JP3383093B2 - 基板への塗布液塗布装置 - Google Patents

基板への塗布液塗布装置

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JP3383093B2 JP24733194A JP24733194A JP3383093B2 JP 3383093 B2 JP3383093 B2 JP 3383093B2 JP 24733194 A JP24733194 A JP 24733194A JP 24733194 A JP24733194 A JP 24733194A JP 3383093 B2 JP3383093 B2 JP 3383093B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液晶表示デバイス
(LCD)、半導体デバイス、各種電子部品等の製造プ
ロセスにおいて、LCD用ガラス基板、半導体基板、プ
リント基板等の基板の表面にフォトレジスト膜、絶縁
膜、導電膜等を形成するために基板表面へ塗布液を塗布
する塗布液塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】基板に塗布液を塗布する方式としては、
回転塗布方式、ブレード塗布方式、スプレイ塗布方式、
ロールコート方式などがある。これらの塗布方式のう
ち、現在、LCDや半導体デバイスの製造プロセスで
は、回転塗布方式が広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回転塗
布方式には、被塗布基板の大型化や角型基板の利用増加
などといった近年の傾向とも相俟って、次のような問題
が存在する。すなわち、回転塗布方式は、使用される塗
布液の有効利用という点で本質的に無駄があり、塗布液
の利用効率が悪い(5%程度)。また、例えばLCDで
はガラス基板の大サイズ化が図られているが、回転塗布
方式では、塗布工程において被塗布基板を水平姿勢で回
転させるため、基板の大型化に伴って装置が大型化し設
置スペースが増大せざるを得ない。さらに、被塗布基板
が角型基板である場合は、円型基板に比し、基板の回転
時において基板表面に気流の乱れが発生し易く、しか
も、基板が大型化すると、その回転時における基板の内
・外での線速度差が増大することにより、塗布液の状態
変化が小型基板に比べて顕著になる。このため、塗布液
膜の膜厚均一性等の塗布品質を確保することが難しくな
り、塗布品質が低下する、といった問題点がある。
【0004】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、基板、例えばLCD用ガラス基板に
塗布液を塗布する際に、塗布液の有効利用を図って塗布
液使用量を少なくし、また、装置の小型化を図り設置ス
ペースを小さくし、さらに、塗布液膜の膜厚均一性等の
塗布品質の低下を来さず塗布品質を向上させることがで
き、また、基板の被塗布面において、塗布液膜の膜厚が
許容範囲を外れる非有効領域が発生するのを防止ないし
は可能な限り少なくすることができるような基板への塗
布液塗布装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、基板への塗布液塗布装置を、被塗布基板を鉛直姿勢
又は傾斜した姿勢に保持する基板保持手段と、この基板
保持手段に保持された被塗布基板の被塗布面に塗布液を
供給する塗布液槽と、この塗布液槽と前記基板保持手段
に保持された被塗布基板とを相対的に直線的に移動させ
る直動手段とを備えて構成した。前記塗布液槽は、両端
が閉塞され前記基板保持手段に保持された被塗布基板の
幅方向に延在する筒状をなし、前面壁部にそれを貫通す
るように、多数の細管、多数の微小孔又はスリット状細
溝ノズルからなる塗布液流出路が幅方向にわたって形成
されている。前記前面壁部の前端面は、基板保持手段に
保持された被塗布基板の被塗布面に非接触でかつ近接す
るように水平方向に配設されている。そして、この塗布
液槽は、前面壁部の前端面と被塗布基板の被塗布面との
間に隙間を保ったまま被塗布基板に対しその縦方向に相
対的に移動自在に保持される。さらに、この塗布装置
は、前記塗布液槽が前記基板保持手段に保持された被塗
布基板に対し停止した状態から相対的に移動を開始し
て、少なくとも塗布液槽と被塗布基板との相対移動速度
が許容範囲に到達した時点以降において、被塗布基板の
被塗布面と塗布液槽の前面壁部の前端面との間の隙間に
形成された塗布液の液溜りの上端と被塗布基板との相対
移動速度が実質的に一定となるように、少なくとも塗布
始端側において制御する制御手段を備えている。
【0006】請求項2に記載の発明では、上記制御手段
を、被塗布基板の被塗布面と上記塗布液槽の前面壁部の
前端面との間の隙間に形成された塗布液の液溜りの上端
と被塗布基板との相対移動速度を検出器で検出し、その
検出信号に基づいて上記直動手段を制御する構成とし
た。
【0007】請求項3に記載の発明では、上記塗布液槽
に、その槽内の圧力を調整する圧力調整手段を付設し、
上記制御手段を、被塗布基板の被塗布面と塗布液槽の前
面壁部の前端面との間の隙間に形成された塗布液の液溜
りの上端と被塗布基板との相対移動速度を検出器で検出
し、その検出信号に基づいて前記圧力調整手段を制御す
る構成とした。
【0008】請求項4に記載の発明では、上記制御手段
を、被塗布基板の被塗布面と上記塗布液槽の前面壁部の
前端面との間の隙間に形成された塗布液の液溜りの上端
と塗布液槽との相対移動速度を検出器で検出し、その検
出信号に基づいて上記直動手段を制御する構成とした。
【0009】請求項5に記載の発明では、上記塗布液槽
に、その槽内の圧力を調整する圧力調整手段を付設し、
上記制御手段を、被塗布基板の被塗布面と塗布液槽の前
面壁部の前端面との間の隙間に形成された塗布液の液溜
りの上端と塗布液槽との相対移動速度を検出器で検出
し、その検出信号に基づいて前記圧力調整手段を制御す
る構成とした。
【0010】請求項6に記載の発明では、上記塗布液槽
と被塗布基板との相対的な移動方向における各位置での
塗布液槽と被塗布基板との相対移動速度の変化を示すデ
ータとして、被塗布基板の被塗布面と塗布液槽の前面壁
部の前端面との間の隙間に形成された塗布液の液溜りの
上端と被塗布基板との相対移動速度を実質的に一定にす
ることができる制御用データを予め求めておいて、その
制御用データを記憶手段に記憶させておき、その制御用
データに基づいて上記直動手段を制御するように上記制
御手段を構成した。
【0011】請求項7に記載の発明では、上記塗布液槽
に、その槽内の圧力を調整する圧力調整手段を付設し、
塗布液槽と被塗布基板との相対的な移動方向における各
位置での塗布液槽の槽内圧力の変化を示すデータとし
て、被塗布基板の被塗布面と塗布液槽の前面壁部の前端
面との間の隙間に形成された塗布液の液溜りの上端と被
塗布基板との相対移動速度を実質的に一定にすることが
できる制御用データを予め求めておいて、その制御用デ
ータを記憶手段に記憶させておき、その制御用データに
基づいて前記圧力調整手段を制御するように上記制御手
段を構成した。
【0012】
【作用】請求項1に記載された発明に係る基板への塗布
液塗布装置では、塗布液槽内に注入された塗布液が、前
面壁部に形成された塗布液流出路を通って槽外へ流出
し、基板保持手段によって鉛直姿勢又は傾斜した姿勢に
保持された被塗布基板の被塗布面と前面壁部の前端面と
の間の隙間内へ流入する。このとき、前記隙間内に流入
した塗布液は、少なくとも毛細管作用によって隙間内を
前端面下端まで下降するが、それより下方位置では毛細
管作用等によっては下降せず、隙間内に流入した塗布液
の下方への流動は前端面下端で規制されることとなり、
隙間内の塗布液が前端面下端を越えて下方へ流下するこ
とはない。従って、被塗布基板の被塗布面と塗布液槽の
前面壁部の前端面との間の隙間に、基板の幅方向に延び
る帯状の塗布液の液溜りが形成される。この状態におい
て、前面壁部の前端面と被塗布基板の被塗布面との間の
隙間を保ったまま、被塗布基板の縦方向、すなわち基板
の幅方向と直交する方向に塗布液槽と被塗布基板とを直
動手段によって相対的に直線的に移動、例えば被塗布基
板を静止させた状態で塗布液槽を下方向へ移動させる
と、被塗布基板の塗布液面に塗布液が塗布される。そし
て、この際、前記隙間に形成された液溜りの塗布液は、
被塗布面に塗布されていくことにより消費されるが、そ
の消費量に見合った量の塗布液が、塗布液槽内から塗布
液流出路を通って前記隙間へ供給されるため、被塗布面
に塗布液を塗布している途上において前記隙間の液溜り
における塗布液の量は常時一定に保たれる。
【0013】以上のようにして基板への塗布液の塗布が
行なわれるが、この塗布装置を使用して被塗布面に塗布
された塗布液膜の膜厚は、前記隙間の寸法、塗布液の流
動特性や物性値、被塗布基板の被塗布面及び/又は塗布
液槽の前面壁部の前端面の濡れ性などの他、被塗布基板
の幅方向と直交する方向における、前記隙間に形成され
た塗布液の液溜りの上端と被塗布基板との相対移動速度
によって決定されることになる。
【0014】ここで、例えば、塗布液槽を被塗布基板に
対しその縦方向に相対的に移動させて、被塗布基板の被
塗布面への塗布液の塗布を開始した塗布始端側において
は、塗布始端位置から、例えば図8に示すように、塗布
液槽と被塗布基板との相対移動速度を所望速度まで瞬時
に立ち上げて、塗布液槽と被塗布基板とを許容速度範囲
で相対的に定速移動させた際に、塗布液槽と被塗布基板
との相対的移動を開始してから或る時間が経過する時点
まで(塗布始端位置から相対的移動方向における或る位
置まで)の範囲では、塗布液槽と被塗布基板との相対移
動速度と前記隙間に形成された塗布液の液溜りの上端と
被塗布基板との相対移動速度とが等しくならない。すな
わち、液溜りの上端と被塗布基板との相対移動速度の方
が塗布液槽と被塗布基板との相対移動速度より低速とな
る低速領域がある。そして、その後に、両者の相対移動
速度が等しい定常領域となる。前記隙間に形成された塗
布液の液溜りの上端と被塗布基板との相対移動速度が低
速となるほど、被塗布基板の被塗布面に塗布された塗布
液膜の膜厚は薄くなり、液溜りの上端と被塗布基板との
相対移動速度が高速となるほど、被塗布基板の被塗布面
に塗布された塗布液膜の膜厚は厚くなるが、上記したよ
うに、塗布始端側において、前記隙間に形成された塗布
液の液溜りの上端と被塗布基板との相対移動速度が低速
となるため、被塗布基板の被塗布面に塗布された塗布液
膜の膜厚も、図9に示すように、塗布始端側において薄
くなる。そして、その後に、塗布液膜の膜厚が次第に増
加して一定膜厚となる。この結果、被塗布基板の被塗布
面の塗布始端近傍において、塗布液膜の膜厚が許容範囲
を外れる非有効領域が発生し、被塗布基板の有効領域が
減少する、といった問題がある。
【0015】ところが、この発明に係る塗布装置では、
少なくとも塗布始端側において、制御手段により、前記
隙間に形成された塗布液の液溜りの上端と被塗布基板と
の相対移動速度が実質的に一定となるように制御される
ので、被塗布基板の被塗布面に塗布された塗布液膜の膜
厚も一定となる。従って、上記したように塗布始端近傍
において塗布液膜の膜厚が許容範囲を外れて非有効領域
が発生する、といった問題は生じない。
【0016】請求項2に記載の発明に係る塗布装置で
は、検出器により、前記隙間に形成された塗布液の液溜
りの上端と被塗布基板との相対移動速度が検出され、そ
の検出器の検出信号に基づいて制御手段により直動手段
が制御されて、塗布液槽と被塗布基板との相対移動速度
が、前記隙間における液溜りの上端と被塗布基板との相
対移動速度が実質的に一定となるように調整される。
【0017】請求項3に記載の発明に係る塗布装置で
は、検出器により、前記隙間に形成された塗布液の液溜
りの上端と被塗布基板との相対移動速度が検出され、そ
の検出器の検出信号に基づいて制御手段により圧力調整
手段が制御されて、塗布液槽の槽内圧力が、前記隙間に
おける液溜りの上端と被塗布基板との相対移動速度が実
質的に一定となるように調整される。
【0018】請求項4に記載の発明に係る塗布装置で
は、検出器により、前記隙間に形成された塗布液の液溜
りの上端と塗布液槽との相対移動速度が検出され、その
検出器の検出信号に基づいて制御手段により直動手段が
制御されて、塗布液槽と被塗布基板との相対移動速度
が、前記隙間における液溜りの上端と被塗布基板との相
対移動速度が実質的に一定となるように、調整される。
【0019】請求項5に記載の発明に係る塗布装置で
は、検出器により、前記隙間に形成された塗布液の液溜
りの上端と塗布液槽との相対移動速度が検出され、その
検出器の検出信号に基づいて制御手段により圧力調整手
段が制御されて、塗布液槽の槽内圧力が、前記隙間にお
ける液溜りの上端と被塗布基板との相対移動速度が実質
的に一定、すなわち、塗布液槽と被塗布基板との相対移
動速度が一定であるときには前記隙間における液溜りの
上端と塗布液槽との相対移動速度が零となるように調整
される。
【0020】請求項6に記載の発明に係る塗布装置で
は、記憶手段に記憶された制御用データに基づいて制御
手段により直動手段が制御されて、塗布液槽と被塗布基
板との相対的な移動方向における各位置での両者の相対
移動速度が、前記隙間に形成された塗布液の液溜りの上
端と被塗布基板との相対移動速度が実質的に一定となる
ように変化させられる。
【0021】請求項7に記載の発明に係る塗布装置で
は、記憶手段に記憶された制御用データに基づいて制御
手段により圧力調整手段が制御されて、塗布液槽と被塗
布基板との相対的な移動方向における各位置での塗布液
槽の槽内圧力が、前記隙間に形成された塗布液の液溜り
の上端と被塗布基板との相対移動速度が実質的に一定と
なるように変化させられる。
【0022】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例について図面
を参照しながら説明する。
【0023】図1ないし図4は、この発明の1実施例を
示し、図1は、基板への塗布液塗布装置の要部の構成を
示す縦断面図であり、図2は、その正面図、図3は、そ
の部分の上面図であり、図4は、部分拡大縦断面図であ
る。
【0024】この塗布装置は、塗布液を塗布しようとす
る基板10を真空吸着等の手段によって固定し、基板10を
鉛直姿勢に保持する基板保持台(ステージ)12、並び
に、両端が閉塞され基板10の幅方向に延在する筒状をな
す塗布液槽14を備えている。塗布液槽14の前面壁部16に
は、それを貫通しかつその前端側へ上向きに傾斜するよ
うに塗布液流出路18が幅方向に形成されている。塗布液
流出路18は、多数の直線状の細管の集合、多数の微小孔
(少なくとも入口と出口とが連通してさえいれば両者の
個数は必ずしも一致する必要はなく、孔の途中形状は直
線状に限らない)の集合、或いは、1本又は複数本のス
リット状細溝ノズルから構成される。塗布液槽14は、そ
の前面壁部16の一部が前方へ突出して幅方向全体にわた
って前端面20が形成され、その前端面20とステージ12に
保持された基板10の被塗布面との間に寸法Gの隙間22が
形成されるように、前端面20が基板10の被塗布面に非接
触でかつ近接するように水平方向に配設されている。
尚、この塗布液槽14の前端面20も用途に応じて必ずしも
全長にわたって形成する必要はない。そして、塗布液槽
14の前面壁部16の前端面20は、その下端が塗布液流出路
18の前端面側出口24とその反対側の入口26との間の高さ
に位置するように形成されている。また、塗布液槽14
は、その前端面20とステージ12に保持された基板10の被
塗布面との間に寸法Gの隙間22を保ったままで、矢印a
に示すように縦方向、すなわち基板10の幅方向と直交す
る下方向へ直線的に移動させることができるように、図
示しない直動駆動機構に支持されている。また、基板10
をステージ12に容易に保持させまたステージ12から容易
に取り外すことができるように、ステージ12又は塗布液
槽14を隙間22が広がる方向へ移動させる駆動機構を設け
るようにしてもよい。また、その場合には、隙間22の寸
法Gを測定するための検出器を付設しておくとよい。
【0025】また、図1、図3及び図4には図示を省略
しているが、塗布液槽14には、図2に示すように、槽内
を加圧し、減圧し、及び、大気圧にし又は大気開放する
圧力設定系30、並びに、槽内へ塗布液を供給する塗布液
供給系32がそれぞれ設けられている。図2中の34、40は
切換えバルブ、36は、図示しない圧力調整部に連通接続
する管路、38は、大気に連通する管路である。また、塗
布液槽14には、槽内に注入された塗布液28の液面を検知
する検出器42が付設されている。
【0026】そして、塗布液槽14内へ塗布液供給系32か
ら塗布液28が供給され、その液面が塗布液流出路18の入
口26と前面壁部16の前端面20の下端との間の高さに位置
するように、すなわち図4中の範囲D内に位置するよう
に、検出器42で塗布液面を検知しながら塗布液槽14内に
塗布液28が注入される。この際、塗布液供給に伴う塗布
液槽14内の圧力上昇により、先に塗布液槽14内に供給さ
れた塗布液が塗布液流出路18を通って槽外へ流出する、
といった不都合を避けるため、圧力設定系30の切換えバ
ルブ34を操作して、例えば塗布液槽14内を大気開放の状
態としておくようにする。塗布液槽14内に所定量の塗布
液28が注入されると、塗布液28は、毛細管作用等により
塗布液流出路18の前端面側出口24の位置まで上昇する。
尚、このとき、塗布液槽14内に所定量の塗布液28が注入
されても、塗布液流出路18を通してその出口24からの塗
布液28の強制的流出が起こらないようにするため、塗布
液槽14内の圧力を、例えば引き続いて大気開放状態とな
るように圧力設定系30により設定しておく。
【0027】塗布液28が塗布液流出路18の前端面側出口
24の位置まで上昇したとき、基板10の被塗布面と塗布液
槽14の前面壁部16の前端面20との間に寸法Gの隙間22が
形成されていると、その隙間22内へ塗布液槽14内から塗
布液流出路18を通って塗布液28が流入し、毛細管作用等
により塗布液が隙間22内を流動し、前面壁部16の前端面
20の下端で塗布液の流動が規制されて、基板10の幅方向
に帯状の液溜り44が形成される。この液溜り44は、塗布
液流出路18を通して常時塗布液槽14内の塗布液28に連絡
している。
【0028】尚、塗布開始位置において最初に寸法Gの
隙間22に帯状の液溜り44を形成する際の方法としては、
圧力設定系30により塗布液槽14内を加圧して、強制的に
液溜り44の一部を形成した後に、塗布液槽14内を、塗布
液が強制的に塗布液流出路18を通って槽外へ流出しない
程度の圧力、例えば大気開放状態にし、その状態で帯状
の液溜り44を形成する方法、最初から帯状の液溜り44が
形成されるまでの間、塗布液槽14内を加圧状態として、
強制的に液溜り44を形成する方法、或いは、最初から帯
状の液溜り44が形成されるまでの間、塗布液槽14内を大
気開放状態として、強制的でなく液溜り44を形成する方
法などがある。これらのうち何れの方法によってもよい
が、何れの方法によった場合にも、遅くとも帯状の液溜
り44が形成された後では、塗布液槽14内を、その前面壁
部16の前端面20の下端等から塗布液が流出しない程度
で、かつ、後述する塗布途上において寸法Gの隙間22に
塗布液槽14から塗布液28が供給される圧力にしておき、
例えば大気開放状態としておく。
【0029】ここで、塗布液槽14の前面壁部16の前端面
20と基板10の被塗布面との間の隙間22の寸法Gは、塗布
品質の如何に関ってくるが、塗布品質に影響する因子、
例えば塗布液槽14或いは隙間22における液溜り44の上端
の移動速度、塗布液28の流動性や物性値、基板10の被塗
布面及び/又は前面壁部16の前端面20の濡れ性などを考
慮し、また、塗布液の利用効率、隙間22における液溜り
44の保持安定性なども考慮して、毛細管作用が発現する
範囲内において選定される。また、塗布液流出路18の寸
法は、塗布液槽14内の塗布液28を隙間22へ毛細管作用等
で流入させ、隙間22に毛細管作用等によって帯状の液溜
り44を形成させるのに支障が無い範囲で、かつ、塗布開
始時を含めて良好な塗布液膜を形成させることができる
範囲内で設定される。
【0030】一方、塗布液槽14の前面壁部16の前端面20
を除く前壁面21は、それと基板10の被塗布面との間に形
成される隙間へ液溜り44の塗布液が毛細管作用等によっ
て流入しない形状に形成される。そして、塗布液槽14内
の塗布液28の量、塗布液28の特性、基板10の被塗布面や
前面壁部16の前端面20の表面状態、隙間22の寸法Gなど
によっても、前面壁部16の前端面20の下端からの液溜り
44の塗布液の流出の有無が決定されるが、前端面20下端
等から液溜り44の塗布液が流出しないで、かつ、隙間22
へ塗布液流出路18を通って塗布液槽14内の塗布液28が毛
細管作用等により供給されるように、塗布液槽14の槽内
圧力が決定される。従って、隙間22の液溜り44の下端
は、前面壁部16の前端面20の下端で規制されることとな
って、液溜り44の塗布液は隙間22から流下することがな
い。
【0031】また、塗布液槽14の前面壁部16の前端面20
の上端は、前端面20と基板10の被塗布面との間の寸法G
の隙間22を上方へ無限に延長させたと仮定した場合に、
前面壁部16に形成された塗布液流出路18を通って隙間22
内へ流入した塗布液が毛細管作用等によって隙間22内を
上昇するときの到達高さ位置より上方に位置するように
形成されている。従って、塗布液槽14内に塗布液28を、
その液面が塗布液流出路18の入口26と前端面20の下端と
の間の高さになるように注入したとき、塗布液槽14内か
ら塗布液流出路18を通って隙間22内へ流入した塗布液で
隙間22に形成される液溜り44は、その下端が上述した通
り前端面20の下端に位置し、その上端が前端面20の上端
より下方に位置することとなる。そして、隙間22に、液
溜り44の上方の、塗布液の無い空間46が形成される。
【0032】一方、ステージ12には、塗布始端側に対応
する部位に貫通穴48が形成されている。この場合、基板
10は、例えばLCD用ガラス基板のように透明基板であ
る。従って、この塗布装置では、塗布始端側において、
ステージ12の貫通穴48を通し、透明な基板10の被塗布面
の反対面側から、基板10の被塗布面と塗布液槽14の前面
壁部16の前端面20との間の隙間22に基板10の幅方向にわ
たって帯状の液溜り44が形成されたことを確認すること
ができ、その確認後に、塗布液槽14を下方向へ移動させ
て塗布操作を行なうことができる。また、ステージ12の
貫通穴48に臨むように検出器50が付設されている(図2
及び図3では、その図示を省略)。この検出器50によ
り、塗布始端側において、隙間22に形成された液溜り44
の上端の移動速度が検出される。そして、図示していな
いが、検出器50からの検出信号に基づいて、塗布液槽14
を駆動する直動駆動機構を制御して、隙間22における液
溜り44の上端の移動速度が実質的に一定となるように、
塗布液槽14の移動速度を調整する制御装置が設けられて
いる。或いは、検出器50からの検出信号に基づいて、圧
力設定系30の圧力調整部を制御して、隙間22における液
溜り44の上端の移動速度が実質的に一定となるように、
塗布液槽14の槽内圧力を調整する制御装置が設けられて
いる。
【0033】尚、基板10の被塗布面への塗布液の塗布を
より確実に行なうためには、隙間22に基板10の幅方向に
わたって帯状の液溜り44が形成されたことを確認した後
に塗布操作を開始することが望ましいが、その確認に検
出器を使用する場合、隙間22における液溜り44の上端の
移動速度を検出する検出器50を前記確認に共用するよう
にしてもよいし、別の検出器を設けておいて、その別の
検出器によって前記確認を行なうようにしてもよい。
【0034】また、図1に示した上記例では、ステージ
12によって基板10を鉛直姿勢に保持しているが、基板を
前方方向(図1上における左方向)又は後方方向(図1
上における右方向)へ適当角度だけ傾斜させた姿勢に保
持するようにしてもよい。また、上記した例では、基板
10を静止させた状態で塗布液槽14を下方向へ移動させる
ようにしているが、基板と塗布液槽とは基板の縦方向に
相対的に移動させるようにすればよく、塗布液槽を静止
させた状態でステージに保持された基板を上方向へ移動
させるような構成としてもよい。
【0035】以上のような構成の塗布装置を使用して基
板10の被塗布面に塗布液を塗布するには、まず、ステー
ジ12に真空吸着等によって基板10を固定する。そして、
所定量の塗布液28が注入された塗布液槽14を、基板10の
上端側塗布必要領域において基板10の被塗布面と塗布液
槽14の前面壁部16の前端面20との間に寸法Gの隙間22が
形成されるように、例えば基板10から離間した位置から
基板10に向かって水平方向へ移動させ基板10に接近させ
る。この場合、塗布液槽14内に所定量の塗布液28が前も
って注入されていても、圧力設定系30により塗布液槽14
内の圧力を、塗布液28が槽外へ流出しない圧力に設定、
例えば大気開放状態にしておけば、塗布液槽14内から塗
布液流出路18を通って塗布液28が流出することはない。
勿論、塗布液槽14の前面壁部16の前端面20と基板10の被
塗布面との間に寸法Gの隙間22が形成された後に、塗布
液槽14内へ所定量の塗布液28を注入するようにしてもよ
い。
【0036】次に、圧力設定系30により塗布液槽14内を
加圧し、塗布液槽14内から塗布液流出路18を通って隙間
22へ塗布液を流出させ、隙間22に液溜り44の一部を形成
させた後、強制的に槽外へ塗布液が流出しないように塗
布液槽14内を大気開放状態にし、隙間22に帯状の液溜り
44を形成させる。或いは、隙間22が形成された後、塗布
液槽14内を帯状の液溜り44が形成されるまで加圧しても
よいし、また、隙間22の形成後、塗布液槽14内を大気開
放状態にして帯状の液溜り44を形成するようにしてもよ
い。また、塗布液槽14の前面壁部16の前端面20の下端等
から液溜り44の塗布液が流出しないで、かつ、隙間22へ
塗布液流出路18を通って塗布液槽14内の塗布液28が毛細
管作用等によって供給されるような槽内圧力だけで、或
いは、その槽内圧力と加圧、大気開放等との組合せで、
帯状の液溜り44を形成するようにしてもよい。その他、
どのような方法によって隙間22に帯状の液溜り44を形成
するようにしてもよいが、何れにしても、隙間22に帯状
の液溜り44が形成された以後は、液溜り44の塗布液が隙
間22から流出せず、かつ、後述する塗布途上において隙
間22に塗布液槽14から塗布液28が供給される圧力に塗布
液槽14内を調整しておく必要があり、例えば塗布液槽14
内を大気開放状態としておく。
【0037】隙間22に帯状の液溜り44が形成されると、
塗布液槽14の前面壁部16の前端面20と基板10の被塗布面
との間に寸法Gの隙間22を保ったまま、基板10の縦方向
(図1の矢印aの方向)へ塗布液槽14を移動させる。こ
のとき、塗布始端側において、検出器50により、隙間22
に形成された液溜り44の上端の移動速度が検出され、そ
の検出信号に基づいて制御装置により直動駆動機構が制
御される。そして、隙間22における液溜り44の上端の移
動速度が実質的に一定となるように、塗布液槽14の移動
速度が調整される。或いは、塗布液槽14の移動速度を許
容速度範囲で定速に保った状態で、検出器50の検出信号
に基づいて制御装置により圧力設定系30の圧力調整部が
制御され、隙間22における液溜り44の上端の移動速度が
実質的に一定となるように、塗布液槽14の槽内圧力が調
整される。そして、隙間22における液溜り44の上端が少
なくとも塗布必要領域から外れる位置、例えば二点鎖線
で示す基板10の下端近くまで塗布液槽14を移動させた後
停止させる。
【0038】上記したように、塗布液槽14が基板10の上
端近くから下端近くまで移動することにより、基板10の
被塗布面の塗布必要領域に液溜り44の塗布液が接するこ
とになり、図4に示すように基板10の被塗布面に塗布液
が塗布されて塗布液膜52が形成される。尚、塗布途上に
おいては、隙間22の液溜り44の塗布液が被塗布面に塗布
されて消費されるが、その消費量に見合った量の塗布液
が塗布液槽14内から塗布液流出路18を通して毛細管作用
等により隙間22へ供給され、隙間22の液溜り44の塗布液
量は一定に保たれる。
【0039】塗布液槽14が基板10の下端近くの位置で停
止して基板10の被塗布面への塗布液の塗布が終了する
と、ステージ12から基板10を取り外す。この際、塗布液
槽14をステージ12から離間する水平方向へ移動させる
か、ステージ12を塗布液槽14から離間する水平方向へ移
動させるようにすると、基板10の取外しが容易になる。
ステージ12から塗布済みの基板10が取り外されると、次
の基板10への塗布液塗布のために最初の工程へ戻る。
【0040】以上のようにして、被塗布面の塗布必要領
域に塗布液膜が形成された基板が得られるが、この塗布
装置では、上記したように、少なくとも塗布始端側にお
いて、隙間22に形成された液溜り44の上端の移動速度が
実質的に一定となるように制御される。このように、隙
間22の寸法G、塗布液28の特性、基板10の被塗布面や塗
布液槽14の前面壁部16の前端面20の濡れ性などの他、塗
布液膜の膜厚を決定する変動因子である、隙間22におけ
る液溜り44の上端の移動速度が、実質的に一定となるの
で、基板10の被塗布面に塗布された塗布液膜の膜厚も一
定となる。従って、塗布始端近傍において塗布液膜の膜
厚が許容範囲を外れて非有効領域が発生する、といった
ことは生じない。
【0041】尚、塗布液槽14をステージ12から離間する
方向へ移動させたとき、隙間22の液溜り44の塗布液は、
隙間22が広がって液溜り44が破壊されることにより、被
塗布面や前面壁部16の前端面20に付着しまた流下して、
以後の塗布に使用することができなくなる。そこで、塗
布液槽14をステージ12から離間させる前に、圧力設定系
30により塗布液槽14内を減圧状態とし、隙間22の液溜り
44の塗布液を塗布液流出路18を通し逆流させて塗布液槽
14内に回収するようにしてもよい。この回収の際には、
塗布液槽14の前面壁部16の前端面20の、少なくとも塗布
液流出路18の前端面側出口24から前端面20の上端までの
範囲が基板10の下端側から外れておらず、前端面20と基
板10の被塗布面との間に隙間22が形成されている状態に
しておく必要がある。
【0042】図1ないし図4に示した塗布装置の塗布液
槽14は、基板10の被塗布面と前面壁部16の前端面20とに
よって形成される隙間22が前端面20の全域で一定の寸法
Gとなるように構成されているが、塗布液槽の前面壁部
の前端面の形状は、上記実施例で示したものに限定され
ない。その例を図5及び図6に示す。
【0043】図5に部分拡大縦断面図を示した塗布装置
の塗布液槽54は、その前面壁部56の前端面が、前端面下
部60aとこの前端面下部60aより後方側へ凹んだ前端面
上部60bとからなる段付き面に形成されている。前面壁
部56の前端面下部60aとステージ12に保持された基板10
の被塗布面との間に形成される下部隙間62aの寸法G
は、図1ないし図4に示した塗布装置における隙間22の
寸法Gと同一であり、前端面上部60bと被塗布面との間
に形成される上部隙間62bの寸法G1は、下部隙間62a
の寸法Gより大きくなる。そして、塗布液流出路58の前
端面側出口64が、前面壁部56の前端面下部60aと前端面
上部60bとの境界部に位置するように形成されている。
また、前面壁部56の前端面下部60aの下端は、塗布液流
出路58の前端面側出口64とその反対側の入口66との間の
高さに位置するように形成され、一方、前面壁部56の前
端面上部60bの上端は、前端面上部60bと基板10の被塗
布面との間の寸法G1の上部隙間62bを上方へ無限に延
長させたと仮定した場合に、前面壁部56に形成された塗
布液流出路58を通って上部隙間62b内へ流入した塗布液
が毛細管作用等によって上部隙間62b内を上昇するとき
の到達高さ位置より上方に位置するように形成されてい
る。従って、塗布液槽54内に塗布液28を、その液面が塗
布液流出路58の入口66と前端面下部60aの下端との間の
高さになるように注入すると、塗布液槽54内から塗布液
流出路58を通って隙間62a、62b内へ流入した塗布液に
より、下端が前端面下部60aの下端に位置し上端が前端
面上部60bの上端より下方に位置した液溜り68が形成さ
れることになる。そして、上部隙間62bに、液溜り68の
上方の、塗布液の無い空間70が形成される。
【0044】図6は、図5に示した塗布液槽54と同様の
作用効果を奏する塗布液槽の別の構成例を示す部分拡大
縦断面図である。この塗布液槽74では、その前面壁部76
の前端面が、その下端から塗布液流出路78の前端面側出
口84を僅かに過ぎた位置までの前端面下部80aと、前端
面側出口84を僅かに過ぎた位置から上端までの、前端面
下部80aより後方側へ凹んだ前端面上部80bとからなる
段付き面に形成されており、塗布液流出路78の出口84
が、前端面下部80aと基板10の被塗布面との間の下部隙
間82aに開口している。それ以外の構成は、図5に示し
た塗布液槽54と同じである。すなわち、前面壁部76の前
端面下部80aと基板10の被塗布面との間の下部隙間82a
の寸法Gは、図5に示した塗布液槽54における下部隙間
62aの寸法Gと同一であり、前端面上部80bと被塗布面
との間の上部隙間82bの寸法G2は、下部隙間82aの寸
法Gより大きくされている。また、前面壁部76の前端面
下部80aの下端は、塗布液流出路78の前端面側出口84と
その反対側の入口86との間の高さに位置するように形成
され、一方、前面壁部76の前端面上部80bの上端は、寸
法G2の上部隙間82bを上方へ無限に延長させたと仮定
した場合に塗布液が毛細管作用等によって上部隙間82b
内を上昇するときの到達高さ位置より上方に位置するよ
うに形成されており、塗布液槽74内に塗布液28を所定量
だけ注入したときに、塗布液槽74内から塗布液流出路78
を通って隙間82a、82b内へ流入した塗布液により、下
端が前端面下部80aの下端に位置し上端が前端面上部80
bの上端より下方に位置した液溜り88が形成され、ま
た、上部隙間82bに、液溜り88の上方の、塗布液の無い
空間90が形成されることになる。
【0045】尚、図1ないし図4、図5及び図6にそれ
ぞれ示した各塗布装置では、塗布液槽14、54、74の前面
壁部16、56、76に形成された塗布液流出路18、58、78
は、その前端面側出口24、64、84よりその反対側の入口
26、66、86が下方に位置するように傾斜している。ま
た、塗布液槽14、54、74の前面壁部16、56、76は、塗布
液流出路18、58、78の前端面側出口24、64、84とその反
対側の入口26、66、86との間の高さに前端面20又は前端
面下部60a、80aの下端が位置するように形成されてい
る。そして、塗布液槽14、54、74の前面壁部16、56、76
の前端面20又は前端面下部60a、80aの下端と塗布液流
出路18、58、78の入口26、66、86との間の高さに塗布液
面が位置するように、塗布液槽14、54、74内に塗布液28
を注入して、基板10の被塗布面への塗布液の塗布を行な
うようにしている。しかしながら、塗布液流出路の形成
の仕方、塗布液槽の前面壁部の前端面下端と塗布液流出
路の前端面側出口及びその反対側の入口との位置関係、
塗布液槽内に注入される塗布液の液面高さの条件など
は、上記実施例の内容に限定されない。
【0046】すなわち、塗布液流出路は、その前端面側
出口とその反対側の入口とが同一高さに位置するように
水平方向に形成するようにしてもよいし、また、前端面
側出口よりその反対側の入口が上方に位置するように傾
斜させて形成するようにしてもよい。また、塗布液槽の
前面壁部の前端面下端を、塗布液流出路の前端面側出口
の反対側の入口より下方に位置するように形成してもよ
い。さらにまた、塗布液槽内に注入する塗布液の量につ
いても、液面が塗布液流出路の前端面側出口の反対側の
入口より上方に位置してさえおればよい。但し、何れの
場合においても、塗布終了過程では、その時の状態に応
じて塗布液槽の槽内圧力を適正値に設定しておくように
する。また、基板の被塗布面に塗布液を塗布する際に
は、基板の被塗布面と塗布液槽の前面壁部の前端面とで
形成される隙間に、上部に塗布液の無い空間を有した状
態で液溜りが形成されるように、かつ、この隙間から液
溜りの塗布液が流出しないように、さらに被塗布面に塗
布液が塗布されることによって消費された量に応じてこ
の隙間に塗布液が供給されるように等々、上記本発明の
目的が達成されるように構成し条件設定するものとす
る。
【0047】また、図1ないし図4、図5及び図6にそ
れぞれ示した各塗布装置では、ガラス基板等の透明の基
板10に塗布液を塗布する場合において、基板10の被塗布
面の反対面側から、基板10の被塗布面と塗布液槽14、5
4、74の前面壁部16、56、76の前端面20、60a・60b、8
0a・80bとの間の隙間22、62a・62b、82a・82bに
帯状の液溜り44、68、88が形成されたことを確認するこ
とができるように、また、塗布始端側において前記隙間
22、62a・62b、82a・82bに形成された液溜り44、6
8、88の上端の移動速度を検出することができるよう
に、ステージ10に貫通穴48を穿設しているが、透明の基
板の被塗布面の反対面側から液溜りを観察することがで
きるようにする構成は、上記実施例の内容に限定されな
い。例えば、基板をステージに、基板の上端部分がステ
ージの上端辺より突出した状態で保持させるようにして
もよいし、ステージの縦方向の長さを、基板の幅方向と
直交する方向すなわち縦方向の長さより短くして、基板
を、その上端部分がステージの上端辺より突出した状態
でステージに保持させるようにしてもよい。また、ステ
ージの少なくとも必要部分を透明ガラス等の透明材料で
形成するようにしてもよい。さらに、基板の被塗布面の
塗布始端から塗布終端に対応する範囲の大きさに貫通穴
48をステージに設けてもよい。
【0048】また、基板の被塗布面と塗布液槽の前面壁
部の前端面との間の隙間に形成された液溜りの上端の移
動速度を検出するための検出器は、固定して付設する方
法に限定されず、塗布液槽に取着するなどの方法によ
り、塗布液槽の移動速度と同一速度で検出器を移動させ
るようにしてもよい。この場合には、検出器により、塗
布液槽に対する隙間における液溜りの上端の相対移動速
度が検出されることとなる。また、塗布液槽を固定し基
板を移動させて塗布操作を行なう場合においても、検出
器を固定して付設するようにしてもよいし、基板の移動
速度と同一速度で検出器を移動させるようにしてもよ
い。さらに、上記実施例では、検出器が少なくとも基板
の被塗布面の塗布始端側を検出する構成となっている
が、例えば、基板の被塗布面の幅方向と直交する方向、
すなわち、塗布液槽の移動方向全域に延在して設けられ
たラインセンサー等の、より広範囲に検出可能な検出器
を採用した場合、塗布液槽の移動方向全域に渡る検出が
可能となり、従って、塗布液の液溜りの上端と基板との
相対移動速度を移動方向全域に渡って一定に制御するこ
とができる。勿論、上述のように塗布液槽に検出器を取
着した場合にも、このような移動方向全域に渡る制御が
可能となる。
【0049】次に、図7は、基板が不透明である場合に
も、液溜りの上端の移動速度を検出することができ、ま
た、塗布開始位置に帯状の液溜りが形成されていること
を確認することができる装置の構成例を示す部分拡大縦
断面図である。この塗布液槽104の基本構成は、図1な
いし図4に示した塗布液槽14と同様である。すなわち、
塗布液槽104は、その前面壁部106の前端面とステージ10
2に保持された基板100の被塗布面との間に寸法Gの隙間
112が形成されている。また、前面壁部106の前端面110
の下端が、塗布液流出路108の前端面側出口114とその反
対側の入口116との間の高さに位置するように形成さ
れ、一方、前面壁部106の前端面110の上端が、隙間112
を上方へ無限に延長させたと仮定した場合に塗布液が毛
細管作用等によって隙間112内を上昇するときの到達高
さ位置より上方に位置するように形成されており、塗布
液槽104内に塗布液28を所定量だけ注入したときに、塗
布液槽104内から塗布液流出路108を通って隙間112内へ
流入した塗布液により、下端が前端面110の下端に位置
し上端が前端面110の上端より下方に位置した液溜り118
が形成され、隙間112の、液溜り118の上方に、塗布液の
無い空間120が形成されている。勿論、塗布液槽の基本
構成は、図1ないし図4に示した塗布液槽14と同様のも
のでなくてもよい。
【0050】この塗布液槽104は、その上部に、幅方向
の少なくとも一部において前後方向に貫通した貫通穴12
2が形成されるとともに、その貫通穴122の前端側に、開
口面を閉塞するように透明ガラス板などの透明体124が
嵌め込まれ、その透明ガラス板124の前壁面によって前
面壁部106の前端面の一部が形成されている。また、塗
布液槽104の貫通穴122の内部には、透明ガラス板124と
対向するように検出器126が配設されている。この検出
器126により、基板100の被塗布面側から透明ガラス板12
4を通し、隙間112における液溜り118の上端の移動速度
を検出することができるようになっている。但し、この
塗布装置では、検出器126は、塗布液槽104と一体的に移
動するので、塗布液槽104に対する液溜り118の上端の相
対移動速度を検出することになる。そして、図示してい
ないが、検出器126からの検出信号に基づいて、塗布液
槽104を駆動する直動駆動機構を制御し、或いは、圧力
設定系の圧力調整部を制御して、基板100に対する液溜
り118の上端の移動速度が実質的に一定となるように塗
布液槽104の移動速度或いは塗布液槽104の槽内圧力を調
整する制御装置が設けられている。尚、塗布液槽104を
一定速度で下向き(矢印aの方向)に移動させ、基板10
0に対する液溜り118の上端の移動速度が実質的に一定と
なるように塗布液槽104の槽内圧力を調整する場合にお
いては、塗布液槽104に対する液溜り118の上端の相対移
動速度を零にすればよいことになる。
【0051】図7に示した塗布液槽104を有する塗布装
置を使用して基板100の被塗布面への塗布液の塗布を行
なうときの操作は、図1ないし図4に示した塗布装置と
全く同様であるが、この塗布装置では、塗布始端側に限
らずそれ以外の位置においても、塗布液槽104に対する
液溜り118の上端の相対移動速度を検出し、また、隙間1
12に形成された液溜り118の状態を随時観察することが
できる。尚、この塗布装置は、基板が透明である場合に
も有効に使用することが可能である。
【0052】尚、図7に示したように塗布液槽104に検
出器126を付設するのでなく、検出器を塗布液槽とは別
に設置するようにしてもよい。この場合、検出器を塗布
液槽の移動速度と同一速度で移動させるようにしてもよ
いし、また、検出器を固定して付設するようにしてもよ
い。また、基板100の被塗布面への塗布液の塗布をより
確実に行なうためには、隙間112に基板100の幅方向にわ
たって帯状の液溜り118が形成されたことを確認した後
に塗布操作を開始することが望ましいが、その確認に検
出器を使用する場合、塗布液槽104に対する液溜り118の
上端の相対移動速度を検出する検出器126を前記確認に
共用するようにしてもよいし、別の検出器を設けておい
て、その別の検出器によって前記確認を行なうようにし
てもよい。
【0053】また、図7に示したような構成の塗布液槽
104を使用し、検出器126によって基板100の被塗布面側
から隙間112における液溜り118の上端の移動速度を検出
するようにしたときは、図1ないし図4に示したように
貫通穴48を有するステージ12を使用する必要は特に無い
わけであるが、図7に示したような塗布液槽104と図1
ないし図4に示したように貫通穴48を有するステージ12
とを組み合わせて塗布装置を構成しても差し支えない。
この場合には、基板を透明とし、例えば、基板の被塗布
面の反対面側に照明を配置し、基板の被塗布面側に検出
器を配置する構成とすることができる。
【0054】次に、上記した実施例とは異なる別の制御
方法について説明する。
【0055】例えば、図1ないし図4に示した塗布装置
(但し、検出器50は不要であり、ステージ12に貫通穴48
を設ける必要も無い。)を使用し、基板10の被塗布面と
塗布液槽14の前面壁部16の前端面20との間の隙間22に形
成された液溜り44の上端の移動速度が実質的に一定にな
るようにする制御を行なわないで、単に、塗布液槽14を
瞬時に所望の速度に立ち上げてその速度で定速移動さ
せ、基板10の被塗布面に塗布液を塗布したときに、被塗
布面に塗布された塗布液膜の膜厚の変化を調べる。この
場合、既に説明した通り、塗布液槽14を定速移動させた
だけでは、塗布液槽14の移動速度が所望速度になった時
点以降において、塗布始端側の或る範囲では、隙間22に
おける液溜り44の上端の移動速度は、塗布液槽14の移動
速度より低速となり、その後に液溜り44の上端の移動速
度が次第に増加していき、やがて液溜り44の移動速度は
塗布液槽14の移動速度と等しくなる。ここで、塗布液膜
の膜厚を決定する要因の1つが、隙間22における液溜り
44の上端の移動速度であり、液溜り44の上端の移動速度
が大きいほど塗布液膜の膜厚が厚くなり、液溜り44上端
の移動速度が小さいほど塗布膜厚の膜厚が薄くなる。従
って、塗布始端側においては、塗布液膜の膜厚が薄くな
り、塗布液槽14の移動方向(基板10の幅方向と直交する
方向すなわち縦方向)における塗布液膜の膜厚の変化
は、図10に示すような曲線となる。
【0056】そこで、予め、基板10の被塗布面に塗布さ
れた塗布液膜の、基板10の幅方向と直交する(塗布液槽
14の移動方向)における膜厚の変化を示す図10の曲線
を実験的に求めておく。また、前もって、定常領域にお
ける液溜り44の上端の移動速度、従って塗布液槽14の移
動速度(定常領域においては液溜り44の上端の移動速度
と塗布液槽14の移動速度とは等しい)と塗布液膜の膜厚
との関係を実験的に求めておく。そして、両者から、図
10に示した、塗布液膜の膜厚の変化を表わす曲線を、
図11に示すように、塗布液槽14の移動方向における各
位置での液溜り44の上端の移動速度Vaの変化を示す曲
線に変換する。尚、図11には、塗布液槽14の移動方向
における各位置での塗布液槽14の移動速度Vbの推移を
示す直線も併せて表示している。そして、塗布液槽14の
移動速度Vbと液溜り44の上端の移動速度Vaとの差分を
ΔVとし(図11参照)、このΔVを塗布液槽14の移動
速度Vbに加算して、塗布液槽14の移動方向における各
位置での塗布液槽14の移動速度の変化を示す図12の曲
線を求める。すなわち、塗布始端側において隙間22にお
ける液溜り44の上端の移動速度Vaが塗布液槽14の移動
速度Vbより低速となる分(ΔV)だけ塗布液槽14の移
動速度Vbに加算することにより、隙間22における液溜
り44の移動速度を実質的に一定にすることができるよう
にする。図12の曲線に表わした、塗布液槽14の移動方
向における各位置での塗布液槽14の移動速度の変化を示
すデータを制御用データとし、或いは前記データを実験
的にさらに補正した補正データを制御用データとして、
メモリ等に記憶させておく。そして、実際に基板10の被
塗布面への塗布液の塗布を行なうときには、制御装置に
より、メモリ等に記憶させておいた制御用データに基づ
いて直動駆動機構を制御し、塗布液槽14の移動速度を調
整する。これにより、隙間22における液溜り44の移動速
度は、塗布始端側においても実質的に一定となり、塗布
始端近傍における塗布液膜の膜厚の不具合が防止される
こととなる。
【0057】尚、塗布液槽の移動速度を制御する際の基
準となる制御用データの算定において、上記説明では、
塗布液槽14を瞬時に所望速度まで立ち上げて一定速度で
移動させ基板10の被塗布面に塗布液を塗布したときの、
塗布液槽14の移動方向における塗布液膜の膜厚の変化を
示す図10の曲線を求めるようにしているが、塗布液槽
14を立ち上げる方法、条件は、上記した方法に限定され
ない。また、塗布液槽の移動速度を制御する際の基準と
なる制御用データの算定の方法も、上記説明の内容に限
定されない。例えば、別の塗布装置により、基板の被塗
布面と塗布液槽の前面壁部の前端面との間の隙間に形成
された液溜りの上端の移動速度を検出してその移動速度
が実質的に一定となるように、塗布液槽の移動速度を制
御しながら基板の被塗布面への塗布液の塗布を行ない、
その際における塗布液槽の移動速度を連続的に実測し、
その実測値に従って制御用データを算定するか、或い
は、その実測側を補正して制御用データを算定するよう
にしてもよい。
【0058】また、上記した方法と同様にして、隙間に
おける液溜りの上端の移動速度を実質的に一定にするこ
とができるように、塗布液槽の移動方向における各位置
での塗布液槽の槽内圧力を制御する基準となる制御用デ
ータ(塗布液槽の槽内圧力の変化を示す曲線)を算定し
ておくようにし、その制御用データに基づいて塗布液槽
の槽内圧力を調整しながら基板の被塗布面への塗布液の
塗布を行なうようにすることもできる。
【0059】尚、塗布終端側においては、塗布液槽の前
面壁部に形成された塗布液流出路の前端面側出口が基板
の下端位置を下方へ外れた時点以降において、塗布液槽
内から塗布液流出路を通し基板の被塗布面と前面壁部の
前端面との間の隙間への塗布液の供給が行なわれなくな
る。このため、隙間における液溜りの上端の移動速度
は、基板の被塗布面に塗布されて消費される塗布液の量
に対応する速度分だけ塗布液槽の移動速度より速くな
る。従って、塗布終端側において、塗布液槽を一定速度
で下方へ移動させると、隙間における液溜りの上端の移
動速度が一定とならずに塗布液槽の移動速度より速くな
る。この結果、塗布終端近傍において塗布液膜の膜厚が
厚くなる、といった不具合が生じる。このような不具合
を無くすためには、上述した方法に準じて、塗布液槽の
移動速度或いは塗布液槽の槽内圧力を調整することによ
り、隙間における液溜りの上端の移動速度を実質的に一
定とするようにすればよい。
【0060】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る塗布液塗布
装置を使用して基板に塗布液を塗布するようにすれば、
塗布液の有効利用が図られて塗布液使用量が少なくな
り、塗布液膜の膜厚均一性等の塗布品質の向上が図られ
る。また、この塗布装置は、小型化されて設置スペース
が少なくて済み、特に、近年において大型化する傾向に
あるLCD用ガラス基板に塗布液を塗布する場合などに
有利となり、また、構成も簡易で、塗布工程も比較的簡
便に行なうことができる。さらに、この塗布装置を使用
したときは、塗布液の汚れが生ぜず、またスピニング装
置におけるような基板表面上の塗布液の飛散もない。ま
た、この塗布装置では、被塗布基板の被塗布面に非接触
で塗布液の塗布が行なわれるため、基板の有効部分、例
えばLCD用ガラス基板では表示領域を形成する部分に
傷が付くことによって品質低下を来すといったような恐
れが無い。さらに、この塗布装置によると、膜厚の薄い
塗布液膜を基板表面に形成したり、膜厚のむらを最小限
に抑えることができる。そして、この塗布装置を使用す
れば、基板の被塗布面の少なくとも塗布始端近傍におい
て塗布液膜の膜厚が許容範囲を外れる非有効領域が発生
するのを防止ないしは可能な限り少なくすることがで
き、基板を最大限に有効に使用することができることと
なる。
【0061】請求項2に記載の発明に係る塗布装置を使
用すれば、被塗布基板の被塗布面と塗布液槽の前面壁部
の前端面との間の隙間に形成された塗布液の液溜りの上
端と被塗布基板との相対移動速度を実質的に一定とする
制御を比較的容易に行なうことができる。
【0062】請求項3に記載の発明に係る塗布装置で
は、塗布液槽と被塗布基板とを一定速度で相対的に移動
させるようにすることができ、直動駆動機構の制御を行
なわなくてもよい。
【0063】請求項4に記載の発明に係る塗布装置を使
用すれば、塗布始端側に限らずそれ以外の位置において
も、隙間における液溜りの相対移動速度を簡便に検出器
で検出することができる。
【0064】請求項5に記載の発明に係る塗布装置を使
用すれば、請求項3及び請求項4に記載の各発明による
上記効果に加え、隙間における液溜りの上端と塗布液槽
との相対速度が零となるように圧力調整手段を制御する
ようにすればよく、その制御が比較的容易となる。
【0065】請求項6に記載の発明に係る塗布装置を使
用すれば、請求項2に記載の発明による上記効果に加
え、検出器を設ける必要が無く、また、その検出器によ
る検出を可能にするための構成、例えば基板を保持する
ステージに貫通穴を設けたり、塗布液槽に貫通穴を形成
したりするなどといった構成が不要となり、装置構成が
比較的簡単になる。
【0066】請求項7に記載の発明に係る塗布装置を使
用すれば、請求項3に記載の発明による上記効果に加
え、検出器やその検出器による検出を可能にするための
構成が不要となり、装置構成が比較的簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1実施例を示し、基板への塗布液塗
布装置の要部の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1に示した装置の正面図である。
【図3】図1に示した装置の上面図である。
【図4】図1に示した装置の部分拡大縦断面図である。
【図5】塗布液槽の別の構成例を示す部分拡大縦断面図
である。
【図6】塗布液槽のさらに別の構成例を示す部分拡大縦
断面図である。
【図7】この発明に係る塗布液塗布装置の別の構成例を
示す部分拡大縦断面図である。
【図8】この発明の作用を説明するための図であって、
塗布液槽の移動方向における各位置での塗布液槽と被塗
布基板との相対移動速度の変化、及び、基板の被塗布面
と塗布液槽の前面壁部の前端面との間の隙間に形成され
た塗布液の液溜りの上端と被塗布基板との相対移動速度
の変化をそれぞれ示す線図である。
【図9】同じく、塗布液槽の移動方向における各位置で
の塗布液膜の膜厚の変化を示す線図である。
【図10】請求項6に記載の発明を実施する方法を説明
するための図であって、塗布液槽の移動方向における各
位置での塗布液膜の膜厚の変化を示す線図である。
【図11】同じく、塗布液槽の移動方向における各位置
での塗布液槽の移動速度の変化、及び、基板の被塗布面
と塗布液槽の前面壁部の前端面との間の隙間に形成され
た塗布液の液溜りの上端の移動速度の変化をそれぞれ示
す線図である。
【図12】同じく、塗布液槽の移動速度を制御する際の
基準となる制御用データを示す線図である。
【符号の説明】
10、100 基板 12、102 ステージ 14、54、74、104 塗布液槽 16、56、76、106 前面壁部 18、58、78、108 塗布液流出路 20、110 前面壁部の前端面 22、112 隙間 28 塗布液 30 圧力設定系 32 塗布液供給系 44、68、88、118 塗布液の液溜り 46、70、90、120 液溜り上方の、塗布液の無い空間 48 ステージの貫通穴 50、126 検出器 60a、80a 前面壁部の前端面下部 60b、80b 前面壁部の前端面上部 62a、82a、 下部隙間 62b、82b 上部隙間 122 塗布液槽の貫通穴 124 透明体(透明ガラス板)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−159646(JP,A) 特開 平5−72578(JP,A) 特開 平6−338448(JP,A) 特開 平2−258085(JP,A) 特開 平6−224114(JP,A) 特開 平6−151296(JP,A) 特開 平8−141467(JP,A) 実開 昭55−36833(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 B05C 5/00 G03F 7/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗布基板を鉛直姿勢又は傾斜した姿勢
    に保持する基板保持手段と、 両端が閉塞され前記基板保持手段に保持された被塗布基
    板の幅方向に延在する筒状をなし、前面壁部にそれを貫
    通するように、多数の細管、多数の微小孔又はスリット
    状細溝ノズルからなる塗布液流出路が幅方向にわたって
    形成され、前記前面壁部の前端面が、基板保持手段に保
    持された被塗布基板の被塗布面に非接触でかつ近接する
    ように水平方向に配設され、前面壁部の前端面と被塗布
    基板の被塗布面との間に隙間を保ったまま被塗布基板に
    対しその縦方向に相対的に移動自在に保持された塗布液
    槽と、 この塗布液槽と前記基板保持手段に保持された被塗布基
    板とを相対的に直線的に移動させる直動手段とを備え、 前記塗布液槽内に塗布液を注入したときに、前記基板保
    持手段に保持された被塗布基板の被塗布面と塗布液槽の
    前面壁部の前端面との間の隙間に、前記塗布液流出路を
    通って流出した塗布液の液溜りが形成され、その隙間に
    おける液溜りの塗布液が被塗布基板の被塗布面に塗布さ
    れて消費される量に応じ、塗布液槽内の塗布液が塗布液
    流出路を通って供給されるようにし、 前記塗布液槽が前記基板保持手段に保持された被塗布基
    板に対し停止した状態から相対的移動を開始して、少な
    くとも塗布液槽と被塗布基板との相対移動速度が許容範
    囲に到達した時点以降において、被塗布基板の被塗布面
    と塗布液槽の前面壁部の前端面との間の隙間に形成され
    た塗布液の液溜りの上端と被塗布基板との相対移動速度
    が実質的に一定となるように、少なくとも塗布始端側に
    おいて制御する制御手段を設けた、基板への塗布液塗布
    装置。
  2. 【請求項2】 制御手段が、 被塗布基板の被塗布面と塗布液槽の前面壁部の前端面と
    の間の隙間に形成された塗布液の液溜りの上端と被塗布
    基板との相対移動速度を検出する検出器を備え、 その検出器の検出信号に基づいて直動手段を制御するも
    のである請求項1記載の、基板への塗布液塗布装置。
  3. 【請求項3】 塗布液槽に、その槽内の圧力を調整する
    圧力調整手段が付設され、 制御手段が、 被塗布基板の被塗布面と塗布液槽の前面壁部の前端面と
    の間の隙間に形成された塗布液の液溜りの上端と被塗布
    基板との相対移動速度を検出する検出器を備え、 その検出器の検出信号に基づいて前記圧力調整手段を制
    御するものである請求項1記載の、基板への塗布液塗布
    装置。
  4. 【請求項4】 制御手段が、 被塗布基板の被塗布面と塗布液槽の前面壁部の前端面と
    の間の隙間に形成された塗布液の液溜りの上端と塗布液
    槽との相対移動速度を検出する検出器を備え、 その検出器の検出信号に基づいて直動手段を制御するも
    のである請求項1記載の、基板への塗布液塗布装置。
  5. 【請求項5】 塗布液槽に、その槽内の圧力を調整する
    圧力調整手段が付設され、 制御手段が、 被塗布基板の被塗布面と塗布液槽の前面壁部の前端面と
    の間の隙間に形成された塗布液の液溜りの上端と塗布液
    槽との相対移動速度を検出する検出器を備え、 その検出器の検出信号に基づいて前記圧力調整手段を制
    御するものである請求項1記載の、基板への塗布液塗布
    装置。
  6. 【請求項6】 制御手段が、 塗布液槽と被塗布基板との相対的な移動方向における各
    位置での塗布液槽と被塗布基板との相対移動速度の変化
    を示すデータであって、被塗布基板の被塗布面と塗布液
    槽の前面壁部の前端面との間の隙間に形成された塗布液
    の液溜りの上端と被塗布基板との相対移動速度を実質的
    に一定にすることができる予め求められた制御用データ
    を記憶する記憶手段を備え、 その記憶手段に記憶された制御用データに基づいて直動
    手段を制御するものである請求項1記載の、基板への塗
    布液塗布装置。
  7. 【請求項7】 塗布液槽に、その槽内の圧力を調整する
    圧力調整手段が付設され、 制御手段が、 塗布液槽と被塗布基板との相対的な移動方向における各
    位置での塗布液槽の槽内圧力の変化を示すデータであっ
    て、被塗布基板の被塗布面と塗布液槽の前面壁部の前端
    面との間の隙間に形成された塗布液の液溜りの上端と被
    塗布基板との相対移動速度を実質的に一定にすることが
    できる予め求められた制御用データを記憶する記憶手段
    を備え、 その記憶手段に記憶された制御用データに基づいて前記
    圧力調整手段を制御するものである請求項1記載の、基
    板への塗布液塗布装置。
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