JP4673157B2 - 塗工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、板状の基材に塗工液を塗工する塗工装置に関するものである。
最近、液晶表示装置等が広く普及するようになり、この液晶表示装置のガラス板や、そのガラス基板に貼られる保護板に塗工液を塗工する必要がある。
このようなガラス基板等の基材に塗工液を塗工する方法として、毛細管現象を利用した塗工装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
この塗工装置は、塗工液によって満たされた液槽の内部に毛管状隙間を備えたノズルを沈めておき、塗工する際にはこのノズルを上昇させて基材の下面近傍に位置させ、毛管状隙間から塗工液を接液して、基材の下面に塗工液を塗工するものである。
しかしながら、この塗工装置においては、液槽を塗工液によって満たし、この内部にノズルを沈めておく必要があるため、塗工が終わった後、この液槽に満たされた塗工液は捨てる必要がある。しかし、液晶表示装置に用いられる塗工液は非常に高価であり、この塗工液を少しでも有効利用する必要がある。
また、ノズルを液槽の内部に沈めておくため、ノズルを液槽から突出させた状態では、ノズルの周辺に付いた塗工液が固まり、この部分の掃除が必要になるとともに、ノズルを液槽に沈めた際にこの固まった塗工液が不純物となるという問題点もある。
また、毛管状隙間から基材に対し塗工液を接液、及び、離液する場合に、毛細管現象を利用しているため、この接液、及び、離液に時間がかかるという問題点もある。
そこで、本出願人は先に、この問題点を改良した塗工装置を提供した(特許文献3参照)。
この特許文献3の塗工装置は、塗工液を貯留するとともに、塗工ノズルに連通されて塗工液を塗工ノズルに供給可能な塗工液供給手段を設け、この塗工液供給手段は、塗工液を貯留する塗工タンクと、塗工タンクを塗工ノズルに対し相対的に上下動させる上下動装置と、塗工タンク内の液面高さを非接触で検出する液面検出装置を有している。
この塗工装置であると、基材を塗工ノズルに対し相対的に移動させながら、塗工タンク内から塗工液を塗工ノズルに供給し、塗工ノズルの吐出口から基材の下面へ毛細管現象により塗工するものであり、この場合に塗工タンク内の液面高さを液面検出装置で検出しながら、常に塗工タンク内の液面高さが一定になるように調整している。
特開平8−224528号公報 特開平6−343908号公報 特開2003−1171公報
上記構成の塗工装置においては、塗工ノズルによって塗工液を塗布すると塗工タンク内の液面が下がり、それを液面検出装置が検出し、塗工タンク内の液面高さが一定になるようにフィードバック制御している。そのため、このフィードバック制御する時間だけ、塗工液の液面高さが下がり、基材への塗工分布が安定しないという問題点がある。
また、この液面高さの変化も塗工速度によっても変わるという問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、塗工タンク内の液面高さが常に必要とされる塗工高さになるように調整することができる塗工装置を提供する。
請求項1に係る発明は、毛管状隙間を備え、その上端部が塗工液の吐出口となった左右方向に延びる塗工ノズルと、大気開放された状態で塗工液を貯留すると共に、前記塗工ノズルに連通されて塗工液を前記塗工ノズルに供給可能な塗工液供給手段と、塗工対象である板状の基材に前記塗工ノズルを近接させた状態で、前記吐出口に沿って前記基材を相対的に前後方向に移動させる移動手段と、を備え、前記移動手段により前記基材と前記塗工ノズルとを相対的に移動させながら、前記塗工液供給手段より前記塗工ノズルに供給されている塗工液を、前記塗工ノズルの吐出口から前記基材の下面へ毛細管現象により塗工する塗工装置において、前記塗工液供給手段が、大気開放された状態で塗工液を貯留する塗工タンクと、前記塗工タンクを前記塗工ノズルに対して相対的に上下動させる塗工タンク上下動手段と、液面制御手段と、を備え、前記液面制御手段は、前記基材の下面に塗工液を塗工している間、前記塗工タンクの高さHTを塗工高さ設定値から上昇速度v1で上昇させるものであり、上昇速度v1=a×c1/b1(但し、aは塗工速度、b1は前記基材の塗工距離、c1は予め試験により求めた前記塗工速度aで前記基材を前記塗工距離b1だけ塗工した場合の前記塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す)であることを特徴とする塗工装置である。
請求項2に係る発明は、前記液面制御手段は、塗工開始時に前記塗工タンクの高さHTを待機状態から接液高さ設定値に上昇させ、前記基材の下面に塗工液が接液した後に前記退避高さ設定値に下降させ、前記基材の下面に塗工液の塗工開始するときに、前記塗工タンクの高さHTを前記退避高さ設定値から前記塗工高さ設定値まで上昇速度v0で上昇させるものであり、上昇速度v0=a×c0/b0(但し、b0は前記基材の塗工開始時における塗工距離、c0は予め試験により求めた前記塗工速度aで前記基材の塗工開始時近傍における前記塗工距離b0だけ塗工した場合の前記塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す)であることを特徴とする請求項1記載の塗工装置である。
請求項3に係る発明は、前記液面制御手段は、前記塗工開始時に前記塗工タンクの高さHTを待機状態から接液高さ設定値に上昇させると同時、または、所定時間後に前記塗工ノズルを接液高さまで上昇させ、前記塗工タンクを前記退避高さ設定値に下降させることを特徴とする請求項2記載の塗工装置である。
請求項4に係る発明は、前記液面制御手段は、前記基材の下面に対し塗工液の塗工を終了するときに、前記塗工タンクの高さHTを塗工終了時の高さから下降速度v2で下降させるものであり、下降速度v2=a×c2/b2(但し、b2は前記基材の塗工終了時における塗工距離、c2は前記塗工速度aで前記基材の塗工終了時近傍における前記塗工距離b2だけ塗工した場合の前記塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す)であることを特徴とする請求項1記載の塗工装置である。
請求項5に係る発明は、前記液面制御手段は、前記塗工終了時に、前記塗工タンクの高さHTを待機高さに下降させると同時、または、所定時間後に前記塗工ノズルを待機高さまで下降させることを特徴とする請求項4記載の塗工装置である。
請求項6に係る発明は、塗工対象である基材の上方に塗工ノズルが配され、上端部が大気に開放され、下端部が吐出口となった毛管状隙間が前記塗工ノズルの内部に左右方向に設けられ、前記塗工ノズルに塗工液の液入口が設けられ、前記液入口と前記毛管状隙間とを連結する連結空間が前記塗工ノズル内部に設けられ、大気開放された状態で塗工液を貯留すると共に、前記液出口にサイフォン管によって連結されて塗工液を供給する塗工液供給手段が配され、かつ、前記貯留された塗工液の液高さが前記連結空間の前記毛管状隙間側の出口より高く配置され、前記塗工ノズルを前記基材に対し相対的に前後方向に移動させる移動手段が設けられ、記移動手段により前記基材と前記塗工ノズルとを相対的に移動させながら、前記塗工液供給手段から前記サイフォン管と前記連結空間を経て前記毛管状隙間に供給されている塗工液を、前記吐出口から前記基材の上面へ塗工する塗工装置であって、前記塗工液供給手段が、大気開放された状態で塗工液を貯留する塗工タンクと、前記塗工タンクを前記塗工ノズルに対して相対的に上下動させる塗工タンク上下動手段と、前記塗工タンク上下動手段を用いて、前記塗工タンク内の液面高さを設定値に調整して、前記塗工液を前記基材の上面に接液した後に塗工を開始し、塗工終了後に離液を行う液面制御手段と、を備え、前記液面制御手段は、前記基材が塗工開始位置に位置し、かつ、前記塗工ノズルを前記基材に近接させた状態で、前記塗工タンクの液面高さを前記塗工高さ設定値より高い接液高さ設定値へ相対的に上昇させて、塗工液を前記基材の上面へ接液し、また、前記基材の面に塗工液を塗工している間、前記塗工タンクの高さHTを塗工高さ設定値から上昇速度v1で上昇させるものであり、上昇速度v1=V0×c1/b1(但し、V0は塗工速度、b1は前記基材の塗工距離、c1は予め試験により求めた前記塗工速度V0で前記基材を前記塗工距離b1だけ塗工した場合の前記塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す)であることを特徴とする塗工装置である。
請求項7に係る発明は、前記液面制御手段は、塗工開始時に前記塗工タンクの高さHTを待機状態から接液高さ設定値に下降させ、前記基材の面に塗工液が接液した後に前記退避高さ設定値に上昇させ、前記塗工タンクの高さHTを前記退避高さ設定値から前記塗工高さ設定値まで上昇速度v0で上昇させるものであり、上昇速度v0=V0×c0/b0(但し、b0は前記基材の塗工開始時における塗工距離、c0は予め試験により求めた前記塗工速度V0で前記基材の塗工開始時近傍における前記塗工距離b0だけ塗工した場合の前記塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す)であることを特徴とする請求項6記載の塗工装置である。
請求項8に係る発明は、前記液面制御手段は、前記塗工開始時に前記塗工タンクの高さHTを接液高さ設定値から前記退避高さ設定値に下降させると同時、または、所定時間後に前記塗工ノズルを塗工高さまで上昇させることを特徴とする請求項6記載の塗工装置である。
請求項9に係る発明は、前記液面制御手段は、前記基材の面に塗工液の塗工終了するときに、前記塗工タンクの高さHTを塗工終了時の高さから下降速度v2で下降させるものであり、下降速度v2=V0×c2/b2(但し、b2は前記基材の塗工終了時における塗工距離、c2は前記塗工速度V0で前記基材の塗工終了時近傍における前記塗工距離b2だけ塗工した場合の前記塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す)であることを特徴とする請求項6記載の塗工装置である。
請求項10に係る発明は、前記液面制御手段は、前記液面制御手段は、前記塗工終了時に、前記塗工タンクの高さHTを待機高さに下降させると同時、または、所定時間後に前記塗工ノズルを待機高さまで上昇させることを特徴とする請求項6記載の塗工装置である。
請求項1に係る発明の塗工装置では、塗工による塗工タンク中の塗工液の減少に応じて塗工タンクを上昇速度v1で上昇させることにより、絶対的な液面高さは変化せず、常に同じ量の塗工液が塗工ノズルに供給されて、塗工厚さにムラが発生しない。
請求項2に係る発明の塗工装置では、まず、塗工開始時に前記塗工タンクの高さHTを待機状態から接液高さ設定値に上昇させ、前記基材の下面に塗工液が接液した後に前記退避高さ設定値に下降させる。次に、塗工開始時の塗工による塗工タンク中の塗工液の減少に応じて塗工タンクを上昇速度v0で上昇させることにより、常に同じ量の塗工液が塗工ノズルに供給されて、接液時の塗工厚さにムラが発生しない。すなわち、接液時は塗工液の供給量が多くなり、他の塗工部分より塗工部分が盛り上がる傾向があるが、塗工タンクを上昇速度v0で上昇させることにより、塗工開始時の盛り上がりを防止できる。
請求項3に係る発明の塗工装置では、塗工ノズルから塗工タンクに塗工液が逆流しない。
請求項4に係る発明の塗工装置では、塗工終了時の塗工による塗工タンク中の塗工液の減少に応じて塗工タンクを上昇速度v2で下降させることにより、常に同じ量の塗工液が塗工ノズルに供給されて、離液時の塗工厚さにムラが発生しない。すなわち、離液時は塗工液の供給量が多くなり、他の塗工部分より塗工部分が盛り上がる傾向があるが、この塗工タンクを下降速度v2で下降させることにより、塗工終了時の盛り上がりを防止できる。
請求項5に係る発明の塗工装置では、塗工ノズルから塗工タンクに塗工液が逆流しない。
請求項6に係る発明の塗工装置では、塗工による塗工タンク中の塗工液の減少に応じて塗工タンクを上昇速度v1で上昇させることにより、絶対的な液面高さは変化せず、常に同じ量の塗工液が塗工ノズルに供給されて、塗工厚さにムラが発生しない。
請求項7に係る発明の塗工装置では、塗工開始時の塗工による塗工タンク中の塗工液の減少に応じて塗工タンクを上昇速度v0で上昇させることにより、常に同じ量の塗工液が塗工ノズルに供給されて、接液時の塗工厚さにムラが発生しない。すなわち、接液時は塗工液の供給量が多くなり、他の塗工部分より塗工部分が盛り上がる傾向があるが、塗工タンクを上昇速度v0で上昇させることにより、塗工開始時の盛り上がりを防止できる。
請求項8に係る発明の塗工装置では、塗工ノズルから塗工タンクに塗工液が逆流しない。
請求項9に係る発明の塗工装置では、塗工終了時の塗工による塗工タンク中の塗工液の減少に応じて塗工タンクを下降速度v2で下降させることにより、離液時の塗工厚さにムラが発生しない。すなわち、離液時は塗工液の供給量が多くなり、他の塗工部分より塗工部分が盛り上がる傾向があるが、この塗工タンクを下降速度v2で下降させることにより、塗工終了時の盛り上がりを防止できる。
請求項10に係る発明の塗工装置では、塗工ノズルから塗工タンクに塗工液が逆流しない。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態の塗工装置10について図1から図3に基づいて説明する。
本実施形態の塗工装置10は、板材の基材Wに塗工液を塗工するものである。例えば、液晶表示装置の液晶セルに用いられるガラス板に反射防止層や保護膜を形成するため、または、露光機のマスクを形成するときにCr膜などを塗工する場合である。なお、これは例示であり、液晶セルのガラス板に限らず、板状の基材であれば塗工可能であり、また、塗工液の種類も限定されない。
(1)塗工装置10の構成
図1は、塗工装置10の構成図である。
ガラス板等の板状である基材Wは、下面に吸引口を有したサクションテーブルに吸引された状態で支持されたものであり、このサクションテーブル12は、モータ13によって前後方向(図1においては、右側から左側)に移動可能となっている。
サクションテーブル12の下方には、基材Wの下面に塗工液を塗工するための塗工ノズル14が配されている。この塗工ノズル14は、上部がくちばし状に尖った形状をなし、左右方向に沿って毛管状隙間16が設けられ、この毛管状隙間16の上端部が塗工液の吐出口18となっている。また、毛管状隙間16の下端部には、供給された塗工液を左右方向に均等に配分する空間である液溜め部19が設けられている。
塗工ノズル14は、その下方に配されたエアシリンダまたはモータよりなる上下動装置20によって上下動可能となっている(図1における点線の状態から実線の状態)。
塗工ノズル14の外部には、塗工液を供給するための塗工タンク22が設けられている。すなわち、塗工ノズル14の壁に固定された支持部24には垂直方向にネジ棒26が回転自在に配され、このネジ棒26にラック28が設けられている。このラック28に前記した塗工タンク22が取り付けられている。ネジ棒26は減速機付きのモータ30によって回動自在であり、モータ30を回動させるとネジ棒26は回転し、それと共にラック28、すなわち、塗工タンク22が塗工ノズル14に対し上下動する。また、支持部24は塗工ノズル14に固定されているため、塗工ノズル14が上下動装置20によって上下動するとそれと共に塗工タンク22も上下動する。
塗工タンク22は、塗工液が貯留されており、その上部が開口し、大気に開放された状態となっている。
塗工タンク22の底面から、塗工ノズル14の側面に向かって塗工液を供給するための供給パイプ34が設けられている。この供給パイプ34から供給された塗工液は液溜め部19に至る。
支持部24の上部から非接触式(例えば、光学式)の液面センサ32が突出している。この液面センサ32は、塗工タンク22に溜まっている塗工液の液面高さを検出する。
塗工タンク22に塗工液を供給するための補充タンク36が設けられている。この補充タンク36から塗工タンク22の上部に向かって補充パイプ38が延びている。補充パイプ38には、不図示のフィルターと電磁弁39が設けられている。また、補充タンク36は密閉式であり、コンプレッサなどのポンプ54から送られてくるイナートガス(例えば、不活性ガス、窒素ガス(N))により塗工液を補充パイプ38へ供給する。そして、電磁弁39を操作することにより、一定量の塗工液を塗工タンク22に供給する。ここで、不活性ガスを送るのは防爆のためであるが、防爆を目的としない場合は、空気などのその他の気体でもよい。
この塗工装置10を制御するためにマイクロコンピュータよりなる制御部56が設けられている。この制御部56には、サクションテーブル12の移動を行うモータ13、上下動装置20、塗工タンク22を上下動させるモータ30、液面センサ32、電磁弁39,ポンプ54が接続されている。
制御部56は、液面センサ32によって塗工液の液面高さを検出して、その検出したデータに基づいてモータ30を駆動させて塗工タンク22を上下動させ、そして、塗工タンク22内の液面高さを下記で説明する所定の設定値になるようにフィードバック制御する。
また、塗工によって塗工液が少なくなり、液面センサ32によって検出した液面高さが基準値より低くなった場合には、制御部56は、ポンプ54を作動させてイナートガスによって圧力をかけ、補充タンク36から補充パイプ38を介して塗工液を送り、電磁弁39を操作することにより所定量補充して、常に塗工タンク22内部には、基準値以上の塗工液を貯留させる。これによって、従来のように廃棄される塗工液を最小限にすることができる。
この塗工の具体的な数値としては、例えば下記のようなものである。
塗工厚さは、ドライ状態で0.1ミクロンから5.0ミクロン、塗工液の粘度は30cps以下、塗工液の固形分は10%以下、塗工速度aは0.1m/分〜5.0m/分、塗工距離(基材Wに塗工する長さ)は0.1m〜2m、塗工タンク22の容量は0.01リットル(10cc)〜5リットルである。
(2)塗工装置10の塗工方法
上記構成の塗工装置10を用いて、基材Wの下面に塗工液を塗工する塗工方法について図2及び図3に基づいて順番に説明していく。
(2−1)第1工程(図2(1)参照)
第1工程では、サクションテーブル12に基材Wは吸引され、塗工ノズル14はその下方に待機した状態となっている。図3においては、塗工ノズル14のノズル高さは待機高さHN0であり、塗工タンク22のタンク高さは待機高さHT0となっている。
(2−2)第2工程(図2(2)参照)
サクションテーブル12をモータ13によって移動させ、基材Wを塗工開始位置に停止させる。
また、塗工ノズル14を上下動装置20によって上昇させ、吐出口18を塗工開始位置における基材Wの下面の近傍に停止させる。この場合に、塗工ノズル14とともに塗工タンク22も上昇してくるが、その上昇分だけでなくモータ30を用いて塗工タンク22に収納されている塗工液の液面高さを、塗工ノズル14の毛管状隙間16における上端部の位置(すなわち、吐出口の位置)の位置になるように設定する。この設定には、図1に示すように、毛管状隙間16の液高さが、h1だけ塗工タンク22に収納された液高さよりも高くなることを考慮する。このh1の高低差がある理由は、毛管状隙間16では毛細管現象によって塗工ノズル14の上端まで塗工液が上昇するからである。
(2−3)第3工程(図2(3)参照)
塗工ノズル14を基材Wの下面に対し接液高さHN1まで上昇させる。これと同時に、塗工タンク22も上昇させ、接液高さHT1に上昇させる。これによって、塗工タンク22内の毛管状隙間16から塗工液が吐出し基材Wの下面に接液が行われる(図2(3)参照)。
次に、この接液が行われると、ノズル高さは接液高さHN1のまま維持し、タンク高さを退避高さHT2まで下降させる。このようにタンク高さを下げることにより、塗工ノズル14から吐出している塗工液、すなわち接液されている塗工液の量が減り、塗工を開始した時における塗工液の盛り上がりによりムラを少なくすることができる。
次に、塗工液が、基材Wの下面に接液した状態のままで塗工ノズル14のノズル高さを塗工高さHN2まで下降させる。
(2−4)第4工程
上記のようにタンク高さが退避高さHT2の状態にあり、ノズル高さが塗工高さHN2の状態にある状態で、サクションテーブル12をモータ13によって移動を開始する。このときに塗工開始時の塗工状態のムラを防止するため、タンク高さを退避高さHT2から塗工高さHT3まで上昇させる。なお、
v0=a×c0/b0
である。但し、aは塗工速度であり、b0は基材Wの塗工開始時における塗工距離であり、c0は予め試験により求めた前記塗工速度aで基材Wの塗工開始時における塗工距離b0だけ塗工をした場合の塗工タンク22の液面の高さの変化した距離を表す。
このようにして、上昇速度v0でタンク高さを塗工高さHT3まで上昇させる。このように、予め試験により求めた減少する液面高さの分だけ上昇させることにより、塗工開始時におけるムラを防止することができる。
(2−5)第5工程(図2(4)参照)
基材Wの下面に塗工速度aで塗工液を塗工する。この場合に、タンク高さを塗工高さHT3から上昇速度v1で上昇させる。なお、
v1=a×c1/b1
である。但し、b1は基材Wの塗工距離であり、c1は予め試験により求めた塗工速度aで基材Wを塗工距離b1だけ塗工した場合の塗工タンク22の液面高さが変化した距離を表す。
このように、予め試験により求めた液面高さが減少する分だけ塗工タンク22を上昇させながら塗工するため、従来のようなフィードバック制御するよりも塗工厚さを均一にすることができる。
(2−6)第6工程
塗工終了時において、タンク高さの上昇速度v1から逆に下降速度v2で下降させる。
v2=a×c2/b2
である。但し、b2は基材の塗工終了時における塗工距離であり、c2は予め試験により求めた塗工速度aで基材の塗工終了時における塗工距離b2だけ塗工した場合の塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す。
このように下降速度v2で下降させて離液時におけるムラを防止することができる。すなわち、下降させることにより予め離液時における塗工液の供給量が多くなる状態を防止し、離液が行われた場合でも塗工液の量が増えて盛り上がりが発生して塗工厚さが大きくなるのを防止することができる。
(2−7)第7工程
塗工終了位置に基材Wが移動すると、タンク高さ及びノズル高さを待機高さHT0及びHN0まで下げ、離液を行う。
以上により、塗工厚さを均一にしつつ基材Wの下面に塗工液を塗工することができる。
(3)変更例1
上記第3工程では、塗工ノズル14を接液高さHN1まで上昇させると同時に、塗工タンク22も接液高さHT1に上昇させている。
これに代えて、塗工タンク22を接液高さHT1に上昇させた後、0秒〜15秒後に塗工ノズル14を接液高さHN1に上昇させてもよい。
これにより、塗工ノズル14から塗工タンク22への塗工液の逆流を防止でき、接液部分の塗工不良をより確実に防止できる。
(4)変更例2
上記第7工程では、塗工ノズル14の下降と同時に、塗工タンク22も待機高さHT0まで下降させている。
これに代えて、塗工タンク22を下降させた後、0秒〜15秒後に塗工ノズル14を下降させてもよい。
これにより、塗工ノズル14から塗工タンク22への塗工液の逆流を防止でき、離液部分の塗工不良をより確実に防止できる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態の塗工装置10について図4〜図7に基づいて説明する。
本実施形態の塗工装置10は、板材の基材Wに塗工液を塗工するものである。例えば、液晶表示装置の液晶セルに用いられるガラス板に反射防止層や保護膜を形成するため、または、露光機のマスクを形成するときにCr膜などを塗工する場合である。なお、これは例示であり、液晶セルのガラス板に限らず、板状の基材であれば塗工可能であり、また、塗工液の種類も限定されない。
(1)塗工装置10の構成
まず、塗工装置10の構成について図4に基づいて説明する。
板状の基材Wは、上面に複数の吸引口を有したサクションテーブル12に吸引された状態で支持されるものであり、このサクションテーブル12は、テーブル走行用モータ13によって前後方向に移動し、また、このサクションテーブル12には、バキューム装置よりなる吸引装置58が接続され、複数の吸引口から基材Wを吸引できる。
サクションテーブル12の上面には、基材Wの上面に塗工液を塗工するための塗工ノズル62が配されている。この塗工ノズル62は、その下部がくちばし状に尖った形状をなし、左右方向に沿って毛管状隙間16が設けられ、この毛管状隙間16の下端部が塗工液の吐出口18である。この毛管状隙間16の上端部は、大気に開放された状態である。塗工ノズル62の内部には、液溜め部40が設けられている。この液溜め部40は、連結空間42を通じて毛管状隙間16と連結されている。液溜め部40は、液入口41を介して外部から供給された塗工液を左右方向に均等に配分して毛管状隙間16に供給するものであり、連結空間42は、液溜め部40から上方に傾斜して延び、幅方向に延びた連結口44を介して毛管状隙間16に連結されている。この連結口44は、液溜め部40より上方に位置している。
塗工ノズル62は、上下動装置64によって上下動可能である。すなわち、ノズル高さモータ46の回転軸に連結されたネジ棒48にラック50が螺合し、このラック50に塗工ノズル62が固定されている。ノズル高さモータ46を回転させることにより、ラック50及び塗工ノズル62が上下方向に移動する。なお、塗工ノズル62の上下動装置64におけるネジ棒48を支持する支持部52は床に固定されている。
塗工ノズル62の外部には、塗工液を供給するための塗工タンク22が設けられている。床に固定された支持部24には垂直方向にネジ棒26が回転自在に配され、このネジ棒26にラック28が螺合している。このラック28に塗工タンク22が取り付けられ、ネジ棒26はタンク高さモータ30によって回動し、タンク高さモータ30を回動させるとネジ棒26が回転し、それと共にラック28と塗工タンク22が塗工ノズル62に対し上下動する。
塗工タンク22は、塗工液が貯留されており、その上部が開口し、大気に開放されている。この塗工タンク22における塗工液の液高さは、連結空間42の連結口44に着目して上下動させる。
塗工タンク22の底面から塗工ノズル62の側面の液入口41に向かって塗工液を供給するためのサイフォン管34が設けられている。このサイフォン管34は液溜め部40の液入口41に連結されている
塗工タンク22の上方には非接触式(例えば、光学式)の液面レベルセンサ32が配されている。この液面レベルセンサ32は、塗工タンク22に溜まっている塗工液の液面高さを測定する。
塗工タンク22に塗工液を供給するための補充タンク36が設けられている。この補充タンクから塗工タンク22の上部に向かって補充パイプ38が延びている。補充パイプ38には、不図示のフィルターと電磁弁39が設けられている。また、補充タンク36は密閉式であり、コンプレッサ等のポンプ54から送られてくるイナートガス(例えば、不活性ガス、窒素ガス)により塗工液を補充パイプ38へ供給する。そして、電磁弁39を操作することにより、一定量の塗工液を塗工タンク22に補給する。ここで、不活性ガスを送るのは防爆のためであるが、防爆を目的としない場合は空気等のその他の気体でもよい。
(2)塗工装置10の電気的構成
塗工装置10の電気的構成について図7に基づいて説明する。
この塗工装置10を制御するためにマイクロコンピュータよりなる制御部56が設けられている。この制御部56には、サクションテーブル12の移動を行なうテーブル走行用モータ13、上下動装置64のノズル高さモータ46、塗工タンク22を上下動させるタンク高さモータ30、液面レベルセンサ32、ポンプ54及びサクションテーブル12の吸着装置58が接続されている。
制御部56は、液面レベルセンサ32によって塗工液の塗工高さを検出して、この検出したデータに基づいてタンク高さモータ30を駆動させて塗工タンク22を上下動させ、下記で説明するように塗工タンク22の液面高さを所定の設定値になるようにフィードバック制御する。
また、塗工によって塗工液が少なくなり、液面レベルセンサ32によって検出した液面高さが基準値より低くなった場合には、制御部56はポンプ54を作動させてイナートガスによって圧力をかけ、補充タンク36から補充パイプ38を介して塗工液を送り、電磁弁39を操作することにより所定量補充して、常に塗工タンク22内部には、基準値以上の塗工液を貯留させる。
(3)塗工方法
上記構成の塗工装置10を用いて、基材Wの上面に塗工液を塗工する方法について順番に説明する。
(3−1)第1工程(待機工程)
初期状態では、サクションテーブル12の上面に基材Wが吸引され、塗工ノズル62はこの上方に待機している。
(3−2)第2工程(接液工程)
サクションテーブル12をテーブル走行用モータ13によって移動させ、基材Wを塗工開始位置に停止させる。
塗工ノズル62を上下動装置64によって下降させ、図6に示すようにノズル高さを接液時の高さL1に下降させる。
塗工タンク22を上方に移動させ、図4に示すように、塗工ノズル62の吐出口18から液面までの高さH(以下、これを塗工液高さという)を、図6に示すようにH1まで上昇させる。そして、塗工タンク22における塗工液の液高さが、連結空間42の連結口44より高く配置されているので、サイフォン現象により塗工タンク22内部の塗工液が、サイフォン管34、液溜め部40、連結空間42を通り毛管状隙間16に至る。ここで、連結空間42の液入口41側よりが毛管状隙間16側ほど上方に傾斜するように設けられているため、サイフォン現象をより発揮させることができる。
毛管状隙間16に至った塗工液は、毛細管現象により毛管状隙間16から吐出口18に至り、基材Wの上面に塗工液が接液される。この場合に、図7に示すように、毛管状隙間16の上端部は大気に開放されているため、毛管状隙間16の幅方向の長さAが、基材Wの幅方向の長さBよりも大きい場合であっても、毛細管現象により基材Wの幅Bにのみしか塗工液が供給されない。したがって、毛管状隙間16の幅を常に基材Wの幅に合わせる必要が無い。
なお、この場合の液面高さH1は、液面レベルセンサ32によって測定した液面の高さに基づいて決定する。そしてこの接液時の状態を約1秒継続する。なお、この時間は例示であって、塗工液の粘性、塗工幅、塗工厚さによって変化する。以下で記載されている時間も同様に例示である。
(3−3)第3工程(接待ち工程)
第2工程が終了すると、サクションテーブル12を停止したままで、塗工タンク22を下降させて塗工液高さをH1から退避高さH2に下降させる。これによって、サイフォン現象に基づいて吐出口18の位置にある塗工液に対する圧力が小さくなる。そのため、接液工程で吐出口18と基材Wの間に滞留した余分な塗工液が、塗工タンク22側に吸引される。また、同時に塗工ノズル62の高さも、塗工時の高さL0に上昇させる。これによって、目的の塗工厚さdで塗工液が塗工できる状態となる。この接待ち工程を約5秒維持する。なお、図6に示すように、ウエット状態で塗工厚さdは吐出口18と基材Wとの距離m(mとしては50〜300μm)より小さい。
(3−4)第4工程(塗工工程)
第3工程の状態が終了すると、塗工タンク22を上昇させて退避高さ設定値H2から塗工高さ設定値H0に上昇させる。サクションテーブル12を速度aで移動させ、塗工厚さdで毛細管現象とサイフォン現象とを利用して塗工液を基材Wの上面に塗工する。この場合に、毛細管現象により、毛管状隙間16が基材Wよりも幅方向の大きさが大きくても、基材Wの幅Bにしか塗工されず、かつ、サイフォン現象による圧力が一定であるため塗工厚さもdで塗工できる。そして、サクションテーブル12を塗工終了位置まで移動させる。
なお、塗工により塗工タンク22内部の塗工液が減少するため、その塗工液高さを一定にする必要があるため、塗工液の減少分だけ塗工タンク22を上昇させる(図6の点線の部分)。
具体的には、基材Wの面に塗工液を塗工している間、塗工タンク22の高さを塗工高さ設定値H0から下記の上昇速度v1(m/分)で上昇させる。
v1=a×c1/b1
但し、a(m/分)は塗工速度、b1(mm)は前記基材の塗工距離、c1(mm)は予め試験により求めた前記塗工速度で前記基材を前記塗工距離だけ塗工した場合の前記塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す。
塗工終了位置に来るとサクションテーブル12を停止させる。
(3−5)第5工程(離液工程)
第4工程の状態が終了すると、サクションテーブル12が停止し、塗工液高さをH0からH3に下降させる。これはサイフォン現象に圧力を下げて離液を促進するためである。一方、塗工ノズル62のノズル高さもL0からL2に上昇させ、離液を行なう。
(4)第2の実施形態の効果
塗工装置10であると、以上のようにして塗工開始位置から塗工終了位置まで所定の塗工厚さdで塗工することができる。
塗工開始時においては、塗工液高さをH1からH2に下げることにより、接液工程から接待ち工程に移行するときに塗工量が少なくなり塗工厚さdより厚くなることが無い。すなわち、接液時にH1の高さでサイフォン現象により圧力は高くなっているが、接待ち時には高さをH2に下降してサイフォン現象による圧力を下げて接液される塗工量を減らしているため、塗工開始部分における盛り上がり状態を防止ができる。
塗工終了時においては、塗工液高さをH0からH3に下げてサイフォン現象による圧力を下げることにより、離液を促進させ、また、塗工終了位置における盛り上がり状態を防止できる。
このように、サイフォン現象によって圧力を調整するため、ポンプ等による圧力調整よりも微調整を行なうことができ、塗工厚さを目的のdにすることができる。
毛細管現象及びサイフォン現象による圧力を利用しているため、従来の下方から塗工液を毛細管現象によって塗工する場合よりもサクションテーブル12の移動速度を1.5倍以上速くすることができ、生産効率も高めることができる。
(5)変更例1
上記実施形態では、塗工開始時から塗工終了時まで、上昇速度v1で上昇させ塗工タンク22を上昇させたが、これに代えて下記のように塗工タンク22の高さを制御してもよい。
(5−1)塗工開始時
基材Wの面に塗工液の塗工開始時の退避高さH2から塗工高さH0に上昇させるときに塗工タンク22を下記の上昇速度v0(m/分)で上昇させる。
v0=a×c0/b0
但し、b0(mm)は基材Wの塗工開始時における塗工距離、c0(mm)は予め試験により求めた塗工速度aで基材Wの塗工開始時近傍における塗工距離b0だけ塗工した場合の塗工タンク22の液面高さが変化した距離を表す。
これにより、接液時の塗工厚さのムラをさらに防止できる。すなわち、接液時は塗工液の供給量が多くなり、他の塗工部分より塗工部分が盛り上がる傾向があるが、塗工タンクを上昇速度v0で上昇させることにより、塗工開始時の盛り上がりを防止できる。
(5−2)塗工終了時
基材Wの面に塗工液の塗工終了時の塗工タンク22の高さをv1で塗工を終了した時の高さから下記の下降速度v2(m/分)で下降させる。
v2=a×c2/b2
但し、b2(mm)は基材Wの塗工終了時における塗工距離、c2(mm)は予め試験により求めた塗工速度aで基材Wの塗工終了時近傍における塗工距離b0だけ塗工した場合の塗工タンク22の液面高さが変化した距離を表す。
これにより、離液時の塗工厚さのムラをさらに防止できる。すなわち、離液時は塗工液の供給量が多くなり、他の塗工部分より塗工部分が盛り上がる傾向があるが、この塗工タンクを下降速度v2で下降させることにより、塗工終了時の盛り上がりを防止できる。
(6)変更例2
上記第3工程では、塗工ノズル62の上昇と同時に、塗工タンク22を下降させている。
これに代えて、塗工タンク22を下降させた後、0秒〜15秒後に塗工ノズル62を上昇させてもよい。
これにより、塗工ノズル62から塗工タンク22への塗工液の逆流を防止でき、接液部分の塗工不良をより確実に防止できる。
(7)変更例3
上記第5工程では、塗工ノズル62の下降と同時に、塗工タンク22も上昇させている。
これに代えて、塗工タンク22を下降させた後、0秒〜15秒後に塗工ノズル62を上昇させてもよい。
これにより、塗工ノズル62から塗工タンク22への塗工液の逆流を防止でき、離液部分の塗工不良をより確実に防止できる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の塗工装置10について、図8に基づいて説明する。
本実施形態と第1の実施形態の異なる点は、サイフォン管34の途中に吸引装置60を設けている点にある。
この吸引装置60は、塗工が終了し、サクションテーブル12を停止させて離液を行なう場合に、毛管状隙間16内部の塗工液を吸引装置60で吸引して塗工液の離液をより促進でき、また、塗工終了位置における盛り上がり状態を防止できる。
本発明は、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、有機EL表示装置などの平面表示装置のガラス基板における反射防止層や保護膜の形成、または、露光機のマスクを形成するときにCr膜などを塗工する場合に好適である。
本発明の第1の実施形態を示す塗工装置の説明図である。 (1)から(4)は、塗工装置の塗工工程を示す図面である。 本実施形態の塗工装置の塗工状態を示すタイムチャートである。 第2の実施形態を示す塗工装置の説明図である。 幅方向から観た基材Wと塗工状態を示す図である。 塗工装置のタイムチャートである。 塗工装置のブロック図である。 第3の実施形態の塗工装置の説明図である。
符号の説明
10 塗工装置
12 サクションテーブル
14 塗工ノズル
16 毛管状隙間
18 吐出口
22 塗工タンク
32 液面センサ
34 供給パイプ

Claims (10)

  1. 毛管状隙間を備え、その上端部が塗工液の吐出口となった左右方向に延びる塗工ノズルと、
    大気開放された状態で塗工液を貯留すると共に、前記塗工ノズルに連通されて塗工液を前記塗工ノズルに供給可能な塗工液供給手段と、
    塗工対象である板状の基材に前記塗工ノズルを近接させた状態で、前記吐出口に沿って前記基材を相対的に前後方向に移動させる移動手段と、
    を備え、
    前記移動手段により前記基材と前記塗工ノズルとを相対的に移動させながら、前記塗工液供給手段より前記塗工ノズルに供給されている塗工液を、前記塗工ノズルの吐出口から前記基材の下面へ毛細管現象により塗工する塗工装置において、
    前記塗工液供給手段が、
    大気開放された状態で塗工液を貯留する塗工タンクと、
    前記塗工タンクを前記塗工ノズルに対して相対的に上下動させる塗工タンク上下動手段と、
    液面制御手段と、
    を備え、
    前記液面制御手段は、
    前記基材の下面に塗工液を塗工している間、前記塗工タンクの高さHTを塗工高さ設定値から上昇速度v1で上昇させるものであり、
    上昇速度v1=a×c1/b1(但し、aは塗工速度、b1は前記基材の塗工距離、c1は予め試験により求めた前記塗工速度aで前記基材を前記塗工距離b1だけ塗工した場合の前記塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す)である
    ことを特徴とする塗工装置。
  2. 前記液面制御手段は、
    塗工開始時に前記塗工タンクの高さHTを待機状態から接液高さ設定値に上昇させ、前記基材の下面に塗工液が接液した後に前記退避高さ設定値に下降させ、
    前記基材の下面に塗工液の塗工開始するときに、前記塗工タンクの高さHTを前記退避高さ設定値から前記塗工高さ設定値まで上昇速度v0で上昇させるものであり、
    上昇速度v0=a×c0/b0(但し、b0は前記基材の塗工開始時における塗工距離、c0は予め試験により求めた前記塗工速度aで前記基材の塗工開始時近傍における前記塗工距離b0だけ塗工した場合の前記塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す)である
    ことを特徴とする請求項1記載の塗工装置。
  3. 前記液面制御手段は、
    前記塗工開始時に前記塗工タンクの高さHTを待機状態から接液高さ設定値に上昇させると同時、または、所定時間後に前記塗工ノズルを接液高さまで上昇させ、前記塗工タンクを前記退避高さ設定値に下降させる
    ことを特徴とする請求項2記載の塗工装置。
  4. 前記液面制御手段は、
    前記基材の下面に対し塗工液の塗工を終了するときに、前記塗工タンクの高さHTを塗工終了時の高さから下降速度v2で下降させるものであり、
    下降速度v2=a×c2/b2(但し、b2は前記基材の塗工終了時における塗工距離、c2は前記塗工速度aで前記基材の塗工終了時近傍における前記塗工距離b2だけ塗工した場合の前記塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す)である
    ことを特徴とする請求項1記載の塗工装置。
  5. 前記液面制御手段は、
    前記塗工終了時に、前記塗工タンクの高さHTを待機高さに下降させると同時、または、所定時間後に前記塗工ノズルを待機高さまで下降させる
    ことを特徴とする請求項4記載の塗工装置。
  6. 塗工対象である基材の上方に塗工ノズルが配され、
    上端部が大気に開放され、下端部が吐出口となった毛管状隙間が前記塗工ノズルの内部に左右方向に設けられ、
    前記塗工ノズルに塗工液の液入口が設けられ、
    前記液入口と前記毛管状隙間とを連結する連結空間が前記塗工ノズル内部に設けられ、
    大気開放された状態で塗工液を貯留すると共に、前記液出口にサイフォン管によって連結されて塗工液を供給する塗工液供給手段が配され、かつ、前記貯留された塗工液の液高さが前記連結空間の前記毛管状隙間側の出口より高く配置され、
    前記塗工ノズルを前記基材に対し相対的に前後方向に移動させる移動手段が設けられ、
    前記移動手段により前記基材と前記塗工ノズルとを相対的に移動させながら、前記塗工液供給手段から前記サイフォン管と前記連結空間を経て前記毛管状隙間に供給されている塗工液を、前記吐出口から前記基材の上面へ塗工する塗工装置であって、
    前記塗工液供給手段が、
    大気開放された状態で塗工液を貯留する塗工タンクと、
    前記塗工タンクを前記塗工ノズルに対して相対的に上下動させる塗工タンク上下動手段と、
    前記塗工タンク上下動手段を用いて、前記塗工タンク内の液面高さを設定値に調整して、前記塗工液を前記基材の上面に接液した後に塗工を開始し、塗工終了後に離液を行う液面制御手段と、
    を備え、
    前記液面制御手段は、
    前記基材が塗工開始位置に位置し、かつ、前記塗工ノズルを前記基材に近接させた状態で、前記塗工タンクの液面高さを前記塗工高さ設定値より高い接液高さ設定値へ相対的に上昇させて、塗工液を前記基材の上面へ接液し、
    また、前記基材の面に塗工液を塗工している間、前記塗工タンクの高さHTを塗工高さ設定値から上昇速度v1で上昇させるものであり、
    上昇速度v1=V0×c1/b1(但し、V0は塗工速度、b1は前記基材の塗工距離、c1は予め試験により求めた前記塗工速度V0で前記基材を前記塗工距離b1だけ塗工した場合の前記塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す)である
    ことを特徴とする塗工装置。
  7. 前記液面制御手段は、
    塗工開始時に前記塗工タンクの高さHTを待機状態から接液高さ設定値に下降させ、前記基材の面に塗工液が接液した後に前記退避高さ設定値に上昇させ、
    前記塗工タンクの高さHTを前記退避高さ設定値から前記塗工高さ設定値まで上昇速度v0で上昇させるものであり、
    上昇速度v0=V0×c0/b0(但し、b0は前記基材の塗工開始時における塗工距離、c0は予め試験により求めた前記塗工速度V0で前記基材の塗工開始時近傍における前記塗工距離b0だけ塗工した場合の前記塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す)である
    ことを特徴とする請求項6記載の塗工装置。
  8. 前記液面制御手段は、
    前記塗工開始時に前記塗工タンクの高さHTを接液高さ設定値から前記退避高さ設定値に下降させると同時、または、所定時間後に前記塗工ノズルを塗工高さまで上昇させる
    ことを特徴とする請求項6記載の塗工装置。
  9. 前記液面制御手段は、
    前記基材の面に塗工液の塗工終了するときに、前記塗工タンクの高さHTを塗工終了時の高さから下降速度v2で下降させるものであり、
    下降速度v2=V0×c2/b2(但し、b2は前記基材の塗工終了時における塗工距離、c2は前記塗工速度V0で前記基材の塗工終了時近傍における前記塗工距離b2だけ塗工した場合の前記塗工タンクの液面高さが変化した距離を表す)である
    ことを特徴とする請求項6記載の塗工装置。
  10. 前記液面制御手段は、
    前記塗工終了時に、前記塗工タンクの高さHTを待機高さに下降させると同時、または、所定時間後に前記塗工ノズルを待機高さまで上昇させる
    ことを特徴とする請求項6記載の塗工装置。
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