JP4871541B2 - 塗布方法および塗布装置、ディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents

塗布方法および塗布装置、ディスプレイ用部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略称することもある)、液晶ディスプレイ用カラーフィルター(以下、LCMと略称することもある)、光学フィルター、プリント基板、集積回路、半導体等の製造分野に使用されるものであり、特にガラス基板などの被塗布部材表面に非接触で高粘度の塗液を吐出しながら薄膜パターンを形成する塗液の塗布方法および装置、並びにプラズマディスプレイ用部材の製造方法に関するものである。
近年、ディスプレイはその方式において次第に多様化してきているが、現在注目されているものの一つが、従来のブラウン管よりも大型で薄型軽量化が可能なプラズマディスプレイである。プラズマディスプレイにおいては、前面板と背面板の間に形成された放電空間内で放電を生じさせ、この放電によりキセノンガスから波長147nmを中心とする紫外線が生じて、この紫外線が蛍光体を励起することによって表示が可能となる。赤(R)、緑(G)、青(B)に発光する蛍光体を塗り分けた放電セルを駆動回路によって発光させることにより、フルカラー表示に対応できる。
また、最近活発に開発が進められている交流(AC)型プラズマディスプレイは、表示電極/誘電体層/保護層を形成した前面ガラス板と、アドレス電極/誘電体層/隔壁層/蛍光体層を形成した背面ガラス板とを貼り合わせ、ストライプ状の隔壁で仕切られた放電空間内にHe−Xe、または、Ne−Xeの混合ガスを封入した構造を有している。
R、G、Bの各蛍光体層は、粉末状の蛍光体粒子を主成分とする蛍光体ペーストが背面板に形成された各色毎に一方向に延びる隔壁により形成された凹凸部の凹部にストライプ状に充填されてなる。
蛍光体がストライプ状に構成されているという構造は、ストライプ形ブラックマトリックス式のブラウン管や表面電界ディスプレイ等も有している。
このような構造のものを高い生産性と高品質で製造するには、蛍光体ペーストを一定のパターン状に塗り分ける技術が重要となる。
例えば、特許文献1には、プラズマディスプレイパネルの隔壁間に、一個あるいは複数の吐出孔を有する口金にて蛍光体ペーストを塗布する方法が開示されている。この方法においては、内部に塗液溜まりと塗液上部の空間を有する口金を用いて、この上部空間に加圧気体を注入し、その圧力で塗液を口金より押し出す方法を用いることが必要である。なぜなら、口金内に塗液を充満させ、ポンプで定量送液して口金から押し出し、被塗布材に塗布する方法では、特に塗液である蛍光体ペーストの粘度が高い場合、配管での圧力損失が大きく、塗布開始の遅れが顕著となり、塗布端面処理が難しくなるためである。
ところが、上記特許文献1に開示されたような塗布方法においては、以下のような問題がある。
上部に空間を有する口金を用い、加圧気体の圧力で塗液を押し出す方法では、蛍光体ペーストを被塗布材へ塗布した後、塗布した量と同量の蛍光体ペーストを口金内へ供給する必要がある。蛍光体ペーストの再供給量は、少な過ぎると口金内の蛍光体ペーストはやがて無くなり、塗布不良を引き起こす。再供給量が多過ぎると口金内に蛍光体ペーストがあふれてしまい、口金から予期せぬ吐出を行ってしまう。プラズマディスプレイパネルの製造においては、被塗布材には様々な大きさや品種のものがあり、それに塗布する蛍光体ペーストの量や塗布形状も様々である。従って、その様々な塗布量に応じて、口金への蛍光体ペーストを精密かつ適量供給し、口金内の蛍光体ペースト量を一定に保つ必要があり、それができなければ、塗布作業を安定して継続することができない。
また、塗液の補給源から口金への塗液の供給は、被塗布材へ塗布中の、内部が加圧状態の口金にはできないため、被塗布材への塗布が一旦終了し、次の塗布を開始するまでの間に行わなければならない。口金への塗液の供給時間は、直接タクトタイム、つまり被塗布材の生産量に大きく影響するため、塗液の供給時間はなるべく短いほうが好ましい。しかし、特に塗液が高粘度の蛍光体ペーストである場合、配管内壁の圧力損失が大きいために、蛍光体ペーストを供給するのに時間を要する。
蛍光体ペーストの供給時間を短くする方法として、配管長を短くする、つまり、塗液の補給源を口金に近づける方法があるが、一般的に塗液の補給源は、大容量容器が望ましく、口金の近くに設置するのは難しい。ましてや、口金を移動させながら塗布する装置の場合、塗液の補給源を口金の近くに設置することはできない。また、配管径を大きくする方法もあるが、蛍光体ペーストを配管中に充満させることを考えれば、必要以上に蛍光体ペーストが必要になり、不経済である。
特許文献1記載の発明には、上記のような問題があったが、これを解決する技術として、特許文献2の技術が提案されている。すなわち、2つの塗液容器を有して、1つの塗液容器を小さくして、かつ口金近傍に配置することで、短時間で口金内に安定して塗液を供給する方法である。
しかしながら、特許文献2に開示されたような技術によっても、以下のような問題がある。すなわち、蛍光体ペーストが気泡を含んだまま口金に供給され、口金から押し出されて被塗布材に塗布されると、口金から押し出された蛍光体ペーストが途切れ、塗布不良(塗布抜け)を引き起こすことがある。
塗布不良を起こした場合、その不良の度合いによっては、被塗布材を廃棄せざるを得ず、生産量や生産効率が大幅に低下する。仮に塗布不良であった被塗布材が修復可能であったとしても、その修復作業に新たな労力、設備を要し、被塗布材のコスト上昇の要因となる。
したがって、塗布不良の一因となる蛍光体ペースト中の気泡を除去すること、気泡を含んだ蛍光体ペーストを口金に供給しないことは、生産量を増加し、生産効率を向上する上で、必要不可欠である。
しかし、特に蛍光体ペーストの粘度が高い場合、蛍光体ペースト中の気泡の除去は困難である。なぜなら、静置して気泡を除去しようとした場合、気泡自身が浮力のみで液面まで上昇するには多大な時間を要する場合がある。また、蛍光体ペーストを貯蔵する貯蔵容器内部を真空状態にすることにより気泡を除去しようとしても、生産性の観点から、前記貯蔵容器は一度に大量の蛍光体ペーストを貯蔵できる大容量容器が望ましく、その場合、全ての気泡の除去は困難であり、容器内の蛍光体ペーストを攪拌させたとしても、同様である。さらに、口金や配管が空の状態から塗液を充填する際(初期充填)や、貯蔵容器を吐出装置に接続する際に、蛍光体ペースト中に新たな気泡を混入する恐れがある。
特開平10−27543号公報(請求項1等) 特開2003−53248号公報(請求項1等)
本発明は、上記従来技術では解決できなかった、被塗布材、例えばプラズマディスプレイパネルの背面板のように、一定の凹凸状のパターンが形成された被塗布材の複数の凹部に、口金から所定の蛍光体ペーストを塗布するに際し、常に口金内へ適正量の、塗布不良の一因となる気泡を含まない蛍光体ペーストを短時間で供給し、長時間にわたって連続して安定した塗布作業が行うことができ、これによって、被塗布材の高生産性と高品質を可能とする塗液の塗布方法および塗布装置、並びにプラズマディスプレイパネル用部材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る塗液の塗布方法は、塗液の補給源からこれに連通する塗液容器に塗液を補給し、塗液容器からこれに連通する口金に塗液を供給し、該口金から塗液を吐出しながら、被塗布材と口金とを相対移動させることによって被塗布材に塗液を塗布する塗液の塗布方法であって、前記塗液容器は底面から上向きに突出する塗液流入管、該塗液流入管の先端部に設けられた第1の開口部および底面に設けられた第2の開口部を有し、前記第1の開口部は前記塗液容器底面と塗液面下限間の下から10%の位置と塗液面下限の間の位置に設けられており、塗液の補給は前記第1の開口部から概ね鉛直方向上向きに塗液を流入せしめることで行い、塗液の供給は前記第2の開口部から概ね鉛直方向下向きに塗液を流出せしめることによって行うことを特徴とするものである。
この塗液の塗布方法においては、前記第1の開口部と第2の開口部の位置の高さの差が、塗液容器の底面から塗液面下限までの高さの5%以上であることが好ましい。
この塗液の塗布方法は、塗液の粘度が、25℃の環境下にて測定したとき、5Pa・s以上、100Pa・s以下の範囲にある塗液を用いる場合に好ましく用いることができる。
また、この塗液の塗布方法は、前記塗液容器から口金に塗液を供給した後に、該口金内から塗液を吐出して被塗布材に塗液を塗布することが好ましい。このとき、口金内の塗液の被塗布材への塗布と塗液容器への塗液の補給とを同時に行うことことが好ましい。
さらに、塗液容器内の塗液量を検出して、塗液の補給源から前記塗液容器に補給する塗液量を制御することが好ましい。
発明に係る塗布装置は、塗液の補給源、該補給源に連通する塗液容器、および該塗液容器と連通する口金、ならびにこれらの間の塗液の送液を可能とする送液手段とを有する塗布装置であって、塗液の補給源から塗液容器内に塗液を補給する塗液流入管は、前記塗液容器の底面から上向きに突出し、かつその先端に塗液容器内の塗液の液面下限位置より下方、かつ塗液容器底面から液面下限位置までの高さの10%以上の高さとなる位置で開口する第1の開口部を有し、塗液容器から口金に塗液を供給する塗液流出管は、塗液容器の底面に設けられた第2の開口部を有し、前記塗液流入管の開口部より下方となる位置で開口され、塗液が塗液流入管から塗液容器に流入する向きは概ね鉛直方向上向きであり、塗液流出管から塗液が流出する向きは概ね鉛直方向下向きであることを特徴とするものである。
本発明に係る塗布装置は、前記塗液流入管の開口する位置と塗液流出管の開口する位置との高さの差が、塗液容器底面から液面下限位置までの高さの5%以上であることが好ましい。
上記塗液の塗布装置における塗液容器は、塗液容器内の塗液量を検出する塗液量検出手段を有することを有することが好ましい。
また、本発明は、被塗布材がプラズマディスプレイ用発光基板であって、塗液が赤色、緑色、青色のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含むペーストであり、上記記載の塗布装置を用いて塗布する工程を含むことを特徴とするプラズマディスプレイ用部材の製造方法を提供する。
本発明の塗液の塗布方法及び塗布装置は、気泡が混入した塗液が仮に塗液容器内に入っても、口金に気泡の混入した塗液が供給されず、塗布抜けを引き起こさない。
以下、本発明の塗布方法について説明する。
本発明の塗布方法は、塗液の補給源からこれに連通する塗液容器に塗液を補給し、塗液容器からこれに連通する口金に塗液を供給し、該口金から塗液を吐出して、被塗布材と口金とを相対移動させることによって被塗布材に塗液を塗布する塗液の塗布方法である。塗液の補給源から口金に直接塗液を供給する方法と比較して、タクトタイムを短縮することができる。
また、本発明の塗布方法においては、塗液容器底面と前記塗液面下限間の下から10%の位置と塗液面下限の間の位置に設けられた第1の開口部から塗液を流入せしめることで行い、前記の供給は前記開口部の下に設けた第2の開口部から前記流入の向きと異なる向きに塗液を流出せしめることを特徴とする。なお、本発明において、塗液面下限とは、塗液の補給、塗液の供給、塗液の塗布の操作を通じて塗液容器内で塗液面が最も低くなる位置を指す。このようにすることによって、塗液の補給源から塗液容器に補給する塗液中に気泡が混入している場合であっても、塗液が気泡を含んだ状態で口金に供給されないため、塗布抜けが発生しない。本発明の塗布方法においては、塗液容器に補給する塗液中に混入していた気泡は、口金への塗液の供給までには浮力で上昇、あるいは、次の塗液の補給時に入ってくる塗液によって上方に追いやられ、塗液容器内の塗液流出管の開口部(第2の開口部)に近づくことはなく、つまりは口金に供給されることはなく、よって塗布抜けは発生しない。
そこで、塗液容器内の塗液流入管の開口部(第1の開口部)から塗液を補給する際に、少なくとも次の口金への塗液供給工程において気泡を含んだままの状態で塗液流出管を通じて供給されないような塗液容器内の位置に塗液を補給する必要がある。そのためには、塗液流出管の開口部(第2の開口部)から離れた位置に塗液を補給し、かつ塗液流出管の開口部(第2の開口部)に向かって塗液を補給しなければ良い。なぜなら、仮に補給した塗液中に気泡が混入していても、塗液容器内に塗液を補給する位置が塗液流出管の開口部(第2の開口部)から離れていれば、塗液流出管の開口部(第2の開口部)に気泡が到達せず、また、塗液流出管の開口部(第2の開口部)に向かって補給しなければ、その気泡は塗液流出管の開口部(第2の開口部)に近づかないためである。
そこでまず、口金への塗液の供給は、塗液容器内の塗液流入管の開口部(第1の開口部)より下方に位置する塗液流出管の開口部(第2の開口部)を通じて行う必要がある。なぜなら、塗液流入管の開口部(第1の開口部)より塗液容器内に流入する塗液が気泡を含んでいたとしても、気泡は浮力により上昇するため、気泡は塗液流出管の開口部(第2の開口部)より離れる方向に向かい、気泡が塗液流出管の開口部(第2の開口部)より流出、つまり口金に供給される可能性が少なくなるためである。なお、本発明における塗液容器内への塗液の補給は、塗液容器の底面から塗液面下限までの高さの、10%以上の高さの位置に設けられた塗液流入管の開口部(第1の開口部)を通じて行えば良い。
また、塗液容器内への塗液の補給を行う塗液流入管の開口部(第1の開口部)は、塗液容器内の塗液面下限より下方でなければならない。なぜなら、塗液を液面より上方に補給した場合、重力により塗液は下方に向かって流れて液面と衝突し、このとき、空気を塗液中に巻き込んで新たな気泡を発生するからである。
ここで、塗液流入管の開口部(第1の開口部)を通じた塗液容器内への塗液の流入する向きは、塗液流出管の開口部(第2の開口部)を通じた塗液容器内からの塗液の流出する向きと異なる必要がある。なぜなら、上述の通り、塗液流出管の開口部(第2の開口部)が塗液流入管の開口部(第1の開口部)より下方に位置する場合であっても、塗液の流入する向きと流出する向きが同じであれば、流入する塗液が塗液流出管の開口部(第2の開口部)に近づくため、仮に、塗液が気泡を含んでいた場合、気泡が塗液流出管の開口部(第2の開口部)に近づき、口金に供給される可能性があるからである。なお、ここでの流入する向き、流出する向きとは、それぞれの塗液の主流の向きのことである。
また、塗液容器への塗液の流入する向きと、塗液の流出する向きのなす角度は、90°以上180°以下であることが好ましい。このような配置とすることによって、塗液流入管の開口部(第1の開口部)を通じて流入する塗液は、塗液流出管の開口部(第2の開口部)より離れる方向に流れ拡がりやすくなり、流入直後に口金に供給(塗液容器から流出)されにくくなる。
さらに好ましくは、塗液の流入する向きが概ね鉛直方向上向きであることが良い。流入する塗液は、仮に気泡を含んでいても、鉛直方向上向きに流入することで液面に向かい、液面からの気泡の排出が促進されるからである。
本発明の塗布方法は、25℃における粘度が5Pa・s以上、100Pa・s以下の範囲にある塗液を用いる場合に、特に有効である。例えばPDPの蛍光体塗布を効率的に行うためには塗液粘度が上記範囲内となることが好ましいが、従来の方法では気泡の混入による塗布抜けが発生しやすいのに対し、本発明の塗布方法によって大きな塗布抜け抑制効果が得られるからである。なお、上記の塗液の粘度は、B型回転粘度計を用いて3rpmで測定した値である。
本発明の塗布方法においては、前記塗液容器から口金に塗液を供給した後に、該口金内から塗液を吐出して被塗布材に塗液を塗布することが好ましい。塗液容器内の塗液の口金への供給と口金内の塗液の被塗布材への塗布を加圧気体の圧力によって行う場合、両者を同時行う場合と比較して高精度な塗布が可能となるからである。
また、前記塗液容器から口金に塗液を供給した後に、該口金内から塗液を吐出して被塗布材に塗液を塗布する場合、口金内の塗液の被塗布材への塗布と塗液容器への塗液の補給とを同時に行うことことが、タクトタイムを短縮できるため好ましい。
さらに、本発明においては、塗液容器内の塗液量を検出して、塗液の補給源から前記塗液容器に補給する塗液量を制御することが好ましい。塗液を被塗布材へ塗布した後の再供給量を正確に制御し、塗布不良を防止することができるためである。
次に、本発明の塗布装置について説明する。
本発明の塗布装置は、塗液の補給源とそれに連通する塗液容器、および該塗液容器と連通する口金、ならびにこれらの間の塗液の送液を可能とする送液手段とを有する塗布装置である。さらに、本発明の塗布装置における塗液容器は、塗液の補給源から塗液を塗液容器に補給するための塗液流入管の開口部(第1の開口部)と、塗液容器から塗液を口金に供給するための塗液流出管の開口部(第2の開口部)を有する。
上述の通り、塗布欠点である塗布抜けを発生させないためには、仮に、塗液容器に補給する塗液中に気泡が混入していた場合でも、その塗液が次の口金への塗液の供給工程に使われなければ良く、そのためには、塗液流出管の開口部(第2の開口部)から離れた位置に塗液を補給し、かつ塗液流出管の開口部(第2の開口部)に向かって塗液を補給しなければ良い。
そこで、塗液流入管の開口部(第1の開口部)の高さ位置は、定常状態において、塗液中に浸かる範囲、すなわち塗液面下限より下方に配置する必要がある。なぜなら、塗液容器内に塗液を補給するとき、塗液が重力により落下して下向きに流れることがなく、塗液が液面と衝突した際に新たな気泡を発生することもないためである。なお、本塗布方法の全工程を定常的に繰り返す際の塗液容器内における塗液面の下限位置を塗液面下限として定めたときに、塗液流入管の開口部(第1の開口部)は、塗液容器の底面から塗液面下限までの高さの10%以上の位置に配置する必要がある。
また、塗液流出管の開口部(第2の開口部)は、塗液流入管の開口部(第1の開口部)より下方の位置に配置する必要がある。なぜなら、塗液流入管の開口部(第1の開口部)より塗液容器内に流入する塗液が仮に気泡を含んでいたとしても、気泡は自身の浮力により上昇するため、塗液流出管の開口部(第2の開口部)が塗液流入管の開口部(第1の開口部)より下方に位置すれば、気泡が塗液流出管の開口部(第2の開口部)より流出、つまり口金に供給される可能性が少なくなるからである。前記塗液流入管の開口する位置と塗液流出管の開口する位置との高さの差は、塗液容器底面から液面下限位置までの高さの5%以上であることが好ましい。
さらに、口金への塗液の供給部である塗液流出管の開口部(第2の開口部)に向かって塗液を補給しないことも効果的である。そこで、塗液が塗液流入管から塗液容器に流入する向きと、塗液流出管から塗液が流出する向きとが互いに異なる必要がある。塗液流出管の開口部(第2の開口部)が塗液流入管の開口部(第1の開口部)より下方に位置し、かつ、塗液が塗液流入管から塗液容器に流入する向きと、塗液流出管から塗液が流出する向きが同じであれば、流入する塗液は塗液流出管の開口部(第2の開口部)に近づき、仮に塗液が気泡を含んでいた場合、気泡が塗液流出管の開口部(第2の開口部)を通じて口金に供給される可能性がある。
ここで、前記塗液容器に開口された塗液の流入口は、概ね鉛直方向上向きに開口していることが好ましい。なぜなら、塗液流入管の開口部(第1の開口部)は、塗液容器内に流入する塗液を、鉛直方向上向きに流入することで液面に向かわせ、仮に塗液が気泡を含んでいても、気泡の塗液中からの排出を促進するからである。
前記塗液容器に開口された塗液の流出口は、塗液容器の底面に設けられていることが好ましい。なぜなら、塗液容器内の塗液を最後まで口金に供給することができ、塗布に使用できるからである。
さらに、本発明の塗布装置においては、塗液容器内の塗液量を検出する、塗液量検出手段を有することが好ましい。塗液量を検出することで、塗液を被塗布材へ塗布した後の再供給量を正確に検出、制御することでき、塗布不良を防止することができるためである。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、本発明に係る塗液の塗布装置の全体構成、特に凹凸基板(例えば、プラズマディスプレイパネル用部材)への塗液の塗布装置の全体構成の例について説明するが、これに限るものではない。
図1は、本発明に係る塗液の塗布装置1の一例の概略斜視図である。図1において、被塗布材9はテーブル2の上に載置され、テーブル2に設けた吸着装置(図示しない)により吸着して固定される。テーブル2はその中心を軸として、回転位置決めを可能とするθ軸部材3(破線で示す)により支持されている。このθ軸部材3はY方向の位置決めを可能にするY軸調整部4に搭載され、Y軸調整部4はX軸搬送部5に設けられた一対のY軸ガイドレール4a,4bに沿って機台6のY方向に移動する。X軸搬送部5は、機台6に設けられた一対のX軸ガイドレール5a,5bに沿ってX方向に移動する。このX方向、Y方向は直交するように調整されている。X軸搬送部5は被塗布材9に塗液を塗布するための相対移動手段であって、塗布動作においてテーブル2をX方向に移動させる。
機台6の中央部上方には、X軸搬送部5によって移動されるテーブル2が通過するように門型の支持台7が、X軸と直交する形で設けられている。支持台7のX軸方向奥側(以下、下流側と称する)側面のY軸方向両サイド付近には、テーブル2の面に対して垂直方向に移動するZ軸移動部8a,8bが設けられ、Z軸移動部8a,8bには塗液を吐出する口金60が機台6のY方向中央を基準にして取り付けられる。口金60は着脱式で、テーブル2のX方向に直交するように、Z軸移動部8a,8bに設けたチャック(図示しない)により固定される。
この口金60は、塗布する被塗布材のサイズに合わせて選択され、その被塗布材に形成された所望の全ての溝に対して1回の塗布動作で塗布を完了するために、吐出孔が略一直線状に配列して設けられていることが好ましい。例えば、塗布する被塗布材がプラズマディスプレイの背面板の場合は、R,G,B何れか1色の蛍光体粉末を含んだ塗液を塗布することが好ましく、その場合、口金にはその塗布する溝に対応した数、ピッチで吐出孔が設けられる。
また口金は、吐出孔の数を減らして、複数回の塗布動作で被塗布材1枚への塗布を完了するものであってもよい。つまり、短尺型の口金であったり、吐出孔のピッチを広げたものであってもよい。また、1色の塗液を塗布する場合について詳細に言及したが、R、G、B3色の塗液を同時に塗布する場合にも本発明は適用できる。
口金60は内部に塗液を溜めるマニホールド部を有し、塗液を供給するための配管76が接続され、この配管76の反対側先には塗液の供給をコントロールする開閉バルブ71を介して塗液容器50が接続される。また、口金60には、吐出孔から塗液を吐出させるための加圧気体を供給する配管が接続され、この配管の反対側先は加圧気体の切換バルブ73を介して、一方は所望圧力の加圧気体源13に接続され、他の一方は大気に開放されている。
一方、塗液容器50には、口金60に塗液を供給するための配管76に加えて、塗液を補給するための配管77が接続され、この配管77の反対側先には塗液の供給をコントロールする開閉バルブ72を介して塗液の補給源12が接続される。塗液の補給源12には所望圧力の加圧気体源13が配管を介して接続されている。また、塗液容器50には、口金60に塗液を供給するための加圧気体を供給する配管が接続され、この配管の反対側先は加圧気体の切換バルブ74を介して、一方は所望圧力の加圧気体源13に接続され、他の一方は大気に開放されている。
図1に示す塗布装置において、口金60への塗液供給は、切換バルブ73を大気開放にした状態で切換バルブ74を加圧気体源13に接続し、さらに開閉バルブ72を閉じた状態で開閉バルブ71を開くことにより行われる。このとき塗液は、口金60のマニホールド部上部に空間を残す形で所定量が貯えられる。
また、塗液容器50への塗液補給は、切換バルブ74を大気開放にした状態で、さらに開閉バルブ71を閉じた状態で開閉バルブ72を開くことにより行われる。このとき塗液は、口金60への塗液供給と同様に、塗液容器50の貯液部上部に空間を残す形で所定量が貯えられる。
さらに、塗液の吐出は、開閉バルブ71を閉じた状態で切換バルブ73を加圧気体源13に切り換えて、マニホールド部上部の空間に加圧気体を供給することにより行われる。
図1に示す塗布装置において、塗布を実施する場合はまず、塗液容器50から口金60のマニホールド内に塗液を供給する。塗液の供給は前述したように、切換バルブ73を大気開放、切換バルブ74を加圧気体源13と接続、開閉バルブ72を閉じた状態で、開閉バルブ71を開いて、所定の量に達するまで供給する。なお、塗液容器50への塗液の補給は、塗液容器50から口金60への塗液の供給が行われていないときならば、いつでも行うことができる。
次に、被塗布材搭載に移る。テーブル2を支持台7のX軸方向手前側(上流側)端部に移動し、テーブル面のほぼ中央に外部移載機などにより塗布する被塗布材を搭載し、吸着固定する。この動作は口金60への塗液供給と並行して行うことが可能で、口金60への塗液供給の待ち時間を少なくすることができる。
次に被塗布材位置決めを行う。テーブル2を移動させて、カメラ17,19にて被塗布材の位置を計測し、さらにカメラ18にて被塗布材の基準溝を観測して、溝の中心位置を判断し、テーブル2をY軸方向に移動することで、口金60の基準孔と被塗布材の基準溝中心とのY軸方向の位置を合わせる。なお、口金の基準孔は、カメラ20により、予め計測しておく。カメラ17、19、および18は、支持台7のY軸方向に独立して移動可能なY1搬送部14、Y3搬送部16、Y2搬送部15に取り付けられている。このY1〜Y3搬送部は一対のガイドレール7a,7bによって、Y方向に移動した場合においてもテーブル面からの高さが一定になるよう調整されている。なお、これらのカメラは複数組有していても良い。
被塗布材位置決めが終わると塗液塗布の動作に移る。口金60のマニホールド部内への塗液供給が完了していることを確認し(未完の場合は待ち)、さらに、口金の下面をクリーナー10にて清掃した後に、テーブルをX軸方向に沿って被塗布材の位置決め位置から下流方向に予めプログラムした速度で移動させる。X軸座標が、あらかじめ設定された塗液吐出位置になったら口金60から塗液を吐出し、吐出停止位置になれば吐出を停止する。塗液の吐出および停止は、切換バルブ73により行う。
塗布を終了すると、被塗布材排出に移る。被塗布材の排出はテーブルを下流端に移動し、吸着した被塗布材を解除し、外部移載機などにより取り出す。被塗布材を排出した時点で一連の動作が終了する。連続して被塗布材に塗布する場合は、塗液供給から開始する。
ここで、塗液容器内の塗液を口金に供給する工程と、口金と被塗布材とを相対的に移動しながら被塗布材に塗液を塗布する工程とは、交互に繰り返すことが好ましい。なぜなら、特に連続的に被塗布材への塗布を実施する場合、内部に塗液溜まりと塗液上部の空間を有し、この上部空間に加圧気体を注入し、その圧力で塗液を押し出す口金には、塗布した量と同量の蛍光体ペーストを口金内へ供給する必要があるため、タクトタイムを考えれば、口金への塗液の供給と、被塗布材への塗布は交互に繰り返すことが良い。
塗液の供給について詳しく説明する。図2は、塗液の補給源から塗液容器への塗液の補給、および塗液容器から口金へ塗液を供給するまでのタイミングを模式的に表した図である。上述の通り、塗液容器から口金への塗液の供給は、被塗布材へ塗布していないとき、つまり、被塗布材への塗布が一旦終了し、次の被塗布材への塗布を開始するそれまでの間のインターバルに行うのが好ましい。一方、塗液の補給源から塗液容器への塗液の補給は、塗液容器から口金への塗液の供給をしていないとき、つまり、インターバル内で口金への塗液供給の終了した後から、次の被塗布材への塗布が終了するまでの間に行うのが好ましい。インターバルは、主に、前述した被塗布材と口金の位置合わせや、被塗布材の搬入、搬出等に費やされるが、タクトタイムを考えれば、このインターバル内で、口金への塗液供給をすませるのがなお好ましい。さらに好ましくは、口金への塗液供給と、塗液容器への塗液補給をあわせた時間が、タクトタイム内で済ますことができれば、なお良い。
また、前記塗液容器内の塗液量を検出して、塗液の補給源から前記塗液容器に補給する塗液量を制御することが好ましい。なぜなら、塗液容器内の塗液量を制御することで、必要以上に塗液容器に塗液を補給して、塗液容器から塗液を溢れることを防ぐとともに、塗液容器内の貯液部の上部に常に一定量の空間を残すことができることから、口金に塗液を供給する時間も一定に保つことができるからである。
これまで、一種類の塗液を被塗布材の表面に形成されたストライプ状の凹部に塗布する場合について詳しく述べたが、赤、青、緑等の3色の蛍光体を同時に塗布する場合にも本発明は適用でき、また、前記被塗布材の表面に形成された格子状の凹部に塗布する場合にも適用できる。
さらに、使用できる塗布条件として、塗布速度はいかなる速度であってもよいが、好ましくは0.1〜10m/分、より好ましくは、0.5〜8m/分である。
次に、塗液の補給源12から口金60に塗液を供給して、口金60より塗液65を吐出させるまでの部分について、本発明の塗布装置の一実施形態を図3に示す。
図3における塗布装置において、塗液容器50は、塗液55を貯める貯液部51と、塗液容器50に塗液を補給する塗液流入管の開口部(第1の開口部)52と、塗液容器50から塗液55を口金60に供給するための塗液流出管の開口部(第2の開口部)53を有する。図3における塗液流入管の開口部(第1の開口部)52は、塗液容器50の底面から貯液部51内に鉛直方向上向きに伸びた塗液流入管54の先端部にあり、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53は塗液容器50底面に位置する。塗液流入管の開口部(第1の開口部)52は塗液55に浸かるように設けられている。なお、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52および塗液流出管の開口部(第2の開口部)53は、それぞれ複数あっても良い。
塗液流入管の開口部(第1の開口部)52の開口する向きは、塗液流入管54同様に鉛直方向上向きで、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53の開口する向きは、鉛直方向下向きである。なお、鉛直方向とは、厳密に鉛直方向である必要はなく、厳密な鉛直方向から0〜20°以内の角度であれば良い。
ここで、塗布欠点である塗布抜けを発生させないためには、上述の通り、仮に補給する塗液中に気泡が混入していた場合に、その塗液が次の口金60への塗液の供給工程に使われなければ、口金60に気泡の混入した塗液を供給することはなく、塗布抜けは発生しない。
そこでまず、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52の高さ位置は、塗液55中に浸かる範囲に配置する必要ある。なぜなら、塗液容器50内に塗液を補給する時、塗液55が重力により落下して下向きに流れることがなく、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53に近づくことはない。塗液55が下向きに流れ、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53に近づくと、塗液55に気泡が含まれていた場合に、気泡を含んだ塗液55を口金60に供給する可能性が高くなり、塗布抜け欠点を引き起こす危険がある。
また、塗液容器50の底面、つまり塗液流出管の開口部(第2の開口部)53から離れた位置に塗液を補給するためには、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52を塗液流出管の開口部(第2の開口部)53から遠い位置に設けることが効果的である。しかし、必要以上に遠ざけても、塗液容器50が大きくなるだけであり好ましくない。補給する塗液が、その直後の口金60への塗液供給工程で、気泡を含んだ状態のまま口金60に供給する塗液55として使用されなければ良い。
そこで、塗液容器50から口金60に塗液55を供給する塗液流出管の開口部(第2の開口部)53が、塗液容器50内の塗液流入管の開口部(第1の開口部)52より下方に位置する必要がある。なぜなら、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52より塗液容器50内に流入する塗液が仮に気泡を含んでいたとしても、気泡は自身の浮力により上昇するため、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53が塗液流入管の開口部(第1の開口部)52より下方に位置すれば、気泡が塗液流出管の開口部(第2の開口部)53より流出、つまり口金60に供給される可能性が少なくなるからである。なお、本発明において、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52は、塗液容器50の底面から塗液容器の液面下限位置までの高さの10%以上に位置すれば良い。この場合、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52は塗布の全工程を通じて塗液容器50と液面までの高さの10%以上に位置することになり、気泡欠点の発生を防ぐことができる。
さらに、塗液容器50への塗液の補給を、空の口金60の充填に必要な塗液量を貯液部51の内容積の高さに換算した高さよりも上にすることが、さらに好ましい。なぜなら、口金60内の塗液65がない空の状態で塗液容器50内の塗液55を供給する時(初期充填)や、装置の稼働中に口金60内の塗液65が空になった時、塗液容器50に補給した直後の塗液55が気泡を含んだままの状態で口金60への供給に使用されることがなく、たとえ補給直後の塗液55が気泡を含んでいても、気泡が口金60に供給されることはない。図3の塗液の網掛け部分は、空の口金60に塗液65を充填するときに必要な塗液55の量を表している。つまり、この塗液55の高さH以上の位置に補給した塗液は、口金60内の塗液65が空になった場合でも、次の塗液供給工程で、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53から口金60に供給されない。そのために、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52の高さ位置を、Hよりも上に位置させるのが好ましい。
一方、口金60への塗液55の供給部である塗液流出管の開口部(第2の開口部)53に向かって塗液を補給しないことも効果的である。このとき、塗液を貯液部51内に補給中、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52から出た塗液55は、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53に近づきにくくなり、仮に塗液55に気泡が含まれていた場合でも、気泡を含んだ塗液55を口金60に供給する可能性は低くなるからである。したがって、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52の開口する向きと塗液流出管の開口部(第2の開口部)53の開口する向きが異なる必要がある。特に、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53が塗液流入管の開口部(第1の開口部)52より下方に位置するとき、塗液の流入する向きと流出する向きが同じであれば、流入する塗液55は必ず塗液流出管の開口部(第2の開口部)53に近づき、仮に塗液55が気泡を含んでいた場合、気泡が塗液流出管の開口部(第2の開口部)53に近づき、口金60に供給される可能性があるので、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52の開口する向きと塗液流出管の開口部(第2の開口部)53の開口する向きが異なる必要がある。
ここで、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52は、塗液流入管54の先端部に設けられ、その開口する向きが鉛直方向上向きであることが好ましい。なぜなら、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52は、塗液容器50内に流入する塗液を、鉛直方向上向きに流入することで液面に向かわせ、仮に塗液が気泡を含んでいても、気泡の塗液中からの排出を促進するからである。
ここで、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52は、その開口部面積の合計が、塗液の補給源12と塗液容器50を接続する配管77の断面積以下であることが好ましい。なぜなら、配管77内を流れる塗液が、塗液容器50内に流入する際、流速を落とすことなく塗液容器50内に流入することができ、仮に塗液に気泡が混入していたとしても、塗液を塗液流出管の開口部(第2の開口部)53から遠ざけることができるためである。なお、塗液が塗液容器50内に流入する流速はいかなる速度であっても良いが、好ましくは、1mm/sから35mm/sである。塗液の補給源12と塗液容器50を繋ぐ塗液の配管77の大きさ、および塗液容器50と口金60を繋ぐ塗液の配管の大きさは、塗布に必要な塗液量(所定量)に応じて選定すればよい。
塗液流出管の開口部(第2の開口部)53は、塗液容器50の底面と同じ高さに位置にあることが好ましい。なぜなら、塗液容器50内の塗液55を最後まで口金60に供給することができ、塗布に使用できるからである。
図3における塗布装置による被塗布材への塗布の一連の工程は、口金60のマニホールド部63に塗液を供給する工程と、被塗布材へ塗液を吐出する工程とを有し、それらを交互に繰り返す。塗液容器50から口金60への塗液供給工程は、一回の工程で、貯液部51内の塗液55のうち一部(所定量)を口金60に供給する。これにより、塗液容器50内の液面高さ(塗液流出管の開口部(第2の開口部)53から液面までの距離)は一定高さ下降する。塗液容器50への塗液の補給は、塗液容器50から口金60に塗液を供給していない時はいつでも可能であるので、口金60へ塗液を供給した後、次に塗液を口金60に供給するまでの間に、塗液容器50に塗液を所定量補給し、塗液容器50内の塗液55の液面を所定の高さにする。一方、被塗布材への塗液65の吐出は、一回の工程で、マニホールド部63内の塗液65のうち一部(所定量)を使って被塗布材1枚に吐出する。これにより、マニホールド部63内の液面高さ(吐出孔64から液面までの距離)は一定高さ下降するため、次の塗液供給工程で塗液を所定量供給し、液面を所定の高さ(塗液量)にする。
塗液容器50に塗液を補給する補給手段としては、塗液容器50に塗液を補給するための配管77が塗液流入管の開口部(第1の開口部)52に繋がる塗液流入管54に接続され、この配管77の反対側先には塗液の補給をコントロールする開閉バルブ72を介して、塗液の補給源12が接続される。塗液の補給源12には塗液が貯えられており、所望圧力の加圧気体源13が配管を介して接続されている。
一方、口金60に塗液を供給する供給手段としては、口金60に塗液を供給するための配管76が供給口61に接続され、この配管76の反対側先には塗液の供給をコントロールする開閉バルブ71を介して、塗液容器50の塗液流出管の開口部(第2の開口部)53が接続される。塗液容器50には、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53から塗液55を口金60に供給するための加圧気体を供給する配管がポート56に接続され、この配管の反対側先は加圧気体の切換バルブ74を介して、一方は所望圧力の加圧気体源13に接続され、他方は大気開放されている。
また、口金60には、吐出孔64から塗液65を吐出させるための加圧気体を供給する配管がポート62に接続され、この配管の反対側先は加圧気体の切換バルブ73を介して、一方は所望圧力の加圧気体源13に接続され、他方は大気開放されている。
塗液の補給源12から口金60への塗液の供給は、2つの段階を踏む。まず、切換バルブ74を大気開放、開閉バルブ71を閉じた状態で開閉バルブ72を開くことにより、塗液の補給源12から塗液容器50に塗液の補給を行う。
このとき、塗液は、塗液容器50内の貯液部51の上部に空間を残す形で所定量に貯えられる。塗液容器50内の塗液量は、例えば液面高さを検出するセンサなどの塗液量検出手段81により検出されることが好ましい。塗液量検出手段81は塗液55に対し、非接触であるのがさらに好ましい。これにより塗液55の汚染を防ぐことができる。塗液容器50内の液面高さを検出する液面センサは、レーザー式、超音波式等非接触検出できるセンサであれば適用できる。また、塗液容器50内の塗液量検出手段81は、塗液容器50の重量を測定できるセンサとすることでも同様の結果が得られる。
ここで、塗液容器50に貯える塗液55の液面高さは、新たな塗液の補給中に貯液部51の塗液55の液面を揺動させない程度の、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52から離れた位置であることが良い。なぜなら、補給中に塗液55の液面が揺動すると、特に液面センサにて塗液量を検出する場合、塗液量を正確には検出できず、所望の塗液量を塗液容器50に補給できない可能性があるからである。
次に、塗液容器50から口金60に塗液を供給する。このとき、開閉バルブ72を閉じ、切換バルブ74を加圧気体源に接続して塗液容器50を加圧し、切換バルブ73を大気開放した状態で開閉バルブ71を開く。
このとき、本発明の塗布装置においては、口金60内の塗液量を検出する塗液量検出手段82を有することが好ましい。この塗液量検出手段82は塗液に対して非接触であるのがなお良い。これにより塗液65の汚染を防ぐことができる。非接触の塗液量検出手段82は、塗液容器50内の塗液量検出手段81と同様に、レーザー式、超音波式、重量検知式等、非接触で検出できるセンサであれば適用できる。
塗液65の被塗布材への吐出は切換バルブ73を加圧気体源13に切り換えて、マニホールド部63の空間に加圧気体を供給することにより、吐出孔64から吐出させる。
なお、塗液容器50への塗液補給、口金60への塗液供給および吐出孔64からの吐出の制御は、塗液容器50内の塗液量検出手段81、口金60内の塗液量検出手段82、開閉バルブ71、開閉バルブ72、切換バルブ73、および切換バルブ74が繋がれた供給部コントローラ30により制御される。
吐出孔64の大きさは、塗液の塗布幅に応じその孔径を選定すればよく、特に凹凸基板(例えば、プラズマディスプレイパネル用部材)への塗液の塗布の場合では、10μmから500μmの間に設定することが好ましい。なお、吐出孔64の形状や数は特に限定されるものではなく、塗布する目的によって、如何なる形状であってもよい。たとえば、塗液をシート状に吐出する場合は、吐出開口部部を吐出孔ではなく、口金の幅方向に長い開口部(スリット)を有する形状にしてもよい。
図4は、参考例に係る塗液容器50態様を模式的に示しており、塗液容器50底面から鉛直上向きの、先端の閉じた塗液流入管54を有する構成とし、その先端部側面に塗液流入管の開口部(第1の開口部)52を設け、塗液の流入する向きと、流出する向きを180°としたものである。塗液流入管54を通って塗液流入管の開口部(第1の開口部)52から塗液容器50内に流入した塗液は、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53と離れた塗液液面に向かって拡がり、供給した塗液中に気泡が混入していても、その気泡は塗液流出管の開口部(第2の開口部)53に近づくことはなく、塗布抜け欠点が発生しない。
図5は、別の参考例に係る塗液容器50態様を示しており、塗液容器50の側面から、側面と垂直方向に突出した塗液流入管54が、塗液容器50内で90°上向きに先端が折れ曲がる構成とし、その先端部に塗液流入管の開口部(第1の開口部)52を設け、塗液の流入する向きと、流出する向きを180°としたものである。塗液流入管54を通って塗液流入管の開口部(第1の開口部)52から塗液容器50内に流入した塗液は、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53と離れた塗液液面に向かって拡がり、供給した塗液中に気泡が混入していても、その気泡は塗液流出管の開口部(第2の開口部)53に近づくことはなく、塗布抜け欠点が発生しない。
図6は、別の参考例に係る塗液容器50態様を示しており、塗液容器50上面から、鉛直方向下向きの先端の閉じた塗液流入管54を設け、塗液流入管54の先端部付近を90°曲げ、曲げた塗液流入管54の先端部側面(上面)に塗液流入管の開口部(第1の開口部)52を設け、塗液の流入する向きと、流出する向きを180°としたものである。これにより、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52から流入した塗液は、塗液の液面に向かって拡がり、供給した塗液中に気泡が混入していても、その気泡は塗液流出管の開口部(第2の開口部)53に近づくことはなく、塗布抜け欠点が発生しない。
図7は、別の参考例に係る塗液容器50態様を示しており、塗液容器50の側面から、側面の垂直方向とのなす角度θが0°<θ<90°の範囲で突出した塗液流入管54を設け、さらにその先端部に塗液流入管の開口部(第1の開口部)52を設けて、塗液の流入する向きと、流出する向きを90°より大きく180°未満としたものである。塗液流入管54を通って塗液流入管の開口部(第1の開口部)52から塗液容器50内に流入した塗液は、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53と離れて拡がり、供給した塗液中に気泡が混入していても、その気泡は塗液流出管の開口部(第2の開口部)53に近づくことはなく、塗布抜け欠点が発生しない。
図8は、本発明に係る塗液容器50の別の態様を示しており、塗液容器50底面から鉛直方向上向きに突出した先細りした塗液流入管54での先端部に塗液流入管の開口部(第1の開口部)52を設け、塗液の流入する向きと、流出する向きを180°としたものである。塗液流入管54を通って塗液流入管の開口部(第1の開口部)52から塗液容器50内に流入した塗液は、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53と離れた塗液液面に向かって拡がり、供給した塗液中に気泡が混入していても、その気泡は塗液流出管の開口部(第2の開口部)53に近づくことはなく、塗布抜け欠点が発生しない。
図9は、別の参考例に係る塗液容器50態様で、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53を塗液容器50底面と接する塗液容器側面の最下方に設けたものである。塗液の補給源からの塗液容器50への補給が停止した後も、塗液容器50内の塗液を最後まで使用でき、塗液を無駄にしない。
塗液容器50の態様は、以上の例に限るものではなく、塗液物性や供給量などの条件によって、適当に構成することができる。
本発明の塗液の塗布方法および塗布装置は、プラズマディスプレイパネル用部材における蛍光体塗布工程に特に好ましく適用することができる。
次に、本発明の実施の形態に従って、プラズマディスプレイ背面板に塗液を塗布した場合の実施例を示す。
実施例1
被塗布材は、サイズ990×600mm、アライメント間隔970×580mm、被塗布材面には高さ120μmで頂部の幅50μmのリブが、ピッチ300μm(溝幅250μm)で3097本形成されたものを用いた。
本発明の塗液の塗布装置として、図1に示す塗布装置、口金(ステンレス製のもの)を用いた。また、塗液容器は以下の示す内容のものを用いた。
塗液容器は、図10に示すように、内径φ150mm、深さ250mmの円筒型の塗液容器50において、外径φ18mm、内径φ15mm、塗液容器50底面から鉛直方向上向きに突出した塗液流入管54を設け、底面からの高さが80mmである塗液流入管54の先端部の孔を塗液流入管の開口部(第1の開口部)52とし、底面に内径φ15mmの孔を設け、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53とした。また、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52と塗液流出管の開口部(第2の開口部)53は図11に示すように塗液容器50の半径方向で100mm離して固定した。なお、この塗液容器50には、塗液流入管の開口部(第1の開口部)52から塗液流入管54、さらに塗液流入管54と同じ内径をもつ配管を介して、塗液補給源と接続した。この配管の途中には開閉バルブを設けた。また、塗液容器50には、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53と口金を、塗液流出管の開口部(第2の開口部)と同じ内径をもつ配管にて接続し、この配管の途中にも開閉バルブを設けた。さらに、塗液容器50の液面は、上限値220mm、下限値110mmとして、レーザー変位計にて計測、管理した。
塗液は、粘度50Pa・sの蛍光体ペーストを用いた。
塗液の塗布はまず、塗液である蛍光体ペーストを塗液の補給源から塗液容器の貯液部に液面高さが200mmになるまで補給し、さらに塗液容器から口金のマニホールド部内に吐出孔からの液面高さが23mmにまで充填した後に実施した。塗布抜けは発生しなかった。なお、口金のマニホールド内に蛍光体ペーストを液面高さ23mmまで充填後の塗液容器内の液面高さは170mmである。
次に、塗液容器の貯液部内の底面からの液面高さが200mmになるまで塗液を補給し、さらに塗液容器から口金に、口金のマニホールド部内の吐出孔からの液面高さが23mmになるまで塗液を供給した後、被塗布材に塗布した。また、被塗布材に塗布している間に、塗液の補給源から塗液容器に、塗液容器の貯液部内の底面からの液面高さが200mmになるまで塗液を補給した。これを10回繰り返したが、塗布抜けは発生しなかった。
蛍光体ペーストを塗布抜けなく塗布した被塗布材を乾燥すると、隔壁により形成された凹部に蛍光体層が形成され、プラズマディスプレイ背面板が完成した。
実施例2
塗液容器50は、図12に示すように、内径φ150mm、深さ250mmの円筒型とし、外径φ18mm、内径φ15mmの塗液流入管54を塗液容器50底面から鉛直方向上向きに突出する構成とし、その高さが20mmである先端部の孔を塗液流入管の開口部(第1の開口部)52とした。また、底面に内径φ15mmの孔を設け、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53とした。
この塗液容器50にて実施例1と同様に塗布を実施した。その結果、いずれも塗布抜けは発生しなかった。
比較例1
塗液容器50は、図13に示すように、内径φ150mm、深さ250mmの円筒型とし、塗液容器50底面に内径φ15mmの孔を設けて塗液流入管の開口部(第1の開口部)52とし、塗液容器50底面と接する塗液容器50側面の最下方に設けた内径φ15mmの孔を塗液流出管の開口部(第2の開口部)53とした。
この塗液容器50にて実施例1と同様の塗布を実施した。その結果、被塗布材に塗布した蛍光体ペーストが途切れ、数カ所に塗布抜けが発生した。
比較例2
塗液容器50は、図14に示すように、内径φ150mm、深さ250mmの円筒型とし、外径φ18mm、内径φ15mmの塗液流入管を塗液容器50底面から鉛直方向上向きに突出した構成とし、高さが10mmとなる塗液流入管54の先端部の孔を塗液流入管の開口部(第1の開口部)52とし、底面に内径φ15mmの孔を設け、塗液流出管の開口部(第2の開口部)53とした。
この塗液容器50にて実施例1と同様の塗布を実施した。本塗布装置の液面下限位置は110mmであるため、塗液流入管の開口部(第1の開口部)の塗液容器底面からの高さはその9.1%となる。被塗布材に塗布した蛍光体ペーストが途切れ、数カ所の塗布抜けが発生した。
比較例3
図15に示すように、内径φ150mm、深さ250mmの円筒型の塗液容器50において、外径φ18mm、内径φ15mm、塗液容器50液面上方から鉛直方向下向きに塗液流入管を設け、塗液容器50底面から40mmの高さに位置する塗液流入管54の先端部の孔を塗液流入管の開口部(第1の開口部)52とし、底面に内径φ15mmの孔を設けて塗液流入管の開口部(第1の開口部)52とした。
この塗液容器50にて実施例1と同様の塗布を実施した。その結果、被塗布材に塗布した蛍光体ペーストが途切れ、至る箇所に塗布抜けが発生した。
本発明の一実施態様に係る塗液の塗布装置の概略斜視図である。 塗液容器から口金へ、塗液の補給源から塗液容器への塗液の供給・補給タイミングの例を示す模式図である。 本発明の一実施態様に係る塗液容器と口金の縦断面図である。 参考例に係る塗液容器の縦断面図である。 別の参考例に係る塗液容器の縦断面図である。 さらに別の参考例に係る塗液容器の縦断面図である。 さらに別の参考例に係る塗液容器の縦断面図である。 本発明のさらに別の実施態様に係る塗液容器の縦断面図である。 さらに別の参考例に係る塗液容器の縦断面図である。 実施例1で用いた塗液容器の縦断面図である。 実施例1で用いた塗液容器の横断面図である。 実施例2で用いた塗液容器の縦断面図である。 比較例1で用いた塗液容器の縦断面図である。 比較例2で用いた塗液容器の縦断面図である。 比較例3で用いた塗液容器の縦断面図である。
符号の説明
1 塗布装置
2 テーブル
3 θ軸部材
4 Y軸調整部
4a、4b Y軸ガイドレール
5 X軸搬送部
5a、5b X軸ガイドレール
6 機台
7 支持台
7a、7b ガイドレール
8a、8b Z軸移動部
9 被塗布材
10 クリーナー
12 補給源
13 加圧気体源
14 Y1搬送部
15 Y2搬送部
16 Y3搬送部
17 カメラ
18 カメラ
19 カメラ
20 カメラ
30 供給部コントローラ
50 塗液容器
51 貯液部
52 塗液流入管の開口部(第1の開口部)
53 塗液流出管の開口部(第2の開口部)
54 塗液流入管
55 塗液
56 ポート
57 液面下限位置
60 口金
61 供給口
62 ポート
63 マニホールド部
64 吐出孔
65 塗液
71 開閉バルブ
72 開閉バルブ
73 切換バルブ
74 切換バルブ
76 配管
77 配管
81 塗液量検出手段
82 塗液量検出手段

Claims (10)

  1. 塗液の補給源からこれに連通する塗液容器に塗液を補給し、塗液容器からこれに連通する口金に塗液を供給し、該口金から塗液を吐出しながら、被塗布材と口金とを相対移動させることによって被塗布材に塗液を塗布する塗液の塗布方法であって、前記塗液容器は底面から上向きに突出する塗液流入管、該塗液流入管の先端部に設けられた第1の開口部および底面に設けられた第2の開口部を有し、前記第1の開口部は前記塗液容器底面と塗液面下限間の下から10%の位置と塗液面下限の間の位置に設けられており、塗液の補給は前記第1の開口部から概ね鉛直方向上向きに塗液を流入せしめることで行い、塗液の供給は前記第2の開口部から概ね鉛直方向下向きに塗液を流出せしめることによって行うことを特徴とする塗液の塗布方法。
  2. 前記第1の開口部と第2の開口部の位置の高さの差が、塗液容器の底面から塗液面下限までの高さの5%以上であることを特徴とする請求項1に記載の塗液の塗布方法
  3. 25℃における粘度が5Pa・s以上、100Pa・s以下の範囲にある塗液を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の塗液の塗布方法。
  4. 前記塗液容器から口金に塗液を供給した後に、該口金内から塗液を吐出して被塗布材に塗液を塗布することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の塗液の塗布方法。
  5. 口金内の塗液の被塗布材への塗布と塗液容器への塗液の補給とを同時に行うことを特徴とする請求項に記載の塗液の塗布方法。
  6. 前記塗液容器内の塗液量を検出して、塗液の補給源から前記塗液容器に補給する塗液量を制御することを特徴とする1〜のいずれかに記載の塗液の塗布方法。
  7. 塗液の補給源、該補給源に連通する塗液容器、および該塗液容器と連通する口金、ならびにこれらの間の塗液の送液を可能とする送液手段とを有する塗布装置であって、塗液の補給源から塗液容器内に塗液を補給する塗液流入管は、前記塗液容器の底面から上向きに突出し、かつその先端に塗液容器内の塗液の液面下限位置より下方、かつ塗液容器底面から液面下限位置までの高さの10%以上の高さとなる位置で開口する第1の開口部を有し、塗液容器から口金に塗液を供給する塗液流出管は、塗液容器の底面に設けられた第2の開口部を有し、前記塗液流入管の開口部より下方となる位置で開口され、塗液が塗液流入管から塗液容器に流入する向きは概ね鉛直方向上向きであり、塗液流出管から塗液が流出する向きは概ね鉛直方向下向きであることを特徴とする塗布装置。
  8. 前記塗液流入管の開口する位置と塗液流出管の開口する位置との高さの差が、塗液容器底面から液面下限位置までの高さの5%以上であることを特徴とする請求項7に記載の塗布装置。
  9. 請求項7または8に記載の塗液の塗布装置において、塗液容器内の塗液量を検出する塗液量検出手段を有することを特徴とする塗液の塗布装置。
  10. 被塗布材がプラズマディスプレイ用発光基板であって、前記塗液が赤色、緑色、青色のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含むペーストであり、請求項7〜9のいずれかに記載の塗布装置を用いて塗布する工程を含むことを特徴とする、プラズマディスプレイ用部材の製造方法。
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