JP2013192983A - 塗布方法および塗布装置並びにディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】間欠型定容量ポンプを備えた塗布液供給システムでノズルに塗布液を供給してストライプ状や面状の塗布膜を形成する時に、低粘度の塗布液を使用したり、Wet膜厚が10μm以下であっても、塗布開始から終了まで均一な厚さの塗布膜を形成できる塗布方法ならびに塗布装置を実現させるとともに、低コストで高品質のディスプレイ用部材を製造できるディスプレイ用部材の製造方法を提供する。
【解決手段】間欠型定容量ポンプ60の上流側54と下流側52の開閉バルブを閉としてから、一定容量の塗布液を間欠型定容量ポンプから供給して一旦間欠型定容量ポンプを停止させ、間欠型定容量ポンプと下流側の開閉バルブ間の配管内に一定圧力を付与してから、間欠型定容量ポンプの始動開始と下流側バルブの開を略同時に行うことで、塗布液を塗布器に供給し、塗布器から被塗布部材上に塗布液を吐出して塗布膜を形成する塗布方法。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば有機ELやカラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタ等のディスプレイ用部材を製造する分野に主として使用されるものであり、詳しくはガラス基板などの被塗布部材表面にストライプ状や面状に薄膜を安定して高精度に形成できる塗布方法および塗布装置並びにディスプレイ用部材の製造方法の改良に関する。
従来から知られているように、有機EL、カラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタ等には、等ピッチに配置されたポリイミドやブラックマトリックス等の隔壁またはバンク間に塗布液を充填し、直線ストライプ状に塗布膜を形成する工程がある。このようなストライプ状の塗布膜をガラス基板等の被塗布部材上に塗布で形成する手段としては、スクリーン印刷やノズル法がよく知られているが、スクリーン等の副資材が不要で、必要な量だけ高価な塗布液を供給して塗布膜を形成できるノズル法の方が、コスト的に優れており、最近特に注目を集めている。
ノズル法にも、ストライプの配置ピッチにあわせて設けられた多数の吐出口を有するノズルから、塗布液を間欠的に噴射するインクジェットノズル法や、塗布液を連続して吐出する連続吐出ノズル法がある。インクジェットノズル法は、個々の吐出口での塗布液吐出を制御できるので、いかなるパターン形状にも対応できフレキシビリティが高いが、均一性、吐出安定性に課題がある。一方連続吐出ノズル法は、すべての吐出口から同時に塗布液を吐出するのでストライプ状にしか塗布できないが、逆に均一性、吐出安定性に優れているので、製造に広く利用されている。連続吐出ノズル法で薄膜塗布に適するのが、ノズル〜ガラス基板間のクリアランスを比較的小さくしてノズル吐出口とガラス基板間に液溜まりであるビードを形成し、ビード幅に相当する幅のストライプ状塗布膜を形成するビード法(例えば特許文献1)である。
ビード法で使用するノズルは、ノズル吐出口とガラス基板間にストライプ幅のビードを形成しやすいように、ノズル吐出口を含むその周辺部であるノズル吐出口面あるいは吐出口部が、他の部分よりも塗布液吐出方向に突出して、先端部がおおよそストライプ状塗布膜の幅となる突出部または突起部を形成している。すなわち、ストライプ状塗布膜を形成するノズルは、広幅の面状の薄膜を形成するスリットノズルを、その幅をストライプ幅まで極小化したノズルだといえる。実際の塗布を行うために、このようなノズルに塗布液を供給するシステムとしては、シリンジポンプ等の間欠型定容量ポンプからテフロン(登録商標)等の樹脂配管を介して定容量の塗布液をノズルに供給するものが一般的である。間欠型定容量ポンプは一定量の塗布液を貯蔵して、それを供給するものである。そのために間欠型定容量ポンプの上流側は樹脂配管を介して塗布液の貯蔵タンクに連結している。間欠型定容量ポンプへの塗布液充填と、間欠型定容量ポンプからの塗布液の排出(供給)を行えるように、間欠型定容量ポンプの上流側と下流側にそれぞれ開閉バルブが備えられる。すなわち間欠型定容量ポンプに塗布液を充填する時は、上流側開閉バルブを開、下流側開閉バルブ閉とし、間欠型定容量ポンプに塗布液が供給されるようにする。一方、間欠型定容量ポンプから塗布液を排出して、ノズルに塗布液を供給する時は、上流側開閉バルブを閉、下流側開閉バルブ開とし、間欠型定容量ポンプ内の塗布液が下流側に流出するようにする。(例えば特許文献2)
間欠型定容量ポンプを用いた塗布液供給システムを使って、ガラス基板とのすきま、すなわちクリアランスが50μm以下となるようにガラス基板に近接しているノズルに、50mPas以下の低粘度の塗布液をWet膜厚10μm以下となるように供給すると、塗布方向の膜厚分布が均一にならないことがたびたびある。よく見られるのは、膜厚が塗布開始部で薄く、次第に狙い膜厚まで漸増するパターンで、はなはだしい場合には、塗布終了時でも狙い膜厚に達しないこともある。このような塗布時に、ノズルの圧力を測定してみると、間欠型低容量ポンプからノズルに塗布液を供給開始しても、すぐには圧力が上がらず、塗布終了部まで圧力が漸増し、しかも塗布膜厚に相当する圧力まで上昇していないことが確認できた。このような結果となったのは、薄膜であるために塗布液の供給量が非常に小さく、間欠型定容量ポンプ〜ノズル間にある樹脂配管の膨張に供給塗布液が消費されたことが原因と考えられる。
この問題を解決するのに有効な手段として、下流側開閉バルブを閉じた状態で先に間欠型定容量ポンプを始動開始し、ポンプの駆動モータを所定量回転させて予め吐出圧を加えておいてから下流側開閉バルブを開とする方法が提案されている(例えば特許文献3)。
特許文献3に示される手段は、本文献に記載されているように、塗布液の粘度が高かったり、膜厚が比較的厚くて、塗布液吐出の応答性が遅れて開始部での膜厚が薄くなる場合には有効である。しかし、低粘度の塗布液や、特にWet膜厚10μm以下の薄膜塗布の場合には、微細な調整ができないので、改善手段とはなりえていない。
特開2007−187948号公報 特開2011−177707号公報 特許4447331号公報
この発明は、間欠型定容量ポンプとその上下流側に開閉バルブとを備えた塗布液供給システムを用いて、ノズルに塗布液を供給し、ビード法によりストライプ状や面状に塗布膜を形成する時に、塗布方向に均一な膜厚がえられないという問題点を解決するためになされたものである。とりわけ低粘度の塗布液を使用する時や、Wet膜厚が10μm以下の薄膜である時に有用であることを意図し、その目的とするところは、間欠型定容量ポンプを備えた塗布液供給システムでノズルに塗布液を供給してストライプ状や面状の塗布膜を形成する時に、塗布液が低粘度やWet膜厚が10μm以下であっても、塗布開始から終了まで均一な厚さの塗布膜を形成できる塗布方法ならびに塗布装置を実現させるとともに、低コストで高品質のディスプレイ用部材を製造できるディスプレイ用部材の製造方法を提供することにある。
上記本発明の目的は、以下に述べる手段によって達成される。
本発明になる塗布方法は、上流側と下流側にそれぞれ開閉バルブを備える間欠型定容量ポンプから、下流側に配置された配管と開閉バルブを介して、塗布液を塗布器に供給し、該塗布器の吐出口から塗布液を吐出しつつ、塗布器に近接させた枚葉状の被塗布部材の前記塗布器に対する相対移動を行って、被塗布部材上に塗布膜を形成する塗布方法であって、
前記上流側と下流側の開閉バルブを閉としてから、まず一定容量の塗布液を前記間欠型定容量ポンプから供給して一旦間欠型定容量ポンプを停止させ、間欠型定容量ポンプと下流側の開閉バルブ間の配管内に一定圧力を付与してから、間欠型定容量ポンプの始動開始と下流側バルブの開を略同時に行って、塗布液を塗布器に供給し、塗布器から被塗布部材上に塗布液を吐出して塗布膜を形成することを特徴とする。
本発明になる塗布装置は、塗布液を吐出するために一方向に延在する吐出口を有する塗布器と、塗布器の上流側にあって塗布器に塗布液を供給する間欠型定容量ポンプと、間欠型定容量ポンプの上流側と下流側のそれぞれに配置される開閉バルブと樹脂製配管と、被塗布部材を保持する載置台と、塗布器および載置台のうちの少なくとも一方を相対的に移動させる移動手段とを備えて、被塗布部材に塗布膜を形成する塗布装置であって、前記下流側の開閉バルブを塗布器に近接して配置するとともに、前記下流側開閉バルブは、開閉切替時の容量変化量が1μl以下のものであることを特徴とする。
本発明になるディスプレイ用部材の製造方法は、上記の塗布方法を用いて、ディスプレイ用部材を製造することを特徴とする。
本発明になる塗布方法および塗布装置を用いれば、間欠型定容量ポンプの上流側と下流側の開閉バルブを閉とした状態で、一定容量の塗布液を間欠型定容量ポンプから供給し、ノズルに近接して配置した下流側開閉バルブと間欠型定容量ポンプ間に発生する圧力を塗布時以上の圧力に上昇させてから、間欠型定容量ポンプの始動開始と下流側バルブの開を略同時に行って、塗布液をノズルに供給することができるのであるから、塗布開始時より塗布液量が不足することなく狙い膜厚で、かつ均一に塗布方向にストライプ状や面状に塗布膜を形成することが可能となる。また上流側と下流側の開閉バルブを閉とした状態で間欠型定容量ポンプから供給する塗布液量を微細に制御できるので、塗布開始前に下流側開閉バルブと間欠型定容量ポンプ間に発生する圧力も微細に調整することが可能となり、とりわけ塗布液が低粘度の時や、Wet膜厚が10μm以下の薄膜である時にも、塗布開始部の膜厚を微細に調整して、狙い膜厚にて塗布方向に均一に塗布することが可能となる。
本発明になるディスプレイ用部材の製造方法によれば、上記の優れた塗布方法を用いてディスプレイ用部材を製造するのであるから、均一な膜厚を有する高品質のディスプレイ用部材を、低コストで製造できる。
本発明にかかるストライプ塗布装置1の一実施態様を示す斜視図である。 ノズル30による基板への塗布状況を示す拡大正面断面図である。 本発明にかかる塗布方法での主要な動作部の動作状況を示す時間線図である。 本発明の塗布方法により塗布をした結果を模式的に示す膜厚分布図である。 本発明に関わるバルブの一例を示す概略断面図である。 本発明に関わる好ましいバルブの一例を示す概略断面図である。
本発明にかかる塗布方法および塗布装置を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明にかかるストライプ塗布装置の一実施態様を示す斜視図、図2はノズル30による基板への塗布状況を示す拡大正面断面図、図3は本発明にかかる塗布方法での主要な動作部の動作状況を示す時間線図、図4は本発明の塗布方法により塗布をした結果を模式的に示す膜厚分布図、図5は本発明に関わるバルブの一例を示す概略断面図、図6は本発明に関わる好ましいバルブの一例を示す概略断面図である。
図1を参照すると、塗布液をストライプ状に塗布可能なストライプ塗布装置1が示されている。
このストライプ塗布装置1は、被塗布部材である基板Aに塗布液を塗布するノズル30と、ノズル30と基板Aが取りつけられてこれらを自在に移動させるXYZステージ10と、ノズル30に塗布液を供給する塗布液供給手段である塗布液供給装置50と、XYZステージ10と塗布液供給装置50の動作を統括的に制御する制御装置80と、より構成されている。
XYZステージ10の吸着盤14には基板Aが載置され、Z軸リニア駆動装置12にはノズル30が固定保持されている。吸着盤14の上面には図示されていない吸着孔が多数配置されており、図示されていない真空源からの真空圧によって基板Aを吸着保持することができる。この吸着盤14はその中央部で図示しない回転軸を介してX−θ駆動装置16に取り付けられている。X−θ駆動装置16は、ベース26上に固定されており、吸着盤14のX−Y平面内での回転とX方向(基板A短手方向)の往復動を自在に行なうことができる。なおX、Y、Zの方向については、図1に示される通りで、XYZステージ10の左下隅にX、Y、Z各軸の原点Oが設けられているとともに、原点Oでの矢印の方向が正方向である。またX−Y平面内での回転方向がθ方向となっている。
ノズル30を保持するZ軸リニア駆動装置12は、ノズル30をZ方向すなわち上下方向に自在に昇降することができるもので、ブラケット18に固定されている。ブラケット18はさらにY軸リニア駆動装置20に保持されている。Y軸リニア駆動装置20は、ベース26上の一端に配置されている門型ベース28上に固定されており、ブラケット18をY方向に自在に往復動させることができる。その結果ブラケット18に固定されているノズル30をY方向にも自在に往復動させることができる。さらに吸着盤14の上方のブラケット18に対応する位置には、CCDカメラ22と高さセンサー24も装着されている。CCDカメラ22は制御装置80に電気的に連結されており、基板Aのアライメントマークの位置を検知して、それを制御装置80に伝え、制御装置80がX−θ駆動装置16やY軸リニア駆動装置20を駆動することによって、ノズル30に対する基板Aの位置合わせやθ方向の相対回転角度設定を行うことができる。一方高さセンサー24は、基板Aの上面の位置を検知、すなわち基板Aの厚さを検知し、それを電気的に接続されている制御装置80に伝える。その信号に基づいて制御装置80がZ軸リニア駆動装置12等を駆動することによって、ノズル30の最下面と基板A上面とのすきま、すなわちクリアランスを所定値に設定することができる。
再びノズル30を見ると、塗布液供給装置50に連なる供給ホース68とノズル30が常時接続されており、これによりノズル30へは塗布液供給装置50から塗布液を供給することができる。ノズル30へ供給された塗布液は、ノズル30の内部通路を経て基板Aに向かってノズル30より吐出される。
なお、塗布液供給装置50は、供給ホース68の上流側に、供給バルブ52、シリンジポンプ60、吸引ホース70、吸引バルブ54、フィルター56、タンク72を備えている。ここで供給ホース68はノズル30〜シリンジポンプ60まで連なり、吸引ホース70はシリンジポンプ60〜タンク72まで連なっている。シリンジポンプ60の下流側となる供給バルブ52は、通常は樹脂製の供給ホース68の弾性変形による流動の影響を受けないように、好ましくはノズル30に近接して設け、より好ましくはノズル30に直接接続するか、金属配管を介してノズル30に接続する。さらにバルブ開閉による容量変化の影響を極力排除するために、開閉による容量変化が好ましくは1μl以下となるバルブを用いることが好ましい。供給ホース68を樹脂製としているのは、ノズル30が移動するのにあわせて追従できるためであり、耐薬品性等も考慮して、テフロン(登録商標)等を使用するのが好ましい。またフィルター56はシリンジポンプ60の吐出挙動に影響を与えず、その応答性を高めるために、シリンジポンプ60の上流側に設けられている。このフィルター56の上流にあるタンク72には塗布液74が蓄えられており、圧空源76に連結されて任意の大きさの背圧を塗布液74に付加することができる。タンク72内の塗布液74は、吸引ホース70を通じてシリンジポンプ60に供給される。シリンジポンプ60では、シリンジ62、ピストン64が本体66に取り付けられている。ここでピストン64は図示しない駆動源によって上下方向に自在に往復動できる。シリンジポンプ60は、一定の内径を有するシリンジ62内に塗布液74を充填し、それをピストン64により押し出して、ノズル30に一定容量の塗布液を供給できる間欠型定容量ポンプである。シリンジ62内に塗布液74を充填するときは、シリンジポンプ60の上流側の開閉バルブである吸引バルブ54を開、下流側の開閉バルブである供給バルブ52を閉として、ピストン64を下方に移動させる。またシリンジ62内に充填された塗布液をノズル30に向かって供給するときは、吸引バルブ54を閉、供給バルブ52を開とし、ピストン64を上方に移動させることで、ピストン64でシリンジ62内部の塗布液74を押し上げ排出する。
以上の塗布液供給装置50から塗布液74を供給されるノズル30の詳細について、図2を用いて説明する。
図2は図1にあるノズル30をY方向、すなわち塗布方向ならびにノズル30の長手方向(X方向)に直交する方向、に見た中央部の断面を拡大して示しており、塗布液74をノズル30でクリアランスLCだけ離れた基板Aにストライプ状に塗布している状況を示している。ノズル30は紙面に垂直な方向、すなわち図1のY方向に移動して塗布を行う。図2で、ノズル30を構成する本体34の中央部に、ノズル30の長手方向に伸びるマニホールド38が形成されている。このマニホールド38には灰色に色づけした塗布液74が充満しており、中央部上方には供給口42が設けられている。供給口42は図1の供給ホース68と接続しており、この供給口42を介して塗布液供給装置50から塗布液74をマニホールド38に供給することができる。マニホールド38の下方の下部32には貫通溝36がマニホールド38と連通して形成されている。この貫通溝36の下端がノズル30の最下端面である吐出口面46で開口して、吐出口40を形成する。したがって吐出口40は塗布液供給装置50と流体的に連通しているので、塗布液供給装置50から塗布液74が供給されれば、吐出口40から塗布液74は下向きに吐出される。この下向きが塗布液吐出方向となる。吐出口40は吐出口面46に含まれているが、吐出口面46は下部32の外面49よりも、塗布液74の吐出方向である下向きに突出量LAだけ突出して、吐出口面46の両隣に連なる傾斜部48A、48Bとともに突出部44を形成している。すなわち、吐出口40の周辺が塗布液吐出方向に突出して突出部44となっている。吐出口40はノズル30の長手方向にピッチLRで複数個設けられているので、突出部44も同じくノズル30の長手方向にピッチLRで複数個設けられることになる。なお下部32の外面49は、長手方向に隣合う突出部44の間にある下部32の外側の面と定義される。
吐出口40から吐出された塗布液74が、突出部44と基板Aとの間、より正確には吐出口面46および傾斜部48A、48Bの一部と基板Aとの間に連結ビードBPを形成すれば、吐出口40から一定量の塗布液を吐出しつつ、ノズル30を基板Aに対してY方向に相対移動させることにより、ストライプ幅LBのストライプ状塗布膜が形成できることになる。なおストライプ幅LBは、ノズル30の先端部となる吐出口面46の幅LDとは必ずしも一致しない。
吐出口40の形状については、塗布液74の吐出方向に見て矩形となっている。吐出口40の幅LEは、吐出口面46の幅LD以下であるのが通常である。傾斜部48A、48Bの塗布液74の吐出方向に対する角度φは、0〜45度である。
再び図1を見ると、制御信号にて動作するX−θ駆動装置16、Y軸リニア駆動装置20、Z軸リニア駆動装置12、塗布液供給装置50、等はすべて制御装置80に電気的に接続されている。そして、制御装置80に組み込まれた自動運転プログラムにしたがって制御指令信号が各機器に送信されて、あらかじめ定められた動作を行う。なお条件変更時は操作盤82に適宜変更パラメータを入力すれば、それが制御装置80に伝達されて、運転動作の変更が実現できる。特に塗布液供給装置50の中では、シリンジポンプ60、供給バルブ52、吸引バルブ54が電気的に接続されており、制御装置80にその電気的信号をとりこんだり、制御装置80からの指令により、シリンジポンプ60から塗布液をノズル30に供給したり、シリンジポンプ60に塗布液を充填したりする等の任意の動作をさせることができる。制御装置80を用いれば、ストライプ塗布装置1の動作を自在に制御できるので、与えられた塗布条件下での塗布を自在に行うことができる。
次に、ストライプ塗布装置1を用いた塗布液74のガラス基板上へのストライプ状の塗布方法について図1と図3を用いて説明する。図3はストライプ塗布装置1を使用して塗布する時の主要な動作部の動作状況を示す時間線図である。
まず準備作業として、図1のタンク72〜ノズル30までを塗布液74で充満して残留空気を排出する作業は既に終了している。この時の塗布液供給装置50の状態は、シリンジ62に塗布液74が充填、吸引バルブ54は閉、供給バルブ52は閉、そしてピストン64は最下端の位置にあり、いつでも塗布液74をノズル30に供給できるようになっている。また吸着盤14、ノズル30もそれぞれ初期位置で待機している。すなわち吸着盤14はX方向には原点位置、X−Y平面内の回転方向(θ方向)には吸着盤14の短手側端部がX方向と平行になるように配置されている。ノズル30はY方向には原点位置、Z方向には一番高い位置にある原点位置に配置されている。(図3のt=t0の状態)
つづいてストライプ塗布装置1の動作開始信号が操作盤82から制御装置80に伝えられると、吸着盤14の表面に図示しないリフトピンが上昇し、図示しない移載装置からガラス基板である基板Aがリフトピン上部に載置される。そしてリフトピンを下降させて基板Aを吸着盤14上に載置し、同時に吸着保持する。次いで高さセンサー24によって基板Aの高さを検知するとともに、CCDカメラ22で2ヶ所設けられているアライメントマークを検知して、アライメントマークで定められる塗布方向とY方向が一致するように吸着盤14を回転させる。次いで予め定めた基板Aの塗布開始位置直上にノズル30の吐出口40が位置するように、X−θ駆動装置16を駆動して吸着盤14をX方向に移動させるとともに、Y軸リニア装置20を駆動してノズル30をY方向に移動させる。ノズル30が基板A上の塗布開始位置直上に来たら停止させるとともに、測定した基板Aの高さに応じて、基板Aとノズル30の吐出口面46との間のすきまが所定のクリアランスLCの値になるように、Z軸リニア駆動装置12を駆動してノズル30をZ方向に下降停止させる。(図3のt=t1の状態)
基板Aとノズル30の間のすきまがクリアランスLCで静止している状態で、塗布液供給装置50の間欠型定容量ポンプであるシリンジポンプ60を駆動して一定供給速度(供給速度1)での供給を開始し(図3のt=t2の状態)、一定の塗布液供給量QAだけ塗布液74をシリンジ62から排出完了した後、すなわち一定容量の塗布液を供給した後に、シリンジポンプ60は停止する(図3のt=t3の状態)。この時、シリンジポンプ60の上下流にある吸引バルブ54、供給バルブ52ともに閉であるので、シリンジ62から排出された塗布液はこれらのバルブ以降には流れ出ず、シリンジポンプ60から吸引バルブ54、供給バルブ52に至る吸引ホース70、供給ホース68を、塗布液供給量QAに相当する分だけ弾性膨張させる。すなわち一定の予圧を付加することになり、予圧の大きさはシリンジポンプから供給する塗布液供給量QAによって微細に調整可能となる。
シリンジポンプ60から一定量QAの塗布液74を排出完了後に一定時間twだけ待機して、吸引ホース70と供給ホース68内の予圧を安定化させる。すなわち間欠型定容量ポンプと下流側の開閉バルブ間の配管内に一定圧力を付与する。一定時間twは好ましくは0.1〜5秒、より好ましくは0.2〜2秒にする。一定時間twだけ待機したら、シリンジポンプ60を駆動し、一定供給速度(供給速度2)での塗布液74の供給と、供給バルブ52の閉から開への切替を、略同時に開始し、塗布液を塗布器に供給し、塗布器から被塗布部材である基板A上に塗布液を吐出する(図3のt=t4の状態)。この開始(t=t4)を基点に一定時間ts後に、Y軸リニア駆動装置20を駆動してノズル30の一定速度での移動を開始して塗布を開始する(図3のt=t5の状態)。この時のノズル30の移動の一定速度は塗布速度より与えられ、シリンジポンプ60の一定供給速度は、塗布するウェット膜厚と塗布速度より与えられる。以上の動作によって、ノズル30の各突出部44と基板Aの間に連結ビードBPが形成され、基板A上にストライプ状の塗布膜が形成される。なお一定時間tsは好ましくは0〜5秒、より好ましくは0〜2秒とする。ts=0の時は、シリンジポンプ60からの塗布液74の供給、供給バルブ52の閉から開への切替、ノズル30の移動、を略同時に開始することになる。
基板Aの塗布終了位置がノズル30の吐出口40の位置にきたらシリンジポンプ60の一定供給速度での塗布液74の供給を停止し、つづいてZ軸リニア駆動装置12を駆動して、ノズル30を上昇させる(図3のt=t6の状態)。これによって基板Aとノズル30の突出部44間に形成された連結ビードBPが断ち切られ、ストライプ状の塗布が終了する。ノズル30は上昇により原点位置(初期位置)に復帰する。塗布終了後もY軸リニア駆動装置20は動きつづけ、終点位置にきたらノズル30は一旦停止する(図3のt=t7の状態)。続いて初期位置である原点位置に向かって逆方向にY軸リニア駆動装置20を駆動してノズル30を移動開始するとともに、X−θ駆動装置16を駆動して吸着盤14も初期位置に向かってX方向に移動開始させる(図3のt=t8の状態)。そしてノズル30がY方向の原点位置、吸着盤14がX方向の初期位置である原点位置に達して静止したら(図3のt=t9の状態)、吸着盤14の基板Aの吸着を解除し、リフトピンを上昇させて基板Aを持ち上げる。この時図示されない移載装置によって基板Aの下面が保持され、次の工程に基板Aを搬送する。そして供給バルブ52を閉、吸引バルブ54は開としてから、シリンジポンプ60を逆方向に駆動して一定速度でタンク72の塗布液74をシリンジ62に充填開始する(図3のt=t10の状態)。充填完了後、シリンジポンプ60を停止させ、吸引バルブ54を閉として(図3のt=t11の状態)、次の基板Aが来るのを待ち、同じ動作をくりかえす。
以上の塗布方法で、塗布終了時の塗布液74のノズル30への供給停止はシリンジポンプ60を停止させて行ったが、供給バルブ52を閉にして行ってもよい。
以上の本発明に係る塗布方法を実施した結果を、図4を用いて説明する。図4は塗布結果を模式的に示す膜厚分布図である。図4では、塗布方向の全領域での膜厚分布が示されている。本発明では、供給バルブ52と吸引バルブ54を閉にした状態でシリンジポンプ60から一定量の塗布液を供給することで塗布開始前に予圧を与えるために、塗布液の供給量である塗布液供給量QAの大きさによって予圧の大きさが変化して、塗布開始部の膜厚分布が大きく異なる。塗布液供給量Q1、Q2、Q3はQ1<Q2<Q3の関係にあるが、塗布液供給量QAが少ない時(QA=Q1)の時は、目標とする膜厚にまでなかなか達せず、逆に塗布液供給量QAが多い時(QA=Q3)の時は、目標とする膜厚を最初に大きく越えてオーバーシュートし、目標とする膜厚までになかなか低下しない。しかしながら、塗布液供給量QAが適正であると(QA=Q2)、すぐに目標とする膜厚に達して、一定膜厚で均一となる領域が最大となり、製品として使用できる領域が拡大して歩留まり向上に役立つとともに、塗布液も無効となる液量が最小となって、コストダウンに寄与する。
本発明は、特に塗布するWet膜厚が10μm以下の薄膜で、その効果を大いに発揮する。Wet膜厚が10μm以下の時は、上記の塗布液供給量QAは数μlレベルとなり、適正な膜厚分布をえるために1μl単位での調整が必要となる。本発明では間欠型定容量ポンプであるシリンジポンプ60を使用しているので、1μl単位であっても、繰り返し同じ精度の塗布液供給量を供給することが可能である。それはシリンジポンプ60の供給する塗布液量の精度は、μm単位で制御できるピストン64の位置決め精度に由来することによる。それに対して、公知の手段のように、間欠型定容量ポンプの下流側開閉バルブを閉じた状態で先に間欠型定容量ポンプを始動開始し、ポンプの駆動モータを所定量回転させて予圧を加えておいてから下流側開閉バルブを開とするのでは、このような1μl単位での精密な調整は行えず、再現性もない。それは、ポンプが稼働しており、下流側開閉バルブの切替タイミングがごくわずかにずれただけでも、閉鎖状態で供給する塗布液量が、1μlよりもはるかに大きな単位で変動するためである。したがってこのような公知の手段は、閉鎖状態で供給する塗布液量が多少変動しても影響を与えない膜厚が比較的厚い場合に有効であり、本発明が対象とするWet膜厚が10μm以下の場合には全く無力である。
さらにまた本発明では供給バルブ52にバルブの開閉切替時の容量変化量が好ましくは1μl以下、より好ましくは0.5μl以下のものを使用しているので、塗布開始前に予圧を与えてから供給バルブ52の開への切替とシリンジポンプ60の供給開始を同時に行う時に、バルブの切替による圧力変動がなく、設定した予圧がそのままノズル30の方に伝わって所望の吐出が行える。供給バルブ52に、例えば、開に切替えると内部に多量の液を蓄積し、閉に切替えると蓄積した液を排出するダイヤフラムバルブを使用すると、供給バルブ52の開への切替とシリンジポンプ60の供給開始を同時に行う時に、微細な予圧がバルブの開によって吸収されて減圧状態となり、ノズル30からは全く塗布液が吐出されないことになる。バルブの開閉切替時の容量変化量が1μl以下となる具体的なバルブとしては、ボールバルブや、図5に示すコルクバルブ、さらには図6に示す流路内で弁座が移動するバルブが挙げられる。図5はコルクバルブ100の概略断面図であるが、コルクバルブ100は、中央にある円錐体状のコルク102が本体106内でシールを保ったまま回転自在の構成となっている。コルク102には貫通孔104が設けられており、本体106にも貫通孔104と同一軸線上に入口孔108と出口孔110が設けられている。図5(a)の状態は、入口孔108、貫通孔104、出口孔110と流路が貫通して液体が通過できる「開」状態である。コルク102を中心線Cの回りで90度回転させると、図5(b)に示す状態となり、コルク102の外周面112が遮蔽物となって入口孔108から出口孔110に至る流路が遮断されるので「閉」状態なる。コルク102を中心線C回りに回転させて「開」「閉」状態を切り替えても容量変化はほぼゼロである。
一方図6はバルブ200の概略断面図である。バルブ200は、本体202の内部にある内部流路204内に、軸206で回転自在のアーム208を設けたものである。アーム208の一端には弁座210が設けられており、図6ではこの弁座210で入口孔212をシール材216を介して遮蔽しているので、流路が遮断されて「閉」状態となっている。軸206によりアーム208を時計方向に回転させると、弁座210が上昇して、入口孔212、内部流路204、出口孔214と流路が通じ、「開」状態となる。すなわち液体は入口孔212よりバルブ200内の内部流路204に入り、出口孔214より出ていく。内部流路204内にはバブル200を通過させる液体が充満しており、内部流路内204でアーム208が回転してもアーム208の位置が変わるだけで容量変化はない。したがってバルブ200も「開」「閉」状態を切り替えても、容量変化量はほぼゼロである。
コルクバルブ100ではバルブの「閉」→「開」への切替で、コルク102に設けられた貫通孔104がコルク102の回転角度に応じて入口孔108と出口孔110に向き合うことになるので、コルクバルブ100での液体の通過面積で次第に大きくなるのに対し、バルブ200ではほとんど一瞬で液体の通過面積が最大となる。したがってバルブ200の方が、バルブの「閉」→「開」への切替で通過面積変化による圧力損失の影響を受けずに一気に塗布液を通すことができるので、本発明に使用するバルブとしてより好ましい。
さらにまた、これらの開閉切替時の容量変化量が1μl以下となるバルブを適用する供給バルブ52は、ノズル30に近接して好ましくは50mm以内の範囲に設け、より好ましくはノズル30に直接接続するか、弾性変形の全くない金属パイプ等の金属配管を介してノズル30に接続する。それは、塗布開始前に設定した予圧が、途中で減衰することなくそのままノズル30に短時間で伝わり、応答性よくノズル30から塗布液が吐出されるからである。
なお、本発明はいかなる塗布液にも適用できるが、粘度が0.5〜100mPasの比較的低粘度の塗布液にその有効性が如実に現れるので、それに適用することがより好ましい。さらに塗布条件としては、塗布速度は1mm/s〜500mm/s、より好ましくは10mm/s〜200mm/sである。クリアランスLCは好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜100μmである。塗布厚さも特に限定されないが、より薄い方がその効力を一層発揮するので、Wet厚さで好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。
また上記実施態様例では間欠型の定容量ポンプとしてシリンジポンプを使用したが、定容量の塗布液の供給と吸引が行われるのならこれに限定されることはなく、ベロフラム型ポンプ(商品名CTポンプ)、ダイヤフラムポンプ等が好適に用いることができる。
なおストライプ塗布装置1については、構成を変えて、ノズル30を固定、基板AをY方向に移動させてストライプ状に塗布できるようにしてもよい。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
250×300mmで厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板に、厚さ2μmで幅が20μm、基板長手方向の長さ250mmのポリイミド膜がバンクとして基板短手方向にピッチ100μmで2101本配置されている有機ELのパターン基板を用意した。なおポリイミド膜は基板中央にあり、基板長手方向の両側25mm、基板短手方向の両側20mmがストライプ状のポリイミド膜のない非製品領域であった。さらにバンクとしてのポリイミド膜の間にはITO透明電極が陽極としてガラス基板上に0.1μm、その上に正孔注入輸送層が0.2μm形成されていた。正孔注入輸送層はポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルフォン酸が混合されたものを主成分とするものであった。
次にバンク間の正孔注入輸送層の上にR、G、Bの発光材をストライプ状に塗布すべく、RGB発光材を準備した。RGB発光材はいずれもポリフェニレンビニレン系高分子であり、R発光材は固形分濃度1%で粘度が2mPas、G発光材は固形分濃度0.5%で粘度が1.5mPas、B発光材は固形分濃度1%で粘度が5mPasであった。図1に示すストライプ塗布装置1でストライプ状の塗布を行うべく、専用のノズル30を準備した。
このノズルには、ノズル30の長手方向の長さ、すなわち幅LE=40μmで塗布方向長さ100μmの矩形状の吐出口が、ピッチLR=300μmで700個配置されており、吐出口面46はノズル30の長手方向の長さ、すなわち幅LD=60μmで、塗布方向長さが500μmであり、また突出量LA=100μm、φ=20度であった。このノズル30をストライプ塗布装置1にとりつけ、上記のR発光材をタンク72〜ノズル30まで充填した。なお供給バルブ52には、図6に示すバルブ200と同じタイプのもので、開閉切替による容量変化が0.1μl以下のものを使用し、ノズル30から10mm離れた位置に配置した。上記のポリイミド膜がバンクとしてストライプ状に形成された基板を吸着盤14に吸着後、基板上のアライメントマークをCCDカメラ22で検知して、ノズル30を基板の塗布開始位置の直上に配置した。
なお塗布開始位置は、X方向には、原点に一番近いバンク間の溝が、ノズル30の一番原点に近い吐出口と一致する位置、Y方向には原点に一番近い基板端部から20mmの位置であった。また吐出口が直線上に連なる方向(ノズル30の長手方向)と、ポリイミド膜がストライプとなって伸びる方向が直交するように基板AのX−Y平面内の回転角度θをX−θ駆動装置16により調整をした。高さセンサー24で測定した基板高さに基づいて、吐出口面46と基板A間のすきまであるクリアランスLC=50μmとなるように、ノズル30を下降させた。そして供給バルブ52、吸引バルブ54ともに閉であることを確認してから、間欠型定容量ポンプであるシリンジポンプ60を駆動して、供給速度2μl/sで塗布液供給量QA=3μlだけR発光材をシリンジポンプ60から排出して、吸引ホース70、供給ホース68内に予圧をあたえた。シリンジポンプ60が停止後1秒たって、一定圧力を付与した状態になってから、供給速度14μl/sでシリンジポンプ60を駆動開始するのと同時に供給バルブ52を開にし、ノズル30よりR発光材を吐出開始するともに、この吐出開始より0.2秒後にY軸リニア駆動装置を駆動開始して、ノズル30をY方向に50mm/sで移動開始した。そして基板長手方向の塗布開始位置から260mmの位置でシリンジポンプ60を停止させるとともに、Z軸リニア駆動装置を駆動して、ノズル30を上昇させた。これらの動作によって基板端部から20mmの塗布開始位置から80μm幅でWet厚さ5μmの260mm長のストライプ状塗布膜が700本形成され、ポリイミド膜のバンク間にすべてが充填された。この時、バンク上に乗り上げるR発光材はなく、R発光材が充填されていない部分もなかった。以上のR発光材の塗布が完了した基板を取り出し、ホットプレートで120℃、10分の乾燥を行った。乾燥後に膜厚を測定したところ、塗布開始から5mmで50nmとなっており、塗布開始と終了部から5mmずつ除いた250mmの範囲、すなわちポリイミド膜のバンクが形成されている範囲で、膜厚むらは±5%以下となって非常に良好であった。
引き続いてG発光材、B発光材についても同様のストライプ状塗布を行った。G発光材についてはR発光材のすぐ隣のバンク間に塗布できるように位置決めをし、塗布液供給量QA=2.5μl、シリンジポンプ60の供給速度が28μl/sである他は、すべてR発光材と同じ条件にて塗布と乾燥を行った。B発光材についても、R発光材とG発光材の間のバンク間に塗布できるように位置決めをし、塗布液供給量QA=5μlであるほかは、すべてR発光材と同じ条件にて塗布と乾燥を行った。以上の塗布と乾燥を行った結果、R、G、B発光材ともに、基板端部から20mmの塗布開始位置から、50nm厚さ、80μm幅で260mm長のストライプ状塗布膜が、それぞれ700本ずつ形成され、すべてのポリイミド膜のバンク間がR、G、B発光材で規則正しく充填された。なお、膜厚むらは、R、G、B発光材ともに、塗布両端から5mmを除外した250mm長の製品領域で、±5%以下で、非常に良好であった。特に塗布開始部が50nmよりも厚くなることはなかった。
そして最後に塗布したRGB発光材とバンクの上を覆うように陰電極を蒸着して有機EL素子を作成した。この有機EL素子をさらに後工程で所定の処理をして表示装置に形成したところ、RGBの色が基板全面にわたって均一に表示され、品質的に申し分ないものであった。
本発明は、有機EL、カラーフィルター、プラズマディスプレイ等の基板上の面にストライプ状の塗布膜を形成する各種ディスプレイ用部材の製造に利用可能である。
1 ストライプ塗布装置
10 XYZステージ
12 Z軸リニア駆動装置
14 吸着盤
16 X−θ駆動装置
18 ブラケット
20 Y軸リニア駆動装置
22 CCDカメラ
24 高さセンサー
26 ベース
28 門型ベース
30 ノズル
32 下部
34 本体
36 貫通溝
38 マニホールド
40 吐出口
42 供給口
44 突出部
46 吐出口面
48A、48B 傾斜部
49 外面
50 塗布液供給装置
52 供給バルブ
54 吸引バルブ
56 フィルター
60 シリンジポンプ
62 シリンジ
64 ピストン
66 本体
68 供給ホース
70 吸引ホース
72 タンク
74 塗布液
76 圧空源
80 制御装置
82 操作盤
100 コルクバルブ
102 コルク
104 貫通孔
106 本体
108 入口孔
110 出口孔
112 外周面
200 バルブ
202 本体
204 内部流路
206 軸
208 アーム
210 弁座
212 入口孔
214 出口孔
216 シール材
A 基板
BP 連結ビード
C コルク102の中心線
LA 突出量
LB 連結ビードBPの幅(ストライプ幅)
LC クリアランス
LD 吐出口面46の幅
LE 吐出口40の幅
LR ピッチ
QA、Q1、Q2、Q3 塗布液供給量
ts 一定時間
tw 一定時間
θ X−Y平面内の回転方向
φ 塗布液74の吐出方向を基準とした傾斜部48A、48Bとなす角度

Claims (3)

  1. 上流側と下流側にそれぞれ開閉バルブを備える間欠型定容量ポンプから、下流側に配置された配管と開閉バルブを介して、塗布液を塗布器に供給し、該塗布器の吐出口から塗布液を吐出しつつ、塗布器に近接させた枚葉状の被塗布部材の前記塗布器に対する相対移動を行って、被塗布部材上に塗布膜を形成する塗布方法であって、
    前記上流側と下流側の開閉バルブを閉としてから、まず一定容量の塗布液を前記間欠型定容量ポンプから供給して一旦間欠型定容量ポンプを停止させ、間欠型定容量ポンプと下流側の開閉バルブ間の配管内に一定圧力を付与してから、間欠型定容量ポンプの始動開始と下流側バルブの開を略同時に行って、塗布液を塗布器に供給し、塗布器から被塗布部材上に塗布液を吐出して塗布膜を形成することを特徴とする塗布方法。
  2. 塗布液を吐出するために一方向に延在する吐出口を有する塗布器と、塗布器の上流側にあって塗布器に塗布液を供給する間欠型定容量ポンプと、間欠型定容量ポンプの上流側と下流側のそれぞれに配置される開閉バルブと樹脂製配管と、被塗布部材を保持する載置台と、塗布器および載置台のうちの少なくとも一方を相対的に移動させる移動手段とを備えて、被塗布部材に塗布膜を形成する塗布装置であって、前記下流側の開閉バルブを塗布器に近接して配置するとともに、前記下流側開閉バルブは、開閉切替時の容量変化量が1μl以下のものであることを特徴とする塗布装置。
  3. 請求項1に記載の塗布方法を用いて、ディスプレイ用部材を製造することを特徴とするディスプレイ用部材の製造方法。
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