JP4315786B2 - 基板処理装置およびスリットノズルへの処理液の充填方法 - Google Patents

基板処理装置およびスリットノズルへの処理液の充填方法 Download PDF

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本発明は、液晶用ガラス基板、半導体ウエハ、フィルム液晶用フレキシブル基板、フォトマスク用基板、カラーフィルター用基板等の各種基板に対し、主にその表面に処理液を塗布する塗布処理を行う基板処理装置に関する。
液晶用ガラス基板、半導体ウエハ、フィルム液晶用フレキシブル基板、フォトマスク用基板、カラーフィルター用基板等、各種基板の表面にフォトレジスト等の処理液を塗布する塗布処理装置としては、スリット状の吐出部を有するスリットノズルを用いてスリットコートを行うスリットコータや、一旦スリットコートを施してから、スピンコートするスリット&スピンコータが公知である。
こうした塗布処理装置のスリットノズルにおいては、フォトレジスト等の処理液の内部に、気体(主としてエアー)が気泡等として混入することがある。例えば、エアーが混入するのは次のような場合である。
・ノズル内部の圧力変動やバルブ開閉時の圧力変動によってレジスト自体から発生する場合;
・塗布終了時に膜厚を一定化させる為のサックバック処理時にノズル吐出口から混入する場合;
・装置初期セットアップ時にノズル内部にレジストを充填する場合。
そして、エアーの混入は、以下のような不具合を発生させる。
・エアーとレジストが反応してゲル状物質がノズル内で形成される事によりスリットから均一な吐出が出来なくなりスジ状の塗布ムラが発生する;
・エアーが混入する事により塗布開始時の吐出流量の一次遅れが発生して塗布開始時の膜厚が不安定になる;
・エアーが混入する事により塗布終了時は、逆にレジスト吐出停止の遅れが発生して膜厚が不安定になる;
・エアーが混入する事によりノズル内部のレジスト動圧分布が変化して放射状のムラを発生させる。
これらの不具合を回避するためには、ノズル内部のエアー抜きを的確かつ敏速に行う必要がある。こうした的確かつ敏速なエアー抜きを目的とする技術は、すでに公知である(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
また、スリットノズルの吐出口と該スリットノズルにレジストを供給するポンプとの間にエアー等が滞留することにより、塗布開始時と塗布終了時に該エアーの圧縮及び緩和が生じ、これによりレジストの吐出流量が変動してしまい、開始端と終了端における塗布膜の均一性が悪くなることがある。これを回避するために、レジストを供給するポンプの動作とレジストの吐出量との伝達関数に基づいて、ポンプの動作を制御することにより、塗布膜の膜厚の均一性を維持する技術も、既に公知である(例えば、特許文献3参照。)。
特開平7−328510号公報 特開平9−253556号公報 特開2003−181360号公報
特許文献1および特許文献2に記載されたスリットコータでは、スリットノズルを上向きにしてレジストを吐出することによりスリットノズル内部のエアーを抜き取る手法を採用している。しかし、この手法には、以下のような問題点がある。
・スリットノズルを反転させてエアー抜きを行う為、スリットノズル取り付け部の構造が複雑になる;
・エアー抜き完了後のスリットノズル本体と基板面との位置決めの再現性が得られないので、スリットノズル調整用の原点復帰動作が必要になる;
・微小体積のエアーがスリットノズル内部に混入した場合であっても、スリットノズルを反転させてスリットノズル内部の全体積に相当するレジストを吐出する必要があり面倒である;
・スリットノズルを上に向けた状態でレジストを吐出してエアー抜きを実施する為、吐出されたレジストを拭き取る作業が発生するが、この作業は非常に困難であり、綺麗にレジストを拭き取れないために装置が汚染される;
・スリットノズル内部のエアーが完全に抜けているかどうかの検出手段が設けられていないため、十分エアーを抜くために必要以上のレジストを吐出する必要がある。
また、特許文献3には、エアーの混入の検知を行う技術については開示されているものの、エアーの混入そのものを回避するための技術については開示がない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、処理液に気体を混入させることなくスリットノズルに処理液を供給する塗布処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板を保持する保持台と、所定の処理液を吐出する吐出口を備えるスリットノズルと、供給経路を介して、前記吐出口から前記所定の処理液を吐出させる吐出手段と、前記スリットノズルを前記基板の表面に沿った略水平方向に移動させる移動手段と、を備え、前記スリットノズルを前記略水平方向に移動させることによって前記スリットノズルに前記基板の表面を走査させつつ、前記所定の処理液を吐出させることにより、前記所定の処理液を基板に塗布する基板処理装置であって、前記所定の処理液を貯留する貯留容器と、前記スリットノズル内部前記処理液を排出経路を通じて吸引する吸引手段と、前記吐出手段および前記吸引手段の動作を制御する制御手段と、をさらに備え、前記吐出手段は所定の処理液供給源から前記所定の処理液を前記スリットノズルに供給する処理液供給手段を兼ねており、前記制御手段は、前記吐出手段を作動させることにより、いったん前記供給経路を介して前記スリットノズルに供給された前記所定の処理液を、前記吐出口から前記貯留容器に流出させ、続いて、前記スリットノズルの吐出口を前記貯留容器に貯留されている前記所定の処理液に浸漬した状態で前記吸引手段を作動させることにより、前記スリット内部の前記所定の処理液を前記排出経路に排出するとともに、前記貯留容器に貯留された前記所定の処理液を前記吐出口から前記スリットノズルの内部に充填させる、ことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記処理液供給手段は、前記所定の処理液と、所定の前処理液供給源から取得され前記所定の処理液よりも前記スリットノズルに対するぬれ性がよい前処理液とを選択的に供給可能である、ことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の基板処理装置であって、前記前処理液を前記スリットノズルの内部に充填させた後に、前記所定の処理液にて前記前処理液を置換することにより前記スリットノズルの内部に前記所定の処理液を充填する、ことを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載の基板処理装置であって、前記前処理液は前記所定の処理液に含まれる成分であることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項2または請求項3に記載の基板処理装置であって、前記前処理液は前記所定の処理液の低粘度液であることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、所定の移動手段によって移動させられることにより被処理体の表面を走査しつつ、所定の吐出手段によって所定の処理液を吐出口から吐出することによって、前記被処理体に前記所定の処理液を付与するスリットノズル、への前記所定の処理液の充填方法であって、前記スリットノズルにいったん供給され、前記所定の処理液を前記吐出口から流出させることによって、前記所定の処理液を所定の貯留容器に貯留する貯留工程と、前記貯留工程を実行した後に、前記スリットノズルの吐出口を前記貯留容器に貯留されている前記所定の処理液に浸漬させる工程と、前記吐出口が前記所定の処理液に浸漬された状態で、前記貯留工程により気体の混入が解消された前記処理液を吸引することにより、前記貯留容器に貯留された前記所定の処理液を前記吐出口から前記スリットノズルの内部に充填する充填工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の充填方法であって、所定の前処理液供給源から前記所定の処理液よりも前記スリットノズルに対するぬれ性がよい前処理液を取得し前記スリットノズルに供給する前処理液供給工程、をさらに含み、前記前処理液を前記スリットノズルの内部に充填させた後に、前記所定の処理液にて前記前処理液を置換することにより前記スリットノズルの内部に前記所定の処理液を充填する、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項7の発明によれば、あらかじめ吐出口を処理液に浸漬した状態でスリットノズルに処理液を充填するので、スリットノズルの内部への気泡の混入が生じにくく、気泡が混入したとしても吸引されて除去されるので、充填される処理液における気泡の混入度合を低減することができる。
また請求項1ないし請求項7の発明によれば、処理液をいったんスリットノズルの内部に充填させたうえで吐出口から貯留容器へと流出させるので、処理液に気泡が混入していても、処理液が吐出口から順次に排出される際に消滅したり、あるいは貯留された処理液の液面から消失することが容易となる。また、貯留容器に処理液を貯留するための供給経路を設ける必要がない。
請求項2ないし請求項5の発明によれば、処理液の充填に先立ってぬれ性のよい前処理液を供給することができるので、内面が十分にぬれた状態とされたスリットノズルの内部に対して、処理液を供給することができる。
請求項3および請求項7の発明は、前処理液によって内面が十分にぬれた状態とされたスリットノズルの内部に対して、処理液を供給していることから、スリットノズルの内面と処理液との界面において気泡の介在が生じることなく、処理液がスリットノズルの内部に充填される。

<第1の実施の形態>
<全体構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置1の概略を示す斜視図である。図2は、基板処理装置1の本体2の側断面を示すと共に、レジスト液の塗布動作に係る主たる構成要素を示す図である。
基板処理装置1は、本体2と制御系6とに大別され、液晶表示装置の画面パネルを製造するための角形ガラス基板を被処理基板(以下、単に「基板」と称する)90としており、基板90の表面に形成された電極層などを選択的にエッチングするプロセスにおいて、基板90の表面に処理液としてのレジスト液を塗布する塗布処理装置として構成されている。したがって、この実施の形態では、スリットノズル41はレジスト液を吐出するようになっている。なお、基板処理装置1は、液晶表示装置用のガラス基板だけでなく、一般に、フラットパネルディスプレイ用の種々の基板に処理液(薬液)を塗布する装置として変形利用することもできる。
本体2は、基板90を載置して保持するための保持台として機能するとともに、付属する各機構の基台としても機能するステージ3を備える。ステージ3は直方体形状を有する例えば一体の石製であり、その上面(保持面30)および側面は平坦面に加工されている。
ステージ3の上面は水平面とされており、基板90の保持面30となっている。保持面30には図示しない多数の真空吸着口が分布して形成されており、基板処理装置1において基板90を処理する間、基板90を吸着することにより、基板90を所定の水平位置に保持する。また、保持面30には、図示しない駆動手段によって上下に昇降自在な複数のリフトピンLPが、適宜の間隔をおいて設けられている。リフトピンLPは、基板90を取り除く際に基板90を押し上げるために用いられる。
保持面30のうち基板90の保持エリア(基板90が保持される領域)を挟んだ両端部には、略水平方向に平行に伸びる一対の走行レール31が固設される。走行レール31は、架橋構造4の両端部の最下方に固設される図示しない支持ブロックとともに、架橋構造4の移動を案内し(移動方向を所定の方向に規定する)、架橋構造4を保持面30の上方に支持するリニアガイドを構成する。
ステージ3の上方には、このステージ3の両側部分から略水平に掛け渡された架橋構造4が設けられている。架橋構造4は、例えばカーボンファイバ補強樹脂を骨材とするノズル支持部40と、その両端を支持する昇降機構43,44とから主に構成される。
ノズル支持部40には、スリットノズル41とギャップセンサ42とが取り付けられている。
図1においてY軸方向に長手方向を有するスリットノズル41には、図1においては図示しない、スリットノズル41へレジスト液を供給する配管やレジスト用ポンプなどを含む供給機構9(図2)が接続されている。基板90の表面を走査しつつ、レジスト用ポンプにより供給されたレジスト液を、基板90の表面の所定の領域(以下、「レジスト塗布領域」と称する。)に吐出することにより、スリットノズル41は基板90にレジスト液を塗布する。ここで、レジスト塗布領域とは、基板90の表面のうちでレジスト液を塗布しようとする領域であって、通常、基板90の全面積から、端縁に沿った所定幅の領域を除いた領域である。スリットノズル41と供給機構9とについての詳細は、後述する。
ギャップセンサ42は、スリットノズル41の近傍となるよう、ノズル支持部40に取り付けられ、下方の存在物(例えば、基板90の表面や、レジスト膜の表面)との間の高低差(ギャップ)を測定して、測定結果を制御系6に伝達する。これにより、制御系6はギャップセンサ42の測定結果に基づいて、上記存在物とスリットノズル41との距離を制御できる。
昇降機構43,44は、スリットノズル41の両側に分かれて、ノズル支持部40によりスリットノズル41と連結されている。昇降機構43,44は主にACサーボモータ43a,44aおよび図示しないボールネジからなり、制御系6からの制御信号に基づいて、架橋構造4の昇降駆動力を生成する。これにより、昇降機構43,44は、スリットノズル41を並進的に昇降させる。また、昇降機構43,44は、スリットノズル41のYZ平面内での姿勢を調整するためにも用いられる。
架橋構造4の両端部には、ステージ3の両側の縁側に沿って、それぞれ固定子(ステータ)50aと移動子50bおよび固定子51aと移動子51bを備える一対のACコアレスリニアモータ(以下、単に、「リニアモータ」と略する。)50,51が、それぞれ固設される。また、架橋構造4の両端部には、それぞれスケール部と検出子とを備えたリニアエンコーダ52,53が、それぞれ固設される。リニアエンコーダ52,53は、リニアモータ50,51の位置を検出する。これらリニアモータ50,51とリニアエンコーダ52,53とが主として、架橋構造4が走行レール31に案内されつつステージ3上を移動するための走行機構5を構成する。すなわち、走行機構5は、架橋構造を基板90の表面に沿った略水平方向に移動させる移動手段として作用する。リニアエンコーダ52,53からの検出結果に基づいて、制御系6がリニアモータ50の動作を制御することにより、ステージ3上における架橋構造4の移動、つまりはスリットノズル41による基板90の走査が制御される。
本体2の保持面30において、保持エリアの(−X)方向側には、開口32が設けられている。開口32はスリットノズル41と同じくY軸方向に長手方向を有し、かつ該長手方向長さはスリットノズル41の長手方向長さとほぼ同じである。また、開口32の下方の本体2の内部には、充填ポットPT1と、待機ポットPT2と、ノズル洗浄機構7と、プリ塗布機構13とが設けられている。これらはいずれも、基板90へのレジスト液の塗布に先立って行われる、レジスト液供給処理、エアー抜き処理、あるいはプリディスペンス処理などの予備処理に際し用いられる。
充填ポットPT1(図3参照)は、スリットノズル41にレジスト液を充填する際に用いられるものである。充填ポットPT1は、スリットノズル41の内部の容積(以下、「内部容積」と称する)、つまりは、マニホールド45、供給口46、ギャップ41a(図4参照)の容積の総和よりも十分大きな容積を有する容器であり、スリットノズル41の下端部分、すなわちスリット41bの近傍が挿入可能とされている。また、図示しないオーバーフロー機構を備えており、貯留される液体の液面は、所定高さ以下に保たれるようになっている。以降、スリットノズル41が充填ポットPT1直上にある場合を、スリットノズル41が「充填位置にある」等と称することとする。レジスト液の充填処理については、後述する。
待機ポットPT2は、スリットノズル41が走査処理を行わずに待機する際の待機場所として設けられている。待機ポットPT2は、スリットノズル41から滴下するレジスト液等の受け皿の役割をも兼ねており、滞留物を適宜に廃棄・回収できるようにされている。スリットノズル41は、所定の走査指示がなされるまでは、待機ポットPT2の直上まで下降した状態で待機している。以降、スリットノズル41が待機ポットPT2直上にある場合を、スリットノズル41が「待機位置にある」等と称することとする。
ノズル洗浄機構7は、スリットノズル41が待機位置にある際に、駆動機構71によってスリットノズル41の長手方向(図2においては紙面垂直方向)に沿って移動可能に設けられている。スリットノズル41の形状に合わせて中央に略V字形状の切り欠きを備えるスクレーパ72によって、スリットノズル41に付着したレジスト液を掻き取るとともに、図示しない溶剤供給機構によって供給される所定の溶剤によりスリットノズル41の下端のスリット41bの近傍を洗浄する。
プリ塗布機構13は、スリット41bの部分に付着したレジスト液を除去するために、本塗布に先立って少量のレジスト液を塗布するプリ塗布を行うための機構である。プリ塗布は、基板等への実際の塗布処理(以降、「本塗布処理」と称する)の直前に行われる。プリ塗布の際、プリ塗布機構13は、スリットノズル41が該プリ塗布機構13の直上位置(以下、「プリ塗布位置」と称する)にある状態で、断面が正多角形(図2においては正八角形)をなす多角柱状のディスペンスロール14を、駆動機構15により該正多角形の中心14aを回動軸として回動させつつ、この回動動作に同期して、該正多角形の各辺に相当する被塗布面14sに対しスリットノズル41からレジスト液を少量吐出させる。これは、該被塗布面14sをスリットノズル41にて相対的に走査しつつレジスト液を被塗布面に塗布する処理に相当する。本塗布処理の直前にプリ塗布を行うことにより、スリットノズル41に付着したレジスト液は効率よく取り除かれるので、本塗布処理において、スリットノズル41に付着したレジスト液に起因した膜厚の不均一(畝状の盛り上がりなど)を防止することができる。
被塗布面14sに塗布されたレジスト液は、プリ塗布が終了して、本塗布処理が行われている間に、被塗布面14sより硬度の低い材質、具体的には樹脂またはゴム等により形成されたディスペンスロールスクレーパ16によって掻き取られる。被塗布面14sはさらに、所定の溶剤で満たされたディスペンスポット17にて洗浄される。
制御系6は、プログラムに従って各種データを処理する演算部60、プログラムや各種データを保存する記憶部61を内部に備える。また、前面には、オペレータが基板処理装置1に対して必要な指示を入力するための操作部62、および各種データを表示する表示部63を備える。
制御系6は、図1においては図示しないケーブルにより本体2に付属する各機構と電気的に接続されている。制御系6は、操作部62からの入力信号や、ギャップセンサ42およびその他の図示しない各種センサなどからの信号に基づいて、昇降機構43,44による昇降動作、走行機構5による走行動作、供給機構9によるレジスト液の供給動作、さらには後述するノズル洗浄機構7およびプリ塗布機構13に付随する各駆動機構、各回動機構および各バルブ等の動作を制御する。
なお、具体的には、データを一時的に記憶するRAM、読み取り専用のROM、および磁気ディスク装置などが記憶部61に該当する。あるいは、可搬性の光磁気ディスクやメモリーカードなどの記憶媒体、およびそれらの読み取り装置などであってもよい。また、操作部62には、ボタンおよびスイッチ類(キーボードやマウスなどを含む。)などが該当する。もしくは、タッチパネルディスプレイのように表示部63の機能を兼ね備えたものであってもよい。表示部63には、液晶ディスプレイや各種ランプなどが該当する。
<スリットノズルおよび供給機構>
図3は、スリットノズル41と該スリットノズル41にレジスト液を供給するための供給機構9とを模式的に示す図である。図3において、スリットノズル41は、エアー抜きポットPT1上に配置された状態(充填位置にある状態)を、その長手方向に平行な断面図として示している。また、図4は、スリットノズル41の図3におけるA−A’断面(図1のZX面と平行な面)を示す図である。
図4に示すように、スリットノズル41の下側略半分は、長手方向に垂直な面内における断面が下方に向けて細くなった略V字型の外観形状をなしている。図3および図4に示すように、スリットノズル41の内部には、長手方向の両側端部間にわたって、かつ断面中央部の上寄りに、基板に塗布するためのレジスト液を一時的に貯留するマニホールド45(図4においては斜線にて断面を示す)が設けられている。さらに、スリットノズル41の内部には、マニホールド45からスリットノズル41の上端部にまで達する供給口46が設けられている。なお、供給口46は、後述するように、スリットノズル41の内部からエアーを抜くためのエアー抜き穴としての役割も果たすものである。
さらに、マニホールド45の最下部と、略V字型の頂点部分に相当するスリットノズル41の先端(最下端)との間には、一定間隔のギャップ41aが、同じくスリットノズル41の両側端部間にわたって設けられている。ギャップ41aの間隔は、好ましくは50μm〜250μm程度である。ギャップ41aの最下端が、レジスト液を吐出するためのスリット(吐出口)41bとなっている。マニホールド45に供給されたレジスト液が次述する供給機構9の作用によって所定の吐出圧を与えられると、ギャップ41aを経てスリット41bから吐出されて基板90に塗布される。
マニホールド45は、図4に示すように、A−A’断面において供給口46側からギャップ41a側に向けて傾斜を有するように設けられている。また、図3に示すように、供給口46は、マニホールド45の両端よりも高い位置となるように設けられている。すなわち、マニホールド45は、長手方向において、その上面45aが、マニホールド45の両端との間で傾斜を有するように形成されている。一方で、マニホールド45の下面45bはスリットノズル41の上下側端と略平行を保つよう形成されていることから、マニホールド45は、長手方向において、両端側から中央部側へ向かうにつれて上下面間の間隔hがだんだんと大きくなるように設けられていることになる。あるいは、断面積がだんだんと大きくなるように設けられているともいえる。
供給機構9は、図3に示すように、レジスト液Rを貯留するレジスト液供給源91と、レジスト液供給源91からスリットノズル41へとレジスト液Rを供給するためのレジスト液供給経路L1と、レジスト液供給経路L1から分岐してなり、スリットノズル41内のレジスト液に混入しているエアーを除去するためのエアー抜き経路L2とを主として備える。エアー抜き経路L2は、エアーおよび(主としてエアーが混入している)レジスト液を排出する排出経路として作用する。
レジスト液供給経路L1には、レジスト液供給源91側から順に、バルブV2と、供給ポンプ92と、バルブV3と、圧力計93とが、所定の配管によって接続されて備わっている。レジスト液供給源91に貯留されたレジスト液Rは、圧縮空気(圧空)によって加圧供給される。あるいは、供給ポンプ92によって、レジスト液供給源91に貯留されたレジスト液Rが汲み上げられて定量送液される。圧力計93は、レジスト液Rの供給圧力をモニターするために備わる。また、レジスト液供給経路L1は、スリットノズル41の中央部分に備わる供給口46と接続している。なお、バルブV2およびV3はいずれも制御系6によって開閉操作が制御される電磁バルブである。本実施の形態において、レジスト液供給経路L1に備わる各部は、レジスト液を供給する供給手段としても、スリットノズル41のスリット41bからレジスト液を吐出させる吐出手段としても作用する。
また、エアー抜き経路L2は、レジスト液供給経路L1が供給口46と接続される手前で、該レジスト液供給経路L1から分岐させて設けられる。エアー抜き経路L2の途中には、エアー抜きバルブV1と吸引ポンプ98とが備わっている。エアー抜きバルブV1も制御系6によって開閉操作が制御される電磁バルブである。吸引ポンプ98は、スリットノズル41に充填されたレジスト液を吸引してエアー抜き経路L2を通じて排出させるために備わる。また、スリットノズル41とエアー抜きバルブV1との間のセンシング部94が設けられている。図5は、センシング部94について説明する図である。図5(a)に示すように、センシング部94においては、エアー抜き穴47からの配管96が曲折部分が上端部となるようにU字型に曲折されてなり、その直上にエアーセンサ95が設けられている。好ましくは、エアー抜き経路L2の、スリットノズル41からセンシング部94に至るまでの間では、配管96の頂点部分(U字型の底部部分)96aが最も高い位置に位置するように、配管96は設けられる。センシング部94は、エアー抜き経路L2を構成する配管96がレジスト液で満たされたか否か、あるいは、エアーが混入していないか(エアー噛みの有無)を判定する処理を担う。エアーセンサ95は、いわゆる光学的センサであり、光ビームを発し、これに対する反射ビームを受光して、その光強度を制御系6に対し与えるものである。そのため、配管96の頂点部分96aは光学的に透明に、該頂点部分96aと対向する部分96bは光ビームを反射するように設けられている。
図5(a)に示すように配管96の内部に全くレジスト液が存在しない場合、エアーセンサ95は、発した入射ビームBM1に対応して、所定の光強度の反射ビームBM2を受光する。一方、図5(b)のように配管96の内部にレジスト液が存在する場合、レジスト液によって光が散乱を受けることにより、エアーセンサ95で受光される反射ビームBM2の光強度は減少するので、図5(a)の場合と同じ光強度の入射ビームBM1が与えられても、反射は生じずエアーセンサ95は反射ビームBM2を受光できないか、あるいは、図5(a)の場合に比して十分に小さい光強度の反射ビームBM2しか受光しないことになる。このように、配管96の内部におけるレジスト液の充填度の変化とエアーセンサ95が受光した反射ビームBM2の光強度の変化には相関がある。制御系6においては、エアーセンサ95から送られた光強度を示す信号に基づいて、レジスト液の充填度、別の見方をすれば、エアーの混入度(もしくは存在度)を判定する。具体的には、ある光強度をしきい値として、受光した光強度がそれよりも小さな場合に、センシング部94がレジスト液で満たされた、つまりは、スリットノズル41にレジスト液が充填された、と判定する、などの態様により、後述する充填動作によってエアーの混入が解消されているか否かを確認することができる。
吸引ポンプより先は、図示しないドレインに接続されている。後述するように、マニホールド45に供給されたレジスト液の内部に混入していたエアーや、あるいはエアーを含んだままのレジスト液が、エアー抜き経路L2から排出されることになる。
<レジスト液の充填>
次に、スリットノズル41に対するレジスト液の充填について説明する。図6は、図4と同じ長手方向に平行な断面についての、レジスト液が供給される際のスリットノズル41の様子を示す模式図である。
スリットノズル41にレジスト液Rを供給する場合、まず、スリットノズル41を充填位置に移動させる。図6(a)は、スリットノズルが充填位置にある際のスリットノズル41と充填ポットPT1との相対的な位置関係を示している。すなわち、充填位置においてスリットノズル41は、その下端のスリット41bの近傍を充填ポットPT1内に挿入させられた状態に配置される。
スリットノズル41が充填位置に配置されると、バルブV2,V3を全て「開」にした状態で、供給ポンプ92による定量送液もしくはレジスト液供給源91からの加圧供給によりレジスト液Rの供給を行う。これにより、図6(b)に示すように、レジスト液供給経路L1を経たレジスト液Rが、スリットノズル41の上端部にある供給口46から、スリットノズル41の内部へと連続的に注入されていくことになる。このとき、レジスト液は、ギャップ41aにも順次に充填されていくことになるが、ギャップ41aの下端側にはスリット41bが形成されていることから、レジスト液は該スリット41bから充填ポットPT1へと流出して充填ポットPT1に貯留されることになる。
このとき、スリットノズル41の内部に存在するレジスト液にはエアーが気泡として混入している可能性が高いが、こうした気泡は、ギャップ41aさらにはスリット41bを通じてレジスト液Rが順次に排出される際に消滅したり、あるいは貯留されたレジスト液Rの液面から消失する。従って、充填ポットPT1に貯留されたレジスト液Rの内部におけるエアーの混入度合は、レジスト液Rが供給された時のエアーの混入度合よりも大きく低減していることになる。
レジスト液Rの供給は、充填ポットPT1にスリットノズル41の内部容積に相当する量以上の所定量のレジスト液Rが貯留されるまで続けられる。なお、本実施の形態に係る基板処理装置1においては、該所定量のレジスト液Rが貯留された際にはスリット41bの部分がレジスト液Rに浸漬された状態が実現されるように、スリットノズル41の配置、充填ポットPT1の形状などがあらかじめ設定されてなる。
該所定量のレジスト液Rにて充填ポットPT1が満たされると、バルブV2、V3を「閉」状態とし、吸引ポンプ98を作動させたうえで、エアー抜きバルブV1を「開」状態とする。これにより、図6(c)に示すように、スリットノズル41の内部に充填されているレジスト液Rがエアー抜き経路L2の方へ順次に吸引されていくことになる。そして、これに伴って、充填ポットPT1に貯留されていたレジスト液Rがスリットノズル41の内部に充填されることになる。これは、スリットノズル41の内部にあるエアーの混入度合が大きいレジスト液Rを、充填ポットPT1にあるエアーの混入度合の小さいレジスト液Rで置換することにより、エアーの混入度合の小さいレジスト液Rをスリットノズル41の内部に充填する処理を行っていることを意味する。このとき、エアーの混入度合が低減したか否かは、エアーセンサ95が受光する反射ビームBM2の変動によって把握することができる。
このレジスト液Rの吸引動作は、内部容積以上のレジスト液Rが吸引されるまで、換言すれば、内部容積相当分の所定量のレジスト液Rが置換されるまで行う。係る量のレジスト液Rが吸引されると、バルブV1を「閉」状態として、吸引ポンプによる吸引を停止することにより、スリットノズル41の内部へのレジスト液Rの充填が完了する(図6(d))。
レジスト液Rの充填が完了すると、スリットノズル41を待機位置へと速やかに移動させ、スリットノズル41のスリット41b近傍をノズル洗浄機構7によって洗浄処理する。ノズル洗浄機構7は、所定の洗浄処理を施した後、図示しない退避位置に退避する。
なお、マニホールド45、さらには配管96の内部がひとたびレジスト液Rで満たされた後に、気泡を含むレジスト液Rが流入することは十分に起こりうる。その結果、図5(c)に矢印AR1にて示すように、レジスト液R中の気泡BL1がU字型に曲折させて設けられた配管96の頂点部分(U字型の底部部分)近傍にまで達することによって、エアー溜まりP1が形成されることがある。エアー溜まりP1がある状態では、反射ビームBM2の光強度は、レジスト液Rが完全に充填された状態よりも大きくなることから、光強度の変動を監視することで、こうしたエアー溜まりP1の形成の有無を判定することができる。例えば、いったんレジスト充填動作を終了してから所定時間だけ光強度の変動を監視し、光強度が当該しきい値以下でほぼ一定であれば、マニホールド45にはエアーは混入しておらず、エアー溜まりP1も形成されていないと判断する、等の態様をとることが考えられる。
また、必要であれば、十分にエアーを除去すべく、いったん終了した上記の充填動作を繰り返してもよい。この充填動作を、以下「エアー抜き動作」と称する。エアー抜き動作を行う場合は、スリットノズル41を再び充填位置に移動させたうえで、上記と同じように、レジスト液供給経路L1を通じたレジスト液の供給と、エアー抜き経路L2を通じたレジスト液の吸引と、その後の洗浄処理とを行うことになる。
<塗布動作>
次に、スリットノズル41によるレジスト液の塗布動作について概説する。まず、オペレータまたは図示しない搬送機構により、基板90がステージ3の所定位置に搬送され、保持面30に吸着保持される。
走行機構5は、スリットノズル41を含む架橋構造4をプリ塗布位置に移動させる。そして、昇降機構43,44により、スリットノズル41の高さ方向の位置調節がなされる。その後、駆動機構15によるディスペンスロール14の回動に同期して、供給ポンプ92が所定時間だけ所定の圧力にてレジスト液に対し押圧することにより、ディスペンスロール14のある被塗布面へのレジスト液の塗布、つまりはプリ塗布処理がなされる。
プリ塗布処理を終えると、走行機構5が、架橋構造4を基板90上の本塗布処理を行う位置に移動させるとともに、昇降機構43,44が所定の高さにスリットノズル41の高さを調節する。なお、好ましくは、スリットノズル41の高さは、塗布処理に先立って、保持面30上に保持された基板上を架橋構造4に走査させ、ギャップセンサ42によって基板90の厚みを計測し、その結果に基づいて設定される。厚みの計測は、塗布処理を行う都度に実行しても良いし、同一形状であって、寸法精度が高い基板90を連続して処理するような場合であれば、最初の一枚について測定し、以降の基板90の処理においてはその結果を用いる態様でもよい。
これらの位置調整が完了次第、走行機構5が架橋構造4を所定の速さで移動させつつ、供給ポンプ92によって所定圧力にてレジスト液を押圧することにより、基板90へのレジスト液の塗布、つまりは本塗布処理がなされる。
本塗布処理が終了すると、走行機構5が架橋構造4を移動させることにより、スリットノズル41は待機位置に復帰する。
また、プリ塗布処理や本塗布処理の間も、レジスト液にエアーが気泡として混入することは起こりうる。その結果、上述のようなエアー溜まりP1が塗布処理中に形成されることもある。そこで、センシング部94においてエアーセンサ95が常に反射ビームBM2の光強度をモニターすることにより、所定のしきい値を越えて光強度が変動した場合に、塗布処理を中断し、再度のエアー抜き動作を行う態様をとってもよい。
以上、説明したように、本実施の形態に係る基板処理装置1においては、レジスト液供給源91から供給したレジスト液を、スリットノズル41の内部を介していったん充填ポットPT1に貯留し、該充填ポットPT1に供給されたレジスト液を吸引することによって、スリットノズル41の内部にレジスト液を充填する。その際、レジスト液に混入するエアーは待機ポットへの貯留によって消滅するので、エアーの混入度合が大きく低減されたレジスト液をスリットノズル41の内部に充填することができる。従って、スリットノズル41を反転する機構を備えない簡単な構成によって、確実にエアーを除去することができる。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態に係る基板処理装置1においても、用いるレジスト液の種類によっては、十分なエアーの除去ができない場合がある。例えば、レジスト液が、粘性の高い物質であって、スリットノズルの内面に対するぬれ性が悪い物質である場合には、スリットノズルに充填されたとしても、レジスト液とスリットノズルの内面との界面においてエアーが残存してしまう場合が起こりうる。本実施の形態においては、こうした状況を回避し、より確実にエアーの除去が行える態様について説明する。なお、本実施の形態に係る基板処理装置の構成の大半は第1の実施の形態に係る基板処理装置1と同じであるので、以下の説明においては、第1の実施の形態に係る基板処理装置1における構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、第2の実施の形態に係るスリットノズル41と供給機構9とを模式的に示す図である。
図7に示された供給機構9は、図3に示されたものとほぼ共通するが、レジスト液の充填に先立ってスリットノズル41に供給される所定の前処理液Wが貯留された前処理液供給源97と、該前処理液供給源97からの前処理液の供給と、レジスト液供給源91からのレジスト液の供給を選択的に切替可能な切替バルブV6とを備える点で相違している。本実施の形態に係る基板処理装置1は、切替バルブV6を適宜に作動させることによって、前処理液Wの供給と、レジスト液Rの供給とを切り替えることができる。
前処理液Wとしては、流動性やスリットノズル41の内部に対するぬれ性がレジスト液Rよりも良い液体、好ましくは、係る要件を満たすレジスト液Rに含まれる成分の一部、もしくはレジスト液Rの低粘度液を用いる。後者の場合、粘度が3cp以下に調製されているのがより好ましい。
図8および図9は、本実施の形態に係るレジスト液の充填動作を説明するための図である。図8および図9はいずれも、図4と同じ長手方向に平行な断面についての、レジスト液が供給される際のスリットノズル41の様子を示す模式図である。
本実施の形態においてスリットノズル41にレジスト液Rを供給する場合も、まず、スリットノズル41を充填位置に移動させる(図8(a))。なお、この時点では、切替バルブV6は、前処理液Wを供給するように切り替えられている。
スリットノズル41が充填位置に配置されると、バルブV2,V3を全て「開」にした状態で、供給ポンプ92を作動させる。これにより、図8(b)に示すように、前処理液供給源97から前処理液Wが汲み上げられて、レジスト液供給経路L1を通って供給口46からスリットノズル41の内部へと連続的に注入されることになる。第1の実施の形態におけるレジスト液の供給時と同様に、前処理液Wは、ギャップ41aにも順次に供給され、ギャップ41aの下端のスリット41bから充填ポットPT1へと流出する。流出した前処理液Wは、供給ポットPT1に貯留される。係る供給は、スリットノズル41の下端のスリット41bの近傍が前処理液Wに浸漬された状態となるまで続けられる。スリット41bの近傍が前処理液Wに浸漬されると、前処理液Wの供給を停止し、今度は、図8(c)に示すように、吸引ポンプ98を作動させることによって、エアー抜き経路L2を通じて前処理液Wを吸引する。スリット41bの側からエアーが侵入することのないよう、前処理液Wの吸引は、スリット41bの近傍が浸漬されている範囲で行う(図8(d))。
前処理液Wは、スリットノズル41の内面に対するぬれ性がよいので、このように供給および吸引を行うことにより、スリットノズル41の内面は、確実に、充填された前処理液Wで「ぬれた」状態となり、スリットノズル41の内面と前処理液Wとの界面において気泡が残存することはない。
吸引ポンプ98による前処理液Wの吸引動作を終えると、切替バルブV6をレジスト液Rを供給可能に切り替える。そして、図9(a)に示すように、前処理液Wが充填されたスリットノズル41に対し、レジスト液供給経路L1を介してレジスト液Rを供給する。係る供給を行うと、スリットノズル41の内部に充填されていた前処理液Wが、図9(b)に示すように、順次にレジスト液Rによって置換されていくことになる。レジスト液Rの供給は、スリットノズル41の内部がレジスト液Rにて置換されるまで行う(図9(c))。
上述のように、内面が十分にぬれた状態とされたスリットノズル41の内部に対して、レジスト液Rを供給していることから、スリットノズル41の内面とレジスト液との界面においてエアーの介在を生じさせることなく、レジスト液Rがスリットノズル41の内部に充填されることになる。また、あらかじめ前処理液Wが充填されているところにレジスト液Rを供給していることから、この供給に起因したエアーの混入は生じにくくなっているが、さらに確実にエアーを除去するには、第1の実施の形態に示したようなエアー抜き動作を、引き続き行ってもよい。
以上、説明したように、本実施の形態に係る基板処理装置においては、いったんぬれ性の良い前処理液をスリットノズルの内部に充填した上で、これを置換しつつレジスト液を供給することにより、レジスト液の充填に際してのエアーの混入を回避することができる。
<変形例>
上述の実施の形態では、充填ポットPT1はあらかじめ設けられているが、これに代わり、充填ポットを着脱自在なものとし、充填動作を行う際には、スリットノズルを所定位置に移動させたうえで、充填ポットを適宜の方法によってスリットノズル41に対し固定することにより、動作を行う態様であってもよい。
第1の実施の形態では、レジスト液をいったんスリットノズル内部を通過させたうえで充填ポットにレジスト液を貯留し、その後これを吸引することによって、エアーの混入が抑制されたレジスト液を充填しているが、これに代わり、あらかじめ充填ポットにレジスト液を充填しておき、液面からエアーを十分に除去させたうえで、これをスリットノズル内部に吸引することによって、エアーの混入の抑制されたレジスト液を充填する態様であってもよい。ただし、充填ポットへのレジスト液の供給手段を別途に設ける必要がない点で、第1の実施の形態の方が優れている。
レジスト液供給経路L1に脱気モジュールをさらに設け、レジスト液中の溶存酸素を除去することによって、より微細なエアーの除去を行える態様であってもよい。
第2の実施の形態においては、スリットノズルの内部を前処理液にて充填する態様を取っているが、スリットノズルの内面が前処理液でぬれた状態を実現しておき、その後、第1の実施の形態に示すようなレジストの充填動作を行うことによっても、エアーの除去に対して一定の効果が得られる。
また、上述の実施の形態では、レジスト液の供給、および吸引による排出のいずれもが、供給口46を介して行われているが、本発明においてとり得る構成態様は、これに限定されるものではない。図10は、レジスト液供給経路L1と接続されたレジスト液の供給口146aと、エアー抜き経路L2と接続された排出口146bとが独立して設けられる場合のスリットノズル141の断面模式図である。図10において排出口146bは、レジスト液中のエアーがより抜けやすい位置に配置されてなる。
第1の実施の形態に係る基板処理装置1の概略を示す斜視図である。 基板処理装置1の本体2の側断面と、レジスト液の塗布動作に係る主たる構成要素を示す図である。 スリットノズル41と該スリットノズル41にレジスト液を供給するための供給機構9とを模式的に示す図である。 スリットノズル41の図3におけるA−A’断面を示す図である。 センシング部94について説明する図である。 レジスト液が供給される際のスリットノズル41の様子を示す模式図である。 第2の実施の形態に係るスリットノズル41と供給機構9とを模式的に示す図である。 本実施の形態に係るレジスト液の充填動作を説明するための図である。 本実施の形態に係るレジスト液の充填動作を説明するための図である。 スリットノズルの変形例を示す図である。
符号の説明
1 基板処理装置
3 ステージ
4 架橋構造
7 ノズル洗浄機構
9 (レジスト液の)供給機構
13 プリ塗布機構
14 ディスペンスロール
14s 被塗布面
15 (ディスペンスロールの)駆動機構
16 ディスペンスロールスクレーパ
17 ディスペンスポット
30 保持面
31 走行レール
32 開口
40 ノズル支持部
41,141 スリットノズル
41a ギャップ
41b スリット
42 ギャップセンサ
43,44 昇降機構
45,145 マニホールド
46 (レジスト液の)供給口
50,51 リニアモータ
71 (ノズル洗浄機構の)駆動機構
72 スクレーパ
90 基板
91 レジスト液供給源
92 供給ポンプ
94 センシング部
95 エアーセンサ
96 配管
97 前処理液供給源
BM1 入射ビーム
BM2 反射ビーム
L1 レジスト液供給経路
L2 エアー抜き経路
PT1 充填ポット
PT2 待機ポット
V1 エアー抜きバルブ
V6 切替バルブ
W 前処理液

Claims (7)

  1. 基板を保持する保持台と、
    所定の処理液を吐出する吐出口を備えるスリットノズルと、
    供給経路を介して、前記吐出口から前記所定の処理液を吐出させる吐出手段と、
    前記スリットノズルを前記基板の表面に沿った略水平方向に移動させる移動手段と、
    を備え、
    前記スリットノズルを前記略水平方向に移動させることによって前記スリットノズルに前記基板の表面を走査させつつ、前記所定の処理液を吐出させることにより、前記所定の処理液を基板に塗布する基板処理装置であって、
    前記所定の処理液を貯留する貯留容器と、
    前記スリットノズル内部前記処理液を排出経路を通じて吸引する吸引手段と、
    前記吐出手段および前記吸引手段の動作を制御する制御手段と、
    をさらに備え、
    前記吐出手段は所定の処理液供給源から前記所定の処理液を前記スリットノズルに供給する処理液供給手段を兼ねており、
    前記制御手段は、
    前記吐出手段を作動させることにより、いったん前記供給経路を介して前記スリットノズルに供給された前記所定の処理液を、前記吐出口から前記貯留容器に流出させ、続いて、
    前記スリットノズルの吐出口を前記貯留容器に貯留されている前記所定の処理液に浸漬した状態で前記吸引手段を作動させることにより、前記スリット内部の前記所定の処理液を前記排出経路に排出するとともに、前記貯留容器に貯留された前記所定の処理液を前記吐出口から前記スリットノズルの内部に充填させる、
    ことを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記処理液供給手段は、前記所定の処理液と、所定の前処理液供給源から取得され前記所定の処理液よりも前記スリットノズルに対するぬれ性がよい前処理液とを選択的に供給可能である、
    ことを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記前処理液を前記スリットノズルの内部に充填させた後に、前記所定の処理液にて前記前処理液を置換することにより前記スリットノズルの内部に前記所定の処理液を充填する、
    ことを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の基板処理装置であって、
    前記前処理液は前記所定の処理液に含まれる成分であることを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項2または請求項3に記載の基板処理装置であって、
    前記前処理液は前記所定の処理液の低粘度液であることを特徴とする基板処理装置。
  6. 所定の移動手段によって移動させられることにより被処理体の表面を走査しつつ、所定の吐出手段によって所定の処理液を吐出口から吐出することによって、前記被処理体に前記所定の処理液を付与するスリットノズル、
    への前記所定の処理液の充填方法であって、
    前記スリットノズルにいったん供給され、前記所定の処理液を前記吐出口から流出させることによって、前記所定の処理液を所定の貯留容器に貯留する貯留工程と、
    前記貯留工程を実行した後に、前記スリットノズルの吐出口を前記貯留容器に貯留されている前記所定の処理液に浸漬させる工程と、
    前記吐出口が前記所定の処理液に浸漬された状態で、前記貯留工程により気体の混入が解消された前記処理液を吸引することにより、前記貯留容器に貯留された前記所定の処理液を前記吐出口から前記スリットノズルの内部に充填する充填工程と、
    を備えることを特徴とするスリットノズルへの処理液の充填方法
  7. 請求項6に記載の充填方法であって、
    所定の前処理液供給源から前記所定の処理液よりも前記スリットノズルに対するぬれ性がよい前処理液を取得し前記スリットノズルに供給する前処理液供給工程、
    をさらに含み、
    前記前処理液を前記スリットノズルの内部に充填させた後に、前記所定の処理液にて前記前処理液を置換することにより前記スリットノズルの内部に前記所定の処理液を充填する、
    ことを特徴とするスリットノズルへの処理液の充填方法。
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