JP3048789B2 - 流体塗布装置 - Google Patents

流体塗布装置

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JP3048789B2
JP3048789B2 JP5154410A JP15441093A JP3048789B2 JP 3048789 B2 JP3048789 B2 JP 3048789B2 JP 5154410 A JP5154410 A JP 5154410A JP 15441093 A JP15441093 A JP 15441093A JP 3048789 B2 JP3048789 B2 JP 3048789B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流体塗布装置に関する。
具体的にいうと、本発明は、塗布対象物の表面に均一な
膜厚で流体を塗布するためのスロット型の流体塗布装置
において、流体塗膜の端部の膜厚を均一にするための技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ(LCD)や半導体光
学素子、半導体素子、半導体集積回路、プリント配線基
板等の製造工程においては、フォトレジストや絶縁材
料、はんだレジスト等の各種塗布液を塗布対象物(例え
ば、ガラス基板や半導体ウエハ等)の表面に塗布し、数
ミクロン程度の非常に薄い塗膜を形成する必要がある。
例えば、液晶ディスプレイの製造工程においては、ガラ
ス基板の表面に、乾燥時の厚みが約1〜3ミクロンの均
一なフォトレジストをコーティングする必要がある。
【0003】このような場合、極めて均一な膜厚の塗膜
を形成する必要があり、しかも、高精度に膜厚を制御す
る必要があるため、従来においては、塗布装置としてス
ピンコ−タが一般に用いられている。
【0004】スピンコ−タを用いたスピンコート法は、
塗布対象物を一定の回転数で回転させながら基層の上に
塗布液を滴下し、遠心力によって塗布液を薄く延ばし、
塗布液の粘度や回転数等によって決まる膜厚の塗膜を塗
布対象物の表面に形成する方法である。
【0005】しかしながら、このようなスピンコート法
によれば、塗布対象物の一部にのみ選択的に塗布液を塗
布することができず、塗布対象物の全面に塗布すること
しかできなかった。また、塗布対象物の上に滴下した塗
布液のうち塗布対象物の表面に塗布されるのは数%に過
ぎず、残りの90数%の余剰の塗布液は塗布対象物から
排出される。しかも、この排出された塗布液は空気に触
れるため、回収して再利用することができず、塗布液の
浪費が激しいという問題があった。さらに、排出された
余剰の塗布液の清掃処理を要求されていた。また、スピ
ンコ−ト法によって塗布した場合、塗布対象物の表面ば
かりでなく、塗布対象物の端面(外周面)にも塗布液が
付着するため、乾燥後、塗布対象物の端面に付着した塗
膜が剥離し、剥離した塗膜が塗布対象物の表面に付着
し、後工程においてトラブルを発生させることがあり、
製品の歩留りを低下させる原因となっていた。また、そ
の歩留り低下を避けるためには、塗布対象物の端面や裏
面をクリーニングしなければならず、そのための付加工
程を必要としていた。
【0006】このようなスピンコート法の欠点を解決す
る方法として、本発明の出願人はスロット型の流体塗布
装置(スロット式粘液噴出塗布装置)に着目し、その開
発と改良を進めている。図18に示すものは、本発明の
出願人が開発したスロット型の流体塗布装置200の構
造を示す概略図である。201は塗布ヘッドであって、
内壁面に空洞状の流体リザーバ202を凹設された第1
の分割ヘッド203と平らな内壁面の第2の分割ヘッド
204との間にシム205を挟み込むことにより、シム
205の切欠状凹部206によって第1及び第2の分割
ヘッド203,204間にスロット207を形成し、第
1及び第2の分割ヘッド203,204同志をボルト
(図示せず)によって締結させたものである。また、塗
布ヘッド201の上面には流体リザーバ202と連通し
た液注入口208が開口されている。209は塗布液2
10を溜めたタンクであって、タンク209内の液面は
エア圧によって加圧されている。塗布ヘッド201の液
注入口208とタンク209とは開閉弁211を備えた
液供給チューブ212を介して接続されている。しかし
て、開閉弁211を開いて液注入口208から流体リザ
ーバ202内に塗布液210を注入すると、塗布液21
0は流体リザーバ202内の全幅にわたって均一に拡散
し、さらに流体リザーバ202と連通しているスロット
207に流れてスロット207のギャップにより一定の
膜厚に整えられ、スロット207下端の開口部から塗布
対象物の表面に塗布される。
【0007】このようなスロット型の流体塗布装置によ
れば、過剰な塗布液を供給することなく、塗布ヘッドか
ら塗布対象物上の必要な領域へのみ塗布液を供給するこ
とができ、塗布液の歩留りを向上させて塗布液を節約す
ることができる。また、このため塗布対象物の側面に付
着した塗膜が剥離して塗布対象物の塗布面に付着したり
することも防止できる。さらに、塗布液を外気にさらす
ことなく塗布対象物へ塗布することができるクローズド
方式の流体塗布装置を製作することができる。また、塗
布ヘッドの清掃も簡単にできるといった利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな流体塗布装置200にあっては、塗布時、塗布ヘッ
ド201内に大きな液供給圧が掛かっており、また、ス
ロット207において圧力損失が存在するので、開閉弁
211を閉じて塗布を終了しても直ちに塗布ヘッド20
1内の圧力が大気圧まで下がらず、当分の間塗布ヘッド
201内の塗布液210は残圧が掛かった状態に保たれ
る。このため、開閉弁211を閉じて塗布終了した後
も、塗布液210がスロット207から押し出され、図
18に示すようにスロット207の開口部に液垂れが生
じる。このままで開閉弁211を開き、再び塗布対象物
213に塗布を開始すると、図19に示すように、液垂
れのために塗布液210の塗布開始端において塗膜の膜
厚が厚くなり、均一な膜厚の塗膜を得ることができなか
った。
【0009】また、塗布液210の塗布終了時において
も、塗布液210の塗布終了と同時に、塗布ヘッドへの
流体の供給を停止させると、塗布液210の塗布終了端
においても塗膜の膜厚が厚くなり、塗膜の塗布終了側の
端を均一にすることができなかった。
【0010】さらに、塗布開始時には、図20(a)
(b)に示すように塗布ヘッド201を下降させて塗布
ヘッド201の下端と塗布対象物213とが所定間隔と
なった時(時間t0)に開閉弁211を開いて塗布を開
始しているが、開閉弁211を開くタイミングと塗布液
210が流出するタイミングとの間に時間的な遅れが生
じるため、液垂れを完全に拭った直後に塗布を開始した
場合には、塗膜の始端214が開閉弁211を開いた位
置αからずれると共に、塗布開始端において塗布液21
0に薄い箇所やカスレが発生し、図21に示すように塗
膜の始端214をまっすぐに揃えることができなかっ
た。
【0011】本発明は叙上の技術的背景に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、スロット型
の流体塗布装置において、塗布された流体塗膜の端部の
膜厚を均一にすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の流体塗
布装置は、流体を注入するための流体注入口と、該流体
注入口から注入された流体を幅方向に拡散させるための
空洞部と、該空洞部内の流体を一定の厚みにして流出さ
せるためのスロットとを塗布ヘッドに形成された流体塗
布装置において、塗布動作開始時に前記塗布ヘッドを塗
布動作位置へ向けて移動させ、塗布動作終了時に前記塗
布ヘッドを塗布動作位置から離間させる塗布ヘッド昇降
手段と、前記塗布ヘッドに対して流体の供給及び停止を
行う手段と、前記塗布ヘッドへの流体の供給を停止し前
記塗布ヘッドを塗布動作位置から離間させる塗布終了時
において、塗布ヘッドを塗布動作位置から離間させる動
作の開始タイミング後の所定時間、塗布ヘッド内の流体
を排出する手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】また、請求項2に記載の流体塗布装置は、
請求項1に記載した流体塗布装置における前記塗布ヘッ
ドの塗布終了時において、前記流体排出手段が流体の排
出動作を終了した後、前記塗布ヘッド内を減圧すること
によってスロット内の流体を内側へ引き込ませる手段を
さらに備えたことを特徴としている。
【0014】また、請求項3に記載の流体塗布装置は、
流体を注入するための流体注入口と、該流体注入口から
注入された流体を幅方向に拡散させるための空洞部と、
該空洞部内の流体を一定の厚みにして流出させるための
スロットとを塗布ヘッドに形成された流体塗布装置にお
いて、塗布動作開始時に前記塗布ヘッドを塗布動作位置
へ向けて移動させ、塗布動作終了時に前記塗布ヘッドを
塗布動作位置から離間させる塗布ヘッド昇降手段と、前
記塗布ヘッドに対して流体の供給及び停止を行う手段と
を備え、流体の塗布開始時において、前記塗布ヘッドが
塗布動作位置に達するよりも前に、塗布ヘッドへの流体
の供給を開始させるようにしたことを特徴としている。
【0015】また、請求項4に記載の流体塗布装置は、
流体を注入するための流体注入口と、該流体注入口から
注入された流体を幅方向に拡散させるための空洞部と、
該空洞部内の流体を一定の厚みにして流出させるための
スロットとを塗布ヘッドに形成された流体塗布装置にお
いて、塗布動作開始時に前記塗布ヘッドを塗布動作位置
へ向けて移動させ、塗布動作終了時に前記塗布ヘッドを
塗布動作位置から離間させる塗布ヘッド昇降手段と、前
記塗布ヘッドに対して流体の供給及び停止を行う手段と
を備え、流体の塗布終了時において、前記塗布ヘッドが
塗布動作位置から離れるよりも前に、塗布ヘッドへの流
体の供給を停止させるようにしたことを特徴としてい
る。
【0016】
【作用】請求項1の流体塗布装置にあっては、塗布ヘッ
ドへの流体の供給を停止し前記塗布ヘッドを塗布動作位
置から離間させる塗布終了時において、塗布ヘッドを塗
布動作位置から離間させる動作の開始タイミング後の所
定時間、塗布ヘッド内の流体を排出させるようにしてい
るので、塗布終了後に直ちに塗布ヘッド内の残圧を除去
することができ、塗布終了後もしくは塗布休止中におけ
る塗布ヘッドの液垂れを防止することができる。
【0017】また、請求項2に記載の流体塗布装置にあ
っては、塗布ヘッドの塗布終了時において、流体排出手
段が流体の排出動作を終了した後、前記塗布ヘッド内を
減圧することによってスロット内の流体を内側へ引き込
ませているから、塗布終了後に直ちにスロット内の塗布
液を引き気味にすることができ、塗布終了後もしくは塗
布休止中における塗布ヘッドの液垂れをより一層防止す
ることができる。
【0018】従って、請求項1及び2に記載の流体塗布
装置にあっては、再度塗布動作を開始した場合に、塗布
された塗膜の塗布開始端における膜厚が厚くなることを
防止でき、均一な厚みの塗膜を得ることができる。
【0019】請求項3に記載の流体塗布装置にあって
は、流体の塗布開始時において、前記塗布ヘッドが塗布
動作位置に達するよりも前に、塗布ヘッドへの流体の供
給を開始させるようにしているので、塗布開始点におい
て流体塗膜の膜厚が薄くなったり、カスレが生じたりす
るのを防止でき、塗膜の塗布開始端をまっすぐに揃える
ことができる。
【0020】請求項4に記載の流体塗布装置にあって
は、流体の塗布終了時において、前記塗布ヘッドが塗布
動作位置から離れるよりも前に、塗布ヘッドへの流体の
供給を停止させるようにしているので、塗布終了端にお
いて流体塗膜の膜厚が厚くなるのを防止でき、塗膜の塗
布終了端をまっすぐに揃えることができる。
【0021】
【実施例】図1は本発明の一実施例による流体塗布装置
Aの外観を示す斜視図である。この流体塗布装置Aは、
扉3を有するキャビネット部2と装置本体1とからな
り、キャビネット部2内には塗布液を溜めたタンクやコ
ントローラが収納されており、装置本体1はキャビネッ
ト部2の上に設置されている。装置本体1は、主とし
て、塗布対象物を水平に送る送り機構部21と、送り機
構部21によって送られる塗布対象物の表面に塗布液を
コーティングする塗布機構部51と、塗布対象物の板厚
を塗布直前に計測する測定ヘッド81とから構成されて
いる。また、装置本体1の前面には表示パネルやダイア
ル、メータ、各種スイッチ等を集中させた操作部4が設
けられている。装置本体1の上方は開閉可能なカバー5
によって覆うことができるようになっている。
【0022】上記送り機構部21は、ガラス基板のよう
な塗布対象物11を吸着して一定速度で水平に搬送する
ものであって、その構造を図2の断面図により詳細に説
明する。ベース22の上面には1対の平行なガイドレー
ル23が設けられ、テーブル24の下面に設けられた4
つのスライダー25がガイドレール23によってスライ
ド自在に支持されており、テーブル24はガイドレール
23に沿って滑らかに走行する。また、ベース22内の
中央部には、雄ねじシャフト26がガイドレール23と
平行に配設されており、雄ねじシャフト26の両端部は
アンギュラベアリング27を介してベース22に回転自
在に支持され、テーブル24の下面部分に固定された雌
ねじ管28と雄ねじシャフト26とを互いに螺合させて
ボールねじ機構を構成している。ベース22の端部には
サーボモータ29が固定されており、サーボモータ29
の出力軸は継手30を介して雄ねじシャフト26と連結
されている。従って、サーボモータ29によって雄ねじ
シャフト26を一定の回転数で回転させることによりテ
ーブル24をガイドレール23に沿って定速で移動させ
ることができる。なお、この実施例では、テーブル24
を移動させるための動力としてサーボモータ29を用い
たが、可燃性の塗布液を用いる場合には、エア機構等の
非電気的な手段によってテーブル24を移動させるよう
にしてもよい。
【0023】上記テーブル24は、多数の真空吸引孔3
1を穿孔された吸着盤32をテーブル本体33の上に載
置したものであって、吸着盤32とテーブル本体33と
の間にはバキュームチャンバ34が形成されている。し
かして、バキュームチャンバ34内のエアを排出してバ
キュームチャンバ34内を真空ないし負圧にすることに
より、吸着盤32の上に置かれたガラス基板等の塗布対
象物11の下面を吸着することができ、テーブル24と
共に塗布対象物11を定速送りすることができる。この
ときテーブル24は塗布対象物11を吸着することによ
り塗布対象物11の反りを矯正する効果もある。また、
テーブル24内には着脱ピンとアライメントピン(案内
ピン)〔いずれも図示せず〕が納められており、バキュ
ームチャンバ34内を常圧に開放した後、吸着盤32の
ピン突出し孔35から着脱ピンを突出させることによ
り、塗布対象物11の下面を押し上げ、塗布対象物11
をテーブル24から強制的に剥離することができる。
【0024】塗布機構部51は図1に示すように、塗布
対象物11の搬送経路を跨ぐようにして送り機構部21
の上方に設けられている。図3はこの塗布機構部51を
側面から詳細に示す図である。この塗布機構部51にお
いては、昇降ホルダー52によって上下スライド自在に
保持された1対の昇降ロッド53の上端間に塗布アーム
54が横架されており、塗布アーム54の前面もしくは
背面に塗布ヘッド55が固定されている。昇降ホルダー
52はベース22から側方へ張り出した棚部56に固定
されており、昇降ロッド53の真下にはエアシリンダ5
7が設置され、エアシリンダ57の出力軸58の上端面
が昇降ロッド53の下端面と対向している。60は昇降
ロッド53を覆うベローズである。従って、エアシリン
ダ57の出力軸58を上方へ突出させ、昇降ロッド53
の下端面を押し上げると、塗布アーム54と共に塗布ヘ
ッド55が上昇する。また、エアシリンダ57の出力軸
58を下方へ後退させると、塗布ヘッド55は自重によ
って出力軸58と共に下降する。
【0025】また、塗布ヘッド55もしくは塗布アーム
54の真下には、数値制御形のリニアアクチュエータ6
1が設置されている。このリニアアクチュエータ61
は、ジョイント62を介してサーボモータ、パルスモー
タ等のモータ63と接続されており、モータ63によっ
て底面の入力軸64を回転させると、上面のストッパー
ロッド65が上方へ突出する。しかも、このリニアアク
チュエータ61は内部にねじ機構を有していて、入力軸
64の回転数に比例した距離だけストッパーロッド65
が突出する。しかして、リニアアクチュエータ61のス
トッパーロッド65が突出すると、エアシリンダ57の
出力軸58を後退させて塗布ヘッド55を下降させたと
き、塗布ヘッド55もしくは塗布アーム54の下面がス
トッパーロッド65の上端に当接した瞬間、昇降ロッド
53の下端面がエアシリンダ57の出力軸58から離
れ、その位置で塗布ヘッド55がリニアアクチュエータ
61により支持され、位置決めされる。
【0026】上記リニアアクチュエータ61のストッパ
ーロッド65の突出距離は、測定ヘッド81の出力によ
って制御される。すなわち、測定ヘッド81が塗布対象
物11の板厚を計測すると、塗布ヘッド55と塗布対象
物11とのギャップが最適距離(例えば、数10ミクロ
ン〜数100ミクロン)となる位置に塗布ヘッド55を
支持及び位置決めするよう、リニアアクチュエータ61
のストッパーロッド65の突出長が決められる。
【0027】また、塗布対象物11の板厚を検出するた
めの測定ヘッド81は、塗布アーム54と平行に配設さ
れた測定アーム82の中央部に設けられている。図示例
では、測定ヘッド81としては、エアーマイクロメータ
等の非接触式で非電気的な測定手段が好ましいが、リニ
アスケールでもよく、引火性でない塗布液を用いる場合
などには電気的なセンサを用いてもよく、また、塗布対
象物11によっては光学式センサや接触式のセンサ等を
用いても差し支えない。なお、91は塗布ヘッド55の
乾燥を防止するための乾燥防止器である。
【0028】図4には上記塗布ヘッド55の断面図を示
す。この塗布ヘッド55は、2つの分割ヘッド101,
102と1枚のシム103とから構成されており、これ
らの内面側からの正面図及び分解斜視図を図5及び図6
に示している。一方の分割ヘッド101の内壁面には、
図5に示すように、左右にわたって空洞状をした流体リ
ザーバ104が設けられている。流体リザ−バ104
は、分割ヘッド101の内壁面から内方へ向けて水平に
凹設されており、分割ヘッド101の上面から流体リザ
ーバ104の中央部に向けて塗布液注入口105が穿設
されており、また、分割ヘッド101の上面から流体リ
ザーバ104の両端部に向けて塗布液排出口106が穿
設されている。他方の分割ヘッド102は、内壁面の上
端縁から位置決め用の突部107が突設されており、こ
の突部107を対向する分割ヘッド101の上面に当設
させることにより、塗布ヘッド55の組立時に両分割ヘ
ッド101,102同志を位置合わせできるようにして
いる。この分割ヘッド102の内壁面は、通孔108を
除いて平らに形成されている。また、両分割ヘッド10
1,102の下面の内壁面側の縁には左右全幅にわたっ
て断面三角形状のテーパ部109を突出させてあり、下
面全体にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の
フッ素樹脂110をコ−ティングしてある。シム103
は、金属製の薄板であって、両側端に脚片111を有し
ていて脚片111間に切欠状凹部112を形成されてい
る。
【0029】しかして、図6に示すように、内壁面間に
シム103を挟み込むようにして両分割ヘッド101,
102を組み合わせ、分割ヘッド102及びシム103
の通孔108,113に挿通させたボルト114を分割
ヘッド101のねじ孔115に螺合させ、ボルト114
を強く締め付けることによって図4のような塗布ヘッド
55が構成されている。こうして組み立てられた塗布ヘ
ッド55においては、シム103の切欠状凹部112に
よって分割ヘッド101,102の内壁面間に塗布液整
形用のスロット116が形成され、スロット116の下
端は塗布ヘッド55下面でノズル口117として開口
し、流体リザーバ104の開口はスロット116の上端
部に臨み、スロット116内部と連通している。
【0030】図7は上記塗布ヘッド55に塗布液12を
供給するための塗布液供給手段を示す図である。塗布液
12は気密型のタンク119内に溜められており、塗布
ヘッド55の塗布液注入口105とタンク119内下部
との間は液供給パイプ121によって接続されており、
液供給パイプ121にはサックバックバルブ120と開
閉弁122と流量調整バルブ123が設けられている。
あるいは、流量調整バルブ123に代えて、タンク11
9へのエア供給用の管路にエアーレギュレータ124を
設けてもよい。タンク119内はエアによって加圧され
ているので、開閉弁122を開閉することにより、塗布
を開始させ、あるいは、停止させることができる。ま
た、塗布液12の塗布ヘッド55への供給量は、流量調
整バルブ123もしくはエアーレギュレータ124によ
って調整することができる。しかして、開閉弁122を
開成すると、タンク119内の塗布液12が塗布液注入
口105から流体リザーバ104内に供給され、塗布液
12が流体リザーバ104内に充満して流体リザーバ1
04内の全幅に広がる。さらに、塗布液12は供給圧に
よって流体リザーバ104からスロット116内へ流れ
出し、スロット116で均一な膜厚に整えられて下端の
ノズル口117から均一な膜厚の塗布液12として流出
し、塗布対象物11の表面に成膜される。ここで、塗布
液12の流量と塗布対象物11の送り速度との間には一
定の関係があり、塗布対象物11の送り速度は塗布液1
2の流量(吐出速度)よりも大きくなっている。このた
め、ノズル口117から吐出された均一な膜厚の塗布液
12は塗布対象物11の表面へ塗布される際に薄く引き
延され、スロット116で付与された膜厚よりもさらに
薄い膜厚の塗膜が塗布対象物11の表面に形成される。
【0031】また、塗布ヘッド55の塗布液排出口10
6a,106bは、液排出パイプ127a,127bに
より回収用タンク129に接続されており、液排出パイ
プ127a,127bには各々サックバックバルブ12
8a,128bと開閉弁125a,125bと流量調整
バルブ126a,126bが設けられている。しかし
て、ポンプ124を稼働させた状態で開閉弁125a,
125bを開くと、塗布液排出口106a,106bか
ら流体リザーバ104内の塗布液12が強制的に排出さ
れ、流体リザーバ104から排出された塗布液12は回
収用タンク129内に回収される。また、塗布液12の
排出速度は流量調整バルブ126a,126bによって
調整することができる。これによって、流体リザーバ1
04内の両端部における塗布液12の液圧が低くなるの
で、スロット116の中央部における圧力損失と相俟っ
て実質的に液圧の分布はほぼ均一となり、塗布液12の
排出速度を調整することにより、塗布ヘッド55から塗
布対象物11の表面に塗布される塗膜の膜厚を幅方向に
わたって均一にすることができる。
【0032】図8(a)(b)は上記サックバックバル
ブ120,128a,128bの構造及び動作を示す断
面図である。このサックバックバルブ120,128
a,128bにおいては、シリンダ41内にピストン4
2a,42bが上下に摺動自在に納められており、ピス
トン42a,42bはスプリング43によって上方へ弾
性的に付勢されている。シリンダ41の下面には、液供
給パイプ121もしくは液排出パイプ127a,127
bに接続されて塗布液12を流通させるための流体通路
44を開口されたボディ部45が一体的に取り付けられ
ている。ボディ部45には流体通路44に臨ませるよう
にしてダイアフラム弁46が配設されており、ダイアフ
ラム弁46の外周部分はボディ部45に固定され、ダイ
アフラム弁46の中央部は連結用ピース47によってピ
ストン42bに固定されている。また、シリンダ41の
上面にはカバー部48が一体的に取り付けられており、
ピストン42aの上面とカバー部48との間には加圧室
49が形成され、カバー部48には加圧室49と連通す
る操作ポート50が開口されている。
【0033】このような構造のサックバックバルブ12
0,128a,128bにあっては、加圧室49にエア
圧が掛かっていない場合(以下、サックバックバルブの
オフ状態という。)には、図8(a)に示すように、ピ
ストン42a,42bはスプリング43によって上方へ
押し上げられているので、ダイアフラム弁46の中央部
はピストン42a,42bによって上方へ引っ込めら
れ、流体通路44の容積が大きくなっている。これに対
し、操作ポート50からエアを送り込んで加圧室49に
エア圧を掛ける(以下、この状態をサックバックバルブ
のオン状態という。)と、ピストン42a,42bがエ
アによって押し下げられ、図8(b)に示すように、ダ
イアフラム弁46の中央部がピストン42a,42bに
よって下方へ突き出され、流体通路44の容積が小さく
なる。
【0034】したがって、塗布動作中においてはサック
バックバルブ120,128a,128bをオン状態で
使用していると、開閉弁122,125a,125bを
閉じて塗布動作を終了した後、サックバックバルブ12
0,128a,128bをオフにすると、サックバック
バルブ120,128a,128b内の流体通路44の
容積が大きくなるので、塗布ヘッド55内の塗布液12
が若干サックバックバルブ120,128a,128b
内へ引き込まれて塗布ヘッド55内が減圧され、スロッ
ト116のノズル口117から液垂れするのを防止でき
る。
【0035】図9(a)(b)(c) は上記流体塗布装
置Aによる塗布動作を示す説明図である。まず、ローデ
ィング装置(図示せず)によって塗布対象物11がテー
ブル24上に供給されると、塗布対象物11はテーブル
24に吸着され、テーブル24の上面に固定される。図
9(a)に示すように、テーブル24に固定された塗布
対象物11が送り機構部21によって測定ヘッド81の
下方へ送られてくると、測定ヘッド81によって塗布対
象物11の板厚(あるいは、板厚のばらつき)が計測さ
れる。板厚が計測されると、塗布ヘッド55の下降位置
が決められ、塗布ヘッド55を当該位置に停止させるた
めのストッパーロッド65の突出長が演算される。つい
で、リニアアクチュエータ61のストッパーロッド65
が演算量だけ突出すると共に、エアシリンダ57の出力
軸58が引っ込んで塗布ヘッド55が下降し、下降した
塗布ヘッド55がストッパーロッド65によって静止さ
せられ、図9(b)に示すように、塗布ヘッド55のノ
ズル口117が塗布対象物11の表面と微小距離を隔て
て対向する位置で位置決めされる。塗布対象物11の塗
布開始点がノズル口117に達すると、両開閉弁12
2,125a,125bを開いて流体リザーバ104内
に塗布液12を供給すると同時に流体リザーバ104内
の塗布液12の一部を塗布液排出口106a,106b
から回収し、スロット116により一定の膜厚に整えら
れた塗布液12をノズル口117から流出させ、定速で
送られている塗布対象物11の表面に塗布液12をコー
ティングする。このとき、塗布液12は塗布対象物11
の全面に塗布することもできるが、塗布対象物11の一
部に部分的に塗布することもでき、また、連続的に塗布
できるだけでなく、断続的に塗布することもできる。こ
うして、塗布終了すると、図9(c)に示すように、再
び塗布ヘッド55がエアシリンダ57によって上昇させ
られ、テーブル24上の塗布対象物11は着脱ピンによ
ってテーブル24から剥離され、アンローディング装置
(図示せず)によって搬出される。
【0036】図10は上記塗布動作時における開閉弁1
22,125a,125b及びサックバックバルブ12
0,128a,128bの動作タイミングを示す図であ
って、図10(a)は塗布ヘッド55の昇降を示し、図
10(b)は液供給側の開閉弁122の開閉のタイミン
グを示し、図10(c)は液排出側の開閉弁125a,
125bの開閉のタイミングを示し、図10(d)はサ
ックバックバルブ120,128a,128bのオン,
オフのタイミングを示し、図10(e)は塗布ヘッド5
5内の液圧の変化を示している。塗布ヘッド55は、塗
布前の待機時には上記のようにサックバックバルブ12
0,128a,128bの働きにより減圧され、液垂れ
のない状態で待機している。塗布対象物11が送られて
くると、時間t1に塗布ヘッド55が降下を開始し、塗
布開始高さhに達して塗布対象物11との間隔が一定間
隔δになると、時間t3より塗布を開始するが、この塗
布開始時t3よりも早く時間t2に開閉弁122,12
5a,125bが開かれると共にサックバックバルブ1
20,128a,128bがオンされる。開閉弁12
2,125a,125bが開かれても、図10(e)に
示すように塗布ヘッド55内の液圧が高くなるまでには
時間的な遅れがあるが、開閉弁122,125a,12
5bをT1=(t3−t2)だけ早く開くことにより塗
布開始時には塗布ヘッド55内を十分な液圧に保つこと
ができ、所望の塗布開始点より一定の膜厚の塗膜を得る
ことができる。すなわち、塗膜の塗布開始端を精度よく
コントロールできるようになると共に塗布開始端を真っ
直ぐに揃えることができ、さらに、塗布開始端において
塗膜の膜厚が薄くなったり、かすれたりするのを防止す
ることができ、始端より良好な品質の塗膜を得ることが
でき、塗膜の歩留りが向上する。
【0037】この時間T1は実験的に決めることができ
る。例えば、図11に示すように、塗布ヘッド55が塗
布開始高さhに達した瞬間に開閉弁122,125a,
125bを開き、その瞬間のスロット116の位置αと
実際に塗布対象物11に塗布された塗膜の塗布開始端と
の距離(塗布の遅れる距離)Sを求めれば、塗布対象物
11の搬送速度をVとして、T1=S/Vより決めるこ
とができる。
【0038】また、時間t4に塗布液12が塗布終了位
置まで塗布されると、液供給側の開閉弁122を閉じる
と共に塗布ヘッド55を上昇させ、塗布液12の塗布を
終了する。このとき、開閉弁122の閉成動作から遅延
させて時間t5に液排出側の開閉弁125a,125b
を閉じると共に全てのサックバックバルブ120,12
8a,128bをオフにする。液排出側の開閉弁125
a,125bを液供給側の開閉弁122と同時に閉じた
場合には、図10(e)に破線で示すように、塗布ヘッ
ド55内の液圧が大気圧まで低下するのに時間が掛かる
が、液排出側の開閉弁125a,125bの閉成動作を
T2=(t5−t4)だけ遅延させると、塗布液12の
供給が止った後でT2の間だけ液排出用パイプ127
a,127bから塗布液12が排出されるので、塗布ヘ
ッド55内の液圧が急激に低下し、塗布終了後の液垂れ
が防止される。さらに、液排出側の開閉弁125a,1
25bが閉じると同時にサックバックバルブ120,1
28a,128bがオフになると、塗布ヘッド55内の
塗布液12がサックバックバルブ120,128a,1
28b内へ引かれるので、塗布ヘッド55内が大気圧な
いし負圧となり、より確実に塗布ヘッド55からの液垂
れが防止される。従って、再度塗布動作を開始した場合
に、塗布された塗膜の塗布開始端の膜厚が厚くなること
を防止でき、均一な厚みの塗膜を得ることができる。
【0039】なお、塗布終了後に塗布ヘッド55内を減
圧する手段として、上記実施例では、サックバックバル
ブ120,128a,128bを用いる方法と、液排出
側の開閉弁125a,125bを液供給用の開閉弁12
2よりも遅らせて閉じる方法とを併用したが、いずれか
一方の方法だけでも差し支えない。
【0040】図12は本発明の別な実施例を示す図であ
る。これは図7に示したような塗布液供給手段を有する
流体塗布装置における、別な制御方法を示すものであ
る。この実施例においては、塗布液12の塗布を終了し
て塗布ヘッド55を上昇させる時間t4よりも早い時
期、すなわち図12における時間t6(<t4)に開閉
弁122を閉じている。塗布ヘッド55を上昇させると
同時に開閉弁122を閉じた場合には、塗布ヘッド55
内に残っている塗布液12によって塗膜の終端部が図1
3(a)に示すように盛り上がって膜厚が厚くなる恐れ
があるが、少し前に開閉弁122を閉じて塗布ヘッド5
5へ塗布液12を供給しないようにすることにより、図
13(b)に示すように塗膜の終端部を薄くすることが
でき、塗膜の膜厚を均一にすることができる。
【0041】図14は本発明のさらに別な実施例を示す
図である。この実施例においては、塗布ヘッド55をδ
の高さまで下降させ、開閉弁122を開いて塗布液12
の塗布を開始するよりも早く排出側の開閉弁125a,
125bを開いている。すなわち、時間t3に塗布を開
始するよりも早い時間t2に開閉弁125a,125b
を開いて塗布ヘッド55内を減圧しているので、塗膜の
始端部が盛り上がって厚くなるのを防止し、塗膜の膜厚
を均一にすることができる。
【0042】図15及び図16に示すものは本発明のさ
らに別な実施例による流体塗布装置Bの一部を示す概略
図である。図16に示すものは液垂れ除去装置131で
あって、箱形をした容器132の両側面にそれぞれ支持
片133を設けると共に容器132の上端部後縁から後
方へ向けて斜め上がりに傾斜片134を設け、傾斜片1
34の上方において両支持片133間にワイヤーやピア
ノ線等の線状をした液吸着用線材135を張ってある。
この液垂れ除去装置131は、図15に示すように、テ
ーブル24の前端部に取り付けられており、テーブル2
4と共に移動する。実際には、塗布ヘッド55が昇降
し、テーブル24が水平に移動するが、図15ではテー
ブル24が静止するものとし、テーブル24に対する塗
布ヘッド55のノズル口117の相対的な動きを1点鎖
線によって示している。この図15に従って説明する
と、塗布対象物11を載置したテーブル24が送られて
くると、塗布ヘッド55は液垂れ除去装置131の液吸
着用線材135に向けて下降し、下端のノズル口117
が液吸着用線材135と小さな間隙を隔てる高さで一旦
停止する。この高さを保った状態でノズル口117と液
吸着用線材135とが水平にすれ違うと、ノズル口11
7から垂れ下がっている塗布液12が液吸着用線材13
5に触れることによって余分な塗布液12が表面張力に
よって液吸着用線材135に吸着され、液吸着用線材1
35に吸着された塗布液12は自重によって傾斜片13
4の上に落ち、傾斜片134に沿って容器132内に集
められる。一方、余分な塗布液12を除去された塗布ヘ
ッド55は、幅方向の全長にわたってノズル口117に
おける塗布液12の界面を平に揃えられる。ついで、再
び塗布ヘッド55を降下させ、塗布対象物11と一定の
間隔をおいて対向する位置で静止させると共に塗布液1
2の塗布を開始する。従って、液垂れを除去された状態
で塗布液12の塗布を開始するので、塗布開始点におけ
る塗膜の膜厚を均一にすることができる。
【0043】図17に示すものは本発明のさらに別な実
施例を示す概略断面図であって、液吸着用線材135に
代えて、ノズル口117と対向するようなスリット13
6を開口された帯板状の液吸着用部材137を用いてい
る。この実施例においても、液吸着用部材137の上面
を小さな間隔をあけてノズル口117の下を水平に移動
させると、ノズル口117から垂れている塗布液12は
表面張力によってスリット136内に吸収され、さらに
自重によって下方の容器132内へ落下する。
【0044】なお、図16や図17に示したような液吸
着用線材135や液吸着用部材137は、ノズル口11
7と接触することなく液垂れを除去するようにしてい
る。もちろん、液吸着用線材135や液吸着用部材13
7によってノズル口117をこするようにして液垂れを
除去しても差し支えないが、液吸着用線材135や液吸
着用部材137によってノズル口117をこするように
すると、摩擦によって粉塵が発生して塗膜を汚染した
り、あるいはノズル口117や液吸着用部材135、液
吸着用部材137の摩耗の問題が起きるので、上記のよ
うな非接触方式が好ましい。また、吸着方法としても、
塗布液12の表面張力によらず、強制的に真空吸引する
方法でもよい。
【0045】
【発明の効果】請求項1に記載した流体塗布装置によれ
ば、塗布ヘッド内の流体を排出することにより、塗布終
了時に塗布ヘッド内を減圧することができるので、塗布
ヘッド内の残圧を除去することができる。この結果、塗
膜の塗布終了端を薄くすることができ、塗膜の膜厚を均
一化することができる。特に、塗布終了時に減圧すれ
ば、塗布終了後もしくは塗布休止中における塗布ヘッド
の液垂れを防止することができる。
【0046】また、請求項2に記載した流体塗布装置に
よれば、さらに塗布終了時に塗布ヘッドのスロット内の
流体を引き込むことができるので、塗布終了後もしくは
塗布休止中における塗布ヘッドの液垂れを防止すること
ができる。この結果、塗膜の塗布終了端を薄くすること
ができ、塗膜の膜厚を均一化することができる。
【0047】あるいは、請求項3に記載した流体塗布装
置によれば、塗布ヘッドが塗布動作位置に達して流体の
塗布を開始するよりも前に、塗布ヘッドへの流体の供給
を開始させるようにしているので、塗布開始点において
流体塗膜の膜厚が薄くなったり、カスレが生じたりする
のを防止でき、塗膜の塗布開始端をまっすぐに揃えるこ
とができる。
【0048】さらに、請求項4に記載した流体塗布装置
によれば、塗布ヘッドが塗布動作位置から離れて流体の
塗布を終了するよりも前に、塗布ヘッドへの流体の供給
を停止させるようにしているので、塗布終了端において
流体塗膜の膜厚が厚くなるのを防止でき、塗膜の塗布終
了端をまっすぐに揃えることができる。
【0049】従って、本発明によれば、塗膜の膜厚を始
端から終端まで、あるいは幅方向にわたって均一に整え
ることができ、良好な品質の塗膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による流体塗布装置を示す外
観斜視図である。
【図2】同上の流体塗布装置における送り機構部を示す
断面図である。
【図3】同上の流体塗布装置における塗布機構部及び測
定ヘッドを示す側面図である。
【図4】同上の塗布機構部における塗布ヘッドの断面図
である。
【図5】同上の塗布ヘッドの各構成部品を示す正面図で
ある。
【図6】同上の塗布ヘッドの分解斜視図である。
【図7】同上の塗布ヘッドに塗布液を供給するための構
成を示す概略図である。
【図8】(a)(b)はサックバックバルブの構造及び
動作を示す断面図である。
【図9】(a)(b)(c)は同上の流体塗布装置の動
作説明図である。
【図10】塗布ヘッドの昇降動作、各開閉弁の開閉動
作、サックバックバルブのオン・オフ動作及び塗布ヘッ
ド内の液圧との関係を示す図である。
【図11】開閉弁の開成タイミングを決める方法を説明
するための図である。
【図12】本発明の別な実施例における、塗布ヘッドの
昇降動作、各開閉弁の開閉動作、サックバックバルブの
オン・オフ動作及び塗布ヘッド内の液圧との関係を示す
図である。
【図13】(a)(b)は同上の作用説明図である。
【図14】本発明のさらに別な実施例における、塗布ヘ
ッドの昇降動作、各開閉弁の開閉動作、サックバックバ
ルブのオン・オフ動作及び塗布ヘッド内の液圧との関係
を示す図である。
【図15】本発明のさらに別な実施例による流体塗布装
置の一部を示す概略図である。
【図16】同上の液垂れ除去装置を示す斜視図である。
【図17】液垂れ除去装置に用いる別な液吸着用部材を
示す概略断面図である。
【図18】従来の流体塗布装置を示す概略構成図であ
る。
【図19】同上の流体塗布装置により塗布したときの塗
膜の状態を示す一部破断した拡大断面図である。
【図20】同上の流体塗布装置における昇降ヘッドの昇
降動作と開閉弁の開動作とのタイミングを示す図であ
る。
【図21】図20のタイミングで塗布液を塗布した場合
の塗膜の状態を示す一部破断した平面図である。
【符号の説明】
55 塗布ヘッド 104 流体リザーバ(空洞部) 105 塗布液注入口(流体注入口) 106 塗布液排出口(流体排出口) 116 スロット 120 サックバックバルブ 122 開閉弁 125a,125b 開閉弁 128a,128b サックバックバルブ 131 液垂れ除去装置 135 液吸着用線材 137 液吸着用部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−61958(JP,A) 特開 平1−168378(JP,A) 実開 平3−75871(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 5/00 - 5/02 B05C 11/10 B05B 15/02 G03F 7/16 501 H01L 21/027

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体を注入するための流体注入口と、該
    流体注入口から注入された流体を幅方向に拡散させるた
    めの空洞部と、該空洞部内の流体を一定の厚みにして流
    出させるためのスロットとを塗布ヘッドに形成された流
    体塗布装置において、塗布動作開始時に前記塗布ヘッドを塗布動作位置へ向け
    て移動させ、塗布動作終了時に前記塗布ヘッドを塗布動
    作位置から離間させる塗布ヘッド昇降手段と、 前記塗布ヘッドに対して流体の供給及び停止を行う手段
    と、 前記塗布ヘッドへの流体の供給を停止し前記塗布ヘッド
    を塗布動作位置から離間させる塗布終了時において、塗
    布ヘッドを塗布動作位置から離間させる動作の開始タイ
    ミング後の所定時間、塗布ヘッド内の流体を排出する手
    段と を備えたことを特徴とする流体塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記塗布ヘッドの塗布終了時において、
    前記流体排出手段が流体の排出動作を終了した後、前記
    塗布ヘッド内を減圧することによってスロット内の流体
    を内側へ引き込ませる手段をさらに備えた、請求項1に
    記載の流体塗布装置。
  3. 【請求項3】 流体を注入するための流体注入口と、該
    流体注入口から注入された流体を幅方向に拡散させるた
    めの空洞部と、該空洞部内の流体を一定の厚みにして流
    出させるためのスロットとを塗布ヘッドに形成された流
    体塗布装置において、塗布動作開始時に前記塗布ヘッドを塗布動作位置へ向け
    て移動させ、塗布動作終了時に前記塗布ヘッドを塗布動
    作位置から離間させる塗布ヘッド昇降手段と、 前記塗布ヘッドに対して流体の供給及び停止を行う手段
    とを備え、 流体の塗布開始時において、前記塗布ヘッドが塗布動作
    位置に達するよりも前に、塗布ヘッドへの流体の供給を
    開始させるようにした ことを特徴とする流体塗布装置。
  4. 【請求項4】 流体を注入するための流体注入口と、該
    流体注入口から注入された流体を幅方向に拡散させるた
    めの空洞部と、該空洞部内の流体を一定の厚みにして流
    出させるためのスロットとを塗布ヘッドに形成された流
    体塗布装置において、塗布動作開始時に前記塗布ヘッドを塗布動作位置へ向け
    て移動させ、塗布動作終了時に前記塗布ヘッドを塗布動
    作位置から離間させる塗布ヘッド昇降手段と、 前記塗布ヘッドに対して流体の供給及び停止を行う手段
    とを備え、 流体の塗布終了時において、前記塗布ヘッドが塗布動作
    位置から離れるよりも前に、塗布ヘッドへの流体の供給
    を停止させるようにした ことを特徴とする流体塗布装
    置。
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