JP4072997B2 - 円筒体表面への塗工方法 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ等のOA機器において定着、加圧、帯電、転写、現像等に使用される円筒体形状のローラの製造方法に係わり、ローラの表面に塗布液を直接かつ良好で均一に塗工する方法に関する。
【従来の技術】
円筒体の表面に塗布液を塗布する塗工方法としては、従来、例えばスプレー塗工法、浸漬塗工法、ロール塗工法、ブレード塗工法、ディスペンサーによる定量塗工法(特開平8−89867号公報)、垂直型リング塗工法(特開平11−226472号公報)等の種々の方法が検討されている。複写機やファクシミリ、LBP(laser beam printer)等の電子写真装置においては、定着、加圧、帯電、転写、現像等、様々なプロセスで円筒体すなわちローラが使用されており、その様々な用途に応じて円筒体の表面に所望の機能を有する膜を形成させている。特に近年では、そのような所望の機能を発現させるために、均一な薄層から数ミリ程度の厚みまでの塗膜が要求され、かつ、塗工する塗布液そのものが多様化している。それに伴って塗布液も低粘度から高粘度になるものもあり、そのため、従来の塗工方法においてはそのような塗布液の塗工範囲をカバーできなくなってきている。
例えば、前記スプレー塗工法は粘度が低い塗布液にしか使用できず、塗布液の粘度が10Pa・s以上であると、塗布液の霧化が困難になってしまう。この場合、塗布液の粘度は室温でB型粘度計によって測定した。また、前記ブレード塗工法およびロール塗工法は、例えば、塗布される円筒体の軸線方向にブレードもしくはロールを配置し、その円筒体を回転させながらブレードまたはロールによって塗布液を塗布する。円筒体を1〜数回転だけ回転させた後、ブレードまたはロールを後退させて塗布を終了する。この塗布終了時のブレードもしくはロールの後退の際、塗布液の粘性によって円筒体上の塗膜の一部に他の部分より厚い部分が発生し、特に塗布液の粘度が高い場合にはこの厚い部分がその後の塗膜のレベリングの際に回復できないほどになってしまい、均一な塗膜が得られない。
また、前記浸漬塗工法では、スプレー塗工法、ブレード塗工法およびロール塗工法等における塗膜の不均一性の問題は改良されるが、塗膜の膜厚の制御が塗布液の物性、例えば塗布液の粘度、表面張力および密度、その他温度等により支配されるため、塗布液の物性の調整が難しいうえ、塗布液が高粘度の場合には薄肉の塗工が困難である。さらに、ディスペンサーによる定量塗工法の場合にも、ノズルから吐出される塗布液が高粘度であると、塗布液は吐出時の形状を維持しようとするため、そのままでは塗膜のレベリングが困難となり、さらに円筒体の回転により塗工時の厚みむらが大きくなってしまうという欠点がある。このため、スプレー塗工法、ブレード塗工法、ロール塗工法、および浸漬塗工法においては高粘度の塗布液を溶媒により希釈し、その塗布液を、塗工に必要な粘度にまで下げた状態で塗工し、塗工後の工程で、塗布液の希釈に使用した溶媒を例えば蒸発等により除去することにより塗膜を形成するしかなかった。
これに対して、垂直型接触リング塗工法は、円形開口部を有するリング状液漏れ防止用弾性体パッキングを保持するリング状塗布部材を設け、その弾性体パッキングの開口部に円筒体を接触させて挿入し、円筒体をリング状塗布部材に対して相対的に鉛直上方に移動させることにより円筒体の外周面に塗布液を塗布する方法である。この方法においては、ある程度の粘度範囲で塗工が可能であり、浸漬塗布方法と比較して浸漬時間がかからないため、生産速度が早くなること、またこのような垂直型接触リング塗布方法は少量の塗液で塗布が可能となること、また円筒体を連続的にリング状塗布部材に供給することによって、連続した塗布が可能となること、といった利点を有する。しかしながら、このような垂直型接触リング塗布方法にあっては、被塗布物である円筒体が、リング状塗布部材の一部である弾性体パッキングと接触しているため、塗布工程中に円筒体に傷が生じてしまう欠点がある。
この欠点をなくす方法として、特開昭60−95440号公報や特開昭91−8164号公報には垂直型非接触リング塗布方法が開示されている。垂直型非接触リング塗布方法は、開口部にエンドレスの塗液分配スリットを有するリング状塗布部材を円筒体の外周面に対して接触しないように近接配置し、そのスリットより塗液を直接押し出して供給することにより液溜まりを形成し、円筒体をリング状塗布部材に対して相対的に鉛直上方に移動させることにより、円筒体の外周面に塗液を塗布する方法である。しかしながら上記のような接触、非接触の垂直型リング塗布方法においても、被塗工物である円筒体を垂直に保持すると、重力による塗膜の影響は避けられない。このため、塗布液の粘度、塗工膜の厚み、塗工スピードのバランスによって塗工時および塗工終了直後に塗液の液垂れが生じてしまう場合があり、塗布液の粘度および所望の膜厚によってはこの液垂れを無くすことができなくなってしまうという問題点がある。また塗り始めや塗り終わりの際にも、やはり重力による影響は避けられず、液出し液止め時に発生する塗膜より若干厚めの液溜り部分が重力方向に流れ込んでしまう事により膜厚の均一性が得られず、塗工部分を膜必要長よりも十分に長く取る必要がある。
このため無駄な塗工が増えるばかりか、被塗布物である円筒体を長めにしておかなければならないと言った問題も発生してしまう。
またさらに、塗り終わりの際の液溜り部分がリングの内面に付着することにより、次回の液出し時の条件を変えてしまうため、リングの内面をクリーニングしなければならくなってしまうといった問題点がある。
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の技術によるスプレー塗工法、ブレード塗工法、ロール塗工法、および浸漬塗工法では塗布液の粘度による塗布工程の制限がある。例えば、高い粘度の塗布液は溶媒による希釈が必要なため、塗布工程後に溶媒の除去に時間がかかったり、溶媒の除去専用の回収装置が必要になったりして装置的にも大掛かりとなってしまい結果的にコストアップとなってしまう。また、塗布液と溶媒のマッチングにおいて糸引きや凝集等の不良が起きる場合があるため、塗布液の種類や溶媒に制限ができてしまうという問題点がある。さらに、垂直型リング塗布方法においては、上述したように塗布液の粘度、塗工膜の厚み、および塗工スピードのバランスによって塗工時および塗工開始時終了直後に塗液の液垂れが生じてしまう問題点がある。
本発明の目的は、塗布液の粘度や塗布膜の膜厚による塗工工程の制限を除去し、より容易な装置で円筒体の表面に塗布液を直接塗布して良好かつ均一な塗工膜を形成することのできる塗工方法を提供することにあり、また、その塗工方法によって円筒体に塗布液を塗布することによって容易にかつ安価に製造でき、十分な定着性、および均一でむらのない画像が得られる等の良好な性能を持つ定着用ローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、円筒体の中心線が水平方向と並行となった状態で塗布液を前記円筒体の表面に塗工する方法であって、
(i)前記円筒体の表面に前記塗布液を塗工した後の円筒体の外径と略等しい内径を有するリング形状の塗工ヘッドを用意する段階と、
(ii)前記円筒体を前記塗工ヘッドの内側に同軸上に配置させる段階と、
(iii)前記塗工ヘッドの内周面と前記円筒体との間の隙間に前記塗布液を供給する段階と、
(iv)前記円筒体に対して前記塗工ヘッドを前記円筒体の軸方向に該円筒体の軸線と同軸に相対移動させる段階と、
を有し、
前記塗工ヘッドの内周面と前記円筒体との隙間に塗布液を供給するために、前記塗工ヘッドに3つ以上の塗布液用供給口がそれぞれ前記塗工ヘッドの中心軸周りに等間隔に分配して形成されており
前記(iii)の段階は、前記塗工ヘッドの塗布液用供給口の各々からの前記隙間への塗布液の供給を同一の圧力で行なう段階を含み、それによって、
前記塗布液の塗工時には、前記塗工ヘッドと前記円筒体の相対移動によりそれらの間に流れ込む前記塗布液の液圧により前記塗工ヘッドを前記円筒体と同軸に保持した状態で、前記塗布液の塗布を行なうことを特徴とする。
上記の発明では、塗工ヘッドの内周面と円筒体との隙間部分に塗布液を供給し、円筒体を水平状態で塗工ヘッドを円筒体の軸線方向にその軸線と同軸に相対移動させることで円筒体の表面に塗布液が塗工される。円筒体は水平状態であるため、重力の要因による塗布液の液垂れを減らすことができ、特に塗工開始時終了直後に塗液の液垂れをなくし、塗工必要部分への影響をなくすことができる。その上、塗工終了時のヘッド内面への塗工液の付着を減少させることができ、塗工ヘッドのクリーニングを減少できる。また、塗工ヘッドが塗工後の円筒体の外径とほぼ等しい内径を持つリング形状であるため、塗工時の塗工跡が残らない。さらに、塗工ヘッドが塗布液を円筒体表面に押し付け、かつ塗布液を一定の厚みにならしながら塗工が行われることとなるので、塗布液を直接、良好かつ均一に円筒体の表面に塗工できる。リング形状の塗工ヘッドはその中心軸に対して垂直な平面上で移動自由であり、円筒体に対する移動方向後端部には塗工後の外径とほぼ等しい内径を持ち、内周面における前部には、円筒体と外径と接触して円筒体軸方向に円筒体軸と同軸に相対移動させるためのガイド部分を持っていてもよい。塗工ヘッドがこのようなガイド部分を持っている場合、塗工ヘッドの内周面の前部に、塗布工程で塗布液が通過する凹部が形成され、その凹部すなわち塗布液通過部分の断面積は塗工膜の断面積より大きく作られており、塗工後の円筒体の外径とほぼ等しい内径である塗工ヘッドの移動方向後端部に塗布液が充分に供給できるようになっている。
また、前記円筒体の外周面と前記塗工ヘッドの内周面との間に略均一な隙間が形成されるように前記円筒体を前記塗工ヘッドの内側に配置し、前記塗工ヘッドを前記円筒体の表面と非接触にすることが好ましい。
上記の塗工方法では、塗工ヘッドはその中心軸が円筒体の軸線と同軸の状態で相対移動できるように中心軸に対して垂直な平面上に精密に位置決めされ、固定されていることにより、塗工ヘッドを円筒体に対して非接触状態とすることができる。このように非接触状態で塗工ヘッドと円筒体の表面とのギャップ部分に塗布液を供給し、円筒体を水平状態で保持し塗工ヘッドを円筒体の軸線方向にその軸線と同軸に相対移動させる。非接触状態のため、円筒体に傷を生じさせてしまうことはない。円筒体は水平状態であるため、重力の要因による塗布液の液垂れを減らすことができ、特に塗工開始時終了直後に塗液の液垂れをなくし、塗工必要部分への影響をなくすことができ、このため塗工終了時のヘッド内面への塗工液の付着を減少させることができ、塗工ヘッドのクリーニングを減少できる。また、塗工ヘッドが塗工後の円筒体の外径とほぼ等しい内径を持つリング形状であるため、塗工時の塗工跡が残らない。さらに、塗工ヘッドが塗布液を円筒体表面に押し付けかつ一定の厚みにならしながら塗工が行われることとなる。このため、塗工ヘッドと円筒体の表面とのギャップ部分で塗布液に剪断が加わることとなり、塗布液の液粘度を下げる効果がでるので、塗布液の粘度が高くても塗布液を直接、良好かつ均一に円筒体の表面に塗工できる。
また、前記円筒体に対して前記塗工ヘッドを前記円筒体の軸方向に該軸線と同軸に相対移動させる際、前記円筒体を回転させることがより好ましい。
さらに、前記塗工ヘッドの内周面と前記円筒体との隙間に塗布液を供給するために、前記塗工ヘッドに3つ以上の塗布液用供給口がそれぞれ前記塗工ヘッドの中心軸周りに分配して形成されており、それによって、前記塗布液の塗工時には、前記塗工ヘッドと前記円筒体の相対移動によりそれらの間に流れ込む前記塗布液の液圧により前記塗工ヘッド前記円筒体と同軸に保持した状態で、前記塗布液の塗布を行うことができる。
上記の塗工方法では、塗工ヘッドと円筒体との隙間部分への塗布液の供給を多方向から同一の圧力で行うことにより、塗工ヘッド自体が積極的に調芯され、塗工ヘッドを円筒体の軸線と同軸に保持できるようになる。このため、より多種の材料や、塗工膜の厚みなどの様々な塗工条件において、安定した塗工が可能となる。なお、塗工ヘッドはそれ自体の自重はあるが塗布液の粘度および塗工速度、塗工膜の厚みのバランスでそのままでも良い場合もある。塗工ヘッドにキャンセルウエイト等を付けることによって塗工ヘッド自体の重みを見かけ上なくすることで、より安定した塗工が可能となる。なお、この際には塗工ヘッドは回転方向には固定されていても自由であっても良いが、塗工ヘッドの構成を考えると、その構成が簡単な固定の方が良い。
さらに、前記(iv)の段階は、前記円筒体を回転させる段階を更に含み、また、前記塗工ヘッドは、その中心軸周りでの回転が規制された状態で前記円筒体の軸線に対して垂直な方向に移動自在に保持され、且つ前記塗工ヘッドは、内周面に、3つ以上の、前記円筒体との隙間が前記円筒体の回転方向に向かって徐々に小さくなる形状の液溜め部分を、前記塗工ヘッドの軸線を中心に等間隔に有しており、それによって、前記塗布液の塗工時には、前記円筒体の回転によって前記液溜め部分の各々におけるギャップの変化により発生する塗布液液圧と、前記塗工ヘッドと前記円筒体の相対移動により生じる液圧とによって前記塗工ヘッド前記円筒体と同軸に保持した状態で、前記塗布液の塗工を行なうことができる。この場合、前記円筒体に対して前記塗工ヘッドを前記円筒体の軸方向に該軸線と同軸に相対移動させる際、前記円筒体を回転させている。
上記の塗工方法では、円筒体の回転により塗布液に発生する液圧を積極的に利用することによって、より大きな力で塗工ヘッド自体が調芯され、塗工ヘッドを円筒体の軸線と同軸に保持された状態で塗工ができる。塗工ヘッドが塗工後の円筒体の外径とほぼ等しい内径を持つリング形状であるため、塗工時の塗工跡が残らない。さらに、塗工ヘッドと円筒体の表面とのギャップ部分で塗布液にせん断が加わることとなり、液粘度を下げる効果がでるので、塗布液の粘度が高くても塗工ヘッドが塗布液を円筒体の表面に押し付け、かつ塗布液を一定の厚みにならしながら塗工が行われることとなる。これによって、より多種の材料や、塗工膜の厚みなどの様々な塗工条件においても、塗布液を直接、良好かつ均一に円筒体の表面に安定して塗工できる。
また、塗工液塗り終わり時にヘッド内部の液圧を負圧化することが好ましい。液の供給圧を負圧化すること等でヘッド内部の液圧を負圧化することで、塗工液塗り終わり時のヘッドからの液離れを良くし液溜りの防止と、ヘッド内面への塗工液の付着を減少させることが出来できる。
さらに、前記塗布液の粘度が10Pa・s以上であってもよい。従来のスプレー塗工法では、塗布液の粘度が10Pa・sであると塗布液の霧化が困難になってしまい、また他の方法でも、塗布液の粘度がそのように高いと円筒体への直接の塗工が困難であるが、本発明の塗工方法では、粘度が50Pa・s以上の塗布液でも塗工膜厚が2mm以下であれば円筒体を水平状態で固定しての円筒体を円筒体への直接の塗工が可能となる。また前記円筒体を回転させるのであれば、粘度が10Pa・s以上の塗布液でも塗工膜厚が2mm以下であれば円筒体への直接の塗工が可能となる。
上記のような塗工方法において、塗布液の供給方法は塗布前に必要量を一度に供給しても良いし、前記円筒体に対して前記塗工ヘッドを前記円筒体の軸方向に該軸線と同軸に相対移動させる間、単位時間当りに一定量だけ供給しても良い。ただし、塗布液を一度にたくさん供給すると、供給時の液たまり部分の液落ちの心配があるため、単位時間当りに一定量だけ供給することが望ましい。さらに、塗布液の供給口は塗工ヘッドと一体でも良いし、塗工ヘッドとは別部材に形成されていても良い。また、塗布液を供給する位置は塗布液の粘度および塗工膜の厚みの関係で液落ちしない状態であれば円筒体の上方に限らずどの位置でも良い。
近年、複写機やファクシミリ・LBP等の電子写真装置において使用される定着用ローラは、その画質および定着性の要求から金属芯金の上に薄肉のシリコーンゴムをコートしたもの、もしくはさらにその上にフッ素樹脂チューブを被覆したり、コーティングしたものが使用されている。定着用ローラにおいては定着性および画像むら等の問題があるため、外径形状の精度と平滑性が要求される。本発明の塗工方法を用いると、金属芯金の上にシリコーンゴム原料を高粘度の状態で薄肉に直接塗工でき、塗工後の塗布膜のレベリング等が必要ないため、本発明の塗工方法は、このような薄肉ゴム層を持つ定着用ローラの塗工に適している。
なお、本発明の塗工方法は、上記のような定着用ローラに限定されること無く、複写機やファクシミリ等のOA機器で定着、加圧、帯電、転写、現像等に使用される円筒体形状のローラおよびチューブに応用可能であり、他にも円筒体の表面に高粘度の塗布液を薄層でかつ均一に直接塗工する場合にも使用できる。
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1の参考の形態
図1は、本発明の第1の参考の形態の塗工方法が適用された装置を示す概略図である。図2は、図1に示される塗工ヘッドを示す図である。図1(a)が塗工ヘッドの平面図、図1(b)が塗工ヘッドの側面図、図1(c)が図1(a)のA−A’線断面図である。
本参考形態の塗工装置では、図1に示すように基板11上には塗工台2が水平方向と平行な一直線上を往復移動自在に取り付けられている。基板11の一端部には、塗工台2を往復移動させるためのモータ21が取り付けられている。塗工台2上には、塗布液が塗布される円筒体としてアルミニウム製のロール状の芯金1が取り付けられている。芯金1は、その中心軸が塗工台2の移動方向と平行となるように支持されている。塗工台2には、芯金1をその中心線を軸として回転させるモータ22が取り付けられている。さらに、基板11上には、リング形状の塗工ヘッド31を水平方向には動かさずに塗工ヘッド31を芯金1の中心軸に対して垂直な方向に移動自在に支持する塗工ヘッド保持部4が取り付けられている。
塗工ヘッド31は、その内周面において芯金1に対する相対的な移動方向後端部に、芯金1に塗布液を塗工した後の円筒体の外径とほぼ等しい内径を有している。また、塗工ヘッド31は、その内周面における移動方向前端部に、図2に示すように芯金1の外周面と接触し、塗工ヘッド31を芯金1の軸線方向にその軸と同軸に芯金1に対して相対移動させるための複数のガイド部分31aと、塗布工程で塗布液が通過する複数の凹部31bとを有している。複数のガイド部分31aは、塗工ヘッド31の内周面にその円周方向に沿って等間隔で並べられており、隣り合うガイド部分31aの間に凹部31bが形成されている。複数の凹部31bにおける芯金1の軸線に対して垂直な方向の断面積の合計は、芯金1上に塗布された塗膜における芯金1の軸線に対して垂直な方向の断面積よりも大きくなっている。これにより、塗工ヘッド31の内周面において塗工後の円筒体の外径とほぼ等しい内径となっている後端部に塗布液が充分に供給できるようになっている。
塗工ヘッド31と芯金1とのギャップ(隙間)部分に塗布液を供給する供給口は、塗工ヘッド31と一体でも良いし、そのヘッドとは別部材でも良いが、本参考形態では別部材の塗布液供給ノズル5を塗工ヘッド31における芯金1に対しての進行方向前方に配置させた。塗工ヘッド31と芯金1のギャップに塗布液を供給する位置は、塗布液の粘度および塗膜の厚みの関係で塗布液が塗工ヘッド31から液落ちしない状態であれば芯金1の上方に限らずどの位置でも良いが、本参考形態では芯金1の上方から塗布液の供給を行った。また、塗布液の供給方法は、塗布前に必要量を一度に芯金1上1周分供給した。
また、塗布液供給ノズル5は、塗液搬送用のチューブ6を介してシリンダポンプ7に接続されている。シリンダポンプ7は、定量(単位時間当たりの量が一定)の塗布液を吐出可能な電動式のものであり、そのシリンダポンプ7からチューブ6を通して塗布液供給ノズル5に塗布液8が供給される。シリンダポンプ7は、送り出す液の脈動が起きないため、安定した吐出が可能である。シリンダポンプ7が取り付けられた架台には、シリンダポンプ7を動作させるためのモータ23が取り付けられている。
本参考形態においては、芯金1として、塗工部の直径φD3がφ45mmで塗工部の長さが300mmの円筒形状のアルミニウム製芯金を用いた。塗布液8としては、液粘度が50Pa・sのLTV(低温硬化型)シリコーンゴム材料を用いて、塗布液8を100μmの厚みで芯金1に塗工した。塗布液8の液粘度は室温でB型粘度計によって測定した。
次に、塗布液8を芯金1の表面に塗工する工程について説明する。
まず、芯金1を塗工台2に取り付ける。本参考形態では塗工ヘッド31の寸法としては、芯金1の軸線方向の巾W1が20mm、ガイド部分31aにおける軸線方向の幅W2が10mm、移動方向後端部の内径φD1が塗工後の円筒形の外径とほぼ等しいφ45.25mm、ガイド部分31aの内径φD2がφ45mmとなっている。この塗工ヘッド31としては、図2に示すように、複数の凹部31bにおける軸線方向に対して垂直な方向の断面積の合計、すなわち塗布液が通過する部分の断面積が塗工膜断面積より大きくなるように、各ガイド部分31aにおける芯金1との接触部分の円弧長Lが約2mmとなり、各凹部31bにおける塗工ヘッド31の半径方向の切り込み量dが5mmとなったデルリン(ポリアセタール)製のものを使用した。芯金1を1回転させながらシリンダポンプ7により塗布液8を芯金1上へ供給した。塗布液供給ノズル5からの塗布液8の吐出量は、芯金1に塗布液8を塗布するのに必要な量よりも多くしてある。
この後、芯金1を水平状態で固定保持した状態で芯金1の表面にガイド部分31aを沿わせることで塗工ヘッド31を芯金1の軸線方向に芯金1と同軸に相対移動させる。このように塗工ヘッド31を芯金1に対して相対的に移動させることで、塗工ヘッド31と芯金1の隙間に供給された塗布液8が芯金1の塗工部の外周面全体に塗布される。
上記のような塗工方法によれば、芯金1は水平状態であるため、重力の要因による塗布液の液垂れを減らすことができ特に塗工開始時終了直後に塗液の液垂れをなくし、塗工必要部分への影響をなくすことができ、このため塗工終了時の塗工ヘッド内面への塗工液の付着を減少させることができ、塗工ヘッドのクリーニングを減少できた。また、塗工ヘッド31が塗工後の円筒体の外径とほぼ等しい内径を持つリング形状であるため、塗工時の塗工跡が残らない。さらに、塗工ヘッド31が塗布液8を芯金1の表面に押し付け、かつ塗布液8を一定の厚みにならしながら塗工が行われることとなるので、塗布液8を直接、良好かつ均一に芯金1の表面に塗工できた。
なお、このような塗工においては、芯金1を回転させながら塗工ヘッド31のリング内を移動させ、その間、芯金1上に単位時間当たりに一定量で塗布液を供給する方法をとってもよい。この場合、上記の方法に代えて、芯金1を回転数40rpmで回転させた状態でシリンダポンプ7により塗布液8を吐出量2000mm3/minで一定量吐出しながら塗工台2を移動速度110mm/minで移動させることで芯金1への塗布液8の塗工を行った。このような供給方法は、一度に必要量の塗布液を供給するときよりも、塗工厚みを増やした際に液たまり部分で芯金1上の液落ちの心配が少なくなるので、より好ましい。
また、本参考形態の塗工方法によれば、従来の技術によるスプレー塗工法、ブレード塗工法、ロール塗工法、および浸漬塗工法における塗布液の粘度による制限、例えば塗布液の粘度が高いことによって溶媒により塗布液の希釈が必要のために塗工工程の後で溶媒の除去に時間がかかったり、溶媒専用の回収装置が必要になったりして装置が大掛かりとなってしまい、結果的にコストアップとなってしまうことがなくなる。また、塗布液を溶媒により希釈する際に、塗布液と溶媒のマッチングにおいて糸引きや凝集等の不良が起きる場合があるために塗布液の種類や溶媒に制限ができてしまうという問題もない。さらに、従来の垂直型リング塗布方法における塗布液の粘度、塗工膜の厚み、塗工スピードのバランスによる塗工時および塗工終了直後の塗布液の液垂れという問題もなくなり、塗布液の粘度、塗布膜の厚さによる制限が除去され、より容易な装置で円筒体の表面に塗布液を直接、良好かつ均一な塗工膜を形成することの可能な方法を提供することができる。この塗工方法により、容易にかつ安価に十分な定着性、および均一でむらのない画像が得られる等の良好な性能を持つ定着用ローラを作製することができる。
さらに、従来のスプレー塗工法では、塗布液の粘度が10Pa・sであると塗布液の霧化が困難になってしまい、また他の方法でも、塗布液の粘度がそのように高いと円筒体への直接の塗工が困難であるが、本参考形態の塗工方法では、粘度が10Pa・s以上の塗布液でも円筒体への直接の塗工が可能となる。また、本参考形態の塗工方法は塗布液がある程度あったほうが液ダレ等の面で好ましく、すなわち、本参考形態の塗工方法は、塗布液の粘度が50Pa・s以上で厚みが2mm以下である場合により好ましいものとなる。
第2の参考の形態
図3は、本発明の第2の参考形態の塗工方法で用いられる塗工ヘッドを示す図である。図3(a)が塗工ヘッドの平面図、図3(b)が塗工ヘッドの側面図、図3(c)が図3(a)のA−A’線断面図である。
本参考形態では、本発明の効果を検証するために次のようにして塗布液の塗布を行った。第1の参考形態の場合は塗工ヘッド31のガイド部分31aと芯金1とを接触させたが、本参考形態では図3に示される塗工ヘッド32の内周面と芯金1の表面とを非接触とした。本参考形態の塗工装置は、第1の参考形態のものと比較して塗工ヘッドの内周面の構成が主に異なっており、以下では第1の参考形態と異なる点を中心に説明する。
図3に示すように、リング形状の塗工ヘッド32では第1の参考形態のようなガイド部分が内周面に設けられておらず、第1の参考形態においてガイド部分が形成されていた部分の内径もφD1すなわちφ45.25mmとなっている。塗工ヘッド32は、その中心軸が芯金1の中心軸と同軸状態で芯金1に対して相対移動できるように、それらの中心軸に対して垂直な平面上で芯金1に対して精密に位置決めされ、塗工ヘッド保持部4に固定されている。これにより、塗工ヘッド32は、塗工時においても芯金1の表面とは常に非接触の状態にある。塗工ヘッド32は、芯金と同軸上に固定されている。
このような状態で芯金1を水平状態で固定し塗工ヘッド32を芯金1の表面と非接触でそれらの軸線方向に芯金1の軸と同軸に芯金1に対して相対移動させた。塗工ヘッド32と芯金1とのギャップ部分に塗布液8を供給する供給口は、塗工ヘッド32と一体でも良いし、そのヘッドとは別部材でも良いが、本参考形態では第1の参考形態と同様に別部材の塗布液供給ノズル5を塗工ヘッド31における芯金1に対しての進行方向前方に配置させた。また、塗工ヘッド31と芯金1のギャップに塗布液を供給する位置は、塗布液の粘度および塗膜の厚みの関係で塗布液が塗工ヘッド31から液落ちしない状態であれば芯金1の上方に限らずどの位置でも良いが、本実施形態では芯金1の上方から塗布液の供給を行った。また、塗布液の供給方法は、塗布前に必要量を一度に芯金1上1周分供給した。その他の塗工条件等は第1の参考形態と同じである。
参考形態においても、芯金1は水平状態であるため、重力の要因による塗布液の液垂れを減らすことができ特に塗工開始時終了直後に塗液の液垂れをなくし、塗工必要部分への影響をなくすことができ、このため塗工終了時のヘッド内面への塗工液の付着を減少させることができ、塗工ヘッドのクリーニングを減少できた。また、塗工ヘッド32が塗工後の円筒体の外径とほぼ等しい内径を持つリング形状であるため、塗工時の塗工跡が残らない。さらに、塗工ヘッド32が塗布液8を芯金1の表面に押し付け、かつ塗布液8を一定の厚みにならしながら塗工が行われることとなるので、塗布液8を直接、良好かつ均一に芯金1の表面に塗工できた。
また、塗工の際には、塗工ヘッド32は芯金1と非接触であるために、LTVシリコーンゴム材料を芯金1に接着するために前もって芯金1に塗っておいたプライマの剥がれによる塗工膜の接着剥がれが起きなかった。ただし、一度にたくさんの塗布液を供給すると、塗工厚みを増やした際に液たまり部分で芯金1上の液落ちの心配があるので、この場合は、芯金1を塗工ヘッド31のリング内に移動させている間、芯金1上に単位時間当たりに一定量で塗布液を供給する方法をとることが好ましい。さらに、芯金1を回転させながら塗工ヘッド31のリング内を移動させると、なおよい。
第3の参考の形態
図4は、本発明の第3の参考形態の塗工方法が適用された装置を示す図である。図4(a)が塗工装置の概略図であり、図4(b)が塗工装置における塗工ヘッド保持部やその周りの構成を示す図である。図5は、図4に示される塗工ヘッドを示す図である。図5(a)が塗工ヘッドの平面図、図5(b)が塗工ヘッドの側面図、図5(c)が図5(a)のA−A’線断面図である。
本参考形態では、本発明の効果を検証するために次のように塗布液の塗布を行った。第1の実施形態での塗工と同様に、図4(a)および図4(b)に示すようにリング形状の塗工ヘッド33を、芯金1の軸線に対して垂直な平面上でその軸線に対して垂直な方向に移動自由な状態で塗工ヘッド保持部4に保持した。塗工ヘッド33は、図5(c)に示すようにその内径が、塗工ヘッド33において芯金1に対する進行方向前部から後部に向かって、塗布後の円筒体の外径とほぼ等しい内径となるまで、すなわち内径φD4=φ48mmからφD1=φ45.2mmとなるまで連続的に徐々に減るようなテーパ部33aを有している。このとき、テーパ部33aの表面の母線が塗工ヘッド33の中心軸に対して角度α=30°の角度を成すようにテーパ部33aの内径が徐々に減少している。
塗工ヘッド33はその中心軸まわりの回転方向には固定されていても自由であっても良いが、本参考形態では固定した。また、塗工ヘッド33と芯金1とのギャップ部分に塗布液を供給する供給口は、塗工ヘッド33と一体でも良いし、そのヘッドとは別部材でも良いが、本参考形態では別部材の塗布液供給ノズル5を塗工ヘッド31における芯金1に対しての進行方向前方に配置させた。塗工ヘッド31と芯金1のギャップに塗布液を供給する位置は、塗布液の粘度および塗膜の厚みの関係で塗布液が塗工ヘッド31から液落ちしない状態であれば芯金1の上方に限らずどの位置でも良いが、本参考形態では芯金1の上方から塗布液の供給を行った。また、塗布液の供給方法は、塗布前に必要量を一度に芯金1上1周分供給しても良いし、芯金1が塗工ヘッド31内を進行中に単位時間当りに一定量だけ供給しても良い。ただし、一度にたくさんの塗布液を供給すると、塗工厚みを増やした際に液たまり部分で芯金1上の液落ちの心配があるため、本参考形態では単位時間当りに一定量の塗布液を供給した。さらに、芯金1を回転させながら塗工ヘッド31のリング内を移動させると、なおよい。
第1の参考形態と同じ条件で塗工を行ったところ、塗工時の塗工ヘッド33と芯金1の相対移動によりテーパ部33aに塗布液8が流れ込み、テーパ部33a内の塗布液8の液圧により塗工ヘッド33自体が調芯され、塗工ヘッド33と芯金1の同軸度(同心度)を保つことができた。芯金1は水平状態で回転しているため、重力の要因による塗布液の液垂れを無くすことができた。また、塗工ヘッド33が塗工後の円筒体の外径とほぼ等しい内径を持つリング形状であるため、塗工時の塗工跡が残らない。さらには、塗工ヘッド33が塗布液8を芯金1の表面に押し付け、かつ塗布液8を一定の厚みにならしながら塗工が行われることとなるので、塗布液を直接、良好かつ均一に芯金1の表面に塗工できた。その上、塗工ヘッドの高精度な位置決め機構や調整が要らなくなり、塗工装置も簡略化され、安価なものにできた。本参考形態では、図4に示すように塗工ヘッド33にはそれ自体の重みを見かけ上なくするために塗工ヘッド33とほぼ同じ重さのバランスウエイト9を付け、バランスウエイト9によって塗工ヘッド33を上から引き上げる方向に塗工ヘッド33に外力を与えたが、塗工速度、塗工膜の厚みのバランスによってはバランスウエイト9を取り付けなくとも良い場合もある。
第1の実施の形態
図6は、本発明の第1の実施形態の塗工方法で用いられる塗工ヘッドを示す図である。図6(a)が塗工ヘッドの平面図、図6(b)が、塗工ヘッドを図6(a)の矢印B方向から見た上面図、図6(c)が図6(a)のA−A’線断面図である。
本実施形態では、本発明の効果を検証するために次のように塗布液の塗布を行った。図6に示されるリンク形状の塗工ヘッド34を、第1の参考形態での塗工と同様に芯金1の軸線に対して垂直な平面上でその軸線に対して垂直な方向に移動自由な状態で塗工ヘッド保持部4に保持した。塗工ヘッド34は、図6に示すように、塗工ヘッド34の内周面と芯金1とのギャップ部分に塗布液8を供給する供給口としての貫通穴34aが、塗工ヘッド34の軸線を中心に角度β=120°の角度で等間隔に3つ形成されたものである。塗工ヘッド34の内径φd5がφ45.5mmとなっている。塗工ヘッド34は、その中心軸まわりの回転方向には固定されていても自由であっても良いが、本実施形態では固定した。
本実施形態では、シリンダポンプ7から延びるチューブ6を途中で3つにチューブに分岐させ、分岐したそれぞれのチューブを、そのチューブに対応する貫通穴34aに連通させるように塗工ヘッド34の外周面に接続した。これによりシリンダポンプ7から吐出された塗布液8がチューブを通して各貫通穴34aに分配され、分配された塗布液8が各貫通穴34aを通して塗工ヘッド34の内周面と芯金1との間のギャップ部分に供給される。
本実施形態においては、芯金1として、第1の参考形態と同様に塗工部の直径φD3がφ45mmで塗工部の長さが300mmの円筒形状のアルミニウム製芯金を用いた。塗布液8としては、液粘度が10Pa・sのLTVシリコーンゴム材料を用いて、塗布液8を250μmの厚みで芯金1に塗工した。塗布液8の液粘度は室温でB型粘度計によって測定した。
次に、塗工ヘッド34を備えた塗工装置によって塗布液8を芯金1の表面に塗工する工程について説明する。まず、芯金1を塗工台2に取り付ける。本実施形態では塗工ヘッド34としてデルリン(ポリアセタール)製のものを使用した。芯金1を水平状態保持しシリンダポンプ7により塗布液8を吐出量4000mm3/minで一定量吐出しながら塗工台2を移動速度110mm/minで移動させることで芯金1への塗布液8の塗工を行った。シリンダポンプ7からの塗布液の吐出量は、芯金1に塗布液8を塗布するのに必要な量よりも多くしてある。もちろん、第1の参考形態と同様、塗布前に必要量を一度に芯金1上1周分供給しても良いが、一度にたくさんの塗布液を供給すると、塗工厚みを増やした際に液たまり部分で芯金1上の液落ちの心配があるため、本実施形態では単位時間当りに一定量の塗布液を供給した。さらに、芯金1を40rpmで回転させながら塗工ヘッド31のリング内を移動させると、なおよい。
このような条件で塗工を行ったところ、塗工時の塗工ヘッド34と芯金1の相対移動を行うと共に、それらの間のギャップ部分への塗布液8の供給を3方向から同一の圧力で行うことにより、塗工ヘッド34自体が積極的に調芯され、塗工ヘッド34を芯金1と同軸に保持できるようになった。このため、塗布液8を250μmの厚みで直接、良好かつ均一に芯金1の表面に塗工できた。また、塗工ヘッドの高精度な位置決め機構や調整が要らなくなり、塗工装置も簡略化され、安価なものにできた。本実施形態では、第3の参考形 と同様に塗工ヘッド34にはそれ自体の重みを見かけ上なくするためにバランスウエイト9を付けたが、塗工速度、塗工厚みのバランスによってはバランスウエイト9を取り付けなくとも良い場合もある。
第4の参考の形態
図7は、本発明の第4の参考形態の塗工方法で用いられる塗工ヘッドを示す図である。図7(a)が塗工ヘッドの平面図、図7(b)が、塗工ヘッドを図7(a)の矢印B方向から見た上面図、図7(c)が図7(a)のA−A’線断面図である。
本参考形態では、本発明の効果を検証するために次のように塗布液の塗布を行った。図7に示されるリング形状の塗工ヘッド35を、第1の実施形態での塗工と同様に芯金1と同軸上に塗工ヘッド保持部4に固定した。塗工ヘッド35は、図7に示されるように、塗工ヘッド35の内周面と芯金1とのギャップ部分に塗布液8を供給するために塗工ヘッド35の外周面に形成された開口部35bと、開口部35bと連通するように塗工ヘッド35内に形成された分配用スリット35cとを有している。分配用スリット35cは、塗工ヘッド35の中心線と同心の円環状にエンドレスに延びており、分配用スリット35cの内側の開口部が塗工ヘッド35の内周面においてその円周方向全体に渡ってエンドレスに延びている。この分配用スリット35cは開口部35bからの塗布液8を塗工ヘッド35と芯金1との間のギャップ部分においてそれらの円周方向に分配するためのものである。分配用スリット35cの内側の開口端は、塗工ヘッド35の内周面において内径φD5=φ45.6mmとなっている部分に位置している。
また、塗工ヘッド35は、図7(c)に示すようにその内径が、塗工ヘッド36において芯金1に対する進行方向前部から後部に向かって、塗布後の円筒体の外径とほぼ等しい内径となるまで、すなわち内径φD4=φ48mmからD5=φ45.6mmとなるまで連続的に徐々に減るようなテーパ部35aを有している。このとき、テーパ部35aの表面の母線が塗工ヘッド35の中心軸に対して角度α=30°の角度を成すようにテーパ部35aの内径が徐々に減少している。塗工ヘッド35と芯金1とのギャップ(隙間)部分に塗布液を供給する際には、開口部35bを通して行う。塗工ヘッド35と芯金1のギャップに塗布液を供給する位置は、芯金1の上方に限らずどの位置でも良いが、本参考形態では芯金1の上方から塗布液の供給を行った。また、塗布液の供給方法は、塗布前に必要量を一度に芯金1上に供給しても良いし、芯金1を塗工ヘッド31内に進行させている間に単位時間当りに一定量だけ供給しても良い。ただし、塗工厚みを増やしたので一度にたくさんの塗布液を供給すると、液たまり部分で芯金1上の液落ちの心配があるため、本参考形態ではより安全な単位時間当りに一定量の塗布液を供給した。このような手法であると芯金1は塗工前に液供給のため回転させる必要がなくなるため芯金の回転機構は必要なくなる。しかし、芯金1上の液落ちの心配が大きい場合は、芯金1を塗工ヘッド31内に進行させている間に芯金1を回転させると、なおよい。
本参考形態においては、芯金1として、第1の参考形態と同様に塗工部の直径φD3がφ45mmで塗工部の長さが300mmの円筒形状のアルミニウム製芯金を用いた。塗布液8としては、液粘度が50Pa・sのLTVシリコーンゴム材料を用いて、塗布液8を250μmの厚みで芯金1に塗工した。塗布液8の液粘度は室温でB型粘度計によって測定した。
次に、塗工ヘッド35を備えた塗工装置によって塗布液8を芯金1の表面に塗工する工程について説明する。まず、芯金1を塗工台2に取り付ける。本参考形態では塗工ヘッド35としてステンレス製のものを使用した。芯金1を水平状態保持しシリンダポンプ7により塗布液8を吐出量4000mm3/minで一定量吐出しながら塗工台2を移動速度110mm/minで移動させることで芯金1への塗布液8の塗工を行った。シリンダポンプ7からの塗布液の吐出量は、芯金1に塗布液8を塗布するのに必要な量とほぼ同じにしてある。このような条件で塗工を行ったところ、塗布液8を直接、良好かつ均一に芯金1の表面に塗工できた。芯金1は水平状態であるため、重力の要因による塗布液の液垂れを減らすことができ、特に塗工開始時終了直後に塗液の液垂れをなくし、塗工必要部分への影響をなくすことができ、このため塗工終了時の塗工ヘッド内面への塗工液の付着を減少させることができ、塗工ヘッドのクリーニングを減少できた。特に単位時間当りに一定量の塗布液を供給にすることで塗工厚みを増やしても塗工開始時の液たまり部分で芯金1上の液落ちの心配も無くなった。
第5の参考の形態
本参考形態では第4の参考形態の塗工方法により塗工する際、塗工終了時にシリンダポンプ7を吐出時と同じ速度で反対方向に0.5s動かし塗工ヘッド35内の液圧を負圧化した。
第4の参考形態において一部の塗工液では塗工終了時にヘッド内面に塗工液が付着しクリーニングが必要になることも考えられたが、本参考形態によると塗工ヘッド内面への塗工液の付着がなくなり、塗工ヘッドのクリーニングの必要もなくなった。
第2の実施の形態
図8は、本発明の第2の実施形態の塗工方法で用いられる塗工ヘッドを示す図である。図8(a)が塗工ヘッドの平面図、図8(b)が、塗工ヘッドを図8(a)の矢印B方向から見た上面図、図8(c)が図8(a)のA−A’線断面図である。
本実施形態では、本発明の効果を検証するために次のように塗布液の塗布を行った。図8に示されるリング形状の塗工ヘッド36を、第1の実施形態での塗工と同様に芯金1の軸線に対して垂直な平面上でその軸線に対して垂直な方向に移動自由な状態で、かつ塗工ヘッド36の中心軸まわりの回転を規制してその回転方向では塗工ヘッド36を固定した状態で塗工ヘッド保持部4に保持した。塗工ヘッド36は、図8に示すように塗工ヘッド36の内周面に、芯金1とのギャップが芯金1の回転方向に向かって連続的に徐々に小さくなるような形状の液溜め部分36aを塗工ヘッド34の軸線を中心に角度β=120°の角度で等間隔に3つ有し、各液溜め部分36aに塗布液8を供給する供給口としての貫通穴36bを液溜め部分36aと同様に等間隔に3つ有するものである。貫通穴36bは必ずしも塗工ヘッド36に形成されていなくても良く、第1の参考形態などと同様に、塗工ヘッド36とは別部材の塗布液供給ノズル5を設けても良い。
本実施形態においては、芯金1として、第1の参考形態と同様に塗工部の直径φD3がφ45mmで塗工部の長さが300mmの円筒形状のアルミニウム製芯金を用いた。塗布液8としては、液粘度が50Pa・sのLTVシリコーンゴム材料を用いて、塗布液8を250μmの厚みで芯金1に塗工した。塗布液8の液粘度は室温でB型粘度計によって測定した。
次に、塗工ヘッド36を備えた塗工装置によって塗布液8を芯金1の表面に塗工する工程について説明する。まず、芯金1を塗工台2に取り付ける。本実施形態では塗工ヘッド36としてデルリン(ポリアセタール)製のものを使用した。芯金1を水平状態保持しシリンダポンプ7により塗布液8を吐出量4000mm3/minで一定量吐出しながら塗工台2を移動速度110mm/minで移動させることで芯金1への塗布液8の塗工を行った。シリンダポンプ7からの塗布液の吐出量は、芯金1に塗布液8を塗布するのに必要な量よりも多くしてある。もちろん、第1の参考形態と同様、塗布前に必要量を一度に芯金1上1周分供給しても良いが、一度にたくさんの塗布液を供給すると、塗工厚みを増やした際に液たまり部分で芯金1上の液落ちの心配があるため、本実施形態では単位時間当りに一定量の塗布液を供給した。さらに、芯金1を40rpmで回転させながら塗工ヘッド31のリング内を移動させると、なおよい。
このような条件で塗工を行ったところ、塗工時の塗工ヘッド36と芯金1の相対移動と、それらの間のギャップ部分への3方向からの同一の圧力での塗布液8の供給と、芯金1の回転で各液溜め部分36aにおけるギャップの変化により発生する塗布液8の液圧とによって、より積極的に塗工ヘッド36自体が調芯され、塗工ヘッド36を芯金1と同軸に保持できるようになった。このため、塗布液8として用いた液粘度50Pa・sのLTVシリコーンゴム材料を250μmの厚みで直接、良好かつ均一に芯金1の表面に塗工できた。また、塗工ヘッドの高精度な位置決め機構や調整が要らなくなり、塗工装置も簡略化され、安価なものにできた。本実施形態では、第3の参考形態と同様に塗工ヘッド36にはそれ自体の重みを見かけ上なくするためバランスウエイト9を付けたが、塗工速度、塗工厚みのバランスによってはそのままでも良い場合もある。
第6の参考の形態
図9は、本発明の第6の参考形態の塗工方法により製作された定着用ローラの断面図である。
本参考形態では、本発明の効果を検証するために次のように高粘度塗布液の塗布を行い、定着用ローラを作製した。第5の参考形態の塗工方法により、塗工部の長さが300mm、塗工部の外径がφ45mmである円筒状のアルミニウム製芯金12に、液粘度50Pa・sの東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のLTVシリコーンゴム材料を250μmの厚みで塗工した。塗布液の液粘度は室温でB型粘度計で測定した。本実施形態では、まず、芯金1を塗工台2に取り付け、第5の参考形態で用いた塗工ヘッド35を使用した。芯金1を水平状態で保持固定しシリンダポンプ7により塗布液8を吐出量4000mm3/minで一定量吐出しながら塗工台2を移動速度110mm/minで移動させることで塗工を行った。シリンダポンプ7からの塗布液の吐出量は、芯金1に塗布液8を塗布するのに必要な量とほぼ同じにしてある。もちろん、第1の参考形態と同様、塗布前に必要量を一度に芯金1上1周分供給しても良いが、一度にたくさんの塗布液を供給すると、塗工厚みを増やした際に液たまり部分で芯金1上の液落ちの心配があるため、本参考形態では単位時間当りに一定量の塗布液を供給した。さらに、芯金1を40rpmで回転させながら塗工ヘッド31のリング内を移動させると、なおよい。
このような条件で塗工を行ったところ、塗工時の塗工ヘッド36と芯金1の相対移動と、それらの間のギャップ部分へ単位時間当りに一定量の塗布液を供給することで、塗布液として用いた液粘度50Pa・sのLTVシリコーンゴム材料を250μmの厚みで直接、良好かつ均一に芯金1の表面に塗工できた。また、重力の要因による塗布液の液垂れを減らすことができ、特に塗工開始時終了直後に塗液の液垂れをなくし、塗工必要部分への影響をなくすことができ、そのうえ塗工終了時の塗工ヘッド内面への塗工液の付着を減少させることができ、塗工ヘッドのクリーニングを減少できた。また定着用ローラの製造方法も容易であった。塗工後のローラを200℃の熱風循環式乾燥機中に水平に置き、約10分間加熱して架橋を行った。塗布液自体の粘度が高いため、熱風循環式乾燥機の中でローラを回転させていなくても塗布液の液だれは起きなかった。その後、200℃の熱風循環式乾燥機で4時間、2次硬化を行った。以上のように製作されたゴムローラの外径を測定すると、表面層のシリコーンゴム18の厚みが250μmで、外径がφ45.5mmであるストレート形状のローラが得られた。このローラを厚さ30μmのPFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)熱収縮チューブ10で被覆することにより、図9に示すようにアルミニウム製芯金12の外周面にシリコーンゴム18およびPFA熱収縮チューブ10がこの順番で積層されて成る定着用ローラを得た。LBPの定着用ローラとして用いたところ、十分な定着性と均一でむらのない画像が得られることが確認できた。
定着用ローラを製造する際には、第5の参考形態の塗工方法だけでなく、第1〜第4の参考形態及び、第1、第2の実施形態の塗工方法を用いることによって、十分な定着性と均一でむらのない画像が得られる定着ローラを作製することができる。第1〜第5の参考形態、第1、第2の実施形態のいずれかの塗工方法を用いることにより、例えば金属芯金の上にシリコーンゴム原料を高粘度の状態で薄肉に直接塗工でき、塗工後の塗布膜のレベリング等が必要ないので、このような薄肉のゴム層を有する定着性ローラを実現することができる。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の塗工方法によれば、従来の技術によるスプレー塗工法、ブレード塗工法、ロール塗工法、および浸漬塗工法における塗布液の粘度による制限、例えば塗布液の粘度が高いことによって溶媒により塗布液の希釈が必要のために塗工工程の後で溶媒の除去に時間がかかったり、溶媒専用の回収装置が必要になったりして装置が大掛かりとなってしまい、結果的にコストアップとなってしまうことがなくなる。また、塗布液を溶媒により希釈する際に、塗布液と溶媒のマッチングにおいて糸引きや凝集等の不良が起きる場合があるために塗布液の種類や溶媒に制限ができてしまうという問題もない。さらに、従来の垂直型リング塗布方法における塗布液の粘度、塗工膜の厚み、塗工スピードのバランスによる塗工時および塗工終了直後の塗布液の液垂れおよびリング内面のクリーニングという問題もなくなり、塗布液の粘度、塗布膜の厚さによる制限が除去され、より容易な装置で円筒体の表面に塗布液を直接、良好かつ均一な塗工膜を形成することの可能な方法を提供することができる。本発明の塗工方法により、容易にかつ安価に十分な定着性、および均一でむらのない画像が得られる等の良好な性能を持つ定着用ローラを作製することができる。
また、上述した本発明の塗工方法によれば、金属芯金の上にシリコーンゴム原料を高粘度の状態で薄肉に直接塗工でき、塗工後の塗布膜のレベリング等が必要ないので、このような薄肉のゴム層を有する定着性ローラを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の参考形態の塗工方法が適用された装置を示す概略図である。
【図2】 (a)が、図1に示される塗工ヘッドの平面図、(b)が塗工ヘッドの側面図、(c)が(a)のA−A’線断面図である。
【図3】 本発明の第2の参考形態の塗工方法で用いられる塗工ヘッドを示す図である。
【図4】 (a)が、本発明の第3の参考形態の塗工方法が適用された装置を示す概略図であり、(b)が塗工装置における塗工ヘッド保持部やその周りの構成を示す図である。
【図5】 (a)が、図4に示される塗工ヘッドの平面図、(b)が塗工ヘッドの側面図、(c)が(a)のA−A’線断面図である。
【図6】 本発明の第1の実施形態の塗工方法で用いられる塗工ヘッドを示す図である。
【図7】 本発明の第4の参考形態の塗工方法で用いられる塗工ヘッドを示す図である。
【図8】 本発明の第2の実施形態の塗工方法で用いられる塗工ヘッドを示す図である。
【図9】 本発明の第6の参考形態の塗工方法により製作された定着用ローラの断面図である。
【符号の説明】
1 芯金
2 塗工台
4 塗工ヘッド保持部
5 塗布液供給ノズル
6 液搬送用チューブ
7 シリンダポンプ
8 塗布液
9 バランスウエイト
10 PFA熱収縮チューブ
11 基板
12 アルミニウム製芯金
18 シリコーンゴム
21、22、23 モータ
31〜36 塗工ヘッド
31a ガイド部分
31b 凹部
33a、35a テーパ部
34a、36b 貫通孔
35b 開口部
35c 分配用スリット
36a 液溜め部分

Claims (2)

  1. 円筒体の中心線が水平方向と並行となった状態で塗布液を前記円筒体の表面に塗工する方法であって、
    (i)前記円筒体の表面に前記塗布液を塗工した後の円筒体の外径と略等しい内径を有するリング形状の塗工ヘッドを用意する段階と、
    (ii)前記円筒体を前記塗工ヘッドの内側に同軸上に配置させる段階と、
    (iii)前記塗工ヘッドの内周面と前記円筒体との間の隙間に前記塗布液を供給する段階と、
    (iv)前記円筒体に対して前記塗工ヘッドを前記円筒体の軸方向に該円筒体の軸線と同軸に相対移動させる段階と、
    を有し、
    前記塗工ヘッドの内周面と前記円筒体との隙間に塗布液を供給するために、前記塗工ヘッドに3つ以上の塗布液用供給口がそれぞれ前記塗工ヘッドの中心軸周りに等間隔に分配して形成されており
    前記(iii)の段階は、前記塗工ヘッドの塗布液用供給口の各々からの前記隙間への塗布液の供給を同一の圧力で行なう段階を含み、それによって、
    前記塗布液の塗工時には、前記塗工ヘッドと前記円筒体の相対移動によりそれらの間に流れ込む前記塗布液の液圧により前記塗工ヘッドを前記円筒体と同軸に保持した状態で、前記塗布液の塗布を行なうことを特徴とする円筒体表面への塗工方法。
  2. 前記(iv)の段階は、前記円筒体を回転させる段階を更に含み、また、前記塗工ヘッドは、その中心軸周りでの回転が規制された状態で前記円筒体の軸線に対して垂直な方向に移動自在に保持され、且つ前記塗工ヘッドは、内周面に、3つ以上の、前記円筒体との隙間が前記円筒体の回転方向に向かって徐々に小さくなる形状の液溜め部分を、前記塗工ヘッドの軸線を中心に等間隔に有しており、それによって、前記塗布液の塗工時には、前記円筒体の回転によって前記液溜め部分の各々におけるギャップの変化により発生する塗布液液圧と、前記塗工ヘッドと前記円筒体の相対移動により生じる液圧とによって前記塗工ヘッド前記円筒体と同軸に保持した状態で、前記塗布液の塗工を行なう、請求項に記載の円筒体表面への塗工方法。
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