JP2004290853A - ベルト部材塗工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルトの様な変形しやすい部材の表面に良好かつ均一な塗工膜を容易に形成することを可能とし、上記塗工方法により容易、かつ安価に十分な定着性および均一でムラのない定着画像の得られる良好な性能を持つ定着用ベルトの製造を可能とする。
【解決手段】ベルトの様な変形しやすい部材の外周面に塗布液を直接良好かつ均一な塗工膜を形成する方法であって、ベルトを塗工ヘッドと相対的に高精度に位置決め、固定された矯正部材上で矯正しつつ、同矯正部材に沿って移動させ、その間に塗布液をリングコート法によりベルト外周面に塗工する。
【選択図】 図1
【解決手段】ベルトの様な変形しやすい部材の外周面に塗布液を直接良好かつ均一な塗工膜を形成する方法であって、ベルトを塗工ヘッドと相対的に高精度に位置決め、固定された矯正部材上で矯正しつつ、同矯正部材に沿って移動させ、その間に塗布液をリングコート法によりベルト外周面に塗工する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ等のOA機器において定着、加圧、帯電、転写、現像等に使用されるベルト部材の製造方法に係わり、ベルト部材の表面に塗布液を直接かつ良好で均一に塗工する方法、およびその方法により作製された定着用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルトの様な変形しやすい部材表面への塗布液の塗工方法としては、従来、塗工時のベルトの変形による塗工ムラ(膜厚ムラ)、塗工面の表面性悪化(シワ、ワレ)を防止する為、ベルト内径より小さい径を持つ剛体の中子を挿入し、簡易的に保持して、ある程度形状を維持した状態で中子ごと装置に取付け、スプレーコートやディップにより塗工する方法が用いられる。しかしこのような中子を使用した方法では、ベルトと中子との間には中子を挿入する際に必要な隙間を設けなくてはならない為、あくまで簡易的にベルトは固定できるもののベルト部材を塗工ヘッドに対し高精度に保持することができない場合があった。
【0003】
例えば、スプレーコートやディップによる塗工が可能なものであれば、ベルト部材の保持状態が高精度でなくてもレベリング等により、ある程度の塗工ムラ(膜厚ムラ)、塗工面の表面性悪化(シワ、ワレ)を押えることができる。高粘度の塗布液を直接ベルト表面に塗工する場合、リング形状の塗工ヘッドを用いたリングコート等を行うことにより塗工跡なく、塗工ムラ(膜厚ムラ)、塗工面の表面性悪化(シワ、ワレ)を防止しつつ高精度に塗工する方法が有効である。しかし、ベルト部材を塗工ヘッドに対しその形状(真円度)、およびその位置関係(同軸度)を高精度に保持する必要がある。また、前記のスプレーコート等による塗工においてもベルト部材を高精度に保持することは塗工時に有効である。
【0004】
薄肉円筒体の内部に中子を挿入し、円筒体外面に高分子材料を形成し、高分子材料が円筒体外面に形成された後に中子を抜取する薄肉ローラの製造方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。また、従来、ベルト部材を高精度にその形状(真円度)、およびその位置関係(同軸度)を保持する為には、中子自身が周方向にいくつかに分割されており外径を縮めた状態でベルトに挿入しベルト内で開く内コレットチャックのような物が使われていた。複写機やファクシミリ等のOA機器等に用いられるような径に対し軸方向に長い形状のベルトを高精度に固定する為には、このようなものは、その構成が複雑になるばかりか各部品の加工精度が要求され非常に高価な物となってしまう場合があった。また、ベルトの形状次第ではそのような固定部材が作れない場合もある。しかも、たとえ高精度に保持できたとしても、高精度に固定した固定部材をまた装置上に高精度に固定して、さらに高精度に相対移動させなければならなくなり塗工装置としては非常に高度な物になってしまう場合があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−212027号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、複雑なベルトの高精度固定方法を用いず、より容易な装置で、ベルト部材の表面に塗布液を直接塗布して良好かつ均一な塗工膜を形成することのできる塗工方法を提供することにあり、また、その塗工方法によって、ベルト部材の表面に塗布液を塗布することによって容易にかつ安価に製造でき、十分な定着性、および均一でむらのない画像が得られる等の良好な性能を持つ定着用ベルトを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明は以下の種種の態様を包含する。
【0008】
(1)ベルト部材への塗布液の塗工方法であって、塗工ヘッドに対して相対的に固定された円筒状の矯正部材を配した装置を用い、該ベルト部材を該矯正部材に被覆した状態で、該矯正部材の軸方向に沿って、塗工ヘッドに対して相対的に移動させることにより、該ベルト部材のベルト形状を矯正しつつ、該塗布液の塗工を行うことを特徴とするベルト部材塗工方法。
【0009】
(2)ベルト部材を矯正部材へ被覆する前の前記矯正部材の外径≧被覆前のベルト部材の内径であり、ベルトを摺動させる為に該矯正部材の内周面と該ベルト部材の外周面との間に流体層を介在させる事を特徴とする上記(1)記載のベルト部材塗工方法。
(3)前記流体層を構成する流体が空気である事を特徴とする上記(2)記載のベルト部材塗工方法。
【0010】
(4)前記ベルト部材の基材が金属である事を特徴とする上記(1)乃至(3)の何れかに記載のベルト部材塗工方法。
(5)前記塗工ヘッドがリング形状を有しており、前記塗布液を直接、前記ベルト部材の外周面に塗工する事を特徴とする上記(1)乃至(4)の何れかに記載のベルト部材塗工方法。
(6)上記(1)乃至(5)の何れかに記載の塗工方法により作製された定着用ベルト。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、ベルト部材への塗布液の塗工方法であって、塗工ヘッドに対して相対的に固定された円筒状の矯正部材を配した装置を用い、ベルト部材を矯正部材に被覆した状態で、矯正部材の軸方向に沿って、ベルト部材を塗工ヘッドに対して相対的に移動させることにより、ベルト部材のベルト形状を矯正しつつ、塗布液の塗工を行うことを特徴とするベルト部材塗工方法に関するものである。このようにして製造したベルト部材は、例えば、定着用ベルトとしてトナーを定着するために専ら使用され、指示部材と共に摺動させることによって、十分なトナー定着性、画像の均一性を得ることができる。
【0012】
上記の発明では、例えば、基板上にベルト部材の内径よりも若干、小さい外径を持ち、その真円度、円筒度を高精度に加工した円筒状の矯正部材が片端部保持により、塗工ヘッドに対して相対的に高精度に固定されている。ここで、真円度は、接触測定子による載物台回転形の真円度測定機により測定を行なった。円筒度も同測定機により測定を行なった。矯正部材の真円度は10μm以下であるのが好ましく、5μm以下であるのがより好ましい。また、矯正部材の円筒度は、0.01mm以下であるのが好ましく、より好ましくは、0.005mm以下であるのがより好ましい。
また、矯正部材が塗工ヘッドに対して「相対的に固定され」ているとは、矯正部材と塗工ヘッドの軸方向での相対速度差が0であることを表す。
【0013】
円筒状の矯正部材の固定方向は縦でも横でも良いが、その後のベルトの取りまわし等を考えると縦置きがより好ましい。また、ベルト挿入後は、矯正部材の剛性を上げる為、塗工終了まで開放端側を固定してもかまわない。該矯正部材はベルト上への塗工長よりも長ければよいが、好ましくは、塗工終了までベルト全面にわたり存在するような長さであることが好ましい。矯正部材の材質は、ステンレス鋼、鋼材およびそれらにハードクロム等のメッキを施した物を用いることが好ましい。ベルト部材を「塗工ヘッドに対して相対的に移動」させるとは、ベルト部材と塗工ヘッドとに軸方向に対して相対速度差を設けることである。この場合、ベルトを固定して矯正部材と塗工ヘッドを移動させても良いし、図1の装置のように塗工ヘッドを固定してワークハンドによってベルトを移動させても良い。また、塗工ヘッドと矯正部材およびベルト部材との間に軸方向での移動速度の速度差を設けて、この両者を移動させても良い。
【0014】
ベルトの移動は、回転させながらの状態で矯正部材に沿って移動させても良いし、回転させずに移動させても良い。これは塗工手段によって選ぶことができる。例えば、スプレーコートのような物であるとベルトを回転させることが必要となり、リングコートのようなものであると回転する必要が無くなる。矯正部材は、開放端がベルトを被覆しやすいようにテーパ形状をしており先端が胴部より細くなっている。
【0015】
該矯正部材にベルトを被覆することにより、ベルトは矯正部材に倣いその真円度、円筒度が矯正される。この状態でベルトを矯正部材に沿って移動させることにより、塗工ヘッドと矯正部材が相対的に固定されている為、その間隔(ギャップ)、位置関係等が安定した状態で塗工することが可能になる。ここで、「被覆」とは、本発明におけるベルト部材の矯正および塗工が効果的に行なえる程度に、ベルト部材が矯正部材の外周部に配置されていることを表す。ベルトを移動させるワークハンドはベルトが矯正部材に沿ってしか移動できない為、特に位置精度は必要とせず、ベルトの移動速度を一定に保つだけでよい為、本発明の塗工装置は簡単な構成で良い。
【0016】
また、「塗布液」とは、ベルト部材上に塗工されることによって弾性層を形成し、ベルト表面と紙表面との密着性を向上させる効果を有するものである。塗布液としては、液状のシリコーンゴム等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。塗布液の粘度は、10〜500Pa・sであるのが好ましく、50〜300Pa・sであるのがより好ましい。塗布液の膜厚は、10〜1000μmであるのが好ましく、100〜500μmであるのがより好ましい。
【0017】
ベルト部材への塗布液の塗工時の温度は特に、限定されるわけではなく、ベルト部材、矯正部材、塗工ヘッドの材料および塗布液の粘度によって、好適な温度を使用することができる。好ましくは、室温で塗工を行なうのが良い。
本発明では、厚みムラが均一なベルト部材を得ることができる。このような厚みが均一なベルト部材を使用する場合、十分なトナー定着性、画像の均一性を得ることができる。なお、厚みムラは、ベルトを切開いて厚みゲージにより測定を行なう。厚みムラは塗工厚みの平均値の±10%以下であるのが好ましく、±5%以下であるのがより好ましい。
【0018】
上記塗工方法において、ベルト部材と矯正部材との隙間を減らし、より高精度にベルト部材を矯正しつつ塗工するため、ベルト部材を矯正部材へ被覆する前の矯正部材の外径≧被覆前のベルト部材の内径とし、流体を流し込み流体層を介在させベルト部材自身の弾性を活かす事によって、効果的にベルト部材の矯正と均一な塗布液の塗工を行なうことができる。この場合、本来ならば、矯正部材の外径がベルト部材の内径より大きいため、ベルト部材の中に矯正部材を入れることができないはずであるが、ベルト部材の内周面と矯正部材の外周面の界面に数ミクロン以下の流体層を介在させることにより、流体層の存在によって、ベルト部材と矯正部材との摩擦が減少し、効果的に矯正部材をベルト部材で被覆することができる。また、流体層が摺動層として働く為に矯正部材とのこすれや摩擦が減少し、ベルト部材をよりスムーズに移動できることになり、塗工精度も向上する。
【0019】
流体としては気体状のものが好適であり、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の不活性ガス、乾燥空気および窒素を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。好ましくは空気、より好ましくは乾燥空気を用いるのが良い。
また、流体として空気を用いることによりエアーベアリングと同じ原理でその摩擦は減少し、またクリーンエアーを用いればその後の界面の後処理(クリーニング)等もいらなくなる。
【0020】
さらに上記の塗工方法では、ベルト部材の基材の材質として金属を使用できる。金属としてはニッケル、ステンレス、銅、アルミおよびこれらの混合物を基材とした合金を用いることが好ましい。金属製のベルト部材を用いた場合、樹脂性のベルト部材よりもその弾性率が高い為、ベルト部材の厚みには限界があるが、厚みが200μm以下、好ましくは100μm以下である。また、ベルト内径と矯正部材の外径との関係が、0≦矯正部材の外径−ベルト部材の内径≦100μmの範囲であれば、上記の塗工方法が使用でき、好ましい。より好ましくは、10μm≦矯正部材の外径−ベルト部材の内径≦50μmの範囲であるのが良い。
【0021】
また、好ましくは、塗工ヘッドがリング形状であり該矯正部材が塗工ヘッドと同軸に固定されており、ベルト部材を該矯正部材に沿って移動させることにより、塗布液を直接、ベルト部材へ塗工するリングコート法を用いるのが良い。この方法では塗工時の塗工跡が残らず、さらに、塗工ヘッドが塗布液をベルト部材表面に押し付け、かつ塗布液を一定の厚みにならしながら塗工を行うため、高粘度の塗布液を直接、良好かつ均一にベルト部材の表面に塗工できる。リングコート法を用いる場合、塗布液の粘度は、10〜500Pa・sであるのが好ましい。より好ましくは、塗布液の粘度は、50〜300Pa・sであるのが良い。リング形状の塗工へッドの形状・構成および液の供給方法等は特に限定されるわけではない。剛体の円筒部材表面に良好に塗工可能な物であれば本塗工方法において使用可能である。このような方法によりベルト部材の回転機構も要らなくなり、装置もより簡略化できる。
【0022】
また、本発明のベルト部材は、電子写真装置でトナーを被記録媒体に定着させるために用いられる定着用ベルトとして使用することができ、これは、上記のいずれかの塗工方法によって円筒体の表面に塗布液を塗布することで作製されたものである。
複写機やファクシミリ・LBP(キヤノン製LBP−2810)等の電子写真装置において使用される定着用ベルトは、近年その画質および定着性またはオンデマンド性の要求から樹脂または金属ベルトの上に薄肉のシリコーンゴムをコートしたもの、あるいはさらにその上にフッ素樹脂チューブを被覆したり、コーティングしたものが考案されている。
【0023】
定着用ベルトにおいては、定着性および画像むら等の問題があるため、外径形状の精度と平滑性が要求される。本発明の塗工方法を用いると、樹脂または金属ベルトの上にシリコーンゴム原料を高粘度の状態で薄肉に直接塗工でき、塗工後の塗布膜のレベリング等が必要ないため、本発明の塗工方法は、このような薄肉ゴム層を持つ定着用ベルトの塗工に適している。
【0024】
図5は、本発明により製造した定着用ベルトを使用した像加熱定着装置の概略図である。図5において、51は本発明による定着用ベルトである。52は定着用ベルト51のヒーターであり、ヒーター52はヒーターホルダー53に保持されている。54は、ステ−部材であり、略U字型に形成されている。定着用ベルト51はステ−部材54とヒーターホルダー53の外周面に嵌め込むように組み込まれている。55は加圧ローラであり不図示の駆動手段により駆動される。
【0025】
像加熱定着装置は図示のように、定着用ベルト51と加圧ローラ55との間に、画像を形成するトナーを担持した紙56を搬送挿通させて、ヒーター52から受けた定着ベルトへの熱を、表層材を介してトナーへ伝達するとともに、トナーを紙の上に加圧・加熱することにより定着させる。
なお、本発明の塗工方法は、上記のような定着用ベルトに限定されること無く、複写機やファクシミリ等のOA機器で定着、加圧、帯電、転写、現像等に使用されるベルトおよびチューブにも応用可能であり、他にもベルトの表面に高粘度の塗布液を薄層でかつ均一に直接塗工する場合にも使用できる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の塗工方法が適用された装置を示す概略図である。図2は、図1に示される塗工ヘッドの断面を示す図である。
本実施形態の塗工装置では、図1に示すように基盤1上には矯正部材2が垂直に固定されている。本実施形態においては、該矯正部材2の軸方向略中心位置にリング形状の塗工ヘッド3が、同軸に高精度に位置決めされ、固定されている。被塗工物であるベルト部材4は、該矯正部材2の上部から被覆されワークハンド5で保持されている。ワークハンド5は、ベルトを保持した状態で回転用モータ7により矯正部材2の軸周りに回転できるようになっている。ただし、リング形状の塗工ヘッド3を用いた場合は、回転はさせずに塗工を行うことができる。
【0027】
ワークハンド5はワーク移動装置6により、ワークを保持した状態で該矯正部材2に沿って一定速度で上下できるようになっている。ワーク移動装置6は、回転用モータ7により駆動される。ワークハンド5は、該矯正部材2に余計な負荷がかからないように水平方向に多ガタを設けてある。また、塗布液の供給は、塗液搬送用のチューブ9を介してシリンダポンプ10に接続されている。シリンダポンプ10は、定量(単位時間当たりの量が一定)の塗布液を吐出可能な電動式のものであり、そのシリンダポンプ10から、液搬送用チューブ9を通して塗工ヘッド3に塗布液12が供給される。シリンダポンプ10は、送り出す液の脈動が起きないため、安定した吐出が可能である。シリンダポンプ10が取り付けられた架台には、シリンダポンプ10を動作させるためのモータ11が取り付けられている。
【0028】
本実施形態で使用した塗工ヘッド3は、ステンレス製であり図2に示すように、塗工ヘッド3の内周面とベルト部材4とのギャップ部分に塗布液12を供給するために塗工ヘッド3の外周面に形成された開口部31と、開口部31と連通するように塗工ヘッド3内に形成された分配用スリット32とを有している。分配用スリット32は、塗工ヘッド3の中心線と同心の円環状にエンドレスに延びており、分配用スリット32から伸びたスリット33を通して内側の開口部が塗工ヘッド3の内周面においてその円周方向全体に渡ってエンドレスに延びている。この分配用スリット32は開口部31からの塗布液12を塗工ヘッド3とベルト部材4との間のギャップ部分においてそれらの円周方向に均等に分配するためのものである。スリット33の内側の開口端は、塗工ヘッド3の内周面において内径45.7mmとなっている部分に位置している。
【0029】
本実施形態では、ベルト部材4として、ベルト内径45mm、厚みが50μm、長さが300mmのポリイミドベルトを用いた(厚みムラ±10μm)。塗布液12としては、液粘度が100Pa・sのLTV(低温硬化型)シリコーンゴム材料(DY35−561:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いて、塗布液12を250μmの厚みでポリイミドベルトに塗布した。塗布液12の液粘度は室温でB型粘度計によって測定した。また、矯正部材2は外径44.98mmで、胴部の長さが650mmであり、真円度5μm、円筒度10μmのステンレス製の物を使用し、塗工ヘッド3の部分で同軸であるように調整し固定した。
【0030】
次に、塗布液12をベルト部材4の表面に塗工する工程について説明する。まず、ベルト部材4を矯正部材2の上部開放端から被覆する矯正部材2の上部開放端はベルトを被覆しやすいようにテーパ部が設けられており、胴部は本実施形態ではベルトの内径より約20μm小さくなっている。この為、ベルトは矯正部材に倣いながら容易に被覆されていく。塗工開始位置まで被覆した後、ワークハンド5で保持する。シリンダポンプ10により、塗布液12を吐出量約4000mm3/minで一定量吐出しながら、ワークハンド5を移動速度110mm/minで上昇させることでベルト部材4への塗布液12の塗工を行った。シリンダポンプ10からの塗布液の吐出量は、ベルト部材4に塗布液12を塗布するのに必要な量とほぼ同じにしてある。このような条件で塗工を行ったところ、ベルトは矯正部材に沿って矯正されつつ塗工が行え、塗布液12を直接、良好かつ均一にベルト部材4の表面に塗工できた。また、この際に塗工の厚みムラは±15μmに抑えることが出来た。
【0031】
本実施形態ではリング形状の塗工ヘッドを用いたが、特にこれに限定する物ではなく回転用モータ7よってベルトを回転させることにより、スプレーコート等の他の塗工手段も可能である。
また本実施形態では矯正部材を縦置きとしたが、特にこれに限定する物ではなく横置きでも斜めでもかまわない。
【0032】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施形態の塗工方法で用いられる矯正部材2の縦断面を示す図である。本実施形態では、本発明の効果を検証するために次のように塗布液の塗布を行った。図3に示される矯正部材2には、矯正部材外周面とベルト部材内周面との界面に摺動層としての流体(空気)13を供給する為の流路21が設けられており、流体(空気)を用いることができる。空気の噴出し口は周方向に4箇所均等に設けられており、軸方向へは矯正部材のベルト被覆時の胴部に最初にかかる胴部端と、その他にベルトを移動した際、必ずどこかの穴から矯正部材外周面とベルト部材内周面との界面に供給できるように配することが必要であり、本実施形態端部のほかに中央部に設けた。
【0033】
本実施形態では、ベルト部材4として、ベルト内径が45mm、厚みが50μm、長さが300mmのNi電鋳ベルトを用いた(厚みムラ±2μm)。塗布液12としては、液粘度が100Pa・sのLTV(低温硬化型)シリコーンゴム材料(DY35−561(商品名):東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いて、塗布液12を250μmの厚みでNi電鋳ベルト14に塗布した。塗布液12の液粘度は室温でB型粘度計によって測定した。また、矯正部材2は外径が45.02mmで、胴部の長さが650mmであり、真円度5μm、円筒度10μmのステンレス製の物を使用し、塗工ヘッド3の部分で同軸であるように調整し固定した。塗工ヘッドについては実施形態1と同じ物を使用した。
【0034】
本実施形態においては、ベルト部材の内径より矯正部材の外径のほうが大きいため、ベルト部材の中へ矯正部材は入らないはずであるが、矯正部材2の流路21に0.4MPaの空気を導入したところ、50μmの金属ベルトの弾性により矯正部材表面とベルト内周面との界面に摺動層としての非常に薄い空気層が形成され、被覆およびベルトの移動が非常にスムーズにできるようになった。また、空気層はベルトの材質と厚みおよび導入圧により調整でき、本実施形態においては1μm程度となり精度自身に大きく影響を与える物ではない。このような状態で実施形態1と同様にリングコート法により塗工を行ったところ、ベルトは矯正部材2に沿って矯正されつつ塗工が行われ、塗布液12を直接、良好かつ均一にベルト部材4の表面に塗工できた。またこの際に塗工の厚みムラは±5μmに抑えることが出来た。
【0035】
本実施形態では、リング形状の塗工ヘッドを用いたが、特にこれに限定する物ではなく回転用モータ7によってベルトを回転させることにより、スプレーコート等の他の塗工手段も可能である。
また本実施形態では、矯正部材を縦置きとしたが、特にこれに限定する物ではなく横置きでも斜めでもかまわない。
【0036】
(第3の実施の形態)
図4は、本発明の第2実施形態の塗工方法により製作された定着用ベルトの断面図である。
本実施形態では、高粘度塗布液の塗布を行い、定着用ローラを作製した。第2の実施形態の塗工方法により、ベルト内径が45mm、厚みが50μm、長さが300mmのNi電鋳ベルト14(厚みムラ±2μm)に、液粘度100Pa・sのLTVシリコーンゴム材料(DY35−561:東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)を250μmの厚みで塗布した。塗布液の液粘度は室温、B型粘度計で測定した。
【0037】
本実施形態では、まず、既にその表面にシリコーンゴムと金属を加硫接着させる為のプライマー層を形成したNi電鋳ベルト14を矯正部材2に空気を導入した状態で被覆し、第2の実施形態で用いた塗工ヘッド3を使用した。Ni電鋳ベルト14を塗工開始位置まで被覆した後ワークハンド5で保持する。シリンダポンプ10により塗布液12を吐出量約4000mm3/minで一定量、吐出しながらワークハンド5を移動速度110mm/minで上昇させることで、Ni電鋳ベルト14への塗布液12の塗工を行った。シリンダポンプ10からの塗布液12の吐出量は、Ni電鋳ベルト14に塗布液12を塗布するのに必要な量とほぼ同じにしてある。このような条件で塗工を行ったところ、塗工時の塗工ヘッド3とNi電鋳ベルト14の矯正部材2により矯正されながらの相対移動と、それらの間のギャップ部分へ単位時間当りに一定量の塗布液を供給することで、塗布液として用いた液粘度100Pa・sのLTVシリコーンゴム材料を250μmの厚みで直接、良好かつ均一に基盤1の表面に塗工できた。
【0038】
また、この際に塗工の厚みムラは±5μmに抑えることが出来た。また、定着用ベルトの製造方法としても容易であった。塗工後のベルトを200℃の熱風循環式乾燥機中に水平に置き、約10分間加熱して架橋を行った。塗布液自体の粘度が高いため、熱風循環式乾燥機の中でローラを回転させていなくても塗布液の液だれは起きなかった。その後、200℃の熱風循環式乾燥機で4時間、2次硬化を行った。以上のように製作されたゴム付ベルトの厚みを測定すると、表面層のシリコーンゴム15の厚みが250μmで、外径が45.6mmであるストレート形状のベルトが得られた。このベルトを厚さ30μmのPFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)熱収縮チューブ(グンゼ社製)16で被覆することにより、図4に示すようにNi電鋳ベルト14の外周面に、シリコーンゴム15およびPFA熱収縮チューブ16が、この順番で積層されて成る定着用ベルトが得られた。これを、LBPの定着用ベルトとして用いたところ、十分な定着性と均一でむらのない画像が得られることが確認できた。
【0039】
定着用ベルトを製造する際には、第2の実施形態の塗工方法だけでなく、第1の実施形態の塗工方法を用いることによっても、十分な定着性と均一でむらのない画像が得られる定着用ローラを作製することができる。第1および第2の実施形態のいずれかの塗工方法を用いることにより、例えば、ベルト基材の上にシリコーンゴム原料を高粘度の状態で薄肉にしかも高精度に直接塗工でき、塗工後の塗布膜のレベリング等が必要ないので、このような薄肉のゴム層を有する定着用ベルトを実現することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の塗工方法によれば、従来の複雑なベルトの高精度固定方法を用いず、より簡易な装置で、ベルト部材の表面に塗布液を直接、塗布して良好かつ均一な塗工膜を形成することのできる塗工方法を提供することができる。また、その塗工方法によって、ベルト部材の表面に塗布液を塗布することによって容易にかつ安価に製造でき、十分な定着性、および均一でむらのない画像が得られる等の良好な性能を持つ定着用ベルトを提供することできる。
【0041】
また、本発明の定着用ベルトは、上述した本発明の塗工方法によりベルトの表面に塗布液を塗工して製造されるため、その製造の際には例えば、ベルト基材の上にシリコーンゴム原料を高粘度の状態で、薄肉にしかも高精度に直接塗工でき、塗工後の塗布膜のレベリング等が必要ないので、このような薄肉のゴム層を有する定着性ベルトを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の塗工方法が適用された装置を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の塗工方法で用いられる塗工へッドの断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の塗工方法で用いられる矯正部材の断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態の塗工方法により製作された定着用ローラの断面図である。
【図5】本発明の定着ベルトを使用する像加熱定着装置の説明図である。
【符号の説明】
1 基盤
2 矯正部材
3 塗工ヘッド
4 ベルト部材
5 ワークハンド
6 ワーク移動装置
7 回転用モータ
8、11 モータ
9 液搬送用チューブ
10 シリンダポンプ
12 塗布液
13 流体(空気)
14 Ni電鋳ベルト
15 シリコーンゴム
16 PFA熱収縮チューブ
21 流路
31 開口部
32 分配用スリット
33 スリット
51 定着用ベルト
52 ヒーター
53 ヒーターホルダー
54 ステ−部材
55 加圧ローラ
56 紙
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ等のOA機器において定着、加圧、帯電、転写、現像等に使用されるベルト部材の製造方法に係わり、ベルト部材の表面に塗布液を直接かつ良好で均一に塗工する方法、およびその方法により作製された定着用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルトの様な変形しやすい部材表面への塗布液の塗工方法としては、従来、塗工時のベルトの変形による塗工ムラ(膜厚ムラ)、塗工面の表面性悪化(シワ、ワレ)を防止する為、ベルト内径より小さい径を持つ剛体の中子を挿入し、簡易的に保持して、ある程度形状を維持した状態で中子ごと装置に取付け、スプレーコートやディップにより塗工する方法が用いられる。しかしこのような中子を使用した方法では、ベルトと中子との間には中子を挿入する際に必要な隙間を設けなくてはならない為、あくまで簡易的にベルトは固定できるもののベルト部材を塗工ヘッドに対し高精度に保持することができない場合があった。
【0003】
例えば、スプレーコートやディップによる塗工が可能なものであれば、ベルト部材の保持状態が高精度でなくてもレベリング等により、ある程度の塗工ムラ(膜厚ムラ)、塗工面の表面性悪化(シワ、ワレ)を押えることができる。高粘度の塗布液を直接ベルト表面に塗工する場合、リング形状の塗工ヘッドを用いたリングコート等を行うことにより塗工跡なく、塗工ムラ(膜厚ムラ)、塗工面の表面性悪化(シワ、ワレ)を防止しつつ高精度に塗工する方法が有効である。しかし、ベルト部材を塗工ヘッドに対しその形状(真円度)、およびその位置関係(同軸度)を高精度に保持する必要がある。また、前記のスプレーコート等による塗工においてもベルト部材を高精度に保持することは塗工時に有効である。
【0004】
薄肉円筒体の内部に中子を挿入し、円筒体外面に高分子材料を形成し、高分子材料が円筒体外面に形成された後に中子を抜取する薄肉ローラの製造方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。また、従来、ベルト部材を高精度にその形状(真円度)、およびその位置関係(同軸度)を保持する為には、中子自身が周方向にいくつかに分割されており外径を縮めた状態でベルトに挿入しベルト内で開く内コレットチャックのような物が使われていた。複写機やファクシミリ等のOA機器等に用いられるような径に対し軸方向に長い形状のベルトを高精度に固定する為には、このようなものは、その構成が複雑になるばかりか各部品の加工精度が要求され非常に高価な物となってしまう場合があった。また、ベルトの形状次第ではそのような固定部材が作れない場合もある。しかも、たとえ高精度に保持できたとしても、高精度に固定した固定部材をまた装置上に高精度に固定して、さらに高精度に相対移動させなければならなくなり塗工装置としては非常に高度な物になってしまう場合があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−212027号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、複雑なベルトの高精度固定方法を用いず、より容易な装置で、ベルト部材の表面に塗布液を直接塗布して良好かつ均一な塗工膜を形成することのできる塗工方法を提供することにあり、また、その塗工方法によって、ベルト部材の表面に塗布液を塗布することによって容易にかつ安価に製造でき、十分な定着性、および均一でむらのない画像が得られる等の良好な性能を持つ定着用ベルトを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明は以下の種種の態様を包含する。
【0008】
(1)ベルト部材への塗布液の塗工方法であって、塗工ヘッドに対して相対的に固定された円筒状の矯正部材を配した装置を用い、該ベルト部材を該矯正部材に被覆した状態で、該矯正部材の軸方向に沿って、塗工ヘッドに対して相対的に移動させることにより、該ベルト部材のベルト形状を矯正しつつ、該塗布液の塗工を行うことを特徴とするベルト部材塗工方法。
【0009】
(2)ベルト部材を矯正部材へ被覆する前の前記矯正部材の外径≧被覆前のベルト部材の内径であり、ベルトを摺動させる為に該矯正部材の内周面と該ベルト部材の外周面との間に流体層を介在させる事を特徴とする上記(1)記載のベルト部材塗工方法。
(3)前記流体層を構成する流体が空気である事を特徴とする上記(2)記載のベルト部材塗工方法。
【0010】
(4)前記ベルト部材の基材が金属である事を特徴とする上記(1)乃至(3)の何れかに記載のベルト部材塗工方法。
(5)前記塗工ヘッドがリング形状を有しており、前記塗布液を直接、前記ベルト部材の外周面に塗工する事を特徴とする上記(1)乃至(4)の何れかに記載のベルト部材塗工方法。
(6)上記(1)乃至(5)の何れかに記載の塗工方法により作製された定着用ベルト。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、ベルト部材への塗布液の塗工方法であって、塗工ヘッドに対して相対的に固定された円筒状の矯正部材を配した装置を用い、ベルト部材を矯正部材に被覆した状態で、矯正部材の軸方向に沿って、ベルト部材を塗工ヘッドに対して相対的に移動させることにより、ベルト部材のベルト形状を矯正しつつ、塗布液の塗工を行うことを特徴とするベルト部材塗工方法に関するものである。このようにして製造したベルト部材は、例えば、定着用ベルトとしてトナーを定着するために専ら使用され、指示部材と共に摺動させることによって、十分なトナー定着性、画像の均一性を得ることができる。
【0012】
上記の発明では、例えば、基板上にベルト部材の内径よりも若干、小さい外径を持ち、その真円度、円筒度を高精度に加工した円筒状の矯正部材が片端部保持により、塗工ヘッドに対して相対的に高精度に固定されている。ここで、真円度は、接触測定子による載物台回転形の真円度測定機により測定を行なった。円筒度も同測定機により測定を行なった。矯正部材の真円度は10μm以下であるのが好ましく、5μm以下であるのがより好ましい。また、矯正部材の円筒度は、0.01mm以下であるのが好ましく、より好ましくは、0.005mm以下であるのがより好ましい。
また、矯正部材が塗工ヘッドに対して「相対的に固定され」ているとは、矯正部材と塗工ヘッドの軸方向での相対速度差が0であることを表す。
【0013】
円筒状の矯正部材の固定方向は縦でも横でも良いが、その後のベルトの取りまわし等を考えると縦置きがより好ましい。また、ベルト挿入後は、矯正部材の剛性を上げる為、塗工終了まで開放端側を固定してもかまわない。該矯正部材はベルト上への塗工長よりも長ければよいが、好ましくは、塗工終了までベルト全面にわたり存在するような長さであることが好ましい。矯正部材の材質は、ステンレス鋼、鋼材およびそれらにハードクロム等のメッキを施した物を用いることが好ましい。ベルト部材を「塗工ヘッドに対して相対的に移動」させるとは、ベルト部材と塗工ヘッドとに軸方向に対して相対速度差を設けることである。この場合、ベルトを固定して矯正部材と塗工ヘッドを移動させても良いし、図1の装置のように塗工ヘッドを固定してワークハンドによってベルトを移動させても良い。また、塗工ヘッドと矯正部材およびベルト部材との間に軸方向での移動速度の速度差を設けて、この両者を移動させても良い。
【0014】
ベルトの移動は、回転させながらの状態で矯正部材に沿って移動させても良いし、回転させずに移動させても良い。これは塗工手段によって選ぶことができる。例えば、スプレーコートのような物であるとベルトを回転させることが必要となり、リングコートのようなものであると回転する必要が無くなる。矯正部材は、開放端がベルトを被覆しやすいようにテーパ形状をしており先端が胴部より細くなっている。
【0015】
該矯正部材にベルトを被覆することにより、ベルトは矯正部材に倣いその真円度、円筒度が矯正される。この状態でベルトを矯正部材に沿って移動させることにより、塗工ヘッドと矯正部材が相対的に固定されている為、その間隔(ギャップ)、位置関係等が安定した状態で塗工することが可能になる。ここで、「被覆」とは、本発明におけるベルト部材の矯正および塗工が効果的に行なえる程度に、ベルト部材が矯正部材の外周部に配置されていることを表す。ベルトを移動させるワークハンドはベルトが矯正部材に沿ってしか移動できない為、特に位置精度は必要とせず、ベルトの移動速度を一定に保つだけでよい為、本発明の塗工装置は簡単な構成で良い。
【0016】
また、「塗布液」とは、ベルト部材上に塗工されることによって弾性層を形成し、ベルト表面と紙表面との密着性を向上させる効果を有するものである。塗布液としては、液状のシリコーンゴム等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。塗布液の粘度は、10〜500Pa・sであるのが好ましく、50〜300Pa・sであるのがより好ましい。塗布液の膜厚は、10〜1000μmであるのが好ましく、100〜500μmであるのがより好ましい。
【0017】
ベルト部材への塗布液の塗工時の温度は特に、限定されるわけではなく、ベルト部材、矯正部材、塗工ヘッドの材料および塗布液の粘度によって、好適な温度を使用することができる。好ましくは、室温で塗工を行なうのが良い。
本発明では、厚みムラが均一なベルト部材を得ることができる。このような厚みが均一なベルト部材を使用する場合、十分なトナー定着性、画像の均一性を得ることができる。なお、厚みムラは、ベルトを切開いて厚みゲージにより測定を行なう。厚みムラは塗工厚みの平均値の±10%以下であるのが好ましく、±5%以下であるのがより好ましい。
【0018】
上記塗工方法において、ベルト部材と矯正部材との隙間を減らし、より高精度にベルト部材を矯正しつつ塗工するため、ベルト部材を矯正部材へ被覆する前の矯正部材の外径≧被覆前のベルト部材の内径とし、流体を流し込み流体層を介在させベルト部材自身の弾性を活かす事によって、効果的にベルト部材の矯正と均一な塗布液の塗工を行なうことができる。この場合、本来ならば、矯正部材の外径がベルト部材の内径より大きいため、ベルト部材の中に矯正部材を入れることができないはずであるが、ベルト部材の内周面と矯正部材の外周面の界面に数ミクロン以下の流体層を介在させることにより、流体層の存在によって、ベルト部材と矯正部材との摩擦が減少し、効果的に矯正部材をベルト部材で被覆することができる。また、流体層が摺動層として働く為に矯正部材とのこすれや摩擦が減少し、ベルト部材をよりスムーズに移動できることになり、塗工精度も向上する。
【0019】
流体としては気体状のものが好適であり、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の不活性ガス、乾燥空気および窒素を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。好ましくは空気、より好ましくは乾燥空気を用いるのが良い。
また、流体として空気を用いることによりエアーベアリングと同じ原理でその摩擦は減少し、またクリーンエアーを用いればその後の界面の後処理(クリーニング)等もいらなくなる。
【0020】
さらに上記の塗工方法では、ベルト部材の基材の材質として金属を使用できる。金属としてはニッケル、ステンレス、銅、アルミおよびこれらの混合物を基材とした合金を用いることが好ましい。金属製のベルト部材を用いた場合、樹脂性のベルト部材よりもその弾性率が高い為、ベルト部材の厚みには限界があるが、厚みが200μm以下、好ましくは100μm以下である。また、ベルト内径と矯正部材の外径との関係が、0≦矯正部材の外径−ベルト部材の内径≦100μmの範囲であれば、上記の塗工方法が使用でき、好ましい。より好ましくは、10μm≦矯正部材の外径−ベルト部材の内径≦50μmの範囲であるのが良い。
【0021】
また、好ましくは、塗工ヘッドがリング形状であり該矯正部材が塗工ヘッドと同軸に固定されており、ベルト部材を該矯正部材に沿って移動させることにより、塗布液を直接、ベルト部材へ塗工するリングコート法を用いるのが良い。この方法では塗工時の塗工跡が残らず、さらに、塗工ヘッドが塗布液をベルト部材表面に押し付け、かつ塗布液を一定の厚みにならしながら塗工を行うため、高粘度の塗布液を直接、良好かつ均一にベルト部材の表面に塗工できる。リングコート法を用いる場合、塗布液の粘度は、10〜500Pa・sであるのが好ましい。より好ましくは、塗布液の粘度は、50〜300Pa・sであるのが良い。リング形状の塗工へッドの形状・構成および液の供給方法等は特に限定されるわけではない。剛体の円筒部材表面に良好に塗工可能な物であれば本塗工方法において使用可能である。このような方法によりベルト部材の回転機構も要らなくなり、装置もより簡略化できる。
【0022】
また、本発明のベルト部材は、電子写真装置でトナーを被記録媒体に定着させるために用いられる定着用ベルトとして使用することができ、これは、上記のいずれかの塗工方法によって円筒体の表面に塗布液を塗布することで作製されたものである。
複写機やファクシミリ・LBP(キヤノン製LBP−2810)等の電子写真装置において使用される定着用ベルトは、近年その画質および定着性またはオンデマンド性の要求から樹脂または金属ベルトの上に薄肉のシリコーンゴムをコートしたもの、あるいはさらにその上にフッ素樹脂チューブを被覆したり、コーティングしたものが考案されている。
【0023】
定着用ベルトにおいては、定着性および画像むら等の問題があるため、外径形状の精度と平滑性が要求される。本発明の塗工方法を用いると、樹脂または金属ベルトの上にシリコーンゴム原料を高粘度の状態で薄肉に直接塗工でき、塗工後の塗布膜のレベリング等が必要ないため、本発明の塗工方法は、このような薄肉ゴム層を持つ定着用ベルトの塗工に適している。
【0024】
図5は、本発明により製造した定着用ベルトを使用した像加熱定着装置の概略図である。図5において、51は本発明による定着用ベルトである。52は定着用ベルト51のヒーターであり、ヒーター52はヒーターホルダー53に保持されている。54は、ステ−部材であり、略U字型に形成されている。定着用ベルト51はステ−部材54とヒーターホルダー53の外周面に嵌め込むように組み込まれている。55は加圧ローラであり不図示の駆動手段により駆動される。
【0025】
像加熱定着装置は図示のように、定着用ベルト51と加圧ローラ55との間に、画像を形成するトナーを担持した紙56を搬送挿通させて、ヒーター52から受けた定着ベルトへの熱を、表層材を介してトナーへ伝達するとともに、トナーを紙の上に加圧・加熱することにより定着させる。
なお、本発明の塗工方法は、上記のような定着用ベルトに限定されること無く、複写機やファクシミリ等のOA機器で定着、加圧、帯電、転写、現像等に使用されるベルトおよびチューブにも応用可能であり、他にもベルトの表面に高粘度の塗布液を薄層でかつ均一に直接塗工する場合にも使用できる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の塗工方法が適用された装置を示す概略図である。図2は、図1に示される塗工ヘッドの断面を示す図である。
本実施形態の塗工装置では、図1に示すように基盤1上には矯正部材2が垂直に固定されている。本実施形態においては、該矯正部材2の軸方向略中心位置にリング形状の塗工ヘッド3が、同軸に高精度に位置決めされ、固定されている。被塗工物であるベルト部材4は、該矯正部材2の上部から被覆されワークハンド5で保持されている。ワークハンド5は、ベルトを保持した状態で回転用モータ7により矯正部材2の軸周りに回転できるようになっている。ただし、リング形状の塗工ヘッド3を用いた場合は、回転はさせずに塗工を行うことができる。
【0027】
ワークハンド5はワーク移動装置6により、ワークを保持した状態で該矯正部材2に沿って一定速度で上下できるようになっている。ワーク移動装置6は、回転用モータ7により駆動される。ワークハンド5は、該矯正部材2に余計な負荷がかからないように水平方向に多ガタを設けてある。また、塗布液の供給は、塗液搬送用のチューブ9を介してシリンダポンプ10に接続されている。シリンダポンプ10は、定量(単位時間当たりの量が一定)の塗布液を吐出可能な電動式のものであり、そのシリンダポンプ10から、液搬送用チューブ9を通して塗工ヘッド3に塗布液12が供給される。シリンダポンプ10は、送り出す液の脈動が起きないため、安定した吐出が可能である。シリンダポンプ10が取り付けられた架台には、シリンダポンプ10を動作させるためのモータ11が取り付けられている。
【0028】
本実施形態で使用した塗工ヘッド3は、ステンレス製であり図2に示すように、塗工ヘッド3の内周面とベルト部材4とのギャップ部分に塗布液12を供給するために塗工ヘッド3の外周面に形成された開口部31と、開口部31と連通するように塗工ヘッド3内に形成された分配用スリット32とを有している。分配用スリット32は、塗工ヘッド3の中心線と同心の円環状にエンドレスに延びており、分配用スリット32から伸びたスリット33を通して内側の開口部が塗工ヘッド3の内周面においてその円周方向全体に渡ってエンドレスに延びている。この分配用スリット32は開口部31からの塗布液12を塗工ヘッド3とベルト部材4との間のギャップ部分においてそれらの円周方向に均等に分配するためのものである。スリット33の内側の開口端は、塗工ヘッド3の内周面において内径45.7mmとなっている部分に位置している。
【0029】
本実施形態では、ベルト部材4として、ベルト内径45mm、厚みが50μm、長さが300mmのポリイミドベルトを用いた(厚みムラ±10μm)。塗布液12としては、液粘度が100Pa・sのLTV(低温硬化型)シリコーンゴム材料(DY35−561:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いて、塗布液12を250μmの厚みでポリイミドベルトに塗布した。塗布液12の液粘度は室温でB型粘度計によって測定した。また、矯正部材2は外径44.98mmで、胴部の長さが650mmであり、真円度5μm、円筒度10μmのステンレス製の物を使用し、塗工ヘッド3の部分で同軸であるように調整し固定した。
【0030】
次に、塗布液12をベルト部材4の表面に塗工する工程について説明する。まず、ベルト部材4を矯正部材2の上部開放端から被覆する矯正部材2の上部開放端はベルトを被覆しやすいようにテーパ部が設けられており、胴部は本実施形態ではベルトの内径より約20μm小さくなっている。この為、ベルトは矯正部材に倣いながら容易に被覆されていく。塗工開始位置まで被覆した後、ワークハンド5で保持する。シリンダポンプ10により、塗布液12を吐出量約4000mm3/minで一定量吐出しながら、ワークハンド5を移動速度110mm/minで上昇させることでベルト部材4への塗布液12の塗工を行った。シリンダポンプ10からの塗布液の吐出量は、ベルト部材4に塗布液12を塗布するのに必要な量とほぼ同じにしてある。このような条件で塗工を行ったところ、ベルトは矯正部材に沿って矯正されつつ塗工が行え、塗布液12を直接、良好かつ均一にベルト部材4の表面に塗工できた。また、この際に塗工の厚みムラは±15μmに抑えることが出来た。
【0031】
本実施形態ではリング形状の塗工ヘッドを用いたが、特にこれに限定する物ではなく回転用モータ7よってベルトを回転させることにより、スプレーコート等の他の塗工手段も可能である。
また本実施形態では矯正部材を縦置きとしたが、特にこれに限定する物ではなく横置きでも斜めでもかまわない。
【0032】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施形態の塗工方法で用いられる矯正部材2の縦断面を示す図である。本実施形態では、本発明の効果を検証するために次のように塗布液の塗布を行った。図3に示される矯正部材2には、矯正部材外周面とベルト部材内周面との界面に摺動層としての流体(空気)13を供給する為の流路21が設けられており、流体(空気)を用いることができる。空気の噴出し口は周方向に4箇所均等に設けられており、軸方向へは矯正部材のベルト被覆時の胴部に最初にかかる胴部端と、その他にベルトを移動した際、必ずどこかの穴から矯正部材外周面とベルト部材内周面との界面に供給できるように配することが必要であり、本実施形態端部のほかに中央部に設けた。
【0033】
本実施形態では、ベルト部材4として、ベルト内径が45mm、厚みが50μm、長さが300mmのNi電鋳ベルトを用いた(厚みムラ±2μm)。塗布液12としては、液粘度が100Pa・sのLTV(低温硬化型)シリコーンゴム材料(DY35−561(商品名):東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いて、塗布液12を250μmの厚みでNi電鋳ベルト14に塗布した。塗布液12の液粘度は室温でB型粘度計によって測定した。また、矯正部材2は外径が45.02mmで、胴部の長さが650mmであり、真円度5μm、円筒度10μmのステンレス製の物を使用し、塗工ヘッド3の部分で同軸であるように調整し固定した。塗工ヘッドについては実施形態1と同じ物を使用した。
【0034】
本実施形態においては、ベルト部材の内径より矯正部材の外径のほうが大きいため、ベルト部材の中へ矯正部材は入らないはずであるが、矯正部材2の流路21に0.4MPaの空気を導入したところ、50μmの金属ベルトの弾性により矯正部材表面とベルト内周面との界面に摺動層としての非常に薄い空気層が形成され、被覆およびベルトの移動が非常にスムーズにできるようになった。また、空気層はベルトの材質と厚みおよび導入圧により調整でき、本実施形態においては1μm程度となり精度自身に大きく影響を与える物ではない。このような状態で実施形態1と同様にリングコート法により塗工を行ったところ、ベルトは矯正部材2に沿って矯正されつつ塗工が行われ、塗布液12を直接、良好かつ均一にベルト部材4の表面に塗工できた。またこの際に塗工の厚みムラは±5μmに抑えることが出来た。
【0035】
本実施形態では、リング形状の塗工ヘッドを用いたが、特にこれに限定する物ではなく回転用モータ7によってベルトを回転させることにより、スプレーコート等の他の塗工手段も可能である。
また本実施形態では、矯正部材を縦置きとしたが、特にこれに限定する物ではなく横置きでも斜めでもかまわない。
【0036】
(第3の実施の形態)
図4は、本発明の第2実施形態の塗工方法により製作された定着用ベルトの断面図である。
本実施形態では、高粘度塗布液の塗布を行い、定着用ローラを作製した。第2の実施形態の塗工方法により、ベルト内径が45mm、厚みが50μm、長さが300mmのNi電鋳ベルト14(厚みムラ±2μm)に、液粘度100Pa・sのLTVシリコーンゴム材料(DY35−561:東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)を250μmの厚みで塗布した。塗布液の液粘度は室温、B型粘度計で測定した。
【0037】
本実施形態では、まず、既にその表面にシリコーンゴムと金属を加硫接着させる為のプライマー層を形成したNi電鋳ベルト14を矯正部材2に空気を導入した状態で被覆し、第2の実施形態で用いた塗工ヘッド3を使用した。Ni電鋳ベルト14を塗工開始位置まで被覆した後ワークハンド5で保持する。シリンダポンプ10により塗布液12を吐出量約4000mm3/minで一定量、吐出しながらワークハンド5を移動速度110mm/minで上昇させることで、Ni電鋳ベルト14への塗布液12の塗工を行った。シリンダポンプ10からの塗布液12の吐出量は、Ni電鋳ベルト14に塗布液12を塗布するのに必要な量とほぼ同じにしてある。このような条件で塗工を行ったところ、塗工時の塗工ヘッド3とNi電鋳ベルト14の矯正部材2により矯正されながらの相対移動と、それらの間のギャップ部分へ単位時間当りに一定量の塗布液を供給することで、塗布液として用いた液粘度100Pa・sのLTVシリコーンゴム材料を250μmの厚みで直接、良好かつ均一に基盤1の表面に塗工できた。
【0038】
また、この際に塗工の厚みムラは±5μmに抑えることが出来た。また、定着用ベルトの製造方法としても容易であった。塗工後のベルトを200℃の熱風循環式乾燥機中に水平に置き、約10分間加熱して架橋を行った。塗布液自体の粘度が高いため、熱風循環式乾燥機の中でローラを回転させていなくても塗布液の液だれは起きなかった。その後、200℃の熱風循環式乾燥機で4時間、2次硬化を行った。以上のように製作されたゴム付ベルトの厚みを測定すると、表面層のシリコーンゴム15の厚みが250μmで、外径が45.6mmであるストレート形状のベルトが得られた。このベルトを厚さ30μmのPFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)熱収縮チューブ(グンゼ社製)16で被覆することにより、図4に示すようにNi電鋳ベルト14の外周面に、シリコーンゴム15およびPFA熱収縮チューブ16が、この順番で積層されて成る定着用ベルトが得られた。これを、LBPの定着用ベルトとして用いたところ、十分な定着性と均一でむらのない画像が得られることが確認できた。
【0039】
定着用ベルトを製造する際には、第2の実施形態の塗工方法だけでなく、第1の実施形態の塗工方法を用いることによっても、十分な定着性と均一でむらのない画像が得られる定着用ローラを作製することができる。第1および第2の実施形態のいずれかの塗工方法を用いることにより、例えば、ベルト基材の上にシリコーンゴム原料を高粘度の状態で薄肉にしかも高精度に直接塗工でき、塗工後の塗布膜のレベリング等が必要ないので、このような薄肉のゴム層を有する定着用ベルトを実現することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の塗工方法によれば、従来の複雑なベルトの高精度固定方法を用いず、より簡易な装置で、ベルト部材の表面に塗布液を直接、塗布して良好かつ均一な塗工膜を形成することのできる塗工方法を提供することができる。また、その塗工方法によって、ベルト部材の表面に塗布液を塗布することによって容易にかつ安価に製造でき、十分な定着性、および均一でむらのない画像が得られる等の良好な性能を持つ定着用ベルトを提供することできる。
【0041】
また、本発明の定着用ベルトは、上述した本発明の塗工方法によりベルトの表面に塗布液を塗工して製造されるため、その製造の際には例えば、ベルト基材の上にシリコーンゴム原料を高粘度の状態で、薄肉にしかも高精度に直接塗工でき、塗工後の塗布膜のレベリング等が必要ないので、このような薄肉のゴム層を有する定着性ベルトを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の塗工方法が適用された装置を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の塗工方法で用いられる塗工へッドの断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の塗工方法で用いられる矯正部材の断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態の塗工方法により製作された定着用ローラの断面図である。
【図5】本発明の定着ベルトを使用する像加熱定着装置の説明図である。
【符号の説明】
1 基盤
2 矯正部材
3 塗工ヘッド
4 ベルト部材
5 ワークハンド
6 ワーク移動装置
7 回転用モータ
8、11 モータ
9 液搬送用チューブ
10 シリンダポンプ
12 塗布液
13 流体(空気)
14 Ni電鋳ベルト
15 シリコーンゴム
16 PFA熱収縮チューブ
21 流路
31 開口部
32 分配用スリット
33 スリット
51 定着用ベルト
52 ヒーター
53 ヒーターホルダー
54 ステ−部材
55 加圧ローラ
56 紙
Claims (1)
- ベルト部材への塗布液の塗工方法であって、塗工ヘッドに対して相対的に固定された円筒状の矯正部材を配した装置を用い、該ベルト部材を該矯正部材に被覆した状態で、該矯正部材の軸方向に沿って、塗工ヘッドに対して相対的に移動させることにより、該ベルト部材のベルト形状を矯正しつつ、該塗布液の塗工を行うことを特徴とするベルト部材塗工方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003087899A JP2004290853A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | ベルト部材塗工方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7918180B2 (en) | 2007-01-31 | 2011-04-05 | Ricoh Company, Ltd. | Film forming apparatus |
US8005413B2 (en) | 2007-06-26 | 2011-08-23 | Canon Kabushiki Kaisha | Image heating apparatus and pressure roller used for image heating apparatus |
JP2012058316A (ja) * | 2010-09-06 | 2012-03-22 | Ricoh Co Ltd | 塗膜形成装置、その塗膜形成装置により塗膜が形成された電子写真用定着部材、その電子写真用定着部材を有した画像形成装置 |
US10591856B2 (en) | 2018-04-18 | 2020-03-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Roller with filler bundle in elastic layer and fixing device |
-
2003
- 2003-03-27 JP JP2003087899A patent/JP2004290853A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7918180B2 (en) | 2007-01-31 | 2011-04-05 | Ricoh Company, Ltd. | Film forming apparatus |
US8005413B2 (en) | 2007-06-26 | 2011-08-23 | Canon Kabushiki Kaisha | Image heating apparatus and pressure roller used for image heating apparatus |
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