JPH1147662A - 塗膜形成方法及び塗膜形成装置 - Google Patents

塗膜形成方法及び塗膜形成装置

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JPH1147662A
JPH1147662A JP21362797A JP21362797A JPH1147662A JP H1147662 A JPH1147662 A JP H1147662A JP 21362797 A JP21362797 A JP 21362797A JP 21362797 A JP21362797 A JP 21362797A JP H1147662 A JPH1147662 A JP H1147662A
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JP
Japan
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coating
slot
liquid
coating film
application
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JP21362797A
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English (en)
Inventor
Sumio Harukawa
澄夫 春川
Hiroshi Iwano
岩野  浩
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Hirata Corp
Original Assignee
Hirata Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スロットコート方式の塗膜形成装置におい
て、従来の水平状態の塗布方法に匹敵する塗布品質を確
保することができ、かつ省スペース化を実現する 【解決手段】 塗布ヘッド4を、塗布面WSとの間の所
定間隙を維持しつつ幅方向に対して略直交して相対移動
することで塗膜を形成する塗膜形成装置1であって、ス
ロット10の開口部の近傍で、かつ塗布ヘッド4の相対
移動方向の上流側において凹状に形成される凹状形状部
11と、これを負圧にする負圧発生部12と塗布対象物
Wを垂直状態を含む起立状態で位置決めして保持し相対
移動(矢印D1、D2)を行う移動部7と、所定タイミ
ングで駆動するための制御部60とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗膜形成方法及び
塗膜形成装置に係り、例えばプラズマ、液晶ディスプレ
イ等の平板状の塗布対象物に使用されるレジスト液等の
各種液状塗布液をガラス基板等の平板状の塗布対象物に
対して均一に塗布するために、クリーンルーム等のクリ
ーン環境下で使用される装置技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ディスプレイ装置等に用いら
れるガラス基板等の平板状の塗布対象物の塗布面上にレ
ジスト液等の塗布液を均一に薄く塗布する方法として、
スピンコート方式を採用することが知られている。この
スピンコート方式によれば、塗布対象物の塗布面上に過
剰に塗布液を分厚く塗布してから、塗布対象物を高速で
回転することで遠心力の作用により塗布液を均一に広が
るようにして薄い均一な塗布面を得るものである。
【0003】しかしながら、このスピンコート法によれ
ば、塗布対象物の塗布面上に塗布される塗布液の量であ
って、最終的に塗布対象物の表面に残留する有効塗布液
の量は、供給された塗布液の数%前後に過ぎないもので
あり、ランニングコストが高く、また上記のように遠心
力などの作用で飛散した分は全て廃棄されることになる
ので、塗布液の歩留まりが極めて低くなるという問題が
あった。
【0004】また、飛散した塗布液は、周囲に浮遊し、
塗布面に再度付着する虞があるので、浮遊して固化し始
めた塗布剤を吸引するための強力な集塵装置が必要とな
る結果、装置がますます大型化してしまうことから、近
年の大型の液晶装置等に使用される大型の塗布対象物へ
の塗布を行う装置をスピンコート方式で構成することは
困難となっている。
【0005】そこで、塗布液の歩留まりを向上させ、か
つ装置を小型に構成するために、本願出願人は特開平6
−339656号公報において、スロットコート方式の
塗布装置を提案している。このスロットコート方式の塗
布装置によれば、塗布ヘッドに対して所定圧で送られる
塗布液を塗布ヘッドの吐出口において塗布対象物の塗布
幅寸法になるようにした薄いシート状にして順次送り出
す一方で、この吐出口から流出される塗布液の流出速度
よりも塗布対象物の移動速度を大きく設定することで、
塗布対象物の塗布面に塗布される際に塗布液をさらに薄
く引き伸ばすようにして、塗布面上に非常に薄い塗膜
(5ミクロン)を形成し、その後の乾燥工程において溶
剤を気化するなどして所望の薄い乾燥塗膜(1ミクロ
ン)を得るようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなスピンコート方式やスロットコート方式による塗
布装置によれば、いずれも塗布対象物をクリーンルーム
の床面に対して水平に移動しつつ、塗布ヘッドからの塗
布液の塗布を行い、その後に床面と水平に塗布対象物を
高速回転させるか、もしくは塗布ヘッドまたは塗布対象
物を床面と平行に移動させつつ塗膜を得るものであっ
た。
【0007】一般に、プラズマ装置や液晶装置の製造工
程においては、塵埃、異物等の混入及び付着防止のため
にクリーンルーム内はクラス10以下に設定され、この
ようなクリーンルーム内に液体塗布装置を設置し、使用
することになるが、このようなクリーンルームの坪単価
は1千万円をはるかに超え、またその維持費もかなりな
高額となる結果、製品単価を引き上げる要因となってい
る。
【0008】一方で、塗布対象物は年々拡大化してお
り、例えば幅、奥行き寸法が夫々1000mm角以上の
塗布対象物への均一な塗布が行える塗布装置への要求も
多くなっている。このような均一な塗布を、例えば上記
従来例のような床面に対して水平状態で塗布対象物を移
動しつつ塗布ヘッドにより塗布を行うように構成する
と、単純計算で、2000mmの幅または奥行き方向の
占有面積が必要となる。すなわち、大型の塗布対象物の
製造工程で、塗布対象物を水平状態で作業を行ったり搬
送しようとすると極めて広範囲の占有面積を必要とし、
大量生産時には広大なクリーンルームが必要となるの
で、何らかの対策が求められている。
【0009】ここで、上述のスロットコート方式はスピ
ンコート方式の課題であった、塗布液の歩留まりの向上
を追求したものであり、塗布対象物を水平に移動する場
合においてのみ良好な結果を得ることができるものであ
った、具体的には、吐出口(スロット)の全長に渡り均
一に液体を吐出するための技術と、吐出される液体を所
定の膜厚で塗布する技術については実施されている。ま
た、塗布対象物をスロットで塗布する場合において、吐
出液体を薄く引き伸ばすためにはスロット先端と塗布対
象物の間隙に依存しており、例えば1ミクロンから3ミ
クロンの乾燥膜厚を得るためにには、20ミクロンから
30ミクロンの開口幅寸法を持ったスロットと塗布対象
物の間の間隙を数十ミクロンから100ミクロンの間隙
を維持しつつ、塗布対象物の移動速度を塗布液の供給速
度より大きく設定することで、塗布対象物の表面に塗布
する際に、塗布液をさらに薄く引き伸ばすようにするこ
とができ、このように設定することで良い結果を得るこ
とが知られている。
【0010】ただし、これらの諸条件は、塗布対象物が
床面に対する水平状態を維持しつつ移動することを前提
としている。換言すれば、塗布液に作用する重力を一部
利用して、塗布液をさらに薄く引き伸ばすようにするも
のであった。
【0011】一方、上記のような大型の塗布対象物を、
限られたクリーンルーム内に設置された塗布装置を用い
て塗布するためには、塗布対象物を床面に対する水平状
態で移動せずに、床面からの垂直な起立状態または傾斜
状態で移動しながら塗布するように構成することで、占
有床面積を削減でき、たとえ大量生産時であっても、広
大なクリーンルームが不要となる。
【0012】そこで、上記のスロットコート方式の塗布
装置において、塗布対象物を床面に対する水平状態で移
動せずに、床面からの垂直な起立状態または傾斜状態で
移動しつつ塗布することに着目した。
【0013】しかしながら、上記のスロットコート方式
の塗布装置によれば、塗布液に作用する重力作用を一部
利用して塗布液をさらに薄く引き伸ばすものであり、そ
のまま採用することはできなかった。
【0014】すなわち、塗布対象物を単純に垂直に立て
て移動した場合には、塗布面と塗布ヘッドの間の間隙の
調整だけでは、所望の塗布品質を得ることは不可能とな
り、塗布ムラの発生確率が高くなる問題があった。
【0015】したがって、本発明は上述した問題点に鑑
みてなされたものであり、スロットコート方式の塗膜形
成装置において、従来の水平状態の塗布方法に匹敵する
塗布品質を確保することができ、かつ省スペース化を実
現することで、高価なクリーン環境を有効利用できるよ
うにして安価な塗布対象物を得ることができる塗膜形成
方法及び塗膜形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために、本発明によれば、塗膜形成用の
液体を所定圧力で導入する液体供給口と、該液体供給口
から導入された液体を幅方向に拡散させる空洞部と、該
空洞部内で拡散された液体を一定の厚みで塗布対象物の
塗布面上に流出させるスロットとに接続される液体供給
手段と、前記空洞部に連通されてなり前記スロット内に
残留した液体の残圧を除去する減圧手段と前記スロット
の開口部に残留した液体を前記スロット内に引き込む吸
引手段とを備えた塗布ヘッドを、前記塗布面との間の所
定間隙を維持しつつ前記幅方向に対して略直交して相対
移動することで塗膜を形成する塗膜形成方法であって、
前記スロットの開口部の近傍で、かつ前記塗布ヘッドの
相対移動方向の上流側において前記スロットの長さと略
同じ長さで凹状に形成される凹状形状部を負圧にすると
ともに、前記塗布対象物を、塗膜形成装置の基部に対す
る垂直状態を含む起立状態で位置決めして保持するとと
もに前記相対移動を行ないつつ、塗膜を形成することを
特徴としている。
【0017】また、前記塗布対象物を前記基部に対する
上下方向または左右方向に移動することを特徴としてい
る。
【0018】また、前記スロットの開口部の前記塗布ヘ
ッドの相対移動方向の下流側において、前記塗布面から
所定角度で次第に離間する傾斜面を形成するとともに、
前記傾斜面上にフッ素樹脂層を含む液体分離層を形成す
ることで、前記傾斜面上に残留した液体を前記吸引手段
により完全にスロット内に引き込むことを特徴としてい
る。
【0019】また、塗膜形成用の液体を所定圧力で導入
する液体供給口と、該液体供給口から導入された液体を
幅方向に拡散させる空洞部と、該空洞部内で拡散された
液体を一定の厚みで塗布対象物の塗布面上に流出させる
スロットとに接続される液体供給手段と、前記空洞部に
連通されてなり前記スロット内に残留した液体の残圧を
除去する減圧手段と前記スロットの開口部に残留した液
体を前記スロット内に引き込む吸引手段とを備えた塗布
ヘッドを、前記塗布面との間の所定間隙を維持しつつ前
記幅方向に対して略直交して相対移動することで塗膜を
形成する塗膜形成装置であって、前記スロットの開口部
の近傍で、かつ前記塗布ヘッドの相対移動方向の上流側
において前記スロットの長さと略同じ長さで凹状に形成
される凹状形状部と、該凹状形状部内を負圧にする負圧
発生手段と、前記塗布対象物を、塗膜形成装置の基部に
対する垂直状態を含む起立状態で位置決めして保持する
とともに前記相対移動を行う移動手段と、前記液体供給
手段と前記吸引手段と前記負圧発生手段と前記移動手段
とに接続されてなり、前記各手段を所定タイミングで駆
動する制御手段とを具備することを特徴としている。
【0020】また、前記移動手段は、前記塗布対象物を
前記基部に対する上下方向または左右方向に移動するよ
うに構成されることを特徴としている。
【0021】そして、前記スロットの開口部の前記塗布
ヘッドの相対移動方向の下流側において、前記塗布面か
ら所定角度で次第に離間する傾斜面を形成するととも
に、前記傾斜面上にフッ素樹脂層を含む液体分離層を形
成することで、前記傾斜面上に残留した液体を前記吸引
手段により完全にスロット内に引き込むことを特徴とし
ている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施形態に
ついて、添付図面を参照して述べる。
【0023】図1は第1の実施形態に係る塗膜形成装置
の外観斜視図であって、一部を破断して示している。
【0024】本図において、装置1は例えばクラス10
以上のクリーンルームC内に設置されており、図示のよ
うに塗布対象物Wを起立状態で着脱自在に保持しつつ図
中の矢印D1、D2方向の上下方向に移動しながら塗布
面への塗布を行うように構成されている。このように構
成することで、この装置1の基部52のクリーンルーム
C内における設置床面の占有面積H(図中の二点鎖線で
図示)を極力少なくできるように配慮されている。
【0025】この結果、クリーンルームC内における塗
布作業時の塗布対象物Wの移動範囲が上下方向になるこ
とから、近年の大型化液晶装置に使用される大型の塗布
対象物Wへの塗布が、限られた占有面積H内で行えるよ
うになる。このようにして、格別な大型のクリーンルー
ムを使用せずに、従来からのクリーンルームCにおいて
塗布対象物Wの塗布面に塵埃、異物等が付着しないよう
にして塗布が実施できるようにしている。
【0026】この基部52と基部2の間には、開閉する
蓋体31を備えた破線図示の制御駆動部60であって、
後述する各モータ、弁を所定タイミングで駆動するため
に各種の駆動源に接続された制御装置が内蔵されてい
る。また、基部2の右上の角部上には作業者が適宜操作
するための操作パネル50が配設されている。
【0027】一方、基部2上には、図示のように略垂直
に起立するか、または破線で図示したように後方に向け
て角度θでやや傾くように固定される起立基部3が設け
られており、後述する各構成部品については原則的に全
てこの起立基部3上に固定することで、占有面積H以内
に全てが収まるように構成されている。
【0028】不図示のワーク搬送装置により適宜搬送さ
れる塗布対象物Wは、多数の吸引孔6と吸引手段(図示
せず)を有するとともに、平面精度の高い吸引盤7上に
図示のように保持される。この吸引盤7上には、塗布対
象物Wを上下左右方向に所定位置決めするための少なく
とも2本以上のピンが埋設されており、塗布対象物Wの
上端部Wbと下端部Waと左右端部を夫々位置決めした
後に、ピンが吸引盤7上の吸着面から奥側に自動的に後
退するように構成されている。
【0029】次に、図1のA‐A矢視断面図である図2
と、図1のB‐B矢視断面図である図3をさらに参照し
て、この吸引盤7の裏面側には、起立基部3上において
所定間隔離間するようにして上下方向に配設された一対
のリニアガイドレール21に案内されるガイドブッシュ
が固定されており、矢印D1、D2方向に案内する一方
で、第1のサーボモータ26の出力軸に固定されたボー
ルネジ25に螺合するボールナット29がリニアガイド
レール21の略中央部位に該当する吸引盤7の裏面上に
固定されている。
【0030】以上の構成により、吸引盤7のピンで位置
決めされた塗布対象物Wは、吸引盤7の吸引力で反りや
曲がりが矯正されて吸着矯正されるとともに、位置決め
用のピンは全て吸引盤内に引き込まれるので、塗布ヘッ
ド4との干渉が避ける状態で、第1サーボモータ26の
正逆方向の駆動に伴い上下方向に駆動されるようにな
る。
【0031】一方、塗布ヘッド4は、塗布対象物Wの幅
より若干狭い所定の塗布面を形成するスロット10と、
未塗布部方向に負圧を発生させる凹状形状部である空洞
部11とが図示のように一体形成されている。また、こ
の空洞部11には負圧発生装置12が接続されている。
【0032】また、塗布液体Rを塗布対象Wの塗布面W
Sに対して供給するためのスロット10には塗布液体R
の供給量を調節する供給バルブ13と、この供給バルブ
13を閉じた直後の塗布液体Rが塗布面側に漏れること
を防止するためにスロット内に残留した液体の残圧を除
去する吸引手段であるサックバックバルブ28が配管さ
れている。この減圧バルブ14により、減圧手段である
減圧弁14と上記の傾斜面上に塗布液体Rを塗布した後
に、残留した液体をスロット内に引き込むことで塗布ヘ
ッド4からの液漏れによる塗膜の終端部の盛り上がりを
防ぐようにしている。
【0033】リザーバ15は、供給口16から供給され
た塗布液体Rに、リザーバ15内で均一な供給圧を与え
ることで、塗布液体Rの供給口16と、内部に溜まった
塗布液体Rの圧力を減圧するための排出口17とが配管
されている。このように配管することで、スロット10
内の塗布液体Rに均一な圧力がかかるようにして、スロ
ット10(開口幅寸法約30ミクロン)の全体にわたっ
て塗布液体Rの流出速度が一定となるようにして、塗布
液体を塗布する際に吐出量が均一となるようにしてい
る。
【0034】また、供給バルブ13に接続された配管1
8内の塗布液体Rには液体送り装置(図示せず)によっ
て常に一定の供給圧が印加されている。供給バルブ13
を閉じた場合は、減圧バルブ14によりスロット内に残
留した液体の残圧を除去し、サックバックバルブ28に
より傾斜面上に残留した液体をスロット10内に引き込
むようにしている。
【0035】図3を参照して、塗布ヘッド4は吸引盤7
を跨ぐように設けられており、その移動手段の構成は、
上記の起立基部3の側面部位に固定された左右の第2サ
ーボモータ27の出力軸に設けられたボールネジ19に
螺合するボールナット5により保持されるとともに、不
図示のガイドシャフトにより吸引盤7の吸引面に対して
離間、近接するように案内されており、第2サーボモー
タ27の正逆方向の駆動にともない、塗布ヘッド4の両
端が図1に図示のような矢印D3、D4方向に移動でき
るように構成されている。
【0036】また、独立基部3には間隙測定センサー2
3が所定距離分離間して一対分固定されており、塗布面
WSに対するスロット10の開口部の端部10bとの間
隙Sを微調整するための測定を行うように構成されてい
る。
【0037】すなわち、これらの間隙測定センサー23
の測定結果から、第2サーボモータ27を適宜数値駆動
制御するようにして、所望の間隙Sを確保して、塗布が
できるように構成されている。具体的には、図2におい
て、塗布ヘッド4の端部10bと吸引盤7の吸引面7a
の平行度を精度高く維持できるようにしている。
【0038】または、リニアガイドレール21で移動方
向以外を規制したベアリングを有した走行フレームに塗
布ヘッド4を取り付けて、ボールネジ駆動のサーボモー
タを数値制御するようにしても良い。すなわち、塗布ヘ
ッド4を移動するようにし、塗布対象物Wを固定するよ
うにしても良い。
【0039】次に、塗布ヘッド4が図1の矢印D3、D
4方向に移動し、吸引盤7を図1の矢印D1、D2方向
に移動しつつ塗布を行う塗布動作説明を、図4の塗布ヘ
ッドの要部拡大図と図5の動作フローチャートに基づき
説明する。
【0040】先ず、ステップS1において不図示の搬送
装置により塗布対象物Wが搬送されると、ステップS2
に進み塗布対象物Wが吸引盤7上に吸引されて位置決め
が行われる。これに続き、ステップS3では、第1サー
ボモータ26の起動が行われて、ステップS4におい
て、図4(a)に示すように塗布対象物Wと塗布ヘッド
4は相当の距離を維持しつつ、塗布対象面Wが矢印D2
方向に走行されて、センサ23により塗布対象物Wの塗
布面WSとの間の距離を測定し、塗布対象面WSの平行
度の測定を行う。
【0041】次に、ステップS5において図4(b)に
示すように、測定された結果に基づき第2サーボモータ
27の駆動が行われて塗布対象物面WSと端部10bと
の距離を所定の間隙Sになるように塗布ヘッド4を矢印
D4側に接近移動させて塗布ヘッド4の位置を固定す
る。
【0042】以上で塗布開始の準備が整い、ステップS
6に進み塗布開始位置へ移動した塗布ヘッド4の供給バ
ルブ13が開かれて、図示のようにスロット10の先端
に微細な半球状の液体の粒が形成される。その粒の大き
さがSより大きくなると、液体の表面張力と塗布対象面
の親水性の関係で液体はスロット先端と塗布対象物で形
成するSの距離にある空隙に一直線に広がる。
【0043】この広がる直前に、ステップS7において
第1サーボモータ26が起動されて図4(c)に図示の
ように塗布対象物Wが矢印D1の下方に向けて走行を開
始し、同時に負圧発生装置12により空洞部11を負圧
にする。
【0044】続いて、ステップS8において図4(d)
に図示のようにして、厚さtの塗膜を形成するまで、上
記の動作を継続し、塗布完了手前でモータが停止され、
供給バルブ13が閉じられて、図4(e)に図示の状態
になる。続いて、ステップS9において、減圧弁14が
オンされてスロット内に残留した液体の残圧を除去後
に、サックバックバルブ28がオンされて傾斜面上に残
留した液体をスロット内に引き込むようにして塗布面上
に塗布されないようにして図4(f)の状態にして塗布
を終了する。
【0045】以上で塗布が終了して、ステップS10に
おいて、第2サーボモータ27が駆動されて、塗布ヘッ
ド4がD3方向に移動され、ステップS11で塗布対象
物Wを取り外して終了する。
【0046】以上説明したバルブ開閉や機構動作のタイ
ミング等は予め入念な実験を繰り返し設定した値であ
る。所定の位置まで走行した塗布ヘッド4は間隙調整機
構の動作で塗布対象物から遠ざかる方向へ移動し、塗布
動作を完了する。
【0047】尚、スロット先端から吐出される膜厚はス
ロット幅約30ミクロンとし、乾燥時塗布膜を1ミクロ
ンから3ミクロンとしたときに、ウェット状態の塗布膜
は数ミクロンから10ミクロン程度の塗布膜厚であり、
所定の薄膜形成は吐出量をある一定の値で固定し移動速
度を制御することで可能としている。間隙Sはこの場合
数十ミクロンが最適値であり、それより広いと負圧の効
果も期待できず、また逆に狭いと、塗布対象物の厚みの
ばらつきによる影響を受け塗布ムラが発生することにな
る。
【0048】また、塗布開始時の吐出と走行のタイミン
グや間隙Sの維持や塗布完了時のそれらは、塗布対象面
を水平にして塗布ヘッドをその上に設置した場合と本案
の場合は同じ条件設定であり、異なるのは水平面塗布で
は重力方向に塗布しているのに対し、本案は重力に対し
直角方向に吐出している点にあった。間隙Sを維持し吐
出膜を塗布対象面に引き寄せる力を負圧で発生させるこ
とにより水平面塗布と同様に引き伸ばされた均一な薄膜
を得ることができるものである。
【0049】図6は、本発明の塗膜形成装置の他の実施
形態例の外観斜視図であり、塗布対象物Wを垂直に立
て、塗布ヘッド4も立てた状態とし塗布時は相対的に塗
布対象物Wを横方向(矢印D5、D6方向)に、また塗
布ヘッド4を矢印D7、D8方向に移動するように構成
したものである。
【0050】既に説明済みの構成には同一符号を付して
説明を割愛すると、このように構成される塗膜形成装置
によれば、水平面塗布と同様の品質を、凹場形状部であ
る空洞部に負圧を発生させることで塗布品質を得ること
を確認でき、大型の塗布対象物を垂直に立てた状態での
塗布を可能としたことから、塗布工程の設備占有面積は
半減することができる。
【0051】以上は、塗布ヘッドが塗膜面に離間するよ
うにした場合を述べたが、塗布ヘッド4に間隙測定セン
サを固定し、塗布ヘッドを走行するようにして塗布対象
物との距離を測定し、塗布ヘッドの移動手段に設けた間
隙調整機構により塗布対象物と塗布面WSとの距離を所
定の間隙Sになるように塗布ヘッドを接近移動後に、塗
布を開始するようにしても良い。
【0052】この場合には、塗布開始位置へ移動した塗
布ヘッド4は供給バルブ13を開始し、スロット先端に
微細な半球状の液体の粒を形成し、その粒の大きさがS
より大きくなると、液体の表面張力と塗布対象面の親水
性の関係で液体はスロット先端と塗布対象物で形成する
Sの距離にある空隙に一直線に広がり、この広がる直前
に塗布ヘッド4が走行を開始し、同時に負圧発生装置1
2により空洞部11を負圧にし、塗布完了手前で供給バ
ルブ13が閉じられ、サックバック機構を働かせ、余分
な量が塗布されないようにしても良い。
【0053】このバルブ開閉や機構動作のタイミング等
は予め入念な実験を繰り返し設定した値である。所定の
位置まで走行した塗布ヘッドは間隙調整機構の動作で塗
布対象物から遠ざかる方向へ移動し、塗布動作を完了す
る。
【0054】なお、本発明は、プラズマや液晶以外の、
例えばプリント基板等の板状のレジスト塗布分野にも好
適であり、さらに塗布対象面を傾斜させたり水平にし
て、塗布できることはいうまでもない。また、塗布対象
物を垂直状態で吸引保持する位置決め手段に搭載した塗
布対象物は吸引盤による吸引作用で反りやうねりを矯正
された平面となり、また塗布ヘッド面とその塗布面でつ
くる空隙を負圧にすることでスロットから吐出される均
一な膜厚の液体を反重力方向に吸引することができるの
で、スロットと塗布対象面を所定の間隙を保ち相対的に
移動させその速度を制御することで、水平塗布状態の条
件を垂直塗布状態で再現することができる。このことか
ら、吐出膜より薄い均一な塗布膜を塗布面に形成するこ
とが可能となる。これは、大型の塗布対象物を別工程に
おいても垂直で搬送することにもつながり、搬送に占め
る面積も少なくと済むといった大きな効果を得ることが
できる。
【0055】さらに、塗布面を立てた状態での作業や搬
送、保管等ではゴミや埃付着が水平状態に比して少なく
なり、歩留まりが高いといった効果も期待出来る。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スロットコート方式の塗膜形成装置において、所望の塗
布品質を確保することができ、かつ省スペース化を実現
することにより、高価なクリーン環境を有効利用可能に
して安価な塗布対象物を得ることができる塗膜形成方法
及び塗膜形成装置を提供することができる。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態になる塗膜形成装置を一
部破断して示した外観斜視図である。
【図2】図1のA‐A矢視断面図である。
【図3】図1のB‐B矢視断面図である。
【図4】(a)〜(f)塗布ヘッドの要部拡大図であ
る。
【図5】塗布ヘッドの動作説明のフローチャートであ
る。
【図6】本発明の第2実施形態になる塗膜形成装置の外
観斜視図である。
【符号の説明】
1 塗膜形成装置 2 基部 3 起立基部 4 塗布ヘッド 6 吸引孔 7 吸引盤 7a 吸引面 7b 仮想平面 10 スロット 10b 端面 11 空洞部(凹状形状部) 12 負圧発生装置 13 供給バルブ 14 減圧バルブ 15 リザーバ 16 供給口 17 排出口 18 配管 19 ボールネジ(間隙調整機構部) 20 負圧口 21 リニアガイドレール 23 間隙測定センサ 25 ボールネジ 26 第1サーボモータ 27 第2サーボモータ 28 サックバックバルブ W 塗布対象物 R 液体 H 占有面積 C クリーンルーム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗膜形成用の液体を所定圧力で導入する
    液体供給口と、該液体供給口から導入された液体を幅方
    向に拡散させる空洞部と、該空洞部内で拡散された液体
    を一定の厚みで塗布対象物の塗布面上に流出させるスロ
    ットとに接続される液体供給手段と、前記空洞部に連通
    されてなり前記スロット内に残留した液体の残圧を除去
    する減圧手段と前記スロットの開口部に残留した液体を
    前記スロット内に引き込む吸引手段とを備えた塗布ヘッ
    ドを、前記塗布面との間の所定間隙を維持しつつ前記幅
    方向に対して略直交して相対移動することで塗膜を形成
    する塗膜形成方法であって、 前記スロットの開口部の近傍で、かつ前記塗布ヘッドの
    相対移動方向の上流側において前記スロットの長さと略
    同じ長さで凹状に形成される凹状形状部を負圧にすると
    ともに、 前記塗布対象物を、塗膜形成装置の基部に対する垂直状
    態を含む起立状態で位置決めして保持するとともに前記
    相対移動を行ないつつ、塗膜を形成することを特徴とす
    る塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記塗布対象物を前記基部に対する上下
    方向または左右方向に移動することを特徴とする請求項
    1に記載の塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記スロットの開口部の前記塗布ヘッド
    の相対移動方向の下流側において、前記塗布面から所定
    角度で次第に離間する傾斜面を形成するとともに、前記
    傾斜面上にフッ素樹脂層を含む液体分離層を形成するこ
    とで、前記傾斜面上に残留した液体を前記吸引手段によ
    り完全に前記スロット内に引き込むことを特徴とする請
    求項1に記載の塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】 塗膜形成用の液体を所定圧力で導入する
    液体供給口と、該液体供給口から導入された液体を幅方
    向に拡散させる空洞部と、該空洞部内で拡散された液体
    を一定の厚みで塗布対象物の塗布面上に流出させるスロ
    ットとに接続される液体供給手段と、前記空洞部に連通
    されてなり前記スロット内に残留した液体の残圧を除去
    する減圧手段と前記スロットの開口部に残留した液体を
    前記スロット内に引き込む吸引手段とを備えた塗布ヘッ
    ドを、前記塗布面との間の所定間隙を維持しつつ前記幅
    方向に対して略直交して相対移動することで塗膜を形成
    する塗膜形成装置であって、 前記スロットの開口部の近傍で、かつ前記塗布ヘッドの
    相対移動方向の上流側において前記スロットの長さと略
    同じ長さで凹状に形成される凹状形状部と、該凹状形状
    部内を負圧にする負圧発生手段と、 前記塗布対象物を、塗膜形成装置の基部に対する垂直状
    態を含む起立状態で位置決めして保持するとともに前記
    相対移動を行う移動手段と、 前記液体供給手段と前記吸引手段と前記負圧発生手段と
    前記移動手段とに接続されてなり、前記各手段を所定タ
    イミングで駆動する制御手段とを具備することを特徴と
    する塗膜形成装置。
  5. 【請求項5】 前記移動手段は、前記塗布対象物を前記
    基部に対する上下方向または左右方向に移動するように
    構成されることを特徴とする請求項4に記載の塗膜形成
    装置。
  6. 【請求項6】 前記スロットの開口部の前記塗布ヘッド
    の相対移動方向の下流側において、前記塗布面から所定
    角度で次第に離間する傾斜面を形成するとともに、前記
    傾斜面上にフッ素樹脂層を含む液体分離層を形成するこ
    とで、前記傾斜面上に残留した液体を前記吸引手段によ
    り完全に前記スロット内に引き込むことを特徴とする請
    求項4に記載の塗膜形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102921602A (zh) * 2012-11-14 2013-02-13 深圳市信宇人科技有限公司 微凹涂布机
KR20200073707A (ko) * 2018-12-14 2020-06-24 한밭대학교 산학협력단 파우치 표면처리 코팅 장치 및 그 제조 방법

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