JP5086714B2 - マスクブランクの製造方法及びフォトマスクの製造方法 - Google Patents
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Description
また、上記製造方法による、塗布ムラがなく、塗布膜厚の均一性が良好なレジスト膜が形成されたマスクブランクを用いるフォトマスクの製造方法を提供することを第2の目的とする。
(構成3)前記基板上の所定領域は、基板上に形成した前記薄膜の端部と、該端部から前記薄膜の膜厚が実質的に一定になるまでの領域を含み、それより大きいことを特徴とする構成1又は2記載のマスクブランクの製造方法である。
(構成5)前記基板端部近傍の接液位置から基板上の所定領域内を前記相対移動する前記基板と前記ノズルとの相対的な移動速度は、その後の移動速度よりも大きいことを特徴とする構成1乃至4のいずれか一に記載のマスクブランクの製造方法である。
また、上記製造方法による、塗布ムラがなく、塗布膜厚の均一性が良好なレジスト膜が形成されたマスクブランクを用いることにより、高精度なパターンの形成されたフォトマスクを得ることができる。
本発明は、転写パターンを形成するための薄膜を有する基板の被塗布面に、液状のレジスト剤を収容した液槽からノズルを通過してノズル先端開口部に到達したレジスト剤を接液させ、前記基板と前記ノズルとを相対的に移動させることによって、前記被塗布面にレジスト剤を塗布してレジスト膜を形成する工程を含むマスクブランクの製造方法であって、前記相対移動の際、前記ノズルが、基板端部の接液位置から基板上の所定位置に至るまでの所定領域においては、前記ノズルと前記基板との間隔を接液時の接液ギャップのままで塗布し、その後、前記ノズルと前記基板との間隔を所定の塗布ギャップに変更して塗布することを特徴としている。
また、更に好ましくは、上記基板上の所定領域は、基板上に形成した前記薄膜(例えば遮光膜)の端部を含み、前記端部から、薄膜の膜厚が実質的に一定になるまでの領域を含み、その領域より大きいものであってもよい。すなわち、本発明の所定領域は、遮光膜などの薄膜を成膜する際に生じる、端部近傍の、膜厚が一定範囲となってない領域をカバーし、その領域への塗布を利用して、ノズルと基板の間の液溜まり部の形を整え、塗布方向の膜厚を均一化し、かつ塗布方向と垂直方向の、液溜まり部の太さ(液量)を均一化することができるのである。
このようにすれば、ノズルが、該マスクブランクの主要エリアに至り、該エリアを塗布するときに、該エリア内に上記したようなムラが生じない。
なお、上記基板上の所定領域は、基板の端部から8mm以内の領域とすることができる。この領域は、標準的なフォトマスクにおける、パターン不形成エリアであり、製品管理上、レジスト膜質の厳密な仕様充足が求められない領域である。
図1は上記塗布装置の側面概略図、図2はその正面概略図である。
図1に示すように、塗布装置1は、ベースフレーム11に設けられた塗布手段2と、移動フレーム12に設けられた吸着手段3と、移動フレーム12をベースフレーム11上で水平方向に移動させる移動手段4と、基板10を着脱自在に保持する保持手段5と、図示しない制御部とを備えている。
まず上記塗布装置1の初期状態は、ベース板52が基板のセット位置にあり、移動フレーム12が吸着位置にあり、またベース板52上の四隅にある各エアシリンダ56のロッドが下降している状態である。
次に、作業者(又はロボット)が、被塗布面を下向きにした状態で基板10を保持部材55の載置面に載置する。保持部材55には前記係止用段差を設けているので、基板10を容易に位置決めすることができる。また、この係止用段差により、ベース板52がセット位置から吸着位置に移動し停止する(後述)とき、基板10を係止することができる。なお、作業者は、別途設けられた基板載置ユニットに基板を載置し、該基板載置ユニットが基板を下向きとした状態で保持部に受け渡しを行ってもよい。この場合は、作業者は基板を垂直など任意の姿勢にした状態で、載置することが可能である。
まず、ベース板52がリニアモータ54によって吸着位置まで移動し停止する。こうして保持手段5が吸着位置に位置決めされると、その四隅にある4個のエアシリンダ56のロッドが同時に上昇し、基板10を吸着手段3に当接又は近接させる。ここで吸着手段3による吸引によって基板10が吸着手段3に吸着される。そして、各エアシリンダ56のロッドが下降すると、移動フレーム12が処理位置方向へ移動していく。移動フレーム12が処理位置を通過する途中で、被塗布面が下向きの基板10の被塗布面に、下方から塗布手段2によって塗布液の塗布が行われる。
また、上述の構成では、セット位置と吸着位置が異なるが、セット位置と吸着位置が同じ位置であるような構成としてもよい。
図3は、この塗布装置における塗布手段2の構成を示す断面図である。
塗布手段2は、図3に示すように、液槽20に溜められた塗布液(例えば液体状のフォトレジスト液)21をノズル22の毛管状隙間23における毛細管現象により上昇させ、下方に向けられた基板10の被塗布面にノズル22の先端部(上端部)を近接させ、ノズル先端部まで上昇した塗布液を該ノズル先端部を介して上記基板10の被塗布面に接液させるように構成されている。
そして、この支持プレート24は、その下端側において、互いに直交して配置されたリニアウェイ25,26を介して、ベースフレーム11の底フレーム14上に支持されている。つまり、支持プレート24は、底フレーム14上において、直交する2方向への位置調整が可能なようになっている。また、この支持プレート24には、スライド機構27を介して、液槽20内に収納されたノズル22を支持する支持杆28が取り付けられている。上記スライド機構27は、図示しない駆動機構により、支持杆28を支持プレート24に対して上下方向に移動操作する(ノズル接離手段)。即ち、液槽20とノズル22とは、互いに独立に、支持プレート24に対して上下方向に移動操作することができるようになっている。
また、液槽20の上面部には、ノズル22の先端部がこの液槽20の上方側に突出されるための透孔部20aが設けられており、なお且つ、液槽20内の塗布液21が大気に触れることをできるだけ防止するため、液槽20の上面部は、上端側の幅が狭くつぼまったような断面形状を有している。なお、液槽20の底面の透孔20bの周囲とノズル22の底面とは蛇腹29で繋がれており、上記透孔20bから液槽20内の塗布液21が漏れることを防止している。
すなわち、図5に示すように、液槽20に溜められた塗布液21をノズル22のスリット状の毛管状隙間23(隙間間隔T)における毛細管現象により上昇させ、下方に向けられた基板10の被塗布面10aにノズル22の先端部(上端部)を所定の塗布ギャップGを介して近接させ、ノズル先端部まで上昇した塗布液を該ノズル先端部を介して上記基板10の被塗布面10aに接液させながら、基板10とノズル22とを相対的に、かつ被塗布面10aに平行に移動させて、基板10の被塗布面10aに塗布液21を塗布して塗布膜を形成する。このときの基板10とノズル22の相対的な移動方向は、図5中の矢印Vで示すように、ノズル22の先端部において毛管状隙間23が形成するスリット状の開口と直交する方向である。
図6は、本発明のマスクブランクの製造方法におけるレジスト膜の形成工程を説明するための前記塗布手段の要部の断面図である。
(1)一回の塗布が終了した後、液槽20を所定位置まで下降させ、またノズル22を液槽20中の塗布液21(液状レジスト剤)に浸漬させる(図4に示す状態であり、謂わば液槽20とノズル22の位置の初期状態である。)。なお、この時点では、液槽20内の塗布液の液面レベルは、前回の塗布に消費された分だけ下がっている。
このときの基板10とノズル22の相対的な移動方向は、図6(b)中の矢印で示すように、ノズル22の先端部において毛管状隙間23が形成するスリット状の開口と直交する方向であり、またこのときの基板10とノズル22の相対的な移動速度はV1である。
このときの基板10とノズル22の相対的な移動速度は、図6(d)中の矢印で示すように、V2である。
2 塗布手段
3 吸着手段
4 移動手段
5 保持手段
10 基板
20 液槽
21 塗布液
22 ノズル
23 毛管状隙間
Claims (6)
- 転写パターンを形成するための薄膜を有する基板の被塗布面に、液状のレジスト剤を収容した液槽からノズルを通過してノズル先端開口部に到達したレジスト剤を接液させ、前記基板と前記ノズルとを相対的に移動させることによって、前記被塗布面にレジスト剤を塗布してレジスト膜を形成する工程を含むマスクブランクの製造方法であって、
前記相対移動の際、前記ノズルが、基板端部近傍の接液位置から基板上の所定位置に至るまでの所定領域においては、前記ノズルと前記基板との間隔を接液時の接液ギャップのままで塗布し、その後、前記ノズルと前記基板との間隔を所定の塗布ギャップに変更して塗布することを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 前記基板上の所定領域は、基板の外周近傍の領域であって、いずれのパターンをも形成しない領域であることを特徴とする請求項1記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記基板上の所定領域は、基板上に形成した前記薄膜の端部と、該端部から前記薄膜の膜厚が実質的に一定になるまでの領域を含み、それより大きいことを特徴とする請求項1又は2記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記基板上の所定領域は、基板の端部から8mm以内の領域であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記基板端部近傍の接液位置から基板上の所定領域内を前記相対移動する前記基板と前記ノズルとの相対的な移動速度は、その後の移動速度よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のマスクブランクの製造方法。
- 請求項1乃至5のいずれか一に記載のマスクブランクの製造方法により得られるマスクブランクを用い、前記薄膜をパターニングして転写パターンを形成することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
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