JP3414572B2 - 塗布装置および塗布方法 - Google Patents

塗布装置および塗布方法

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JP3414572B2
JP3414572B2 JP02022896A JP2022896A JP3414572B2 JP 3414572 B2 JP3414572 B2 JP 3414572B2 JP 02022896 A JP02022896 A JP 02022896A JP 2022896 A JP2022896 A JP 2022896A JP 3414572 B2 JP3414572 B2 JP 3414572B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、塗布液の塗布装
置および塗布方法、特に平坦な枚葉部材の表面に塗膜を
安定して形成する塗布装置および塗布方法、並びに、こ
れら装置および方法を用いたカラーフィルタの製造装置
および製造方法に関する。
【0002】
【関連する背景技術】カラー液晶ディスプレイ用のカラ
ーフィルタは、枚葉部材としてのガラス基板上に3原色
の細かな格子模様を有しており、このような格子模様は
ガラス基板上に黒色の塗膜を形成した後、赤、青、緑の
3原色に塗り分けて得られる。それゆえ、カラーフィル
タの製造には、ガラス基板上に黒、赤、青、緑の塗布液
を塗布し、これらの塗膜を順次形成する塗布工程が不可
欠となる。この種の塗布工程には従来、塗布装置として
スピニングコータ、バーコータあるいはロールコータが
使用されていたが、塗布液の消費量を削減し、また、塗
膜の物性を向上する上で、近年に至ってはダイコータの
使用が検討されている。
【0003】たとえば特開平5-15831号公報にはダイコ
ータの一例が開示されており、この公知のダイコータ
は、塗布液の貯蔵タンクと、この貯蔵タンクから真空脱
泡機を経て給液ヘッドに塗布液を供給する定量ポンプと
を備え、給液ヘッドから塗布液を吐出しながら被塗布部
材の表面に塗膜を形成するものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】公知のダイコータは、
貯蔵タンク内の塗布液を真空脱泡機にて脱泡処理した
後、塗布器つまり給液ヘッドに供給しているが、真空脱
泡機だけでは脱泡が不十分となる塗布液もあり、定量ポ
ンプでの送液時に気泡が顕在化すると、この気泡に起因
して被塗布部材上に塗布液が塗布されない箇所、つま
り、塗膜に欠点が発生してしまい、均一な塗膜の形成が
不能になってしまう。さらに、真空脱泡時には、塗布器
による塗膜の形成を停止せねばならないという不都合も
ある。
【0005】それ故、公知のダイコータにあっては、給
液ヘッド内に塗布液中に発生した気泡や凝集物を除去す
るために、供給ヘッド自体に超音波発生機や振動発生機
を設ける必要がある。しかしながら、これら超音波発生
機や振動発生機の作動中にも、被塗布部材への塗膜の形
成を中断しなくてはならず、ダイコータの稼働効率、つ
まり、塗膜の形成効率が低下する原因となっている。
【0006】この発明は上述した事情に基づいてなされ
たもので、その目的とするところは、塗布器からの塗布
液の吐出を停止することなく、塗布液の補給および脱泡
処理を効果的に行え、被塗布部材に形成される塗膜に欠
点を発生させることのない塗布装置および塗布方法、並
びに、カラーフィルタの製造装置および製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、この発明に
よって達成され、請求項1の塗布装置は、塗布液を蓄え
る塗布液貯蔵源と、この塗布液貯蔵源から塗布液を吸い
込み、吸い込んだ塗布液を供給するポンプと、このポン
プからの塗布液の供給を受け、吐出口から塗布液を吐出
する塗布器と、塗布器および被塗布部材のうちの少なく
とも一方を相対的に移動させる移動手段とを備え、そし
て、塗布液貯蔵源は、塗布液の供給を受ける処理タンク
と、一方において処理タンクに接続され、他方において
ポンプに接続された貯蔵タンクと、この貯蔵タンク内を
加圧した状態で、処理タンクから塗布液を貯蔵タンクに
補給する補給手段と、処理タンクと貯蔵タンクを接続す
る管路に介挿され、処理タンク内での塗布液の処理が完
了するまでは閉弁状態にあって処理タンクから貯蔵タン
クを分離し、処理の完了後に開かれることで処理タンク
内から貯蔵タンクへの処理済塗布液の補給を許容する開
閉弁とを備えている。
【0008】請求項1の塗布装置によれば、処理タンク
に供給された塗布液は開閉弁を閉じた状態で処理され
この処理が完了した後、処理タンクから加圧状態にある
貯蔵タンクに補給される。そして、貯蔵タンク内の処理
済みの塗布液がポンプにより塗布器に供給されること
、塗膜の形成が行われる。処理タンク内への塗布液の
供給や、処理タンク内での処理の間にあっても、貯蔵タ
ンクは開閉弁により処理タンクから分離されているの
、ポンプによる貯蔵タンクから塗布器への供給、つま
り、塗布器からの塗布液の吐出並行して実施可能であ
り、また、処理タンク内での処理が完了した後にあって
も、処理タンクから貯蔵タンクへの処理済みの塗布液の
補給と塗布器からの塗布液の吐出とを並行して実施可能
である
【0009】請求項2の塗布装置は、その処理タンクに
内部の塗布液を脱泡する脱泡処理手段を備え、この脱泡
処理手段は処理タンク内のガスを排気する排気手段と、
処理タンク内の塗布液に超音波振動を与える加振手段と
を備えている。請求項2の塗布装置によれば、処理タン
ク内にて塗布液は超音波振動を受け、その塗布液中から
気泡が効果的に除去され、そして、除去された気泡は排
気手段により処理タンクから排出される。
【0010】請求項3の塗布装置の加振手段は、処理タ
ンクの塗布液中にその一部が浸漬された超音波振動子を
含み、処理タンク内を排気手段により所定の減圧状態に
て排気しながら、その加振部を介して塗布液に超音波振
動を与えるものとなっている。この場合、加振部から直
接、塗布液に超音波振動が与えられるので、塗布液の脱
泡処理が効率良く行われる。請求項の塗布装置は、そ
の補給手段が処理タンク内と貯蔵タンク内との間に圧力
差を与える加圧手段を備えており、この場合、処理タン
クから貯蔵タンクへの塗布液の補給は、処理タンク内と
貯蔵タンク内との間の圧力差を利用して行われる。請求
の塗布装置は、その脱泡処理手段に処理タンク内の
塗布液を攪拌する攪拌手段がさらに含まれており、この
場合、処理タンク内の塗布液は攪拌手段による攪拌処理
を受けることで、その脱泡が促進される。
【0011】請求項のカラーフィルタの製造装置は、
請求項1〜のいずれかに記載の塗布装置を有してお
り、この場合、その塗布装置を用いて、カラーフィルタ
が製造される。請求項の塗布方法は、処理タンク内に
て塗布液に処理を施した後、その処理済みの塗布液を貯
蔵タンクに補給して蓄え、貯蔵タンク内の塗布液をポン
プにより塗布器に向けて供給し、塗布器および被塗布部
材のうちの少なくとも一方を相対的に移動させて、被塗
布部材の表面に塗膜を形成するに際し、処理タンク内で
の塗布液の脱泡処理が完了するまでの間にあっては処理
タンクと貯蔵タンクの間に介挿された開閉弁を閉じて処
理タンクから貯蔵タンクを分離し、処理タンク内での脱
泡処理が完了した後に開閉弁を開き、処理タンクから貯
蔵タンクへの脱泡処理済み塗布液の補給を許容するよう
になっている
【0012】請求項の塗布方法によれば、請求項1の
塗布装置の場合と同様に、処理タンク内への塗布液の供
その処理タンク内での塗布液の処理および処理タン
クから貯蔵タンクへの処理済みの塗布液の補給は開閉弁
の閉開操作により、貯蔵タンクから塗布器への塗布液の
供給と並列的に行われ、請求項1の塗布装置と同様な作
用が発揮される。請求項の塗布方法では、処理タンク
内のガスを排気し、かつ塗布液に超音波振動を与えるこ
とで、その脱泡処理を行っており、この場合、塗布液の
脱泡処理は、請求項2の塗布装置の場合と同様に効率良
く行われる。
【0013】請求項8の塗布方法では、塗布液への超音
波振動が処理タンク内を所定の減圧状態にて排気しなが
ら、処理タンクの塗布液中に加振手段の超音波振動子の
一部を浸漬させた状態で与えられるようになっており、
請求項3の塗布装置の場合と同様に塗布液の脱泡処理の
効率化が図られる。 請求項10の塗布方法は、処理タン
ク内の処理済みの塗布液を圧力差により貯蔵タンクに補
給しており、この場合、処理タンクから貯蔵タンクへの
塗布液の補給にポンプを必要としない。請求項11の塗
布方法は、塗布液の脱泡処理が処理タンク内の塗布液を
攪拌しながら行われ、この場合、その脱泡処理はさらに
効率良く行われる。請求項12のカラーフィルタの製造
方法は、請求項10のいずれかに記載の塗布方法を
用いており、この場合、その塗布方法を使用してカラー
フィルタが製造される
【0014】
【発明の実施の態様】図1を参照すると、カラー液晶デ
ィスプレイのカラーフィルタの製造に使用される塗布装
置いわゆるダイコータが示されており、このダイコータ
は基台2を備えている。基台2上には一対のガイド溝レ
ール4が設けられており、これらガイド溝レール4には
その上面がサクション面として構成されたステージ6が
配置されている。ステージ6は、スライド脚8を介して
一対のガイド溝レール4上を水平方向に往復動自在とな
っている。
【0015】基台2上において、一対のガイド溝レール
4間には送り機構を内蔵したケーシング12が配置され
ており、このケーシング12はガイド溝レール4に沿っ
て延びている。送り機構は、図2に示されているように
ボールねじからなるフィードスクリュー14を有してお
り、このフィードスクリュー14はステージ6の下面に
固定されたナット状のコネクタ16にねじ込まれ、この
コネクタ16を貫通して延びている。フィードスクリュ
ー14の両端部は図示しない軸受に回転自在に支持され
ており、その一端にはACサーボモータ18が連結され
ている。なお、ケーシング12の側面にはコネクタ16
の移動を許容する開口が形成されているが、この開口は
図1中では省略されている。
【0016】図1に示されているように基台2の上面に
は、一対のガイド溝レール4の一端側側方に位置してセ
ンサ支柱20が配置されている。このセンサ支柱20は
逆L字形をなしており、その先端は一対のガイド溝レー
ル4間の中央上方まで延びている。センサ支柱20の先
端には電動型の昇降アクチュエータ21が取り付けられ
ており、この昇降アクチュエータ21には厚みセンサ2
2が下向きにして取り付けられている。厚みセンサ22
としてはレーザ変位計、電子マイクロ変位計、超音波厚
さ計などを使用することができる。
【0017】さらに、基台2の上面にはセンサ支柱20
よりも基台2の中央側に位置してダイ支柱24が配置さ
れている。このダイ支柱24もまた逆L字形をなし、そ
の先端は一対のガイド溝レール4間の中央上方に位置付
けられている。ダイ支柱24の先端には昇降機構26が
取り付けられている。図1において、昇降機構26は詳
細に示されていないけれども、昇降ブラケットを備えて
おり、この昇降ブラケットは一対のガイドロッドに昇降
自在に取り付けられている。これらガイドロッド間には
ボールねじからなるフィードスクリューが配置されてお
り、このフィードスクリューは昇降ブラケットを貫通す
るようにして昇降ブラケットにねじ込まれている。フィ
ードスクリューおよび一対のガイドロッドは昇降機構2
6のケーシング28に収容されており、一対のガイドロ
ッドはそれらの上下端がケーシング28に支持されてい
る。また、フィードスクリューの上下端はケーシング2
8に回転自在に支持されている。さらに、フィードスク
リューの上端にはACサーボモータ30が連結されてお
り、このACサーボモータ30はケーシング28の上面
に取り付けられている。
【0018】昇降機構26の昇降ブラケットにはコ字形
をなしたダイホルダ32が取り付けられており、このダ
イホルダ32は一対のガイド溝レール4の上方をこれら
ガイド溝レール4間に亘って水平に延びている。ダイホ
ルダ32はその中央部が昇降ブラケットに対して垂直面
内で回転自在に支持されている。さらに、昇降ブラケッ
トには、ダイホルダ32の上方に位置して水平バー36
が固定されており、この水平バー36はダイホルダ32
に沿って延びている。水平バー36の両端部には空圧型
の調整アクチュエータ38がそれぞれ取り付けられてお
り、これら調整アクチュエータ38は水平バー36の下
面から突出する伸縮可能なロッドを有し、これら伸縮ロ
ッドがダイホルダ32の上面に当接されている。
【0019】ダイホルダ32内には塗布器としてのスリ
ットダイ40が配置されている。このスリットダイ40
は、ダイホルダ32内において、ステージ6の往復動方
向と直交する方向に水平に延び、その両端にてダイホル
ダ32に支持されている。ここで、スリットダイ40の
水平調整は、水平バー36の両端に設けた調整アクチュ
エータ38の伸縮ロッドを進退させ、ダイホルダ32を
その回転軸線の回りに回転させることにより行うことが
できる。
【0020】詳細には示されていないが、スリットダイ
40はステージ6の往復動方向でみて前後に位置したフ
ロントリップ40fとリアリップ40rを備えている。
これらフロントリップ40fおよびリアリップ40r
長尺なブロック形状をなし、シムを介して張り合わせら
れた状態で、複数の連結ボルトにより互いに結合されて
いる。図2に概略的に示されているようにスリットダイ
40の中央内部にはマニホールド62が形成されてお
り、このマニホールド62からは下方に向けてスリット
64が延びている。このスリット64はスリットダイ4
0の下端面に開口し、吐出口を形成している。なお、ス
リット64はフロントリップ40fとリアリップ40r
との間に介在されたシムによって形成されており、これ
により、スリットダイ40の吐出口はステージ6の往復
動方向と直交する方向に延びている。
【0021】図2に示されているようにダイホルダ40
には塗布液の供給ホース42の一端が接続されており、
この一端はダイホルダ40の内部通路を介してマニホー
ルド6に連通している。供給ホース42はダイホルダ
40から延びており、その他端はピストンポンプいわゆ
るシリンジポンプ44に接続されている。より詳しく
は、供給ホース42の他端はシリンジポンプ44におけ
る電磁切換え弁46の供給ポートに接続されている。電
磁切換え弁46の吸引ポートからは吸引ホース48が延
びており、この吸引ホース48は後述する塗布液貯蔵源
66に接続されている。
【0022】シリンジポンプ44はピストンポンプ本体
52を有し、このピストンポンプ本体52は電磁切換え
弁46の切換え作動により、供給ホース42および吸引
ホース48の一方に選択的に接続可能となっている。こ
れら電磁切換え弁46およびピストンポンプ本体52は
コンピュータ54に電気的に接続されており、このコン
ピュータ54からの制御信号を受けて、それらの作動が
制御されるようになっている。また、コンピュータ54
には前述した昇降アクチュエータ21および厚みセンサ
22もまた電気的に接続されている。
【0023】さらに、シリンジポンプ44の作動を制御
する上で、コンピュータ54にはシーケンサ56もまた
電気的に接続されている。このシーケンサ56はステー
ジ6側のフィードスクリュー14のACサーボモータ1
8や、昇降機構26つまりそのACサーボモータ30の
作動をシーケンス制御するものであり、そのシーケンス
制御のために、シーケンサ56にはACサーボモータ1
8,30の作動状態を示す信号、ステージ6の移動位置
を検出する位置センサ58からの信号、スリットダイ4
0の作動状態を検出するセンサ(図示しない)などから
の検出信号が入力され、一方、シーケンサ56からはシ
ーケンス動作を示す信号がコンピュータ54に出力され
るようになっている。なお、位置センサ58を使用する
代わりにACサーボモータ18にエンコーダを組み込
み、このエンコーダから出力されるパルス信号に基づ
き、シーケンサ56にてステージ6の位置を検出するこ
とも可能である。さらに、シーケンサ56にコンピュー
タ54による制御を組み込むことも可能である。
【0024】図示されていないが、ダイコータには、ス
テージ6上に被塗布部材として枚葉部材、より詳しくは
カラーフィルタのガラス基板Aを供給するためのローダ
や、ステージ6上からガラス基板Aを取り外すためのア
ンローダが備えられており、これらローダ及びアンロー
ダにはその主要構成部分にたとえば円筒座標系産業ロボ
ットを使用することができる。
【0025】図3を参照すると、前述した塗布液貯蔵源
66の詳細が示されており、以下、この塗布液貯蔵源6
6に関して説明する。塗布液貯蔵源66は密閉型の処理
タンク68を備えており、この処理タンク68は上面が
開口したタンク本体70と、このタンク本体70の上面
開口を閉塞する密閉蓋72とからなっている。密閉蓋7
2には塗布液の投入管74が貫通して取り付けられてお
り、この投入管74の内端部はタンク本体70の内周壁
に向けて折り曲げられている。投入管74には処理タン
ク68の外側に位置して開閉弁76が介挿されており、
この開閉弁76を開くことで、投入管74を通じて塗布
液Lを処理タンク68内に投入することができる。
【0026】処理タンク68内には超音波振動子78が
収容されており、この超音波振動子78はその加振部で
ある下面を含む一部が処理タンク68内の塗布液L中に
浸漬されている。超音波振動子78は支持ロッド80を
介して密閉蓋72から吊持されており、支持ロッド80
は密閉蓋72を貫通して処理タンク68の外側に延出し
ている。なお、支持ロッド80内には超音波振動子78
と外部の電源とを電気的に接続する通路が形成されてい
る。
【0027】処理タンク68のタンク本体70にはその
上部、つまり、塗布液Lの液面よりも上方に位置して排
気ポート82が形成されており、この排気ポート82は
排気管路84を介して真空ポンプに接続されている。塗
布液貯蔵源66は前述した処理タンク68とは別に、密
閉型の貯蔵タンク86を備えている。この貯蔵タンク8
6は処理タンク68と同様に上面が開口したタンク本体
88と、このタンク本体88の上面開口を閉塞する密閉
蓋90とからなっているが、図3から明らかなように貯
蔵タンク86は処理タンク68よりも下方に配置されて
いる。
【0028】処理タンク68のタンク本体70と貯蔵タ
ンク86のタンク本体88とはその下部に位置して排出
ポート92及び補給ポート94がそれぞれ形成されてお
り、これら排出ポート92と補給ポート94とは補給管
路96を介して相互に接続されている。補給管路96の
途中には開閉弁98が介挿されており、この開閉弁98
は貯蔵タンク86を処理タンク68から選択的に分離す
ることができる。
【0029】また、貯蔵タンク86のタンク本体88に
はその底壁に送給ポート100が形成されており、この
送給ポート100に前述した吸引ホース48が接続され
ている。吸引ホース48には貯蔵タンク86側に位置し
て開閉弁102が介挿されており、この開閉弁102は
貯蔵タンク86とシリンジポンプ44との間の接続を断
続することができる。
【0030】さらに、塗布液貯蔵源66は、処理タンク
68から貯蔵タンク86に向けて塗布液Lを圧力差を利
用して補給するガス圧回路104が備えられており、こ
のガス圧回路104は所定圧の窒素ガスを蓄えた窒素ガ
スタンク106を有している。この窒素ガスタンク10
6からはガス供給管路108が延びており、このガス供
給管路108は処理タンク68の密閉蓋72を貫通して
処理タンク68内に接続されている。ガス供給管路10
8の途中には調圧弁110が介挿されており、この調圧
弁110は処理タンク68内の圧力を一定に保持する。
調圧弁110の設定圧力はたとえば100,000Paに設定さ
れている。また、ガス供給管路108には調圧弁110
と処理タンク68との間に位置して開閉弁112もまた
介挿されている。調圧弁110のリリーフポートは戻り
管路114を介して回収タンク116に接続されてお
り、この回収タンク116と窒素ガスタンク106とは
加圧管路118を介して相互に接続されている。この加
圧管路118には、回収タンク116内の窒素ガスを所
定の圧力まで加圧して窒素ガスタンク106に供給する
ブースタ、すなわち、加圧ポンプ120が介挿されてい
る。
【0031】ガス供給管路108において、窒素ガスタ
ンク106と調圧弁110との間からは分岐ガス供給管
路122が分岐されており、この分岐ガス供給管路12
2は貯蔵タンク86の密閉蓋90を貫通して貯蔵タンク
86内に接続されている。分岐ガス供給管路122に
は、調圧弁124が介挿されており、この調圧弁124
の設定圧は前述の調圧弁110の設定圧よりも低く、シ
リンジポンプ44の背圧として適切なたとえば50,000Pa
に設定されている。この圧力に比べて、シリンジポンプ
44の吸引動作が速いと、キャビテーションを起こして
気泡が顕在化する。一方、シリンジポンプ44は塗布
のサイクルタイムから予め塗布液の吸引にかかる時間が
割り当てられており、この吸引速度でキャビテーション
を起こさないように背圧、すなわち、調圧弁124の設
定圧を決定する必要がある。調圧弁124のリリーフポ
ートは分岐戻り管路126を介して戻り管路114に接
続されており、この戻り管路114には調圧弁124か
らの窒素ガスの流速を制御するスピードコントローラす
なわち可変絞り弁128が介挿されている。
【0032】次に、カラーフィルタの製造に係わる一工
程、つまり、上述のダイコータを使用して行われるガラ
ス基板Aへの塗布液Lの塗布方法を説明する。ダイコー
タにおいては、先ず塗布液貯蔵源66にて塗布液Lの準
備/脱泡処理が実施される。この準備/脱泡処理では、
先ず、処理タンク68と貯蔵タンク86とを接続する補
給管路96の開閉弁98およびガス供給管路108の開
閉弁112を閉じた状態で、投入管74の開閉弁76を
開き、処理タンク68内の塗布液Lの液面が超音波振動
子78のレベルに到達するまで、処理タンク68内にた
とえば粘度30cPの塗布液Lを投入管74を通じて供給
する。
【0033】この後、投入管74の開閉弁76を閉じた
後、真空ポンプを駆動して処理タンク86内のガスを排
気管路84を通じて排出し、処理タンク68内の空間の
圧力をたとえば266Pa(2Torr)まで減圧し、真空状態
に保持する。この状態で、超音波振動子78が作動さ
れ、処理タンク68内の塗布液Lは加振される。この塗
布液Lの加振はたとえば10sec程度行われる。このよ
うに処理タンク68内の空間を真空状態に保持して、そ
の内部の塗布液Lを加振すると、塗布液L中に潜んでい
た気泡が単なる真空脱泡よりもはるかに多量に液面に現
れ、この気泡は処理タンク68の空間から排気管路84
を介して効率良く排出される。
【0034】このような塗布液の脱泡処理、つまり、真
空ポンプの駆動はたとえば10min間維持され、一定の
真空圧に保たれる。10min後に真空ポンプを停止した
時点で、処理タンク68内での塗布液Lの脱泡処理が完
了する。この後、ガス供給管路108の開閉弁112が
開かれると、窒素ガスタンク106から処理タンク68
の空間に調圧弁110を介して窒素ガスが供給される。
ここで、調圧弁110の設定圧は100,000Paに設定され
ているから、処理タンク68内の脱泡処理済みの塗布液
Lは100,000Paの圧力でが加圧された状態にある。
【0035】一方、貯蔵タンク86には窒素ガスタンク
106からの窒素ガスが調圧弁124を介して常時供給
されており、それゆえ、貯蔵タンク86内の圧力は調圧
弁124の設定圧によって決定される圧力、すなわち、
50,000Paに設定されている。この状態で、貯蔵タンク8
6内の塗布液Lが所定量以下の残量でしかない場合、処
理タンク68と貯蔵タンク86とを接続する補給管路9
6の開閉弁98を開くと、処理タンク68内と貯蔵タン
ク86内との圧力差に基づき、処理タンク68内の脱泡
処理済みの塗布液Lが補給管路96を通じて貯蔵タンク
86に供給され、これにより、脱泡処理済みの塗布液L
が貯蔵タンク86内に補給される。ここで、処理タンク
68から貯蔵タンク86への塗布液Lの補給速度は、調
圧弁が圧力を一定に保持しようとして貯蔵タンク86内
に流れ込む塗布液の量に応じて、そのリリーフポートか
ら窒素を逃がそうとするので、調圧弁124からの分岐
戻り管路126に介挿された可変絞り弁128の開度に
より調整することができる。つまり、貯蔵タンク86か
らの窒素ガスの流出量が可変絞り弁128にて制限され
ることにより、貯蔵タンク86内への塗布液Lの補給流
量を調整することができる。なお、塗布液の補給速度
は、処理タンク68と貯蔵タンク86の圧力差によって
も調整することができる。
【0036】貯蔵タンク86内に所定量以上の塗布液L
が蓄えられると、開閉弁98を閉じ、貯蔵タンク86と
処理タンク68とを接続を遮断する。この後、処理タン
ク68には新たな塗布液Lが供給され、処理タンク68
内の塗布液Lに対する脱泡処理が同様にして繰り返して
行われる。上述した塗布液貯蔵源66の準備/脱泡処理
により、貯蔵タンク86内に脱泡処理済みの塗布液Lが
十分に蓄えられると、貯蔵タンク86からシリンジポン
プ44に延びる吸引ホース48の開閉弁102が開かれ
た状態で、ダイコータにおける基台2側の各作動部にお
いて、原点復帰動作が行われる。この場合、ステージ6
は一対のガイド溝レール4の一端部に復帰し、厚みセン
サ22の下方に位置付けられており、スリットダイ40
は上昇位置に復帰している。また、貯蔵タンク86内の
脱泡処理済みの塗布液Lはシリンジポンプ44の作動に
より、供給ホース42を通じてスリットダイ40内に供
給された状態にあり、貯蔵タンク86からスリットダイ
40のマニホールド62およびスリット64に至る経路
は塗布液Lで既に満たされた状態にある。
【0037】この状態で、図示しないローダからステー
ジ6上にガラス基板Aが供給されると、このガラス基板
Aはステージ6上にて位置決めされるとともにサクショ
ン圧を受けて保持される。ガラス基板Aのローディング
が完了すると、厚みセンサ22は昇降アクチュエータ2
1により所定の位置まで下降され、ガラス基板Aの厚み
を測定する。測定後、厚みセンサ22は元の位置まで上
昇される。
【0038】上述したガラス基板Aのローディングの開
始と同時に、シリンジポンプ44の電磁切換え弁46が
ピストンポンプ本体52と吸引ホース48との接続すべ
く切換え作動され、ピストンポンプ本体52に塗布液L
の吸引動作を行わせる。ピストンポンプ本体52内に貯
蔵タンク86内の塗布液Lが吸引ホース48を通じ所定
量だけ吸引されると、電磁切換え弁46は、シリンジポ
ンプ44のピストンポンプ本体52と供給ホース42と
を接続すべく切換え作動される。ピストンポンプ本体5
2の吸引動作に関し、貯蔵タンク86の空間、つまり、
貯蔵タンク86内の塗布液Lは50,000Paに加圧されてい
るので、ピストンポンプ本体52が吸引動作を行うと、
ピストンポンプ本体52は塗布液Lを良好かつ速やかに
吸引することができる。
【0039】一方、厚みの測定が完了すると、ステージ
6はスリットダイ40に向けて往動され、スリットダイ
40の直前で停止される。この後、昇降機構26はスリ
ットダイ40を下降させ、スリットダイ40の下面とガ
ラス基板Aとの間に所定のクリアランスが与えられる。
ここで、クリアランスは、厚みセンサ22により測定し
たガラス基板Aの厚さを考慮し、ステージ6とスリット
ダイ40との間の距離を検出する距離センサ(図示しな
い)からの検出信号に基づき、スリットダイ40の下降
を制御することで正確に設定される。
【0040】次に、ステージ6をさらに往動させて、ガ
ラス基板Aの上面において、塗膜の形成を開始すべきス
タートラインをスリットダイ40の吐出口の直下に位置
付け、そして、ステージ6を一旦停止させる。ステージ
6の一旦停止と実質的に同時に、シリンジポンプ44の
ピストンポンプ本体52に塗布液Lの吐出動作を開始さ
せ、ピストンポンプ本体52内の塗布液Lをスリットダ
イ40に向けて供給する。したがって、この時点にて、
スリットダイ40の吐出口からガラス基板A上に塗布液
Lが吐出される。ここで、スリットダイ40の吐出口
は、ステージ6の往復動方向と直交する方向に延びてい
るから、スリットダイ40の吐出口からはガラス基板A
のスタートラインに沿って一様に塗布液Lが吐出され、
この結果、スリットダイ40とガラス基板Aとの間には
メニスカスを有する液溜まりC(図2参照)がスタート
ラインに沿って形成される。
【0041】このような液溜まりCの形成と同時に、ス
リットダイ40の吐出口からの塗布液Lの吐出を継続し
ながら、ステージ6を一定の速度で往動方向にさらに進
行させると、図2に概略的に示されているようにガラス
基板Aの上面に塗布液Lの塗膜Dが連続して形成され
る。なお、塗膜Dの形成にあたっては、ステージ6の往
動を一旦停止することなく、ガラス基板Aのスタートラ
インがスリットダイ40の吐出口を通過するタイミング
にて、その吐出口からの塗布液Lの吐出を開始するよう
にしてもよい。
【0042】ステージ6の進行に伴い、ガラス基板A上
にて塗膜Dの形成を終了すべきフィニッシュラインがス
リットダイ40の吐出口の直前位置に到達すると、この
時点で、シリンジポンプ44の吐出動作が停止される。
このようにしてスリットダイ40の吐出口からの塗布液
Lの吐出が停止されても、塗膜Dの形成は、ガラス基板
A上の液溜まりCを消費(スキージ)しながらフィニッ
シュラインまで継続される。なお、ガラス基板A上のフ
ィニッシュラインがスリットダイ40の吐出口を通過し
た時点で、シリンジポンプ44の吐出動作を停止するよ
うにしてもよい。
【0043】ガラス基板Aのフィニッシュラインがスリ
ットダイ40の吐出口を通過する時点または通過した時
点で、シリンジポンプ44に吸引動作を僅かに行わせ、
これにより、スリットダイ40のスリット64内の塗布
液Lはそのマニホールド62側に吸引される。この後、
スリットダイ40は昇降機構26により元の位置まで上
昇され、スリットダイ40からの塗布液Lの吐出工程が
終了する。なお、スリットダイ40の上昇位置にて、そ
の下端面に付着している塗布液Lはクリーナ(図示しな
い)により拭き取られる。
【0044】一方、スリットダイ40からの塗布液Lの
吐出が終了しても、ステージ6の往動は継続されてお
り、ステージ6が一対のガイド溝レール4の終端に到達
した時点で、ステージ6の往動は停止される。この状態
で、塗膜Dが形成されたガラス基板Aに対してのサクシ
ョン圧が解除され、そのガラス基板Aはアンローダ(図
示しない)によりステージ6上から取り外され、次に工
程に向けて移送される。この後、ステージ6は複動さ
れ、図1に示す初期位置まで戻されることで一連の塗布
工程が終了する。初期位置にて、ステージ6は新たなガ
ラス基板Aがローディングされるまで待機する。
【0045】上述したガラス基板A上への塗膜Dの形成
に関し、処理タンク68内にて塗布液Lの脱泡処理が既
に行われているので、スリットダイ40に供給される塗
布液L中、つまり、スリットダイ40から吐出される塗
布液L中の気泡は既に除去された状態にある。したがっ
て、スリットダイ40から吐出された塗布液Lはガラス
基板A上に一様に塗布され、ガラス基板A上の塗膜Dに
塗り残し、いわゆる欠点が発生することはない。それゆ
え、ガラス基板Aに繰り返して実施される各塗布工程か
ら得られる塗布中間製品の歩留まりが向上し、この結
果、カラーフィルタの生産性が高まることになる。
【0046】貯蔵タンク86内の塗布液Lの残量が所定
量以下に低下すると、処理タンク68内にて既に脱泡処
理されている塗布液Lがその処理タンク68から前述し
たようにして貯蔵タンク86内に補給される。ここで、
貯蔵タンク86内への塗布液Lの補給は、スリットダイ
40からの塗布液Lが吐出されているか否かに拘わらず
実施可能である。それゆえ、前述の塗布工程が実施され
るときには、貯蔵タンク86内に十分な量の塗布液Lが
常時確保されており、貯蔵タンク86内への塗布液Lの
補給のために、塗布工程の実施が停止されることはな
い。したがって、ダイコータの稼働効率が向上し、この
ことも、カラーフィルタの生産性を高める上で大きく寄
与する。
【0047】一実施例の塗布液貯蔵源66において、そ
の処理タンク68内の超音波振動子78はタンク本体7
0ではなく密閉蓋72に取り付けられているので、処理
タンク68のサイズ変更にも容易に対応でき、さらに、
超音波振動子78は密閉蓋72とともにタンク本体70
から取り外すことができ、タンク本体70内の清掃を容
易に行うことができる。
【0048】この発明は、上述した一実施例に制約され
るものではなく種々の変形が可能である。たとえば、図
4を参照すると、変形例の処理タンク130が示されて
いる。この処理タンク130は一実施例の処理タンク6
8と大部分において同様な構成を有しているから、同様
な部位には同一の参照符号を付すことで、それらの説明
は省略し、以下には相違する点のみを説明する。処理タ
ンク130は、そのタンク本体70にマグネットスター
ラと称されている攪拌装置132が設けられており、こ
の攪拌装置132はタンク本体70内の底部に配置され
た攪拌子134と、タンク本体70の外部に配置され、
攪拌子134に回転磁界を与えて回転させる磁力発生器
136とから構成されている。
【0049】処理タンク130に上述した攪拌装置13
2が備えられていれば、その処理タンク130内で塗布
液Lの脱泡処理が行われているとき、その塗布液Lを攪
拌装置132により攪拌することができ、塗布液Lの脱
泡処理をさらに効率良く行うことができる。また、攪拌
装置132の攪拌子134はタンク本体70の底に置か
れているだけであるので、タンク本体70内の清掃時、
攪拌子134が清掃の邪魔になることはない。
【0050】攪拌装置132は処理タンク130内にて
塗布液Lの脱泡処理が行われている間のみならず、処理
タンク130から貯蔵タンク86に塗布液Lが補給され
る時点まで作動されていてもよい。この場合、塗布液L
に含まれる塗料の粒子がタンク本体70の底に沈降して
しまうのを確実に防止することができる。さらに、この
発明の塗布装置および塗布方法は、ガラス基板Aなどの
枚葉部材のみならず、長尺な被塗布部材やエンドレスの
被塗布部材の表面に塗膜を連続して形成する場合にあっ
ても用いることができ、また、スリットダイ40の向き
に関しても下向きに限られるものではない。
【0051】なお、本実施例では、処理タンク68から
貯蔵タンク86への塗布液の補給を両タンク間に圧力差
を設けることにより行っているが、補給管路中に貯蔵タ
ンクの圧力に抗して塗布液を送り込める手段、たとえば
ピストンポンプや、ダイヤフラムポンプ、ギアポンプ、
渦巻きポンプを設け、これらのポンプにより、その補給
を行うようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように請求項1、の塗布
装置および塗布方法によれば、塗布液貯蔵源が処理タン
クと貯蔵タンクとを別々に備え、これら処理タンクと貯
蔵タンクとの間に開閉可能な開閉弁が介挿されているの
で、処理タンクにて塗布液の処理が完了するまでの間
は開閉弁を閉じることで、処理タンクから貯蔵タンクを
分離することができ、この間にあっても、貯蔵タンクか
らポンプを介して塗布器への処理済の塗布液の供給、つ
まり被塗布部材への塗膜の形成が可能となる。したがっ
て、処理タンク内での処理中にあっても、被塗布部材へ
の塗膜の形成が中断されることなく、塗布作業の稼働
効率が向上し、その生産性を高めることができる。
方、処理タンクでの処理が完了した後にあっては開閉弁
を開くことで、被塗布部材への塗膜の形成と並行して、
処理タンクから処理済みの塗布液を貯蔵タンクに補給す
ることもできる。
【0053】請求項2,の塗布装置および塗布方法に
よれば、処理タンク内の塗布液に超音波振動を与え、そ
して、その処理タンク内を排気することで、塗布液の脱
泡処理を行うので、その脱泡処理を効果的に行うことが
できる。請求項3,9の塗布装置および塗布方法によれ
ば、処理タンク内を排気し、所定の減圧状態に保持しな
がら、処理タンク内の塗布液に一部が浸漬した超音波振
動子の加振部により超音波振動を与えるので、塗布液の
脱泡処理をより効果的に行うことができる。請求項
10の塗布装置および塗布方法によれば、処理タンクか
ら貯蔵タンクへの処理済みの塗布液の補給が両タンク間
での圧力差を利用しているから、その補給にポンプを必
要としない。
【0054】請求項11の塗布装置および塗布方法
によれば、処理タンク内での脱泡処理中、塗布液を攪拌
するようにしたから、その脱泡処理をさらに効果的に行
うことができる。請求項12のカラーフィルタの製
造装置および製造方法によれば、カラーフィルタの生産
性および品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例のダイコータを概略的に示した斜視図
である。
【図2】図1のダイコータを塗布液の供給系をも含めて
示した概略構成図である。
【図3】図2の塗布液貯蔵源を詳細に示した構成図であ
る。
【図4】変形例の処理タンクを示した断面図である。
【符号の説明】
6 ステージ 14 フィードスクリュー(移動手段) 40 スリットダイ(塗布器) 44 シリンジポンプ 66 塗布液貯蔵源 68 処理タンク 78 超音波振動子(脱泡手段) 84 排気管路(脱泡手段) 86 貯蔵タンク 96 補給管路 98 開閉弁 106 窒素ガスタンク 110 調圧弁 124 調圧弁 132 攪拌装置(脱泡手段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−8894(JP,A) 特開 平6−130547(JP,A) 特開 平5−200203(JP,A) 実開 昭59−44575(JP,U) 実開 平2−142669(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 5/00 - 5/02 B05C 11/10 B01D 19/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布液を蓄える塗布液貯蔵源と、 前記塗布液貯蔵源から塗布液を吸い込み、吸い込んだ塗
    布液を供給するポンプと、 前記ポンプからの塗布液の供給を受け、吐出口から塗布
    液を吐出する塗布器と、 前記塗布器および被塗布部材のうちの少なくとも一方を
    相対的に移動させる移動手段とを備えた塗布装置におい
    て、 前記塗布液貯蔵源は、 塗布液の供給を受ける処理タンクと、 一方において前記処理タンクに接続され、他方において
    前記ポンプに接続された貯蔵タンクと、 前記貯蔵タンク内を加圧した状態で、前記処理タンクか
    ら塗布液を前記貯蔵タンクに補給する補給手段と 前記処理タンクと前記貯蔵タンクを接続する管路に介挿
    され、前記処理タンク内での塗布液の処理が完了するま
    では閉弁状態にあって前記処理タンクから前記貯蔵タン
    クを分離し、前記処理の完了後に開かれることで前記処
    理タンク内から前記貯蔵タンクへの処理済塗布液の補給
    を許容する開閉弁 とを備えていることを特徴とする塗布
    装置。
  2. 【請求項2】 前記処理タンクは塗布液を脱泡処理する
    脱泡処理手段を有し、 前記脱泡処理手段は、前記処理タンク内のガスを排気す
    る排気手段と、前記処理タンク内の塗布液に超音波振動
    を与える加振手段とを備えていることを特徴とする、請
    求項1に記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記加振手段は、前記処理タンクの塗布
    液中にその一部が浸漬された超音波振動子を含み、前記
    処理タンク内を前記排気手段により所定の減圧状態にて
    排気しながら、前記超音波振動子の加振部を介して塗布
    液に超音波振動を与えることを特徴とする、請求項2に
    記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記補給手段は、前記処理タンク内と前
    記貯蔵タンク内との間に圧力差を与える加圧手段を備え
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布装
    置。
  5. 【請求項5】 前記脱泡処理手段は、前記処理タンク内
    の塗布液を攪拌する攪拌手段をさらに含むことを特徴と
    する、請求項2またはに記載の塗布装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜のいずれかに記載の塗布装
    置を有することを特徴とするカラーフィルタの製造装
    置。
  7. 【請求項7】 処理タンク内にて塗布液を脱泡処理した
    後、脱泡処理済みの塗布液を貯蔵タンクに補給して蓄
    え、前記貯蔵タンク内の前記塗布液をポンプにより塗布
    器に向けて供給し、前記塗布器および被塗布部材のうち
    の少なくとも一方を相対的に移動させて、前記被塗布部
    材の表面に塗膜を形成する塗布方法であって、 前記処理タンク内での塗布液の脱泡処理が完了するまで
    の間にあっては前記処理タンクと前記貯蔵タンクの間に
    介挿された開閉弁を閉じて前記処理タンクから前記貯蔵
    タンクを分離し、前記処理タンク内での前記脱泡処理が
    完了した後に前記開閉弁を開き、前記処理タンクから前
    記貯蔵タンクへの脱泡処理済み塗布液の補給を許容す
    る、 ことを特徴とする塗布方法。
  8. 【請求項8】 前記処理タンクで、前記処理タンク内の
    ガスを排気し、かつ前記塗布液に超音波振動を与えるこ
    とで、前記塗布液の脱泡処理を行うことを特徴とする、
    請求項に記載の塗布方法。
  9. 【請求項9】 前記塗布液への超音波振動は、前記処理
    タンク内を所定の減圧状態にて排気しながら、前記処理
    タンクの塗布液中に加振手段の超音波振動子の一部を浸
    漬させた状態で与えられる、ことを特徴とする請求項8
    に記載の塗布方法。
  10. 【請求項10】 前記処理タンク内の塗布液を圧力差で
    前記貯蔵タンクに補給することを特徴とする請求項
    たはに記載の塗布方法。
  11. 【請求項11】 前記脱泡処理は、前記処理タンク内の
    塗布液を攪拌しながら行うことを特徴とする、請求項
    7,8,10のいずれかに記載の塗布方法。
  12. 【請求項12】 請求項7〜11のいずれかに記載の塗
    布方法を用いることを特徴とするカラーフィルタの製造
    方法。
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