル内の塗布液を一定量だけ押し出している。
特開2000−334355号公報 特開平4−61958号公報
しかし、変位ピストンの場合、開始信号をトリガとして変位ピストンが動作を開始しても、動作の立ち上がりや停止のための立ち下りが遅く、時間のかかる余剰吐出となる。そのために、不良膜厚領域を許容値より小さくするために、被塗布部材の移動速度、すなわち塗布速度を小さくせざるをえず、高速で塗布をして生産性を高めるということができない。すなわち公知の手段では、塗布開始領域での瞬時の余剰吐出が実現できないために、塗布速度を高めてタクトタイムを短くして生産性を高めた上で、不良膜厚領域を小さくして均一膜厚で高品質の製品領域を大きくする、ということができない。
そこで、本発明は、不良膜厚領域が小さくて均一膜厚で高品質の製品領域を大きくとれる塗布を高速で高い生産性で行えるように、塗布開始領域でノズルからの塗布液の定流量吐出に加えて、ビード形成に必要な量の塗布液を瞬時に余剰吐出することが可能な塗布装置及び塗布方法を提供し、並びに、この塗布方法を用いたディスプレイ用部材の製造方法を提供する。
(1)本発明の塗布装置は、被塗布部材に対して塗布液を吐出するノズルと、前記ノズルと前記被塗布部材とを相対的に移動させる移動手段と、前記ノズルへ塗布液を供給する供給手段と、前記ノズル内の前記塗布液の吸引を行うための減圧手段と、を備え、前記供給手段は、前記ノズルへ塗布液を一定の流量で送り出す送液器を含む第1供給手段と、塗布液を溜めると共に前記ノズルと流路を介して接続されているタンク、及び、前記タンクの塗布液を加圧して当該塗布液を前記ノズルへ送り出すための加圧手段を有している第2供給手段と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、供給手段は、塗布を開始する際に、一定膜厚の塗布膜形成用にノズルに送液器で塗布液を一定流量で送り出すのに加えて、加圧手段によりタンクの塗布液を加圧して余分に高速で送り出すことができるので、従来の変位ピストンの場合と比較してはるかに短い時間、すなわち瞬時にノズルから塗布液を余剰吐出することが可能となる。
また、前記移動手段によりノズルと被塗布部材とを相対的に一方向に移動させながら塗布を行うことから、塗布終了の際にノズルへの塗布液の送り出しを停止しただけでは、ノズルの吐出口と被塗布部材との間にビードとなる塗布液が残存し、塗布終了領域での不良膜厚領域が小さくならない。しかし、本発明によれば、減圧手段が、塗布終了に合わせて瞬時にノズル内の塗布液の吸引を行うことが可能であるため、塗布終了の際に、ノズルの吐出口と被塗布部材との間に残存するビード(塗布液)をノズル内に吸引して瞬時に破壊することができる。このため、塗布終了領域での不良膜厚領域を小さくすることが可能となる。
(2)また、前記タンクが、前記第1供給手段が有している前記ノズルから前記送液器までの間の流路に接続されている構成とすることができ、この場合、第1供給手段が有するノズルと繋がる流路の一部が、第2供給手段が有するタンクからノズルまでの流路として兼用される。
(3)または、前記送液器が、前記ノズルから延びる第1流路に接続され、前記タンクが、前記ノズルから延びる前記第1流路とは別の独立した第2流路に接続されている構成とすることもできる。この場合塗布開始時に、第1供給手段を用いた定流量吐出のためのノズルへの塗布液の供給と、第2供給手段を用いた余剰吐出のためのノズルへの塗布液の供給を、全く独立した別の流路で相互干渉なしに行えるので、応答性が向上して、より短い時間での塗布液の余剰吐出が容易に実現できる。
(4)または、前記タンクが、前記第1供給手段が有している前記ノズルから前記送液器までの間の流路に継手を介して接続されており、当該継手は内部に、前記第1供給手段が有している流路に接続される第1継手流路と、該第1継手流路との接続点から該第1継手流路に対して5〜75度の角度をなして、前記第1供給手段が有している流路の前記送液器側に向かって延びて前記第2供給手段に接続される第2継手流路と、を備え、さらに、前記継手から前記第1供給手段が有している流路の前記ノズル側に流路長さで50mm以下の位置に、前記送液器およびタンクの両方からノズルへの塗布液の供給と停止とを行うバルブを配置する構造とすることができる。
これによれば、塗布を開始する際に、送液器とタンクの両方から塗布液を余分に高速で送り出すことが極く短い時間でできるので、極く短い時間でノズルから、塗布液をパルス状に余剰吐出することができる。このため、塗布開始領域での不良膜厚領域をさらに小さくすることが可能となる。
(5)また、前記第2供給手段は、更に、前記タンクと前記ノズルとの間の流路に設けられ当該タンク内の塗布液の当該ノズルへの送り出しの開始と停止とを行うための供給停止用バルブを有しているのが好ましい。この場合、供給停止用バルブを開くと、瞬時にノズルに塗布液を送りこんで、瞬時の余剰吐出が可能となる。
(6)また、前記(5)において前記第2供給手段は、更に、前記供給停止用バルブと前記ノズルとの間の流路に設けられ当該流路の塗布液を吸引する吸引手段を有しているのが好ましい。この場合、タンク内の塗布液に、より高い圧力で加圧した状態で供給停止用バルブを開き、より短い時間でノズルに塗布液を送り出せるが必要量以上の過剰に送り出してしまうのを、吸引手段が塗布液を吸引することで過剰分が除かれ、結果として一層短い時間でのノズルからの余剰吐出が可能となる。そして、余剰吐出してからそのまま、前記第1供給手段の送液器がノズルへ塗布液を一定流量で送り出している動作に引き継がれる。
(7)また、本発明は、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の塗布装置を用いて、被塗布部材に対して塗布液を塗布する方法であって、前記第1供給手段により前記ノズルへ塗布液を一定の流量で供給開始するのに合わせて、前記第2供給手段により前記ノズルへ塗布液の供給を開始し、所定時間後に当該第2供給手段による当該ノズルへの塗布液の供給を停止して、塗布を開始する塗布開始工程と、前記第1供給手段による一定の流量での塗布液の供給を継続する塗布中間工程と、前記第1供給手段による塗布液の供給を停止すると共に、前記減圧手段による前記ノズル内の塗布液の吸引を開始し、所定時間後に当該吸引を停止して前記被塗布部材への塗布を終了する塗布終了工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、前記(1)の塗布装置と同様の作用効果を奏することが可能であり、塗布開始工程では、瞬時にノズルから余剰吐出を行ってビード形成することが可能であり、また、塗布終了工程では、瞬時にビードを破壊して塗布を終了させることが可能となる。
(8)また、前記塗布開始工程において、前記第2供給手段による塗布液の供給の停止と共に、前記減圧手段によるノズル内の塗布液の吸引を行うことが好ましい。これにより、前記(6)の塗布装置と同様の作用効果を奏することが可能であり、より短い時間でノズルから塗布液を余剰吐出させることができる。
(9)また、前記塗布開始工程において、前記第2供給手段による塗布液の供給の停止と共に、前記タンクに繋がる流路内の塗布液の吸引を行うのが好ましい。これにより、前記(8)の塗布方法と同様の作用効果を奏することが可能であり、より短い時間でノズルから塗布液を余剰吐出させることが可能となる。
また、本発明のディスプレイ用部材の製造方法は、前記(7)〜(9)に記載の塗布方法を用いて、前記被塗布部材からディスプレイ用部材を製造する。
本発明に用いられる前記塗布方法によれば、上記したように、塗布開始工程では、瞬時にノズルから余剰吐出を行ってビード形成することが可能であり、また、塗布終了工程では、瞬時にビードを破壊して塗布を終了させることが可能となる。これによって、被塗布部材の塗布開始領域と塗布終了領域での不良膜厚領域を高速塗布時でも小さくすることが可能となり、品質の高いディスプレイ用部材を高い生産性でしかも低コストで製造することが可能となる。
本発明の塗布装置及び塗布方法によれば、被塗布部材の塗布開始領域でノズルからの塗布液の定流量吐出に加えて、ビード形成のために必要量の塗布液を瞬時に余剰吐出することができると共に、塗布終了領域でもノズル内に塗布液を吸引してビードを瞬時に破壊することができる。このため、被塗布部材の塗布開始領域と塗布終了領域における不良膜厚領域を非常に小さくして、均一膜厚で高品質の製品領域を拡大することが、塗布速度を高めてタクトタイムを短くして生産性を高めた上でも、容易に実現可能となる。
本発明の製造方法によれば、上記の優れた塗布方法を用いてディスプレイ用部材を製造するのであるから、品質の高いディスプレイ用部材を高い生産性と低コストで製造することが可能となる。
本発明の塗布装置の概略構成を説明する模式図である。 図1に示す塗布装置による塗布動作を示すフロー図である。 図1に示す塗布装置による塗布動作を示すフロー図である。 図1に示す塗布装置による塗布動作を示すフロー図である。 図1に示す塗布装置による塗布動作を示すフロー図である。 塗布開始時のノズルの吐出流量の時間変化を示す線図である。 塗布装置(他の形態)の概略構成を説明する模式図である。 塗布装置(さらに他の形態)の概略構成を説明する模式図である。 本発明の別の塗布装置の概略構成を説明する模式図である。 図9に示す塗布装置による塗布動作を示すフロー図である。 図9に示す塗布装置による塗布動作を示すフロー図である。 図9に示す塗布装置による塗布動作を示すフロー図である。 図9に示す塗布装置による塗布動作を示すフロー図である。 塗布装置の構成を説明する説明図であり、(a)は正面から見た図であり、(b)は側面から見た図である。 本発明のさらに別の塗布装置の概略構成を説明する模式図である。 塗布装置の一部分を拡大した模式図である。 塗布装置による塗布開始動作を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の塗布装置1の概略構成を説明する模式図である。この塗布装置1は、被塗布部材である基板Wの表面に塗布液2を塗布する装置であり、基板W上にはこの塗布液2による塗膜M1と塗膜M2が形成される。塗布装置1は、基板Wに対して塗布液2を吐出するノズル5、このノズル5へ塗布液2を供給する供給手段10、ノズル5と基板Wとの内の一方又は双方を水平方向に移動させる移動手段8、及び、ノズル5内の塗布液2を吸引する減圧手段40を備えている。さらに、塗布装置1は、コンピュータからなる制御装置4を備えており、制御装置4は、塗布装置1が備えている各機構(移動手段8、各バルブを含む供給手段10、各バルブを含む減圧手段40)の動作制御を行う。
図14は、この塗布装置1の構成を説明する説明図であり、(a)は正面から見た図であり、(b)は側面から見た図である。図14(a)でノズル5は、その内部に、紙面に垂直な長手方向(Y方向)に伸びるマニホールド6と、このマニホールド6と繋がる吐出流路7とを有している。マニホールド6は、供給手段10から供給された塗布液2を溜めて長手方向に均等に分配して吐出流路7へ送るための拡大空間であり、吐出流路7は、基板Wに対して塗布液2を吐出するための流路である。吐出流路7のマニホールド6側とは反対側の端部が塗布液2の吐出口7aとなり、この吐出口7aから塗布液2が吐出される。吐出流路7は、細長いスリット状の流路であっても、複数の孔からなる流路であってもよく、スリット状である場合、面状の塗膜Mが形成され、複数の孔である場合、ストライプ状の塗膜Mが形成される。
本実施形態では、移動手段8として、基板Wを吸引等により固定するステージ3、ステージ3を移動させるためのリニアモータ8a、及び、ステージ3をX方向に案内するガイド部材8bを有している。この移動手段8によりノズル5に対して基板Wを載せたステージ3を一方向(X方向)に移動させることができる。なお、ステージ3を固定し、ノズル5側がステージ3に対して水平方向に移動する構成にしてもよい。
また、ノズル5は、昇降機構9によって、上下方向(図14(a)のZ方向)に移動可能であり、これによってノズル5の吐出口7aと基板Wとのすきまであるギャップ量Gを調整することができる。なお、昇降機構9は、前記制御装置4(図1参照)によって動作が制御されるモータ9aと、このモータ9aにより回転するねじ軸9bと、このねじ軸9bに螺合するナットユニット9cとを有している。ナットユニット9cにノズル5が固定されており、ねじ軸9bの正逆回転により、ナットユニット9cがねじ軸9bに沿って昇降し、ノズル5を上下動させる。そして昇降機構9によってノズル5の吐出口7aを基板Wに近接させてギャップ量Gのすきまを作り、基板Wを載せたステージ3を一方向(X方向)に一定速度Vで移動させながら、ノズル5の吐出口7aから塗布液2を一定流量Qで吐出させると、まずノズル5の吐出口7aと基板Wの間にビードBが形成され、つづいて基板Wの移動に伴ってビードBを起点とした塗布液2の塗布が行なわれて、膜厚Tの塗膜Mを形成することができる。なおここでいう流量は、単位時間に流れる塗布液の容量である。これから膜厚Tは、塗布幅(Y方向の長さ)をCWとすると、T=Q/(V×CW)で算出される。また、本実施形態では、1枚の基板Wとノズル5とを相対的に一方向に移動させている間に、ノズル5の吐出口7aからの塗布液2の吐出を間欠的に行うことで、間欠塗布を行うことができる。これにより、図1に示すように基板W上には、移動方向に沿って、複数の独立した塗膜M1と塗膜M2が形成される。
なお、このような塗布動作の際、ステージ3は一方向に移動し、全ての塗布動作を終えると、ステージ3は反対方向に移動して初期状態へ戻る。
図1において、供給手段10は、第1供給手段61と、第2供給手段62とを有している。第1供給手段61は、ノズル5(マニホールド6)に繋がる流路11と、この流路11を通じてノズル5(マニホールド6)へ塗布液2を送り出す送液器としてのポンプ12とを含む。第2供給手段62は、塗布液2を溜めるタンクである中間タンク13と、加圧手段14とを含む。
流路11は、主として樹脂製の配管(樹脂製のチューブ)からなり、この流路11には、各機器を接続するための継手が含まれる。なお、流路11を構成する配管は、樹脂製以外の金属製等であってもよい。
ポンプ12は、ノズル5へ塗布液2を一定の流量で送り出す機能を有する定容量ポンプである。本実施形態のポンプ12は注射器と同じ構造のシリンジポンプである。
第2供給手段62を構成する中間タンク13は、第1供給手段61が有しているノズル5からポンプ12までの間の流路11に継手部分19aの位置で接続されている。なお、中間タンク13は、中間バルブ15を介して前記流路11と繋がっている。
中間バルブ15は、前記第2供給手段62に含まれ、中間タンク13とノズル5との間の流路に設けられており、後述する下流側バルブ17と共にこの中間バルブ15は、中間タンク13内の塗布液2のノズル5への送り出しの開始と停止とを行うための供給停止用バルブとして機能する。
加圧手段14は、圧縮空気を中間タンク13に供給する加圧器からなり、この圧縮空気によって中間タンク13の内圧を高めることができる。加圧手段14は、中間タンク13内の塗布液2を加圧し、中間バルブ15と下流側バルブ17が開の状態で、この加圧によって中間タンク13内の塗布液2をノズル5へ送り出す(圧送する)ことができる。中間バルブ15を閉にすると、中間タンク13内の塗布液2の送り出しが停止される。また加圧手段14は、加圧する圧力を任意に設定することができる。この圧力の大きさによって、中間タンク13内の塗布液2をノズル5へ送り出す流量を定めることができる。当然ながら、設定圧力が高いほど流量も大きくなり、たとえば下流バルブ17を閉から開にして塗布液2を送り出す時も、一定流量になるまでの立ち上がりも早い(立ち上がり時間が短い)。
また、この流路11における、中間タンク13との継手部分19a、及びポンプ12との継手部分19bよりも下流側、つまりノズル5側に、下流側バルブ17が設けられている。この下流側バルブ17を開くことで、ポンプ12及び中間タンク13の両方からノズル5へ塗布液2を供給することができ、閉じることで塗布液2の供給を停止することができる。
本実施形態の供給手段10は、更に、塗布液2を貯める上流側タンク16を備えており、ノズル5と上流側タンク16とが前記流路11で繋がっている。この流路11の上流側タンク16側に、上流側バルブ18及びフィルタ20が設けられている。上流側タンク16には、中間タンク13と同様の加圧手段16aが備えられており、ポンプ12及び中間タンク13に塗布液2の補充を行うことができる。
そして、ノズル5の吐出流路7から中間タンク13までの流路長は、吐出流路7から上流側タンク16までの流路長よりも短く構成されており、更に、吐出流路7からポンプ12までの流路長よりも短く構成されている。
前記ポンプ12を有する供給手段10の第1供給手段61によれば、ポンプ12でノズル5へ塗布液2を一定流量Qで送り出すことにより、ノズル5(吐出流路7)から塗布液2を一定流量Qで吐出させる「定流量吐出」を行うことができる。更にあわせて、第2供給手段62が有している加圧手段14が中間タンク13内の塗布液2を加圧していることによって、後にも説明するが、ノズル5からの塗布液2の吐出開始の際に、ポンプ12による前記「定流量吐出」に加えて塗布液2を余分に吐出させる「余剰吐出」を行うことができる。
次に本実施形態の減圧手段40は、ノズル5(マニホールド6)内部の塗布液2の吸引動作を行う減圧部として吸引ポンプ41と、減圧力(吸引力)を自在に調整可能な調整器46と、ノズル5(マニホールド6)と吸引ポンプ41とを繋ぐ減圧流路42と、複数(二つ)の第1減圧用バルブ43及び第2減圧用バルブ44と、を有している。第1減圧用バルブ43及び第2減圧用バルブ44は、単一の減圧流路42の途中に直列配置で設けられている。これら第1減圧用バルブ43及び第2減圧用バルブ44を上記の制御装置4が開閉制御を行うことで、後に詳細を説明するが、ノズル5内の塗布液2の吸引開始及び吸引停止の動作が行われる。また調整器46は、例えば、真空圧設定器(真空レギュレータ)や圧力調整バルブからなり、電気信号により減圧力を自在に設定できる。減圧力を変更することで、ノズル5内の塗布液の吸引流量を調整することができる。なお当然ながら、減圧力を高く設定する方が、ノズル5内の塗布液2の吸引流量は高くなる。
以上の構成を備えている塗布装置1を用いて行う塗布方法について、図2〜図5を参照しながら、以下の(A1)〜(A12)に示す工程ごとに順を追って説明する。図2〜図5は、間欠塗布により基板W上に2つ(2面)の塗膜M、すなわち塗膜M1と塗膜M2を形成する時の塗布装置1による塗布動作(塗布方法)を示すフロー図である。なお、これらの図中の各バルブの近傍に記している「開」「閉」は、各バルブの開閉状態を示している。またポンプ12の右側に上向きの矢印が記載されている時は、ポンプ12が動作していることを示している。
(A1)塗布準備工程(図2(A)参照)
塗布を開始する前の準備を行う。ノズル5と供給手段10を構成するすべての流路に塗布液が充填されている状態で、下流側バルブ17を閉としてから、上流側バルブ18を開、中間バルブ15を開にし、加圧手段16aを作動させて上流側タンク16の塗布液2を圧力により押し出して、フィルタ20(図1参照)を介してポンプ12及び中間タンク13に補充する。なおポンプ12はシリンジポンプであるので、ピストンを吸引側に動作させて、一枚(2面)以上の基板Wに塗布を行うことが可能な量の塗布液2を、シリンジに充填する。また基板Wはステージ3に載置されて、X方向にノズル5から離れた初期位置(X=X0)にある。さらに減圧手段40について、第1減圧用バルブ43を閉、第2減圧用バルブ44を開としてから、吸引ポンプ41を作動させ、調整器46で塗布終了時の減圧力PVEを設定する。
(A2)第1塗布開始準備工程(図2(B)参照)
塗膜M1のための塗布準備を行う。前工程での塗布液2の補充が完了した時点で、上流側バルブ18を閉にする。続いて加圧手段14によって、所定の圧力Pで中間タンク13の塗布液2を加圧する。これとあわせて昇降機構9を動作させて、ノズル5の吐出口7aと基板Wの間のすきまがギャップ量Gとなるように、ノズル5を下降させる。つづいて、下流側バルブ17を閉、中間バルブ15を開のままで、ポンプ12を駆動させて立ち上げ、ポンプ12から一定流量Qで塗布液2を流路11へ送り出す。送り出された塗布液2は、圧力Pに抗して中間タンク13へ向かう。
(A3)第1塗布開始工程1(図2(C)参照)
塗膜M1の塗布を開始する。ステージ3を駆動して基板Wが一定速度Vで移動し、基板Wの塗膜M1の塗布開始位置(X=X1)がノズル5の吐出口7aの直下に到達したら、下流側バルブ17を開にする。これにより、基板Wの塗布開始の領域(塗布開始位置から数ミリメートルの範囲の区間)に対して、ノズル5からポンプ12による塗布液2の流量Qでの定流量吐出に加えて、加圧手段14の圧力Pでの加圧で、中間タンク13の塗布液2の余剰吐出が行われる。この結果、ビードBが形成開始されるとともに、塗布も開始される。なお速度Vは塗布速度となる。
(A4)第1塗布開始工程2(図3(A)参照)
下流バルブ17を開にして塗布開始してから所定時間後に中間バルブ15を閉にして、ノズル5からの余剰吐出を停止させる。これによってビードBは形成が完了して所定の大きさになるとともに、ノズル5からは流量Qでの定流量吐出が行われているので、塗膜M1の膜厚は膜厚Tに達する。したがって、ここから所定膜厚Tでの塗膜M1の形成が開始される。なおここで、中間バルブ15の閉とともに減圧手段40の第1減圧用バルブ43を開にし、所定時間後に第2減圧用バルブ44を閉にしてもよい。これによって中間バルブ15を閉にするだけよりも短い時間で余剰吐出を停止させることができる。なお本工程で減圧手段40を用いる場合は、(A1)塗布準備工程で、調整器46で塗布開始時の減圧力PVSに設定しておく。そして本工程(A4)終了後に、次の準備のために、第1減圧用バルブ43を閉にした後に、第2減圧用バルブ44を開にし、つづいて、調整器46で塗布終了時の減圧力PVEに設定する。
(A5)第1塗布中間工程(図3(B)参照)
基板Wは速度Vで移動をつづけ、ポンプ12によってノズル5から塗布液2を流量Qで定流量吐出しているので、安定した塗布が行われ、膜厚Tの塗膜M1が形成される。
(A6)第1塗布終了工程(図3(C)参照)
基板Wの塗膜M1の塗布終了位置(X=X2)がノズル5の吐出口7aの直下に到達したら、下流側バルブ17を閉にするとともに、中間バルブ15の開と減圧手段40の第1減圧バルブ43の開を実行する。そして第1減圧バルブ43の開から所定時間後に第2減圧バルブ44を閉にして、塗布終了時の吸引を完了させる。以上により、基板Wに対する塗布液2の定流量吐出を終了(中断)させるとともに、減圧手段40によってビードBが吐出口7aを介してノズル5に吸引されるので、ビードBが瞬時に破壊されて塗布が終了し、同時に塗膜M1の形成も完了する。またポンプ12は以上の動作に関係なく動作をつづけており、中間バルブ15の開により、流量Qで中間タンク13に塗布液2を送り出し続ける。
(A7)第2塗布開始準備工程(図4(A)参照)
次の塗膜M2の塗布のための準備を行う。基板Wの速度Vでの移動と平行して、第1減圧用バルブ43を閉にした後に、第2減圧用バルブ44を開にする。ポンプ12は駆動をつづけている。
(A8)第2塗布開始工程1(図4(B)参照)
塗膜M2の塗布を開始する。速度Vでの移動をつづける基板Wの塗膜M2の塗布開始位置(X=X3)がノズル5の吐出口7aの直下に到達したら、下流側バルブ17を開にする。これにより、ノズル5からポンプ12による流量Qの定流量吐出に加えて、加圧手段14の圧力Pでの加圧で、中間タンク13の塗布液2の余剰吐出が行われて、ビードBの形成が開始されるとともに塗布も開始される。
(A9)第2塗布開始工程2(図4(C)参照)
下流側バルブ17を開にして塗布開始してから所定時間後に中間バルブ15を閉にして、ノズル5からの余剰吐出を停止させる。これによってビードBは形成が完了して所定の大きさになるとともに、塗膜M2の膜厚は膜厚Tに達する。
なおここで、中間バルブ15の閉とともに減圧手段40の第1減圧用バルブ43を開にし、所定時間後に第2減圧用バルブ44を閉にしてもよい。これによってより短い時間で余剰吐出が停止する。なお本工程で減圧手段40を用いる場合は、(A7)第2塗布開始準備工程で、調整器46で塗布開始時の減圧力PVSに設定しておく。そして本工程(A9)終了後に、第1減圧用バルブ43を閉にした後に、第2減圧用44バルブを開にし、つづいて、調整器46で塗布終了時の減圧力PVEに設定する。
(A10)第2塗布中間工程(図5(A)参照)
基板Wは速度Vで移動をつづけ、ポンプ12によってノズル5から塗布液2を流量Qで定流量吐出しているので、膜厚Tの塗膜M2が形成される。
(A11)第2塗布終了工程(図5(B)参照)
基板Wの塗膜M2の塗布終了位置(X=X4)がノズル5の吐出口7aの直下に達したら、下流側バルブ17を閉にするとともに、中間バルブ15の開と減圧手段40の第1減圧用バルブ43の開を実行する。そして第1減圧用バルブ43の開から所定時間後に第2減圧用バルブ44を閉にして吸引も完了させる。以上により、基板Wへの塗布液2の定流量吐出が終了し、さらに減圧手段40によってビードBが吐出口7aを介してノズル5に吸引されるので、ビードBが瞬時に破壊されて塗布が終了し、塗膜M2の形成も完了する。この後ポンプ12を停止させる。
(A12)塗布完了後準備工程
塗布終了後も基板Wはなおも速度Vで移動をつづけ、終点位置(X=X5)に達したら、停止する。そして塗布された基板Wを取り出して次工程(乾燥工程)に搬出するとともに、ステージ3を逆方向に移動して初期位置(X=X0)に戻る。
以降(A1)塗布準備工程から、次の基板Wへの塗布をくりかえす。
以上の塗布方法で、塗布開始時((A3、A4)第1塗布開始工程1、2と(A8、A9)第2塗布開始工程1、2)に、ノズル5からのポンプ12による塗布液2の定流量吐出に加えて、加圧手段14の加圧で中間タンク13の塗布液2のノズル5からの瞬時の余剰吐出を行っているので、瞬時にビードBを形成でき、さらにビードB形成後即定常塗布に移行できるので、膜厚Tとならない不良膜厚領域を小さくすることが可能である。これについて、図6を用いてさらに詳しく説明する。
図6は塗布開始時のノズル5の吐出流量の時間変化を示す線図である。図6(A)で、破線は余剰吐出がなく、ポンプ12による定流量吐出のみの場合であり、時間t=0で下流側バルブ17を開にしてから、ノズル5からの吐出流量が徐々に流量Qまで立ち上がるので、ビードBを形成して膜厚Tの塗膜Mを形成開始するまでt=t3まで要する。すなわち膜厚Tとならない不良膜厚領域は塗布開始からt=t3までの範囲であり、その大きさ(長さ)はテーブル3の移動速度V×t3で算出される。一方実線は、定流量吐出に加えて加圧手段14の圧力Pでの加圧で余剰吐出を行っているもので、t=0で下流側バルブ17を開にしてから、t=t1で中間バルブ15を閉にし、t=t2で流量Qの定流量吐出となっている。この場合、流量Qよりも多い斜線部分が余剰吐出を表しており、その面積(流量変化の時間積分)が余剰吐出量となる。この余剰吐出量がビードBを形成するのに使用されるので、t=t2から膜厚Tの塗膜Mを形成開始する。したがって膜厚Tとならない不良膜厚領域の大きさは、V×t2となり、定流量吐出だけの場合に比べて、小さくすることができる。
次に図6(B)は、加圧手段14の加圧の圧力を、圧力Pよりも大きい圧力P1にした場合であり、t=0で下流側バルブ17を開とした時に、中間タンク13からノズル5に供給される流量が多くなるばかりでなく、立ち上がりも早くなる。そのためにt1よりも小さなt=t4で中間バルブ15を閉にするが、中間バルブ15より上流にある塗布液は停止できても、中間バルブ15を通過した余剰吐出用の塗布液は、慣性力や流路内の残圧(圧力P1と定流量吐出時の流路内圧力の差)によりすぐに流れが停止せず、余剰吐出が停止するまで、圧力Pの時の時間t2よりも大きなt5までかかってしまう。この圧力P1で余剰吐出した場合、膜厚Tよりも厚くなる不良膜厚領域の大きさはV×t5となり、圧力Pで余剰吐出した時の不良膜厚領域の大きさV×t2よりも大きくなる。したがって単に圧力Pを大きくして余剰吐出の流量を大きくしただけでは、不良膜厚領域を小さくできない場合がある。
それに対して、上記の塗布方法の好ましい例で示したように、塗布開始時に減圧手段40を用いたのが図6(C)である。すなわち加圧手段14の加圧の圧力P1とした状態で、t=0で下流側バルブ17を開とし、続くt=t4で中間バルブ15を閉にするとともに、減圧手段40の第1減圧用バルブ43を開とする。これによって、中間バルブ15を通過した余剰吐出用の塗布液量分を、減圧手段40の減圧力PVSによりノズル5から吸引することができるようになり、t2よりも小さなt=t6でノズル5からの余剰吐出を停止させて定流量吐出のみにし、膜厚Tでの塗膜Mの形成を開始可能にできる。これから、塗布開始時に減圧手段40を用いた時の不良膜厚領域の大きさはV×t6となり、一番小さくすることができる。本発明によれば、余剰吐出の時間t6を極小とできるので、移動速度である塗布速度Vを高くしても、V×t6より定まる不良膜厚領域の大きさも非常に小さく維持することが可能となる。すなわち、不良膜厚領域を小さくして製品領域を拡大することが、高速塗布で生産性を高めた状態で実行できる。
なお中間バルブ15をt=t4で閉にするのに対して、第1減圧用バルブ43を開とするのはそれと同時でもよいし、t=t4の前後であってもよい。減圧力PVSの大きさとあわせて、余剰吐出が停止する時間t6が最小となるようにタイミングを調整すればよい。また上記の余剰吐出が停止するまでの時間t6は、余剰吐出のための加圧手段14による加圧の圧力P1をさらに大きくするとともに、減圧手段40の調整器46で設定する塗布開始時の減圧力PVSも大きくし、さらに減圧による吸引時間(第1減圧用バルブ43を開としてから第2減圧用バルブ44を閉とするまでの時間)を調整することで、極限まで小さくでき、その結果不良膜厚領域を極限まで小さくできる。しかしながら、この調整が不十分で、たとえば図6(C)と同じ作動条件で、減圧による吸引時間(第1減圧用バルブ43を開としてから第2減圧用バルブ44を閉とするまでの時間)が長いと、図6(D)のようになる。すなわち、余剰吐出が停止する時間t7はt6よりも小さくなるが、吸引が終わらずにノズル5の吐出流量が流量Qよりも減じて過少吐出となってしまい、再び流量Qに戻るまでt6よりも大きなt8までかかってしまう。この場合、不良膜厚領域の大きさはV×t8となり、吸引時間が適正な場合のV×t6よりも大きくなる。不良膜厚領域を極限まで小さくするには、流量Qの定流量吐出を基準として、適正量の余剰吐出を極小時間で行い、過少吐出を発生させないことが必要となる。余剰吐出は流量Qを基準とした流量の正パルス、過少吐出は流量の負パルスと見立てられることから、以上のことを言いかえると、不良膜厚領域を極限まで小さくするには、流量の極小幅の正パルスを発生させることが必要であり、流量の負パルスを発生させてはならない、となる。
適正量の余剰吐出を極小時間で行うには、余剰吐出時の中間タンク13からノズル5への塗布液の供給時間や、減圧手段40による吸引時間も極小にすることが求められる。本発明では、余剰吐出時の中間タンク13からノズル5への塗布液の供給時間を極小とするために、第2供給手段62によるノズル5への塗布液の供給を開始するための開用のバルブである下流側バルブ17と、下流側バルブ17と直列配置で設けられかつ下流側バルブ17とは独立て動作可能でノズル5への塗布液の供給を停止するための閉用のバルブである中間バルブ15とを設けている。また、減圧手段40による吸引時間も極小にするために、減圧手段40の減圧用バルブとして、塗布液の吸引を開始するための開用の第1減圧用バルブ43と、第1減圧用バルブ43と直列配置で設けられかつ第1減圧用バルブとは独立して動作可能で塗布液の吸引を停止するための閉用の第2減圧用バルブ44とを設けている。すなわち一つのバルブで閉→開→閉を行うと、そのバルブの固有の動作時間以下には、上記の供給時間も吸引時間も小さくすることはできないが、直列に接続されている開用のバルブの閉→開と閉用のバルブの開→閉を本発明のように独立して相対的に実施すれば、供給時間も吸引時間も極小にすることができる。
また以上の塗布方法で、塗布終了時(第1塗布終了工程、第2塗布終了工程)については、減圧手段40を用いたノズル5の吐出口7aからの高速吸引によって、ビードBを瞬時に破壊して一瞬で塗布を終了させることができる。これによって塗布終了領域における膜厚Tとならない不良膜厚領域を小さくすることができる。ビードBを吸引する流量は、調整器46で設定する減圧力PVEが大きいほど高くなる。したがって減圧力PVEを大きくとれば、ビードBを非常に短い時間で破壊することができるので、塗布終了領域における不良膜厚領域も極小にすることができる。この場合、吐出口7aからの吸引時間が長いとビードB以外に外部のエアーを吸引するので、吸引時間も極小にする必要がある。本発明では、第1減圧用バルブ43を吸引を開始するための開用のバルブ、第2減圧用バルブ44を吸引を停止するための閉用のバルブとしている。したがって、2つのバルブを独立して相対的に動作させることによって、吸引時間を極小まで小さくできる。これによって安定して塗布終了領域の不良膜厚領域を極小にすることができる。
なお塗布終了時に、下流側バルブ17を閉にするのに対して、第1減圧用バルブ43を開とするのはそれと同時でもよいし、その前後であってもよい。減圧力PVEとあわせて塗布液の吸引が適正かつ最速で実行できるように調整すればよい。
以上、本発明の塗布装置と塗布方法を用いれば、上記のような優れた構成や作用があるので、塗布開始と終了領域での不良膜厚領域を極限まで小さくすることが可能となる。
なお塗布装置1では、塗布開始時の減圧手段として減圧手段40を用いたが、図7と図8に示すものにしてもよい。図7と図8は、塗布装置1の別の概略構成を説明する模式図である。図7では、図1に示す塗布装置1に対して、塗布開始時の減圧手段として開始時減圧手段50をノズル5に、減圧手段40と並列して追加接続している。すなわち、図7に示す塗布装置は、ノズル5内の塗布液の吸引を行うための減圧手段として、塗布開始時に塗布液の吸引を行う減圧手段である開始時減圧手段50と、塗布終了時に塗布液の吸引を行う減圧手段である減圧手段40と、を独立して備えている。開始時減圧手段50は、減圧手段40と全く同じ構成であり、ノズル5(マニホールド6)内部の塗布液2の吸引動作を行う減圧部として、吸引ポンプ51と、減圧力(吸引力)を自在に調整可能な調整器56と、ノズル5(マニホールド6)と吸引ポンプ51とを繋ぐ減圧流路52と、複数(二つ)の第1減圧用バルブ53及び第2減圧用バルブ54と、を備えている。そして第1減圧用バルブ53及び第2減圧用バルブ54は、単一の減圧流路52の途中に直列配置で設けられている。図7に示す塗布装置1を用いた塗布方法は、上記の(A1)〜(A12)の工程で示した塗布方法で、
1.(A1)塗布準備工程で、開始時減圧手段50について、第1減圧用バルブ53を閉、第2減圧用バルブ54を開としてから、吸引ポンプ51を作動させ、調整器56で塗布開始時の減圧力PVSに設定する。
2.(A4)第1塗布開始工程2と(A9)第2塗布開始工程2を以下の(A4’)第1塗布開始工程2と(A9’)第2塗布開始工程2に入れ替える。
(A4’)第1塗布開始工程2
下流側バルブ17を開にして塗布開始してから所定時間後に中間バルブ15を閉にし、中間バルブ15の閉とともに開始時減圧手段50の第1減圧用バルブ53を開にし、所定時間後に第2減圧用バルブ54を閉にする。これによってノズル5からの余剰吐出を停止させる。そして本工程(A4’)終了後に、次の準備のために、第1減圧用バルブ53を閉にした後に、第2減圧用バルブ54を開にする。
(A9’)第2塗布開始工程2
下流側バルブ17を開にして塗布開始してから所定時間後に中間バルブ15を閉にして、中間バルブ15の閉とともに開始時減圧手段50の第1減圧用バルブ53を開にし、所定時間後に第2減圧用バルブ54を閉にする。これによってノズル5からの余剰吐出を停止させる。そして本工程(A9’)終了後に、第1減圧用バルブ53を閉にした後に、第2減圧用バルブ54を開にする。
塗布開始時に開始時減圧手段50を用いた場合の作用効果は、減圧手段40を塗布開始時に用いた場合とまったく同じである。ただし、開始時減圧手段50は、塗布開始時に専用化して使用することができる。すなわち、減圧手段40のように塗布開始時と塗布終了時で減圧力の設定を切り替える必要がなく、高速塗布時のように応答性が求められる場合に、開始時減圧手段50は好ましく適用できる。
次に図8では、図1に示す塗布装置1に対して、塗布開始時の減圧手段として吸引手段70を、第2供給手段62の供給停止用バルブである中間バルブ15と、ノズル5との間の流路に、追加接続して設けている。この場合、吸引手段70は第2供給手段62に含まれる。さて塗布開始時に加圧手段14による加圧での塗布液2の余剰吐出を行う場合、中間バルブ15を閉にした時に、中間バルブ15を通過した余剰吐出用の塗布液をノズル5の内部の流路で吸引するのが、開始時減圧手段50であるのに対し、中間バルブ15とノズル5との間の流路で吸引するのが、吸引手段70である。この吸引手段70は、減圧手段40と全く同じ構成であり、中間バルブ15の下流の流路の塗布液2の吸引動作を行う減圧部として、吸引ポンプ71と、吸引力(減圧力)を自在に調整可能な調整器76と、中間バルブ15とノズル5との間の流路と吸引ポンプ71とを繋ぐ吸引流路72と、複数(二つ)の第1吸引バルブ73及び第2吸引バルブ74と、を備えている。そして第1吸引バルブ73及び第2吸引バルブ74は、単一の吸引流路72の途中に直列配置で設けられている。図8に示す塗布装置1を用いた塗布方法は、上記の(A1)〜(A12)の工程で示した塗布方法で、
1.(A1)塗布準備工程で、吸引手段70について、第1吸引バルブ73を閉、第2吸引バルブ74を開としてから、吸引ポンプ71を作動させ、調整器76で塗布開始時の減圧力PVSに設定する。
2.(A4)第1塗布開始工程2と(A9)第2塗布開始工程2を以下の(A4”)第1塗布開始工程2と(A9”)第2塗布開始工程2に入れ替える。
(A4”)第1塗布開始工程2
下流側バルブ17を開にして塗布開始してから所定時間後に中間バルブ15を閉にし、中間バルブ15の閉とともに吸引手段70の第1吸引バルブ73を開にし、所定時間後に第2吸引バルブ74を閉にする。これによってノズル5からの余剰吐出を停止させる。そして本工程(A4”)終了後に、次の準備のために、第1吸引バルブ73を閉にした後に、第2吸引バルブ74を開にする。
(A9”)第2塗布開始工程2
下流側バルブ17を開にして塗布開始してから所定時間後に中間バルブ15を閉にし、中間バルブ15の閉とともに吸引手段70の第1吸引バルブ73を開にし、所定時間後に第2吸引バルブ74を閉にする。これによってノズル5からの余剰吐出を停止させる。そして本工程(A9”)終了後に、次の準備のために、第1吸引バルブ73を閉にした後に、第2吸引バルブ74を開にする。
塗布開始時に吸引手段70を用いた場合の作用効果は、塗布液を中間バルブ15とノズル5の間にある流路から吸引する以外は、減圧手段40を塗布開始時に用いた場合とまったく同じである。ただし減圧手段40では、塗布開始時の減圧力PVSを非常に大きくすると、ノズル5に供給される塗布液にくわえて、吐出口7aから空気も吸引することがあるので、適用可能な減圧力PVSの大きさに制限がある。一方吸引手段70は、ノズル5からは上流側に離れた位置にある中間バルブ15を通過した余剰吐出用の塗布液を吸引することになるので、ノズル5の吐出口7aから空気を吸引することがないために、適用可能な減圧力PVSを減圧手段40よりも大きく設定することができる。したがって吸引手段70は、減圧手段40よりも、さらに早く余剰吐出を停止させて不良膜厚領域を小さくする場合に、好ましく適用することができる。
なお減圧手段40について、調整器46でノズル5内の圧力よりも低い圧力を設定すれば、ノズル5内の塗布液を吸引できるので、調整器46と吸引ポンプ41を大気圧や正圧を設定できる圧縮空気のレギュレータやコンプレッサ等にしてもよい。ただし、塗布液の吸引流量を大きくして吸引時間を極小にする場合は、より大きな負圧(減圧力)を設定できる調整器46と真空ポンプ等の吸引ポンプ41を使用することが好ましいのはいうまでもない。以上のことは、減圧手段40に限定されず、開始時減圧手段50と吸引手段70についても全く同じである。
次に本発明の塗布装置の別の実施形態である塗布装置100について説明する。
図9は、塗布装置100の概略構成を説明する模式図である。図9に示す塗布装置100は、図1に示す塗布装置1と以下の点が異なる以外は全く同じである。
1.塗布装置100では、中間タンク13を含む第2供給手段62は、ノズル5から延びる第1流路11a(図1の流路11に相当)とは別の独立した第2流路11bに接続されている。なお第1流路11aには、第1供給手段61を構成する送液器であるポンプ12が接続されている。(塗布装置1では、中間タンク13を含む第2供給手段62が、ノズル5から送液器であるポンプ12までの流路11に接続されている)。
2.塗布装置100では、第2供給手段を構成する供給停止用バルブとして、上流側中間バルブ15aと下流側中間バルブ15bの2個の独立したバルブを備える(塗布装置1では、供給停止用バルブは中間バルブ15のみである)。
3.塗布装置100では、第2供給手段62として、第2流路11bに下流側中間バルブ15bの下流側で接続される吸引手段70を追加して有している。なお吸引手段70は、上記したように、吸引ポンプ71と、吸引力(減圧力)を自在に調整可能な調整器76と、下流側中間バルブ15bとノズル5との間の流路と吸引ポンプ71とを繋ぐ吸引流路72と、吸引流路72に直列に配置された第1吸引バルブ73と第2吸引バルブ74と、を備えている。
なお、塗布装置100の作用と効果は、図8に示す塗布装置1のそれと同じである。ただし、塗布開始時に、第1供給手段61を用いた定流量吐出のためのノズル5への塗布液の供給には第1流路11aを用い、第2供給手段を用いた余剰吐出のためのノズル5への塗布液の供給には第2流路11bを用いている。このように定流量吐出のための塗布液の供給と、余剰吐出のための塗布液の供給を、全く独立した別の流路で相互干渉なしに行えるので、塗布装置100では応答性が向上して、塗布装置1よりもさらに短い時間での塗布液の余剰吐出が容易に実現できる。
次に塗布装置100を用いた塗布方法について、図10〜図13を参照しながら、以下の(B1)〜(B12)に示す工程ごとに順を追って説明する。図10〜図13は、間欠塗布により基板W上に2つの塗膜M1と塗膜M2を形成する時に、塗布装置100による塗布動作(塗布方法)を示すフロー図である。なお、これらの図中の「開」「閉」は、各バルブの開閉状態を示している。また、ポンプ12の右側に上向きの矢印が記載されている時は、ポンプ12が動作していることを示している。
(B1)塗布準備工程(図10(A)参照)
ノズル5と、供給手段10を構成する第1供給手段61と第2供給手段62等、すべての流路に塗布液が充填されている状態で、下流側バルブ17と下流側中間バルブ15bを閉としてから、上流側バルブ18を開、上流側中間バルブ15aを開にし、加圧手段16aを作動させて上流側タンク16の塗布液2を圧力により押し出し、フィルタ20を介してポンプ12に補充する。なお中間タンク13には人手にて塗布液がすでに補充されている。
ここで、基板Wはステージ3に載置されて、初期位置(X=X0)にある。また減圧手段40について、第1減圧用バルブ43を閉、第2減圧用バルブ44を開としてから、吸引ポンプ41を作動させ、調整器46で塗布終了時の減圧力PVEを設定する。また吸引手段70も、第1吸引バルブ73を閉、第2吸引バルブ74を開としてから、吸引ポンプ71を作動させ、調整器76で塗布開始時時の減圧力PVSに設定する。
(B2)第1塗布開始準備工程(図10(B)参照)
加圧手段14によって、所定の圧力Pで中間タンク13の塗布液2を加圧する。これとあわせて昇降機構9を動作させて、ノズル5の吐出口7aと基板Wの間のすきまがギャップ量Gとなるように、ノズル5を下降させる。つづいて、下流側バルブ17を閉、上流側バルブ18を開のままで、ポンプ12を駆動させて立ち上げ、ポンプ12から一定流量Qで塗布液2を第1流路11aへ送り出す。送り出された塗布液2は、上流側タンク16へ向かう。
(B3)第1塗布開始工程1(図10(C)参照)
ステージ3を駆動して基板Wが一定速度Vで移動し、基板Wの塗膜M1の塗布開始位置(X=X1)がノズル5の吐出口7aの直下に到達したら、下流側バルブ17と下流側中間バルブ15bを開にするとともに、上流側バルブ18を閉にする。これにより、基板Wの塗布開始の領域(塗布開始位置から数ミリメートルの範囲の区間)に対して、ノズル5からポンプ12による塗布液2の流量Qでの定流量吐出に加えて、加圧手段14の圧力Pでの加圧で、中間タンク13の塗布液2の余剰吐出が行われる。この結果、ビードBが形成開始されるとともに、塗布も開始される。
(B4)第1塗布開始工程2(図11(A)参照)
下流側バルブ17と下流側中間バルブ15bを開にして塗布開始してから所定時間後に上流側中間バルブ15aを閉にし、上流側中間バルブ15aの閉とともに吸引手段70の第1吸引バルブ73を開にし、所定時間後に第2吸引バルブ74を閉にする。これによってノズル5からの余剰吐出が停止する。同時にビードBは形成が完了して所定の大きさになるとともに、ノズル5からは流量Qでの定流量吐出が行われているので、塗膜M1の膜厚は膜厚Tに達する。したがって、ここから所定膜厚Tでの塗膜M1の形成が開始される。なお吸引手段70の作動によって上流側中間バルブ15aを閉にするだけよりも短い時間で余剰吐出を停止させることができる。そして本工程(B4)終了後に、次の準備のために、第1吸引バルブ73を閉にした後に、第2吸引バルブ74を開にする。同じく、下流側中間バルブ15bを閉にした後に、上流側中間バルブ15aを開にする。
(B5)第1塗布中間工程(図11(B)参照)
基板Wは速度Vで移動をつづけ、ポンプ12によってノズル5から塗布液2を流量Qで定流量吐出しているので、安定した塗布が行われ、膜厚Tの塗膜M1が形成される。
(B6)第1塗布終了工程(図11(C)参照)
基板Wの塗膜M1の塗布終了位置(X=X2)がノズル5の吐出口7aの直下に到達したら、下流側バルブ17を閉にするとともに、上流側バルブ18の開と減圧手段40の第1減圧用バルブ43の開を実行する。そして第1減圧用バルブ43の開から所定時間後に第2減圧用バルブ44を閉にして、塗布終了時の吸引を完了させる。以上により、基板Wに対する塗布液2の定流量吐出を終了(中断)させるとともに、減圧手段40によってビードBが吐出口7aを介してノズル5に吸引されるので、ビードBが瞬時に破壊されて塗布が終了し、同時に塗膜M1の形成も完了する。またポンプ12は以上の動作に関係なく駆動をつづけており、上流側バルブ18の開により、流量Qで上流タンク16に塗布液2を送り出し続ける。
(B7)第2塗布開始準備工程(図12(A)参照)
基板Wの速度Vでの移動と平行して、第1減圧用バルブ43を閉にした後に、第2減圧用バルブ44を開にする。ポンプ12は駆動をつづけている。
(B8)第2塗布開始工程1(図12(B)参照)
塗膜M2の塗布を開始する。速度Vでの移動をつづける基板Wの塗膜M2の塗布開始位置(X=X3)がノズル5の吐出口7aの直下に到達したら、下流側バルブ17と下流側中間バルブ15bを開にするとともに、上流側バルブ18を閉にする。これにより、ノズル5からポンプ12による流量Qの塗布液2の定流量吐出に加えて、加圧手段14の圧力Pでの加圧で、中間タンク13の塗布液2の余剰吐出が行われて、ビードBの形成が開始されるとともに塗布も開始される。
(B9)第2塗布開始工程2(図12(C)参照)
下流側バルブ17と下流側中間バルブ15bを開にして塗布開始してから所定時間後に字上流側中間バルブ15aを閉にし、上流側中間バルブ15aの閉とともに吸引手段70の第1吸引バルブ73を開にし、所定時間後に第2吸引バルブ74を閉にする。これによってノズル5からの余剰吐出を停止させる。同時にビードBは形成が完了して所定の大きさになるとともに、ノズル5からは流量Qでの定流量吐出が行われているので、塗膜M2の膜厚は膜厚Tに達する。したがって、ここから所定膜厚Tでの塗膜M2の形成が開始される。
そして本工程(B9)終了後に、次の準備のために、第1吸引バルブ73を閉にした後に、第2吸引バルブ74を開にする。
(B10)第2塗布中間工程(図13(A)参照)
基板Wは速度Vで移動しつづけ、ポンプ12によってノズル5から塗布液2を流量Qで定流量吐出しているので、膜厚Tの塗膜M2が形成される。
(B11)第2塗布終了工程(図13(B)参照)
基板Wの塗膜M2の塗布終了位置(X=X4)がノズル5の吐出口7aの直下に達したら、下流側バルブ17を閉にするとともに、上流側バルブ18の開と減圧手段40の第1減圧用バルブ43の開を実行する。そして第1減圧用バルブ43の開から所定時間後に第2減圧用バルブ44を閉にして吸引も完了させる。以上により、基板Wへの塗布液2の定流量吐出が終了し、さらに減圧手段40によってビードBが吐出口7aを介してノズル5に吸引されるので、ビードBが瞬時に破壊されて塗布が終了し、塗膜M2の形成も完了する。この後ポンプ12を停止させる。
(B12)塗布完了後準備工程
塗布終了後も基板Wはなおも速度Vで移動をつづけ、終点位置(X=X5)に達したら、停止する。そして塗布された基板Wを取り出して次工程(乾燥工程)に搬出するとともに、ステージ3を逆方向に移動して初期位置(X=X0)に戻る。
以降(B1)塗布準備工程から、次の基板Wへの塗布をくりかえす。
次に本発明の塗布装置のさらに別の実施形態である塗布装置200について説明する。図15は、塗布装置200の概略構成を説明する模式図である。図15に示す塗布装置200は、図1に示す塗布装置1の継手部分19aを継手80に置き換え、継手80から下流側バルブ17までの流路の長さを、流路長さLPで規定した以外は塗布装置1と全く同じである。この相違点について、図16を用いて詳しく説明する。
図16は塗布装置200の一部分である継手80とそれに接続する近傍を拡大した模式図である。継手80は内部に、第1供給手段61が有している流路11に接続される第1継手流路81と、第2供給手段62に接続される第2継手流路82とを備える。第1継手流路81は流路11の一部に含まれ、流路11の送液器であるポンプ12側で送液器側接続点83と接続され、ノズル5側でノズル側接続点84と接続されている。また第2継手流路82は、第1継手流路81との接続点である内部接続点86から、第1継手流路81に対して角度θをなして、(図16に示すように配置に関して説明すれば)流路11のポンプ12側に向かって延びて、第2供給手段接続点85で第2供給手段62に接続され、中間タンク13に至っている。
以上の構成によって、第2供給手段62の中間タンク13が、第1供給手段61が有しているノズル5からポンプ12までの間の流路11に、継手80を介して接続されているといえる。そして、この継手80は、その内部に、第1供給手段61が有する流路11に接続されている第1継手流路81と、この第1継手流路81と内部接続点86で合流しかつ第2供給手段62が有する流路に接続されている第2継手流路82と、を備えており、中間タンク13から出て第2継手流路82を流れる塗布液2が、第1継手流路81を流れる塗布液2の流れ方向と同方向となる速度成分を有するべく、第2継手流路82は第1継手流路81と合流している構成となっている。
さらにまた、継手80から流路11のノズル5側に、流路11に沿って規定の流路長さLP離れた位置に、下流側バルブ17を配置している。なお下流側バルブ17は、ポンプ12および中間タンク13の両方からノズル5への塗布液の供給と停止とを行うバルブである。この下流側バルブ17は、継手80からノズル5までの間において、ノズル5よりも継手80に近い側に設けられている。例えば、下流側バルブ17(の弁体)は、継手80からノズル5までの流路の中間点よりも継手80側に設けられている。
以上の構成の塗布装置200を用いた塗布方法は上記の塗布装置1を用いた塗布方法とまったく同じであるが、(A3)第1塗布開始工程1と(A8)第2塗布開始工程1で、角度θと流路長さLPを適切に選定して塗布を行えば、さらに優れた作用と効果がもたらされる。
そこで、塗布装置200を用いた(A3)第1塗布開始工程1を(A3’)第1塗布開始工程1’として、それを図17を用いてたどりながら、塗布装置200の作用と効果について説明する。図17は、図2(C)に対応して、塗布装置200による塗布開始動作を示す説明図である。
(A3’)第1塗布開始工程1(図17参照)
塗膜M1の塗布を開始する。ステージ3を駆動して基板Wが一定速度Vで移動し、基板Wの塗膜M1の塗布開始位置(X=X1)がノズル5の吐出口7aの直下に到達したら、下流側バルブ17を開にする。これにより、基板Wの塗布開始の領域(塗布開始位置から数ミリメートルの範囲の区間)に対して、ノズル5からポンプ12による塗布液2の流量Qでの定流量吐出に加えて、加圧手段14の圧力Pでの加圧で、中間タンク13の塗布液2の余剰吐出が行われる。この結果、ビードBが形成開始されるとともに、塗布も開始される。
この時、角度θが好ましくは5〜75度、より好ましくは15〜60度であれば、下流側バルブ17を開にした時に、継手80の第1継手流路81内の塗布液2と、第2継手流路82内の塗布液2は、同じ方向に向かって(つまり、同じ方向の速度成分を有して)流れ出す。これによって第1継手流路81内を流れるポンプ12による塗布液2の流量Qでの定量吐出に、第2継手流路82内を流れる加圧手段14の圧力Pによる中間タンク13の塗布液2の余剰流量Qrが、確実に瞬時に加算されて、極く短い時間でノズル5に供給される塗布液2の流量が合流流量(Q+Qr)に達する。さらに、第1継手流路81内の塗布液2がノズル5側に向かって流れ始めると、ベンチュリー効果による吸引作用によって、第2継手流路82内の塗布液2は第1継手流路81に引き込まれ、圧力Pによる中間タンク13の塗布液の流れを助けるので、第2継手流路82内を流れる塗布液が余剰流量Qrに極く短い時間で達する。以上の作用により、下流側バルブ17が開となってから、一層極く短い時間でノズル5に供給される塗布液の流量が合流流量(Q+Qr)に達する。したがって、塗布液を合流流量(Q+Qr)でパルス状にノズル5から余剰吐出することができる。角度θを上記の範囲よりも小さくするのは、継手内の流路で合流領域が長くなるので継手が巨大化し、実用的でない。また角度θを上記の範囲より大きくすると、第2継手流路82内の塗布液の一部が第1継手流路内の塗布液2と対抗するように流れるようになるので、下流側バルブ17が開となってから塗布液の流量が合流流量(Q+Qr)に達するまでの時間が長くなり、合流流量(Q+Qr)でパルス状にノズル5からの余剰吐出が行えなくなる。
とりわけ角度θを90度よりも大きくすると、第2継手流路82内の塗布液2は、第1継手流路内の塗布液2と一旦対抗して流れて衝突後に方向変換してノズル5側に流れるので、下流側バルブ17が開となってから塗布液の流量が合流流量(Q+Qr)に達する時間がかなり長くなり、ノズル5から合流流量(Q+Qr)で台形形状にしか余剰吐出が行えなくなる。台形形状の余剰吐出では、高速塗布時に塗布開始部での不良膜厚領域を小さくできなくなってしまう。これに対して、本実施形態では、ノズル5から塗布液2を、図6(c)に示すようにパルス状として余剰吐出(図6(c)のハッチ部分)することができる。なお、前記台形形状の余剰吐出とは、図6(c)のハッチ部分に相当する領域が台形形状になることをいう。
また流路長さLPを小さくすると、第1継手流路81と第2継手流路82を流れる塗布液が内部合流点86で合流してから下流側バルブ17に達するまでの流路長さが小さくなる。したがって流路長さLPを小さくすると、下流側バルブ17を開にしてから、内部合流点86で合流した塗布液が下流側バルブ17に達するまでの時間も小さくなる。すなわち、下流側バルブ17を開にしてから、流量が合流流量(Q+Qr)の塗布液が、下流側バルブ17からノズル5に供給開始されるまでの時間が短くなる。このことは下流側バルブ17を開にしてから塗布液が高い応答性でノズル5に供給されるともいえる。流路長さLPを好ましくは50mm以下にすると、下流側バルブ17を開にしてから瞬時に、ポンプ12による流量Qの塗布液に、加圧手段14による余剰流量Qrの塗布液が合流した合流流量(Q+Qr)の塗布液が、下流側バルブ17からノズル5に供給される。これによって下流側バルブ17を開にしてから、瞬時に塗布液をノズル5から合流流量(Q+Qr)にて余剰吐出する、すなわち高い応答性で塗布液をノズル5から余剰吐出することが可能となる。下流側バルブ17の開動作に対するノズル5からの塗布液の余剰吐出の応答性は、下流側バルブ17からノズル5までの流路長さを好ましくは50mm以下、より好ましくは20mm以下とすれば、より一層高くすることができる。すなわち、下流側バルブ17が開となってから、極く極く短い時間でノズル5から塗布液を合流流量(Q+Qr)にて余剰吐出することが可能となる。
以上の塗布装置200を用いて塗布開始すれば、下流側バルブ17を開にしてから応答性高く瞬時にパルス状に一定流量の塗布液の余剰吐出をノズル5から行うことができるので、高速塗布時でも塗布開始部の不良膜厚領域を小さくして、均一厚さの製品領域を拡大することが可能となる。
以上の(A3’)工程での塗布装置200と塗布装置1の作用の相違は、塗布装置200を用いた(A8)第2塗布開始工程1である(A8’) 第2塗布開始工程1’でも全く同じである。
以上の本発明の上記塗布装置1、塗布装置100及び上記塗布方法は、カラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタ、有機EL、プラズマディスプレイ等の基板上の面に面状やストライプ状の複数の塗膜を形成する各種ディスプレイ用部材の製造に、適用可能である。本発明の塗布装置及び塗布方法によれば、上記のとおり、塗布開始領域と塗布終了領域で不良膜厚領域を非常に小さくして、膜厚が均一で高品質の製品領域を大きくすることが高速塗布時でも実現可能となることから、膜厚が均一の品質の高いディスプレイ用部材を高い生産性と材料ロスの低減による低コストで製造することができる。なお、前記複数の塗膜が形成された基板Wは、塗膜面毎に切断されてディスプレイ用部材となる。
以上の塗布装置1と塗布装置100の適用性は塗布装置200についても同様である。
また、本発明の塗布装置1、塗布装置100は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。例えば図1において、移動手段8は、ノズル5と基板Wとを相対的に一方向に移動させることができればよく、他の構成を採用することができ、ステージ3が固定され、ノズル5をこのステージ3に対して移動させる構成であってもよい。以上の構成は塗布装置200に対しても同様に適用される。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
250mm(幅方向)×550mm(塗布方向)で厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板内に、210mm(幅方向)×250mm(塗布方向)の面領域を塗布方向に20mmの間隔をあけて2ヶ所設け、それぞれの面領域に、高さが2μmで幅が20μm、基板長手方向の長さが250mmのポリイミド膜がバンクとして、幅方向にピッチ100μmで2101本配置されている有機ELのパターン基板を用意した。
なおそれぞれの面領域は、幅方向には基板中央にあり、塗布方向の基板端部からは15mm内側にある。すなわち基板幅方向(Y方向)の両側20mm、基板塗布方向(X方向)の両側15mmと中央の20mmの領域が、ストライプ状のポリイミド膜のない非製品領域であった。さらにバンクとしてのポリイミド膜の間にはITO透明電極が陽極としてガラス基板上に0.1μm形成されており、その上に正孔注入層としてポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルフォン酸が混合されたものが厚さ0.1μmで形成されていた。
以上の面領域上にEL発光層として、R発光材を乾燥後の厚さで0.07μmだけ、間欠塗布することにした。このR発光材は固形分濃度2%、粘度が5mPa・sであり、乾燥後の厚さ0.07μmに対応するウェット厚さは3.5μmであった。
塗布装置としては、図1に示す塗布装置1を使用した。またノズル5は、Y方向長さが210mm内に700本のストライプ状塗膜をピッチ300μmで形成できるものであった。さらに各バルブには、開閉切替えによる容量変化の少ないソレノイドバルブを用いた。
そして上記の(A1)〜(A12)の工程で示す間欠塗布方法を実行した。この時の塗布速度Vは100mm/s、基板とノズルの吐出口7aとのすきまであるギャップ量Gは30μmであった。さらに定流量吐出時のポンプ12が供給する塗布液の流量は19.6μl/s、余剰吐出時の加圧手段14の加圧の圧力Pは10kPaに設定した。また、この圧力Pによりノズル5に塗布液を供給する時間が0.005秒となるように、下流側バルブ17が開いてから0.005秒後に中間バルブ15が閉まるように制御した。一方、塗布終了工程では、減圧手段40の調整器46で、塗布終了時の減圧力を−10kPaに設定し、さらにこの減圧力でノズル5内の塗布液を吸引する時間が0.002秒となるように、第1減圧用バルブ43が開となってから0.002秒後に第2減圧用バルブ44が閉となるように制御した。
以上の条件で1面目と2面目にR発光材を間欠塗布した基板を、30秒で65Paに到達する真空乾燥を60秒行ってから、120℃のホットプレートで10分間さらに乾燥させた。
乾燥後に膜厚を測定したところ、2面の塗膜とも、塗布開始から3mmで0.07μmとなり、塗布終了部での0.07μmにならない領域は3mmであった。すなわち塗布開始領域と塗布終了領域での、膜厚0.07μmとならない不良膜厚領域の大きさは、塗布開始領域で3mm、塗布終了領域でも3mmであった。これらの不良膜厚領域が占める塗布開始と終了部から3mmずつ除いた250mmの範囲、すなわちポリイミド膜のバンクが形成されている範囲で、膜厚むらは±5%以下となって非常に良好であった。
そしてその後に、同様に順次G発光材、B発光材も塗布し、RGB発光材とバンクの上を覆うように陰電極を蒸着して有機EL素子を作成した。この有機EL素子をさらに後工程で所定の処理をして表示装置に形成したところ、RGBの色が基板全面にわたって均一に表示され、2面ともに品質的に申し分ないものであった。
本発明は、カラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタ、有機EL、プラズマディスプレイ等のディスプレイ部材となる基板上の面に、面状やストライプ状の複数の塗膜を間欠的に安定して高精度に形成する各種ディスプレイ用部材の製造に利用可能である。
1:塗布装置 2:塗布液 3:ステージ
4:制御装置 5:ノズル 6:マニホールド
7:吐出流路 7a:吐出口 8:移動手段 8a:リニアモータ
8b:ガイド部材 9:昇降機構 10:供給手段 11:流路
11a:第1流路 11b:第2流路 12:ポンプ(送液器)
13:中間タンク(タンク) 14:加圧手段 15:中間バルブ
15a:上流側中間バルブ 15b:下流側中間バルブ 16:上流側タンク
16a:加圧手段 17:下流側バルブ 18:上流側バルブ
19a:継手部分 19b:継手部分 19c:流路部分
20:フィルタ 40:減圧手段 41:吸引ポンプ(減圧部)
42:減圧流路 43:第1減圧用バルブ 44:第2減圧用バルブ
46:調整器 50:開始時減圧手段 51:吸引ポンプ(減圧部)
52:減圧流路 53:第1減圧用バルブ 54:第2減圧用バルブ
56:調整器 61:第1供給手段 62:第2供給手段
70:吸引手段 71:吸引ポンプ(吸引部) 72:吸引流路
73:第1吸引バルブ 74:第2吸引バルブ 76:調整器
80:継手 81:第1継手流路 82:第2継手流路
83:送液器側接続点 84:ノズル側接続点 85:第2供給手段接続点
86:内部接続点 200:塗布装置
B:ビード G:ギャップ量 Q:流量 LP:流路長さ
M:塗膜 t:時間 T:膜厚(塗膜Mの) W:基板(被塗布部材)
θ:第2継手流路が第1継手流路に対してなす角度

Claims (10)

  1. 被塗布部材に対して塗布液を吐出するノズルと、前記ノズルと前記被塗布部材とを相対的に移動させる移動手段と、前記ノズルへ塗布液を供給する供給手段と、前記ノズル内の前記塗布液の吸引を行うための減圧手段と、を備え、
    前記供給手段は、
    前記ノズルへ塗布液を一定の流量で送り出す送液器を含む第1供給手段と、
    塗布液を溜めると共に前記ノズルと流路を介して接続されているタンク、及び、前記タンクの塗布液を加圧して当該塗布液を前記ノズルへ送り出すための加圧手段を有している第2供給手段と、を備えていることを特徴とする塗布装置。
  2. 前記タンクが、前記第1供給手段が有している前記ノズルから前記送液器までの間の流路に接続されている請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記送液器が、前記ノズルから延びる第1流路に接続され、
    前記タンクが、前記ノズルから延びる前記第1流路とは別の独立した第2流路に接続されている請求項1に記載の塗布装置。
  4. 前記タンクが、前記第1供給手段が有している前記ノズルから前記送液器までの間の流路に継手を介して接続されており、当該継手は内部に、前記第1供給手段が有している流路に接続される第1継手流路と、該第1継手流路との接続点から該第1継手流路に対して5〜75度の角度をなして、前記第1供給手段が有している流路の前記送液器側に向かって延びて前記第2供給手段に接続される第2継手流路と、を備え、
    さらに、前記継手から前記第1供給手段が有している流路の前記ノズル側に流路長さで50mm以下の位置に、前記送液器およびタンクの両方からノズルへの塗布液の供給と停止とを行うバルブを配置することを特徴とする請求項2に記載の塗布装置。
  5. 前記第2供給手段は、更に、前記タンクと前記ノズルとの間の流路に設けられ当該タンク内の塗布液の当該ノズルへの送り出しの開始と停止とを行うための供給停止用バルブを有している請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗布装置。
  6. 前記第2供給手段は、更に、前記供給停止用バルブと前記ノズルとの間の流路に設けられ当該流路の塗布液を吸引する吸引手段を有している請求項5に記載の塗布装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗布装置を用いて、被塗布部材に対して塗布液を塗布する方法であって、
    前記第1供給手段により前記ノズルへ塗布液を一定の流量で供給開始するのに合わせて、前記第2供給手段により前記ノズルへ塗布液の供給を開始し、所定時間後に当該第2供給手段による当該ノズルへの塗布液の供給を停止して、塗布を開始する塗布開始工程と、
    前記第1供給手段による一定の流量での塗布液の供給を継続する塗布中間工程と、
    前記第1供給手段による塗布液の供給を停止すると共に、前記減圧手段による前記ノズル内の塗布液の吸引を開始し、所定時間後に当該吸引を停止して前記被塗布部材への塗布を終了する塗布終了工程と、を含むことを特徴とする塗布方法。
  8. 前記塗布開始工程において、前記第2供給手段による塗布液の供給の停止と共に、前記減圧手段によるノズル内の塗布液の吸引を行う請求項7に記載の塗布方法。
  9. 前記塗布開始工程において、前記第2供給手段による塗布液の供給の停止と共に、前記タンクに繋がる流路内の塗布液の吸引を行う請求項7に記載の塗布方法。
  10. 請求項7〜9に記載の塗布方法を用いて、前記被塗布部材からディスプレイ用部材を製造することを特徴とするディスプレイ用部材の製造方法。
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