JP2022156187A - ノズル、塗布装置および塗布方法並びにディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents

ノズル、塗布装置および塗布方法並びにディスプレイ用部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】いかなる粘度の塗布液や塗布条件であっても、所望の小さな塗布幅と厚さでストライプ塗布膜を形成できるノズルとそれを使用した塗布装置および塗布方法を提供し、さらにはその塗布方法を使用して、低コストで高品質のディスプレイ用部材を製造できるディスプレイ用部材の製造方法も提供する。【解決手段】塗布液が供給される塗布液供給口と、塗布液供給口から内部に流入する塗布液を塗布幅方向に拡幅するマニホールドと、該マニホールドに連通して塗布液が下流に向かって流れる流出流路と、該流出流路の下流側端部で開口して塗布液が外部に吐出される吐出口と、を有するノズルであって、さらに前記流出流路の途中から吐出口まで塗布方向に隣接する塗布先端子を備えるとともに、該塗布先端子の先端は塗布幅方向には前記流出流路内の塗布液よりも内側にあることを特徴とするノズルとする。【選択図】 図2

Description

本発明は、金属、ガラス、フィルム、紙等の基材に、ストライプ状に塗布液を塗布してストライプ塗布膜を形成するノズル、塗布装置および塗布方法並びにディスプレイ用部材の製造方法に関する。
金属、ガラス、フィルム、紙等の基材に、塗布膜を所望の幅とピッチでストライプ状に多数形成するストライプ塗布膜形成方法が注目されている。そして、このストライプ塗布膜を簡便かつ精度よく形成する手段として、ストライプノズルが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、ストライプノズルは、内部に塗布液が供給される流入流路と、ノズルの長手方向である塗布幅方向に延在するマニホールドと、塗布幅方向にストライプ塗布膜のピッチLRで設けられた複数の流出流路とを備えている。そして、ノズルの外部には、各流出流路の流出側がノズル本体より基材側に突き出るように複数の突出部が備えられている。各突出部は流出側先端が平面に形成されており、該平面に吐出口が形成されている。流入流路に投入された塗布液は、マニホールドに流入して塗布幅方向に拡幅された後、各流出流路に均等に分配されて、流出流路の出口である複数の吐出口から、流出流路の本数だけストライプ状に吐出される。
そのため、吐出口のある突出部の流出側先端の平面(以下、吐出口先端面という)の塗布幅方向の長さは、吐出口の幅LEより少し大きな幅LDとなる。また、隣り合う突出部間には、谷となる凹部形状の切欠きがあり、この切欠きが各吐出口ごとにある吐出口先端面を形状的に分離し、その結果吐出口先端面両側に、塗布方向に延びるエッジを形成する。このエッジは通常は90度よりも大きな鈍角の角(かど)となる。そして、このような塗布幅方向両側にエッジのある吐出口先端面を基材と一定の隙間を設けて対向させ、各吐出口からストライプ状に塗布液を吐出させながら、基材をノズルに対して一定速度Vで相対移動させる。すると吐出口から吐出された塗布液は、幅LDの吐出口先端面両側のエッジまで広がりそこで一旦留まった後に、幅LDで基材上に落下して、幅LでピッチLRのストライプ塗布膜を形成する。ストライプ塗布膜の幅Lは、基材の相対移動速度Vに依存し、速度Vが大きければ吐出口先端面の塗布液を引きこむことになるので幅Lは幅LDより小さくなり、速度Vが小さければその反対の関係となる。
吐出口から吐出された塗布液の幅方向の拡がりを抑制するため、吐出口先端面両側のエッジは鈍角ではなく、例えば、90度の直角か鋭角とするノズルが開示されている(特許文献2および特許文献3参照)。
特開2013-192983号公報 特開2016-78012号公報 特開2020-157172号公報
しかしながら、すべての塗布液や塗布条件に対して塗布液の幅方向の拡がりを抑制できなかった。例えば、塗布液が100mPas以上の粘度で、ストライプ塗布膜の厚さが20μm以下と小さく、ノズルからの吐出速度や吐出量が小さい場合は、移動速度Vが大きくても、ストライプ塗布膜の幅Lは、吐出口先端面の幅LDよりもかなり大きくなり、厚さも狙い厚さよりも相当小さくなる。
これは、吐出口から吐出された塗布液が、図6に示すように壁面作用により吐出口先端面両側のエッジまで拡がった後も移動してエッジを乗り越え、エッジの先にある斜面をはい上がることの結果として起こる。すなわち、斜面をはい上がる塗布液が一定量溜まってから重力により落下して基材上にストライプ塗布膜が形成されるので、ストライプ塗布膜の幅Lは、吐出口先端面両側のエッジを乗り越えて形成される塗布液の溜まり部分の最大幅(塗布幅方向長さ)に依存するようになり、吐出口先端面の幅LDよりもかなり大きくなる。そして、吐出口からの塗布液吐出量は同じであることから、ストライプ塗布膜の幅Lが吐出口先端面の幅LDよりもかなり大きいときの膜厚は、幅LDより少し大きい時の膜厚よりも減少する。
特許文献2には、吐出された塗布液が吐出口先端面両側のエッジで留まるように、エッジを鈍角ではなく、例えば、90度の直角や鋭角にして、エッジの先にある斜面の勾配を大きくしても、塗布液の物性や塗布条件によっては、塗布液の拡がりを抑制できず、改善効果がない場合がある。さらに、特許文献3においては、エッジをさらに細かく角度規定しているが、塗布液の物性や塗布条件によっては、改善効果が見られない場合があった。すなわち、従来技術ではノズル幅方向の塗布膜の拡がりを抑制することができずにいた。
以上、塗布液の粘度や塗布条件に制約されずに、所望の小さな幅と厚さでストライプ塗布膜を形成できるノズルがないというのが現状である。
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、いかなる粘度の塗布液や塗布条件であっても、所望の小さな塗布幅と塗布厚さでストライプ塗布膜を形成できるノズルと、それを使用した塗布装置および塗布方法を提供することにある。また、本発明は上記の塗布方法を使用して、低コストで高品質のディスプレイ用部材を製造できるディスプレイ用部材の製造方法も提供する。
上記課題を解決する本発明のノズルの構成は以下である。
(1)塗布液が供給される塗布液供給口と、塗布液供給口から内部に流入する塗布液を塗布幅方向に拡幅するマニホールドと、該マニホールドに連通して塗布液が下流に向かって流れる流出流路と、該流出流路の下流側端部で開口して塗布液が外部に吐出される吐出口とを有するノズルであって、さらに前記流出流路の途中から吐出口まで塗布方向に隣接する塗布先端子を備えるとともに、該塗布先端子の先端は塗布幅方向には前記流出流路内の塗布液よりも内側にあることを特徴とするノズルである。
(2)前記(1)に記載のノズルと、該ノズルに定量の塗布液を供給する塗布液供給装置と、基材を保持する基材載置台と、前記ノズルおよび前記基材載置台のうちの少なくとも一方を相対的に移動させる移動装置と、前記ノズルの吐出口および塗布先端子を基材に近接させ、前記基材上の任意の場所に位置合わせをする装置とを備える塗布装置を提供する。
(3)前記(1)に記載のノズルを所望する場所で基材に近接させ、前記ノズルに塗布液を供給して前記ノズルの吐出口から塗布液を吐出するとともに、前記基材の前記ノズルに対する相対移動を行って、塗布液に前記塗布先端子を接触させながら、前記基材上に塗布膜を形成することを特徴とする塗布方法を提供する。
(4)前記(3)に記載の塗布方法を用いて、ディスプレイ用部材を製造することを特徴とするディスプレイ用部材の製造方法を提供する。
本発明のノズルは、流出流路の途中から吐出口まで塗布方向に隣接する塗布先端子を備えるとともに、該塗布先端子の先端は塗布幅方向には前記流出流路内の塗布液よりも内側にあるので、吐出口の幅よりも小さい塗布先端子の先端部の形状に案内されてビードを形成して塗布膜を形成する。塗布先端子の先端部の幅は、塗布幅方向で吐出口よりも小さくしているので、吐出口はあるが塗布先端子がない場合(塗布幅W)と比べて、ストライプ塗布膜は細幅化されて、もともとの塗布幅Wよりも大幅に小さな塗布幅のストライプ塗布膜を安定して形成することができる。
また吐出口から吐出される塗布液量を制御することにより、基材上に塗布されるストライプ塗布膜の厚さを制御することになり、厚さを所望の値にすることができる。
さらに、上記のノズルを使用して、広範囲の粘度条件の塗布液を、所望の小さな塗布幅と厚さでストライプ塗布膜を形成することができる。
また、上記のノズルを使用して、低コストで高品質のディスプレイ用部材を容易に製造することができる。

本発明に係る塗布装置1の一実施態様を示す斜視図である。 本発明に係るノズル30を各構成部材に分解した概略斜視図である。 塗布先端子スペーサ100、流出スペーサ120と基材を示す(a)正面断面図、(b)正面断面の部分拡大図である。 塗布先端子スペーサ100、流出スペーサ120での基材への塗布状況を示す部分拡大正面断面図である。 本発明に係るに別の塗布先端子スペーサ210、流出スペーサ120での基材への塗布状況を示す部分拡大正面断面図である。 従来の流出スペーサ120のみ使用して基材への塗布状況を示す拡大正面断面図である。
以下、本発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
まず図1は、本発明に係る塗布装置1の一実施態様を示す斜視図であるが、これを参照すると、塗布液を基材上にストライプ状に塗布してストライプ塗布膜を形成できる塗布装置1が示されている。この塗布装置1は、基材である基板Aに塗布液を塗布するノズル30と、ノズル30と基板Aが取りつけられてこれらを自在に移動させるXYZステージ10と、ノズル30に定量の塗布液を供給する塗布液供給手段である塗布液供給装置50と、XYZステージ10と塗布液供給装置50の動作を統括的に制御する制御装置80と、より構成されている。
XYZステージ10の吸着盤14には基板Aが載置され、Z軸リニア駆動装置12にはノズル30が固定保持されている。吸着盤14の上面には図示されていない吸着孔が多数配置されており、図示されていない真空源からの真空圧によって基板Aを吸着保持することができる。すなわち吸着盤14は、基板Aを保持する基材載置台となっている。この吸着盤14はその中央部で図示しない回転軸を介してX-ψ駆動装置16に取り付けられている。
X-ψ駆動装置16は、ベース26上に固定されており、吸着盤14のX-Y平面内での回転とX方向(基板Aの短手に平行な方向)の往復動を自在に行なうことができる。以上よりX-ψ駆動装置16は、X方向にノズル30と吸着盤14を相対的に移動させる移動装置となる。なおX、Y、Zの方向については、図1に示される通りで、XYZステージ10の左下隅にX、Y、Z各軸の原点Oが設けられているとともに、原点Oでの矢印の方向が正方向である。またX-Y平面内での回転方向がψ方向となっている。
ノズル30を保持するZ軸リニア駆動装置12は、ノズル30をZ方向すなわち上下方向に自在に昇降することができるもので、ブラケット18に固定されている。ブラケット18はさらにY軸リニア駆動装置20に保持されている。Y軸リニア駆動装置20は、ベース26上の一端に配置されている門型ベース28上に固定されており、ブラケット18をY方向に自在に往復動させることができる。その結果ブラケット18に固定されているノズル30をY方向にも自在に往復動させることができる。以上より、Y軸リニア駆動装置20は、Y方向にノズル30と吸着盤14を相対的に移動させる移動装置となる。
さらに吸着盤14の上方のブラケット18には、CCDカメラ22と高さセンサー24も装着されている。CCDカメラ22は制御装置80に電気的に連結されており、基板Aのアライメントマークの位置を検知して、それを制御装置80に伝える。そして制御装置80がX-ψ駆動装置16やY軸リニア駆動装置20を駆動することによって、ノズル30の吐出口130に対する基板Aの位置合わせや、ψ方向の相対回転角度設定を行うことができる。以上より、CCDカメラ22、X-ψ駆動装置16、Y軸リニア駆動装置20、制御装置80が、ノズル30の吐出口110を基板A上の任意の場所に位置合わせをする位置合わせ装置を構成している。一方高さセンサー24は、基板Aの上面の位置を検知、すなわち基板Aの厚さを検知し、それを電気的に接続されている制御装置80に伝える。その信号に基づいて制御装置80がZ軸リニア駆動装置12を駆動することによって、ノズル30の最下面と基板A上面とのすきま、すなわちクリアランスを所定値に設定することができる。以上よりZ軸リニア駆動装置12が、基材である基板Aに近接させる近接装置となる。
再びノズル30を見ると、塗布液供給装置50に連なる供給ホース68とノズル30が常時接続されており、これによりノズル30へは塗布液供給装置50から塗布液を供給することができる。ノズル30へ供給された塗布液は、ノズル30の内部通路を経て基板Aに向かってノズル30より吐出される。
なお、塗布液供給装置50は、供給ホース68の上流側に、フィルター56、供給バルブ52、シリンジポンプ60、吸引ホース70、吸引バルブ54、タンク72を備えている。ここで供給ホース68はノズル30~シリンジポンプ60までを連通し、吸引ホース70はシリンジポンプ60~タンク72までを連通している。供給ホース68は、ノズル30が移動するのにあわせて追従できるように樹脂製としており、耐薬品性等も考慮して、テフロン(登録商標)等を使用するのが好ましい。
最も上流にあるタンク72には塗布液74が蓄えられており、圧空源76に連結されて任意の大きさの背圧を塗布液74に付加することができる。タンク72内の塗布液74は、吸引ホース70を通じてシリンジポンプ60に供給される。シリンジポンプ60では、シリンジ62、ピストン64が本体66に取り付けられている。ここでピストン64は図示しない駆動源によって上下方向に自在に往復動できる。シリンジポンプ60は、一定の内径を有するシリンジ62内に塗布液74を充填し、それをピストン64により押し出して、ノズル30に一定容量の塗布液を供給できる間欠型定容量ポンプである。シリンジ62内に塗布液74を充填するときは、シリンジポンプ60の上流側の開閉バルブである吸引バルブ54を開、下流側の開閉バルブである供給バルブ52を閉として、ピストン64を下方に移動させる。またシリンジ62内に充填された塗布液をノズル30に向かって供給するときは、吸引バルブ54を閉、供給バルブ52を開とし、ピストン64を上方に移動させることで、ピストン64でシリンジ62内部の塗布液74を押し上げ排出する。
次に、以上の塗布液供給装置50から塗布液74が供給されるノズル30の詳細について、図2、図3を用いて説明する。
図2は、ノズル30を各構成部材に分解した概略斜視図である。図3(a)は、ノズル30の塗布先端子スペーサ100、流出スペーサ120と基材を示す正面断面図、図3(b)は正面断面の部分拡大図であるが、塗布先端子スペーサ100を第2リップ41側から見たもので表している。
まず、ノズル30は、図2に示すように、ノズル30の長手方向である塗布幅方向(X方向)に延在する第1リップ31、第2リップ41と、それらに挟まれる第1スペーサ140、流出スペーサ120、塗布先端子スペーサ100、第2スペーサ160と、リップ締結用の複数の組立ボルト42と、で構成されている。第1リップ31と第2リップ41は、それぞれの内面34と内面44が対向する状態で配置され、その間に、4種のスペーサを挟み込んで、複数の組立ボルト42で締結固定することで、ノズル30として一体化されている。
また第1リップ31の内面34には、供給される塗布液を塗布幅方向に拡幅するためのマニホールド32が、塗布幅方向に延在して形成されている。そして、マニホールド32の塗布幅方向の中央には、塗布液が外部から供給される流入流路33が第1リップ31の外部にある塗布液供給口(図示されていない)と連通するように設けられている。すなわち、塗布液供給口から流入流路33を介して内部に流入する塗布液が、マニホールド32に供給される。なお塗布液が供給される塗布液供給口は、流入流路33が上流側にある第1リップ31の外側面で開口したものとなる。ここで、流入流路33は、塗布液供給口から供給される塗布液をマニホールド32の塗布幅方向に一様に拡幅するために、マニホールド32の塗布幅方向の中央部に設けることが好ましいが、中央部以外に設けてもよい。
次に、ノズル30の内部に含まれる4種のスペーサはいずれも薄板であり、厚さ方向であるY方向に、第1スペーサ140、流出スペーサ120、塗布先端子スペーサ100、第2スペーサ160の順に重ねられて構成されている。これら4種のスペーサが重ねられることで、図3に示すように、マニホールド32に連通する流出流路(第1流出流路121および第2流出流路122)、さらには吐出口130が形成される。またこれら4種のスペーサで、ノズルの下流側外側に突き出る突出部を形成する。なお、図2では外部から供給される流入流路33が第1リップ31にあってマニホールド32が第1スペーサ140側にあり、流出スペーサ120、塗布先端子スペーサ100の順となっているが、流出スペーサ120と塗布先端子スペーサ100の順は逆でもよい。その場合は、塗布先端子スペーサ100にはマニホールド32に対応する位置に開口部が設けられる。
吐出口130は、流出流路の下流側の端部が開口しており、部材によって画定され、吐出口130からは塗布液が外部に吐出される。流出スペーサ120の隣に配置される塗布先端子スペーサ100には、流出流路の途中から吐出口まで塗布先端子101が備えられている。塗布先端子101の詳細については、後述する。
この突出部で、吐出口130のある吐出口先端面131は、4種のスペーサで共有する。また、外側斜面126A、126Bは流出スペーサ120、第1スペーサ140、第2スペーサ160で共有し、両端案内面106A、106Bは塗布先端子スペーサ100のみで形成する。なお、ここでいう吐出口先端面131とは、図3(a)および(b)の破線で位置が示されているように、重ねられた塗布先端子スペーサ100、流出スペーサ120、第1スペーサ140、第2スペーサ160それぞれの流出流路最下流側端部によって形成される、吐出口130を含む面であり、塗布幅方向においてはエッジ125A、125Bの間の領域である。
図2に示すように、第1スペーサ140の外周部または外形となる外形輪郭142と第2スペーサ160の外周部または外形となる外形輪郭162は、重ね方向であるY方向に見て同一であることが好ましい。これにより、第1スペーサ140と第2スペーサ160は、Y方向に重ねた状態で外形輪郭142と外形輪郭162を同時加工によって形成することができる。
また、第1リップ31、第1スペーサ140、流出スペーサ120、塗布先端子スペーサ100、第2スペーサ160、第2リップ41には、同じ位置で貫通している組立ボルト42の挿入用穴45が複数個設けられているが、この挿入用穴45も、第1リップ31、4種のスペーサ、第2リップ41をY方向に重ねた状態で同時加工によって形成することが好ましい。なお第1スペーサ140と第2スペーサ160の相違は、第1スペーサ140の内部に第1リップ31のマニホールド32からの塗布液が通過する開口部144が設けられていることだけである。また、Y方向に見て、開口部144とマニホールド32は、形状が略一致していることが好ましい。さらに流出スペーサ120にも開口部124が設けられており、Y方向に見て第1スペーサ140の開口部144と重なる形状であることが好ましい。
続いて、第1スペーサ140と第2スペーサ160の間に位置する流出スペーサ120と塗布先端子スペーサ100については、図3に加えて図4と図6を用いて詳細に説明する。
図4は、ノズル30の塗布先端子スペーサ100、流出スペーサ120での基材への塗布状況を詳細に示す部分拡大正面断面図、図6は流出スペーサ120のみ使用して基材への塗布状況を詳細に示す拡大正面断面図であり、塗布先端子スペーサ100、流出スペーサ120をY方向に、第2リップ41側から見たもので表している。図中、パターン模様をつけている部分は塗布液74を示しており、薄く塗りつぶした箇所は塗布先端子スペーサ100越しに見える塗布液を示している。
塗布先端子スペーサ100にある塗布先端子101とは、流出流路の途中から吐出口まで塗布液に接触可能に配置され、その先端にある塗布先端子の先端部104の吐出口付近における先端形状が、塗布幅方向に第2流出流路122や吐出口130よりも狭くなっている。また、塗布先端子101の配置位置は、第2流出流路122および吐出口の塗布方向に隣接している。塗布先端子101は、図4に示す、第2流出流路122の現状とは逆側に隣接して配置してもよい。塗布液は塗布先端子の先端部104により塗布方向に導かれ、塗布幅方向への拡がりが抑制される作用が同じだからである。さらに、塗布先端子は、吐出口を画定する部材と塗布先端子を一体としてもよいし、塗布先端子を別体としてもよい。また、塗布先端子の先端部の幅は、一定の幅でも、様々な幅の組み合わせでもよい。
本発明の1つの実施態様としては、前記流出流路の途中から該吐出口まで塗布液に接触可能に配置され、両端部を切り欠き流出流路に隣接する斜面と、両端部から延びる斜面の間に先端部とを有する部材を挙げることができるが、これに限られるものではない。以下、斜面と先端部を有する塗布先端子について図3を用いて説明する。
図3(b)には、塗布先端子101の拡大正面断面図が示されている。図3(b)において、第2流出流路122の下流側の端部には、吐出口130が、第1スペーサ140の一部(図示せず)と流出スペーサ120の一部と塗布先端子スペーサ100の一部とで構成されている。図3(b)において、塗布先端子101は、塗布先端子の先端部104と両端案内面106Aおよび106Bを有する。
図3(b)に正面断面図の拡大図を示す。両端案内面106Aおよび106Bは、第2流出流路122や吐出口130の両端から中央に向けて斜面となっており、第2流出流路122や吐出口130に隣接して塗布幅方向のほぼ中央に塗布先端子の先端部104が存在する。塗布先端子の先端部104は、塗布幅方向に第2流出流路122および吐出口130の幅(図3(b)の点線間の長さ)よりも小さく、塗布先端子の先端部104の幅は狭い。すなわち、塗布先端子の先端部104は、塗布幅方向には第2の流出流路122内の塗布液よりも内側に在る。流出流路122内の塗布液とは、ノズルの下流側外側に突き出る突出部内に存在する流出流路で吐出口近傍の塗布液である。また、内側とは両端を含まない。この塗布先端子101の正面からみた形状は先端部にわずかに直線部分があるが全体としてみると略三角形である。なお、図3(b)では塗布先端子の先端部104の高さは吐出口と同一高さであるが、吐出口130よりも上下にわずかに突出していてもよい。
塗布先端子スペーサ100の向こう側の流出スペーサ120の内部には、開口部124に加えて、それに連通して6個ある第1流出流路121と第2流出流路122が、X方向にピッチPで2個示されている。ノズル30の塗布液供給口に供給された塗布液は、第1リップ31の流入流路33、マニホールド32、第1スペーサ140の開口部144、流出スペーサ120の開口部124を経て、第1流出流路121の一部に流れ込み、そこから第2流出流路122と流れ、第2流出流路122が下流側端部で開口して形成される吐出口130からノズル30外部に向かって吐出される。なお吐出口130は、第2流出流路142の下流側端部で開口して塗布液が外部に吐出される部分となる。
さらに吐出口130の塗布幅方向両端には、エッジ125A、125Bとそれにつながる外側斜面126A、126Bが形成されている。したがって流出スペーサ120だけの場合は、図6に示すように、吐出口130から吐出される塗布液74は、吐出口130を含む吐出口先端面131に沿って塗布幅方向に広がり、エッジ125A、125Bを超えて外側斜面126A、126Bに達してから落下し、ビードを形成して基板Aに塗布され塗布幅WAのストライプ膜になる。つまり、塗布幅WAは、吐出口130の幅方向WDよりも大きく拡がってしまう。
一方、塗布先端子スペーサ100が流出スペーサ120と接し、塗布先端子が流出流路の途中から吐出口まで塗布方向であるY方向に隣接している場合の塗布液の流れ状況を説明する。第1流出流路121と第2流出流路122は、マニホールド32に連通して塗布液が下流に向かって流れる流出流路となる。図4に示すように、実際には塗布先端子の先端104が吐出口130の近傍にあるので、ノズル30に供給された塗布液の一部は、第2流出流路122の吐出口130近くから、すなわち流出流路となる第2流出流路122の途中から吐出口130まで、塗布先端子スペーサ100の下部で突き出ている塗布先端子101の先端にある塗布先端子の先端部104の方に向かって接触する。ここで、塗布先端子の先端部104は、吐出口130に近づくほど、塗布先端子101と塗布液との接触可能な面積は小さくなり、塗布幅方向において流出流路内の塗布液よりも内側に入る。それによって塗布先端子の先端部104へと塗布液を導いている。
図4に示す通り、第2流出流路122内で塗布先端子の先端部104に接触した塗布液は、塗布先端子の先端部104の形状に案内されて、幅WDの内側で両端案内面106A、106B上にある点を起点としてビードを形成して、塗布幅WBの細幅化されたストライプ膜が形成される。
以上の塗布先端子スペーサ100の塗布先端子101による塗布膜の細幅化処理を確実に行なわれるようにするために、塗布先端子の先端部104は、流出流路である第2流出流路や吐出口130の塗布幅方向の幅WDよりも小さいことが好ましい。これによって、第2流出流路122内で塗布先端子の先端部104に接触した塗布液が活動するスペースができるので、塗布液が塗布先端子の先端部104の形状に案内され易くなる。それによって幅WD内で両端案内面106A、106B上にある場所を起点としてビードを形成して、塗布幅WBの従来よりも細幅化されたストライプ膜を基板Aに形成できるようになる。図6に示した流出スペーサ120だけの場合には、塗布幅WAは通常は吐出口130の幅WDよりもかなり大きくなるので、本発明のノズルは従来のノズルよりも大きく細幅化できることになる。
なおストライプ膜の厚さについては、吐出される全量が基板Aに塗布されるので、吐出口からの単位時間当たりの吐出量を幅WBと移動速度Vで除算すれば、厚さが算出される。
次に本発明に係る別の実施態様例であるノズル200について、図5を用いて説明する。ここで図5はノズル200に使用される流出スペーサ120と塗布先端子スペーサ210での基材への塗布状況を詳細に示す部分拡大正面断面図であり、塗布先端子スペーサ210、流出スペーサ120をY方向に、第2リップ41側から見たもので表している。図中、パターン模様をつけている部分は塗布液74を示しており、薄く塗りつぶした箇所は塗布先端子スペーサ210越しに見える塗布液を示している。
図5と図4の比較から、ノズル200は塗布先端子スペーサ210の塗布先端子211や塗布先端子の先端部214の形状が以下の点でノズル30の塗布先端子101や塗布先端子の先端部104と異なっている他は全く同じである。
(1)両端案内面216Bが斜面でなく、第2流出流路122の両端流出面127Bと平行な垂直面となっている。
(2)塗布先端子の先端部214の先端となる吐出口130と同一面上にある直線部の塗布幅方向の幅WEが、塗布先端子の先端部104の対応部分の幅WCよりも大きいが、幅WDよりは小さい。
このようにノズル200は、以上の相違点や見た目上の形状の相違があるものの、塗布先端子の先端部214の塗布幅方向の幅が、第2流出流路122や吐出口130の塗布幅方向の幅WDよりは小さいという本質的な点で、ノズル30と相違はない。
したがって以上の変更によっても、流出流路となる第2流出流路122の途中から吐出口130まで塗布先端子の先端部214に接触した塗布液は、塗布先端子の先端部214の形状に案内されて、幅WD内で両端案内面216A、216B上にある場所を起点としてビードを形成して、塗布幅WBの従来ノズルよりも細幅化されたストライプ膜が形成される。つまり、塗布先端子の先端が、塗布幅方向には流出流路内の塗布液よりも内側にあればよく、両端案内面や先端部の形状は特に限定されない。
次に、ノズル30と塗布装置1を用いた塗布液74の基板Aへのストライプ膜の塗布方法について図1を用いて説明する。
まず準備作業として、図1のタンク72~ノズル30までを塗布液74で充満して残留空気を排出する作業は既に終了しているものとする。そして塗布液供給装置50の状態は、シリンジ62に塗布液74が充填、吸引バルブ54は閉、供給バルブ52は開、そしてピストン64は最下端の位置にあり、いつでも塗布液74をノズル30に供給できるようになっている。また吸着盤14、ノズル30もそれぞれ初期位置で待機している。すなわち吸着盤14はX方向には原点位置、X-Y平面内の回転方向(ψ方向)には基板Aの短手側両端部がX方向と平行になるように配置されている。ノズル30はY方向には原点位置、Z方向には一番高い位置にある原点位置に配置されている。
続いて、塗布装置1の動作開始信号が操作盤82から制御装置80に伝えられると、吸着盤14の表面に図示しないリフトピンが上昇し、図示しない移載装置から基板Aがリフトピン上部に載置される。そしてリフトピンを下降させて基板Aを吸着盤14上に載置し、同時に吸着保持する。次いで高さセンサー24によって基板Aの高さを検知するとともに、CCDカメラ22で2ヶ所設けられているアライメントマークを検知して、アライメントマークで定められる塗布方向とY方向が一致するように吸着盤14を回転させる。次いで予め定めた基板Aの塗布開始位置直上にノズル30の吐出口130が位置するように、X-ψ駆動装置16を駆動して吸着盤14をX方向に移動させるとともに、Y軸リニア装置20を駆動してノズル30をY方向に移動させる。ノズル30が基板A上の塗布開始位置直上に来たら停止させるとともに、測定した基板Aの高さに応じて、基板Aとノズル30の吐出口先端面131との間のすきまが所定のクリアランスCの値になるように、Z軸リニア駆動装置12を駆動してノズル30をZ方向に下降停止させる。
基板Aとノズル30の間のすきまがクリアランスCで静止している状態で、塗布液供給装置50のシリンジポンプ60を駆動して一定供給速度で塗布液74を供給し、ノズル30から基板A上に塗布液を吐出する。この吐出開始を基点に一定時間ts後に、Y軸リニア駆動装置20を駆動してノズル30の一定速度での移動を開始して塗布を開始する。この時のノズル30の移動の一定速度は塗布速度より与えられ、シリンジポンプ60の一定供給速度は、塗布するウェット膜厚と塗布速度より与えられる。以上の動作によって、ノズル30と基板Aの間にビードBDが形成され、基板A上に幅WBのストライプ状の塗布膜が形成される。なお一定時間tsは好ましくは0~1秒、より好ましくは0~0.5秒とする。
基板Aの塗布終了位置がノズル30の吐出口130の下方にきたら、シリンジポンプ60による一定供給速度での塗布液74の供給を停止し、つづいてZ軸リニア駆動装置12を駆動して、ノズル30を上昇させる。これによって基板Aとノズル30間に形成されたビードBDが断ち切られ、ストライプ状の塗布が終了する。ノズル30は上昇により原点位置(初期位置)に復帰する。塗布終了後もY軸リニア駆動装置20は動きつづけ、終点位置にきたらノズル30は一旦停止する。続いて初期位置である原点位置に向かって逆方向にY軸リニア駆動装置20を駆動してノズル30を移動開始するとともに、X-ψ駆動装置16を駆動して吸着盤14も初期位置に向かってX方向に移動開始させる。
そしてノズル30がY方向の原点位置、吸着盤14がX方向の初期位置である原点位置に達して静止したら、吸着盤14の基板Aの吸着を解除し、リフトピンを上昇させて基板Aを持ち上げる。この時図示されない移載装置によって基板Aの下面が保持され、次の工程に基板Aを搬送する。そして供給バルブ52を閉、吸引バルブ54は開としてから、シリンジポンプ60を逆方向に駆動して一定速度でタンク72の塗布液74をシリンジ62に充填開始する。充填完了後、シリンジポンプ60を停止させ、吸引バルブ54を閉として、次の基板Aが来るのを待ち、同じ動作をくりかえす。
以上の塗布方法で、塗布終了時に塗布液74がシリンジ62内に十分残っているなら、塗布液74の充填は省略してもよい。またノズル30で塗布できる範囲が、基板AのX方向寸法より小さく、ノズル30の塗布位置を変えて所定回数塗布する場合は、1回の塗布終了ごとに、X-ψ駆動装置16を駆動して基板AをX方向に所定量移動させた後、1回目の塗布と同じ塗布動作を繰り返す。
また以上の塗布方法を実行することにより、本発明のノズル30を、所望する定められた場所で基材である基板Aに近接させ、塗布液供給装置50からノズル30に塗布液を供給してノズル30の吐出口130から塗布液を吐出するとともに、基板Aのノズル30に対する相対移動を行って、塗布液に塗布先端子101を接触させながら基板A上にストライプ塗布膜を形成することを実現する。
以下実施例により本発明の具体的態様の例を説明する。
図1~4に示すノズル30および塗布装置1を用いて、ディスプレイ用途の波長変換フィルターを作成する。
まず265×300mmで厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板に、厚さ20μm、幅50μm、基板長手方向(X方向)の長さ250mmのポリイミド膜がバンクとして基板短手方向(X方向)にピッチ300μmで751本配置されている波長変換フィルターのパターン基板を用意した。なおポリイミド膜は基板中央にあり、基板長手方向の両側25mm、基板短手方向の両側20mmがストライプ状のポリイミド膜のない非製品領域であった。
次にバンク間にR、Gの発光材をストライプ状に塗布すべく、RとGの発光材を準備した。R発光材は固形分濃度50%で粘度が100mPas、G発光材は固形分濃度50%で粘度が240mPas、であった。図1に示すストライプ塗布装置1でストライプ状の塗布を行うべく、専用のノズル30を準備した。
このノズル30における流出スペーサ120(厚さ0.5mm)と塗布先端子スペーサ(厚さ0.5mm)は、図2、3、4に示すものであり、各部形状は次の通りである。第1流出流路121の幅WF=0.5mm、長さLA=10mm、第2流出流路122の幅WD=0.22mm、長さLB=1.9mm、塗布先端子スペーサ100における塗布先端子の先端部104の先端部にある直線部分の塗布幅方向の幅WC=0.1mm、両端面106A、106Bが吐出口130がある同一面となす角度αA、αB=45度、ピッチP=0.9mm、である。以上によって、幅WD=0.22mmで塗布方向長さ0.5mmの矩形状の吐出口130と、塗布先端子スペーサ100の塗布先端子の先端部104が、ピッチP=0.9mmで250個配置されている。
このノズル30を塗布装置1にとりつけ、上記のR発光材をタンク72~ノズル30まで充填した。上記のポリイミド膜がバンクとしてストライプ状に形成された基板を吸着盤14に吸着後、基板上のアライメントマークをCCDカメラ22で検知して、ノズル30を基板の塗布開始位置の直上に配置した。
なお塗布開始位置は、塗布幅方向であるX方向には、原点に一番近いバンク間の溝が、ノズル30の一番原点に近い吐出口と一致する位置、塗布方向であるY方向には、基板端部から20mmの位置であり、ポリイミド膜のバンクの5mm手前であった。また塗布方向(Y方向)と、ポリイミド膜がストライプとなって伸びる方向とが平行となるように、基板AのX-Y平面内の回転角度ψをX-ψ駆動装置16により調整をした。高さセンサー24で測定した基板高さに基づいて、吐出口先端面131と基板A間のすきまであるクリアランスCが50μmとなるように、ノズル30を下降させた。
そして供給バルブ52が開、吸引バルブ54が閉であることを確認してから、供給速度65μl/sでシリンジポンプ60を駆動してノズル30よりR発光材を吐出開始するともに、この吐出開始より0.2秒後にY軸リニア駆動装置を駆動開始して、ノズル30をY方向に50mm/sで移動開始した。そして基板長手方向の塗布開始位置から255mmの位置でシリンジポンプ60を停止させるとともに、Z軸リニア駆動装置を駆動して、塗布開始位置から260mmの位置でノズル30を上昇させた。これらの動作によって基板端部から20mmの塗布開始位置から90μm幅でWet厚さ20μmの260mm長のストライプ状塗布膜が250本形成され、ポリイミド膜のバンク間にもR発光材が充填された。この時、バンク上に乗り上げるR発光材はなく、R発光材が充填されていない部分もなかった。
以上のR発光材の塗布が完了した基板を取り出し、ホットプレートで120℃、10分の乾燥を行った。乾燥後に膜厚を測定したところ、塗布開始から5mmで10μmとなっており、塗布開始と終了部から5mmずつ除いた250mmの範囲、すなわちポリイミド膜のバンクが形成されている範囲で、膜厚むらは±5%以下となって非常に良好であった。
引き続いてG発光材についても同様のストライプ状塗布を行った。G発光材についてはR発光材のすぐ隣のバンク間に塗布できるように位置決めをし、すべてR発光材と同じ条件にて塗布と乾燥を行った。以上の塗布と乾燥を行った結果、G発光材についても、基板端部から20mmの位置から、厚さ10μm、260μm幅で260mm長のストライプ状塗布膜が250本形成され、G発光材用のポリイミド膜のバンク間がG発光材で規則正しく充填され、塗布欠陥もなかった。なお、G発光材の膜厚むらは、塗布両端から5mmを除外した250mm長の製品領域で、±5%以下で、非常に良好であった。
本発明は、有機EL、プラズマディスプレイ、カラーフィルター、波長変換フィルター等の基板上の面に、ストライプ状の塗布膜を形成する各種ディスプレイ用部材の製造に利用可能である。
1 塗布装置
10 XYZステージ
12 Z軸リニア駆動装置
14 吸着盤
16 X-ψ駆動装置
18 ブラケット
20 Y軸リニア駆動装置
22 CCDカメラ
24 高さセンサー
26 ベース
28 門型ベース
30 ノズル
31 第1リップ
32 マニホールド
33 流入流路
34 内面
41 第2リップ
42 組立ボルト
44 内面
45 挿入用孔
50 塗布液供給装置
52 供給バルブ
54 吸引バルブ
56 フィルター
60 シリンジポンプ
62 シリンジ
64 ピストン
66 本体
68 供給ホース
70 吸引ホース
72 タンク
74 塗布液
76 圧空源
80 制御装置
82 操作盤
100 塗布先端子スペーサ
101 塗布先端子
104 塗布先端子の先端部
106A、106B 両端案内面
112 外形輪郭
120 流出スペーサ
121 第1流出流路
122 第2流出流路
124 開口部
125A、125B エッジ
126A、126B 外側斜面
127A、127B 両端流出面
130 吐出口
131 吐出口先端面
132 外形輪郭
140 第1スペーサ
142 外形輪郭
144 開口部
160 第2スペーサ
162 外形輪郭
200 ノズル
210 塗布先端子スペーサ
211 塗布先端子
214 塗布先端子の先端面
216A、216B 両端案内面
A 基板
BD ビード
C クリアランス
LA、LB 流出流路の長さ
P ピッチ
WA、WB、WC、WD、WE、WF 塗布幅方向の幅
αA、αB 吐出口先端面と両端案内面がなす角度

Claims (4)

  1. 塗布液が供給される塗布液供給口と、塗布液供給口から内部に流入する塗布液を塗布幅方向に拡幅するマニホールドと、該マニホールドに連通して塗布液が下流に向かって流れる流出流路と、該流出流路の下流側の端部で開口して塗布液が外部に吐出される吐出口と、を有するノズルであって、さらに前記流出流路の途中から吐出口まで塗布方向に隣接する塗布先端子を備えるとともに、該塗布先端子の先端は塗布幅方向には前記流出流路内の塗布液よりも内側にあることを特徴とするノズル。
  2. 請求項1に記載のノズルと、該ノズルに定量の塗布液を供給する塗布液供給装置と、基材を保持する基材載置台と、前記ノズルおよび前記基材載置台のうちの少なくとも一方を相対的に移動させる移動装置と、前記ノズルの吐出口および塗布先端子を基材に近接させ、前記基材上の任意の場所に位置合わせする装置とを備えることを特徴とする塗布装置。
  3. 請求項1に記載のノズルを用い、所望する場所で基材に近接させ、前記ノズルに塗布液を供給して前記ノズルの吐出口から塗布液を吐出するとともに、前記基材の前記ノズルに対する相対移動を行って、塗布液に前記塗布先端子を接触させながら、前記基材上に塗布膜を形成することを特徴とする塗布方法。
  4. 請求項3に記載の塗布方法を用いて、ディスプレイ用部材を製造することを特徴とするディスプレイ用部材の製造方法。
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