JP2004303549A - プラズマディスプレイ用基板の製造方法および製造装置 - Google Patents

プラズマディスプレイ用基板の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電極を有するガラス基板に誘電体層を設け、その誘電体層に蛍光体ペーストを収容するための隔壁間の溝を設けてなるプラズマディスプレイ用基板の溝に蛍光体ペーストを塗布する際に、塗布後のウェット状態での塗布厚み測定を可能にし、塗布条件確認のための塗布厚みチェック時間を大幅に削減し、生産性を向上させることができるプラズマディスプレイ用基板の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】少なくとも隔壁を形成した基板の隔壁間の溝に蛍光体ペーストを塗布する工程を有するプラズマディスプレイ用基板の製造方法において、蛍光体ペースト塗布前における溝の底面の高さHaと蛍光体ペースト塗布後における蛍光体ペースト表面の高さHbを、一台の高さ検知器を隔壁と平行方向に往復させることにより測定し、高さHbと高さHaとの差から蛍光体ペーストの塗布厚みを求めることを特徴とするプラズマディスプレイ用基板の製造方法。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラズマディスプレイの製造分野に使用されるものであり、詳しくは基板上の蛍光体ペーストを収容するための隔壁間の溝に蛍光体層を形成する製造方法および製造装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディスプレイはその方式において次第に多様化してきているが、現在注目されているものの一つが、従来のブラウン管よりも大型で薄型軽量化が可能なプラズマディスプレイである。これは、一定ピッチでストライプ状に一方向に延びる溝をもつ隔壁を基板上に構成し、さらにこの溝にR、G、Bの蛍光体ペーストを塗布し、任意の部位を紫外線により発光させ、所定のカラーパターンを写し出すものである。通常は表示電極/誘電体層/保護層を形成した方が前面基板、アドレス電極/誘電体層/隔壁層/蛍光体層を形成した方を背面基板と呼ばれており、両者を貼りあわせてプラズマディスプレイとして構成される。
【0003】
従来において、R、G、Bの各蛍光体層は、粉末状の蛍光体粒子を主成分とする蛍光体ペーストを各色毎に順にスクリーン印刷法によって基板上に塗布し、乾燥後に焼成する手法を用いて形成されていた。しかしながら、プラズマディスプレイの画面サイズの大型化が進むにつれて、スクリーンマスクの伸縮・位置決め誤差などの要因で隔壁の配置パターンとマスクパターンとの位置ずれが生じ、隔壁の間に正確に蛍光体ペーストを塗布することが困難になってきた。そこで、大型プラズマディスプレイを構成するための基板の各隔壁間に蛍光体層を均一に精度よく形成するために、基板と蛍光体ペーストを吐出するノズルを相対的に移動させて、隔壁間の所定の溝に対してノズルの吐出口から蛍光体ペーストを連続的に吐出して蛍光体層を形成する方法が提案されている。また、その隔壁間の溝に塗布された蛍光体ペーストは、表面張力により表面を小さくしようとして、自らを圧縮し凹面が形成されることも知られている。隔壁にはストライプ形状や格子状が用いられるが、ストライプ形状の隔壁が低コストで形成でき好ましいが、輝度を向上させるために格子状の隔壁がより好ましく用いられている。
【0004】
蛍光体層の形成において、塗布を連続して多量の基板に対して行なう時には、基板上の隔壁間の溝に塗布された蛍光体ペーストの表面高さ(厚さ)を測定して塗布条件を確認するが、通常は隔壁間の溝に形成された蛍光体層の乾燥後の塗布厚みを測定するために、乾燥終了まで1時間程度待たなければならない。したがって、生産性を向上させるには、塗布後のウェット状態で隔壁間の溝に塗布された蛍光体ペーストの塗布厚さを測定できるようにして、待機時間を大幅に削減することが望まれている。また、輝度および表示の均一性を高めるために、途中の基板での塗布厚みを正確に管理することも望まれている。
【0005】
従来の蛍光体層の塗布厚み測定は、表面に複数の平行なリブを有する基板の各リブ間に塗布される蛍光体の塗布状態を評価する方法であって、蛍光体の塗布前および塗布後の基板の表面を変位計で走査して塗布前後における基板の表面までの距離を計測し、蛍光体の塗布前後において得られた計測データの比較結果に基づいて蛍光体の塗布状態を評価していた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかし、上述の特許文献1では、載置台の所定位置に固定された蛍光体塗布前の基板の表面をリブを横切るように変位計で走査した後、基板を載置台から排出し、蛍光体の塗布および焼成工程を実行し、その後、基板を再び載置台の所定位置に固定して蛍光体塗布後の基板の表面をリブを横切るように変位計で走査し、蛍光体の塗布前後において得られた計測データから塗布状態を評価するため、塗布前に計測してから塗布後に計測するまで乾燥、焼成工程を実行する時間を待たなければならない。したがって、蛍光体の塗布状態を能率よく評価するのは困難であり、生産性を向上させることはできない。
【0007】
また、載置台に固定された蛍光体塗布前の基板表面を変位計で走査して蛍光体塗布前における基板表面までの距離を計測し、塗布および焼成工程を実行するため基板を載置台から排出し、その後、基板を再び載置台に固定して蛍光体塗布後の基板表面を変位計で走査して蛍光体塗布後における基板表面までの距離を計測するため、塗布前後において同一の計測条件で基板表面までの距離を計測することは困難であり、正確な塗布状態を評価することはできない。
【0008】
この欠点を改善するため、塗布作業中に基板の載置台からの高さを検出する第1高さセンサと、塗布直後の溝に塗布された蛍光体ペーストの表面高さ(厚さ)を検出するためにさらに設けられた第2高さセンサにより測定した値の差で塗布厚みを算出するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
また、載置台上の被塗布部材の載置台面からの高さを検出する高さ検出器で、塗布前後の被塗布部材の載置台面からの高さを検出して、これらの値に基づいて塗布厚みを算出しているものもある(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
しかしながら、上述の特許文献2では、第1高さセンサと第2高さセンサが設けられているため、各々センサがもつ電気特性が要因で測定に誤差が生じ、塗布厚みを正確に算出するのは困難である。
【0011】
また、上述の特許文献3では、塗布液を吐出する塗布器の一方向に延びる吐出口と載置台上に固定した被塗布部材の平行を位置合わせする手段が設けられていないため、蛍光体ペーストを収容するための隔壁間の溝を設けてなるプラズマディスプレイ用基板の溝に塗布液を吐出することはできない。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−273913号公報(第2−4頁、図7)
【0013】
【特許文献2】
特開2001−15022号公報(第2−7頁、図4)
【0014】
【特許文献3】
特開2000−197844号公報(第2−6頁、図3)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述の事情に基づいて行ったもので、その目的とするところは、蛍光体ペーストを収容するための隔壁間の溝に蛍光体ペーストを塗布する際に、塗布後のウェット状態での塗布厚みを正確に測定可能とし、多量塗布前の塗布条件確認のための塗布厚み測定に要する時間を大幅に削減し、生産性を向上させるとともに、多品種少量生産時にも条件設定時間を大幅に減少することで生産効率を上げられることが可能なプラズマディスプレイ用基板の製造方法および製造装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明のプラズマディスプレイ用基板の製造方法は、少なくとも隔壁を形成した基板の隔壁間の溝に蛍光体ペーストを塗布する工程を有するプラズマディスプレイ用基板の製造方法において、蛍光体ペースト塗布前における溝の底面の高さHaと蛍光体ペースト塗布後における蛍光体ペースト表面の高さHbを、一台の高さ検知器を隔壁と平行方向に往復させることにより測定し、高さHbと高さHaとの差から蛍光体ペーストの塗布厚みを求めることを特徴とするプラズマディスプレイ用基板の製造方法からなる。
【0017】
また、本発明のプラズマディスプレイ部材の製造装置は、少なくとも蛍光体ペーストを収容するための隔壁間の溝を設けてなるプラズマディスプレイ用基板を載置するテーブルと、溝内に蛍光体ペーストを吐出するノズルと、テーブルとノズルとを相対的に移動させる手段と、テーブルとノズルとを相対的に移動させて基板の傾きを補正する手段と、テーブル上に載置される基板の蛍光体ペースト塗布前における溝の底面高さHaおよび蛍光体ペースト塗布後における蛍光体ペーストの表面高さHbを測定する手段と、高さHbと高さHaとの差から蛍光体ペーストの塗布厚みを演算する手段とを備えていることを特徴とするプラズマディスプレイ用基板の製造装置からなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明に係るペースト塗布装置の一例の概略斜視図である。図1において、基板1はテーブル2の上に載置され、テーブル2に設けた吸着装置(図示しない)により吸着して固定される。テーブル2はその中心を軸として、回転を可能とするθ軸3(破線で示す)により支持されている。このθ軸3はY軸搬送部4に搭載され、Y軸搬送部4はX軸搬送部5に設けられたリニアガイド4a,4bに沿って基台6のY軸方向に移動する。X軸搬送部5は、基台6に設けられたリニアガイド5a,5bに沿って基台6のX軸方向に移動する。このX、Y軸搬送部は直交するように配置されている。X軸搬送部5は基板1に蛍光体ペーストを塗布するための相対移動手段であって、塗布動作においてその上部にあるテーブル2をX軸方向に移動させる。
【0020】
基台6の中央部上方には、X軸搬送部5によって移動されるテーブル2が通過するように門型の支持台7が、X軸と直交する形で設けられている。支持台7の奥側(以下、下流側と称する)側面の両サイドには、テーブル2の面に対して垂直方向に移動するZ軸搬送部8a,8bが設けられ、Z軸搬送部には蛍光体ペーストを吐出するノズル9が基台6のY軸方向中央を基準にして取り付けられる。ノズル9は着脱式で、Z軸搬送部に取り付けたときに、チャック(図示しない)により固定される。
【0021】
このノズル9は、塗布する基板1のサイズに合わせて選択され、その基板1に形成された所望の全ての溝に対して1回の塗布動作で塗布を完了するための吐出孔が略一直線状に配列して設けられていることが好ましい。例えば、塗布する基板1がプラズマディスプレイの背面板の場合は、R,G,B何れか1色の蛍光体を含んだペースト(蛍光体ペースト)を塗布する。従って、ノズル9にはその塗布する溝に対応したピッチで吐出孔が設けられる。
【0022】
ノズル9は内部にペースト溜まり部を有し、蛍光体ペーストを供給するための配管22が接続され、この配管22の上流側には蛍光体ペーストの供給をコントロールする開閉バルブ10を介して、蛍光体ペーストタンク12が接続される。蛍光体ペーストタンク12には所望圧力の気体圧力源13が配管を介して接続されている。また、ノズル9には、吐出孔から蛍光体ペーストを吐出させるための気体圧力を供給する配管23が接続され、この配管23の上流側はさらに気体圧力の切換バルブ11を介して、一方は所望圧力の気体圧力源13に接続される。また、切換バルブ11は三方弁になっているので残りの一方は大気に開放されている。
【0023】
ノズル9への蛍光体ペースト供給は、切換バルブ11を大気開放にした状態で開閉バルブ10を開くことにより行われる。このとき蛍光体ペーストは、例えば液面高さを検出するセンサを設けておき、蛍光体ペーストの溜まり部上部に空間を残す形で所定量が蓄えられる。蛍光体ペーストの吐出は切換バルブを気体圧力源13に切り換えて、この空間に気体圧力を供給することにより行われる。
【0024】
支持台7の手前側(以下、上流側と称する)側面には、基板1の位置を計測する位置センサとしてカメラ17,19が取り付けられ、基板1の基準溝の位置を計測する位置センサとしてカメラ18が取り付けられている。なお、これらの位置センサは1台のカメラで各計測位置に移動させてもよい。これらのカメラは、各々XおよびZ軸方向の微調整機構を介して、支持台7のY軸方向に独立して移動可能なY1搬送部14、Y3搬送部16、Y2搬送部15に取り付けられている。Y2搬送部15には、さらに、カメラ18の微調整機構とは独立したX、YおよびZ軸方向の微調整機構を介して高さ検知器30設けられている。そのX、YおよびZ軸方向の微調整機構は、高さ検知器30が高さを検知する位置(検知点)を基板1の隔壁間の溝幅方向の底面の中心に位置合わせさせる位置合わせ手段として機能するものである。なお、溝幅方向の底面の中心とは、厳密な中心に限定されるものではなく、溝の幅方向中心から溝幅の±8%の範囲内を含むものとする。
【0025】
このY1〜Y3搬送部はリニアガイド7a,7bによって、Y軸方向に移動した場合においてもテーブル面からの高さが一定になるよう調整されている。
【0026】
以上これまでに述べた全ての軸は、図示されないサーボモータにより駆動され、サーボモータは制御部からの制御信号によりコントロールされる。また、制御部はマイクロコンピュータやRAM、ハードディスクなどにて構成され、基板1やノズル9の位置計測、ノズル9への蛍光体ペースト供給および吐出口からの吐出制御を行うとともに、塗布条件を入力表示するタッチパネル部を有している。また、通常、各カメラはモニタテレビに接続され視野の画像を表示できるように構成される。
【0027】
図2は装置を上および横から見た一部分の図である。X軸搬送部5の上流側端面には、ノズル9の位置を検出する位置センサとしてカメラ20が、基台6のY軸方向中央の位置に取り付けられている。また、ノズル9の下面には、略一線状に並べられた吐出孔の中央近傍に、基板1の基準溝と位置あわせする基準孔の位置を示すマークMが付されている。従って、X軸を操作することにより、カメラ20によってノズルの基準孔の位置が計測される。
【0028】
一方、基板1においては、基台6のY軸方向中央を基準にしてあらかじめ基板情報に基づき位置決めしたカメラ17,19の位置に、テーブルのX軸を操作して下流側2個のアライメントマークA1,A2を移動させ、各々の位置を計測して、カメラ17を基準に位置決めする。さらに、カメラ18により基板1の基準溝Y軸方向の位置を測定する。こうして求めたノズル9と基板1の基準位置情報を基に、各々の相対位置合わせを行う。
【0029】
このように、Y軸方向を基板1とノズル9の中央を基準に位置合わせすることで、基板1の歪みやノズル9の加工精度による位置ずれ誤差が半減され、ガラス基板1に形成された塗布する全ての溝中心に対向して、ノズル9の吐出孔が位置合わせできることになる。
【0030】
初期の立ち上げ時は基板1の位置を計測するカメラ17〜19と、ノズル9の位置を計測するカメラ20の位置関係が定まっていないのと、高さ検知器30の検知点が予め定められた位置に位置合わせされていないので、これらカメラと高さ検知器30の基準位置調整を行う。
【0031】
図2に示したように、基準マーク付き治具(以下、基準マークと称する)21をカメラ20の上にセットする。基準マーク21は、例えば透明ガラスの表面にクロスヘアーラインを描いたものを用い、高さはテーブル面に基板1を搭載したときの基板面の位置に合わせるものとする。本装置では、基準マークは着脱式であってテーブル2に取り付けることができる。基準マーク21またはカメラ20の位置を調整して、カメラ20の視野中心と基準マーク21の中心を位置合わせする。このとき、テーブル2のY軸とθ軸は中央ゼロの位置にしておく。
【0032】
次に、基準マーク21をテーブル2に固定した状態で、X軸搬送部5を操作してカメラ18の下に移動する。カメラ18のY2軸15とテーブル2のX軸を調整して、基準マーク21の位置にカメラ18の視野中心を合わせる。このときのY2軸の座標とテーブル2のX軸座標を記憶し保存する。次は、カメラ18を基準マーク上から退避し、カメラ17を基準マーク21の上に移動する。(以降、この位置調整が終了するまでテーブルは移動しない)。カメラ17のY1軸14を調整して、基準マーク21にカメラ17のY軸方向視野中心を合わせる。X軸方向については、カメラ17のX軸微調整機構を調整して、基準マーク21がX軸方向の視野中心になるよう位置合わせする。カメラ17のY1軸の座標を記憶する。同様にして、カメラ19のY3軸16を調整して、基準マーク21にカメラ19のY軸方向視野中心を合わせる。X軸方向はカメラ19のX軸微調整機構を調整して、マークがX軸方向視野中心になるよう位置合わせする。カメラ19のY3軸座標を記憶する。続けて、カメラ18のY2軸15に設けられている高さ検知器30の検知点を基準マーク21の中心に位置合わせする。高さ検知器30の調整は、カメラ18の微調整機構とは独立して設けられているX、YおよびZ軸の微調整機構を用いて行う。テーブル2および各カメラを初期位置に戻し基準マークを外す。
【0033】
以上の調整によってカメラ20の位置、つまりテーブル2のX座標とカメラ17〜19の相対位置関係が決定される。カメラ18が基板1の基準溝Y軸方向(基準溝位置)に位置合わせされると、高さ検知器30の検知点も基準溝Y軸方向(基準溝位置)に位置合わせされることになる。この基準位置調整で得られたカメラの位置情報は、制御部に記憶保存しておくことで、装置を立ち上げる度にこの調整を行う必要がなくなる。
【0034】
図3は、図1に示した本発明の塗布装置で塗布を行う基板1の断面図の一例である。ガラス基板aの内面にアドレス電極bが配列され、アドレス電極bの間に、直線状の隔壁dが一つずつ設けられている。ガラス基板aの内面と隔壁底面の間にアドレス電極bを覆うように誘電体層cを有している。そして、誘電体層cの上面および隔壁dの側面を含めてガラス基板側の壁面を被覆するように蛍光体ペーストeが塗布(充填)される。隔壁d間の溝に蛍光体ペーストe(ペースト)を塗布(充填)する前に、高さ検知器30と基板1の溝底面までの距離から高さHaを測定し、溝に蛍光体ペーストe(ペースト)を塗布(充填)した後に、高さ検知器30と蛍光体ペーストの表面の距離から高さHbを測定し、高さHbと高さHaとの差から溝に塗布(充填)された蛍光体ペーストの塗布厚みを求めるものである。
【0035】
次に、塗布厚み測定の初期設定を行う。この初期設定では、蛍光体ペーストを塗布する前における溝の底面の高さHaを隔壁と平行方向の位置で測定するための間隔(測定間隔)と、測定で取得した高さデータの扱う数(測定ポイント数)と、塗布後から蛍光体ペーストの表面の高さHbを測定するまでの待ち時間とを設定する。測定間隔は予め設定されている測定基準位置からのX軸方向の距離で設定する。なお、測定基準位置はアライメントマークからのX軸方向の距離で設定されている。測定間隔が設定されると制御部は測定基準位置を基準に、上流側に測定間隔離れた位置(測定位置2)と下流側に測定間隔離れた位置(測定位置1)をそれぞれ求める。なお、測定位置を3位置(測定基準位置、測定位置1、測定位置2)設けているのは、基板走行方向における溝への塗布(充填)量バラツキ、すなわち塗布厚みバラツキを塗布領域内で測定するためである。測定位置を3位置で説明したが、3位置に限定されるものではなく、より多くの位置で測定してもかまわない。また、輝度の向上を目的に近年、用いられている格子状の隔壁の塗布厚み測定においても、蛍光体ペーストの隔壁長手方向の格子の影響が少ない、格子ピッチの中央位置に測定位置を設け、測定することで、ストライプ形状の隔壁と同様の測定ができるので好ましい。なお、塗布前の格子は、その急激な変化を公知の高さ比較処理などの方法によりカットすることで、ストライプ形状の隔壁として溝底面の高さを測定することができる。塗布厚みは隔壁と平行方向に測定するが、塗布前は、上流側から下流側へ基板1を移動させて溝底面の高さHaを測定するのが作業効率を上げるのに好ましい。また、塗布後は、高さHbを測定する3位置のうちどの測定位置が先でもかまわないが、測定位置1、測定基準位置、測定位置2の順に基板1を移動させて測定するのが作業効率を上げるのにより好ましい。塗布前は、溝底面の高さHaを予め定められた読み取り間隔(サンプリング間隔)毎にデータ取得することで行うが、測定ポイント数は、サンプリング間隔で取得した高さデータの扱う数を指定する。制御部は、測定基準位置、測定位置1、測定位置2のそれぞれの位置を基準に、上流側と下流側に測定ポイント数分のデータを処理し、測定基準位置、測定位置1、測定位置2での溝の底面高さの代表値を求める。なお、測定基準位置での溝の底面高さの代表値はHa0、測定位置1での溝の底面高さの代表値はHa1、測定位置2での溝の底面高さの代表値はHa2として制御部に記憶されている。好ましくは、処理するデータの上下限値を除いた残りの値を平均化処理するのが測定精度を上げるのによい。
【0036】
次に、塗布後から待ち時間経過後に、測定位置1、測定基準位置、測定位置2のそれぞれの位置で、溝に塗布(充填)された蛍光体ペースト表面の高さHbを測定する。一定時間経過後に測定するのは、蛍光体ペースト表面がレベリングによって安定するのを待つためである。一定時間は、好ましくは5〜120秒の範囲内、より好ましくは、30〜90秒の範囲内である。測定位置1での蛍光体ペースト表面の高さはHb1、測定基準位置での蛍光体ペースト表面の高さはHb0、測定位置2での蛍光体ペースト表面の高さはHb2として求める。好ましくは、同一位置で繰り返し蛍光体ペースト表面の高さ測定を行い、測定データの上下限値を除いた残りの値を平均化処理するのが測定精度を上げるのによい。測定回数は、好ましくは4〜64回、より好ましくは16〜32回である。
【0037】
次に、測定位置1での蛍光体ペースト表面高さHb1と、制御部に記憶されている測定位置1での溝底面高さの代表値Ha1との差をとれば測定位置1における塗布厚みが求められる。また、測定基準位置での蛍光体ペースト表面高さHb0と、制御部に記憶されている測定基準位置での溝底面高さの代表値Ha0との差をとれば測定基準位置における塗布厚みが求められる。また、測定位置2での蛍光体ペースト表面高さHb2と、制御部に記憶されている測定位置2での溝底面高さの代表値Ha2との差をとれば測定位置2における塗布厚みが求められる。
【0038】
輝度および表示の均一性を得るには、塗布後のウェット状態での同一位置における塗布厚みムラを、好ましくは±5μmの範囲内、より好ましくは±2.5μmの範囲内にする必要があることが実験的に確認されている。このため、塗布前における溝の底面の高さHaを測定する高さ検知器と、塗布後における蛍光体ペースト表面高さHbを測定する高さ検知器で、高さ検知器の電気的特性が要因で測定に誤差が生じないように同一の高さ検知器とし、測定精度を確保するのが好ましい。また、ウェット状態の波形を測定して拡大した図4において、隔壁d1間の溝に塗布(充填)された蛍光体ペーストe1(ペースト)は、表面張力により表面を小さくしようとして自らを圧縮し凹面が形成されるため、溝の幅方向位置で蛍光体ペースト表面高さが異なる。したがって、高さを測定する位置は溝幅方向で、塗布前および塗布後で同一位置として測定精度を上げるのがよい。測定する位置は、溝幅方向の中心位置が曲率の変化が小さいので凹面形状の影響を受けにくい。なお、例えば局面の変化が1%以下で影響が少ない範囲wは溝幅の±25%であり、この範囲で塗布厚みを測定するのが好ましい。
【0039】
次に、本発明の塗布装置を用いた塗布方法について説明する。塗布装置の初期設定を行う。この初期設定では、塗布開始位置や塗布終了位置、ペースト吐出圧力などの塗布条件と、塗布する基板1の基板情報の設定をする。塗布開始位置および終了位置は、アライメントマークからのX軸方向の距離で設定する。初期設定が終わると塗布作業を行う。まず、塗布すべき基板1を図示しない移載機のハンドから上流側の端に位置するテーブル2上の図示しないリフトピンに移載する。移載機のハンドが所定の位置に後退すると、リフトピンが下降し、図示しないセンタリング装置で基板1をテーブル2の中央に位置決めした後、吸着固定する。この時、Y軸およびθ軸は制御部のコントロールにより中央ゼロの位置に原点復帰している。次に、制御部に登録されているアライメント検出位置X,Yにテーブル2を移動させ、基板1のY軸方向両端に位置しているアライメントマークをカメラ17、19の視野に入れる。次に、カメラ17、19の視野中心を基準にアライメントマークのX、Y方向のずれ量を求めた結果に応じて、テーブル2のθ軸3を移動させて傾きを補正する。なお、θ軸3の移動には回転も含まれる。さらに、カメラ18の視野内にある基準溝を、溝の幅方向中心を基準にして画像登録してある基準溝とパターンマッチングし、Y軸方向のずれ量を補正する。補正が終わると、テーブル2を下流方向に移動させ、カメラ18のY2軸15に取り付けられている高さ検知器30と基板1の基準溝底面までの距離から、基板走行方向の基板1の溝底面高さデータを、予め定められているサンプリング毎に測定し、取得する。また、予め与えられているノズル9下面と基板1との間隔(クリアランス)が一定になるようにノズル9の下降位置をZ軸搬送部8a、8bを操作して定める。
【0040】
次に、テーブル2をさらに下流方向に移動させて、基板1の塗布開始位置がノズル9の吐出孔の直下に達したら、切り替えバルブ11を操作して、気体圧力源13から気体圧がノズル9にかかり、蛍光体ペーストをノズル9の吐出孔より吐出して塗布を行う。塗布を行っている最中にも、ノズル9下面と基板1との間隔(クリアランス)が一定になるように、基板走行方向において取得した基板1の溝底面高さデータに基づいてノズル9の位置を上下方向に昇降制御(ならい制御)させてもよい。ならい制御を行うと、クリアランスが一定となり、蛍光体ペーストの隔壁付着がなく安定した塗布が行えるので、さらに高速で塗布することが可能となり好ましい。基板1の塗布終了位置がノズル9の吐出孔の直下にくると、切り替えバルブ11を操作して気体圧を停止し、蛍光体ペーストの吐出を停止させ、これとほぼ同時にノズル9を上昇させて塗布を完了する。テーブル2は予め設定されている下流側の端位置に移動して停止する。つづいて、基板1の吸着を解除し、図示しないリフトピンを上昇させて基板1を持ち上げ、図示しない移載機のハンドにより次工程に搬送する。移載機のハンドが基板1を持ち上げたらリフトピンを下降し、テーブル2は次の基板を受け取るため上流側の端位置に移動する。この時、Y軸およびθ軸は制御部のコントロールにより中央ゼロの位置に原点復帰する。また、アライメント検出カメラ17、19および基準溝検出カメラ18は、基板情報に基づきY1搬送部14、Y3搬送部16、Y2搬送部15が操作され、所定の位置に復帰する。
【0041】
次に、塗布厚みの測定について説明する。塗布を行うまでは上記に記載の通りである。塗布完了後、基板1をテーブル2にそのまま吸着固定した状態で、テーブル2を上流方向の測定位置1に移動させる。そして、待ち時間経過後に、高さ検知器30と基板1の基準溝に塗布(充填)されている蛍光体ペースト表面の距離から測定位置1における蛍光体ペースト表面高さHb1を測定する。 次に、テーブル2を下流方向の測定基準位置に移動させて、蛍光体ペースト表面の高さHb0を測定する。ついで、テーブル2をさらに下流方向の測定位置2に移動させて、蛍光体ペースト表面の高さHb2を測定する。次に、各測定位置での塗布厚みを求める。測定位置1における塗布厚みは、蛍光体ペースト表面高さHb1と、制御部に記憶されている溝底面高さの代表値Ha1との差をとれば得られる。また、測定基準位置における塗布厚みは、蛍光体ペースト表面高さHb0と、制御部に記憶されている溝底面高さの代表値Ha0との差をとれば得られる。ついで、測定位置2における塗布厚みは、蛍光体ペースト表面高さHb2と、制御部に記憶されている溝底面高さの代表値Ha2との差をとれば得ることができる。
【0042】
本発明では、塗布厚み測定を一連で説明したが、この説明に限定されるものではなく、基板(塗布)毎に塗布厚みを測定してもよいし、予め設定されている基板(塗布)毎に塗布厚みを測定してもよい。塗布厚みを測定する高さ検知器(変位計)としては、測定できるものならいかなるものでもよいが、レーザフォーカス式のものが測定位置の表面状態の影響を受けにくく、精度の高い測定ができるので望ましい。その他、レーザを用いたもので、拡散反射や正反射を利用したものを用いてもよい。
【0043】
なお、本発明が適用できるガラス基板としては、ソーダガラスやPDP用に市販されているPD200(旭硝子社製)等のガラス基板やセラミックス製の基板を用いることができる。基板厚みは、1〜3mm、好ましくは2〜3mmのガラスを用いることができる。この基板上形成されているアドレス電極に好ましく用いられる材料としては、金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、ニッケルから少なくとも1種類を含む金属材料である。これらの金属材料を用いての厚みは、0.1〜10μm、好ましくは厚み1〜5μmである。蛍光体ペーストとしては、粘度が2〜50、より好ましくは5〜25Pa・sの範囲である。さらに、使用する塗布状態としては、クリアランスが10〜1000μm、より好ましくは50〜500μm、塗布速度が5〜500mm/秒、より好ましくは30〜300mm/秒、ノズルの吐出口数が10〜2000個、より好ましくは100〜2000個、塗布厚さが30〜300μm、より好ましくは60〜170μm、隔壁層のピッチが90〜350μm、より好ましくは100〜250μm、線幅が10〜60、より好ましくは15〜40μm、高さが30〜300、より好ましくは60〜170μmである。
【0044】
【実施例】
実施例1
幅340mm×奥行き440mm×厚み2.8mmのガラス基板上に、高さ130μm、線幅30μmのストライプ状の隔壁が、ピッチ220μmで1921本形成されている。この基板に図1に示した塗布装置を用いて蛍光体ペーストを塗布した。蛍光体ペーストの粘度は緑(G)20Pa・sであった。塗布に用いたノズルは孔径150μm、孔数640個である。高さ検知器はレーザフォーカス式のものを用いた。
【0045】
初期設定にて基板情報、塗布情報を設定し、検出位置の変更に伴って補正量の測定と登録を行い、そして、基準溝の位置を測定して、その位置と画像を登録した。塗布厚みを測定する測定条件として、測定間隔70mm、測定ポイント数5、待ち時間30秒を設定した。また、ガラス基板上に形成された隔壁の上端部とノズル下面のクリアランスを100μmに設定した。
【0046】
テーブルに基板をセンタリング装置で位置決めし、吸着固定した後に、テーブルをカメラ下に移動させ、アライメントマークと基準溝の画像で、高さ検知器(変位計)の検知点が溝の幅方向中心に位置するよう補正を行い、その後、テーブルを100mm/秒の速度でノズル孔直下に移動させた。この移動時に、高さ検知器(変位計)で基板の基準溝位置の溝底面の高さを隔壁と平行方向に4mm毎にサンプリングし、高さデータを取得した。この移動とほぼ同時に、ガラス基板上に形成された隔壁の上端部とノズル下面のクリアランスが100μmになるようノズルを下降させた。
【0047】
塗布開始位置以降、ノズルに圧力0.35Mpaを加え、サンプリングで取得した高さデータを用いてクリアランスを100μmに保持した状態で、テーブルを50mm/秒の速度で塗布終了位置まで進んだ時点で塗布を停止した。この停止とほぼ同時に待ち時間30秒の計測を開始した。また、テーブルがノズル直下に移動中にサンプリングした高さデータを用いて、塗布前の測定位置1、測定基準位置、測定位置2のそれぞれの位置における溝底面の高さの代表値Ha1、Ha0、Ha2を求めた。
【0048】
次に、基板をテーブルに保持したままで、測定位置1の位置にテーブルを移動させた。待ち時間30秒経過後に、高さ検知器(変位計)で溝に塗布された蛍光体ペースト表面の高さを16回測定し、平均化処理後高さHb1を求めた。次に、測定基準位置にテーブルを移動させて、高さ検知器(変位計)で溝に塗布された蛍光体ペースト表面の高さを16回測定し、平均化処理後高さHb0を求めた。同様にして、測定位置2の位置にテーブルを移動させて、高さ検知器(変位計)で溝に塗布された蛍光体ペースト表面の高さを16回測定し、平均化処理後高さHb2を求めた。
【0049】
測定位置1の高さHb1とHa1、測定基準位置の高さHb0とHa0、測定位置2の高さHb2とHa2、それぞれの差から、その位置における塗布厚みを求めた。結果は、測定位置1の塗布厚みは103.6μm、測定基準位置の塗布厚みは102.6μm、測定位置2の塗布厚みは102.8μmであつた。その後、基板をテーブルから排出して、100℃で20分乾燥した。つづいて、同様にして4枚の基板に塗布を行い塗布厚みを測定した。結果から、基板の走行方向および溝の幅方向の同一位置における測定バラツキは、例えば測定位置2で±1.35μmであった。結果を表1に示す。また、乾燥後の蛍光体層の塗布厚みを破壊検査によって測定したところ、許容値である19μm±1μmの範囲に収まっていた。また、ウェット状態での塗布厚み測定を行うことで、塗布条件確認のための塗布厚みチェックに要する時間を、通常の破壊検査に比べて約60分削減できた。
【0050】
実施例2
次に、高さ検知器(変位計)の検知点を溝幅方向中心の位置から溝幅の25%の位置で高さを測定するように調整した。それ以外は実施例1と同様にして5枚の基板に塗布した。結果から、基板の走行方向および溝の幅方向の同一位置における測定バラツキは、例えば測定位置1で±1.8μmであった。結果を表1に示す。また、実施例1と同様にして乾燥後の蛍光体層の塗布厚みを破壊検査によって測定したところ、許容値である19μm±1μmの範囲に収まっていた。
【0051】
実施例3
次に、高さ検知器(変位計)の検知点を溝の幅方向中心の位置から溝幅の37%の位置で高さを測定するように調整した。それ以外は実施例1と同様にして5枚の基板に塗布した。結果から、基板の走行方向および溝の幅方向の同一位置における測定バラツキは、例えば測定位置2で±4.75μmであった。また、実施例1と同様にして乾燥後の蛍光体層の塗布厚みを破壊検査によって測定したところ、許容値である19μm±1μmの範囲を逸脱していた。溝の幅方向中心から溝幅の±25%の範囲内の位置で高さを測定することで精度のよい測定が行えた。
【0052】
【表1】
Figure 2004303549
【0053】
実施例4
塗布後から蛍光体ペースト表面の高さを測定する待ち時間を30秒から5秒に変更して、測定位置1、測定基準位置、測定位置2のそれぞれの位置で塗布厚みを測定した以外は、実施例1と同様にして5枚の基板に塗布した。結果を表2に示す。
【0054】
実施例5
次に、待ち時間を5秒から120秒に変更して、それぞれの位置で塗布厚みを測定した以外は、実施例1と同様にして5枚の基板に塗布した。結果を表2に示す。結果から、塗布後5〜120秒の範囲内時間経過後に蛍光体ペースト表面の高さを測定することで精度のよい測定が行えた。
【0055】
【表2】
Figure 2004303549
【0056】
実施例6
蛍光体ペーストを赤(R)色に交換した。蛍光体ペーストの粘度は16Pa・sであった。また、ノズルに加える圧力は0.31Mpaとした以外は、実施例1と同様にして5枚の基板に塗布し、その後、塗布厚みを測定した。そして、基板をテーブルから排出して、100℃で20分乾燥した。また、乾燥後の蛍光体層の塗布厚みを破壊検査によって測定したところ、許容値である19μm±1μmの範囲に収まっていた。
【0057】
実施例7
次に、蛍光体ペーストを青(B)色に交換した。蛍光体ペーストの粘度は17Pa・sであった。また、ノズルに加える圧力は0.31Mpaとした以外は、実施例1と同様にして5枚の基板に塗布し、塗布厚みを測定した。その後、基板をテーブルから排出して、100℃で20分乾燥した。また、乾燥後の蛍光体層の塗布厚みを破壊検査によって測定したところ、許容値である19μm±1μmの範囲に収まっていた。
【0058】
最後にR、G、Bの蛍光体ペーストを塗布して乾燥させた基板を460℃で15分焼成し、欠陥のないプラズマディスプレイの背面板を製作できた。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプラズマディスプレイ用基板の製造方法および製造装置によるときは、溝に塗布された蛍光体ペースト表面がレベリングによって安定するのを待つてから、溝の幅方向中心位置で蛍光体ペースト表面高さを測定することができるので、塗布直後のウェット状態での正確な塗布厚み測定が可能となり、塗布を連続して多量に行う前の塗布条件確認のための塗布厚みチェックに要する時間を大幅に削減し、生産性を向上させるとともに、多品種少量生産時にも生産効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るペースト塗布装置の一例の概略斜視図である。
【図2】図1に示した装置の一部を上からと横から見た模式図である。
【図3】図1に示した本発明の塗布装置で塗布を行う背面基板の断面図の一例である。
【図4】本発明の塗布装置で塗布を行った状態の測定波形の拡大図の一例である。
【符号の説明】
1 基板
2 テーブル
3 θ軸
4 Y軸搬送部
4a,4b リニアガイド
5 X軸搬送部
5a,5b リニアガイド
6 基台
7 支持台
7a,7b リニアガイド
8a,8b Z軸搬送部
9 ノズル
10 開閉バルブ
11 切換バルブ
12 ペーストタンク
13 気体圧力源
14 Y1搬送部
15 Y2搬送部
16 Y3搬送部
17 カメラ(基板の位置を計測する)
18 カメラ(基板の位置を計測する)
19 カメラ(基板の位置を計測する)
20 カメラ(ノズルの位置を計測する)
21 基準マーク付き治具
22 ペーストを供給する配管
23 気体圧力を供給する配管
30 高さ検知器

Claims (4)

  1. 少なくとも隔壁を形成した基板の隔壁間の溝に蛍光体ペーストを塗布する工程を有するプラズマディスプレイ用基板の製造方法において、蛍光体ペースト塗布前における溝の底面の高さHaと蛍光体ペースト塗布後における蛍光体ペースト表面の高さHbを、一台の高さ検知器を隔壁と平行方向に往復させることにより測定し、高さHbと高さHaとの差から蛍光体ペーストの塗布厚みを求めることを特徴とするプラズマディスプレイ用基板の製造方法。
  2. 高さHaと高さHbを測定する際に、溝の幅方向中心から溝幅の±25%の範囲内の位置で測定することを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ用基板の製造方法。
  3. 少なくとも蛍光体ペーストを収容するための隔壁間の溝を設けてなるプラズマディスプレイ用基板を載置するテーブルと、溝内に蛍光体ペーストを吐出するノズルと、テーブルとノズルとを相対的に移動させる手段と、テーブルとノズルとを相対的に移動させて基板の傾きを補正する手段と、テーブル上に載置される基板の蛍光体ペースト塗布前における溝の底面高さHaおよび蛍光体ペースト塗布後における蛍光体ペーストの表面高さHbを測定する手段と、高さHbと高さHaとの差から蛍光体ペーストの塗布厚みを演算する手段とを備えていることを特徴とするプラズマディスプレイ用基板の製造装置。
  4. 高さHaおよび高さHbを測定する手段の高さを検知する位置を溝の幅方向中心から溝幅の±25%の範囲内の位置に位置合わせする手段と、蛍光体ペースト塗布後から高さHbを測定するまでの時間を計測する計測手段とを有することを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイ用基板の製造装置。
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