JPH1176894A - 塗布装置および塗布方法 - Google Patents

塗布装置および塗布方法

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JPH1176894A
JPH1176894A JP24709497A JP24709497A JPH1176894A JP H1176894 A JPH1176894 A JP H1176894A JP 24709497 A JP24709497 A JP 24709497A JP 24709497 A JP24709497 A JP 24709497A JP H1176894 A JPH1176894 A JP H1176894A
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JP
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coating
coating liquid
liquid
tank
substrate
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Withdrawn
Application number
JP24709497A
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English (en)
Inventor
Eiji Okuno
英治 奥野
Kazuto Ozaki
一人 尾崎
Satoru Tanaka
悟 田中
Kazuo Kise
一夫 木瀬
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Coating Apparatus (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 省設置スペースで、しかも塗布液の無駄を抑
制しながら、基板に塗布液を塗布することができる塗布
装置および塗布方法を提供する。 【解決手段】 ノズル1に対して外部タンク51が別個
独立して設けられるとともに、ノズル1と外部タンク5
1とが連通管52によって連通されており、当該連通管
52を介してノズル1内に設けられた塗布液槽11に塗
布液が適宜補充する。このため、塗布処理により塗布液
槽11内の塗布液が消費されても直ちに外部タンク51
から塗布液が補充され、液面高さの変動を抑えることが
できる。また、上記のように外部タンク51を設けて適
宜塗布液を補充するように構成しているので、塗布液槽
11を小型化することができ、メンテナンス時などのた
めに塗布液槽11内に残っている塗布液を廃棄するとし
ても、その廃棄量を最小限に抑制することができ、塗布
液を効率よく使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示デバイス
(LCD)、プラズマ表示デバイス(PDP)、半導体
デバイスおよび各種電子部品などの製造プロセスにおい
て、LCDまたはPDP用ガラス基板、半導体基板およ
びプリント基板などの各種基板の被塗布面に対して、フ
ォトレジスト膜、カラーフィルタ材、平坦化材、層間絶
縁膜、絶縁膜および導電膜などを形成するために各種塗
布液を毛管現象で汲み上げて塗布する塗布装置および塗
布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示デバイスや半導体デ
バイスなどの製造プロセスにおいて、基板を水平に保っ
た状態で回転させ、その中央部に塗布液を供給して塗布
液に遠心力を与えることで、基板表面上の中央部から外
周部に均一に塗布液を塗布する回転塗布方式が広く利用
されている。
【0003】ところが、この回転塗布方式では、基板の
大型化や角形化の傾向とも相俟って、塗布液を遠心力で
外方に飛ばすため、使用される塗布液の有効利用という
点で無駄があり、塗布液の利用効率が悪かった。また、
角形の基板を水平姿勢で回転させることで、基板の大型
化にも伴って装置も大型化し、その設置スペースも増大
せざるを得なかった。さらに、角形の基板を高速に回転
させると、基板表面に気流の乱れが発生し易く、しか
も、その基板が大型化すると、その回転時における基板
表面上の線速度差が増大することにより、塗布むらや塗
布膜厚の均一性などの塗布品質を確保することが難しく
なっていた。
【0004】そこで、このような回転塗布方式の上記問
題、つまり、塗布液の利用効率の低下、設置スペースの
増大および塗布膜厚の不均一を解決すべく、毛管現象を
利用して基板表面に塗布液を塗布する装置および方法
が、例えば特開平8−24740号公報に提案されてい
る。
【0005】図14は、上記公報に記載された塗布装置
の概略構成を示す正面図であり、図15は、図14の塗
布装置におけるAA線の断面図である。図14および図
15において、この塗布装置は、基板100を鉛直(垂
直)方向に立てて保持するステージ101と、基板10
0の被塗布面に塗布液102を供給する塗布液槽を内部
に有するノズル103と、このノズル103を基板10
0に沿って下方に直線移動させる移動手段(図示せず)
とから構成されている。このノズル103は、両端が閉
塞され基板100の幅方向に延在する筒状をなしてお
り、基板100の被塗布面と対向する前面壁部104に
槽内から外部に貫通したスリット状の塗布液流出路10
5をその幅方向に形成している。また、基板100の被
塗布面と対向する前面壁部104の前端面106は、基
板100の被塗布面に非接触でかつ近接するように配設
され、その下端106aが塗布液流出路105の出口よ
りも下方で且つその反対側の入口よりも上方に位置し、
その上端106bが、基板100の被塗布面と前端面1
06との間の隙間107を上方へ無限に延長したと仮定
した場合に塗布液流出路105を通って隙間107内に
流入した塗布液が少なくとも毛管現象などによって上昇
するときの到達高さ位置と塗布液流出路105の出口と
の間に位置するようになっている。
【0006】上記構成により、塗布液槽内に塗布液流出
路105の入口と前端面106の下端106aとの間の
高さまで塗布液102を注入し、塗布液槽と大気開放と
すると、塗布液槽内に供給された塗布液102は、少な
くとも毛管現象によって、塗布液流出路105を通って
槽外に流出し、ステージ101によって鉛直姿勢に保持
された基板100の被塗布面と前端面106との間の隙
間107内に流入する。
【0007】この隙間107内に流入した塗布液は、毛
管現象などによってその隙間107内を前端面106の
下端106aまで降下するが、表面張力により前端面1
06の下端106aから流下することはない。また、隙
間107内に流入した塗布液の上方への流動は、毛管現
象などによってその隙間107内を前端面106の上端
106bまで上昇するが、前端面106の上端106b
で規制されてそれ以上には上昇しない。このようにし
て、基板100の被塗布面と前端面106との間の隙間
107内に、基板100の幅方向に延びる帯状の塗布液
の液溜りが形成されることになる。
【0008】さらに、この塗布液の液溜りが形成された
状態で、基板100の被塗布面と前端面106との間の
隙間107を保持したまま、基板100の縦方向(基板
100の幅方向と直交する上下方向)aにノズル103
と基板100とを相対的に直動させると、基板100の
被塗布面に塗布液が塗布されることになる。このとき、
基板100の被塗布面と前端面106の隙間107にあ
る液溜りの塗布液は、基板100の被塗布面に塗布され
ていくに従って消費されるが、大気開放されたノズル1
03の塗布液槽の塗布液にかかる大気圧と毛管現象など
によって、その消費量とほぼ同等の塗布液が塗布液槽内
から塗布液流出路105を通ってその隙間107内に供
給される。そのため、塗布時の隙間107内の塗布液量
は常にほぼ一定に保持されることになって、基板100
に塗布液が連続して塗布されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この場合、
塗布によって塗布液が消費されて塗布液槽内の槽内液面
高さ(ここでいう「槽内液面高さ」とは、ノズル103
の塗布液槽からの塗布液流出路105の前端面106側
出口に対する液面の相対的な高さを意味する。以下、同
じ。)が低下し、それに応じて膜厚が薄くなってくると
いう問題がある。これは、槽内液面高さの低下により、
塗布液流出路105を塗布液が昇ってゆくための毛管現
象による力が相対的に減少し、隙間107への塗布液の
供給が行われにくくなるためと考えられる。それに対し
て、1枚のあるいは、連続して塗布しようとする複数枚
の基板100の被塗布面内において許容できる塗布膜厚
差に相当する液面差以下となるように大面積で大容量の
塗布液槽を設けることも考えられるが、その大面積で大
容量の塗布液槽では、メンテナンス時などの場合に、塗
布液槽内に残っている塗布液を廃棄せねばならず、多量
の塗布液が無駄になってしまう。これでは、回転塗布方
式に比べて省塗布液の塗布装置としての価値が大幅に低
下してしまう。
【0010】また、この種の塗布装置において、塗布を
始める際に基板100とノズル103との隙間107に
塗布液の液溜りを初期形成すべく、この隙間107内へ
塗布液を強制的に供給しなければならない。上記公報に
おいては、毛管現象で塗布液流出路105の流出口まで
上昇している塗布液を、ノズル103内(塗布液槽)の
圧力を上昇させる加圧手段(図示せず)によって、塗布
前に、基板100の被塗布面とノズル103の前端面1
06との隙間107内に供給することで一定量の液溜り
を形成させることが提案されている。
【0011】しかしながら、例えばフォトレジスト液を
通常使用される厚み(例えば乾燥後で1.5μm)で塗
布しようとする場合、この隙間107は、通常は0.3
mm〜0.7mmと広い隙間寸法であり、加圧手段(図
示せず)のみでこの隙間107内に塗布液を供給するた
めには比較的多量の塗布液量となることから、塗布液の
供給速度と供給量とをかなり正確かつ緻密に圧力制御し
ないと、液溜りの液量が多過ぎたり、場合によっては液
溜りが流下するという問題が生じる。あるいは逆に隙間
107内への液溜りの液量が少な過ぎて、塗布不良を招
くという問題があった。
【0012】また、上記のように構成された塗布装置
(図14および図15)では、上記のようにして液溜り
を形成した後、ノズル103を移動させて塗布処理を行
うのだが、その塗布初期段階において基板100に形成
される塗布膜の膜厚は塗布液の慣性などの影響を受けて
薄くなる傾向にあり、均一な膜厚で塗布膜を形成するこ
とが困難であった。
【0013】さらに、上記のように構成された塗布装置
(図14および図15)では、塗布初期段階とは逆に、
塗終わりの基板100の下端部では液溜りができて厚膜
化するという問題を有していた。このように、基板の塗
終わり部分で厚膜化すると、現像時に膜残りを来たした
りする。そこで、この問題を解決するべく、特開平8−
155365号公報や特開平8−141475号公報な
どに種々の塗布液の回収手段が提案されている。しかし
ながら、これらの提案例においては、余剰の塗布液を別
個設けた構成要素に付着させたり、余剰の塗布液を掻き
取る構成要素を設けており、1枚の基板に対して塗布液
の回収処理を行うたびに、これらの構成要素に付着した
余剰の塗布液を洗浄する必要がある。その結果、かかる
洗浄工程を設けた分だけ作業工程が増え、スループット
が低下してしまうとともに、回収した塗布液を無駄に浪
費してしまうという問題があった。
【0014】この発明は、上記のような問題に鑑みてな
されたものであり、省設置スペースで、しかも塗布液の
無駄を抑制しながら、基板に塗布液を塗布することがで
きる塗布装置および塗布方法を提供することを第1の目
的とする。
【0015】また、この発明は、上記第1の目的を達成
した上で、さらに均一な膜厚で基板に塗布液を塗布する
ことができる塗布装置および塗布方法を提供することを
第2の目的とする。
【0016】また、この発明は、塗布液の塗布開始時に
基板とノズル手段との隙間に適量の塗布液を供給して液
だれや塗布不良を防止して優れた塗布性能で塗布液を基
板に塗布することができる塗布装置および塗布方法を提
供することを第3の目的とする。
【0017】また、この発明は、塗布初期段階での膜厚
低下を防止することができる塗布装置および塗布方法を
提供することを第4の目的とする。
【0018】さらに、この発明は、塗布終了時に余剰の
塗布液を無駄なく回収して高いスループットで、しかも
適切な膜厚で基板に塗布液を塗布することができる塗布
装置および塗布方法を提供することを第5の目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
第1の目的を達成するため、基板を鉛直あるいは傾斜姿
勢で保持する基板保持手段と、塗布液を一時的に貯留す
る塗布液槽と、前記塗布液槽から斜め上方に延設され、
その先端部が外部流出口に連設された塗布液流出路とを
有し、毛管現象によって前記塗布液流出路を介して前記
塗布液槽内の塗布液を汲み上げて前記被塗布面に供給す
るノズル手段と、大気開放された状態で塗布液を貯留す
るとともに、前記塗布液槽に連通されて当該塗布液を前
記塗布液槽に補充可能に構成された塗布液補充手段と、
前記基板保持手段に保持された基板に前記ノズル手段を
近接させた状態で、当該基板の被塗布面に沿って前記ノ
ズル手段を相対的に移動させる移動手段とを備え、前記
移動手段によって前記ノズル手段と前記基板とを相互に
近接させた状態で相対的に移動させつつ、前記塗布液槽
内の塗布液を前記基板の被塗布面に塗布するとともに、
当該塗布処理と並行して前記塗布液補充手段内に貯留さ
れている塗布液を前記塗布液槽に補充している。
【0020】請求項2の発明は、前記塗布液補充手段
を、大気開放された状態で塗布液を貯留する外部タンク
と、前記外部タンクと前記塗布液槽とを連通する連通部
材とで構成している。
【0021】請求項3の発明は、前記外部タンクの少な
くとも一部を透明あるいは半透明材料で構成し、前記外
部タンクに貯留されている塗布液の液面高さを目視可能
な領域を前記外部タンクに形成している。
【0022】請求項4の発明は、前記目視可能領域に設
けられ、前記外部タンクに貯留されている塗布液の液面
高さを非接触で検出する液面検出手段をさらに備えてい
る。
【0023】請求項5の発明は、前記上下移動手段を制
御して、前記ノズル手段の前記外部流出口に対する前記
外部タンクに貯留されている塗布液の相対的な液面高さ
を制御する液面制御手段とをさらに備えている。
【0024】請求項6の発明は、上記第2の目的を達成
するため、前記液面制御手段が、前記基板への塗布液の
塗布を行っている間、前記液面高さをほぼ一定に維持す
る均一塗布手段を備えるように構成している。
【0025】請求項7の発明は、上記第3の目的を達成
するため、前記液面制御手段が、塗布開始前に、前記液
面高さを相対的に上昇させて定量分の塗布液を前記ノズ
ル手段から前記基板に供給して前記ノズル手段と前記基
板との間に微量液溜りを形成する定量吐出手段を備える
ように構成している。
【0026】請求項8の発明は、上記第4の目的を達成
するため、前記液面制御手段が、前記基板への塗布液の
塗布初期段階で、前記液面高さを相対的に上昇させて前
記基板への塗布液の流出を促進する初期流出制御手段を
備えるように構成している。
【0027】請求項9の発明は、上記第5の目的を達成
するため、前記液面制御手段が、前記ノズル手段が最終
塗布位置に位置した時に、前記液面高さを相対的に降下
させて、前記ノズル手段と前記基板との間に形成されて
いる液溜りから定量分の塗布液を吸引する定量吸引手段
を備えるように構成している。
【0028】請求項10の発明は、前記基板への塗布液
の塗布により前記塗布液槽から汲み上げられた塗布液量
分だけ前記塗布液補充手段から補充されて前記塗布液槽
が塗布液で常時充満されるように構成している。
【0029】請求項11の発明は、前記塗布液槽を大気
開放している。
【0030】請求項12の発明は、鉛直あるいは傾斜姿
勢で保持された基板の被塗布面にノズル手段を近接させ
た状態で、当該ノズル手段を前記被塗布面に沿って相対
的に移動させながら、当該ノズル手段の内部に設けられ
た塗布液槽内に貯留された塗布液を毛管現象によって汲
み上げ、前記ノズル手段の外部流出口を介して基板に供
給することで塗布液を前記被塗布面に塗布する塗布方法
であって、上記第1の目的を達成するために、前記ノズ
ル手段とは別個独立して塗布液を貯留する塗布液補充手
段を設け、当該塗布処理と並行して前記塗布液補充手段
から塗布液を前記塗布液槽に補充している。
【0031】請求項13の発明は、前記塗布液補充手段
が大気開放された状態で塗布液を貯留する外部タンクを
備えており、前記ノズル手段の前記外部流出口に対する
前記外部タンクに貯留されている塗布液の相対的な液面
高さを制御している。
【0032】請求項14の発明は、上記第2の目的を達
成するため、前記基板への塗布液の塗布を行っている
間、前記液面高さをほぼ一定に維持している。
【0033】請求項15の発明は、上記第3の目的を達
成するため、塗布開始前に前記液面高さを相対的に上昇
させて定量分の塗布液を前記ノズル手段から前記基板に
供給して前記ノズル手段と前記基板との間に微量液溜り
を形成している。
【0034】請求項16の発明は、上記第3の目的を達
成するため、前記基板への塗布液の塗布初期段階で、前
記液面高さを相対的に上昇させて前記基板への塗布液の
流出を促進し、流出量の不足を補完している。
【0035】請求項17の発明は、上記第4の目的を達
成するため、前記ノズル手段が最終塗布位置に位置した
時に、前記液面高さを相対的に降下させて、前記ノズル
手段と前記基板との間に形成されている液溜りから定量
分の塗布液を吸引している。
【0036】この発明では、塗布液槽内の塗布液の一部
が汲み上げられて基板の被塗布面に塗布されると同時
に、この塗布液槽に対して塗布液補充手段(外部タン
ク)から塗布液が補充される。
【0037】また、外部タンクに塗布液の液面高さを目
視可能な領域が設けられているため、この目視可能領域
を介して外部タンク内の塗布液の液面高さを目視確認可
能となっている。また、この目視可能領域に液面検出手
段を設けると、液面高さを自動的に検出することができ
る。
【0038】また、外部タンク内の塗布液の液面高さを
調整することで、塗布液補充手段と塗布液槽との間に作
用する圧力が調整されることで塗布液の流れが制御され
る。特に、液面高さを一定に維持することで、基板に塗
布される塗布膜の厚みが均一になる。また、液面高さを
上昇させることで、ノズル手段から定量の塗布液が基板
に向けて供給されて微量液溜りが形成されたり、塗布初
期段階での塗布液の流出を促進して、塗布初期段階での
薄膜化が防止される。さらに、液面高さを降下させる
と、ノズル手段に対して負圧がかかり、液溜りから定量
分の塗布液がノズル手段側に吸引される。
【0039】さらに、塗布液槽内の塗布液の一部が汲み
上げられて基板の被塗布面に塗布されると同時に、その
汲み上げられた塗布液量に相当する塗布液が塗布液補充
手段から塗布液槽に補充されて塗布液槽は常時塗布液で
充満される。したがって、ノズル手段側では、塗布液槽
に気相が存在せず、塗布液槽内での塗布液のゲル化が防
止され、塗布液槽内の汚染が防止される。
【0040】
【発明の実施の形態】図1は、この発明にかかる塗布装
置の一の実施形態を示す斜視図である。この塗布装置
は、鉛直あるいは傾斜姿勢で保持されている基板Sに対
してノズル手段として機能するノズル1を近接させた状
態で基板Sの被塗布面に沿って移動させながら、毛管現
象を利用して塗布液を基板Sの被塗布面に塗布するもの
である。
【0041】この塗布装置では、基板Sを吸着保持すべ
く、壁状に構成されて立設された架台2の表面側中央部
に吸着ステージ3が配設されている。この吸着ステージ
3には、互いに異なる複数の基板サイズに対応するため
に、基板サイズが相互に異なる基板S毎の外周部に対応
した適所に、細長い凹部31が設けられるとともに、各
凹部31を介して吸引可能な吸着部材として機能する吸
盤(図示せず)が出退自在に設けられている。このた
め、処理すべき基板サイズが決まると、突出状態にある
吸盤で基板Sの裏面(塗布処理を施さない面)側を吸着
した後に、吸盤を凹部31内の所定位置に引き込んで収
納することで、被塗布面を外側に向けた状態で基板Sが
吸着ステージ3に吸着保持される。
【0042】なお、この実施形態では、吸着部材として
の吸盤が基板Sの中央部を保持しないように構成されて
いるが、このように構成した理由は、基板Sの中央部は
重要な回路などが配置される部分であり、吸盤による真
空吸引と解除によって温度が下がったり上がったりする
ことで塗布むらとなるのを防止するためである。したが
って、吸盤の形状も基板Sの外周部だけを吸引すべく、
細長い凹部31と同様の細長い吸盤形状に仕上げるのが
望ましい。
【0043】また、この吸着ステージ3による基板Sの
保持状態は、鉛直(垂直)方向であってもよく、また傾
斜した姿勢であってもよく、例えば基板Sが吸着ステー
ジ3の上側に位置するように若干傾いた状態でもよい。
すなわち、この実施形態では、吸着ステージ3が基板S
を鉛直あるいは傾斜姿勢で保持する基板保持手段として
機能している。
【0044】さらに、ここでは、基板保持手段として吸
着ステージ3を採用しているが、基板Sの保持方法はこ
れに限定されるものではなく、基板Sの上下左右を爪状
の部材でひっかけて保持するような構成であってもよい
ことは言うまでもないことである。
【0045】上記のように構成された吸着ステージ3に
対向してノズル1が配置されている(図1)。このノズ
ル1は、図2に示すように、塗布液を貯留する塗布液槽
11を有し、当該塗布液槽11内の塗布液をノズル口1
2から吸着ステージ(基板保持手段)3に保持された基
板S側(同図の左手側)に向けて供給可能に構成されて
いる。すなわち、ノズル1はノズル本体13を備えてお
り、このノズル本体13の内底部に細長い筒状の塗布液
槽11が基板Sの幅方向(同図の紙面に対して垂直な方
向)に延設されている。また、ノズル本体13には、基
板Sの被塗布面と対向する前面壁部15に塗布液槽11
内から外部に斜め上向きに貫通した塗布液流出路として
機能するスリット16がその幅方向に形成されている。
このスリット16は、塗布液槽11の下部とノズル口1
2との間で直線状に左上向きに傾斜した状態で連結して
おり、スリット16の下方端が塗布液槽11内に開口
し、その上方端が水平方向に細長いノズル口12となっ
ている。さらに、基板Sの被塗布面SFと対向する前面
壁部15の前端面151は、塗布液の液溜り4が形成可
能なように、基板Sの被塗布面SFに非接触でかつ所定
の隙間Gで近接するように配置される。
【0046】この塗布液槽11には、図2に示すよう
に、連通管52を介して塗布液を貯留する外部タンク5
1が接続されている。このため、外部タンク51内の塗
布液が塗布液槽11に向けて常時補充可能となってお
り、その結果、当該塗布液槽11の内部は塗布液で常時
満たされている。このように、この実施の形態では、外
部タンク51と連通管52とで塗布液補充手段が構成さ
れている。より具体的に説明すれば、連通管52の一方
端が塗布液槽11の下方中央部に接続される一方、その
他方端が外部タンク51の底部に接続されている。ま
た、この外部タンク51の上面には、大気開放管53が
接続されており、この大気開放管53に介挿されたエア
バルブ53aを開放することで外部タンク51の内部を
大気圧に設定可能となっている。
【0047】なお、外部タンク51をどのような材料で
構成してもよいが、この実施形態では、例えばPTFE
(ポリテトラフロロエチレン)やPFA(パーフロロア
ルコキシポリマー)などの樹脂材料で形成されており、
外部タンク51内に貯留されている塗布液の液面高さを
目視確認可能となっている。また、外部タンク51の側
面には、液面センサ54が取り付けられており、この液
面センサ54で外部タンク51内の塗布液の液面高さを
非接触で検出することができるようになっている。液面
センサ54としては、例えば外部タンク51の高さ方向
における複数の適所(ここでは3個所)にそれぞれ各光
センサ54aをそれぞれ設けて、外部タンク51内の塗
布液の液位をそれぞれ検出するようになっている。
【0048】そして、上記のように構成された外部タン
ク51はタンク上下機構8によって上下移動されるよう
に構成されており、ノズル1に対して外部タンク51を
相対的に上下移動させることで、ノズル1のノズル口
(外部流出口)12に対する外部タンク51に貯留され
ている塗布液の相対的な液面高さ(以下「タンク内液面
高さ」という)Hを調整可能となっている。したがっ
て、このようにしてタンク内液面高さHの調整によって
ノズル1内の塗布液にかかる圧力を制御することができ
る。
【0049】図3はタンク上下機構の具体的構成を示す
一部分解斜視図であり、図4は図3のXX線縦断面図で
ある。これらの図において、下板80と上板81の間に
3本のガイド軸82が立設されて固定されており、これ
らの3本のガイド軸82がそれぞれ、可動板83に固定
された各ボールブッシュ84を貫通した状態で下板80
と上板81の間を3本のガイド軸82で案内されて上下
に移動自在に構成されている。外部に対する防塵のため
に、上板81と可動板83の間の各ガイド軸82の周り
にはそれぞれ、伸び縮み自在なベローズ85がそれぞれ
設けられており、また、下板80上に設けられ各ガイド
軸82およびリニアアクチュエータ65を覆う筒状部材
80aと可動板83の間にも各ガイド軸82およびリニ
アアクチュエータ65を覆う伸び縮み自在なベローズ8
6が設けられている。また、可動板83と上板81の間
にこの可動板83の下面中央位置にストッパー87が設
けられている。このストッパー87にリニアアクチュエ
ータ65のアクチュエータ部88の先端部が当接するよ
うに、リニアアクチュエータ65が上向きに、下板80
上に立設された固定部材89に固定されている。この場
合、アクチュエータ部88の先端部は上下に出退自在に
構成されており、その先端部の上下移動に伴って可動板
83を上下に移動可能なように構成されている。
【0050】また、この可動板83の側面には取付け板
90を介してタンク固定部材91が固定されており、こ
のタンク固定部材91は略C型に構成されている。ま
た、この略C型の穴91aに外部タンク51の外周部を
差し込み可能になっており、その略C型の穴91aに外
部タンク51を差し込み後に、クリック方式のロック機
構92によってその略C型の穴91aを縮径して外部タ
ンク51を固定可能としている。また、この取付け板9
0には、タンク固定部材91の略C型の穴91aの下方
位置で突き出すように2本の丸棒93が固定されてお
り、これらの2本の丸棒93によって略C型の穴91a
に外部タンク51を差し込れた際にストッパーとなって
高さ方向の位置決めとなるように構成されている。
【0051】さらに、タンク固定部材91の下面側には
取付け板94を介して上記3個の光センサ54aが高さ
方向に所定間隔を置いて配設されている。この場合の各
光センサ54aは反射型の光センサであって、外部タン
ク51の容器を透明容器とし、光センサの投光部から出
射した光の反射率が透明容器内の液の有無で異なり、投
光部からの出射光が受光部に戻るかどうかで透明容器内
の液の有無が判別可能である。さらに、この外部タンク
51の上部に設けられた上部蓋55には塗布液補給装置
(図示省略)から伸びる塗布液供給管56および、上記
した大気開放管53が連結されており、また、外部タン
ク51の底部には、一端が塗布液槽11に連結された連
通管52の他端が連結されている。
【0052】さらに、可動板83には、可動板83の下
側に位置するベローズ86の内部と、可動板83の上側
に位置する各ベローズ85の内部とをそれぞれ連通する
各呼吸孔96がそれぞれ設けられており、可動板83が
上下にスムーズに移動可能なようになっている。また、
この可動板83の原点高さ位置を検出する近接センサ9
7が配設されており、この近接センサ97による可動板
83の検出により、制御部72は原点高さ位置と判断す
るようになっている。さらに、筒状部材80aには、窒
素ガスの流入口98aおよび流出口98bと、リニアア
クチュエータ65と電気的に接続されるコネクタ99と
が設けられている。
【0053】ところで、上記のように構成されたノズル
1、外部タンク51およびタンク上下機構8は次に説明
する移動機構6によって一体的に上下移動されるととも
に、ノズル1は吸着ステージ3に保持された基板Sに近
接したり、後退するように構成されており、この移動機
構6によってノズル1を当該基板Sの被塗布面SF(図
2)に近接させた状態で当該被塗布面SFに沿って移動
可能となっている。この移動機構6は大きく分けて、ノ
ズル1、外部タンク51およびタンク上下機構8を一体
的に上下方向に移動させる上下移動機構部61と、ノズ
ル1を基板Sに対して近接させたり、離間させることで
基板Sの被塗布面SFとの間のギャップを変更調整する
ギャップ可変機構部62と、ノズル1のノズル口12を
基板Sの被塗布面SFと対向させたり、下向きに変更す
るノズル回動機構部63とで構成されている。
【0054】この上下移動機構部61は、図1に示すよ
うに、ノズル1を支持するベース部材611を上下方向
に移動させるものであり、次のように構成されている。
【0055】この上下移動機構部61では、架台2の表
面側および裏面側の幅方向両端部の上下位置の4角部に
それぞれ4個の各アイドルギヤ612が2組回転自在に
各軸受部613でそれぞれ軸支されて配設されている。
そして、これらの上部に位置する左右2組の各アイドル
ギヤ612に左右の各スチールベルト614が掛け渡さ
れるとともに、これらのスチールベルト614の端部が
下部に位置するアイドルギヤ612に巻回されている。
また、架台2の表面側において左右の各スチールベルト
614にベース部材611の両端がそれぞれ連結される
一方、裏面側において、同スチールベルト614にバラ
ンスウェイト615の両端がそれぞれ連結されている。
なお、ベース部材611には、ギャップ可変機構部62
およびノズル回動機構部63を介してノズル1が取り付
けられるとともに、外部タンク51およびタンク上下機
構8が取り付けられている。そして、架台2の表面側の
構成要素(ノズル1、外部タンク51、タンク上下機構
8、ベース部材611、ギャップ可変機構部62および
ノズル回動機構部63)と、裏面側のバランスウェイト
615とが、バランスが取れた静止状態で、保持される
ようになっている。
【0056】また、架台2の表面側の両端部にはそれぞ
れ各上下方向に縦型の各リニアモータ616の固定子6
17が配設されており、これら左右の各リニアモータ6
16を駆動制御し、左右のスチールベルト614を同期
して表面側から裏面側に繰り出すことでノズル1を水平
に維持したまま基板Sに対して上方に相対的に移動させ
る一方、逆に巻き戻すことでノズル1を水平に維持した
まま下方に相対的に移動させることができる。すなわ
ち、ノズル1を載置したベース部材611の両端部を各
固定子617に沿って上下に直線移動させる構成となっ
ている。この移動手段としてのリニアモータ616は、
各上下方向に配設された各スチールベルト614にそれ
ぞれ沿ってベース部材611の両端部および各スチール
ベルト614の内側にそれぞれ配設されており、図5に
示すように、幅方向両端部の各レール部617a間にベ
ース部617bを有する固定子617と、ベース部材6
11の両端部裏側の各側壁にそれぞれ各固定子617と
それぞれ対向して配設され、各固定子617の上をスラ
イド自在なスライダ部材618とを有している。このス
ライダ部材618は、その幅方向両側に各レール部61
7aとそれぞれ嵌合して上下方向に案内される各リニア
ガイド部618aと、各リニアガイド部618aの間に
配設されると共に、固定子617のベース部617bに
対向し、図示しない巻線による励磁によって磁力を発生
させる磁気回路部618bと、この磁気回路部618b
の巻線(図示せず)の両端に接続されたコネクタ618
cとを有しており、この磁気回路部618bの励磁によ
る磁力で、スライダ部材618は固定子617の各レー
ル部617aに各リニアガイド部618aで案内されて
上下に移動自在である。このスライダ部材618が、ノ
ズル1を載置したベース部材611の両端部裏側にそれ
ぞれ固着されており、これらの各スライダ部材618の
移動によってベース部材611が上下に移動自在になっ
ている。
【0057】ここでは、ノズル1を載置したベース部材
611の両端部を各固定子617に沿って上下に移動さ
せるように構成したが、ノズル1と基板Sとが被塗布面
に沿って相対的に移動するように構成すればよく、ノズ
ル1を固定して基板Sを吸着ステージ3と共に上下にリ
ニアモータやボールねじなどの移動手段で移動するよう
に構成することもできる。このように、吸着ステージ3
を上下に移動させる方がノズル1を移動させるよりも振
動が少なく、その振動による塗布むら防止などの観点か
ら吸着ステージ3を移動させる方がよいのであるが、吸
着ステージ3を上下に移動させると、装置の高さが倍必
要となり、クリーンルームの天井高さには制限があるの
で、装置の設置が難しくなってしまう。なお、図1中の
符号64は配線や薬液供給チューブなどを収容したケー
ブルベアである。
【0058】図6は、移動機構6を構成するギャップ可
変機構部62およびノズル回動機構部63の構成を示す
図である。このギャップ可変機構部62はベース部材6
11上に設けられたものであり、ノズル1と後で説明す
るノズル回動機構部63とを一体的に基板Sに対して接
離方向(同図の左右方向)に移動させるものである。具
体的には、このギャップ可変機構部62は、ステッピン
グモータやサーボモータなどの接離モータ621と、前
後の軸受部622,623で軸支され、この接離モータ
621の回転軸に連結部624を介して連結されたボー
ルねじ625と、このボールねじ625に螺合した移動
部材626と、移動部材626の上端が下面で固着され
ていると共にノズル回動機構部63を支持して基板Sの
被塗布面SFに対してノズル1の前端面151が接近ま
たは離間するようにスライド自在なスライド部材627
とを備えており、接離モータ621によるボールねじ6
25の回転で、移動部材626が、ノズル1およびノズ
ル回動機構部63を載置した状態で前後に移動自在に構
成されている。
【0059】ここでは、ギャップ可変機構部62は中央
部1個所設けているが、ギャップ可変機構部62の配設
数はこれに限定されるものではなく、複数個設けるよう
にしてもよく、例えばギャップ可変機構部62をベース
部材611の左右2個所配設することで次のような効果
が得られる。すなわち、基板Sの幅方向にテーパがあっ
て左右両端部での厚さ寸法に差があるような場合には、
各ギャップ可変機構部62を独立して作動させてノズル
1と基板Sとのギャップ寸法を調整することができる。
【0060】一方、ノズル回動機構部63は上記のよう
に構成されたギャップ可変機構部62上に設けられたも
のである。このノズル回動機構部63では、図示しない
電磁弁で制御されて、ロッド先端部631を伸長位置と
収縮位置との間を移動させるエアーシリンダ632が、
矢印方向Cにシリンダ前方部のピン633を回動中心と
して回動可能に軸支されている。このロッド先端部63
1は、アーム部材634の一方端部と回動可能にピン連
結されてリンク機構を構成しており、アーム部材634
の他方端部は駆動軸635にその長手方向に直交する方
向から回動力を伝達可能に固定されている。この駆動軸
635は、所定幅で水平方向に延びたベース部材636
を下方から支持する支持部材637を横方向に貫通して
固定されている。このベース部材636の前方端縁上側
にはノズル1がそのノズル口12を基板Sの被塗布面S
F側に向けた状態で、ノズル1の長手方向と駆動軸63
5の軸方向が一致する方向になるように取り付けられて
いる。
【0061】図6は、エアーシリンダ632のロッド先
端部631が伸長した場合であり、このとき、ノズル1
のノズル口12は基板Sの被塗布面SFに対向して塗布
可能な状態である。これに対して、エアーシリンダ63
2のロッド先端部631が短縮した場合には、ノズル1
のノズル口12は、2点鎖線で示すように下方を向いて
洗浄可能な状態となる。このロッド短縮の途中で、ピン
633を回動中心としてエアーシリンダ632が矢印方
向Cに揺動しつつロッド先端部631が短縮されること
になる。
【0062】このように、この実施形態では、ノズル1
を、上下移動機構部61によって上下方向に移動すると
ともに、ギャップ可変機構部62によって基板Sの被塗
布面SFに対して近接させたり、離間させたりすること
ができるように構成されており、これら上下移動機構部
61およびギャップ可変機構部62を次に説明する制御
構成によって制御することで、ノズル1と基板Sとを相
互に近接させた状態でノズル1を基板Sの被塗布面SF
に対して相対的に移動させることができる。また、基板
Sに対するノズル1の相対移動方向も適宜切り換えるこ
とができるようになっている。なお、基板Sに対するノ
ズル1の相対的な上下移動方法については、既に上記し
たようにノズル1を移動させる代わりに吸着ステージ3
を上下移動させたり、ノズル1および吸着ステージ3の
ともに移動させるように構成してもよい。
【0063】図7は、図1の塗布装置の概略制御構成を
示すブロック図である。この塗布装置では、種々のキ
ー、例えば数字を入力するテンキー、電源のオン・オフ
を入力する電源キー、塗布スタートキー、リニアモータ
616の駆動速度の基準値を任意に手動で設定する速度
設定キーおよび、接離モータ621を駆動させて基板S
の被塗布面SFとノズル口12との隙間Gを調整する隙
間設定キー、基板サイズ、基板厚さ、塗布液粘度および
塗布膜厚などを設定する各種設定キーなどを適当に配置
してなる操作部71が設けられており、この操作部71
を介して入力されたデータや指令などが制御部72に入
力されるように構成されている。
【0064】この制御部72は、液面センサ54、RO
M73およびRAM74に接続されており、ROM73
内に登録された各制御プログラムで用いる制御データ
や、上記のように操作部71から入力されたデータなど
をRAM74内に書き込み可能となっている。
【0065】また、これらの操作部71、液面センサ5
4、ROM73およびRAM74が接続される制御部7
2は、リニアモータ駆動回路75を介してリニアモータ
616に接続されており、ROM73内に登録されたリ
ニアモータ駆動制御プログラムと、操作部71から入力
され、リニアモータ駆動制御プログラムに対応した制御
データに基づいて、その制御信号をリニアモータ駆動回
路75に出力し、リニアモータ駆動回路75がリニアモ
ータ616を駆動してベース部材611上のノズル1を
基板Sの被塗布面SFに対する所定上下位置に移動自在
に制御可能である。また、制御部72は、ROM73内
に登録されたリニアモータ駆動制御プログラムと、基板
サイズ、塗布液粘度および塗布膜厚などの各種設定キー
からの入力や、操作部71の塗布スタートキーの入力に
よって、リニアモータ駆動制御プログラムに対応した制
御データに基づいて、リニアモータ駆動回路75を介し
てリニアモータ616を駆動して所定速度で、しかも操
作部71で設定された相対移動方向でノズル走行させつ
つ塗布可能なように制御するようになっている。
【0066】また、制御部72は、接離モータ駆動回路
76を介して接離モータ621に接続されており、RO
M73内に登録された接離モータ駆動制御プログラム
と、操作部71から入力され、接離モータ駆動制御プロ
グラムに対応した制御データに基づいて、その制御信号
を接離モータ駆動回路76に出力し、接離モータ駆動回
路76が接離モータ621を駆動してベース部材611
上のノズル1を基板Sの被塗布面SFに対して接近また
は離間させるように制御する。
【0067】さらに、制御部72は、リニアアクチュエ
ータ駆動回路77を介してリニアアクチュエータ65に
接続されており、ROM73内に登録されたリニアアク
チュエータ駆動制御プログラムと、操作部71から入力
され、リニアアクチュエータ駆動制御プログラムに対応
した制御データに基づいて、その制御信号をリニアアク
チュエータ駆動回路77に出力し、リニアアクチュエー
タ駆動回路77がリニアアクチュエータ65を駆動して
ノズル1に対して外部タンク51を相対的に上下方向に
移動させてタンク内液面高さを制御する。
【0068】次に、上記のように構成された塗布装置の
動作について図2、図8ないし図10を参照しつつ説明
する。
【0069】まず、所定の塗布液を塗布処理する基板S
を搬送ロボット(図示せず)などによって搬送後に、基
板Sの外周部を吸着ステージ3の複数の吸盤に対応させ
た状態で所定の位置に位置決めして、基板Sの被塗布面
を外側に向けた状態で基板Sを各吸盤で吸着する。さら
に、各吸盤を吸着ステージ3の凹部31内の所定位置に
引き込んで収納することで基板Sを保持する。
【0070】なお、このとき、ノズル1、外部タンク5
1、タンク上下機構8およびエアバルブ53aは初期状
態に設定されている。つまり、ノズル1は、塗布液槽1
1を塗布液で満たした状態で基板Sから比較的離れた位
置に待機している。また、外部タンク51内には、塗布
液槽11とスリット16との境界位置と同じ液面高さで
塗布液が貯留されている。また、ノズル口12に対する
外部タンク51内のタンク内液面高さは高さHに設定さ
れている。さらに、エアバルブ53aは塗布処理に備え
て開いて外部タンク51を大気開放している。
【0071】このようにして基板Sの設定が完了する
と、制御部72は、操作部71を介して入力された各種
の設定キー入力に応じて基板Sの被塗布面SFに対する
原点位置(基板Sの上端)にノズル1の位置決めするべ
く、ノズル1と共にベース部材611をリニアモータ6
16によって移動させる。ここでは、ROM73内に登
録されたリニアモータ駆動制御プログラムとその制御デ
ータに基づいて、制御部72が、その制御信号をリニア
モータ駆動回路75に出力することで、リニアモータ駆
動回路75がリニアモータ616を駆動してベース部材
611上のノズル1を基板Sの被塗布面SFに対する所
定の塗布開始位置に原点復帰させることができる。この
場合の制御データは、基板Sの保持位置が精密な場合に
は、登録された原点データであり、また、マニュアル的
に操作部71から所定の高さ位置が入力されたデータで
あってもよい。さらに、塗布液の塗布開始位置に原点セ
ンサ(図示せず)を設けて、その原点センサ(図示せ
ず)がベース部材611を検知する所定の塗布開始位置
で、制御部72がベース部材611を停止するようにリ
ニアモータ駆動回路75を介してリニアモータ616を
駆動制御してもよい。
【0072】上記のようにしてノズル1の塗布開始位置
への位置決めが完了すると、それに続いて、基板Sの被
塗布面SFとノズル1との隙間を所定のギャップ寸法G1
に変更するべく、接離モータ621の駆動によるボール
ねじ625および移動部材626によりノズル1を基板
Sの被塗布面SFに対して接近するように移動させる
(図8の白抜き矢印を参照)。このとき、ROM73内
に登録された接離モータ駆動制御プログラムとその制御
データに基づいて、制御部72が、その出力制御信号を
接離モータ駆動回路76に出力し、接離モータ駆動回路
76が接離モータ621を駆動してベース部材611上
のノズル1を基板Sの被塗布面SFに対する所定のギャ
ップ位置に移動させる。この場合の制御データは、塗布
液の粘度や必要塗布膜厚、塗布速度などの各種塗布条件
に応じて設定され登録されたギャップデータ(所定ギャ
ップ位置データ)であってもよく、また、これらの各種
条件に応じた実験データを参照してマニュアル的に操作
部71から入力されたギャップデータであってもよい。
なお、以下で説明するノズル1の基板Sに対する近接あ
るいは後退移動に関するギャップデータについても同様
である。
【0073】次に、制御部72は、操作部71を介して
予め設定されている塗布液量の微量液溜り部41を基板
Sの被塗布面SFとノズル1との隙間G1に形成すべく、
その制御信号をリニアアクチュエータ駆動回路77に出
力することで、リニアアクチュエータ駆動回路77がリ
ニアアクチュエータ65を駆動し、外部タンク51をノ
ズル1に対して相対的に上昇させてタンク内液面高さを
HからH1に上昇させる。この上昇にともなう水頭差に
よって、エアバルブ53aを開放して大気開放されてい
る外部タンク51から予め塗布液で満たされている塗布
液槽11に比較的高い圧力がかかり、その結果、塗布液
槽11からスリット16を介して塗布液が隙間G1に押
し出され、図8に示すように、隙間G1に微量液溜り部
41が形成される。なお、この実施形態では、リニアア
クチュエータ65を使って外部タンク51をノズル1に
対して相対移動させることで微量液溜り41を形成して
いるため、塗布液の種類や粘度などに応じてリニアアク
チュエータ65を制御することで外部タンク51の上昇
量を変更し、微量液溜り部41の容量を制御することが
できる。
【0074】なお、このときのタンク内液面高さH1
は、具体的にはスリット16の前端面151での開口の
高さとほぼ同程度かまたはそれより若干だけ高い高さで
あり、その上昇している時間は、微量液溜り部41が形
成されるまでのごく短時間である。微量液溜り部41が
形成されると、外部タンク51は速やかに下降されてタ
ンク内液面高さが前端面151の下端152よりも下の
位置Hへ戻される。また、微量液溜り部41が形成され
ると、その塗布液は毛管現象によりノズル1の前端面1
51全体に広がろうとして液溜り部が拡大し、それに応
じた量の塗布液が塗布液槽11からスリット16を介し
て汲み上げられる。なお、このときにまだ液面高さがH
1であれば、隙間G1から前端面151の下端152より
も下へ塗布液が流出してしまい不都合である。
【0075】また、上記のようにして微量液溜り部41
が形成されて拡大すると、基板Sの被塗布面SFとノズ
ル1との隙間を塗布時の所定のギャップ寸法G2(>G
1)に変更するべく、接離モータ621の駆動によるボ
ールねじ625および移動部材626によりノズル1を
基板Sの被塗布面SFから離隔するように移動させて
(図9の白抜き矢印を参照)、所定の液溜り部4を形成
し、塗布開始の準備を完了する。この間も、ギャップ寸
法がG2に拡大するのに伴って液溜り部4の塗布液量も
増大し、その分の塗布液が塗布液槽11から汲み上げら
れる。なお、このときのタンク内液面高さはHのままで
ある。
【0076】そして、基板Sの被塗布面SFに所定の塗
布膜厚で塗布するべく、操作部71の塗布スタートキー
を操作すると、ROM73内に登録されたリニアモータ
駆動制御プログラムと所定の相対移動方向および塗布膜
厚に応じた制御データとに基づいて、制御部72は、そ
の出力制御信号をリニアモータ駆動回路75に出力し、
リニアモータ駆動回路75がリニアモータ616を駆動
してベース部材611をノズル1、外部タンク51と共
に基板Sの被塗布面SFに対して下方に移動させてノズ
ル走行を行ないつつ、基板Sの被塗布面SFに対して塗
布液を塗布する。なお、この実施形態では、上記塗布処
理の経過状況に応じてタンク内液面高さを制御して均一
な塗布膜を形成している。
【0077】すなわち、塗布開始と同時に、制御部72
は、ノズル1に対して外部タンク51を上昇させる旨の
制御信号をリニアアクチュエータ駆動回路77に出力す
ることで、リニアアクチュエータ駆動回路77がリニア
アクチュエータ65を駆動し、外部タンク51をノズル
1に対して相対的に上昇させて、Hであった液面高さを
図9に示すように一時的にH2に上昇させる。そして、
その後、塗布処理の経過(ノズル1の降下)にともなっ
てタンク上下機構8によってノズル1に対して外部タン
ク51を徐々に降下させてタンク内液面高さを定常位置
H(図2)に戻す。このように、塗布初期段階でタンク
内液面高さを比較的高く設定しておくことで塗布開始時
のノズル1からの塗布液の流出を促進させることがで
き、流出抵抗による塗布初期段階での塗布膜の薄膜化を
効果的に防止することができる。また、流出抵抗を補う
ことで液溜り4に形成されるメニスカスの安定状態を維
持することができ、膜厚均一性を向上させることができ
る。
【0078】なお、外部タンク51が上昇しても圧損
(流出抵抗)によって塗布液のノズル1からの流出が遅
れる場合(タイムラグが生じる場合)には、このタイム
ラグを考慮し、塗布開始前にノズル1に対して外部タン
ク51を上昇させてタンク内液面高さを上昇させておけ
ばよく、塗布処理開始から徐々にタンク内液面高さを降
下させて定常位置Hに戻して次に説明するように定常状
態で塗布処理を行えばよい。これによって、上記と同様
の効果が得られる。
【0079】上記のようにしてタンク内液面高さが定常
位置Hに戻されると、制御部72は、リニアアクチュエ
ータ65のエンコーダ(図示省略)からの信号に基づき
外部タンク51とノズル1との位置関係を検出し、さら
にその位置関係と、液面センサ54からの液面高さに関
する信号とに基づき液面とノズル1(ノズル口12)と
の位置関係からタンク内液面高さを演算する。そして、
こうして求められたタンク内液面高さが一定(定常位置
H)となるように、制御部72は、塗布処理が完了する
までタンク上下機構8を制御する。このため、この実施
形態では、タンク内液面高さが一定(定常位置H)に維
持されるため、基板Sに順次塗布される塗布膜の膜厚は
均一となる。
【0080】このようにして基板Sの被塗布面SFへの
塗布処理を行うと、塗布液槽11の塗布液が連続して汲
み上げられて塗布液槽11内の塗布液が持ち出される
が、これと同時に、外部タンク51から塗布液槽11に
補充され、塗布液槽11は塗布液で充満される。
【0081】上記のようにして被塗布面SF全体への塗
布処理が完了し、ノズル1が最終塗布位置で停止すると
(図10)、制御部72は、基板Sの被塗布面SFとノ
ズル1との隙間を所定のギャップ寸法G1に変更するべ
く、接離モータ621の駆動によるボールねじ625お
よび移動部材626によりノズル1を基板Sの被塗布面
SFに近接するように移動させる(図10の白抜き矢印
を参照)とともに、操作部71を介して予め設定されて
いるサックバック量に相当する塗布液を液溜り4から吸
引すべく、その制御信号をリニアアクチュエータ駆動回
路77に出力することで、リニアアクチュエータ駆動回
路77がリニアアクチュエータ65を駆動して外部タン
ク51をノズル1に対して相対的に降下させてタンク内
液面高さを高さH3に降下させる。これによって、ノズ
ル1に負圧がかかり液溜り4から所定量の塗布液がノズ
ル1側に吸引される。
【0082】上記のようにしてサックバック処理が完了
すると、制御部72は、リニアモータ駆動制御プログラ
ムとその制御データに基づく制御信号をリニアモータ駆
動回路75に出力するとともに、接離モータ駆動制御プ
ログラムとその制御データに基づく制御信号を接離モー
タ駆動回路76に出力して、ノズル1を待機位置(図示
省略)に退避させる。
【0083】こうして1枚の基板Sに対する塗布処理を
完了し、吸着ステージ3による基板Sの吸着保持を解除
した後、当該基板Sを搬送ロボットなどによって後処理
工程に搬送する。そして、次の基板Sが搬送されてくる
と、上記一連の動作を繰り返して塗布処理を実行する。
【0084】以上のように、この実施形態にかかる塗布
装置によれば、次のような効果が得られる。
【0085】(1) ノズル1に対して外部タンク51を
別個独立して設けるとともに、ノズル1と外部タンク5
1とを連通してノズル1内に設けられた塗布液槽11に
塗布液を適宜補充するように構成しているので、塗布処
理により塗布液槽11内の塗布液が消費されても直ちに
外部タンク51から塗布液が補充され、液面高さの変動
を抑えることができる。塗布処理によって塗布液を消費
すると、それにともなってタンク内液面高さは徐々に低
下するが、外部タンク51に貯留される塗布液の液面面
積を大きくするにしたがって、タンク内液面高さの低下
量は小さくなり、基板Sに形成される塗布膜の膜厚変動
を抑制することができる。
【0086】ここで、基板に液晶製造用のフォトレジス
ト液を塗布する場合を一例として外部タンク51の液面
面積と膜厚均一性との関係を調べると、以下の通りであ
った。例えば、塗布装置において1mmの液面変化で約
0.15μm膜厚変動が生じると仮定すると、外部タン
ク51の内径をφ150として、550mm×650m
mの塗布面積を有する被塗布面SFに膜厚4.2μm
(乾燥前)でフォトレジスト液を塗布すると、塗布処理
によって外部タンク51に貯留されているフォトレジス
ト液の液面は低下するが、その液面低下に伴う膜厚変動
は1%未満の範囲に抑えることができた。種々の検証結
果から、外部タンク51としては、被塗布面SFの面積
の1/20以上の断面積を有するものを採用するのが望
ましい。
【0087】(2) また、上記のように外部タンク51
を設けて適宜塗布液を補充するように構成しているの
で、塗布液槽11を小型化することができ、メンテナン
ス時などのために塗布液槽11内に残っている塗布液を
廃棄するとしても、その廃棄量を最小限に抑制すること
ができ、塗布液を効率よく使用することができる。
【0088】(3) また、塗布処理にともなってタンク
内液面高さが低下しても、ノズル1とは別個独立して外
部タンク51を設けているため、外部タンク51に塗布
液を容易に補給することができる。ここで、外部タンク
51をどのような材料で形成しても上記した効果は得ら
れるが、特に実施形態のように外部タンク51全体が透
明あるいは半透明状態となっているので、作業者が装置
外部から外部タンク51に貯留される塗布液量を目視確
認することができ、タンク内液面高さを確認してタンク
内液面高さが大幅に減少する前に塗布液を補給すること
が容易となる。なお、タンク内液面高さの目視確認のみ
を考慮すれば、外部タンク51全体を透明あるいは半透
明材料で形成する必然性はなく、少なくとも外部タンク
51の一部領域を透明あるいは半透明材料で形成し、当
該領域で液面高さを目視可能に構成すればよい。
【0089】(4) また、目視可能領域(上記実施形態
における外部タンク51の側面領域)に液面センサ54
を設けているので、タンク内液面高さの確認を自動化す
ることができる。すなわち、液面センサ54からの検出
信号に基づき、制御部72が、タンク内液面高さが所定
範囲に収まっていないことを確認すると、塗布液補給装
置から所定量の塗布液を塗布液供給管56を介して補給
するように構成すると、塗布液の自動補給を行うことが
できる。また、塗布液補給装置を設ける代わりに、タン
ク内液面高さが所定範囲に収まっていないことを確認す
ると、その旨を作業者に警告し、作業者に塗布液補給を
促すように構成してもよい。
【0090】(5) また、外部タンク51を上下させる
タンク上下機構8を設け、必要に応じてノズル1(ノズ
ル口12)に対して外部タンク51を相対的に上昇また
は降下させてタンク内液面高さを制御している。
【0091】(5-1) すなわち、上記実施形態では、塗
布開始前にタンク内液面高さを上昇させることで水頭差
を生じさせて定量の塗布液を塗布液槽11から基板S側
に流出させて基板Sとノズル1との間に微量液溜り部4
1を形成するようにしているので、塗布開始時に過不足
のない適切な液溜り部4を形成することができ、液だれ
や塗布不良などの不具合を防止することができる。特
に、上記実施形態では、塗布開始時において微量液溜り
部41を形成するために供給される塗布液量をタンク内
液面高さによって調整することができるので、塗布液の
種類や粘度などに対応する最適な微量液溜り部41を形
成することができる。
【0092】(5-2) また、塗布初期段階で、タンク内
液面高さを上昇させることで水頭差を生じさせて塗布開
始時のノズル1からの塗布液の流出を促進させるように
構成しているので、流出抵抗による塗布初期段階での塗
布膜の薄膜化を効果的に防止することができる。
【0093】(5-3) また、塗布処理の定常状態では、
リニアアクチュエータ65のエンコーダおよび液面セン
サ54からの出力に基づきタンク内液面高さを求めると
ともに、該タンク内液面高さが一定(定常位置H)とな
るように制御されているため、塗布膜の膜厚は均一にな
っている。なお、タンク内液面高さを一定(定常位置
H)に保つ方法としては、上記液面センサ54の出力に
基づいて外部タンク51を上下移動させるという方法以
外に、次のように制御するようにしてもよい。すなわ
ち、塗布開始前に「基板幅」、「塗布膜厚」および「塗
布速度」などの情報を操作部71を介して作業者が入力
しておき、これらの情報に基づき制御部72が塗布処理
によって単位時間当たりに消費される塗布液量を演算
し、この演算結果と外部タンク51の液面面積とから液
面低下速度を計算するとともに、この液面低下速度と同
じ速度で外部タンク51を上昇させることで、塗布処理
による液面低下を相殺してタンク内液面高さを一定(定
常位置H)に維持することができる。
【0094】(5-4) さらに、最終塗布位置においてタ
ンク内液面高さを降下させて余剰の塗布液を塗布液槽1
1に吸引回収するように構成しているので、当該最終塗
布位置での膜厚増大や基板Sの下側端部への塗布液の回
り込みなどを防止して、適切な膜厚で基板に塗布液を塗
布することができる。しかも、余剰の塗布液のノズル1
への付着を防止しているので、処理が終わるごとにノズ
ル1などを洗浄する必要はなく、高いスループットで塗
布処理を行うことができる。しかも、回収した塗布液は
再利用されるため、塗布液を無駄なく利用することがで
きる。なお、上記実施形態では、吸引回収する塗布液量
を調整することができるので、塗布液の種類や粘度など
に応じて制御することができ、塗布装置の汎用性を高め
ることができる。特に、フォトレジスト液を塗布液とし
て使用する塗布装置においては、顕著な効果が得られ
る。
【0095】すなわち、吸引回収する方法として定量ポ
ンプを使用することも従来より提案されているが、定量
ポンプを用いてフォトレジスト液(塗布液)を吸引しよ
うとすると、比較的大きな負圧がフォトレジスト液にか
かり、該フォトレジスト液から気泡が発生し、ノズル1
や配管内に存在してしまう可能性があった。これに対
し、タンク内液面高さを調整して負圧を発生させる場合
には、上記したように負圧を微妙に調整することができ
るため、気泡を発生させることなく、フォトレジスト液
を吸引回収することができる。
【0096】(6) さらに、上記実施形態にかかる塗布
装置では、塗布液槽11には、塗布液が常時満たされて
いるので、このノズル1内での塗布液のゲル化を防止す
ることができ、ノズル1の着脱洗浄処理の必要性を大幅
に低減することができる。このため、ノズル1の着脱回
数を最小限に抑えることができ、高い頻度で着洗浄を必
要としていた従来の塗布装置に比べて、塗布性能の再現
性および安定性を高めることができる。また、上記のよ
うにゲル化を防止してノズル1内部の汚染を抑制するこ
とができるため、ノズル1を金属などの精密加工が可能
な材料で形成することができ、この点からも塗布性能の
再現性および安定性をより一層高めることができる。
【0097】(7) また、上記のように塗布液槽11に
は、塗布液が常時満たされており、塗布液槽11内に気
相が存在しないので、次のような効果が得られる。すな
わち、静的状態では塗布液の液面がノズル1の前端面1
51の下端152より高くなるとサイフォン現象により
こぼれてしまう、つまりサイフォン効果が生じるため、
ノズル内部に気相が形成されている場合には、当該サイ
フォン効果を考慮してノズル形状を設計する必要がある
が、本実施形態では気相が存在しないので、当該サイフ
ォン効果による液こぼれを考慮することなく、ノズル形
状を設計することができ、ノズル設計の自由度を高める
ことができる。特に、スリット16の長さを削減して低
圧損化を図ることができるとともに、塗布液槽11の高
さ寸法の最適化を図ることができる。
【0098】なお、上記実施形態では、塗布液槽11が
常に塗布液で満たされているタイプの塗布装置に本発明
を適用しているが、本発明の適用対象は当該タイプの塗
布装置に限定されるものではなく、図11に示すように
塗布液槽11が大気開放されたタイプの塗布装置にも適
用することができる。以下、図11を参照しつつ、この
発明にかかる塗布装置の他の実施形態について説明す
る。
【0099】図11は、この発明にかかる塗布装置の他
の実施形態を示す図である。この塗布装置が先に説明し
た塗布装置(図2)と大きく相違する点は、塗布液槽1
1が大気開放されている点のみであり、その他の構成は
同一である。すなわち、この塗布装置では、塗布液槽1
1の内部に貯留される塗布液の液面よりも上方部分にお
いて、塗布液槽11から上方へ連通部17が延設され、
この連通部17には、エアバルブ17aが介挿されてい
る。このため、エアバルブ17aを開くことで塗布液槽
11の内部が大気開放される。
【0100】このように構成された塗布装置では、外部
タンク51をノズル1(ノズル口12)に対して上下移
動させると、先の実施形態と同様にタンク内液面高さH
が上昇したり、降下するが、この実施形態では外部タン
ク51の上昇(降下)にともなって塗布液槽11内の塗
布液の液面が上昇(降下)して外部タンク51に貯留さ
れている塗布液の液面と同一高さ位置になる。したがっ
て、外部タンク51をノズル1に対して相対的に移動さ
せることでタンク内液面高さおよび槽内液面高さを調整
することができる。
【0101】すなわち、塗布開始前にタンク内液面高さ
(槽内液面高さ)を上昇させることで水頭差を生じさせ
て定量の塗布液を塗布液槽11から基板S側に流出させ
て基板Sとノズル1との間に微量液溜り部41を形成す
るようにしているので、塗布開始時に過不足のない適切
な液溜り部4を形成することができ、液だれや塗布不良
などの不具合を防止することができる。特に、上記実施
形態では、塗布開始時において微量液溜り部41を形成
するために供給される塗布液量をタンク内液面高さ(槽
内液面高さ)によって調整することができるので、塗布
液の種類や粘度などに対応する最適な微量液溜り部41
を形成することができる。
【0102】また、塗布初期段階で、タンク内液面高さ
(槽内液面高さ)を上昇させることで水頭差を生じさせ
て塗布開始時のノズル1からの塗布液の流出を促進させ
るように構成しているので、流出抵抗による塗布初期段
階での塗布膜の薄膜化を効果的に防止することができ
る。
【0103】また、塗布処理の定常状態では、リニアア
クチュエータ65のエンコーダおよび液面センサ54か
らの出力に基づきタンク内液面高さ(槽内液面高さ)を
求めるとともに、該タンク内液面高さ(槽内液面高さ)
が一定となるように制御されているため、塗布膜の膜厚
を均一にすることができる。
【0104】また、最終塗布位置においてタンク内液面
高さ(槽内液面高さ)を降下させて余剰の塗布液を塗布
液槽11に吸引回収するように構成しているので、当該
最終塗布位置での膜厚増大や基板Sの下側端部への塗布
液の回り込みなどを防止して、適切な膜厚で基板に塗布
液を塗布することができる。しかも、余剰の塗布液のノ
ズル1への付着を防止しているので、処理が終わるごと
にノズル1などを洗浄する必要はなく、高いスループッ
トで塗布処理を行うことができる。しかも、回収した塗
布液は再利用されるため、塗布液を無駄なく利用するこ
とができる。なお、上記実施形態では、吸引回収する塗
布液量を調整することができるので、塗布液の種類や粘
度などに応じて制御することができ、塗布装置の汎用性
を高めることができる。
【0105】しかも、先に説明した実施形態と同様に、
ノズル1に対して外部タンク51を別個独立して設ける
とともに、ノズル1と外部タンク51とを連通してノズ
ル1内に設けられた塗布液槽11に塗布液を適宜補充す
るように構成しているので、先の実施形態と同様の効果
(1)〜(4)と同様の効果が得られる。
【0106】さらに、この塗布装置では、次に説明する
ような特有の効果を有している。すなわち、塗布装置で
は塗布液の貯留量が少なくなると、適宜塗布液を補給す
る必要があるが、図14および図15に示す従来の塗布
装置では、塗布液槽に直接塗布液を補給する必要があっ
た。そのため、塗布処理中に塗布液槽に塗布液を補給す
ると、塗布液槽内に貯留されている塗布液に波立ち現象
が生じ、これが塗布膜の膜厚均一性を低下させていた。
これに対し、この実施形態にかかる塗布装置では、ノズ
ル1とは別個独立して外部タンク51を設け、この外部
タンク51に塗布液を補給するように構成しているの
で、補給処理により外部タンク51内で波立ち現象が発
生したとしても、その影響は塗布液槽11に直接は及ば
ない。そのため、塗布処理中に塗布液の補給処理を行っ
たとしても、塗布膜の膜厚の均一性を確保することがで
きる。また、塗布初期段階での塗布液の薄膜化の原因で
ある流出抵抗のうち、連通管52の部分に対応する流出
抵抗の影響を受けにくい。これは、連通管52の部分の
塗布液に流出抵抗がかかっても、それによる塗布液槽1
1への塗布液の供給遅れは、大気開放された塗布液槽1
1での液面高さが一時的に若干低下することである程度
は吸収されるためである。
【0107】以上、実施の形態に即してこの発明を説明
したが、この発明は上記実施の形態に限定されるもので
はない。例えば、図12に示すように、連通管52に3
方弁52aを介挿しするとともに、3方弁52aの1の
ポートに連通管57を介して洗浄液供給機構(図示省
略)を接続し、3方弁52aを制御して外部タンク51
からノズル1に塗布液を補充する代わりに洗浄液供給機
構からノズル1側に洗浄液を供給してノズル洗浄を行う
ようにしてもよい。この塗布装置においても、上記した
ように外部タンク51を設けたことで塗布液槽11を小
型化することができ、その結果、ノズル洗浄を行う際に
廃棄しなければならない塗布液量を大幅に減少させるこ
とができる。
【0108】また、図13に示すように、3方弁52a
の1のポートに塗布液槽11を接続するとともに、他の
2のポートに互いに種類の異なる塗布液を貯留する外部
タンク51A,51Bを接続し、当該3方弁52aを制
御することで外部タンク51A,51Bを選択的にノズ
ル1と連通させるように構成してもよい。この塗布装置
においては、上記のように3方弁52aを制御すること
で塗布液の種類を切替えることができるが、上記と同様
に、外部タンク51A,51Bを設けたことで塗布液槽
11を小型化することができ、その結果、塗布液の切替
えを行う際に廃棄しなければならない塗布液量を大幅に
減少させることができる。
【0109】さらに、上記実施形態では、外部タンクを
上下移動させることで、ノズル1のノズル口(外部流出
口)12に対する外部タンクに貯留されている塗布液の
相対的な液面高さ、つまりタンク内液面高さを制御して
おり、タンク上下機構8と制御部72とで液面制御手段
が構成されているが、この液面制御手段はこれに限定さ
れるものではなく、外部タンクを上下移動させる代わり
に、外部タンクの内部に上下移動可能な物体を設け、当
該物体を降下させて、その一部あるいは全部を当該外部
タンク内に貯留されている塗布液中に浸漬してタンク内
液面高さを上昇させたり、逆に当該物体を上昇させて、
その一部あるいは全部を塗布液中から引き上げてタンク
内液面高さを降下させてもよい。
【0110】
【発明の効果】以上のように、この発明にかかる塗布装
置および塗布方法によれば、ノズル手段とは別個独立し
て塗布液補充手段を設け、ノズル手段内に設けられた塗
布液槽に塗布液を適宜補充するように構成しているの
で、塗布液槽内の塗布液の一部が汲み上げられて基板の
被塗布面に塗布されて消費されても、それと同時に、こ
の塗布液槽に対して塗布液補充手段から塗布液が補充さ
れる。したがって、塗布液槽を小型化することができ、
メンテナンス時などのために塗布液槽内に残っている塗
布液を廃棄するとしても、その廃棄量を最小限に抑制す
ることができ、塗布液を効率よく使用することができ
る。
【0111】また、塗布液補充手段を構成する外部タン
クに塗布液の液面高さを目視可能な領域を設けているの
で、外部タンクに貯留されている塗布液の液面高さを確
認してタンク内液面高さが大幅に減少する前に塗布液を
補充することが容易となる。特に、液面検出手段を目視
可能領域に設けることで、液面高さを自動的に検出する
ことができる。
【0112】また、外部タンク内の塗布液の液面高さを
調整することで、塗布液補充手段と塗布液槽との間に作
用する圧力を調整して塗布液の流れを制御することがで
きる。特に、液面高さを一定に維持することで、基板に
塗布される塗布膜の膜厚を均一にすることができる。ま
た、タンク内液面高さを上昇させることで、ノズル手段
から定量の塗布液を基板に向けて供給して微量液溜りを
形成したり、塗布初期段階での塗布液の流出を促進し
て、塗布初期段階での薄膜化を防止することができる。
さらに、タンク内液面高さを降下させることで、ノズル
手段に対して負圧がかかり、液溜りから定量分の塗布液
をノズル手段側に吸引することができる。
【0113】さらに、塗布液槽内の塗布液の一部が汲み
上げられて基板の被塗布面に塗布されると同時に、その
汲み上げられた塗布液量に相当する塗布液が塗布液補充
手段から塗布液槽に補充されて塗布液槽は常時塗布液で
充満されるように構成しているので、ノズル手段側で
は、塗布液槽に気相が存在せず、塗布液槽内での塗布液
のゲル化を防止することができ、塗布液槽内の汚染を効
果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる塗布装置の一の実施形態を示
す斜視図である。
【図2】図1の塗布装置におけるノズルおよび外部タン
クの構成および相互接続関係を示す図である。
【図3】タンク上下機構の具体的構成を示す一部分解斜
視図である。
【図4】図3のXX線縦断面図である。
【図5】図1のリニアモータの概略構成を示す一部破断
斜視図である。
【図6】移動機構を構成するギャップ可変機構部および
ノズル回動機構部の構成を示す図である。
【図7】図1の塗布装置の概略制御構成を示すブロック
図である。
【図8】図1の塗布装置の動作を示す図である。
【図9】図1の塗布装置の動作を示す図である。
【図10】図1の塗布装置の動作を示す図である。
【図11】この発明にかかる塗布装置の他の実施形態を
示す図である。
【図12】この発明にかかる塗布装置の別の実施形態を
示す図である。
【図13】この発明にかかる塗布装置のさらに別の実施
形態を示す図である。
【図14】提案例にかかる塗布装置の概略構成を示す正
面図である。
【図15】図14の塗布装置におけるAA線の断面図で
ある。
【符号の説明】
1…ノズル 3…吸着ステージ(基板保持手段) 5…外部タンク 6…移動機構 8…タンク上下機構 11…塗布液槽 12…ノズル口(外部流出口) 16…スリット(塗布液流出路) 51,51A,51B…外部タンク 52…連通管 54…液面センサ 54a…光センサ 72…制御部 H,H1,H2,H3…タンク内 SF…被塗布面 S…基板
フロントページの続き (72)発明者 田中 悟 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日本 スクリーン製造株式会社彦根地区事業所内 (72)発明者 木瀬 一夫 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日本 スクリーン製造株式会社彦根地区事業所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を鉛直あるいは傾斜姿勢で保持する
    基板保持手段と、 塗布液を一時的に貯留する塗布液槽と、前記塗布液槽か
    ら斜め上方に延設され、その先端部が外部流出口に連設
    された塗布液流出路とを有し、毛管現象によって前記塗
    布液流出路を介して前記塗布液槽内の塗布液を汲み上げ
    て前記被塗布面に供給するノズル手段と、 大気開放された状態で塗布液を貯留するとともに、前記
    塗布液槽に連通されて当該塗布液を前記塗布液槽に補充
    可能に構成された塗布液補充手段と、 前記基板保持手段に保持された基板に前記ノズル手段を
    近接させた状態で、当該基板の被塗布面に沿って前記ノ
    ズル手段を相対的に移動させる移動手段とを備え、 前記移動手段によって前記ノズル手段と前記基板とを相
    互に近接させた状態で相対的に移動させつつ、前記塗布
    液槽内の塗布液を前記基板の被塗布面に塗布するととも
    に、当該塗布処理と並行して前記塗布液補充手段内に貯
    留されている塗布液を前記塗布液槽に補充することを特
    徴とする塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記塗布液補充手段が、大気開放された
    状態で塗布液を貯留する外部タンクと、前記外部タンク
    と前記塗布液槽とを連通する連通部材とで構成された請
    求項1記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記外部タンクの少なくとも一部が透明
    あるいは半透明材料で構成されて前記外部タンクに貯留
    されている塗布液の液面高さを目視可能な領域が前記外
    部タンクに形成された請求項2記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記目視可能領域に設けられ、前記外部
    タンクに貯留されている塗布液の液面高さを非接触で検
    出する液面検出手段をさらに備えた請求項3記載の塗布
    装置。
  5. 【請求項5】 前記ノズル手段の前記外部流出口に対す
    る前記外部タンクに貯留されている塗布液の相対的な液
    面高さを制御する液面制御手段とをさらに備える請求項
    1記載の塗布装置。
  6. 【請求項6】 前記液面制御手段は、前記基板への塗布
    液の塗布を行っている間、前記液面高さをほぼ一定に維
    持する均一塗布手段を備える請求項5記載の塗布装置。
  7. 【請求項7】 前記液面制御手段は、塗布開始前に、前
    記液面高さを相対的に上昇させて定量分の塗布液を前記
    ノズル手段から前記基板に供給して前記ノズル手段と前
    記基板との間に微量液溜りを形成する定量吐出手段を備
    える請求項5または6記載の塗布装置。
  8. 【請求項8】 前記液面制御手段は、前記基板への塗布
    液の塗布初期段階で、前記液面高さを相対的に上昇させ
    て前記基板への塗布液の流出を促進する初期流出制御手
    段を備える請求項5ないし7のいずれかに記載の塗布装
    置。
  9. 【請求項9】 前記液面制御手段は、前記ノズル手段が
    最終塗布位置に位置した時に、前記液面高さを相対的に
    降下させて、前記ノズル手段と前記基板との間に形成さ
    れている液溜りから定量分の塗布液を吸引する定量吸引
    手段を備える請求項5ないし8のいずれかに記載の塗布
    装置。
  10. 【請求項10】 前記基板への塗布液の塗布により前記
    塗布液槽から汲み上げられた塗布液量分だけ前記塗布液
    補充手段から補充されて前記塗布液槽が塗布液で常時充
    満される請求項1ないし9のいずれかに記載の塗布装
    置。
  11. 【請求項11】 前記塗布液槽が大気開放されている請
    求項1ないし9のいずれかに記載の塗布装置。
  12. 【請求項12】 鉛直あるいは傾斜姿勢で保持された基
    板の被塗布面にノズル手段を近接させた状態で、当該ノ
    ズル手段を前記被塗布面に沿って相対的に移動させなが
    ら、当該ノズル手段の内部に設けられた塗布液槽内に貯
    留された塗布液を毛管現象によって汲み上げ、前記ノズ
    ル手段の外部流出口を介して基板に供給することで塗布
    液を前記被塗布面に塗布する塗布方法において、 前記ノズル手段とは別個独立して塗布液を貯留する塗布
    液補充手段を設け、当該塗布処理と並行して前記塗布液
    補充手段から塗布液を前記塗布液槽に補充することを特
    徴とする塗布方法。
  13. 【請求項13】 前記塗布液補充手段が大気開放された
    状態で塗布液を貯留する外部タンクを備えており、前記
    ノズル手段の前記外部流出口に対する前記外部タンクに
    貯留されている塗布液の相対的な液面高さを制御する請
    求項12記載の塗布方法。
  14. 【請求項14】 前記基板への塗布液の塗布を行ってい
    る間、前記液面高さをほぼ一定に維持する請求項13記
    載の塗布方法。
  15. 【請求項15】 塗布開始前に、前記液面高さを相対的
    に上昇させて定量分の塗布液を前記ノズル手段から前記
    基板に供給して前記ノズル手段と前記基板との間に微量
    液溜りを形成する請求項13または14記載の塗布方
    法。
  16. 【請求項16】 前記基板への塗布液の塗布初期段階
    で、前記液面高さを相対的に上昇させて前記基板への塗
    布液の流出を促進する請求項13ないし15のいずれか
    に記載の塗布方法。
  17. 【請求項17】 前記ノズル手段が最終塗布位置に位置
    した時に、前記液面高さを相対的に降下させて、前記ノ
    ズル手段と前記基板との間に形成されている液溜りから
    定量分の塗布液を吸引する請求項13ないし16のいず
    れかに記載の塗布方法。
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