JP2009150917A - 塗膜形成装置、その塗膜形成装置により塗膜が形成された電子写真用定着部材、その電子写真用定着部材を有した画像形成装置 - Google Patents
塗膜形成装置、その塗膜形成装置により塗膜が形成された電子写真用定着部材、その電子写真用定着部材を有した画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009150917A JP2009150917A JP2007326083A JP2007326083A JP2009150917A JP 2009150917 A JP2009150917 A JP 2009150917A JP 2007326083 A JP2007326083 A JP 2007326083A JP 2007326083 A JP2007326083 A JP 2007326083A JP 2009150917 A JP2009150917 A JP 2009150917A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating
- coating film
- slit
- paint
- gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Coating Apparatus (AREA)
- Fixing For Electrophotography (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Abstract
【課題】被塗装物の塗布不良を防止できる生産性の高い塗膜形成装置を提供する。
【解決手段】塗膜形成装置1Aは、軸芯が鉛直となる状態で支持された被塗装物4の全周に亘って塗料7を吐出する塗布スリット19bを有する円環状の塗布ノズル19と、塗布スリット19bから吐出された塗料7に向かって気体を噴射する気体噴射部42と、を備えている。そして、塗膜形成装置1Aは、塗料7を吐出しながら塗布ノズル19を被塗装物4に対して相対的に鉛直方向上方に移動させ、塗布ノズル19が被塗装物4の上端部4bに到達したとき、気体噴射部42から気体を噴出する。
【選択図】図3
【解決手段】塗膜形成装置1Aは、軸芯が鉛直となる状態で支持された被塗装物4の全周に亘って塗料7を吐出する塗布スリット19bを有する円環状の塗布ノズル19と、塗布スリット19bから吐出された塗料7に向かって気体を噴射する気体噴射部42と、を備えている。そして、塗膜形成装置1Aは、塗料7を吐出しながら塗布ノズル19を被塗装物4に対して相対的に鉛直方向上方に移動させ、塗布ノズル19が被塗装物4の上端部4bに到達したとき、気体噴射部42から気体を噴出する。
【選択図】図3
Description
本発明は、被塗装物の円筒面状の外周面に塗料を塗布して塗膜を形成する塗膜形成装置に関し、例えば、PPC(普通紙複写機)、LBP(レーザビームプリンタ)、ファクシミリなどの電子写真方式を採用した画像形成装置において、転写紙上の未定着トナー像を加熱、加圧により定着させる定着部材(定着ローラ、定着ベルト)の弾性層を形成するのに好適な塗膜形成装置に関する。また、その塗膜形成装置により塗膜が形成された電子写真用定着部材、及び、その電子写真用定着部材を有した画像形成装置に関する。
電子写真の原理に基づく複写機およびプリンタなどの画像形成装置では、加熱された定着部材とこの定着部材に圧接する加圧部材との間に、トナー像が転写された転写紙を通して、前記トナー像のトナーを溶融するとともに前記転写紙に定着させる定着プロセスを行う。この定着プロセスで用いられる定着ローラあるいは定着ベルトなどの定着部材は、アルミ、鉄などで構成される円筒形状の芯金や、ポリイミドなどの樹脂あるいはNiなどの金属で構成される無端状の基体など、の外周面にプライマ(接着剤)を塗布するとともに、その上からシリコーンゴムなどの耐熱性ゴムを含んだ塗料を塗布して、厚みが100〜300μm程度の弾性層を形成するなどして得られる(例えば特許文献1を参照)。
上記弾性層は、上述した定着プロセスにおいて、トナーを転写紙に押圧する圧力を均一にして画像の粒状度を向上させることが一般的に知られている。また、この弾性層の厚みが定着画像品質に影響を及ぼすとともに、前記定着部材の立ち上がり時間(所定の温度に達する時間)などに影響を及ぼすので、上記弾性層の厚みは均一にすることが求められている。
そして、上述した弾性層を形成する方法として、従来、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法やロール塗布法等の種々の方法が用いられていた。
上記浸漬塗布法は、塗料が充填された液槽に、上述した円筒形状の芯金や無端状の基体などの被塗装物を浸漬した後、この被塗装物を上下移動させて塗布を行うといった比較的簡易な方法である。しかし、この浸漬塗布法は、浸漬時の前記被塗装物の上部と下部とで膜厚差が生じること、塗料の粘度により前記被塗装物の上下移動速度(塗布速度)が決定されるため高粘度の塗料を薄膜状に塗布する場合には生産効率が低いこと、また高粘度の塗料を低粘度化するために溶剤等を用いて希釈した場合であっても、前記液槽内にて塗料の濃度ムラが生じるため液物性の維持が非常に困難であること、といった問題があった。
上記スプレー塗布法は、塗料を霧状に噴霧して塗布する方法である。しかし、高粘度の塗料は溶剤等を用いて希釈する必要があること、噴霧した塗料を被塗装物へ吹付けるため塗膜の平滑性に劣ること、また前記被塗装物への塗料の到達率が数%〜30%程度であり塗料の歩留まりが非常に低く生産効率が低いこと、といった問題があった。
上記ブレード塗布法及びロール塗布法は、前記被塗装物の軸芯方向にブレードもしくはロールを配置し、前記被塗装物を回転させながら塗布を行い、前記被塗装物を1回転させた後ブレードもしくはロールを後退させる塗布方法である。しかし、ブレードもしくはロールを後退させる際に、塗料の粘性により塗膜の一部に他の部分より厚い部分が生じて均一な塗膜が得られないこと、またこの局所的に不均一な塗膜は、特に電子写真用定着部材においては局所的な定着不足や濃淡ムラなどの定着画像品質の低下を誘発する直接的な原因となること、といった問題があった。
このように上述した従来の塗布方法は、高粘度シリコーンゴム等の塗料を薄い膜状に均一に塗布することが要求される定着部材の弾性層の製造に必ずしも適しておらず、量産性においても非効率的であった。
そこで、本発明者らは検討を重ね、高粘度シリコーンゴム等の塗料を薄い膜状に均一に塗布することに適した塗膜形成装置を提案するに至った(特許文献2を参照)。
特許文献2に示される塗膜形成装置は、軸芯が鉛直となる状態で支持された被塗装物の全周に亘って塗料を吐出する塗布スリットを有する環状塗布ノズルを設け、塗料を吐出しながら環状塗布ノズルを前記被塗装物に対して相対的に鉛直方向上方に移動させることにより前記被塗装物の外周面に塗料を塗布するものである。この環状塗布ノズルを備える塗膜形成装置においては、環状塗布ノズルから吐出される直前まで塗料が大気に曝されていないので、この塗料の粘度、表面張力、密度、温度を精密に管理する事が容易であり、塗膜の平滑性及び均一性を良好に保持することができ、また、吐出される塗料の大部分が前記被塗装物の外周面に到達(付着)するので、塗料の歩留まりを向上させることができ、さらに、前記被塗装物の外周面の全周に一度に塗料が塗布されるので、塗膜の段差を防止することができた。
特開2002−14557号公報
特願2006−74765号公報
しかしながら、前述した特許文献2に示された塗膜形成装置において、生産性向上のために塗装速度、即ち、環状塗布ノズルの相対的な移動速度をさらに上げると、被塗装物の塗膜形成領域の終端部(以下、塗膜終端部と呼ぶ)における環状塗布ノズルと被塗装物との相対的な通過時間あたりの塗布量が極度に減少して、その塗膜終端部に不連続な塗膜が形成されてしまうことが判った。この不連続な塗膜は、環状塗布ノズルから既に吐出されていた塗料や惰性により吐出停止後に吐出されてしまった塗料など、即ち、余剰塗料によって形成されたものである。そして、この不連続な塗膜によって、次工程でこの塗膜(弾性層)に重ねて塗布される離型層などに液だれなどが発生して、塗布不良を引き起こすという問題があった。また、被塗装物からその不連続な塗膜の部分をカットする必要があるので、被塗装物の歩留まりの低下を引き起こし、生産性が低下する問題があった。
本発明は上記問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、被塗装物の塗膜形成における塗布不良を防止できる生産性の高い塗膜形成装置を提供し、そして、その塗膜形成装置により塗膜が形成された電子写真用定着部材、及び、その電子写真用定着部材を有した画像形成装置を安価に提供することを目的とする。
上記問題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、外周面に塗料が塗布される円筒状の被塗装物を、その外周面が露出され且つその軸芯が鉛直とされた状態で、保持する保持部と、円環状に形成され且つ内周面が前記被塗装物の外周面と間隔をあけて相対するように、前記保持部に保持された被塗装物と同軸に配置された塗布ノズルと、前記塗布ノズルの内周面全周に亘って配設された、前記塗料が吐出される、塗布スリットと、前記塗布ノズルを前記被塗装物の下端部から上端部まで前記軸芯に沿って相対的に移動させる移動部と、前記塗布スリットから吐出される前記塗料を供給する塗料供給部と、を有する塗膜形成装置において、(イ)前記塗布スリットから吐出された前記塗料を断ち切るように気体を噴射する気体噴射部が、設けられ、(ロ)前記気体噴射部には前記塗料の吐出方向と交差する方向に気体噴射手段が、設けられ、そして、(ハ)前記塗布ノズルが前記被塗装物の上端部に到達したときに前記気体を噴射するように、前記気体噴射部を制御する制御部が、設けられていることを特徴とする塗膜形成装置である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記気体噴射手段が、前記塗布スリットの下方に設けられていることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記気体噴射手段が、噴射ノズル又は噴射スリットであることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載された発明において、前記気体噴射部が、前記塗布ノズル内部に全周にわたり設けられた環状の気体収容室と、前記塗布ノズルの内周面全周にわたり前記気体収容室と連通して開口された噴射スリットと、前記気体収容室に加圧気体を送り込む加圧気体供給源と、を有していることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載された発明において、前記気体噴射部が、前記噴射スリットの開口幅を変化させるシャッタ部材を有していることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明は、請求項3に記載された発明において、前記気体噴射部が、前記塗布ノズル内部にその全周に沿って設けられた環状の気体収容室と、前記塗布ノズルの内周面全周にわたり前記気体収容室と連通して開口された噴射スリットと、前記気体収容室内の気体を噴射させるピストンと、を有していることを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載された発明において、前記気体噴射部が、前記塗布スリットからの前記塗料の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて前記気体噴射部から気体を噴射させるように、前記制御部によって制御されていることを特徴とするものである。
請求項8に記載された発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載された発明において、前記塗料供給部が、前記塗布スリットからの前記塗料の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて前記塗料を引き戻すサックバック手段を有していることを特徴とするものである。
請求項9に記載された発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載された発明において、前記塗布スリットの開口幅方向と前記気体噴射部による気体の噴射方向とのなす角度が、0°以上且つ45°以下、であることを特徴とするものである。
請求項10に記載された発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載された塗膜形成装置により塗膜が形成されたことを特徴とする電子写真用定着部材である。
請求項11に記載された発明は、請求項10に記載された電子写真用定着部材を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項1、3に記載された発明によれば、塗布スリットから吐出された塗料を断ち切るように気体を噴射する気体噴射部が設けられ、気体噴射部には前記塗料の吐出方向と交差する方向に気体噴射手段(例えば、噴射ノズル又は噴射スリット)が設けられ、そして、塗布ノズルが被塗装物の上端部に到達したときに前記気体を噴射するように、気体噴射部を制御する制御部が設けられているので、塗膜形成時に被塗装物の上端部において、気体噴射部により噴射される気体により、塗布スリットから吐出された塗料の一部又は全部を断ち切って、該塗料を瞬時に消失させることができる。そのため、塗膜終端部が周方向に直線状に整うとともに、被塗装物への余剰塗料の付着による塗膜終端部における不連続な塗膜の形成を防止でき、被塗装物の端部カットの工程を削減できる。したがって、被塗装物の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができる。
請求項2、3に記載された発明によれば、気体噴射部が備える気体噴射手段(例えば、噴射ノズル又は噴射スリット)が、塗布スリットの下方に設けられているので、塗布スリットから吐出される塗料に対し下方から、即ち、塗料の落下方向と反対方向から、気体を吹き付けることができる。そのため、連続した塗装動作において、塗布スリットの開口部への余剰塗料の付着を防いで、該付着した余剰塗料による塗装開始時の塗料の吐出乱れを防ぐことができる。したがって、被塗装物の塗膜形成領域の始端部(塗膜始端部)におけるスジ欠陥を防止でき、塗布ノズルに付着した余剰塗料を落とすための洗浄工程を削減できる。よって、被塗装物の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができ、さらに、連続した塗装動作が可能となる。
請求項4に記載された発明によれば、気体噴射部が、塗布ノズル内部に全周にわたり設けられた環状の気体収容室と、塗布ノズルの内周面全周にわたり気体収容室と連通して開口された噴射スリットと、気体収容室に加圧気体を送り込む加圧気体供給源と、を有しているので、加圧気体供給源により気体収容室に加圧気体を送り込むことで、噴射スリットから円環状の気体を噴出することができ、塗布スリットから吐出された塗料を円環状に断ち切って、該塗料を瞬時に消失させることができる。そのため、塗膜終端部が周方向により平滑に直線状に整うとともに、被塗装物への余剰塗料の付着による塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できる。したがって、被塗装物の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができる。
請求項5に記載された発明によれば、気体噴射部が、塗布ノズル内部に全周にわたり設けられた環状の気体収容室と、塗布ノズルの内周面全周にわたり気体収容室と連通して開口された噴射スリットと、気体収容室に加圧気体を送り込む加圧気体供給源と、を有しており、さらに、噴射スリットの開口幅を変化させるシャッタ部材を有しているので、シャッタ部材により噴射スリットの開口幅を変更(調整)することで、加圧気体供給源により供給される加圧気体の流量を変更することなく、噴射スリットから噴射される気体の速度を制御できる。そのため、形成する塗膜の厚み毎に異なる、塗布スリットから吐出される塗料の量に応じて、該気体の速度を適切且つ容易に調整することが可能となる。そのため、塗膜終端部が周方向により平滑に直線状に整うとともに、被塗装物への余剰塗料の付着による塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できる。したがって、被塗装物の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができる。
請求項6に記載された発明によれば、気体噴射部が、塗布ノズル内部にその全周に沿って設けられた環状の気体収容室と、塗布ノズルの内周面全周にわたり気体収容室と連通して開口された噴射スリットと、気体収容室内の気体を噴射させるピストンと、を有しているので、ピストンによって気体収容室内の気体を押し出すことにより、噴射スリットから、より強く、より均一な円環状の気体を一気に噴射することができる。そのため、塗布スリットから吐出された塗料を円環状に、よりシャープに断ち切って、該塗料を瞬時に消失させることができる。そのため、塗膜終端部が周方向により平滑に直線状に整うとともに、被塗装物への余剰塗料の付着による塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できる。したがって、被塗装物の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができる。
請求項7に記載された発明によれば、制御部が、塗布スリットからの塗料の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて、気体噴射部から気体を噴射させるので、塗布スリットから吐出される余剰塗料の量を少なくすることができ、そのため、被塗装物及び塗布スリットの開口部への余剰塗料の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料の歩留まりを向上させることができる。
請求項8に記載された発明によれば、塗料供給部が、塗布スリットからの塗料の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて塗料を引き戻すサックバック手段を有しているので、塗布スリットから吐出された塗料を、サックバックにより塗布スリットに引き戻して、余剰塗料の量を少なくすることができる。そのため、被塗装物及び塗布スリットの開口部への余剰塗料の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料の歩留まりを向上させることができる。
請求項9に記載された発明によれば、塗布スリットの開口幅方向と気体噴射部の噴射方向とのなす角度が、0°以上且つ45°以下、であるので、気体噴射部から噴射された気体によって、塗布スリットの開口部に近い箇所で、塗料を断ち切ることができ、塗布スリットから吐出される余剰塗料を少なくすることができる。そのため、被塗装物及び塗布スリットの開口部への余剰塗料の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料の歩留まりを向上させることができる。
請求項10に記載された発明によれば、塗膜終端部において塗膜の連続性を確保した電子写真用定着部材を安価に提供できる。
請求項11に記載された発明によれば、均一な塗膜を備え且つ塗膜終端部において塗膜の連続性を確保した安価な電子写真用定着部材を有しているので、定着画像品質が良好で且つ電子写真用定着部材の立ち上がり時間を短縮でき省エネルギー化に貢献することができる画像形成装置を安価に提供することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明にかかる塗膜形成装置の第1の実施形態の概略の構成を示す斜視図である。図2は、図1中のII−II線に沿う断面図である。図3は図1に示す塗膜形成装置の一動作例を示すフローチャートである。図9は、図1に示された塗膜形成装置によって塗膜が形成されて得られる定着ローラ(定着部材)の斜視図である。図10は、図9中のXII−XII線に沿う断面図である。
図1は、本発明にかかる塗膜形成装置の第1の実施形態の概略の構成を示す斜視図である。図2は、図1中のII−II線に沿う断面図である。図3は図1に示す塗膜形成装置の一動作例を示すフローチャートである。図9は、図1に示された塗膜形成装置によって塗膜が形成されて得られる定着ローラ(定着部材)の斜視図である。図10は、図9中のXII−XII線に沿う断面図である。
図1に示す塗膜形成装置1Aは、コピー機などの画像形成装置を構成する定着ローラ2の基体4に、塗料7を塗布することにより、塗膜としての弾性層5を形成する装置である。
上記定着ローラ2は、転写紙にトナーを定着させる電子写真用定着部材として用いられるものであり、図9に示すように、円筒状に形成されている。また、この定着ローラ2は、図10に示すように、ポリイミド、Niなどを用いて円筒状に形成された基体4(即ち、被塗装物)と、プライマ(接着剤)層3と、シリコーンゴムなどの耐熱性ゴムで構成された弾性層5と、プライマ層3と、フッ素樹脂で構成された離型層6とが順に積層されて構成されている。弾性層5の厚みWは100〜300μm程度に形成されている。
また、この弾性層5は、図1に示す基体4の軸芯方向の一端部(塗膜形成装置1Aによって塗料7が塗布される際には下端部)4aから、基体4の軸芯方向の他端部(塗膜形成装置1Aによって塗料7が塗布される際には上端部)4bに亘って形成されている。つまり、下端部4aはその領域に塗膜始端部を含んでおり、上端部4bはその領域に塗膜終端部を含んでいる。このような定着ローラ2は、加熱された状態で、転写紙上に担持されたトナーを該転写紙に押圧して、このトナーを転写紙に定着させる。
塗料7は、シリコーンゴムと周知の溶媒とを混合して得られ、その粘度は、前述したプライマ層3や離型層6を形成する際に用いられる塗料の粘度より十分に大きくされている。そして、この塗料7は、塗膜形成装置1Aによって、表面にプライマ層3が形成された基体4の外表面、即ち、前述したプライマ層3上に塗布されて、前述した弾性層5を形成する。
この塗膜形成装置1Aは、図1に示すように、塗料供給部としての塗料供給ユニット10と、塗布ユニット11と、気体供給ユニット47と、制御部としての制御装置12とを備えている。この塗料供給ユニット10は、工場のフロア上などに設置されるユニット本体13と、複数の原液タンク14と、複数の汲み上げポンプ15と、混合機16と、図示しないサックバック弁と、を備えている。また、2本の配管40によって、混合機16と塗布ユニット11が備える塗布ノズル19(後述)とが互いに連結されている。
上記ユニット本体13は、箱状に形成されており、原液タンク14と汲み上げポンプ15とが、このユニット本体13内に収容されている。原液タンク14は、前述した塗料7の元となる液体を収容している。原液タンク14は、図示例では、二つ設けられている。また、汲み上げポンプ15は、原液タンク14内の液体を汲み上げて混合機16に供給する。汲み上げポンプ15は、一つの原液タンク14に対して一つ設けられている。
混合機16は、ユニット本体13の上面に設置され、かつ複数の原液タンク14から汲み上げポンプ15を介して前述した液体が供給される。混合機16は、複数の原液タンク14からの液体を混合して、前述した塗料7を生成する。そして、混合機16は、ボールネジを用いた定量吐出装置を備えており、配管40を介して塗布ノズル19に向けて塗料7を送り出す。この定量吐出装置には、塗料7を定量的に吐出させるための遅延弁が設けられており、該遅延弁により塗料7は吐出前に加圧され、所定の圧力を得た後に遅延弁が開放される。遅延弁の開放と同時に、塗布スリット19bから塗料7の吐出が開始される。実際に塗布ノズル19の塗布スリット19bから塗料7が吐出され始める遅延弁開放動作と、それに同期する塗布ノズル19の移動開始動作と、の差分時間Tdは、各構成において、実測などにより最適値を設定する。本実施形態では、実測により、1000≦Td≦3000[msec]の間にて設定している。これにより、塗膜始端部において、塗布スリット19bから吐出された塗料7が形成するカーテン状の塗料膜の先端部が、基体4の外周面の周方向に亘って均一に接触した後、ビードを形成することなく且つ該塗料膜を崩すことなく、塗布ノズル19の移動が開始され、均一な塗膜を形成することができる。
サックバック弁は、特許請求の範囲に記載したサックバック手段に相当し、配管40上に設けられ、混合機16による塗料7の送り出し停止に応じて、配管40内を減圧して、後述する塗布ノズル19の塗布スリット19bから吐出された余剰な塗料7を塗布ノズル19内に引き戻すとともに、惰性によって塗布ノズル19から塗料7が吐出されないようにする。なお、サックバック弁による減圧効果が必要以上に大きいと、減圧に伴い塗布スリット19内に過剰に外気が流入し、この流入した外気によって、次の塗装動作開始時点の塗料7の吐出に乱れが生じて、塗膜始端部にスジ欠陥を誘発して、塗装品質が悪化するという問題がある。よって、サックバック弁による減圧においては、塗布スリット19b内に空気が侵入しないように、その圧力が調整されている。なお、本実施形態のようにサックバック弁を設けることが好ましいが、それを設けない構成も可能である。また、サックバック弁を設ける代わりに、吐出停止時に定量吐出装置における塗料7の流動方向を逆転するなどしても良い。
塗布ユニット11は、フレーム17と、保持部18と、塗布ノズル19と、移動部20とを備えている。フレーム17は、工場のフロア上などに設置される台部21と、この台部21から上方に向かって延在した板状の延在板部22と、この延在板部22の上端部から水平方向に沿って延在した板状の上方板23とを備えている。この上方板23は、平板状に形成され、台部21と鉛直方向に沿って間隔をあけて相対している。
保持部18は、立設柱24と、上チャック25とを備えている。立設柱24は、円柱状に形成されるとともに、軸芯が鉛直方向と平行になる向きで台部21の上面から上方に向かって立設している。立設柱24は、基体4内に通されて、この基体4を保持する。また、立設柱24が基体4を保持すると、この立設柱24の外周面と基体4の内周面とが互いに密着する。また、立設柱24が基体4を保持すると、該基体4の軸芯P(図1中に一点鎖線で示す)が、鉛直方向と平行になる。このように、立設柱24即ち保持部18は、軸芯Pが鉛直方向と平行になるように基体4を保持する。
上チャック25は、チャックシリンダ26と、押さえ部材27とを有している。チャックシリンダ26は、シリンダ本体28と、このシリンダ本体28から突没自在なロッド29とを有している。このシリンダ本体28は、鉛直方向に沿って下方に向かってロッド29が伸長する状態で、上述した上方板23に取り付けられている。また、押さえ部材27は、厚手の円盤状に形成され、ロッド29の先端に取り付けられているとともに、立設柱24と同軸に配置されている。このような上チャック25は、チャックシリンダ26のロッド29が伸長すると、押さえ部材27が立設柱24に保持された基体4の上端部4bと当接して、立設柱24に対して基体4を位置決めする。また、上チャック25は、チャックシリンダ26のロッド29が縮小すると、押さえ部材27が基体4の上端部4bから離れて、基体4を立設柱24から着脱自在とする。
塗布ノズル19は、図2に示すように、円環状の空洞19a(以下、塗料収容室19aと呼ぶ)を備え、また、それ自身が円環状に形成されている。この塗料収容室19aには、混合機16から延びる2本の配管40が接続されており、前述した塗料供給ユニット10から塗料7が供給される。配管40は、塗布ノズル19内部への塗料7供給による圧力分布の不均一性を低減させるために、複数本(本実施形態では2本)が、塗布ノズル19に互いに間隔をあけて接続されることが望ましい(即ち、塗料収容室19aがマニホールドとなる)。塗布ノズル19は、移動部20によって、立設柱24と該立設柱24に保持された基体4などと同軸に配置されているとともに、前述した軸芯Pに沿って移動自在に支持されている。また、塗布ノズル19の内径は、立設柱24に保持された基体4の外径よりも大きい。即ち、塗布ノズル19の内周面30は、基体4の外周面4cと間隔CGをあけて相対しているとともに、保持部18に保持された基体4と同軸に配置されている。
また、塗布ノズル19の内周面30には、塗料収容室19aから塗布ノズル19外に連通した塗布スリット19bが、この塗布ノズル19の全周に亘って形成されている。また、塗布スリット19bの吐出口31が、塗布ノズル19の内周面30の一部を突出して形成されている。塗布ノズル19は、塗料供給ユニット10から塗料収容室19aに供給された塗料7を、塗布スリット19bの吐出口31を通して、保持部18の立設柱24などに保持された基体4の外周面4cに向かって水平方向に吐出する。この際、塗料7は塗布スリット19b全周から均一に吐出され、該吐出された塗料7が円錐状の塗料膜を形成する。また、本明細書では、この塗布スリット19bから吐出されて基体4の外周面4cに付着するまでの円錐状の塗料膜を「カーテン膜」と呼ぶ。
また、塗布ノズル19は、ガスを噴射するための管状の噴射ノズル42を、塗布スリット19bの吐出口31の下方に1つ備えている。噴射ノズル42は、そのガス噴射方向が塗布ノズル19の内周面30方向(即ち、塗布スリット19bの開口幅方向)に平行になるように配置されている。この噴射ノズル42は、配管46を介して気体供給ユニット47に接続された気体収容室44と、気体収容室44の上方に先細に設けられた噴射口42aと、を備えており、移動部20によって塗布ノズル19とともに鉛直方向に移動される。そして、噴射ノズル42は、塗装動作時において、塗布ノズル19が基体4の上端部4bに到達したときに、その先端の噴射口42aから後述の気体供給ユニット47によって供給された加圧されたガスを、カーテン膜の一点に向かって断ち切るように勢いよく噴射する。噴射ノズル42は、塗布ノズル19の内周面30に平行となるように、該ガスをカーテン膜に向かって噴射し(該ガスの噴射方向を図2中矢印R1で示す)、つまり、噴射されたガスの風圧のピークが塗布ノズル19の内周面30近傍に位置する。噴射ノズル42は、特許請求の範囲に記載した気体噴射手段に相当する。
このように、本発明では、塗布ノズル19が基体4の上端部4bに到達したとき、噴射ノズル42によって、塗布スリット19bから吐出された塗料7(カーテン膜)に向かって勢いよくガスを噴射するので、該ガスにより、該カーテン膜の一部を断ち切って、該塗料を瞬時に消失させることができる。そのため、塗膜終端部が周方向に直線状に整うとともに、基体4への余剰な塗料7の付着による塗膜終端部の不連続な塗膜を防止できる。また、噴射ノズル42が、塗布スリット19bの下方に設けられているので、該カーテン膜に対し下方から、気体を吹き付けることができる。そのため、連続した塗装動作において、塗布スリット19bの開口部(即ち、吐出口31及びその近傍)への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜始端部におけるスジ欠陥を防止できる。また、本実施形態においては、噴射ノズル42は1つのみ備えるものであり、少なくとも1つ備えることで上述した効果を得ることができるが、これに限定されるものではなく、複数の噴射ノズル42を備えても良い。例えば、複数の噴射ノズル42を塗布スリット19bの全周に沿って等間隔に配置することで、基体4の塗膜終端部を、その周方向により平滑な直線状に整えることが可能となる。
移動部20は、塗布ノズル支持板32と、リニアガイドと、モータと、リニアエンコーダと、を備えている。この塗布ノズル支持板32は、環状に形成され、かつ上面に塗布ノズル19を設置している。塗布ノズル支持板32は、内側に立設柱24を通して、台部21と上方板23との間に配置されている。また、リニアガイドは、塗布ノズル支持板32を鉛直方向に沿って移動自在に支持している。また、モータは、塗布ノズル支持板32を鉛直方向に沿って移動させる。即ち、モータは、塗布ノズル支持板32を鉛直方向に沿って昇降させる。また、リニアエンコーダは、塗布ノズル支持板32の位置を検出する。リニアエンコーダは、検出した塗布ノズル支持板32の位置を、制御装置12に向かって出力する。
このように、移動部20は、塗布ノズル支持板32を昇降させることで、立設柱24に保持された基体4と塗布ノズル19とを該基体4の軸芯Pに沿って相対的に移動させる。
気体供給ユニット47は、工場のフロア上などに設置される加圧気体供給源48と、この加圧気体供給源48と上述の噴射ノズル42とを互いに連結する配管46と、を備えている。加圧気体供給源48は、加圧された状態のガスを収容した収容部と、この収容部から配管46へのガス通路を開閉することができる開閉機構と、により構成されている。また、この開閉機構は、後述の制御装置12によりその開閉動作が制御されている。即ち、開閉機構は、制御部12からの指令により収容部内のガスを配管46を介して気体収容室44に供給したり、供給を停止したり、収容部から気体収容室44へのガス流量を調節したりする。また、上述した噴射ノズル42(即ち、気体収容部44及び噴射口42a)と、気体供給ユニット47とで、特許請求の範囲に記載した気体噴射部を構成している。
制御装置12は、特許請求の範囲に記載した制御部に相当し、周知のRAM、ROM、CPUなどを有したコンピュータである。この制御装置12は、塗料供給ユニット10と、塗布ユニット11と、気体供給ユニット47と、接続しており、これらを制御して、塗膜形成装置1A全体の制御を司る。即ち、制御装置12には、移動部20のリニアエンコーダからの情報が入力されるとともに、リニアエンコーダからの塗布ノズル19の位置に応じた情報に基づいて、以下に示すように、チャックシリンダ26と、移動部20のモータと、塗料供給ユニット10の汲み上げポンプ15,混合機16及びサックバック弁と、気体供給ユニット47の加圧気体供給源48と、などの動作を制御して、基体4の外周面4cに塗料7を塗布して、塗膜即ち弾性層5を形成する。
前述した構成の塗膜形成装置1Aは、まず、図3中のステップS1において、制御装置12が、塗料供給ユニット10を停止しておくとともに、チャックシリンダ26のロッド29を縮小させておく。さらに、制御装置12が、塗布ノズル19を移動部20によって移動させて、該塗布ノズル19を立設柱24に保持された基体4よりも上方の上原点位置に位置づけて、ステップS2に進む。
ステップS2では、立設柱24を基体4内に通して、該立設柱24の外周に基体4を保持する。さらに、制御装置12が、立設柱24が基体4を保持すると、チャックシリンダ26のロッド29を伸長して、押さえ部材27で基体4を位置決めして、ステップS3に進む。
ステップS3では、制御装置12が、移動部20によって塗布ノズル19を降下させて、塗布ノズル19の内周面30が基体4の下端部4aに相対する塗布開始位置に塗布ノズル19が位置すると、移動部20による降下を停止する。こうして、塗布ノズル19を基体4の下端部4aと相対させて、該塗布ノズル19の基体4に対する相対的な移動を停止して、ステップS4に進む。
ステップS4では、制御装置12が、塗料供給ユニット10によって、塗料7を塗布ノズル19に供給させて、該塗布ノズル19の塗布スリット19bから塗料7を基体4の下端部4aに向けて吐出させて、ステップS5とステップS7とステップS10とに進む。
ステップS7では、制御装置12が、塗料7の吐出開始からt秒経過して、スリット31から吐出した塗料7が基体4の下端部4aに付着した後、移動部20に塗布ノズル19を基体4に対して上昇(上端部4bに向かって移動)させて、ステップS8に進む。なお、時間t秒は、吐出開始から塗料7が基体4の下端部4aに付着するまでの時間である。
ステップS5では、制御装置12が、塗料7の吐出開始からt秒よりも遙かに長いT秒経過して、塗布スリット19bが基体4の上端部4bに位置付けられると、塗料供給ユニット10に塗料7の供給を停止させて(即ち、塗布スリット19bから塗料7の吐出を停止させて)、ステップS6に進む。
ステップS6では、制御装置12が、塗料7の吐出停止のT秒と同時又はそれより遅れたT1秒後に、吐出スリット19bから吐出された余剰な塗料7を引き戻すために、サックバック弁によって減圧を行い、ステップS11に進む。
ステップS8では、制御装置12が、塗料7の吐出開始から前述したt秒とT秒との双方よりも長いt1秒経過して、塗布スリット19bが基体4の上端部4bを通過したのち、移動部20を停止して、塗布ノズル19の基体4に対する上昇を一旦停止して、ステップS9に進む。
ステップS9では、制御装置12が、ステップS8で塗布ノズル19の上昇を一旦停止してから、再度、移動部20に塗布ノズル19を基体4に対して上昇させて、上原点位置まで移動させ、そして、ステップS11に進む。
ステップS10では、制御装置12が、塗料7の吐出停止のT秒と同時又はそれより遅れたU秒後に、加圧気体供給源48によって、噴射ノズル42に加圧されたガスを供給して、噴射口42aから該ガスを噴射させ、そして、ステップS11に進む。
ステップS11では、制御装置12が、塗布ノズル19が上原点位置に位置付けられると、チャックシリンダ26のロッド29を縮小して、押さえ部材27を基体4から離す。そして、弾性層5が形成された基体4を立設柱24から取り外し、弾性層5を形成する前の基体4を立設柱24に取り付けて、前述した工程と同様に、弾性層5を形成する。
このようにして、基体4の下端部4aと上端部4bとの双方にマスキングなどを施すことなく、該下端部4aと上端部4bとに亘って基体4の外周面4cに塗料7を塗布する。そして、塗料7内の溶媒が蒸発するなどして、基体4の外周面4cに塗膜としての弾性層5が形成される。そして、該基体4を付け換えることにより、連続して、弾性層5の塗布動作を行うことができる。なお、上述したステップS10が、特許請求の範囲に記載した制御部に相当する。また、上述した各時間の関係は以下のようになる。
吐出開始<ノズル上昇開始t<吐出停止T<ノズル上昇停止t1
吐出停止T≦サックバックT1
吐出停止T≦ガス噴射U
吐出開始<ノズル上昇開始t<吐出停止T<ノズル上昇停止t1
吐出停止T≦サックバックT1
吐出停止T≦ガス噴射U
以上より、本発明によれば、塗布スリット19bから吐出された塗料7(カーテン膜)を断ち切るようにガスを噴射する噴射ノズル42及び気体供給ユニット47が設けられ、噴射ノズル42が塗料7の吐出方向と交差する方向に設けられ、そして、塗布ノズル19が基体4の上端部4bに到達したときにガスを噴射するように、気体供給ユニット47を制御する制御装置12が、設けられているので、塗膜形成動作時に基体4の上端部4bにおいて、噴射ノズル42から噴射されるガスにより、塗布スリット19bから吐出された塗料7の一部を断ち切って、塗料7を瞬時に消失させることができる。そのため、塗膜終端部が周方向に直線状に整うとともに、基体4への余剰な塗料7の付着による塗膜終端部の不連続な塗膜(弾性層5)の形成を防止でき、基体4の端部カットの工程を削減できる。したがって、基体4の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができる。
また、噴射ノズル42が、塗布スリット19bの下方に設けられているので、塗布スリット19bから吐出される塗料7に対し下方から、即ち、塗料7の落下方向と反対方向から、ガスを吹き付けることができる。そのため、連続した塗装動作において、塗布スリット19bの開口部(即ち、吐出口31及びその近傍)への余剰な塗料7の付着を防いで、該付着した余剰塗料7による塗装開始時の塗料の吐出乱れを防ぐことができる。したがって、基体4の塗膜始端部におけるスジ欠陥を防止でき、塗布ノズル19に付着した余剰塗料を落とすための洗浄工程を削減できる。よって、基体4の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができ、さらに、連続した塗装動作が可能となる。
また、制御装置12が、塗布スリット19bからの塗料7の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて、噴射ノズル42からガスを噴射させるので、塗布スリット19bから吐出される余剰な塗料7の量を少なくすることができ、そのため、基体4及び塗布スリット19bの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
また、塗料供給ユニット47が、塗布スリット19bからの塗料7の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて塗料7を引き戻すサックバック弁を有しているので、塗布スリット19bから吐出された塗料7を、サックバックにより塗布スリット19bに引き戻して、余剰な塗料7の量を少なくすることができる。そのため、基体4及び塗布スリット19bの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
また、塗布ノズル19の内周面30(即ち、塗布スリット19bの開口幅方向)と噴射ノズル42の噴射方向とが平行(即ち、角度0)であるので、噴射ノズル42から噴射されたガスによって、塗布スリット19bの吐出口31に近い箇所で、塗料7を断ち切ることができ、塗布スリット19bから吐出される余剰な塗料7を少なくすることができる。そのため、基体4及び塗布スリットの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明に係る塗膜形成装置における第2の実施形態の要部を示す断面図である。同図において、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図4は、本発明に係る塗膜形成装置における第2の実施形態の要部を示す断面図である。同図において、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の塗膜形成装置1Bは、第1の実施形態で説明した塗膜形成装置1Aの噴射ノズル42の代わりに、図4に示す噴射ノズル42’を設けた構成である。
噴射ノズル42’は、図4に示すように、塗布ノズル19の塗布スリット19bの吐出口31の下方に位置づけられている。噴射ノズル42’は、配管46を介して気体供給ユニット47に接続された管状の気体収容室44と、気体収容室44の上方に軸芯P側に向かって、塗布スリット19bの内周面30方向(即ち、塗布スリット19bの開口幅方向)に対して45°に傾斜して設けられた先細の噴射口42aと、を備えている。また、噴射ノズル42’は、移動部20によって塗布ノズル19とともに鉛直方向に移動される。そして、噴射ノズル42’は、塗装動作時において、塗布ノズル19が基体4の上端部4bに到達したときに、その先端の噴射口42aから気体供給ユニット47によって供給された加圧されたガスを、カーテン膜の一点に向かって断ち切るように勢いよく噴射する。噴射ノズル42’は、塗布ノズル19の内周面30に対して45°の角度をなすように、該ガスをカーテン膜に向かって噴射する(該ガスの噴射方向を図4中矢印R2で示す)。また、上述した噴射ノズル42’(即ち、気体収容部44及び噴射口42a)と、気体供給ユニット47とで、特許請求の範囲に記載した気体噴射部を構成している。噴射ノズル42’は、特許請求の範囲に記載した気体噴射手段に相当する。
また、本実施形態においては、噴射ノズル42’は1つのみ備えるものであり、少なくとも1つ備えることで上述した効果を得ることができるが、これに限定されるものではなく、複数の噴射ノズル42’を備えても良い。例えば、複数の噴射ノズル42’を塗布スリット19bの全周に沿って等間隔に配置することで、基体4の塗膜終端部を、その周方向により平滑な直線状に整えることが可能となる。
以上より、本発明によれば、塗布スリット19bから吐出された塗料7(カーテン膜)を断ち切るようにガスを噴射する噴射ノズル42’及び気体供給ユニット47が設けられ、噴射ノズル42’が塗料7の吐出方向と交差する方向に設けられ、そして、塗布ノズル19が基体4の上端部4bに到達したときにガスを噴射するように、気体供給ユニット47を制御する制御装置12が、設けられているので、塗膜形成動作時に基体4の上端部4bにおいて、噴射ノズル42’から噴射されるガスにより、塗布スリット19bから吐出された塗料7の一部を断ち切って、塗料7を瞬時に消失させることができる。そのため、塗膜終端部が周方向に直線状に整うとともに、基体4への余剰な塗料7の付着による塗膜終端部の不連続な塗膜(弾性層5)の形成を防止でき、基体4の端部カットの工程を削減できる。したがって、基体4の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができる。
また、噴射ノズル42’が、塗布スリット19bの下方に設けられているので、塗布スリット19bから吐出される塗料7に対し下方から、即ち、塗料7の落下方向と反対方向から、ガスを吹き付けることができる。そのため、連続した塗装動作において、塗布スリット19bの開口部(即ち、吐出口31及びその近傍)への余剰な塗料7の付着を防いで、該付着した余剰塗料7による塗装開始時の塗料の吐出乱れを防ぐことができる。したがって、基体4の塗膜始端部におけるスジ欠陥を防止でき、塗布ノズル19に付着した余剰塗料を落とすための洗浄工程を削減できる。よって、基体4の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができ、さらに、連続した塗装動作が可能となる。
また、制御装置12が、塗布スリット19bからの塗料7の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて、噴射ノズル42’からガスを噴射させるので、塗布スリット19bから吐出される余剰な塗料7の量を少なくすることができ、そのため、基体4及び塗布スリット19bの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
また、塗料供給ユニット47が、塗布スリット19bからの塗料7の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて塗料7を引き戻すサックバック弁を有しているので、塗布スリット19bから吐出された塗料7を、サックバックにより塗布スリット19bに引き戻して、余剰な塗料7の量を少なくすることができる。そのため、基体4及び塗布スリット19bの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
また、塗布ノズル19の内周面30(即ち、塗布スリット19bの開口幅方向)と噴射ノズル42’の噴射方向とがなす角度が45°であるので、噴射ノズル42’から噴射されたガスによって、塗布スリット19bの吐出口31に近い箇所で、塗料7を断ち切ることができ、塗布スリット19bから吐出される余剰な塗料7を少なくすることができる。そのため、基体4及び塗布スリットの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
(第3の実施形態)
図5は、本発明に係る塗膜形成装置における第3の実施形態の要部を示す断面図である。同図において、前述した第1又は2の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図5は、本発明に係る塗膜形成装置における第3の実施形態の要部を示す断面図である。同図において、前述した第1又は2の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の塗膜形成装置1Cは、第1の実施形態で説明した塗膜形成装置1Aの噴射ノズル42の代わりに、図5に示す噴射ノズル42’’を設けた構成である。
噴射ノズル42’’は、図5に示すように、塗布ノズル19の塗布スリット19bの吐出口31の上方に位置づけられている。噴射ノズル42’’は、配管46を介して気体供給ユニット47に接続された管状の気体収容室44と、塗布スリット19bの内周面30方向(即ち、塗布スリット19bの開口幅方向)に対して平行(即ち、角度0)に設けられた先細の噴射口42aと、を備えている。また、噴射ノズル42’’は、移動部20によって塗布ノズル19とともに鉛直方向に移動される。そして、噴射ノズル42’’は、塗装動作時において、塗布ノズル19が基体4の上端部4bに到達したときに、その先端の噴射口42aから気体供給ユニット47によって供給された加圧されたガスを、カーテン膜の一点に向かって断ち切るように勢いよく噴射する。噴射ノズル42’’は、塗布ノズル19の内周面30に対して平行となるように、該ガスをカーテン膜に向かってその上方から噴射する(該ガスの噴射方向を図5中矢印R3で示す)。また、上述した噴射ノズル42’’(即ち、気体収容部44及び噴射口42a)と、気体供給ユニット47とで、特許請求の範囲に記載した気体噴射部を構成している。噴射ノズル42’’は、特許請求の範囲に記載した気体噴射手段に相当する。
また、本実施形態においては、噴射ノズル42’’は1つのみ備えるものであり、少なくとも1つ備えることで上述した効果を得ることができるが、これに限定されるものではなく、複数の噴射ノズル42’’を備えても良い。例えば、複数の噴射ノズル42’’を塗布スリット19bの全周に沿って等間隔に配置することで、基体4の塗膜終端部を、その周方向により平滑な直線状に整えることが可能となる。
以上より、本発明によれば、塗布スリット19bから吐出された塗料7(カーテン膜)を断ち切るようにガスを噴射する噴射ノズル42’’及び気体供給ユニット47が設けられ、噴射ノズル42’’が塗料7の吐出方向と交差する方向に設けられ、そして、塗布ノズル19が基体4の上端部4bに到達したときにガスを噴射するように、気体供給ユニット47を制御する制御装置12が、設けられているので、塗膜形成動作時に基体4の上端部4bにおいて、噴射ノズル42’’から噴射されるガスにより、塗布スリット19bから吐出された塗料7の一部を断ち切って、塗料7を瞬時に消失させることができる。そのため、塗膜終端部が周方向に直線状に整うとともに、基体4への余剰な塗料7の付着による塗膜終端部の不連続な塗膜(弾性層5)の形成を防止でき、基体4の端部カットの工程を削減できる。したがって、基体4の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができる。
また、制御装置12が、塗布スリット19bからの塗料7の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて、噴射ノズル42’’からガスを噴射させるので、塗布スリット19bから吐出される余剰な塗料7の量を少なくすることができ、そのため、基体4及び塗布スリット19bの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
また、塗料供給ユニット47が、塗布スリット19bからの塗料7の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて塗料7を引き戻すサックバック弁を有しているので、塗布スリット19bから吐出された塗料7を、サックバックにより塗布スリット19bに引き戻して、余剰な塗料7の量を少なくすることができる。そのため、基体4及び塗布スリット19bの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
また、塗布ノズル19の内周面30(即ち、塗布スリット19bの開口幅方向)と噴射ノズル42’’の噴射方向とが平行であるので、噴射ノズル42’’から噴射されたガスによって、塗布スリット19bの吐出口31に近い箇所で、塗料7を断ち切ることができ、塗布スリット19bから吐出される余剰な塗料7を少なくすることができる。そのため、基体4及び塗布スリットの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
(第4の実施形態)
図6は、本発明に係る塗膜形成装置における第4の実施形態の要部を示す断面図である。同図において、前述した第1〜3の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図6は、本発明に係る塗膜形成装置における第4の実施形態の要部を示す断面図である。同図において、前述した第1〜3の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の塗膜形成装置1Dは、第1の実施形態で説明した塗膜形成装置1Aの塗布ノズル19の代わりに、図6に示す塗布ノズル19’を設けた構成である。
塗膜形成装置1Dにおいて、塗布ノズル19’は、図6に示すように、円環状の空洞19a(以下、塗料収容室19aと呼ぶ)及び円環状の空洞44(以下、気体収容室44と呼ぶ)を有した円環状に形成されている。この塗料収容室19aは、気体収容室44よりも塗布ノズル19’の周方向外側に配されている。また、塗料収容室19aには、配管40を介して塗料供給ユニット10から塗料7が供給される。配管40は、塗布ノズル19’内部への塗料7供給による圧力分布の不均一性を低減させるために、複数本(本実施形態では2本)が、塗布ノズル19’に互いに間隔をあけて接続されることが望ましい。気体収容室44には、配管46を介して気体供給ユニット47から加圧されたガスが供給される。配管46は、気体収容室44内の気圧の不均一性を低減させるために、複数の配管46をそれぞれ等間隔になるよう設けるのが望ましい。塗布ノズル19’は、移動部20によって、立設柱24と該立設柱24に保持された基体4などと同軸に配置されているとともに、前述した軸芯Pに沿って移動自在に支持されている。また、塗布ノズル19’の内径は、立設柱24に保持された基体4の外径よりも大きい。即ち、塗布ノズル19’は、その内周面30が基体4の外周面4cと間隔CGをあけて相対しているとともに、保持部18に保持された基体4と同軸に配置されている。
また、上記塗布ノズル19’の内周面30には、塗料収容室19aから塗布ノズル19’外に連通した塗布スリット19bが、この塗布ノズル19’の全周に亘って形成されている。塗布ノズル19’は、塗料供給ユニット10から塗料収容室19aに供給された塗料7を、塗布スリット19bを通して保持部18の立設柱24などに保持された基体4の外周面4cに向かって水平方向に吐出する。この際、塗料7は、円錐状の塗料膜状(カーテン膜)に吐出される。
また、塗布スリット19bの吐出口31の下方には、気体収容室44から塗布ノズル19’外に連通した噴射スリット45が、この塗布ノズル19’の内周全周に亘って形成されている。この塗布ノズル19’は、気体供給ユニット47から気体収容室44に供給されたガスを、噴射スリット45からカーテン膜、に向かって噴射する(前記ガスの噴射方向を図6中矢印S1で示す)。この際、噴射スリット45から、カーテン膜の周方向全周に亘って均一に該ガスを噴射し、且つ、塗布スリット19bの吐出口31の近傍のカーテン膜に向かって該ガスを噴射する。また、噴射スリット45の噴射方向(図6中の矢印S1で示す)は、塗布ノズル19’の内周面30方向(即ち、塗布スリット19bの開口幅方向)に対して、0〜45°の角度をなすように設定されているのが好ましい。また、気体収容室44と、噴射スリット45と、気体供給ユニット47とで、特許請求の範囲に記載した気体噴射部を構成している。噴射スリット45は、特許請求の範囲に記載した気体噴射手段に相当する。
以上より、本発明によれば、塗布ノズル19’内部に全周にわたり設けられた環状の気体収容室44と、塗布ノズル19’の内周面30全周にわたり気体収容室44と連通して開口された噴射スリット45と、気体収容室44に加圧気体を送り込む加圧気体供給源48と、を有しているので、加圧気体供給源48により気体収容室44に加圧されたガスを送り込むことで、噴射スリット45から円環状のガスを噴出することができ、塗布スリット19bから吐出された塗料7を円環状に断ち切って、該塗料7(カーテン膜)を瞬時に消失させることができる。そのため、塗膜終端部が周方向により平滑に直線状に整うとともに、基体4への余剰な塗料7の付着による塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止でき、基体4の端部カットの工程を削減できる。したがって、基体4の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができる。
また、噴射スリット45が、塗布スリット19bの下方に設けられているので、塗布スリット19bから吐出される塗料7に対し下方から、即ち、塗料7の落下方向と反対方向から、ガスを吹き付けることができる。そのため、連続した塗装動作において、塗布スリット19bの開口部(即ち、吐出口31及びその近傍)への余剰な塗料7の付着を防いで、該付着した余剰塗料7による塗装開始時の塗料の吐出乱れを防ぐことができる。したがって、基体4の塗膜始端部におけるスジ欠陥を防止でき、塗布ノズル19’に付着した余剰塗料を落とすための洗浄工程を削減できる。よって、基体4の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができ、さらに、連続した塗装動作が可能となる。
また、制御装置12が、塗布スリット19bからの塗料7の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて、噴射スリット45からガスを噴射させるので、塗布スリット19bから吐出される余剰な塗料7の量を少なくすることができ、そのため、基体4及び塗布スリット19bの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
また、塗料供給ユニット47が、塗布スリット19bからの塗料7の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて塗料7を引き戻すサックバック弁を有しているので、塗布スリット19bから吐出された塗料7を、サックバックにより塗布スリット19bに引き戻して、余剰な塗料7の量を少なくすることができる。そのため、基体4及び塗布スリット19bの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
また、塗布ノズル19’の内周面30(即ち、塗布スリット19bの開口幅方向)と噴射スリット45の噴射方向とがなす角度が0〜45°の範囲にあるので、噴射スリット45から噴射されたガスによって、塗布スリット19bの吐出口31に近い箇所で、塗料7を断ち切ることができ、塗布スリット19bから吐出される余剰な塗料7を少なくすることができる。そのため、基体4及び塗布スリットの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
(第5の実施形態)
図7は、本発明に係る塗膜形成装置における第5の実施形態の要部を示す断面図である。同図において、前述した第1〜4の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図7は、本発明に係る塗膜形成装置における第5の実施形態の要部を示す断面図である。同図において、前述した第1〜4の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の塗膜形成装置1Eは、図7に示すように、第4の実施形態で説明した塗膜形成装置1Dの構成に加えて、噴射スリット45の開口部を開閉するシャッタ部材50をさらに備えている。
シャッタ部材50は、図7に示すように、噴射スリット45の開口部全周に沿う円環状に形成されているとともに、図示しない移動機構によりこの塗布ノズル19’の軸芯方向に沿って移動自在に支持されている。
この移動機構は、塗布ノズル19’の塗布スリット19bから吐出される塗料7の量(即ち、吐出量)に応じて、噴出スリット45の開口面積を変化させるようにシャッタ部材50を移動させ、そして、その移動が制御装置12により制御されている。そして、噴出スリット45の開口面積が変化することにより、噴出スリット45から噴射されるガスの流量(流速)が変更される。また、制御装置12には、基体4に形成する塗膜の厚みと、該塗膜の厚みに応じた塗料7の供給量(吐出量)と、該吐出量に応じたシャッタ部材50による噴射スリットの開口幅と、の関係を示すデータが記憶されており、それらデータに基づいてシャッタ部材50を移動させて、噴出スリット45の開口面積を調節する。また、上述した気体収容室44と、噴出スリット45と、気体供給ユニット47と、シャッタ部材50とで、特許請求の範囲に記載した気体噴射部を構成している。
以上より、本発明によれば、塗布ノズル19’内部に全周にわたり設けられた環状の気体収容室44と、塗布ノズル19’の内周面30全周にわたり気体収容室44と連通して開口された噴射スリット45と、気体収容室44に加圧気体を送り込む加圧気体供給源48と、を有しているので、加圧気体供給源48により気体収容室44に加圧されたガスを送り込むことで、噴射スリット45から円環状のガスを噴出することができ、塗布スリット19bから吐出された塗料7を円環状に断ち切って、該塗料7(カーテン膜)を瞬時に消失させることができる。そのため、塗膜終端部が周方向により平滑に直線状に整うとともに、基体4への余剰な塗料7の付着による塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止でき、基体4の端部カットの工程を削減できる。したがって、基体4の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができる。
また、噴射スリット45の開口幅を変化させるシャッタ部材50をさらに有しているので、シャッタ部材50により噴射スリット45の開口幅を変更(調整)することで、加圧気体供給源48により供給される加圧されたガスの流量を変更することなく、噴射スリット45から噴射されるガスの速度を制御できる。そのため、形成する塗膜(弾性層5)の厚み毎に異なる、塗布スリット19bから吐出される塗料7の量に応じて、該ガスの速度を適切且つ容易に調整することが可能となる。そのため、塗膜終端部が周方向により平滑に直線状に整うとともに、基体4への余剰塗料の付着による塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できる。したがって、基体4の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができる。
また、噴射スリット45が、塗布スリット19bの下方に設けられているので、塗布スリット19bから吐出される塗料7に対し下方から、即ち、塗料7の落下方向と反対方向から、ガスを吹き付けることができる。そのため、連続した塗装動作において、塗布スリット19bの開口部(即ち、吐出口31及びその近傍)への余剰な塗料7の付着を防いで、該付着した余剰塗料7による塗装開始時の塗料の吐出乱れを防ぐことができる。したがって、基体4の塗膜始端部におけるスジ欠陥を防止でき、塗布ノズル19’に付着した余剰塗料を落とすための洗浄工程を削減できる。よって、基体4の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができ、さらに、連続した塗装動作が可能となる。
また、制御装置12が、塗布スリット19bからの塗料7の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて、噴射スリット45からガスを噴射させるので、塗布スリット19bから吐出される余剰な塗料7の量を少なくすることができ、そのため、基体4及び塗布スリット19bの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
また、塗料供給ユニット47が、塗布スリット19bからの塗料7の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて塗料7を引き戻すサックバック弁を有しているので、塗布スリット19bから吐出された塗料7を、サックバックにより塗布スリット19bに引き戻して、余剰な塗料7の量を少なくすることができる。そのため、基体4及び塗布スリット19bの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
また、塗布ノズル19’の内周面30(即ち、塗布スリット19bの開口幅方向)と噴射スリット45の噴射方向とがなす角度が0〜45°の範囲にあるので、噴射スリット45から噴射されたガスによって、塗布スリット19bの吐出口31に近い箇所で、塗料7を断ち切ることができ、塗布スリット19bから吐出される余剰な塗料7を少なくすることができる。そのため、基体4及び塗布スリットの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
(第6の実施形態)
図8は、本発明に係る塗膜形成装置における第6の実施形態の要部を示す断面図である。同図において、前述した第1〜5の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図8は、本発明に係る塗膜形成装置における第6の実施形態の要部を示す断面図である。同図において、前述した第1〜5の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の塗膜形成装置1Fは、図8に示すように、第4の実施形態で説明した塗膜形成装置1Dの気体供給ユニット47の代わりに、ピストン60を備えた構成である。
ピストン60は、気体収容室44の内面に沿うように円環状に形成された移動部材61と、この移動部材61と図示しない移動機構とを互いに連結するロッド62と、を有している。この移動部材61は、前記移動機構により、気体収容室44内を上下に移動自在に支持されている。
移動部材61は、噴射スリット45から離れた位置から噴射スリット45に向かって近付く方向(即ち、図8の下方から上方に向かう方向)に高速で移動することにより、気体収容室44内の空気(気体)を噴射スリット45から一気に且つ円環状に均一に噴射させる。また、上述した気体収容室44と、噴射スリット45と、ピストン60と、気体供給ユニット47とで、特許請求の範囲に記載した気体噴射部を構成している。
以上より、本発明によれば、塗布ノズル19’内部にその全周に沿って設けられた環状の気体収容室44と、塗布ノズル19’の内周面30全周にわたり気体収容室44と連通して開口された噴射スリット45と、気体収容室44内の気体を噴射させるピストン60と、を有しているので、ピストン60によって気体収容室44内のガスを押し出すことにより、噴射スリット45から、より強く、より均一な円環状のガスを一気に噴射することができる。そのため、塗布スリット19bから吐出された塗料7を円環状に、よりシャープに断ち切って、該塗料7を瞬時に消失させることができる。そのため、塗膜終端部が周方向により平滑に直線状に整うとともに、基体4への余剰な塗料7の付着による塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止でき、基体4の端部カットの工程を削減できる。したがって、基体4の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができる。
また、噴射スリット45が、塗布スリット19bの下方に設けられているので、塗布スリット19bから吐出される塗料7に対し下方から、即ち、塗料7の落下方向と反対方向から、ガスを吹き付けることができる。そのため、連続した塗装動作において、塗布スリット19bの開口部(即ち、吐出口31及びその近傍)への余剰な塗料7の付着を防いで、該付着した余剰塗料7による塗装開始時の塗料の吐出乱れを防ぐことができる。したがって、基体4の塗膜始端部におけるスジ欠陥を防止でき、塗布ノズル19’に付着した余剰塗料を落とすための洗浄工程を削減できる。よって、基体4の塗膜形成時に発生する塗布不良を防止することができ、生産性を向上させることができ、さらに、連続した塗装動作が可能となる。
また、制御装置12が、塗布スリット19bからの塗料7の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて、噴射スリット45からガスを噴射させるので、塗布スリット19bから吐出される余剰な塗料7の量を少なくすることができ、そのため、基体4及び塗布スリット19bの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
また、塗料供給ユニット47が、塗布スリット19bからの塗料7の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて塗料7を引き戻すサックバック弁を有しているので、塗布スリット19bから吐出された塗料7を、サックバックにより塗布スリット19bに引き戻して、余剰な塗料7の量を少なくすることができる。そのため、基体4及び塗布スリット19bの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
また、塗布ノズル19’の内周面30(即ち、塗布スリット19bの開口幅方向)と噴射スリット45の噴射方向とがなす角度が0〜45°の範囲にあるので、噴射スリット45から噴射されたガスによって、塗布スリット19bの吐出口31に近い箇所で、塗料7を断ち切ることができ、塗布スリット19bから吐出される余剰な塗料7を少なくすることができる。そのため、基体4及び塗布スリットの開口部への余剰な塗料7の付着を防いで、塗膜終端部における不連続な塗膜の形成をより確実に防止できるとともに、塗膜始端部におけるスジ欠陥をより確実に防止できる。さらに、塗料7の歩留まりを向上させることができる。
また、上述した第1〜6の実施形態では、気体噴射手段(噴射ノズル又は噴射スリット)から噴射させる気体はガスであっても良く、空気であっても良い。即ち、本発明では、カーテン膜に吹きつけて、それを断ち切ることが可能な気体であれば如何なるものでも良い。
また、上述した第1〜6の実施形態では、定着ローラ2の弾性層5を形成する場合を示しているが、本発明は、定着ローラ2に限ることなく種々の被塗装物に塗膜を形成しても良いことは勿論である。
また、上述した第1〜6の実施形態では、基体4を固定して、塗布ノズル19、19’を移動させている。しかしながら、本発明では、塗布ノズル19、19’を固定して、基体4を移動させても良く、塗布ノズル19、19’と基体4との双方を移動させても良い。
また、上述した第1〜6の実施形態の塗膜形成装置を用いて、図9、図10に示す定着ローラ2の弾性層5を形成することにより、均一な厚みを備え且つ塗膜終端部において連続性を確保した弾性層5を効率よく形成することができ、つまり、定着ローラ2の生産性を高めて生産コストを低減させることができる。そのため、定着ローラ2を安価に提供することができる。
(画像形成装置の一実施形態)
図11は、本発明に係る塗膜形成装置において弾性層5を形成した定着ローラ2を備える画像形成装置の一実施形態を示す構成図である。
図11は、本発明に係る塗膜形成装置において弾性層5を形成した定着ローラ2を備える画像形成装置の一実施形態を示す構成図である。
画像形成装置101は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像則ちカラー画像を、一枚の転写材としての転写紙107に形成する。なお、イエロー、マゼンダ、シアン、黒の各色に対応するユニットなどを、以下、符号の末尾に各々Y、M、C、Kを付けて示す。
画像形成装置101は、図11に示すように、装置本体102と、給紙ユニット103と、レジストローラ対110と、転写ユニット104と、定着ユニット105と、複数のレーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kと、複数のプロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kとを少なくとも備えている。
装置本体102は、例えば、箱状に形成され、フロア上などに設置される。装置本体102は、給紙ユニット103と、レジストローラ対110と、転写ユニット104と、定着ユニット105と、複数のレーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kと、複数のプロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kを収容している。
給紙ユニット103は、装置本体102の下部に複数設けられている。給紙ユニット103は、前述した転写紙107を重ねて収容するとともに装置本体102に出し入れ自在な給紙カセット123と、給紙ローラ124とを備えている。給紙ローラ124は、給紙カセット123内の一番上の転写紙107に押し当てられている。給紙ローラ124は、前述した一番上の転写紙107を、転写ユニット104の後述する搬送ベルト129と、プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kが備える感光体ドラムとの間に送り出す。
レジストローラ対110は、給紙ユニット103から転写ユニット104に搬送される転写紙107の搬送経路に設けられており、一対のローラ110a、110bを備えている。レジストローラ対110は、一対のローラ110a、110b間に転写紙107を挟み込み、該挟み込んだ転写紙107を、トナー像を重ね合わせ得るタイミングで、転写ユニット104とプロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kとの間に送り出す。
転写ユニット104は、給紙ユニット103の上方に設けられている。転写ユニット104は、駆動ローラ127と、従動ローラ128と、搬送ベルト129と、転写ローラ130Y、130M、130C、130Kとを備えている。駆動ローラ127は、転写紙107の搬送方向の下流側に配置されており、駆動源としてのモータなどによって回転駆動される。従動ローラ128は、装置本体102に回転自在に支持されており、転写紙107の搬送方向の上流側に配置されている。搬送ベルト129は、無端環状に形成されており、前述した駆動ローラ127と従動ローラ128との双方に掛け渡されている。搬送ベルト129は、駆動ローラ127が回転駆動されることで、前述した駆動ローラ127と従動ローラ128との回りを図中半時計回りに循環(無端走行)する。
転写ローラ130Y、130M、130C、130Kは、それぞれ、プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kの感光体ドラムとの間に搬送ベルト129と該搬送ベルト129上の転写紙107とを挟む。転写ユニット104は、転写ローラ130Y、130M、130C、130Kが、給紙ユニット103から送り出された転写紙107を各プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kの感光体ドラムの外表面に押し付けて、感光体ドラム上のトナー像を転写紙107に転写する。転写ユニット104は、トナー像を転写した転写紙107を定着ユニット105に向けて送り出す。
定着ユニット105は、転写ユニット104の転写紙107の搬送方向下流に設けられ、互いの間に転写紙107を挟む一対のローラ2、2aを備えている。このローラ2が上述した定着ローラ2であり、ローラ2aが定着ローラ2に対して圧接する加圧ローラ(加圧部材)2aである。定着ユニット105は、一対のローラ2、2a間に転写ユニット104から送り出されてきた転写紙107を挟み込んで、押圧加熱することで、感光体ドラム108から転写紙107上に転写されたトナー像を、該転写紙107に定着させる。
レーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kは、それぞれ、装置本体102の上部に取り付けられている。レーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kは、それぞれ一つのプロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kに対応している。レーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kは、プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kが備える帯電ローラにより一様に帯電された感光体ドラムの外表面にレーザ光を照射して、静電潜像を形成する。
プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kは、それぞれ、転写ユニット104と、レーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kとの間に設けられている。プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kは、装置本体102に着脱自在である。プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kは、転写紙107の搬送方向に沿って、互いに並設されている。プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kは、帯電装置としての帯電ローラと、静電潜像担持体としての感光体ドラムと、クリーニング装置としてのクリーニングブレードと、現像装置と、を備えている。このため、画像形成装置101は、帯電ローラと、感光体ドラムと、クリーニングブレードと、現像装置と、を少なくとも備えている。
画像形成装置101は、以下に示すように、転写紙107に画像を形成する。まず、画像形成装置101は、感光体ドラムを回転して、この感光体ドラムの外表面を一様に帯電ローラにより帯電する。感光体ドラムの外表面にレーザ光を照射して、該感光体ドラムの外表面に静電潜像を形成する。そして、静電潜像が現像領域に位置付けられると、現像装置の備える現像スリーブの外表面に吸着した現像剤が感光体ドラムの外表面に吸着して、静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラムの外表面に形成する。
そして、画像形成装置101は、給紙ユニット103の給紙ローラ124などにより搬送されてきた転写紙107が、プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kの感光体ドラムと転写ユニット104の搬送ベルト129との間に位置して、感光体ドラムの外表面上に形成されたトナー像を転写紙107に転写する。画像形成装置101は、定着ユニット105で、転写紙107にトナー像を定着する。こうして、画像形成装置101は、転写紙107にカラー画像を形成する。
以上より、画像形成装置101に、上述した第1〜6の実施形態に示す塗膜形成装置を用いて弾性層5を形成した定着ローラ2を備えることにより、定着画像品質が良好で且つ定着ローラ2の立ち上がり時間を短縮でき省エネルギー化に貢献することができる画像形成装置を安価に提供することができる。
次に本発明者らは、気体噴射部の構成がそれぞれ異なる塗膜形成装置を用いて、基体への塗膜形成をおこない、塗膜終端部の連続性、及び、塗膜始端部のスジ欠陥の発生について実験を行った。その実験方法及び実験結果について、以下に示す。
(実験1)
(実施例1)
上述した第1の実施形態で示した塗膜形成装置1Aを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(実施例1)
上述した第1の実施形態で示した塗膜形成装置1Aを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(実施例3)
上述した第3の実施形態で示した塗膜形成装置1Cを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
上述した第3の実施形態で示した塗膜形成装置1Cを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(比較例1)
上述した第1の実施形態で示した塗膜形成装置1Aにおいて、噴射ノズル42を取り除いた塗膜形成装置(図示なし)を用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
上述した第1の実施形態で示した塗膜形成装置1Aにおいて、噴射ノズル42を取り除いた塗膜形成装置(図示なし)を用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(実験方法)
基体4として、直径60mm、膜厚90μm、長さ380mmのポリイミドを用い、基体4のカット寸法は両端から15mmとした。塗料7として、粘度30Pa・sの2液性高温硬化型液状シリコーンゴムを用いた。基体4の外表面に形成する塗膜(弾性層5)の目標厚みは、200μmとした。上述した実施例1、実施例3、比較例1の塗膜形成装置をそれぞれ用いて、塗布ノズル19の基体4に対する移動速度を100mm/sとし、塗装終了位置(即ち、上端部4b)付近において、塗布ノズル19の移動速度を減速させずに、気体噴射部によりガスを瞬間的に噴射して、塗布スリット19bから吐出された塗料7(カーテン膜)を断ち切って行う塗布作業を、20本の基体4に対して連続して実施した。また、連続した塗装動作において、各基体4の塗装間における塗布ノズルの洗浄は行わなかった。塗布終了後、塗膜を加熱して硬化させ、塗膜終端部の塗膜の連続性と塗膜始端部のスジ欠陥とを調べた。塗膜終端部の評価基準は、
◎:塗膜終端部が周方向に極めて平滑な直線状、且つ、不連続な塗膜なし
○:塗膜終端部が周方向に直線状、且つ、不連続な塗膜なし
×:不連続な塗膜あり
とした。また、塗膜始端部のスジ欠陥の評価については、最初にスジ欠陥が発生するまでの本数で行い、本数が少ないほど良好である(スジ欠陥は、一度発生すると以後発生頻度が顕著に増加するため)。その結果を表1に示す。
基体4として、直径60mm、膜厚90μm、長さ380mmのポリイミドを用い、基体4のカット寸法は両端から15mmとした。塗料7として、粘度30Pa・sの2液性高温硬化型液状シリコーンゴムを用いた。基体4の外表面に形成する塗膜(弾性層5)の目標厚みは、200μmとした。上述した実施例1、実施例3、比較例1の塗膜形成装置をそれぞれ用いて、塗布ノズル19の基体4に対する移動速度を100mm/sとし、塗装終了位置(即ち、上端部4b)付近において、塗布ノズル19の移動速度を減速させずに、気体噴射部によりガスを瞬間的に噴射して、塗布スリット19bから吐出された塗料7(カーテン膜)を断ち切って行う塗布作業を、20本の基体4に対して連続して実施した。また、連続した塗装動作において、各基体4の塗装間における塗布ノズルの洗浄は行わなかった。塗布終了後、塗膜を加熱して硬化させ、塗膜終端部の塗膜の連続性と塗膜始端部のスジ欠陥とを調べた。塗膜終端部の評価基準は、
◎:塗膜終端部が周方向に極めて平滑な直線状、且つ、不連続な塗膜なし
○:塗膜終端部が周方向に直線状、且つ、不連続な塗膜なし
×:不連続な塗膜あり
とした。また、塗膜始端部のスジ欠陥の評価については、最初にスジ欠陥が発生するまでの本数で行い、本数が少ないほど良好である(スジ欠陥は、一度発生すると以後発生頻度が顕著に増加するため)。その結果を表1に示す。
表1より、塗膜終端部における塗膜の連続性については、実施例1と実施例3とが良好であり、比較例1においては、不連続な塗膜が形成された。これは、実施例1と実施例3とは、噴射口42aから噴射されるガスにより、カーテン膜を断ち切って、該カーテン膜を瞬時に消失させたことにより、塗布スリット19から吐出された余剰な塗料7が、基体4に断続的に付着することを防止でき、塗膜終端部の連続性を保持できたことを示している。
また、塗膜始端部におけるスジ欠陥については、比較例1、実施例3において発生した。特に、実施例3においては、2本目、即ち、1本塗装する毎に塗布ノズル19の洗浄が必要なことを示している。これは、実施例3の結果は、カーテン膜の上方からガスを噴射しているので、カーテン膜の落下方向(塗装方向と反対方向)とガスの噴射方向が同一となり、余剰な塗料7の塗布スリット19bの開口部(即ち、吐出口31及びその近傍)への付着を増大させてしまったことによるものである。また、実施例1の結果は、カーテン膜の落下方向と反対方向(塗装方向)に向かってガスを噴射させているので、余剰な塗料7が、塗布スリット19bの開口部に付着する前に、サックバック弁による減圧効果により、塗布スリット19bへと引き戻されたことによるものである。
(実験2)
(実施例1(再掲))
上述した第1の実施形態で示した塗膜形成装置1Aを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(実施例1(再掲))
上述した第1の実施形態で示した塗膜形成装置1Aを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(実施例2)
上述した第2の実施形態で示した塗膜形成装置1Bを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
上述した第2の実施形態で示した塗膜形成装置1Bを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(比較例2)
上述した第2の実施形態で示した塗膜形成装置1Bにおいて、噴射ノズル42’の噴射口42aの角度を、塗布ノズル19の内周面30の方向に対して80°に設定した塗膜形成装置(図示なし)を用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
上述した第2の実施形態で示した塗膜形成装置1Bにおいて、噴射ノズル42’の噴射口42aの角度を、塗布ノズル19の内周面30の方向に対して80°に設定した塗膜形成装置(図示なし)を用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(実験方法)
基体4として、直径60mm、膜厚90μm、長さ380mmのポリイミドを用い、基体4のカット寸法は両端から15mmとした。塗料7として、粘度30Pa・sの2液性高温硬化型液状シリコーンゴムを用いた。基体4の外表面に形成する塗膜(弾性層5)の目標厚みは、200μmとした。上述した実施例1、実施例2、比較例2の塗膜形成装置をそれぞれ用いて、塗布ノズル19の基体4に対する移動速度を100mm/sとし、塗装終了位置(即ち、上端部4b)付近において、塗布ノズル19の移動速度を減速させずに、気体噴射部によりガスを瞬間的に噴射して、塗布スリット19bから吐出された塗料7(カーテン膜)を断ち切って行う塗布作業を、100本の基体4に対して連続して実施した。また、連続した塗装動作において、各基体4の塗装間における塗布ノズルの洗浄は行わなかった。塗布終了後、塗膜を加熱して硬化させ、塗膜終端部の塗膜の連続性と塗膜始端部のスジ欠陥とを調べた。塗膜終端部の評価基準は、
◎:塗膜終端部が周方向に極めて平滑な直線状、且つ、不連続な塗膜なし
○:塗膜終端部が周方向に直線状、且つ、不連続な塗膜なし
×:不連続な塗膜あり
とした。また、塗膜始端部のスジ欠陥の評価については、最初にスジ欠陥が発生するまでの本数で行い、本数が少ないほど良好である(スジ欠陥は、一度発生すると以後発生頻度が顕著に増加するため)。その結果を表2に示す。
基体4として、直径60mm、膜厚90μm、長さ380mmのポリイミドを用い、基体4のカット寸法は両端から15mmとした。塗料7として、粘度30Pa・sの2液性高温硬化型液状シリコーンゴムを用いた。基体4の外表面に形成する塗膜(弾性層5)の目標厚みは、200μmとした。上述した実施例1、実施例2、比較例2の塗膜形成装置をそれぞれ用いて、塗布ノズル19の基体4に対する移動速度を100mm/sとし、塗装終了位置(即ち、上端部4b)付近において、塗布ノズル19の移動速度を減速させずに、気体噴射部によりガスを瞬間的に噴射して、塗布スリット19bから吐出された塗料7(カーテン膜)を断ち切って行う塗布作業を、100本の基体4に対して連続して実施した。また、連続した塗装動作において、各基体4の塗装間における塗布ノズルの洗浄は行わなかった。塗布終了後、塗膜を加熱して硬化させ、塗膜終端部の塗膜の連続性と塗膜始端部のスジ欠陥とを調べた。塗膜終端部の評価基準は、
◎:塗膜終端部が周方向に極めて平滑な直線状、且つ、不連続な塗膜なし
○:塗膜終端部が周方向に直線状、且つ、不連続な塗膜なし
×:不連続な塗膜あり
とした。また、塗膜始端部のスジ欠陥の評価については、最初にスジ欠陥が発生するまでの本数で行い、本数が少ないほど良好である(スジ欠陥は、一度発生すると以後発生頻度が顕著に増加するため)。その結果を表2に示す。
表2より、塗膜終端部における塗膜の連続性については、いずれの構成においても良好な結果だった。一方、塗膜始端部におけるスジ欠陥については、比較例2で、早い段階(10本目)で発生した。この比較例2におけるスジ欠陥は、噴射スリット42から噴射するガスの噴射方向を、塗布ノズル19の内周面30方向(即ち、塗布スリット19bの幅方向)に対して、80°の角度をなすように設定することで、カーテン膜を断ち切る箇所が、基体4に近くなるので、塗布スリット19bから吐出された余剰な塗料7が多くなり、サックバック弁による減圧効果によっても塗布スリット19b内に引き戻しきれずに、塗布ノズル19の内周面30に付着してしまうことによるものである。
(実験3)
(実施例1(再掲))
上述した第1の実施形態で示した塗膜形成装置1Aを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(実施例4)
上述した第4の実施形態で示した塗膜形成装置1Dを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(実施例1(再掲))
上述した第1の実施形態で示した塗膜形成装置1Aを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(実施例4)
上述した第4の実施形態で示した塗膜形成装置1Dを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(実施例5)
上述した第5の実施形態で示した塗膜形成装置1Eを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
上述した第5の実施形態で示した塗膜形成装置1Eを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(実施例6)
上述した第6の実施形態で示した塗膜形成装置1Fを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
上述した第6の実施形態で示した塗膜形成装置1Fを用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(比較例1(再掲))
上述した第1の実施形態で示した塗膜形成装置1Aにおいて、噴射ノズル42を取り除いた塗膜形成装置(図示なし)を用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
上述した第1の実施形態で示した塗膜形成装置1Aにおいて、噴射ノズル42を取り除いた塗膜形成装置(図示なし)を用いて、基体4の外表面に塗料7を塗布して、弾性層5を形成した。
(実験方法)
基体4として、直径60mm、膜厚90μm、長さ380mmのポリイミドを用い、基体4のカット寸法は両端から15mmとした。塗料7として、粘度30Pa・sの2液性高温硬化型液状シリコーンゴムを用いた。基体4の外表面に形成する塗膜(弾性層5)の目標厚みは、200μmとした。上述した実施例1、実施例4、実施例5、実施例6、比較例1の塗膜形成装置をそれぞれ用いて、塗布ノズル19、19’の基体4に対する移動速度を100mm/sとし、塗装終了位置(即ち、上端部4b)付近において、塗布ノズル19、19’の移動速度を減速させずに、気体噴射部によりガスを瞬間的に噴射して、塗布スリット19bから吐出された塗料7(カーテン膜)を断ち切って行う塗布作業を、200本の基体4に対して連続して実施した。また、連続した塗装動作において、各基体4の塗装間における塗布ノズルの洗浄は行わなかった。塗布終了後、塗膜を加熱して硬化させ、塗膜終端部の塗膜の連続性と塗膜始端部のスジ欠陥とを調べた。塗膜終端部の評価基準は、
◎:塗膜終端部が周方向に極めて平滑な直線状、且つ、不連続な塗膜なし
○:塗膜終端部が周方向に直線状、且つ、不連続な塗膜なし
×:不連続な塗膜あり
とした。また、塗膜始端部のスジ欠陥の評価については、最初にスジ欠陥が発生するまでの本数で行い、本数が少ないほど良好である(スジ欠陥は、一度発生すると以後発生頻度が顕著に増加するため)。その結果を表3に示す。
基体4として、直径60mm、膜厚90μm、長さ380mmのポリイミドを用い、基体4のカット寸法は両端から15mmとした。塗料7として、粘度30Pa・sの2液性高温硬化型液状シリコーンゴムを用いた。基体4の外表面に形成する塗膜(弾性層5)の目標厚みは、200μmとした。上述した実施例1、実施例4、実施例5、実施例6、比較例1の塗膜形成装置をそれぞれ用いて、塗布ノズル19、19’の基体4に対する移動速度を100mm/sとし、塗装終了位置(即ち、上端部4b)付近において、塗布ノズル19、19’の移動速度を減速させずに、気体噴射部によりガスを瞬間的に噴射して、塗布スリット19bから吐出された塗料7(カーテン膜)を断ち切って行う塗布作業を、200本の基体4に対して連続して実施した。また、連続した塗装動作において、各基体4の塗装間における塗布ノズルの洗浄は行わなかった。塗布終了後、塗膜を加熱して硬化させ、塗膜終端部の塗膜の連続性と塗膜始端部のスジ欠陥とを調べた。塗膜終端部の評価基準は、
◎:塗膜終端部が周方向に極めて平滑な直線状、且つ、不連続な塗膜なし
○:塗膜終端部が周方向に直線状、且つ、不連続な塗膜なし
×:不連続な塗膜あり
とした。また、塗膜始端部のスジ欠陥の評価については、最初にスジ欠陥が発生するまでの本数で行い、本数が少ないほど良好である(スジ欠陥は、一度発生すると以後発生頻度が顕著に増加するため)。その結果を表3に示す。
表3より、塗膜終端部における塗膜の連続性ついては、比較例1以外はいずれも連続した塗膜が形成され、それら結果は良好だった。特に、実施例4〜6においては、塗膜終端部の端が周方向に極めて平滑な直線をなしていた。また、塗膜始端部のスジ欠陥については、実施例4〜6においては、実施した本数(200本)以内では、確認されなかった。以上の結果より、一カ所からガスを噴射して塗料を断ち切るよりも、塗布スリット19bの周方向に均一にガスを噴射させて円環状に塗料を断ち切る方が、より塗膜終端部は平滑になり、高速な塗装速度に対する余裕度も高くなることが判った。
したがって、塗布スリット19bから吐出される塗料7(カーテン膜)に対して、ガスを吹き付けることによって、塗膜終端部が周方向に直線状に整うとともに、塗布スリット19bから吐出された余剰な塗料7の付着による塗膜終端部における不連続な塗膜を防止できることが判った(実施例1〜6の構成)。さらに、ガスを円環状に均一に吹き付けることによって、塗膜終端部が周方向により平滑に直線状に整うとともに、塗膜終端部の不連続な塗膜をより確実に防止できることが判った(実施例4〜6の構成)。また、ガスを塗料7に対して下方から吹き付けることによって、塗布スリット19bの開口部(即ち、吐出口31及びその近傍)への余剰な塗料7の付着を防ぎ、塗膜始端部におけるスジ欠陥を防止できることが判った(実施例1、2、4〜6の構成)。
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本発明の塗膜形成装置は、例えば、複写機やファクシミリ、LBP等の画像形成装置において、定着、加圧、帯電、現像などに使用される円筒状部材(ベルトやチューブ)、円柱部材の塗装に応用可能である。
1A、1B、1C、1D、1E、1F 塗膜形成装置
2 定着ローラ(電子写真用定着部材)
4 基体(被塗装物)
4a 下端部(一端部、塗膜始端部)
4b 上端部(他端部、塗膜終端部)
4c 外周面
5 弾性層(塗膜)
7 塗料
10 塗料供給ユニット(塗料供給部)
12 制御装置(制御部)
18 保持部
19、19’ 塗布ノズル
19b 塗布スリット
20 移動部
30 内周面
42、42’、42’’ 噴射ノズル(気体噴射部(気体噴射手段))
42a 噴射口(気体噴射部)
44 気体収容室(気体噴射部)
45 噴射スリット(気体噴射部(気体噴射手段))
48 加圧気体供給源(気体噴射部)
50 シャッタ部材(気体噴射部)
60 ピストン(気体噴射部)
101 画像形成装置
2 定着ローラ(電子写真用定着部材)
4 基体(被塗装物)
4a 下端部(一端部、塗膜始端部)
4b 上端部(他端部、塗膜終端部)
4c 外周面
5 弾性層(塗膜)
7 塗料
10 塗料供給ユニット(塗料供給部)
12 制御装置(制御部)
18 保持部
19、19’ 塗布ノズル
19b 塗布スリット
20 移動部
30 内周面
42、42’、42’’ 噴射ノズル(気体噴射部(気体噴射手段))
42a 噴射口(気体噴射部)
44 気体収容室(気体噴射部)
45 噴射スリット(気体噴射部(気体噴射手段))
48 加圧気体供給源(気体噴射部)
50 シャッタ部材(気体噴射部)
60 ピストン(気体噴射部)
101 画像形成装置
Claims (11)
- 外周面に塗料が塗布される円筒状の被塗装物を、その外周面が露出され且つその軸芯が鉛直とされた状態で、保持する保持部と、円環状に形成され且つ内周面が前記被塗装物の外周面と間隔をあけて相対するように、前記保持部に保持された被塗装物と同軸に配置された塗布ノズルと、前記塗布ノズルの内周面全周に亘って配設された、前記塗料が吐出される、塗布スリットと、前記塗布ノズルを前記被塗装物の下端部から上端部まで前記軸芯に沿って相対的に移動させる移動部と、前記塗布スリットから吐出される前記塗料を供給する塗料供給部と、を有する塗膜形成装置において、
(イ)前記塗布スリットから吐出された前記塗料を断ち切るように気体を噴射する気体噴射部が、設けられ、
(ロ)前記気体噴射部には前記塗料の吐出方向と交差する方向に気体噴射手段が、設けられ、そして、
(ハ)前記塗布ノズルが前記被塗装物の上端部に到達したときに前記気体を噴射するように、前記気体噴射部を制御する制御部が、設けられている
ことを特徴とする塗膜形成装置。 - 前記気体噴射手段が、前記塗布スリットの下方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の塗膜形成装置。
- 前記気体噴射手段が、噴射ノズル又は噴射スリットであることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗膜形成装置。
- 前記気体噴射部が、前記塗布ノズル内部に全周にわたり設けられた環状の気体収容室と、前記塗布ノズルの内周面全周にわたり前記気体収容室と連通して開口された噴射スリットと、前記気体収容室に加圧気体を送り込む加圧気体供給源と、を有していることを特徴とする請求項3に記載の塗膜形成装置。
- 前記気体噴射部が、前記噴射スリットの開口幅を変化させるシャッタ部材を有していることを特徴とする請求項4に記載の塗膜形成装置。
- 前記気体噴射部が、前記塗布ノズル内部にその全周に沿って設けられた環状の気体収容室と、前記塗布ノズルの内周面全周にわたり前記気体収容室と連通して開口された噴射スリットと、前記気体収容室内の気体を噴射させるピストンと、を有していることを特徴とする請求項3に記載の塗膜形成装置。
- 前記気体噴射部が、前記塗布スリットからの前記塗料の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて前記気体噴射部から気体を噴射させるように、前記制御部によって制御されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗膜形成装置。
- 前記塗料供給部が、前記塗布スリットからの前記塗料の吐出停止と同時又は吐出停止に遅れて前記塗料を引き戻すサックバック手段を有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の塗膜形成装置。
- 前記塗布スリットの開口幅方向と前記気体噴射部による気体の噴射方向とのなす角度が、0°以上且つ45°以下、であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の塗膜形成装置。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載された塗膜形成装置により塗膜が形成されたことを特徴とする電子写真用定着部材。
- 請求項10に記載された電子写真用定着部材を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007326083A JP2009150917A (ja) | 2007-12-18 | 2007-12-18 | 塗膜形成装置、その塗膜形成装置により塗膜が形成された電子写真用定着部材、その電子写真用定着部材を有した画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007326083A JP2009150917A (ja) | 2007-12-18 | 2007-12-18 | 塗膜形成装置、その塗膜形成装置により塗膜が形成された電子写真用定着部材、その電子写真用定着部材を有した画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009150917A true JP2009150917A (ja) | 2009-07-09 |
Family
ID=40920146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007326083A Withdrawn JP2009150917A (ja) | 2007-12-18 | 2007-12-18 | 塗膜形成装置、その塗膜形成装置により塗膜が形成された電子写真用定着部材、その電子写真用定着部材を有した画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009150917A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012106170A (ja) * | 2010-11-16 | 2012-06-07 | Canon Inc | 液体塗布装置及び液体塗布方法 |
JP2015176897A (ja) * | 2014-03-13 | 2015-10-05 | 東京エレクトロン株式会社 | 成膜処理装置、成膜処理方法及び記録媒体 |
-
2007
- 2007-12-18 JP JP2007326083A patent/JP2009150917A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012106170A (ja) * | 2010-11-16 | 2012-06-07 | Canon Inc | 液体塗布装置及び液体塗布方法 |
JP2015176897A (ja) * | 2014-03-13 | 2015-10-05 | 東京エレクトロン株式会社 | 成膜処理装置、成膜処理方法及び記録媒体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4892413B2 (ja) | 円筒状部材の内外面同時カーテン塗装方法、及び、円筒状部材の内外面同時カーテン塗装装置 | |
JP5589457B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2008161835A (ja) | 塗膜形成装置、その塗膜形成装置により形成された電子写真用定着部材、その電子写真用定着部材を有した画像形成装置 | |
JP2009150917A (ja) | 塗膜形成装置、その塗膜形成装置により塗膜が形成された電子写真用定着部材、その電子写真用定着部材を有した画像形成装置 | |
JP4072997B2 (ja) | 円筒体表面への塗工方法 | |
JP5476767B2 (ja) | 画像形成装置、泡塗布装置 | |
JP2005152830A (ja) | リング状塗布装置及びリング状塗布装置による塗布方法 | |
JP2006007198A (ja) | 塗布装置、管状物の製造方法及び管状物 | |
JP2024005923A (ja) | 液体噴霧装置 | |
JP2012000529A (ja) | 塗膜形成装置、その塗膜形成装置により塗膜が形成された電子写真用定着部材、その電子写真用定着部材を有した画像形成装置 | |
JP5803113B2 (ja) | 画像形成装置及び処理液塗布装置 | |
JPWO2008149652A1 (ja) | 塗布装置 | |
JP2013166089A (ja) | 塗料塗布方法及び塗装装置 | |
JP4923820B2 (ja) | 機能性材料塗布装置、及び機能性材料塗布方法 | |
JP5549490B2 (ja) | 塗膜形成装置 | |
JP2004113943A (ja) | 塗布膜形成装置、塗布膜形成方法および該塗布膜形成方法により製造した画像形成装置の機能部品 | |
JP2008049567A (ja) | 無端ベルト製造方法、この方法によって製造された無端ベルト、この無端ベルトを使用した画像形成装置及び無端ベルトの製造装置 | |
JP2011178113A (ja) | 画像形成装置及び処理液塗布装置 | |
JP2005087955A (ja) | 塗膜形成方法及びその装置 | |
JP5589704B2 (ja) | 画像形成装置 | |
US10976689B2 (en) | Intermediate transfer member, method for manufacturing intermediate transfer member, and image forming apparatus | |
JP5581821B2 (ja) | 画像形成装置及び処理液塗布装置 | |
JP6132709B2 (ja) | シート剥離装置及び画像形成装置 | |
JP2024005922A (ja) | 印刷装置 | |
JP2014018970A (ja) | チューブ被覆体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110301 |