JP2020185570A - 塗布装置及び塗布方法 - Google Patents
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Abstract
Description
スリットコータは、例えば液晶ディスプレイのカラーフィルターやTFT基板への塗膜形成に用いられている。スリットコータは、大型のガラス基板にも対応可能であり、かつ、塗布液の利用効率が高い(つまり、塗布液の無駄が少ない)という特性を活かしている。
スピンコータは、大型基板への対応や塗布液の利用効率の観点ではスリットコータよりも劣るものの、シリコンウエハのような円形の基板に対して均一な厚さの塗膜を比較的容易に形成することができ、半導体の製造分野で広く用いられている。
そして、基板と塗布器(吐出口)とを対向させた状態でこれらを相対的に移動させ、基板と塗布器との間で発生する塗布液(塗布液のビード)の表面張力により、吐出口から塗布液を吐出させる(引き出す)ことができる。このため、細長い吐出口に対向して基板が存在する部分では、塗布液が吐出される(引き出される)のに対して、基板の無い部分では塗布液の吐出がされない(引き出されない)。この結果、シリコンウエハ等のような円形の基板に対して、塗布液を無駄に消費することなく、必要な部分に塗膜を形成することが可能となり、塗布液の利用効率を高めることができる。
なお、吐出口を下向きとする利点は、基板の塗布面を上に向けることが可能となり、これにより、基板のハンドリングが簡易になる点、塗布後の液流れを抑えることができる点にある。
そこで、本発明は、上記のようなキャピラリーコータ(キャピラリー塗布)の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、被塗布部材に形成する塗膜の厚さを所望の厚さにすることが可能となる塗布装置及び塗布方法を提供することにある。
この塗布装置によれば、吐出口から塗布液を吐出して、所望の厚さの塗膜を被塗布部材(被塗布面)上に形成することが可能となるキャピラリー塗布を行うことができる。
この構成によれば、塗布動作の際、吐出口から吐出されることで消費される塗布液の量に応じた塗布液がポンプから塗布器に供給されるので、所望の厚さの塗膜を被塗布部材(被塗布面)上に形成するキャピラリー塗布の制御が容易となる。
この構成によれば、塗布器内の圧力(負圧)を一定に保つための圧力制御が行われ、所望の厚さの塗膜を被塗布部材(被塗布面)上に形成するキャピラリー塗布の制御が容易となる。
ポンプから塗布器に塗布液の供給を行うと、一旦、塗布器内の塗布液の圧力が高まり、これにより、吐出口から塗布液が吐出される。そして、塗布液が被塗布部材に接すると、塗布液の表面張力によって塗布器内の塗布液を更に引き出そうとし、これにより、塗布器内の圧力が低下する。そこで、この圧力の低下が検出されると、ポンプによる塗布液の供給を停止することで、液付け動作の際に過剰な塗布液が被塗布部材に付着するのを防ぐことが可能となる。
この構成によれば、液付け動作の際、吐出口から吐出された塗布液が被塗布部材に付着した後において、塗布器内の塗布液の圧力を一定値(負圧)に保つことが可能となる。
この塗布方法によれば、吐出口から塗布液を吐出して、所望の厚さの塗膜を被塗布部材(被塗布面)上に形成することが可能となるキャピラリー塗布を行うことができる。
この構成によれば、塗布動作の際、吐出口から吐出されることで消費される塗布液の量に応じた塗布液がポンプから塗布器に供給されるので、所望の厚さの塗膜を被塗布部材(被塗布面)上に形成するキャピラリー塗布の制御が容易となる。
この構成によれば、塗布器内の圧力(負圧)を一定に保つための圧力制御が行われ、所望の厚さの塗膜を被塗布部材(被塗布面)上に形成するキャピラリー塗布の制御が容易となる。
ポンプから塗布器に塗布液の供給を行うと、一旦、塗布器内の塗布液の圧力が高まり、これにより、吐出口から塗布液が吐出される。そして、塗布液が被塗布部材に接すると、塗布液の表面張力によって塗布器内の塗布液を更に引き出そうとし、これにより、塗布器内の圧力が低下する。そこで、この圧力の低下が検出されると、ポンプによる塗布液の供給を停止することで、液付け動作の際に過剰な塗布液が被塗布部材に付着するのを防ぐことが可能となる。
この構成によれば、液付け動作の際、吐出口から吐出された塗布液が被塗布部材に付着した後において、塗布器内の塗布液の圧力を一定値(負圧)に保つことが可能となる。
〔塗布装置の構成について〕
図1は、塗布装置の全体構成を説明する概略構成図である。この塗布装置5は、例えば枚葉状である被塗布部材に塗布液を吐出して均一な厚さの塗膜を形成するための装置である。なお、本実施形態で説明する被塗布部材は、円形の基板7(図2(A)参照)であり、具体的には円形のシリコンウエハである。
塗布装置5は、塗布液を吐出する前記塗布器10の他に、基板7と塗布器10とを相対的に移動させる移動手段20と、塗布器10に塗布液を供給するためのポンプ30と、塗布器10内の塗布液に圧力を作用させる圧力付与装置40と、各種制御を行うコンピュータからなる制御装置50と、塗布器10内の塗布液の圧力を計測するための圧力センサ60とを備えている。
移動手段20は、装置基台6に設けられているレール21、このレール21に沿って水平方向に移動する可動ブロック22、及び、可動ブロック22を移動させるリニアアクチュエータ23を備えている。そして、塗布器10は可動ブロック22に搭載されている。この移動手段20により、固定状態にあるステージ9上の基板7に対して、塗布器10が水平方向に移動可能となる。なお、移動手段20は、塗布器10と基板7とを基板7の被塗布面8に平行な方向に相対移動させる構成であればよく、図示しないが、固定状態にある塗布器10に対してステージ9(基板7)を移動させる構成であってもよい。また、移動手段20は、塗布器10を上下方向に移動させる昇降アクチュエータ24を備えている。これにより、基板7に対する塗布器10(吐出口11)の高さを調整することが可能である。移動手段20は、制御装置50によって制御され、所定の速度(具体的には一定速度)で塗布器10を水平方向に移動させることができる。
圧力調整器42は、レギュレータからなり、タンク41の塗布液に作用させる圧力を変化させる。圧力調整器42は、制御装置50によって制御され、タンク41の塗布液の圧力(内圧)を調整する。タンク41と塗布器10とは配管82を通じて接続されていることから、タンク41の塗布液の圧力を調整することで、塗布器10(溜め部13)の塗布液の圧力を所定の圧力に制御することができる。例えば、タンク41の塗布液の圧力(ゲージ圧)を負圧に調整することで、塗布器10(溜め部13)の塗布液の圧力(ゲージ圧)を負圧にすることができる。
図3〜図5は、塗布方法を説明する説明図である。なお、以下の説明において、ポンプ30と塗布器10との間のバルブ71を第一バルブ71と呼び、第二タンク41と塗布器10との間のバルブ72を第二バルブ72と呼び、第一タンク35とポンプ30との間のバルブ73を第三バルブ73と呼ぶ。
次に、塗布器10の吐出口11の拭き取りが行われる(拭き取り工程:図3(B)参照)。この際、ポンプ30は停止した状態にある。
次に、塗布器10の高さ位置を、ステージ9上の基板7に対して所定の位置とする。塗布器10の高さ調整は、昇降アクチュエータ24(図1参照)によって行われる。例えば、吐出口11と被塗布面8との間隔を数十μmとする。また、リニアアクチュエータ23(図1参照)によって、基板7の塗布開始位置(基板7の縁部)の直上に吐出口11が位置するように塗布器10を移動させる(準備移動工程)。
この準備移動工程が完了するまでの間において、第二タンク41の塗布液の圧力を大気圧よりも低く設定する処理(以下、事前処理という)が行われる。
この事前処理により、前記準備移動工程までは、第二バルブ72は閉状態であって、この状態では第二タンク41の塗布液の圧力は、塗布器10の塗布液の圧力に影響を与えないが、後に説明するが、第二バルブ72を開くことで、第二タンク41の塗布液の負圧を、塗布器10の塗布液の圧力に作用させ、塗布器10の塗布液の圧力を瞬時に負圧にさせることができる。
そして、吐出口11から吐出された微量の塗布液が基板7に接すると(図4(B)参照)、塗布器10内の圧力が急激に低下する(大気圧より低い負圧に戻る)。これは、基板7に接した塗布液の表面張力及び毛細管減少(キャピラリー)により塗布器10内の塗布液が基板7側に引き出されるためである。
この液付け動作によれば、ポンプ30から塗布器10に塗布液の供給を行うと、一旦、塗布器10内の塗布液の圧力が高まり、これにより、吐出口11から塗布液が吐出される。そして、塗布液が基板7に接すると、塗布液の表面張力によって塗布器10内の塗布液を更に引き出そうとし、これにより、塗布器10内の圧力が低下する。そこで、この圧力の低下が圧力センサ60によって検出されると、ポンプ30による塗布液の供給を停止することで、液付け動作の際に過剰な塗布液が基板7に付着するのを防ぐことが可能となる。更に、第二バルブ72を開いて第二タンク41と塗布器10とを連通させることで、吐出口11から吐出された塗布液が基板7に付着した後において、塗布器10内の塗布液の圧力を一定値(負圧)に保つことが可能となる。
したがって、塗布器10を一定速度で移動させて塗布液を円形の基板7に対して塗布し、一定の膜厚の塗膜を基板7上に形成するためには、吐出口11から吐出させるべき塗布液の量が、基板7に対する塗布器10の位置に応じて異なる。そこで、ポンプ30から、塗布液を一定量送り出すのではなく、一定の膜厚の塗膜を基板7上に形成するために必要となる量を送り出す制御(定量吐出制御)が行われる。つまり、ポンプ30から送り出される塗布液の量は、基板7の幅方向の変化(形状変化)に応じて変化する塗布液量(前記必要となる量)に相当する量とする。なお、基板7の前記幅方向は、塗布器10(吐出口11)の長手方向と一致する方向である。
供給が停止されると、図示しないが、塗布器10を昇降アクチュエータ24によって上昇させ、第一バルブ71を閉じ、第三バルブ73を開く。そして、ポンプ30は、第一タンク35の塗布液を吸引して補充し、次の塗布に備える。また、塗布液が塗布された基板7は、ステージ9から取り外され、乾燥機に運ばれる。
塗布器10から塗布液の初期出しを行う初期出し工程、塗布器10の吐出口11の拭き取りが行われる拭き取り工程、及び、基板7の塗布開始位置(基板7の縁部)の直上に吐出口11が位置するように塗布器10を移動させる準備移動工程は、前記制御モード(その1)における、初期出し工程(図3(A))、拭き取り工程(図3(B))、及び、準備移動工程(図3(C))と同様に行われる。
また、準備移動工程が完了するまでの間において、前記事前処理を行う点も、制御モード(その1)と同様である。
そして、基板7に対する塗布液の付着を開始する液付け動作(液付け工程)が、開始される。この液付け動作は、図4(A)〜(C)に示す制御モード(その1)の液付け動作(液付け工程)と同様である。
制御モード(その1)と同様である点についての説明は、ここでは省略する。
第二タンク41の塗布液の圧力の影響によって、塗布器10内の塗布液の圧力が負圧になると、前記制御モード(その1)では第二バルブ72を閉じるが(図5(A)参照)、制御モード(その2)では第二バルブ72は開状態を維持する(図6(A)参照)。そして、塗布動作(塗布工程)が行われる。この工程では、移動手段20(リニアアクチュエータ23)による塗布器10の水平方向の移動を開始させると共に、第二タンク41の塗布液の圧力を制御することでこの第二タンク41と繋がっている塗布器10の塗布液の圧力を一定値(一定の負圧値)に保ち、更に、ポンプ30により塗布器10へ塗布液の供給が可能となる状態になる。つまり、移動手段20により塗布器10を水平方向に移動させながら、第二タンク41及び圧力調整器42による圧力制御と、ポンプ30による塗布液の供給が行われる供給制御とが、制御装置50によって行われる。
また、塗布動作において行われる前記供給制御は、圧力センサ60の計測値に基づくフィードバック制御である。すなわち、制御装置50は、圧力センサ60の計測値の変化を刻々と検出し、この変化量が閾値(許容値)を越えた場合、ポンプ30による塗布液の供給又は吸引を行う。具体的に説明すると、圧力センサ60による計測値が低下してその変化量が閾値を越えた場合、塗布液を供給する動作を行い、計測値が上昇してその変化量が閾値を越えた場合、塗布液を吸引する動作を行う。このように、制御装置50は、ポンプ30による塗布液の供給又は吸引の調整動作を行うことで、塗布器10の塗布液の圧力をより一層安定させる。
したがって、塗布器10を一定速度で移動させて塗布液を円形の基板7に対して塗布し、一定の膜厚を基板7上に形成するためには、吐出口11から吐出させるべき塗布液の量が、基板7に対する塗布器10の位置に応じて異なる。そこで、ポンプ30から、塗布液を一定量送り出すのではなく、一定の膜厚の塗膜を基板7上に形成するために必要となる量を送り出す制御が行われる。更に、この制御モード(その2)では、前記のとおり、圧力センサ60の測定値に基づいてポンプ30による塗布液の供給又は吸引の制御が行われ、塗布器10内の圧力を調整している(一定としている)。つまり、ポンプ30から送り出される塗布液の量は、基板7の幅方向の変化(形状変化)に応じて変化する塗布液量(前記必要となる量)に相当する量と、圧力センサ60の測定値に基づく制御を行うことで塗布液を供給又は吸引する塗布液量との和になる。
前記制御モード(その1)では、ポンプ30から送り出される塗布液の量は、制御装置50に予め記憶されているコンピュータプログラムに設定されるが、制御モード(その2)では、ポンプ30から送り出される塗布液の量は、圧力センサ60の測定値に応じて刻々と変化することになる。
なお、塗布動作開始の際には、前記事前処理が実行され、塗布器10の塗布液の圧力は負圧にされており、そして、塗布動作が開始されても、圧力付与装置40によって塗布器10の負圧が維持され、また、圧力センサ60の測定結果に基づいてポンプ30による制御も行われることから、塗布器10の塗布液の圧力は、負圧のまま一定値に維持される。
この制御により、塗布器10内の圧力(負圧)を一定に保つための圧力制御が行われ、均一厚さの塗膜を基板7(被塗布面8)上に形成するキャピラリー塗布の制御が容易となる。
そして、図示しないが、塗布器10を昇降アクチュエータ24によって上昇させ、第一バルブ71を閉じ、第三バルブ73を開く。そして、ポンプ30は、第一タンク35の塗布液を吸引して補充し、次の塗布に備える。また、塗布液が塗布された基板7は、ステージ9から取り外され、乾燥機に運ばれる。
なお、ダミー板65を省略して制御モード(その1)のようにして塗布動作を終了させてもよく、また、制御モード(その1)においてダミー板65を採用してもよい。
なお、ポンプ30による液供給量については、予測される塗布液の消費に応じた量としてもよいが、更に、設定した液供給量と実際の液消費量との差異が生じた際にフィードバック制御して調整した値とするのが好ましい。
前記構成を備えている塗布装置5では、制御装置50は、塗布条件に応じて、ポンプ制御ラインL1及び圧力制御ラインL2の一方又は双方を選択的に採用することができる。つまり、塗布条件に応じて、制御モード(その1)又は制御モード(その2)が択一的に選択される。塗布条件としては、例えば、基板7に形成する膜厚や、塗布速度(塗布器10の移動速度)等がある。
第二バルブ72を開とした後、ポンプ30により塗膜厚制御を行う場合(制御モード(その1))、再び、第二バルブ72を閉とし、ポンプ30により塗布液の供給が行われる。圧力制御により塗膜厚制御を行う場合(制御モード(その2))、そのままの第二バルブ72を開の状態とし、設定圧力に応じた圧力一定制御が行われる。
そして、このような塗布装置5が実行する塗布方法(キャピラリー塗布)を、製品の製造方法に適用することで、全面にわたって均一な膜厚を有する塗膜が形成された高品質の製品を、安定して製造することが可能となる。
以上説明した塗布装置5に適用可能となる塗布液としては、粘度が1〜100000mPa・Sであり、ニュートニアンであることが塗布性から好ましいが、チキソ性を有する塗布液にも適用できる。具体的に適用できる塗布液の例としては、カラーフィルター用のブラックマトリックス、RGB色画素形成用塗布液の他、レジスト液、オーバーコート材、柱形成材料等や、半導体用の粘着層用塗布液、平坦化用塗布液、保護膜用塗布液、レジスト液、着色層用塗布液、蛍光発光層用塗布液、TFT用ポジレジスト等、等がある。
基板(被塗布部材)7としては、シリコンウエハやガラスの他にアルミ等の金属板、セラミック板、フィルム等を用いてもよい。基板(被塗布部材)7の形状は、矩形形状であってもよく、また、円形等の非矩形形状であってもよい。更に複数の非矩形形状の基板を、塗布器10の長手方向に沿って並列配置することで、これら基板7に対して同時に塗布してもよい。さらに使用する塗布条件としては、塗布速度が0.1〜100mm/秒、より好ましくは0.5〜20mm/秒、塗布器10の吐出口11と基板7の被塗布面8との間の隙間(スリット間隙)は50〜1000μm、より好ましくは100〜500μm、塗布厚さはウエット状態で0.5〜100μm、より好ましくは1〜50μmである。
制御モード(その1)を採用した場合の実施例について説明する。
図1に示す塗布装置5により、直径φ100×厚さ0.53mmの円形シリコンウエハに対してポリイミドを塗布した。ポリイミドは粘度4400mPa・sで、固形分濃度19%のものであった。塗布器10として、吐出口11の塗布幅方向(長手方向、Y方向)の長さが150mm、吐出口11の間隙(X方向長さ)が0.4mmのものを用いた。この塗布器10の溜め部13の塗布液の圧力を測定するために圧力センサ60を設けた。
そして、ポンプ30による吐出量制御で、ウエット膜厚が40μmとなるよう、塗布幅変化に応じた吐出量を定め、塗布開始時の塗布器10内の圧力を−20Pa(ゲージ圧)、塗布速度0.5mm/秒の条件で塗布を行った。
塗布した基板7を、150℃のホットプレートで10分間乾燥させた。乾燥後に塗布状況を観察したところ、φ100の面領域全面に厚さ8μmの塗膜が形成されており、塗布外周部の2mm範囲を除いた直径96mm以内の範囲で、膜厚むらが±3%以下と良好であった。
制御モード(その2)を採用した場合の別の実施例について説明する。
図1に示す塗布装置5により、直径φ100×厚さ0.53mmの円形シリコンウエハに対してカラーレジストを塗布した。カラーレジストは粘度4mPa・sで、固形分濃度15%のものであった。塗布器10として、吐出口11の塗布幅方向(長手方向、Y方向)長さが150mm、吐出口11の間隙(X方向長さ)が0.2mmのものを用いた。この塗布器10の溜め部13の塗布液の圧力を測定するために圧力センサ60を設けた。
そして、定圧制御による吐出量制御として、塗布器10内の圧力変動の補正をポンプ30によって実施した。
塗布開始時の塗布器10内の圧力を−180Pa(ゲージ圧)、塗布速度2mm/秒の条件で、吐出圧の変動が閾値として5Pa以内となるようポンプ30についてフィードバック制御を行いつつ塗布動作を行った。
塗布した基板7について、25秒で65Paに到達する真空乾燥を60秒行ってから、120℃のホットプレートで10分間さらに乾燥させた。
乾燥後に塗布状況を観察したところ、φ100の面領域全面に厚さ800nmの塗膜が形成されており、塗布外周部の2mm範囲を除いた直径96mm以内の範囲で、膜厚むらが±3%以下と良好であった。
(1)塗布器10内の塗布液が(自重によって)自由に吐出口11から流れ出ないようにするため。
(2)基盤7上に形成される膜厚を調整するため。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
前記実施形態では、被塗布部材を枚葉状の基板7としたが、枚葉状ではなく連続した部材であってもよい。
10:塗布器 11:吐出口 12:スリット状流路
13:溜め部 20:移動手段 30:ポンプ
35:第一タンク 40:圧力付与装置 41:第二タンク
42:圧力調整器 50:制御装置 60:圧力センサ
71:第一バルブ 72:第二バルブ 73:第三バルブ
81:配管 82:配管 83:配管
Claims (10)
- 塗布液が溜められる溜め部、塗布液を吐出する吐出口、及び、前記溜め部と前記吐出口とを繋ぐスリット状流路を有し、被塗布部材に対して当該吐出口から塗布液を吐出する塗布器と、
前記塗布器と前記被塗布部材とを当該被塗布部材の被塗布面に平行な方向に相対移動させる移動手段と、
前記塗布器に塗布液を供給するポンプと、
前記相対移動を行いながら前記被塗布部材に対して前記吐出口から塗布液を吐出する塗布動作の際、前記塗布器内の塗布液を負圧にしつつ前記ポンプから塗布液を前記塗布器に供給するための制御を行う制御装置と、
を備える塗布装置。 - 前記制御装置は、前記塗布動作の際、前記吐出口から吐出される塗布液の量に応じた塗布液を前記ポンプから前記塗布器に供給する制御を行う、請求項1に記載の塗布装置。
- 前記塗布器内の塗布液に圧力を作用させる圧力付与装置と、
前記塗布器内の塗布液の圧力を測定する圧力センサと、を更に備え、
前記制御装置は、前記塗布器内の塗布液を負圧に維持するために前記圧力付与装置によって前記塗布器内の塗布液の圧力制御を行うと共に、前記圧力センサの測定結果に基づいて前記ポンプによる塗布液の調整制御を行う、請求項1又は2に記載の塗布装置。 - 前記制御装置は、前記被塗布部材に対する塗布液の付着を開始する液付け動作のために、前記ポンプにより塗布液を前記塗布器に供給し、当該供給により前記塗布器内の塗布液の圧力を高めた後、当該圧力の低下が検出されると、前記ポンプによる塗布液の供給を停止する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗布装置。
- 前記塗布器と配管を通じて接続され塗布液を溜めているタンクと、前記塗布器内の塗布液の圧力を所定の値に保つように前記タンクに溜めている塗布液の圧力を調整するための圧力調整器と、前記塗布器と前記タンクとを連通及び遮断可能とするバルブと、を更に備え、
前記制御装置は、前記バルブにより前記塗布器と前記タンクとの連通を遮断している状態で、前記ポンプにより塗布液を前記塗布器に供給してから、前記圧力の低下が検出されると、前記ポンプによる塗布液の供給を停止すると共に、前記バルブを動作させて前記タンクと前記塗布器とを連通させる、請求項4に記載の塗布装置。 - 塗布液が溜められる溜め部、塗布液を吐出する吐出口、及び、前記溜め部と前記吐出口とを繋ぐスリット状流路を有する塗布器の当該吐出口から、被塗布部材に対して塗布液を吐出してキャピラリー塗布を行うための方法であって、
前記塗布器と前記被塗布部材とを当該被塗布部材の被塗布面に平行な方向に相対移動させながら、当該被塗布部材に対して前記吐出口から塗布液を吐出する塗布動作を行い、
前記塗布動作の際、前記塗布器内の塗布液を負圧にしつつ当該塗布器と繋がるポンプから塗布液を当該塗布器に供給する、塗布方法。 - 前記塗布動作の際、前記吐出口から吐出される塗布液の量に応じた塗布液を前記ポンプから前記塗布器に供給する、請求項6に記載の塗布方法。
- 前記塗布器内の塗布液の圧力が圧力センサによって測定され、
前記塗布器内の塗布液を負圧に維持するために当該塗布器内の塗布液の圧力制御を行うと共に、前記圧力センサの測定結果に基づいて前記ポンプによる塗布液の調整制御を行う、請求項6又は7に記載の塗布方法。 - 前記被塗布部材に対する塗布液の付着を開始する液付け動作のために、前記ポンプにより塗布液を前記塗布器に供給し、当該供給により前記塗布器内の塗布液の圧力を高めた後、当該圧力の低下を検出すると、前記ポンプによる塗布液の供給を停止する、請求項6〜8のいずれか一項に記載の塗布方法。
- 前記塗布器には、塗布液を溜めているタンクが配管を通じて接続されていると共に、当該塗布器と当該タンクとを連通及び遮断可能とするバルブが設けられており、
前記塗布器内の塗布液の圧力を所定の値に保つように前記タンクに溜めている塗布液の圧力が、圧力調整器によって調整可能であり、
前記バルブにより前記塗布器と前記タンクとの連通を遮断している状態で、前記ポンプにより塗布液を前記塗布器に供給してから、前記圧力の低下を検出すると、前記ポンプによる塗布液の供給を停止すると共に、前記バルブを動作させて前記タンクと前記塗布器とを連通させる、請求項9に記載の塗布方法。
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