JP2007203139A - 塗液の塗布方法及び塗布装置 - Google Patents

塗液の塗布方法及び塗布装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007203139A
JP2007203139A JP2006022084A JP2006022084A JP2007203139A JP 2007203139 A JP2007203139 A JP 2007203139A JP 2006022084 A JP2006022084 A JP 2006022084A JP 2006022084 A JP2006022084 A JP 2006022084A JP 2007203139 A JP2007203139 A JP 2007203139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating liquid
coating
application
substrate
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006022084A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Ikeuchi
秀樹 池内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2006022084A priority Critical patent/JP2007203139A/ja
Publication of JP2007203139A publication Critical patent/JP2007203139A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

【課題】
複数種類の塗液を塗布方向に設けられた複数の塗布領域に高品位、かつ、高効率で塗布し、生産性の向上を図ることができる塗布装置および塗布方法を提供する。
【解決手段】
塗液の塗布方向に複数個の塗布領域を有する基板上に、複数種類の塗液を各塗布領域内で互いに平行になるように塗布するにあたり、次の(A)〜(D)の工程を順に行う。
(A)複数種類の塗液を吐出する複数個の吐出孔を有する口金と基板とを対向配置する工程
(B)口金と基板とを相対的に移動させながら上流側の塗布領域から下流側の塗布領域に異なる種類の塗液を順に塗布する工程
(C)塗液を吐出した吐出孔の清掃を行う工程
(D)前記(B)、(C)の工程を繰り返す工程
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と略称することもある。)に代表されるディスプレイパネル、液晶カラーフィルター(LCM)、光学フィルタ、プリント基板、半導体の特に高粘度塗液を塗布するような分野に使用可能であり、例えばPDP製造工程における、ガラス基板など被塗布対象物表面に薄膜パターンを形成するにあたって好適に用いられる塗液の塗布装置及び方法、並びにプラズマディスプレイパネル用部材の製造装置及び方法に関するものである。
一般にPDPは、前面板と背面板の間に形成された放電空間内で放電を生じさせることで、キセノンガスから波長147nmを中心とする紫外線を生じ、この紫外線が蛍光体を励起することによって表示が可能となる。R(赤)、G(緑)、B(青)に発光する蛍光体を塗り分けた放電セルを駆動回路によって発光させることにより、フルカラー表示に対応できる。
このPDPには、電極が放電空間に露出している直流型(DC型)と、絶縁層で覆われている交流型(AC型)の2タイプある。AC型は、表示電極/誘電体層/保護層を形成した前面ガラス板と、アドレス電極/誘電体層/リブ層/蛍光体層を形成した背面ガラス板とを貼り合わせ、ストライプ状あるいは格子状の隔壁で仕切られた放電空間内にHe-Xe、または、Ne-Xeの混合ガスを封入した構造を有している。R、G、Bの各蛍光体層は、粉末状の蛍光体粒子を主成分とする蛍光体ペーストが、背面板に形成された各色毎に一方向に延びる隔壁により形成された凹部に充填されてなる。このような構造のものを高い生産性と高品質で製造するには、蛍光体を一定のパターン状に、塗り分ける技術が重要となる。
例えば、特許文献1には、異なる種類の蛍光体ペーストを吐出する複数の塗布ヘッドにより、一つの塗布領域に、一度に複数種類の蛍光体ペーストを塗布する、3色同時塗布法が開示されている。この方法は、実質的に3色を同時に塗布するものではあるものの、各色の塗布ヘッドがヘッドの移動方向にずれて配置されている。したがって、ヘッドの移動方向に直交する方向の断面でみれば、複数種類の蛍光体ペーストを隣接して塗布する際、先に蛍光体ペーストが塗布された部分に隣接するように別の種類の蛍光体ペーストを塗布することになる。そのため先に塗布したペーストが凹部に落ち着く(レベリングされる)前に次のペーストを塗布することになり、先に塗布したペーストに後から塗布したペーストが引き寄せられるという現象がおこり易く、混色を招きやすいという問題がある。すなわち、正規の位置にパターニングすることが難しいという問題がある。
また、特許文献2には、塗布方向に複数の塗布領域を有する基板に複数の吐出孔を有する塗布ヘッドを対向配置し、塗布ヘッドと塗布面とを相対的に移動させながら、塗液を塗布領域毎に間欠的に塗布する方法が提案されている。しかしながら、吐出孔を有する塗布ヘッドを使用した塗布においては、間欠的に塗液を塗布する度に吐出孔を清掃しなければ塗布面に塗料を均質に塗布することはできない。つまり、吐出孔周辺に前に塗布した塗液が残っている状態では、次に吐出を開始した時に塗液の吐出挙動が乱れ、これにより塗布面の塗布開始部が乱れることになる。従って、塗液の供給、停止を繰り返す度に吐出孔を清掃する必要がある。そのため、特許文献2に記載の方法では、塗布領域の数だけ清掃動作が必要となり、効率が悪く、塗布工程のリードタイムが伸び、生産性が劣る。
特開2004−14393号公報 特開2002−136908号公報
このように、従来技術では、複数種類の塗液を同時に塗布する場合、混色等の塗布欠点を引き起こし易く、また、塗布方向に設けられた複数の塗布領域に塗液を塗布する場合、効率が悪く、生産性が劣るという問題がある。
そこで本発明の課題は、複数種類の塗液を塗布方向に設けられた複数の塗布領域に高品位、かつ、高効率で塗布し、生産性の向上を図ることにある。
上記課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(13)を特徴とするものである。
(1)塗液の塗布方向に複数個の塗布領域を有する基板上に、複数種類の塗液を各塗布領域内で互いに平行になるように塗布するにあたり、次の(A)〜(D)の工程を順に行うことを特徴とする塗液の塗布方法。
(A)複数種類の塗液を吐出する複数個の吐出孔を有する口金と基板とを対向配置する工程
(B)口金と基板とを相対的に移動させながら上流側の塗布領域から下流側の塗布領域に異なる種類の塗液を順に塗布する工程
(C)塗液を吐出した吐出孔の清掃を行う工程
(D)各塗布領域内で先に塗液を塗布した位置とは異なる位置に塗液を塗布するように、前記(B)、(C)の工程を繰り返す工程
(2)口金内の塗液残量を測定し、前記(B)の工程で塗布が終わった種類の塗料から順に塗液を口金に補給する、上記(1)に記載の塗液の塗布方法。
(3)塗液の補給が終わった後に前記(C)の工程の吐出孔の清掃を行う、上記(2)に記載の塗液の塗布方法。
(4)前記(B)の工程で塗布が終わった種類の塗液から順に、口金内の塗液溜め部を負圧にし、吐出孔周辺に残存した塗液を吐出孔から吸引する、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の塗液の塗布方法。
(5)前記(B)の工程の後に一旦口金内を加圧してから前記(C)の工程を行う、上記(4)に記載の塗液の塗布方法。
(6)前記塗布領域が塗布方向に連続する複数列の凹部を有する基板を用い、各塗布領域への塗布の前に口金の基準吐出孔と塗布領域の基準凹部とを位置合わせする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の塗液の塗布方法。
(7)赤、緑、青の3種類のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含む蛍光体ペーストを、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法を用いてプラズマディスプレイパネル用基板に塗布することを特徴とするプラズマディスプレイパネル用基板の製造方法。
(8)塗液の塗布方向に複数個の塗布領域を有する基板上に、複数種類の塗液を各塗布領域内で互いに平行になるように塗布する塗布装置であって、基板を固定するテーブルと、基板に対面して設けられた、塗液を基板に塗布する塗布手段と、前記テーブルと前記塗布手段とを3次元的に相対移動させる移動手段と、前記塗布手段を清掃する清掃手段と、前記塗布手段からの各種類の塗液の吐出をそれぞれ独立して制御できる吐出制御手段を有していることを特徴とする塗液の塗布装置。
(9)前記塗布手段は、複数種類の塗液をそれぞれ溜める複数個の塗液溜め部と、各塗液溜め部に連通する複数個の吐出孔とを有する口金を備えている、上記(8)に記載の塗液の塗布装置。
(10)前記塗布手段は、各種類の塗液に対して、塗液を溜める塗液溜め部および複数個の吐出孔を備えた口金を備えている、上記(8)に記載の塗液の塗布装置。
(11)前記塗液溜め部の塗液残量を測定する手段と、塗布が終わった種類の塗料から順に塗液を前記塗液溜め部に補給する手段とを有する、上記(9)または(10)に記載の塗液の塗布装置。
(12)前記塗布領域が塗布方向に連続する複数列の凹部を有する基板であり、前記塗布手段の基準吐出孔の位置を計測する手段と、各塗布領域の基準凹部の位置を計測する手段と、基準吐出孔と基準凹部とを位置合わせする位置制御手段とを有している、上記(8)〜(11)のいずれかに記載の塗液の塗布装置。
(13)プラズマディスプレイパネル用基板に赤、緑、青の3種類のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含む蛍光体ペーストを塗布する上記(8)〜(12)のいずれかに記載の塗液の塗布装置を備えているプラズマディスプレイパネル用基板の製造装置。
ここで、塗液の塗布方向とは、口金と基板の相対移動の方向である。また、塗布領域とは、実際に塗液を塗布するために定められた基板上の領域のことであり、一つの塗布領域が一つのディスプレイパネルとなる。
通常、塗液は吐出孔から吐出され、吐出が終了すると、吐出孔周辺には塗液が残存する。この状態で再び塗液を吐出しても塗液は柱状に吐出することができず、吐出挙動が乱れ、塗布欠点が発生する。よって、塗布欠点抑制のポイントは、一旦塗布を終えた吐出孔を、次の塗布の前に清掃することである。
しかし、塗布方向に複数の塗布領域がある場合、塗液の吐出は少なくとも塗布領域と塗布領域との間で中断されるので、各塗布領域への塗布が終わる度に吐出孔を清掃しなければならず、非効率であり、タクトタイムが伸びて生産性が落ちる。一つの塗布領域に複数の塗液を塗布する場合、それら複数の塗液を同時に塗布する方法もあるが、上述したとおり混色を引き起こし、塗布欠点となりやすい。
そこで、本発明においては、塗布方向に複数個の塗布領域があって、一つの塗布領域に複数種類の塗液を互いに平行に塗布する時、塗液の吐出孔を有する口金と基板とを相対的に移動させながら、1番目の塗布領域に一種類目の塗液を、2番目の塗布領域に別の種類の塗液を、というように、各塗布領域に異なる塗液を順に1回ずつ塗布する。そして、最後の種類の塗液を塗布した後に吐出孔の清掃に入る。このような工程を、所定回数繰り返すことで、塗液の塗布方向に複数個の塗布領域を有する基板上に、複数種類の塗液を互いに平行になるように塗布する。これにより、塗布領域への塗布が終わる度に吐出孔を清掃する必要がなく、全ての吐出孔を一斉に清掃することができるので効率的であり、生産性が向上する。また、一つの塗布領域に着目した場合、一種類目の塗液の塗布終了から次の種類の塗液の塗布開始までには口金が基板上を塗布方向に1往復することになるが、このときに吐出孔の清掃時間を設けることができる。その結果、塗液のレベリングに要する以上の時間をおいてから次の塗液を塗布することができ混色発生を防ぐことができるうえに塗料を均質に塗布することもできる。
ここで、(B)の工程においては、各種類の塗液をそれぞれ一つの塗布領域に連続的に吐出することが好ましい。一つの塗布領域において一つの塗液を連続的に吐出する場合には特に本発明の効果が顕著に表れる。なお、「連続的」とは、吐出孔から塗液を吐出するにあたり、インクジェット技術のように滴状ではなく、連続的に線状に吐出することをいう。
また、塗液は通常口金内の塗液溜め部に貯留されているが、塗布領域への塗布で塗液溜め部内の塗液が減る。そこで、口金内の塗液残量を測定し、(B)の工程で塗布が終わった種類の塗料から順に塗液を口金に補給することが好ましい。具体的には、液面センサ等で塗液溜め部内の液量を検知し、初期値に対して減った分だけ補給すればよい。塗液補給のタイミングは、各種類の塗液ごとに独立して制御し、その種類の塗液の塗布を行っていないとき、つまり、塗布領域への塗布が一旦終了し、次に塗布領域への塗布を開始するまでの間のインターバルに行うことが好ましい。このインターバルは、他の種類の塗液の塗布に費やされるが、タクトタイムを考えれば、このインターバル内で口金への塗液補給を済ませることが好ましい。そのために、塗布が終わった種類の塗液から順次補給を開始するのが好ましい。
そして、塗液を補給する場合、塗液溜め部内の塗液に若干力が作用し、これにより吐出孔から塗液が染み出し、吐出孔周辺に濡れ広がるおそれがある。この状態を放置したまま後続する工程で塗布を行うと、塗液の吐出挙動が乱れ、塗布欠点を引き起こす可能性がある。したがって、上述の吐出孔の清掃は塗液の補給が終わった後に行うことが好ましい。この結果、後続の塗布領域にも品位よく塗布することができる。
また、(B)の工程で塗布が終わった種類の塗液から順に、口金内の塗液溜め部を負圧にし、吐出孔周辺に残存した塗液を吐出孔から吸引することも好ましい。塗布した後、吐出孔周辺には幾ばくかの塗液が残存する。基板への塗布は、口金面と基板面とを近接させて塗布する。この口金面と基板面との距離(ギャップ)が狭ければ、一旦塗布を終えた吐出孔周辺に残存している塗液が、次の塗液を塗布する時に基板面に触れ、塗布欠点を引き起こす可能性がある。そこで、塗液を塗布した後は、吐出孔の清掃までの間、順次、その種類の塗液溜め部内を負圧にして残存塗液を吸引し、基板に触れないようにすることが好ましい。
そして、このように吐出孔周辺の塗液を吸引する場合、塗液とともに空気も吸引する可能性がある。空気は次の塗布工程で塗布欠点を引き起こす。そこで、吐出孔を清掃する直前に一旦塗液溜め部内を加圧し、その後に吐出孔を清掃することが好ましい。一旦塗液溜め部内を加圧してから清掃工程に入ることで、吸引工程で入った空気を追い出すことができ、次の塗布工程での塗布欠点発生を防止できる。塗液溜め部内の加圧は、塗液が高粘度であれば口金面から塗液が垂れない程度に圧力で行えばよい。また塗液が低粘度であれば、塗液回収容器を別途設け、それに塗液を吐出させながら行うのがよい。
さらに、本発明は、塗布領域が塗布方向に連続する複数列の凹部を有する基板に塗料を塗布する場合に好適であり、その場合、各塗布領域への塗布の前に口金の基準吐出孔と塗布領域の基準凹部とで位置合わせすることが好ましい。具体的には、まず最初の塗布領域への塗布の前に基準吐出孔(たとえば凹部の数だけ吐出孔を有する口金を用いる場合、中央の吐出孔)の中央位置とそれに対応する基準凹部(たとえば中央の凹部)の中央位置とを一致させ、塗料を塗布する。続いて次の塗布領域に塗料を塗布する際にも、その塗液を吐出する口金の基準吐出孔の中央位置と基準凹部の中央位置とを一致させ、塗料を塗布する。そして、この工程を繰り返す。このように、各塗布領域への塗布の前に、基準吐出孔の中央位置と基準凹部の中央位置とを合わせることで、所定の凹部に塗液を高精度に、はみ出すこと無く、塗布することができる。また塗布領域毎に位置合わせを行うことにより、口金の吐出孔列の相対位置、及び、各塗布領域の凹部の相対位置、さらには塗布領域間での凹部の相対位置を必要以上に高精度に仕上げる必要が無くなる。さらに、あらかじめ各吐出孔列の位置や各塗布領域の凹部の位置を検知しておくことで、塗布領域への塗布の前の位置合わせを短時間で行うことが可能となる。
ここで、基準吐出孔とは、複数の吐出孔(吐出孔列)の中から基準となる吐出孔を、塗布領域と位置合わせするために設定した吐出孔のことである。吐出孔列の端に位置する吐出孔や、吐出孔列の中央に位置する吐出孔など、わかりやすい所に位置する吐出孔を基準吐出孔とすることが好ましい。また、基準凹部とは複数の凹部の中から基準となる凹部を、吐出孔と位置合わせするために設定した凹部のことである。なお、基準吐出孔と基準凹部とは対応するものであるので、例えば、基準吐出孔を吐出孔列の中央に位置する吐出孔に設定すれば、基準凹部も、複数の凹部の中の中央に位置する凹部に設定する必要がある。このように基準吐出孔と基準凹部とで位置合わせすることで、全ての吐出孔位置とそれに対応する全ての凹部の位置が必然的に合わせられ、所定の凹部に塗液を確実に精度よく塗布することができる。
上述の塗布は、たとえば次のような構成の装置で行われる。すなわち、基板を固定するテーブルと、基板に対面して設けられた、塗液を基板に塗布する塗布手段と、前記テーブルと前記塗布手段とを3次元的に相対移動させる移動手段と、前記塗布手段を清掃する清掃手段と、前記塗布手段からの各種類の塗液の吐出をそれぞれ独立して制御できる吐出制御手段を有している塗布装置で行われる。このような構成の装置においては、テーブルに載った基板と対面した塗布手段とが相対移動している時に、塗布手段から塗液を吐出させ、基板の塗布領域に塗液を塗布するわけであるが、各塗液の吐出を独立して制御できるので、塗布したい塗布領域に塗液を塗布する(塗り分ける)ことができる。
塗布手段は、塗液の塗布方向に複数個の塗布領域を有する基板上に、複数種類の塗液を各塗布領域内で互いに平行になるように塗布するもので、複数種類の塗液をそれぞれ溜める複数個の塗液溜め部と、各塗液溜め部に連通する複数個の吐出孔とを有する口金を備えているものであっても、各種類の塗液に対して、塗液を溜める塗液溜め部および複数個の吐出孔を備えた口金を備えているものであってもよい。すなわち、一つの口金に複数種類の塗液の塗液溜め部を設けたものであっても、また、塗液溜め部および吐出孔を備えた口金を複数種類の塗液それぞれについて設けたものであってもよい。
一つの口金に対して複数種類の塗液溜め部を設けて一体化した場合は、部品点数が減り、口金の洗浄、組立の時間を大幅に短くすることができる。一方、複数種類の塗液それぞれについて塗液溜め部および吐出孔を備えた口金を別個に設けた場合には、仮に一種の塗液の吐出孔が傷つくなどして使えなくなっても、その口金のみ交換すればよいのでコスト的にメリットがある。なお、各種類の塗液に対して口金を別個に設ける場合、複数個の口金を一体に固定して一つの口金として扱っても、あるいは、それぞれ別々に保持してもよい。そして、複数の口金を設ける場合は口金相互の位置関係を調整する必要があるが、各口金を個別に装置に搭載した後、位置関係を調整し、固定してもよいし、装置に搭載する前に複数の口金の相互の位置関係を調整し、上述したように一体化して装置固定してもよい。
口金には複数個の吐出孔を設けるが、これら吐出孔は、塗布領域の全幅にわたって設けることが好ましい。すなわち、基板に設けられた凹部に対応した数、ピッチで設けることが好ましい。このように構成することで、各塗布領域において各種類の塗料を1工程で塗布することができ効率的である。また、各塗布領域について一面を塗布するのに各種類の塗料の吐出孔の清掃はそれぞれ一回で済み、効率的である。なお、もちろん吐出孔の数を減らして、複数回の塗布動作で基板1枚への塗布を完了するものであってもよい。つまり、短尺型の口金や吐出孔のピッチを拡げたものであってもよい。
さらに、各塗液の吐出孔と対応する凹部の位置が合うように、あらかじめ各塗液の吐出孔の位置を対応する凹部の位置に合わせておくことで、一つ目の塗液の吐出孔と凹部を位置合わせすれば、次の塗液、その次の塗液の塗布の前に、吐出孔と凹部を位置合わせする必要がない。よって、その位置合わせする時間分、短時間で塗布することができる。
そして、本発明において移動手段とは、テーブルおよび/または口金などの塗布手段を、水平方向や上下方向に移動させる手段である。たとえば、サーボモータとリニアガイドとの組み合わせで構成することができる。
また、本発明において清掃手段とは、塗布手段である口金の吐出孔周辺に付着した塗液を清掃するものであればよく、布でふき取るものであっても、洗浄溶剤を吹き付けて塗液を溶解させるものであっても、あるいは、圧空を吹き付けて付着している塗液を飛ばすものであってもよい。
そして、吐出制御手段とは、口金内の塗液に力を作用させ、基板に塗液を塗布したい時だけ吐出孔から塗液を吐出させることができるものである。たとえば、加圧気体で口金内の塗液に力を作用させることで、吐出孔から塗液を吐出させることが可能である。
本発明の装置においては、塗液溜め部の塗液残量を測定する手段と、塗布が終わった種類の塗料から順に塗液を塗液溜め部に補給する手段とを設けることが好ましい。塗液溜め部の塗液残量を測定する手段とは、たとえば塗液の液面を検出する液面センサである。液面センサは、液面を検知できるものであれば特に限定されるものではないが、塗液の汚染を防ぐという観点から、例えば、レーザー変位計や、超音波式の液面センサなど、塗液に対して非接触で検出できるものが好ましい。塗液を塗液溜め部に補給する手段とは、たとえば、十分な塗液をあらかじめ貯蔵する塗液タンクから、口金につながっている塗液配管を通って口金に塗液を補給するものである。
さらに、本発明の装置においては、各塗布領域への塗布が終わった種類の塗液から順に、口金内の塗液溜め部を負圧にし、吐出孔周辺に残存した塗液を吐出孔から吸引するため、負圧制御手段を設けることが好ましい。塗液を塗布した後、吐出孔の清掃までの間、順次、その種類の塗液溜め部内を負圧にして残存塗液を吸引し、基板に触れないようにすることが好ましい。
そして、このように吐出孔周辺の塗液を吸引した場合に同時に吸引した空気を排出するため、塗液溜め部内部に所定の圧力をかける加圧制御手段を設けることも好ましい。吐出孔を清掃する直前に一旦塗液溜め部内を加圧することで、吸引工程で入った空気を追い出すことができ、次の塗布工程での塗布欠点発生を防止できる。塗液が高粘度であれば、口金面から塗液が垂れない程度に圧力を制御すればよいが、塗液が低粘度であれば、塗液回収容器を別途設け、それに塗液を吐出させながら行うのがよい。
さらに、本発明の装置を、塗布方向に連続する複数列の凹部を有する基板に塗料を塗布することに用いる場合、塗布手段の基準吐出孔の位置を計測する手段と、各塗布領域の基準凹部の位置を計測する手段と、基準吐出孔と基準凹部とを位置合わせする位置制御手段とを設けることが好ましい。基準吐出孔や基準凹部の位置計測手段と、位置制御手段を設けることにより、口金の基準吐出孔と、塗布領域の基準凹部の位置合わせを正確に制御できるので、所定の凹部に対して所定の塗液を確実に精度よく塗布することができる。
基準吐出孔の位置や基準凹部の位置を計測する手段としてはたとえばカメラを用い、カメラで基準吐出孔や基準凹部を撮像し、画像処理にて位置を計測することができる。また、位置制御手段は、コンピュータなどにて構成される制御部と、サーボモータとリニアガイドの組み合わせで構成される移動手段などから構成することができ、基準吐出孔と基準凹部の位置情報を基に、それぞれの位置を合わせることができるものである。

本発明に係る塗液の塗布装置及び方法によれば、複数種類の塗液を混色なく高品位に、かつ、複数個の塗布領域に高効率で塗布できるので、優れた品位の製品を安価に製造することができる。
本発明に係る塗液の塗布装置および塗布方法は、プラズマディスプレイパネル用部材における蛍光体塗布工程に特に好ましく適用することができる。すなわち、赤、緑、青の3種類のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含む蛍光体ペーストをプラズマディスプレイパネル用基板に塗布する際に好適に用いることができる。そこで、プラズマディスプレイパネル用部材として用いられる凹凸基板への塗液の塗布を例に、本発明に係る塗液の塗布装置および塗布方法の全体構成を説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る塗液の塗布装置の概略斜視図である。図1において、基板1はテーブル2の上に載置され、テーブル2に設けた吸着装置(図示略)により吸着して固定される。なお、基板1には塗布領域3がX方向(塗布方向)に3面(3a,3b、3c)ある。テーブル2は、その中心を軸として、回転を可能とするθ軸部材(図示しない)により支持されている。このθ軸部材は、X軸搬送部5上に設けられたリニアガイド4a、4bなどで構成されたY軸搬送部4に搭載され、テーブル2がリニアガイド4a、4bに沿って機台6のY軸方向に移動するとともに、θ軸部材を中心として回動する。X軸搬送部5は、機台6上に設けられたリニアガイド5a、5bなどによって構成され、テーブル2がリニアガイド5a、5bに沿って機台6のX軸方向に移動する。これらX軸搬送部およびY軸搬送部は互いに直交するように調整されている。X軸搬送部5は基板1に塗液を塗布するための相対移動手段であって、塗布動作においてはテーブル2をX軸方向に移動させる。
機台6の中央部上方には、X軸搬送部5によって移動されるテーブル2が通過するように門型の支持台7が、X軸と直交する形で設けられている。支持台7の下流側(図面における奥側)には、リニアガイド8a、8bによって構成されたZ軸搬送部8が設けられ、(テーブル2がリニアガイド8a、8bに沿ってテーブル2の面に対して垂直方向に移動する。Z軸搬送部8には塗液を吐出する口金9が3台(9R、9G、9B)、機台6のY軸方向中央を基準にして取り付けられる。口金9は着脱式で、Z軸搬送部8に取り付けたときに、テーブル2のX軸移動方向に直交して、Z軸搬送部8に設けたチャック(図示略)により固定される。
ここで、本発明に係る装置に用いられる口金について説明する。なお、ここでは口金9Rを例に説明するが、口金9G、9Bについても同様の構成である。
図2は、図1に示した口金9RのY方向における縦断面図を示しており、図3はX方向における縦断面図を示している。口金9Rは、塗液Rを溜める塗液溜め部52と、塗液Rを吐出する吐出開口部53と、塗液溜め部52に塗液Rを供給するための塗液供給口54を有する。吐出開口部53は、口金9Rの幅方向に直線状に配列された複数の吐出孔56からなる。塗液供給口54は、塗液溜め部52に挿入された、パイプ57の先端に開口した孔である。また、図1の支持台7の口金上方には、塗液溜め部52の塗液の液面高さを検出するための液面センサー58が取り付けられており、液面高さを計測することができるように構成されている。
口金は、塗布領域3のサイズに合わせて選択されるが、本実施形態においては塗布領域3に形成された全ての溝(凹部)に対して1回の塗布動作で塗料を付与できるよう、溝に対応した数、ピッチで吐出孔が略一直線状に配列されている。すなわち、本実施形態はプラズマディスプレイの背面板に塗料を付与する装置であるので、口金9Rは、Rの蛍光体粉末を含んだ塗液が塗布される溝に対応した数、ピッチで吐出孔を有している。
また口金9Rは、吐出孔の数を減らして、複数回の塗布動作で基板1枚への塗布を完了するものであってももちろんよい。つまり、短尺型の口金であったり、吐出孔のピッチを拡げたものであってもよい。
そして、口金9Rには、塗液を供給するための配管が接続され、この配管の反対側先端部には塗液の供給をコントロールする開閉バルブ10Rを介して塗液タンク12Rが接続される。塗液タンク12Rには所定圧力の気体圧力源13が配管を介して接続されている。また、口金9Rには、吐出孔から塗液を吐出させるための気体圧力を供給する配管が接続され、この配管の反対側先端部は気体圧力の切換バルブ11Rを介して所望圧力の気体圧力源13に接続されている。切換バルブ11Rは三方弁であり、塗液溜め部52、気体圧力源13にそれぞれ接続されるほか、切り換えることで大気に開放されるように構成されている。
口金9Rへの塗液供給は、切換バルブ11Rを大気開放にした状態で開閉バルブ10Rを開くことにより行い、塗液溜め部52の上部に空間を残す形で塗液を所定量供給する。続いて、塗液の吐出は切換バルブ11を気体圧力源13に切り換えて、この空間に気体圧力を供給することにより行われる。
基板への塗布工程は、口金9の塗液溜め部52に塗液を供給する工程と、塗布領域に塗液を塗布する工程を有し、それらをたとえば交互に繰り返す。塗布領域に塗液を塗布する工程では、一回の工程で、塗液溜め部52内の塗液のうち一部(所定量)を使って塗布領域1面に塗布する。これにより、塗液溜め部52内の液面高さ(吐出孔から液面までの距離)は一定高さ下降するため、次の塗液供給工程で塗液を所定量供給(補給)し、液面を所定の高さ(塗液量)にする。
そして、支持台7の上流側(図面における手前側)の側面には、基板1の塗布領域3a,3b、3cの位置を計測する第1の位置センサとしてカメラ17、19が取り付けられ、かつ、塗布領域3a,3b、3cの基準溝の位置を計測する第2の位置センサとしてカメラ18が取り付けられている。これらのカメラは、それぞれ、支持台7のY軸方向に独立して移動可能となるように、XおよびZ軸方向の微調整機構を介してY1搬送部14、Y3搬送部16、Y2搬送部15に取り付けられている。このY1〜Y3搬送部は、リニアガイド7a、7bによって構成され、カメラ17,18,19は、Y軸方向に移動した場合においてもテーブル面からの高さが一定になるよう構成されている。また、各カメラはモニタテレビに接続され視野の画像を表示できるように構成されている。
さらに、本実施形態においては、コンピュータなどにて構成される制御部22と、サーボモーターなどで構成される移動駆動部25が設けられている。制御部22は、移動制御部24を有し、移動制御部24は移動駆動部25を介して塗布装置の動作を制御し、基板1と口金9R、9G、9Bとを、X方向に相対移動させる。また制御部22は、塗布条件を入力表示するタッチパネル部を備えた供給制御部23を有し、口金9への塗液の供給、口金からの塗液の吐出を制御する。

続いて、塗液を塗布する基板について説明する。図4は、基板1を上から見た一例を示す図である。基板1にはX方向(塗布方向)に3面の塗布領域3a、3b、3cがある。塗布領域3a、3b、3cのそれぞれには、塗布方向にのびる直線状のリブ30が全面に渡り所定間隔で形成され、リブの間に溝(凹部)を形成している。なお、図示しないが、基板(背面板)の輝度向上、消費電力低減といった性能向上のため、該リブ間に溝を分断する横リブを形成してもよい。各塗布領域3a、3b、3cの四隅付近には、基板面に形成されたリブパターンとの位置関係を示すアライメントマークA1〜A4,A5〜A8、A9〜A12が設けられている。このアライメントマークは、塗布領域のリブパターンを形成するときに一緒に作成される。これにより、リブパターンとアライメントマークの位置関係が精度良く形成される。アライメントマークは、A1とA3、A5とA7、A9とA11を結ぶ直線がリブのパターンと平行になるように、また、A1とA2、A5とA6、A9とA10を結ぶ直線がリブのパターンと直交するように設けられる。
そして、本実施形態においては、基準溝位置(基準凹部)を各塗布領域の中央の溝位置(凹部)とする。アライメントマークの間隔XA,YAおよび各塗液塗布溝の基準溝とアライメントマークの距離Ysは基板情報として制御部に与える。 次に、この基板と口金との位置合わせについて説明する。図5は、上述の装置に上述の基板を配置した状態を示す部分上面図(a)および部分正面図(b)である。X軸搬送部5の上流側端面には、口金9R、9G、9Bの位置を検出する位置センサとしてカメラ20が、機台のY軸方向中央の位置に取り付けられている。また、口金9R、9G、9Bのそれぞれの下面(吐出孔面)には、一列に並べられた吐出孔の中央近傍に、基板の基準溝(基準凹部)と位置あわせする基準吐出孔の位置を示すマークMが付されている。従って、X軸を操作することにより、カメラ20によって口金9R、9G、9Bの基準孔の位置を計測し、それぞれのX軸、Y軸座標を記憶させる。
そして、基板1においては、機台6のY軸方向中央を基準にしてあらかじめ基板情報に基づき位置決めしたカメラ17、19の位置に、テーブルのX軸を操作して下流側2個のアライメントマークA1、A2を移動させ、各々の位置を計測する。さらに、カメラ18により基板の基準溝のY軸方向の位置を計測する。なお、カメラ17,18,19,20の相対位置情報はあらかじめ制御部に与えておく。こうして求めた口金9R、9G、9Bの基準吐出孔の位置座標と、塗布領域3a、3b、3cの基準溝位置座標を基に、テーブルのY軸、θ軸を動作させて、各塗布領域において基板と口金各々の相対位置合わせを行う。
このように、Y軸方向において、塗布領域の基準溝を中央に、そして口金の基準孔も中央にすることで、基板1の歪みや口金9R、9G、9Bの加工精度による位置ずれ誤差を半減でき、塗布領域3a、3b、3cに形成された全ての溝中心に対向して、口金9R、9G、9Bの吐出孔を位置合わせできる。
続いて塗布動作について説明する。
塗布を開始する場合は、まず、口金9R、9G、9Bの塗液溜め部内に塗液を供給する。塗液の供給は前述したように図1の切換バルブ11R、11G、11Bを大気開放にした状態で開閉バルブ10R、10G、10Bを開いて、所定の量に達するまで供給する。
次に、基板搭載に移る。この動作は口金9R、9G、9B内への塗液供給と並行して行うことが可能で、そうすることで口金9R、9G、9Bへの塗液供給の待ち時間を少なくすることができる。
テーブル2を上流側端部に移動する。Y軸およびθ軸は中央ゼロの位置でテーブル面のほぼ中央に外部移載機により塗布する基板1を搭載し、塗布方向にのびるリブがテーブルのX軸方向とほぼ平行となる状態にして吸着固定する。外部移載機は例えば多軸のロボットを用い、ロボットのアームで基板1をテーブル2上部に横持ちする。テーブル2には複数の昇降可能なピンを設け、このピンを上昇して基板を受け取り、アームを退避させてピンを下降することにより基板をテーブル面に受け取る。
次に、塗布領域3aに塗液Rを塗布する動作に入る。まず、基板位置決めを行う。テーブル2を移動させて、塗布領域3aのアライメントマークA1、A2をカメラ17、19の視野に入れる。次に、カメラ17の視野中心を基準にアライメントマークA1のX、Y方向のずれ量を求める。また、カメラ19の視野中心からアライメントマークA2のX、Y方向のずれ量を求める。この2つのX軸方向のずれ量とアライメントマークの間隔YAから基板の傾きと、傾きを修正したときのアライメントマークA1の移動量を求める。算出した結果に応じ、テーブルのθ軸を回転して基板の傾きを修正し、X、Y軸を移動してカメラ17の視野中心にアライメントマークA1を位置合わせする。
この時点で、カメラ18の視野内には塗布領域3aの塗液R塗布溝の基準溝が観測されるので、溝の中心位置を判断し、テーブル2のY軸を移動することで、口金9Rの基準孔と塗布領域3aの塗液R塗布溝の基準溝中心とのY軸方向の位置を合わせる。
位置決めが終わると塗液の塗布動作に移る。口金9Rの塗液溜め部内への塗液供給が完了していることを確認し(未完の場合は待つ)、テーブル2のX軸を塗布領域3aの位置決め位置から下流方向に予めプログラムした速度で移動させる。X軸座標が、あらかじめ設定された塗液吐出位置になったら口金9Rから塗液を吐出し、吐出停止位置になれば吐出を停止する。この塗液の吐出および停止は、図1に示した切換バルブ11Rにより行う。これで塗布領域3aへの塗液Rの塗布が終了したことになる。なお、塗布が終わった口金を基板から離間させることで、吐出孔周辺の残存塗液が基板面に付着するのを防止できる。
次に控える塗布領域3bには、口金9Gの塗液Gを塗布する。塗布動作は上述の塗液Rの時と同様であり、口金9Gの基準孔と、塗布領域3bの塗液G塗布溝の基準溝中心とのY軸方向の位置を合わせ、塗布する。
そして、次に控える塗布領域3cには、口金9Bの塗液Bを同様に塗布する。
以上で、口金9R,9G,9B全ての塗液を一旦吐出させたので、各吐出孔の清掃に入る。各吐出孔の清掃には、清掃装置70を用いる。清掃装置70は、口金の幅と同等の幅の布巻きロール21を有する。清掃装置703がX方向に口金9に向かって移動し、口金9の下を通過する時、布巻きロール21を吐出孔に接触させることで清掃する。清掃後、清掃装置70は元の待機位置(図1中の位置)に戻る。
次に、再度塗布動作に入る。塗布領域3aには、口金9Gの塗液Gを塗布する。塗布動作は上述と同様であり、口金9Gの基準孔と、塗布領域3aの塗液G塗布溝の基準溝中心とのY軸方向の位置を合わせ、塗布する。
次に控える塗布領域3bには口金9Bの塗液Bを、塗布領域3cには口金9Rの塗液Rを塗布する。これでまた全ての口金から塗液を吐出させたので、上述と同様、また吐出孔の清掃に入る。
清掃工程の後には再度塗布動作に入る。このときの塗布動作も上述と同様の方法で、塗布領域3aには口金9Bの塗液Bを、塗布領域3bには口金9Rの塗液Rを、塗布領域3cには口金9Gの塗液Gを塗布する。
以上で、全ての塗布領域に、R、G、B3色の塗液を塗布したことになる。
塗布を終了すると、基板排出に移る。基板1の排出はテーブル2を下流端に移動し、吸着した基板1を解除し、ピンを上昇して移載機により取り出す。移載機は上流側の基板搬入と下流側の排出専用に各1台配置することで、基板排出中に次に塗布する基板が準備できるので、基板搬入から排出までの時間を短縮することができる。基板1を排出した時点で一連の動作が終了する。連続して基板1に塗布する場合には、上記塗液供給から開始する。
次に、塗液の供給(補給)について詳しく説明する。図6は、塗液タンク12R、12G、12Bから口金9R,9G,9Bへの塗液供給タイミングの例を模式的に表した図である。塗液タンク12から口金9への塗液の供給は、その種類の塗液を塗布領域3へ塗布していないとき、つまり、その種類の塗液の塗布領域3への塗布が一旦終了し、次の塗布領域3へ塗布を開始するまでの間のインターバルに行う。このインターバルは、前述の通り、他の種類の塗液の塗布に費やされるが、タクトタイムを考えれば、このインターバル内で口金9への塗液供給を済ませるが好ましい。そのためにも、塗布が終わった種類の塗液から直ぐに順次塗液供給を開始するのが好ましい。
また、塗布領域3cの最後の塗布色の塗布を終えた時点で、基板1の搬入、搬出が始まり、次の基板1の塗布領域3aへの塗布までには時間がある。そこで、塗液の粘度が高い等、塗液の供給速度が遅く、供給時間がかかる塗液がある場合は、塗液の供給時間を十分に確保する方法として、その塗液が塗布領域3cの最後の塗布の塗布色にならないようにする。これにより、他の塗液を塗布している時間に加え、基板の搬入、搬出をしている時間も供給に費やすことができる。
なお、上述した態様は、塗料の種類数だけ口金を設けたものであるが、口金は図7に示すように変更実施してもよい。すなわち、一つの口金60に、塗液溜め部61および吐出孔62の組を塗液の種類数だけ設け、一つの口金で複数種類の塗液を吐出するようにしてもよい。この場合、塗液の種類数分だけ口金がある場合と比べ、部品点数がほぼ1/3になり、塗布準備作業である口金の洗浄、組立の時間を大幅に短くすることができ、効率的であり、かつ、経済的である。
さらに、上述した態様記は、口金を固定し、テーブル(基板)を移動することで塗液を基板に塗布する態様であったが、口金を移動し、テーブル(基板)を固定することで塗液を基板に塗布しても同様の効果が得られる。
<実施例1>
図1に示す塗布装置を用い、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光する蛍光体を基板に塗り分けてプラズマディスプレイ背面板を形成した。
なお、基板は、サイズが990×1800mmで、長手方向に、928.8×580mmの塗布領域を3面有していた。また、塗布領域には、高さ120μm、頂部の幅50μmのリブが、ピッチ300μm(溝幅250μm)で3097本形成されていた。
塗布装置には、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光する蛍光体それぞれに対応させて3つの口金を設けた。それぞれの口金は、幅が1000mm、吐出孔数が1032孔、吐出孔ピッチが0.90mm、吐出孔径がφ0.100mmであった。
蛍光体の塗布にあたっては、1工程目で、塗布領域の1面目にR、2面目にG、3面目にBの蛍光体ペーストを塗布した。塗布を終了した塗料の口金へは順次蛍光体ペーストを補給し、その後、各吐出孔を一斉に清掃した。その後、2工程目で、塗布領域の1面目にG、2面目にB、3面目にRを塗布した。同様に蛍光体ペーストを補給し、各吐出孔を清掃した。更に3工程目で、塗布領域の1面目にB、2面目にR、3面目にGを塗布した。これで全ての塗布領域に塗液3色の塗布が完了した。
その結果、混色等の塗布欠点なく、塗布品位は良好であった。
<比較例1>
蛍光体の塗布にあたって、1工程目で、1面目の塗布領域にR、G、B3色を同時に塗布し、蛍光体ペースト補給、吐出孔清掃後、2工程目で、2面目の塗布領域に同様にR、G、B3色を同時に塗布し、蛍光体ペースト補給、吐出孔清掃後、3工程目で、3面目の塗布領域に同様にR、G、B3色を同時に塗布した以外は実施例1と同様にして、プラズマディスプレイ背面板を形成した。
その結果、各塗布領域とも混色が発生した。
<比較例2>
蛍光体塗布にあたって次のように変更した以外は実施例1と同様にしてプラズマディスプレイ背面板を形成した。
すなわち、1工程目で、1面目の塗布領域にRの蛍光体ペーストを塗布した。塗布終了後、口金へ蛍光体ペーストを補給し、その後、吐出孔を清掃した。続いて、2工程目で2面目の塗布領域にRを塗布し、同様にペーストを補給し、吐出孔を清掃した。更に3工程目で3面目の塗布領域にRを塗布し、同様にペーストを補給し、吐出孔を清掃した。これで全ての塗布領域に塗液Rの塗布が完了した。
次に、4工程目で、1面目の塗布領域にGを塗布し、上記と同様にペースト補給、吐出孔清掃を行い、同様に5工程目で2面目の塗布領域にGを塗布し、ペースト補給、吐出孔清掃を行い、6工程目で3面目の塗布領域にGを塗布し、ペーストを補給し、吐出孔を清掃した。これで全ての塗布領域に塗液Gの塗布が完了した。
更に、7工程目で、1面目の塗布領域にBを塗布し、上記と同様にペースト補給、吐出孔清掃を行い、同様に8工程目で2面目の塗布領域にBを塗布し、ペースト補給、吐出孔清掃を行い、9工程目で3面目の塗布領域にBを塗布し、ペーストを補給し、吐出孔を清掃した。これで全ての塗布領域に塗液3色の塗布が完了した。
その結果、実施例1の吐出孔の清掃動作がのべ3回に対し、比較例2では9回となり、効率が悪く、塗布工程のリードタイムが伸び、生産性が劣る結果となった。
本発明の一実施態様に係る塗液の塗布装置の概略斜視図である。 図1に示した口金9RのY方向における縦断面図である。 図1に示した口金9RのX方向における縦断面図である。 図1の装置に搭載された基板1の上面図である。 図1の装置の部分拡大図である。 図1の装置における塗液供給タイミングの例を模式的に表した図である。 図1の装置に搭載される他の口金のX方向における縦断面図である。
符号の説明
1 基板
2 テーブル
3(a,b,c) 塗布領域
4 Y軸搬送部
4a、4b リニアガイド
5 X軸搬送部
5a,5b リニアガイド
6 機台
7 支持台
7a、7b リニアガイド
8 Z軸搬送部
8a,b リニアガイド
9(R,G,B) 口金
10(R,G,B) 開閉バルブ
11(R,G,B) 切換バルブ
12(R,G,B) 塗液タンク
13 気体圧力源
14 Y1搬送部
15 Y2搬送部
16 Y3搬送部
17 カメラ
18 カメラ
19 カメラ
20 カメラ
21 布巻きロール
22 制御部
23 供給制御部
24 移動制御部
25 移動駆動部
52 塗液溜め部
53 吐出開口部
54 塗液供給口
56 吐出孔
57 パイプ
58 液面センサー
60 口金
61 塗液溜め部
62 吐出孔
70 清掃装置

Claims (13)

  1. 塗液の塗布方向に複数個の塗布領域を有する基板上に、複数種類の塗液を各塗布領域内で互いに平行になるように塗布するにあたり、次の(A)〜(D)の工程を順に行うことを特徴とする塗液の塗布方法。
    (A)複数種類の塗液を吐出する複数個の吐出孔を有する口金と基板とを対向配置する工程
    (B)口金と基板とを相対的に移動させながら上流側の塗布領域から下流側の塗布領域に異なる種類の塗液を順に塗布する工程
    (C)塗液を吐出した吐出孔の清掃を行う工程
    (D)各塗布領域内で先に塗液を塗布した位置とは異なる位置に塗液を塗布するように、前記(B)、(C)の工程を繰り返す工程
  2. 口金内の塗液残量を測定し、前記(B)の工程で塗布が終わった種類の塗料から順に塗液を口金に補給する、請求項1に記載の塗液の塗布方法。
  3. 塗液の補給が終わった後に前記(C)の工程の吐出孔の清掃を行う、請求項2に記載の塗液の塗布方法。
  4. 前記(B)の工程で塗布が終わった種類の塗液から順に、口金内の塗液溜め部を負圧にし、吐出孔周辺に残存した塗液を吐出孔から吸引する、請求項1〜3のいずれかに記載の塗液の塗布方法。
  5. 前記(B)の工程の後に一旦口金内を加圧してから前記(C)の工程を行う、請求項4に記載の塗液の塗布方法。
  6. 前記塗布領域が塗布方向に連続する複数列の凹部を有する基板を用い、各塗布領域への塗布の前に口金の基準吐出孔と塗布領域の基準凹部とを位置合わせする、請求項1〜5のいずれかに記載の塗液の塗布方法。
  7. 赤、緑、青の3種類のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含む蛍光体ペーストを、請求項1〜5のいずれかに記載の方法を用いてプラズマディスプレイパネル用基板に塗布することを特徴とするプラズマディスプレイパネル用基板の製造方法。
  8. 塗液の塗布方向に複数個の塗布領域を有する基板上に、複数種類の塗液を各塗布領域内で互いに平行になるように塗布する塗布装置であって、基板を固定するテーブルと、基板に対面して設けられた、塗液を基板に塗布する塗布手段と、前記テーブルと前記塗布手段とを3次元的に相対移動させる移動手段と、前記塗布手段を清掃する清掃手段と、前記塗布手段からの各種類の塗液の吐出をそれぞれ独立して制御できる吐出制御手段を有していることを特徴とする塗液の塗布装置。
  9. 前記塗布手段は、複数種類の塗液をそれぞれ溜める複数個の塗液溜め部と、各塗液溜め部に連通する複数個の吐出孔とを有する口金を備えている、請求項8に記載の塗液の塗布装置。
  10. 前記塗布手段は、各種類の塗液に対して、塗液を溜める塗液溜め部および複数個の吐出孔を備えた口金を備えている、請求項8に記載の塗液の塗布装置。
  11. 前記塗液溜め部の塗液残量を測定する手段と、塗布が終わった種類の塗料から順に塗液を前記塗液溜め部に補給する手段とを有する、請求項9または10に記載の塗液の塗布装置。
  12. 前記塗布領域が塗布方向に連続する複数列の凹部を有する基板であり、前記塗布手段の基準吐出孔の位置を計測する手段と、各塗布領域の基準凹部の位置を計測する手段と、基準吐出孔と基準凹部とを位置合わせする位置制御手段とを有している、請求項8〜11のいずれかに記載の塗液の塗布装置。
  13. プラズマディスプレイパネル用基板に赤、緑、青の3種類のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含む蛍光体ペーストを塗布する請求項8〜12のいずれかに記載の塗液の塗布装置を備えているプラズマディスプレイパネル用基板の製造装置。
JP2006022084A 2006-01-31 2006-01-31 塗液の塗布方法及び塗布装置 Pending JP2007203139A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006022084A JP2007203139A (ja) 2006-01-31 2006-01-31 塗液の塗布方法及び塗布装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006022084A JP2007203139A (ja) 2006-01-31 2006-01-31 塗液の塗布方法及び塗布装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007203139A true JP2007203139A (ja) 2007-08-16

Family

ID=38483077

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006022084A Pending JP2007203139A (ja) 2006-01-31 2006-01-31 塗液の塗布方法及び塗布装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007203139A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105170405A (zh) * 2015-08-27 2015-12-23 伟创力电子技术(苏州)有限公司 用于pcb的点胶机
CN106269424A (zh) * 2016-08-28 2017-01-04 湖南城市学院 一种竹片凉席的涂胶方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105170405A (zh) * 2015-08-27 2015-12-23 伟创力电子技术(苏州)有限公司 用于pcb的点胶机
CN106269424A (zh) * 2016-08-28 2017-01-04 湖南城市学院 一种竹片凉席的涂胶方法
CN106269424B (zh) * 2016-08-28 2019-12-27 湖南城市学院 一种竹片凉席的涂胶方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4055580B2 (ja) 口金並びに塗液の塗布装置および塗布方法
JP2006093108A (ja) 光学ディスプレイのための蛍光体を噴射するシステム
TW200533426A (en) Discharge apparatus, material application method, manufacturing method for color filter substrate, manufacturing method for electroluminescence display apparatus, manufacturing method for plasma display apparatus, and wiring manufacturing method
JP4940806B2 (ja) ペースト塗布機及びペースト塗布方法
JP2004014393A (ja) プラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法及び蛍光面形成装置
CN114379091A (zh) 显示面板的led挡墙的打印设备及方法
JP4871541B2 (ja) 塗布方法および塗布装置、ディスプレイ用部材の製造方法
JP2007203139A (ja) 塗液の塗布方法及び塗布装置
JP3912635B2 (ja) 凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法
JPH11300257A (ja) 凹凸基材への塗液の塗布装置およびプラズマディスプレイの製造装置
JPH11239750A (ja) 凹凸基材への塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイの製造装置および方法
JP4403802B2 (ja) ペースト塗布機
JP4821134B2 (ja) 口金及びそれを用いた塗液の塗布装置及び方法並びにプラズマディスプレイパネル用部材の製造装置及び方法
JP2004303549A (ja) プラズマディスプレイ用基板の製造方法および製造装置
JP4888007B2 (ja) ノズル、塗布装置、塗布方法およびフラットパネルディスプレイの製造方法
JP2008229492A (ja) 塗液の塗布装置
TW201731594A (zh) 膜圖案描繪方法、塗布膜基材、及塗布裝置
JP4604533B2 (ja) 座標精度確認方法、および電気光学装置の製造方法
JP2003053248A (ja) 塗液の塗布装置および塗布方法、並びにプラズマディスプレイパネル用部材の製造方法およびプラズマディスプレイパネル
JP2002177844A (ja) 塗液の塗布装置及び方法並びにプラズマディスプレイ部材の製造装置及び製造方法
JP2010167342A (ja) 塗液の塗布装置および塗布方法ならびにプラズマディスプレイパネルの製造装置および製造方法
JP2008041670A (ja) 塗布装置、塗液の塗布方法およびプラズマディスプレイパネル用基材の製造方法。
JP2004006224A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造装置
JP2008183528A (ja) 塗布装置
JP2000331617A (ja) プラズマディスプレイ装置の隔壁製造装置