JP4510432B2 - リング状塗布装置及びリング状塗布装置による塗布方法 - Google Patents

リング状塗布装置及びリング状塗布装置による塗布方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファックス等の画像形成装置の機能部品として使用される、現像ローラ、搬送ローラ、転写ローラなどの円柱状部材、あるいは感光ドラム、中間転写ベルト、転写搬送ベルトなどの円筒状部材の外周表面上に、塗布液を均一に塗布するリング状塗布装置及び塗布方法に関するものである。
従来から、感光ドラム等の円筒状部材の外周面に、塗布液を膜状に塗布する塗布方法としては、スプレーガンより塗布液を霧状に噴霧して塗布するスプレー塗布法や、円筒状部材の軸方向にブレードもしくはロールを配置し、円筒状部材を回転させながら塗布を行い、円筒状基材を1回転させた後ブレードもしくはロールを後退させるブレード塗布法もしくはロール塗布法や、塗布液で満たした液槽に円筒状部材を浸漬して速度調整しながら引き上げて塗布を行う浸漬塗布法などが広く知られている。
スプレー塗布法は、生産数量の大小に関わらずフレキシブルに対応可能な生産システムを構築することができる。しかしながら、スプレーガンより噴出した塗布液滴の溶媒のいくらかは、円筒状部材の外周面上に到達するまでに蒸発するため、溶媒の固形分濃度は上昇してしまう。そのため、塗布液滴が円筒状部材の外周面に付着する時には乾燥固体化してしまい、液滴が外周面上で充分に広がらず、平滑性の良い塗布膜を形成する事は困難である。また円筒状部材への液滴の到達率が数3%〜30%程度であり,塗布液の使用効率が非常に低く、生産性が悪いと言う課題もある。
ブレード塗布法およびロール塗布法は、ブレードもしくはロールを後退させる際、塗布液の粘性により塗布膜厚の一部に他の部分より厚い部分が生じ、均一な塗膜が得られない欠点がある。また、この不均一な状態が、局所的に発生する場合、特に電子写真感光体ドラムなどにおいては、局所的に濃淡差として画像に表れる直接的な原因となってしまうと言う課題がある。
浸漬塗布法では、液槽に満たされた塗布液の粘度、表面張力、密度、温度及び、円筒部材の液槽からの引き抜き速度等を精密に管理する事により、塗布膜表面の平滑性及び均一性を良好に保つ事ができる。しかしながら溶液の、粘度、表面張力、密度、温度等を常に同じ状態になるように管理する事は非常に困難である。また引き抜き速度は高速にすると形成される塗布膜の膜厚変動が大きくなり所望の膜厚精度を達成することが非常に難しくなり、引き抜き速度はある一定の速度以下に設定せざるを得ないため、生産性をあげる事ができない。また塗布液槽は常にある一定量以上の塗布液を均一状態で満たしておく事が必要であることから、循環系による塗料安定化が必須である。同時に多くの機能性塗布液はある一定期間で劣化することから、定期的に廃棄・交換する必要がある。そのため塗布液の使用効率が低くなると同時に、付帯設備を含め大型で非常にコスト高な生産システムとなってしまうという課題もある。
このような課題を解決するため、円筒状部材の表面に沿うように環状のノズルから塗布液を吐出させ、ノズルと基材を相対移動させることにより塗布するリング塗布方法が考えられている。
特公平07−052296(特許文献1)や特開平08−323264(特許文献2)には、真直状態に支持された円筒状部材の全周にわたって塗布液を吐出する開口部を有するリング状塗布部材を設け、塗布液を吐出しながら円筒状部材をリング状塗布部材に対して相対的に鉛直上方に移動させることにより、円筒体の外周面に塗布液を塗布する方法が記載されている。このリング塗布方法は、塗布ヘッドから塗布液が塗布される直前まで、塗布液は経大気中に開放されていないため、塗布液の粘度、表面張力、密度、温度を精密に管理する事が容易であり、塗布膜表面の平滑性及び均一性を良好に保つ事ができる。また、塗布液の供給量を調整することで塗布速度を上げる事が可能であり、浸漬塗布法に比べて非常に生産性が良い。また塗布液のほとんどは、実際に塗布される塗布膜に使用されるため、塗布液の使用効率が非常に高い。
更に、特開平08−323264(特許文献2)では、前記円筒状部材を長手方向に結合し、塗布体を連続体とみなす状態にして連続塗布を行うことにより、塗布開始時・停止時の不連続状態を避けることで塗布状態を安定化する塗布方法が提案されている。
特公平07−052296 特開平08−323264
近年リング塗布法は、現像ローラ、搬送ローラ、転写ローラ等の円柱状部材や、転写ベルト、搬送ベルト等の円筒状部材をワークとした場合に、その外表面への塗布膜の形成に使用されるようになっている。現像ローラ、搬送ローラ、転写ローラ、転写ベルト、搬送ベルトの表面には複数の膜が層状に形成されるため、更に厳密な平滑性及び均一性を有する膜の形成が要求されている。平滑性及び均一性が更に良好な塗布膜をリング塗布法により形成するためには、塗布スリットと塗布基材との間に形成される塗布液ビードの安定化が必要である。そのためには、特公平07−052296に示したリング塗布装置における円筒状部材とリング状塗布ヘッドの接液部の間隔を可能な限り微小で、かつ常に一定の間隔とする事が好ましい。
しかしながら、円筒状部材とリング状塗布ヘッドとの間には、加工精度の公差や、組み立て公差に対して円筒部材とリング状塗布ヘッドが接触しないようにするためには、必ずある一定の間隔(接液部ギャップ)が必要である。そのため、円筒状部材とリング状塗布ヘッドとの間が偏芯していると、円筒状部材の周方向に膜厚差が生じたり、塗布液に対して周方向に不均一なせん断力が加わることにより、微細な泡や縦スジムラを生じ、塗布面全域において均一で高精度な塗膜を得ることが難しい。
又、現像ローラ、搬送ローラ、転写ローラ等の円柱状部材や、転写ベルト、搬送ベルト等の円筒状部材の中では、該円筒面の両端もしくは片端に非塗布領域を持つものも少なくない。そのため前述の特開平08−323264(特許文献2)に示したリング塗布方法においては、塗膜が形成された円筒面の両端もしくは片端の非塗布領域の塗膜を剥がす工程が必要となる。更に塗膜を反応固化後に非塗布領域の塗膜を剥がす場合には、溶剤中に剥離部位を浸漬させた状態で機械的な剥離動作を行う駆動機構を設けなければならないという問題がある。
又、前記リング塗布法においては、円筒状部材とリング状塗布ヘッドとの間は接触せず微小な間隔を生じる。一般的にリング塗布法では、前記微小間隔を橋渡しする形でビードが形成され、ビード形状は、塗料の表面張力、接触部材の表面張力、塗料と接触部材との界面張力との相間により求められる付着のエネルギーと、塗布状態中におけるビードにかかるせん断力により決定される。重力により容易に流動する物性を持つ塗料をリング塗布法により塗布する場合には、ビードに対する重力の影響を均一にするために前記円筒状部材及び前記リング塗布ヘッドの塗布方向は鉛直方向にしなければならない。
ここで、塗布開始位置から全周均一に塗膜を形成したい場合には、リング塗布ヘッドと円筒部材とを静止した状態でビードを形成し、全周に安定してビードを形成したのちに塗布を開始しなければならない。しかしながら、使用する塗料の粘性が低くなるほど、又、使用する塗料に対する非塗布表面及びリング塗布ヘッドのビード形成部との親和性(濡れ性)が低くなるほど、ビードの自重による流動の影響でビード形状を所望の大きさに保つことが難しく、ビードを形成する前に液漏れ等が発生してしまう。
この問題に対し、円筒部材を連続体として連続状態で塗布を開始する方法が挙げられる。ビードを形成する前から塗布部材とリング塗布ヘッドを相対的に動作させた状態において吐出を開始することにより、非塗布部材によりビードを鉛直上方に引き上げる力が働くことで、液自重によるビード破壊・液漏れを防ぐことが可能となる。但し、全周均一にビードが形成され安定するまでの区間は、リング状塗布ヘッドのビード形成部において全周に均一なビードが形成されない状態である。従って、周方向において塗膜が途切れていたり、膜厚が均一でない、不完全塗膜領域が存在することになり製品として使用できない。同時に、連続体前提であることから塗膜形成後に個々の部品を分離する工程が必要になる。また製品の仕様上個々の部品に断続的な塗布領域が必要となる場合には塗膜形成後に非塗布部位の塗膜を剥離する作業が必要となる。
本発明はこうした課題に対し、円筒状部材とリング状塗布ヘッドとの間が偏芯している場合でも、平滑性及び均一性が良好な塗布膜を形成するためのリング状塗布ヘッドの吐出口形状を提供するとともに、個々の部品に対して必要な個所にのみ塗膜を形成するための塗布方法及び塗布装置、並びに低粘度で流動性の高い塗料に対しても安定的な塗布を実現するための塗布方法及び塗布装置を実現するリング塗布装置及び塗布方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、真直状態に支持された円筒状部材もしくは円柱状部材であるワークの周囲に、該ワークの軸と同軸に配置され、該ワークと該軸方向に相対的に移動しながら、吐出口からワークの外周面に塗布液を吐出して塗布膜を形成するリング状塗布装置において、
該リング状塗布装置の吐出口は、移動方向の後方に配置されたリアリップと、前方に配置されたフロントリップとにより形成されており、前記リアリップとフロントリップは、お互いが対向して、かつ前記フロントリップ及び前記リアリップが前記塗布液と接触しつつビードを形成するように配置され、前記リアリップと前記ワークとの間隔は、前記フロントリップと前記ワークとの間隔よりも大きく形成されている事を特徴とするリング状塗布装置を提供している。
また更に本発明は、真直状態に支持された円筒状部材もしくは円柱状部材であるワークの周囲に、該ワークの軸と同軸に配置され、ワークの外周面に塗布液を吐出して塗布膜を形成するリング状塗布装置による塗布方法において、
前記塗布液を吐出する吐出口は、移動方向の後方に配置されたリアリップと、前方に配置されたフロントリップとにより形成されており、前記リアリップとフロントリップは、お互いが対向して、かつ前記フロントリップ及び前記リアリップが前記塗布液と接触しつつビードを形成するように配置され、前記リアリップと前記ワークとの間隔は、前記フロントリップと前記ワークとの間隔よりも大きく形成されており、
前記吐出口から塗布液を前記ワークの外周面に吐出し、前記吐出口と該円筒ワークとの間にビードを形成した後、前記吐出口と前記ワークとを前記軸方向に相対的に移動させることで塗布膜を形成する事を特徴とするリング状塗布装置による塗布方法を提供している。
また更に、本発明では、垂直状態に配置された円筒状ワークに対してリング状塗布装置を用い、吐出口から塗布液を該ワークの外周面に吐出し、一旦該リング状塗布装置と円筒ワークとの間にビードを形成する際に、リング状塗布装置から塗布液を吐出する前からビード形成に至る過程において、リング状塗布装置と該円筒ワークとを相対的に円周方向に回転する塗布方法を提供している。
また更に本発明では、垂直状態に配置された該円筒状ワークに対して該リング状塗布装置を用いて塗布成膜する塗布装置において、前記リング状塗布装置前記吐出口前記ワークの円筒表面との間に形成される前記塗布液ビードに対して、ビード下面側に作用する圧力に対しビード上面側に作用する圧力を大きくする塗布方法を提供している。
リアリップ先端の円筒状部材と平行な部分の軸中心からの直径D1が該リアリップ先端の円筒状部材と平行な部分の軸中心からの直径D2に対し、同一径を超えて大きい(D1>D2)ことにより、接液部液塊形成時のダレや高速塗布時に液塊に作用するせん断力による液塊切れを防ぎつつ、円筒部材とリング状塗布ヘッド接液部との間隔の誤差変動を緩和して膜厚の周方向均一性を保つことができる。
さらに、垂直状態に配置された円筒状ワークに対してリング状塗布ヘッドを用い、吐出口から塗布液を該ワークの外周面に吐出し、一旦該リング状塗布ヘッドと円筒ワークとの間にビードを形成する際に、リング状塗布ヘッドから塗布液を吐出する前からビード形成に至る過程において、リング状塗布ヘッドと該円筒ワークとを相対的に円周方向に回転することによって、周方向に均一なビードを安定して早く形成することができる。
さらに垂直状態に配置された該円筒状ワークに対して該リング状塗布ヘッドを用いて塗布成膜する場合に、該リング状塗布ヘッドの該リップ部と該ワークの円筒表面との間に形成される該塗布液ビードに対して、ビード下面側に作用する大気圧に対しビード上面側に作用する大気圧を大きくすることにより液の自重によるビード破壊・液垂れを防ぎ、所望の塗布速度で安定した塗布を行うことができる。
以下に、本発明における発明の実施の形態を、図面を参照して順に説明する。
図1は本発明の実施例1を示すリング状塗布装置の斜視図である。図中1はワークである円筒状部材である。2は円筒状部材1の外側表面に塗布液を塗布するリング状塗布ヘッドである。リング状塗布ヘッド2には液供給手段(本図には図示せず)より塗料を供給する液供給チューブ15が接続されている。
3はリング状塗布ヘッド2により円筒状部材1の外側表面に塗布された塗布膜である。4はリング状塗布ヘッド2を円筒状部材1と同軸調芯された状態で支持している昇降ステージで、直動ガイド5を介して支持部9に取り付けられている。昇降ステージ4はモータ6を駆動する事によりボールネジ7を回転させ、直動ガイドに添って上下方向に任意の速度で昇降する。8は円筒状部材1を保持する保持部であり、円筒状部材1の両端を固定して保持している。尚、リング状塗布ヘッド2と円筒状部材1は相対移動する構成であれば良く、円筒状部材及び、円筒状部材とリング状塗布ヘッドの両方が可動する機構であってもよい。尚本実施の形態では、リング状塗布ヘッド2を上から下に移動させる事で、塗布膜3を円筒状部材1の上から下に向かって塗布するものとする。該円筒状部材は、塗布前に装置外の供給手段(図示せず)により塗布装置に供給・セットされ、塗布終了後に、装置外の排出手段(図示せず)により装置外の次工程(図示せず)に搬送されることで、個々の部品に対して塗膜形成領域のみに断続的に塗布膜を形成する。
図2は図1に示したリング状塗布装置に塗布液を供給する塗布液供給手段である。10は、例えばフェノール樹脂等の高分子材料の溶剤溶融液からなる塗布液などであり、ガラス若しくは耐溶剤樹脂製の容器11に満たされている。容器11は電磁スターラー12上に載置されており、電磁スターラー12により磁石攪拌子16が所定の回転数で回転し、容器11内の塗布液10が常に攪拌され均一な状態となっている。13は容器11内の塗布液10を、図1に示したリング状塗布装置に任意の流速及び流量で供給する定量ポンプである。塗布液10は液吸入チューブ14を介して容器11から定量ポンプ13に供給され、液供給チューブ15を介して定量ポンプ13からにリング状塗布ヘッド2に供給される。塗布液10は、液残量がある程度以下の分量になり空気などが吸入され供給されないよう製作され、また塗布液の安定性を保持した状態で不図示の貯蔵庫に保存されており、生産量に応じて定期的に容器11に供給される。また定量ポンプ13としては、リング状塗布ヘッドの塗布動作と同期して定量的に塗布液を吐出できること、塗布開始位置における静止状態での全周均一ビード形成に必要なビードサイズを所望の時間で形成できること、塗布終了位置において不連続領域無く安定的に塗膜を切ることができるよう塗布動作と同期して精密なサックバックが可能なこと、等の断続塗布に必要な条件を満たすために、精密シリンジ式の体積定量型ポンプが使用されることが好ましい。
図3は図1に示したリング状塗布装置の、円筒状部材1とリング状塗布ヘッド2及び塗布膜3の詳細を示した斜視図である。尚、図3において説明を容易にするために、リング状塗布ヘッド2は一部断面図となっている。また、図3において図1と同じ部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図中21はリング状塗布ヘッド2の内部に円周状に形成された第1の液分配室であり、定量ポンプ13から液供給チューブ15を介して供給された塗布液を、リング状塗布ヘッド2の全周に供給する。22は第2の液分配室であり、第1の液分配室23と同様にリング状塗布ヘッド2の内部に円周状に形成されている。第1の液分配室21と第2の液分配室22の間には、液絞り流路23が形成されている。液絞り流路23もリング状塗布ヘッド2の内部に円周状に形成されているが、その幅は第1の液分配室21及び第2の液分配室22に比べてかなり狭くなっている。24は塗布液10をリング状塗布ヘッド2の外部に塗布する吐出口である。吐出口24も液絞り流路23と同様に、その幅が第1の液分配室21及び第2の液分配室22に比べてかなり狭くなっている。液絞り流路23と吐出口24は、その幅を狭くする事で絞りとして機能しており、塗布液の吐出量を安定化させている。30は塗布液10によりリング状塗布ヘッド2の吐出口24に形成されるビードである。塗布液10は吐出口24から吐出した後一端ビード30となり、その後リング状塗布ヘッド2の移動により塗布膜3となる。
図4は図3において点線丸部Aで示した、リング状塗布ヘッド2の吐出口24の近傍を拡大して示した断面図である。ただし図4において塗布膜3は省略されている。図中25はリング状塗布ヘッド2の進行方向(下方向)後方のリアリップであり、図中26は進行方向前方のフロントリップである。リアリップ25の円筒状部材1の軸中心からの直径はφD1であり、フロントリップ26の円筒状部材1の軸中心からの直径はφD2である。D1はD2よりも大きくなっている。またリアリップ25の先端の円筒状部材1と平行な部分の長さをL、フロントリップ26の先端の円筒状部材1と平行な部分の長さをMとし、リアリップ25とフロントリップ26とにより形成されるスリットの間隔をSとする。また、円筒状部材の外径はφD0とする。
リアリップ先端の円筒状部材と平行な部分の軸中心からの直径D1がリアリップ先端の円筒状部材と平行な部分の軸中心からの直径D2よりも大きい(D1>D2)ことにより、接液部液塊形成時のダレや高速塗布時に液塊に作用するせん断力による液塊切れを防ぎつつ、円筒部材とリング状塗布ヘッド接液部との間隔の誤差変動を緩和して膜厚の周方向均一性を保つことができる。
尚、リアリップとワークとの間隔は0.1mm以上5mm以下の範囲が好ましい。0.1mmよりも小さいと、ワークの表面形状等の影響により均一な膜厚の、塗布膜を形成することができない。また、5mmよりも大きいと、安定したビードを形成することが困難であり、安定して塗布膜を形成する事ができない。また、フロントリップとワークとの間隔は0.1mm以上1mm以下の範囲が好ましい。0.1mmよりも小さいと、ワークの表面形状等の影響により均一な膜厚の、塗布膜を形成することができない。また、1mmよりも大きいと、液だれ等が発生し、安定したビードを形成することが困難である。また、リアリップとフロントリップとの間隔は0.01mm以上5mm以下の範囲が好ましい。0.01mmよりも小さいと、塗布液をスムーズの吐出口に供給する事が困難である。また、5mmよりも大きいと、塗布液の供給液の制御が困難であり、安定したビードを形成することができない。また、フロントリップの先端もしくはリアリップの先端の少なくとも一方には、ワークの表面と平行となる部分が形成されている。その長さは0.1mm以上10mm以下の範囲であることが好ましい。0.1mmよりも小さいと、形成されるビードの大きさが小さくなってしまい、安定して塗布膜を形成する事ができない。また、10mmよりも大きいと、形成されるビードの容量が増えるため、安定したビードを形成する事が困難となり、安定して塗布膜を形成する事ができない。
図5は本発明の実施例2を示すリング状塗布装置の斜視図である。実施例2は、図3に示したリング状塗布装置におけるビード30を、下面から正圧により保持する形態である。図6は図5におけるリング状塗布装置の吐出部及び正圧保持機構を拡大して示した断面図である。尚、図5、図6において説明を容易にするために、図3と同様に、リング状塗布ヘッド2は一部断面図となっている。説明の簡略化の為に、図1及び図3と同じ部位の説明は省略する。図中42はビード30の自重による力を保持する形でビードに正圧を作用させるための正圧空間である。圧縮空気発生装置(図示せず)より定圧制御レギュレータ(図示せず)、流量制御弁(図示せず)を介してリング状塗布ヘッド2内の正圧補圧機構に圧縮空気を供給する圧縮エアー供給チューブ40より圧縮エアー供給口41より流入する圧縮エアーの流入量と、リーク部43より流出するエアーの流出量との差分により正圧空間42の圧力が調整される。
ここで、正圧空間42の圧力をP2とし、大気圧をP1とするとき、P2−P1で表される差分圧力(△P)はビード自重を支える力であることから、該塗布液の水に対する比重をα、該ビードの重力方向の幅をh[m]、重力加速度をg[m/s2]とするとき、理論的な△Pは△P=α・h・gと計算される。
実際には、塗料の流動性や表面張力、付着付近の濡れ性等の差や変動を考慮して、式(1)を満たす範囲内でP2を適当に設定することにより、液漏れが発生せず、かつ圧力差によりビードを破壊しない。
P2−P1=△P=α・h・g・β(0.8<β<10) (1)
図7は本発明の実施例3を示すリング状塗布装置の斜視図である。実施例3は、図3に示したリング状塗布装置におけるビード30を、上面から負圧により保持する形態である。図8は図7におけるリング状塗布装置の吐出部及び正圧保持機構を拡大して示した断面図である。尚、図7、図8において説明を容易にするために、図3と同様に、リング状塗布ヘッド2は一部断面図となっている。説明の簡略化の為に、図1及び図3と同じ部位の説明は省略する。実施例3におけるリング状塗布装置は、リング状塗布ヘッド2において形成されているビード30の上面31の圧力が、ビード30の下面32における大気圧と比較して負圧になるように、減圧発生機構(図示せず)よりリング状塗布ヘッド2内の負圧補圧機構内の空気を吸引するエアー吸引チューブ50により、エアー吸引口51から負圧空間52内の空気を吸引している。それとともに、リーク部53から大気をリーク流入させることで負圧空間52を一定負圧に保つことで、ビード下面32に対して鉛直上方の保持圧力を与えるための負圧保持機構を構成している。
次に、実施例1〜3に示したリング塗布装置による円筒状部材1の外表面への塗布膜形成方法を、図9に示した動作フローを参照して説明する。
まずS1において、リング状塗布ヘッド2が待機位置である下端の保持部8の周辺に待機した状態で、円筒状部材1を搬送手段(図示せず)により保持部8により固定して保持する。次にS2において、リング状塗布ヘッド2が上昇し上端の保持部8の周辺塗布の開始位置に停止する。次に実施例2、3においては、正圧保持手段或いは負圧保持手段などの補圧手段によるビード保持を行う。S6−1において補圧必要と判断し、S6−2の補圧始動遅延タイマの設定時間経過後にS6−3において補圧手段を始動する。また、塗料吐出のタイミングに対してS6−2の補圧遅延タイマは適意設定され、ビードが全周に形成される前に補圧機構が働くことでビード形成を妨げることの無いようにする。尚、実施例1においてはS6−1からS6−3の工程は行わない。
次にS3において、定量ポンプ13により、リング状塗布ヘッド2の吐出口24から所定の量の塗布液10を吐出し、円筒状部材1と接液する事で、リング状塗布ヘッド2のリアリップ25、フロントリップ26と、円筒状部材1とにより形成される位置にビード30を形成する。低粘度で流動性が高い塗料の場合には、吐出速度が速すぎると塗料の慣性流動の影響により形成される塗膜にムラを生じたり、ビード形成が流動により不安定になり液漏れを生じやすくなるため、定量ポンプ13によるビード形成速度は精密に制御される必要がある。一般的にビード形成時における塗料の吐出は、突発的な吐出の高まりを生じずに、定体積でより遅く供給する方がビードの安定性に寄与するが、塗料の流動性や塗料及び塗料内分散物の慣性重量に応じて、塗膜品質に影響を及ぼさない範囲で可能な限り高速に設定するのが生産上好ましい。
次にS4−1においてリング状塗布ヘッド2の下降が開始する同時に、S5−1において吐出口24から塗布液10が連続的に吐出される。円筒状部材1の外周面の塗布領域への塗布膜形成は、リング状塗布ヘッド2の下降と塗布液10の吐出が同期して行なわれる。リング状塗布ヘッド2の下降は、S4−2においてリング状塗布ヘッドが円筒状部材1の外周面の塗布領域の下端まで到達したかどうを判断し、到達した場合はS4−3においてリング状塗布ヘッド2の下降を停止する。またそれと並行して吐出口24から塗布液10の吐出は、S5−2において指定量の吐出が完了しかどうかを判断し、完了した場合はS5−3において定量ポンプ13の動作を停止し、吐出口24から塗布液10の吐出を停止する。吐出口24から塗布液10の吐出が停止した際、リング状塗布ヘッド2と円筒状部材1との間には、円筒状部材1の全周に亙ってビード30分の塗布液が残存している。この残存した塗布液を、S7−2において定量ポンプ13で液の吸引(サックバック)を開始する。
またそれと平行して、S7−1における所定のタイマ時間が経過したのちにS7−2において、リング状塗布ヘッド2を下降させる。この際のS7−1のタイマ開始は、S7−2のサックバックのタイミングと同期しており、サックバック量が所定の量に達した際に、吐出口24のフロントリップ26に残存する塗料の吸引、及びビード破壊による塗膜面の液切りを高精度に達成するために適切な時間を設定する必要がある。また、S7−3のリング状塗布ヘッド2の下降速度は装置設定上可能な限り早い方が、残液に対するせん断速度が大きくなり液切りが容易となるので好ましい。この下降動作によりリング状塗布ヘッド2は、円筒状部材1が脱着できる円筒状部材1の保持部8の位置に移動する。
ここで塗布液の供給速度と、塗布膜3の膜厚と、リング状塗布ヘッド2の下降速度の関係を式で示す。φDwは塗布膜3の塗布時の円筒状部材の軸中心からの直径であり、twは塗布膜3の塗布時の膜厚、tdは塗布膜3の乾燥時の膜厚である。qは塗布液10の供給量であり、vはリング状塗布ヘッドの移動速度である。リング状塗布ヘッドの移動速度(v)における、単位時間あたりの塗布液の供給量(q’)と、Wetコート体積は等しいことから、式(2)が成り立つ。
Figure 0004510432
式(2)は
Figure 0004510432
より式(3)に書き換えることができる。
Figure 0004510432
td=α・tw q’=1000qより、式(3)を変形して乾燥時の膜厚td、リング状塗布ヘッドの移動速度v、塗布液の供給量qの関係式を求めると式(4)となる。成膜時膜厚(ドライ膜厚)をtdとするとき、コート速度v及び液流入速度qの同期関係式は下式を満たす。尚、π:円周率、α:固形分(成膜)比である。
Figure 0004510432
次にS8−1において塗布を終えた円筒状部材1は、保持部8が解除され次工程に搬送される。円筒状部材1が保持部8から外されると直ちに、新たな円筒状部材1が保持部8にセットされる。
またS8−1において円筒状部材1の脱着が行われている間に、S8−2においてリング状塗布ヘッド2の吐出口24は、クリーニング機構(図示せず)により洗浄され回復される。
また実施例2、3の場合は、S6−4において塗布が完了したかどうかを確認し、完了した場合はS6−5において補圧手段を停止する。
尚、リング状塗布ヘッド2と円筒状部材1の外周面との間の間隔(接液部ギャップ)は、円筒状部材1及びリング状塗布ヘッド2の加工精度の公差や組み立て公差などにより、所定の公差範囲内で変動する。本発明者に鋭意検討の結果、塗布液10の吐出口24の形状を図4に示すようにD1>D2とすることにより、リング状塗布ヘッド2と円筒状部材1の外周面との間の間隔が公差範囲内において変動しても、円筒状部材1の周方向に膜厚差が生じたり、微細な泡や縦スジムラが生じる事なく、均一で高精度な塗膜膜を形成可能である事を見出したものである。
次に、リアリップ25の円筒状部材1の軸中心からの直径はφD1を、フロントリップ26の円筒状部材1の軸中心からの直径はφD2よりも大きくする事による効果を確認した実験を行った。
(実験例1)
実施例1に示すリング状塗布装置により、円筒状部材に塗布を行った。円筒状部材1は、直径φDo=29.8mm、長さ320mmのものを使用した。リング状塗布ヘッド2のリアリップ25の円筒状部材1の軸中心からの直径はφD1=31mm、フロントリップ26の円筒状部材1の軸中心からの直径はφD2=30mm、リアリップ25の先端の円筒状部材1と平行な部分の長さはL=0.2mm、フロントリップ26の先端の円筒状部材1と平行な部分の長さはM=0.2mm、リアリップ25とフロントリップ26との間隔はS=0.5mmとした。従ってリアリップ25における接液部ギャップは(D1−Do)/2=0.6mmであり、フロントリップ26における接液部ギャップは(D2−Do)/2=0.1mmである。
実験は、円筒状部材1の上端を垂直軸中心に対して0.08mm移動させることで円筒状部材を傾斜させ把持した状態で、リング状塗布ヘッド2により円筒状部材1の外周面への塗布を行なった。この際、該円筒状塗布部材表面の中心軸位置と、該リング状塗布ヘッドのリップ部との間に構成される非接触空間は、該円筒状塗布部材の上端の塗布開始位置においては該リング状塗布ヘッドのリップ部と、該円筒状部材表面との偏芯量が約0.08mm、同じく円筒状塗布部材の下端の塗布終了位置においては該リング状塗布ヘッドのリップ部と、該円筒状部材表面との偏芯量が約0mmとなることから、該円筒状塗布部材上端より下端にかけて塗布膜を形成する過程において、該非接触空間の偏芯量が0.08mmから0mmに連続的に変化することで該リング状塗布ヘッド動作軸と該円筒状部材の円筒中心軸との間に意図的な変動を与えていることになる。
そして塗布後の円筒状部材1が完全に固化する状態まで加熱乾燥した。この円筒状部材1の外表面の膜厚を、円筒状部材1の上端から50mmの位置(測定1)、250mmの位置(測定2)において、円筒状部材1の全周において複数箇所で膜厚測定を行った。その測定結果を図10に示す。図10において、横軸は円筒状部材1の周方向の測定位置を示す位相であり、縦軸はその時の塗布膜3の膜厚である。
(比較例1)
該リング状塗布ヘッドと該円筒状部材との塗布中のクリアランス変動に対する本発明のリアリップ25とフロントリップ26の差による効果について、比較のためリアリップ25の円筒状部材1の軸中心からの直径はφD1=30mmであり、リアリップ25における接液部ギャップが(D1−D0)/2=0.1mmであるリング状塗布ヘッド2を使用して同様の実験を行った。尚比較例1においてリアリップ25以外の寸法は、すべて実験例1と同じである。その測定結果を図11に示す。
図10では、円筒状部材1の全周において、ほぼ均一な膜厚となっているのに比べ、図11では、膜厚が大きく変動し均一な膜となっていないことが分かる。つまり、本実施の形態である、リアリップ25の円筒状部材1の軸中心からの直径はφD1を、フロントリップ26の円筒状部材1の軸中心からの直径はφD2よりも大きくすることにより、円筒状部材1の偏芯による傾きに影響されずに、周方向で均一な塗布膜が形成可能である。
(実験例2)
実施例1に示すリング状塗布装置により、円筒状部材に塗布を行った。円筒状部材1は、直径φDo=29.8mm、長さ320mmのものを使用した。リング状塗布ヘッド2のリアリップ25の円筒状部材1の軸中心からの直径はφD1=31mm、フロントリップ26の円筒状部材1の軸中心からの直径はφD2=30mm、リアリップ25の先端の円筒状部材1と平行な部分の長さはL=0.2mm、フロントリップ26の先端の円筒状部材1と平行な部分の長さはM=0.2mm、リアリップ25とフロントリップ26との間隔はS=0.5mmとした。従ってリアリップ25における接液部ギャップは(D1−D0)/2=0.6mmであり、フロントリップ26における接液部ギャップは(D2−D0)/2=0.1mmである。
本実験では、塗布速度v=5、10の双方において、前述の式(3)を用いて乾燥成膜後の膜厚15、20、25[μm]に対する塗布液の吐出速度を理論的に計算して塗布実験を行い、塗布後の塗膜を乾燥して後に膜厚測定を行った。
図12は理論塗布膜厚と実測膜厚を比較したグラフである。図12に示すように、塗布速度差によらず理論塗布膜厚と実測膜厚は一致しており、近似直線もy=xに非常に近い値を示していることから、本発明において塗布膜厚制御が可能であることが分かる。
(実験例3)
実施例2に示すリング状塗布装置により、正圧保持機構を用いたビード安定化の実験結果を行った。円筒状部材1は、直径φD0=29.8mm、長さ320mmのものを使用した。リング状塗布ヘッド2のリアリップ25の円筒状部材1の軸中心からの直径はφD1=31mm、フロントリップ26の円筒状部材1の軸中心からの直径はφD2=30mm、リアリップ25の先端の円筒状部材1と平行な部分の長さはL=5mm、フロントリップ26の先端の円筒状部材1と平行な部分の長さはM=0.5mm、リアリップ25とフロントリップ26との間隔はS=0.5mmとした。従ってリアリップ25における接液部ギャップは(D1−D0)/2=0.6mmであり、フロントリップ26における接液部ギャップは(D2−D0)/2=0.1mmである。吐出口24の開口幅0.5mmとして、吐出口24をはさんだリアリップ25とフロントリップ26を合わせた高さが約6mmであることから、形成されるビードサイズの重力方向の高さは約6mmである。使用した塗料は塗料I(樹脂溶解系塗料(粘度6mPa・s))と塗料II(顔料分散系塗料(粘度2mPa・s))である。
形成されるビードの高さは約6mmであり、理論上の必要保持圧は約0.06KPaである。実施例においては、図6中リーク部43のリーククリアランス44の重力方向に平行な幅を10mm、円筒状部材1の表面とリーク部43が成す全周間隔を0.2mmとした上で、式(1)のβ=1.7として、ビード下面の正圧空間42と大気圧との差圧△P=0.1KPaとなるように圧縮空気の流入元圧力を調整した。
前記条件のもとで、正圧保持機構を用いてリング状塗布ヘッドと円筒状部材表面との間に塗布液ビードを形成した場合のビード保持時間は塗料Iは60〜80秒、塗料IIは120秒以上となり、ビード保持時間が延びていることが確認された。尚塗布中の動的な状態においても、正圧保持機構を用いたリング状塗布ヘッドにより行われた塗布においても、前記の正圧により保持することでビード破壊や液垂れを発生しないことが確認された。
本発明によるリング状塗布ヘッド円筒部材塗布装置の斜視図 本発明によるリング状塗布ヘッド円筒部材円筒部材塗布装置の塗布液供給手段 本発明によるリング塗布詳細図 本発明によるリング状塗布ヘッド吐出口近傍の詳細拡大断面図 本発明による正圧保持リング塗布詳細図 本発明による正圧保持リング状塗布ヘッド吐出口付近の概念断面図 本発明による負圧保持リング塗布詳細図 本発明による負圧保持リング状塗布ヘッド吐出口付近の概念断面図 本発明によるリング状塗布ヘッドによる円筒部材塗布動作フロー図 実験例1によるリング状塗布ヘッドの塗布実験結果を示すグラフ 比較例1によるリング状塗布ヘッドの塗布実験結果を示すグラフ 実験例2によるリング状塗布ヘッドの塗布実験結果を示すグラフ
符号の説明
1 円筒状部材
2 リング状塗布ヘッド
3 塗布膜
4 昇降ステージ
5 直動ガイド
6 モータ
7 ボールネジ
8 保持部
9 支持部
10 塗布液
11 容器
12 電磁スターラー
13 定量ポンプ
14、15 液吸入チューブ
16 磁石攪拌子
21 第1の液分配室
22 第2の液分配室
23 液絞り流路
24 吐出口
25 リアリップ
26 フロントリップ
30 ビード
31 ビード上面
32 ビード下面
40 圧縮エアー供給チューブ
41 圧縮エアー供給口
42 正圧空間
43 リーク部
44 リーククリアランス
50 エアー吸引チューブ
51 エアー吸引口
52 負圧空間
53 リーク部
54 リーククリアランス

Claims (6)

  1. 真直状態に支持された円筒状部材もしくは円柱状部材であるワークの周囲に、該ワークの軸と同軸に配置され、該ワークと該軸方向に相対的に移動しながら、吐出口からワークの外周面に塗布液を吐出して塗布膜を形成するリング状塗布装置において、
    該リング状塗布装置の吐出口は、移動方向の後方に配置されたリアリップと、前方に配置されたフロントリップとにより形成されており、前記リアリップとフロントリップは、お互いが対向して、かつ前記フロントリップ及び前記リアリップが前記塗布液と接触しつつビードを形成するように配置され、前記リアリップと前記ワークとの間隔は、前記フロントリップと前記ワークとの間隔よりも大きく形成されている事を特徴とするリング状塗布装置。
  2. 前記リアリップと前記ワークとの間隔は0.1mm以上5mm以下の範囲であり、前記フロントリップと前記ワークとの間隔は0.1mm以上1mm以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のリング状塗布装置。
  3. 前記リアリップと前記フロントリップとの間隔は0.01mm以上5mm以下の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のリング状塗布装置。
  4. 前記フロントリップの先端と前記リアリップの先端の少なくとも一方には、前記ワークの表面と平行となる部分を有しており、その長さは0.1mm以上10mm以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリング状塗布装置。
  5. 真直状態に支持された円筒状部材もしくは円柱状部材であるワークの周囲に、該ワークの軸と同軸に配置され、ワークの外周面に塗布液を吐出して塗布膜を形成するリング状塗布装置による塗布方法において、
    前記塗布液を吐出する吐出口は、移動方向の後方に配置されたリアリップと、前方に配置されたフロントリップとにより形成されており、前記リアリップとフロントリップは、お互いが対向して、かつ前記フロントリップ及び前記リアリップが前記塗布液と接触しつつビードを形成するように配置され、前記リアリップと前記ワークとの間隔は、前記フロントリップと前記ワークとの間隔よりも大きく形成されており、
    前記吐出口から塗布液を前記ワークの外周面に吐出し、前記吐出口と該円筒ワークとの間にビードを形成した後、前記吐出口と前記ワークとを前記軸方向に相対的に移動させることで塗布膜を形成する事を特徴とするリング状塗布装置による塗布方法。
  6. 前記吐出口から塗布液を前記ワークの外周面に吐出し、前記吐出口と前記円筒ワークとの間に一旦ビードを形成する際に、前記リング状塗布ヘッドから塗布液を吐出する前からビード形成に至る過程において、前記リング状塗布ヘッドと前記円筒ワークとが相対的に円周方向に回転していることを特徴とする請求項5記載のリング状塗布装置による塗布方法。
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