JP2005246274A - 塗工方法及び塗工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板の厚さムラによらず所定の膜厚を確保することのできる塗工方法及び塗工装置を提供する。
【解決手段】 塗工ノズルと基板との間に間隙を有しつつ塗工ノズル先端から出る塗工液を基板に接液させた状態にて相対的に基板を移動させることによって基板上に薄膜を形成する塗工方法において、塗工を行う前記基板の厚さ方向の変位を基板の相対的な移動に伴って検出し、検出結果に基づいて塗工ノズルと基板との間の間隙を一定に保ちながら基板に塗工を行う。
【選択図】 図2


Description

本発明は、ダイコート法を用いて基板上に反射防止膜を形成する塗工方法及び塗工装置に関する。
近年、細隙を有したノズルを用いて、毛細管現象を利用したダイコート法による成膜方法が検討されている。この成膜方法では、塗工時にノズルをシート状または板状の基板近傍に位置させ、ノズルに設けられた細隙から塗工液を基板に接液させ、基板表面に塗工液を塗工するものである(特許文献1参照)。
特開2001−62370号公報
近年、反射防止膜を形成させる基板は、ガラス基板に代わり、プラスチック等の樹脂基板が多くなっている。このような樹脂基板は軽量化や取り扱いの容易さ等、ガラス基板に対して有利な点が多いが、樹脂の特性上、ガラス基板に比べ基板の厚さムラが発生しやすい。前述したような従来のダイコート法を用いた塗工装置では、このような厚さムラのある基板に対して対応できず、基板上に一定の膜厚を有した薄膜層を形成することが困難であった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、基板の厚さムラによらず所定の膜厚を確保することのできる塗工方法及び塗工装置を提供することを技術課題とする。
(1) 塗工ノズルと基板との間に間隙を有しつつ該塗工ノズル先端から出る塗工液を基板に接液させた状態にて相対的に基板を移動させることによって基板上に薄膜を形成する塗工方法において、塗工を行う前記基板の厚さ方向の変位を検出し、該検出結果に基づいて前記塗工ノズルと基板との間の間隙を一定に保ちながら基板に塗工を行うことを特徴とする。
(2) (1)の塗工方法において、前記基板の変位の検出は相対的な基板の移動に伴って行うことを特徴とする。
(3) (2)の塗工方法において、前記基板の変位の検出結果に基づいて前記塗工ノズルの高さ位置を変更することにより前記塗工ノズルと基板との間の間隙を一定に保つことを特徴とする。
(4) ダイコート法を用いて基板に薄膜を形成する塗工装置において、前記基板との間に間隙を有しつつ塗工液を基板に接液させるための接液手段と、該接液手段に対して前記基板を相対的に移動させる移動手段と、該移動手段によって移動する前記基板の厚さ方向の変位を検出する変位検出手段と、該変位検出手段にて得られた検出結果に基づいて前記接液手段と前記基板との間の間隙を一定に保つように前記接液手段の位置を制御する位置制御手段と、を備えることを特徴とする。
(5) (4)の塗工装置において、前記変位検出手段は前記基板の両端付近の変位を各々検出するために複数設けられていることを特徴とする。
(6) (5)の塗工装置において、前記基板は樹脂により形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ダイコート法を用いた塗工において、基板の厚さムラによらず所定の膜厚を確保することができる。
本発明の実施の形態について図面を基に説明する。図1は本実施の形態で示すダイコート法を用いた塗工装置により製造される光学薄膜付透明基板の概略構成を示す図である。図1に示す光学薄膜付透明基板は、2層の薄膜層から構成され反射防止効果を有するものである。
1は透明の基板(基材)である。使用する基板の屈折率は1.48〜1.70程度のものを使用する。具体的に、基板材料としてはガラス、プラスチック(例えば、ポリカーボネイト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等)が用いられ、光学的に透明であれば特に限定されない。なお、ここで言う基板とは、板状の基板以外にもシート状の基材も含むものとしている。
2は基板1上に積層され、基板1の屈折率よりも高い屈折率をもつ第1薄膜層である。第1薄膜層2に使用される材料は、使用する基板1に応じて適宜選択されるが、屈折率1.50〜2.50程度の範囲のものが使用される。具体的に第1薄膜層2の主成分には、ZrO2(屈折率1.9)や、TiO2(屈折率2.2)等の金属酸化物が挙げられる。また、第1薄膜層2の膜厚は、所望する反射防止効果が得られるために必要な膜厚であればよい。例えばλ=500nm〜600nm程度の波長において反射率が最小になるように膜厚を設定する場合には、光学膜厚(nd)は好ましくは100nm〜200nm程度、さらに好ましくは、125nm〜200nm程度であれば良い。
3は第1薄膜層2上に積層され、第1薄膜層2の屈折率よりも低い屈折率をもつ第2薄膜層である。第2薄膜層3に使用される材料は、屈折率1.35〜1.60程度の範囲のものが使用される。具体的に第2薄膜層3の主成分にはSiO2(屈折率1.46)等の金属酸化物が挙げられる。また、第2薄膜層3の膜厚は、所望する反射防止効果が得られるために必要な膜厚であればよい。例えば500nm〜600nm程度の波長において反射率が最小になるように膜厚を設定する場合には、光学膜厚(nd)は好ましくは100nm〜200nm程度、さらに好ましくは、100nm〜150nm程度であれば良い。
また、本実施形態では、基板上に2層の薄膜を形成して反射防止効果を得るものとしているが、これに限るものではなく、所望する光学特性が得られるように適宜積層する薄膜層の数を決定すればよい。また、基板上に形成する膜厚は上記に示した膜厚に限るものではなく、所望する光学特性に応じて適宜決定すればよい。
図2は本実施の形態で用いる反射防止膜用組成物を塗工液として用いた塗工装置を側方から見たときの概略図を示す。
10は下面に複数の吸引孔を有した移動台であり、この吸引孔からの吸引によって基板1を移動台10の下面に保持するようになっている。移動台10はモータ等からなる駆動手段20によって、塗工装置の前後方向(紙面右から左)に駆動可能となっている。11は塗工ノズルであり、基板1の横幅と同じか、それよりも長く塗工装置の左右方向に延びている。塗工ノズル11の先端には、ノズル11内部に向かって形成されている細隙12が設けられており、後述する反射防止膜用組成物(以下、塗工液と記す)が、この細隙12を経て基板1に塗工されるようになっている。13は細隙12に繋がる液溜部である。なお、塗工ノズル11は駆動手段21によって上下動する載置台14上に載置されている。図3は図2に示した塗工装置における塗工ノズル11周辺部分を、正面から見た状態を示した概略図である。図示するように、載置台14(14a、14b)は装置の左右方向に延びている塗工ノズル11の両端付近を支持しているとともに、各載置台14a、14bは、図2に示した駆動手段21によって、各々独立して上下動することができるようになっている。なお、塗工ノズル11は載置台14a及び14b上に載置されているとともに、載置台14から位置ズレを生じさせないために図示なき保持手段によって上下方向にのみ自在に移動できるように保持されている。
図2に示す15は、液溜部13に供給管16を介して塗工液を供給する液供給部である。液供給部15は、駆動手段22によって上下動する載置台17上に固定保持されている。また、塗工ノズル11を載置する載置台14(14a及び14b)及び液供給部15を載置する載置台17は、駆動手段23によって上下動する台18上に固定保持されている。また、24は移動台10に吸引された基板1の厚さ方向の変位を検出する変位センサである。変位センサ24は、塗工ノズル11の左右の両端付近に各々設置され、移動台10の駆動によって移動する基板1の両端付近における基板の厚さ方向の変位を各々検出することができる。なお変位センサ24は、例えば静電容量式や光学式の非接触式変位センサ、または触針を有する接触式の変位センサ等を用いることができる。
図2に示す19は塗工液を貯蔵する液貯蔵部である。液貯蔵部19には液供給部15に塗工液を送るための供給管26が接続されており、ポンプ25の駆動により液貯蔵部19内に貯蔵された塗工液が液供給部15に送られるようになっている。なお、液供給部15内の塗工液の量は、液供給部15に溜まっている塗工液の液面高さを検出する図示なきセンサによって検出され、この検出結果に基に液貯蔵部19から塗工液の供給が行われるため、常に基準量以上の液量が確保される。
30は塗工装置の駆動制御を行う制御部であり、駆動手段20〜23、変位センサ24、ポンプ25等が接続されている。
次に、本実施形態で用いる反射防止膜用組成物について説明する。
本実施形態における反射防止膜用組成物は、UV(紫外線)硬化樹脂、金属酸化物、硬化剤(重合開始剤)、溶媒からなる。UV硬化樹脂としては、その化学構造に架橋点を複数有する樹脂が用いられ、例えば多官能アクリレート、多官能メタクリレートや多官能ウレタンアクリレート等が好適に用いられる。具体的に多官能アクリレートとしては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレートやペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。また、多官能メタクリレートとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、等が挙げられる。また、多官能ウレタンアクリレートとしては、ヘ゜ンタエリストリールトリアクリレートトリレンシ゛イソシアネートウレタンホ゜リマーや、ヘ゜ンタエリストリールトリアクリレートイソホロンシ゛イソシアネートウレタンホ゜リマー等が挙げられる。また、この他にもグリシジルメタクリレート等の単官能モノマーを適宜加えても良い。単官能モノマーは反応性希釈剤として用いられる。このようなUV硬化樹脂は反射防止膜用組成物全体において、好ましくは0.1重量%以上10.0重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以上5.0重量%以下程度、配合することができる。
また、屈折率調整剤として用いる金属酸化物(微粒子)は、高屈折率用材料としてはTiO2ゾルやZrO2スラリー(その他として、ITO、ATO、ZnO、SnO2、CeOの各スラリー)を用いることができる。また、低屈折率用材料としては、SiO2ゾルを用いることができる。このような金属酸化物は、反射防止膜用組成物全体において、好ましくは0.1重量%以上10.0重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以上5.0重量%以下程度配合することができる。金属酸化物の含有量をこのような範囲内にすることにより、膜設計時に設定した各薄膜層の屈折率にすることができる。
硬化剤(重合開始剤)としては、アミノケトン系の光重合開始剤を好適に用いることができる。具体的には2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノフ゜ロハ゜ン-1-オン等を挙げることができる。なお硬化剤は、UV硬化樹脂を完全に重合、硬化させることができるだけの量が配合されていればよい。
本実施形態の反射防止膜用組成物に用いる溶媒は、基板上に塗膜後、蒸発させて除去することになる。このため、生産効率の観点からはできるだけ早く除去するためには、溶媒の蒸気圧が高い(言い換えると沸点は低い)方が好ましい。しかしながら本発明者らは、溶媒の蒸気圧が高すぎると、塗工が不安定になり、また、溶媒の蒸気圧が低い場合には、塗工は安定して行うことができるが、乾燥ムラが顕著になることを見出した。本発明者らは鋭意研究の結果、本実施形態の反射防止膜用組成物(塗工液)に用いる溶媒の蒸気圧は、好ましくは0.3kPa以上3.5kPa以下、さらに好ましくは0.5kPa以上3.0kPa以下であることが判明した。溶媒の蒸気圧が0.3kPa未満の場合、溶媒の除去に時間がかかるとともに、乾燥ムラが生じる。また、溶媒の蒸気圧が3.5kPaを超えると、塗工時に流れ方向に沿ってスジが発生し易くなる。
具体的に単体の溶媒を用いる場合には、例えば、n−ブタノール(20℃における蒸気圧 0.60kPa)、イソブタノール(20℃における蒸気圧 1.20kPa)、メチルイソブチルケトン(MIBK 20℃における蒸気圧 2.10kPa)、エチルセルソルブ(20℃における蒸気圧 0.50kPa)、フ゜ロヒ゜レンク゛リコールモノメチルエーテル(20℃における蒸気圧 1.20kPa)、酢酸ブチル(20℃における蒸気圧 1.73kPa)、1-プロパノール(20℃における蒸気圧 2.00kPa)、2-N-シ゛フ゛チルアミノエタノール(20℃における蒸気圧 3.40kPa)、2-ブタノール(20℃における蒸気圧 1.70kPa)、2-メチル-1-ブタノール(20℃における蒸気圧0.42kPa)、メチルセロソルブ(20℃における蒸気圧 0.83kPa)、アリルアルコール(20℃における蒸気圧 2.50kPa)、イソアミルアルコール(20℃における蒸気圧 0.40kPa)、ジプロピルケトン(20℃における蒸気圧 0.70kPa)、2-ヘキサン(20℃における蒸気圧 0.36kPa)、メチルイソアミルケトン(20℃における蒸気圧 0.60kPa)、メチルプロピルケトン(20℃における蒸気圧 1.60kPa)等を好適に用いることができる。また、2以上の溶媒を混合して用いる場合には、混合した溶媒の蒸気圧(混合した溶媒の比によって得られる蒸気圧)が上記の範囲に入るように調整すればよい。なお、溶媒として極性溶媒を用いる場合には、アルコール類、ケトン類、エステル類が特に好適に用いることができる。このような溶媒は、反射防止膜用組成物全体に対して、好ましくは80重量%以上99.9重量%以下、さらに好ましくは90重量%以上99重量%以下である。
上述した材料を用いて反射防止膜用組成物を得る場合には、所定量の溶媒中にUV硬化樹脂を適量入れて所定時間攪拌し、得られた混合液中にさらに硬化剤を適量入れた後、所定時間攪拌する。この混合液にさらに金属酸化物(ゾルまたはスラリー)を適量を入れ攪拌した後、ろ過(例えば、0.5μmのガラスフィルタ)をして粒径の大きなものを除外することにより、反射防止膜用組成物の完成となる。
次に、前述した塗工装置及び反射防止膜用組成物(塗工液)を用いた塗工動作を図4に示し、図2とともに以下に説明する。
基板1は予め粘着ローラや超音波等を用いてドライクリーニングが行われ、表面の塵等が取り除かれた後、移動台10の吸引により、塗工予定面が下側に向いた状態にて移動台10に固定保持される。制御部30は、塗工ノズル11の先端と液供給部15の液面とが所定の位置関係となるように駆動手段21、22を駆動させて載置台14及び17を上下動させる。塗工時における塗工ノズル11の先端の高さ位置に対して、液供給部15の液面高さが若干低くなるように、載置台14及び載置台17の高さ位置を調整することにより、塗工ノズル11の液溜部13内の塗工液は、毛細管現象によって細隙12を通り、塗工ノズル11の先端まで上昇する。
次に、制御部30は駆動手段23を駆動させて台18を上昇させ、塗工ノズル11と液供給部15とを一体的に上昇させる。制御部30は移動台10に吸着されている基板1の下面(塗工開始位置)に塗工ノズル11の先端に表れている塗工液を接液させた後、所望する膜厚が得られるように基板1の塗工面と塗工ノズル11先端との間隔(塗工ギャップ)を調整する。基板1下面への塗工液の接液後、制御部30は駆動手段20を用いて移動台10を塗工開始位置から塗工終了位置へ移動させる。図5に示すように、移動台10が所定速度で移動することにより、塗工ノズル11の先端の塗工液は、基板1の下面に所定の厚さをもって塗工されることとなる。なお、基板1に塗工される塗工液は、細隙12の形状によって生じる毛細管現象によって液溜部13から塗工ノズル11先端に常に一定量が供給され、液溜部13は液供給部15から塗工液が供給管16を介して常に供給されている。
また、接液時の塗工ノズル11の高さ調節は、事前に基板1の厚さ(塗工開始時に接液させる位置での基板厚さ)を測定しておき、この測定した基板厚さに基づいて接液を行うために必要な塗工ノズル11の高さを決定しておけばよい。また、変位センサ24を用いて基板1の下面と塗工ノズル11との変位を逐次検出し、接液に必要な間隔(距離)を調整することもできる。
また、制御部30は、塗工中、塗工ノズル11の両端付近に設けた変位センサ24により、逐次基板1の厚さ方向に対する変位を検出し、検出結果を基に駆動手段21(21a及び21b)や駆動手段23を駆動させて、塗工中における塗工ギャップが常に一定のギャップとなるように塗工ノズル11の高さ位置を調節している。例えば、基板1の厚さが進行方向に対して徐々に厚くなるような場合、制御部30は変位センサ24を用いてその厚さ変化(言い換えると塗工ギャップの変化)を検出し、駆動手段23を用いて塗工ノズル11先端の高さ位置を基板1の厚さ変化に応じて徐々に低くするように制御することにより、塗工開始時に設定した塗工ギャップを常に確保する。
また、図5に示すように、基板1が進行方向に対して直角方向の厚さ分布に変化がある場合(進行方向に対して基板の紙面左右方向の厚さが異なっている場合)、制御部30は変位センサ24を用いて左右それぞれの基板1の塗布面の変位を検出し、駆動手段21を用いて載置台14a、14bの高さを別々に調節する。制御部30は載置台14a及び載置台14bの高さ位置を各々異なる高さに調節し、塗工ノズル11を水平線に対して傾けるように制御することにより、基板1の左右方向における変位に対応させ、左右方向においても塗工開始時に設定した塗工ギャップを常に確保する。
基板がガラスで形成されている場合、その厚さ精度は比較的良好であるが、プラスチック等の樹脂にて基板が形成されている場合、基板全域の厚さが均一となり難い。しかしながら、本実施形態で示すような機構を用いることにより、樹脂を用いた基板であっても塗工ギャップは常に一定の間隔に保たれるため、塗膜時の膜厚コントロールが精度良く行われることなり、厳密な膜厚制御が必要とされる反射防止膜形成において好適な成膜をおこなうことができる。
塗工開始位置から塗工終了位置まで移動台10が移動したら、制御部30は駆動手段23を用いて台18を下降させて基材1の下面から塗工液を離液させる。塗工液の離液後、基板1を図示なき減圧機内に入れ、所定時間減圧することにより、塗工液に用いた溶媒を完全に蒸発(除去)させる。溶媒除去後、基材1表面に紫外線を所定量照射し、塗膜を硬化処理して、第1薄膜層の形成完了となる。基板1上に第1薄膜層を形成後、塗工液を第2薄膜層(低屈折率層)用の塗工液に変えて同様の操作を行い、第2薄膜層を形成し、反射防止膜を基板1上に形成する。
以上の実施形態では、塗工ギャップを一定に保つために、変位センサにて基板塗布面の変位を測定するものとしたが、これに限るものではなく、例えば事前、或いは塗工中に基板1の厚みの変位を測定し、その測定結果に基づいて塗工ギャップを調整するようにすることもできる。また、本実施形態では移動台を用いて基板を塗工ノズルに対して移動させるものとしているが、これに限るものではなく、例えば基板を固定とし、塗工ノズルを基板に対して移動させることもできる。さらに、本実施の形態では基板の変位を逐次検出するものとしているが、これに限るものではなく、基板上の多数点を測定して基板面の変位を検出することもできる。また、塗工前に予め基板の変位状態を検出しておき、検出した変位状態を塗工時にフィードバックさせることもできる。
また、本実施形態では塗工液中の溶媒の除去は、減圧乾燥にて行うものとしているが、これに限るものではなく、赤外線ヒーターや熱風を使用するオーブンを用いて乾燥させるようにすることもできる。
次に、具体的な実施例等について以下に説明する。
実施例1〜6、比較例1〜7では、高屈折率用の反射防止膜用組成物(塗工液)について示す。
<実施例1>
実施例1に用いる塗工液は、溶媒としてn−ブタノールを全体の96.5重量%、UV硬化樹脂であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)を全体の0.78重量%、及びグリシジルメタクリレートを全体の0.09重量%、硬化剤であるイルガキュア907(チハ゛ スヘ゜シャルティ ケミカルス゛(株)製 含有量5重量%-イソフ゜ロヒ゜ルアルコール溶液)を0.04重量%、ZrO2スラリ−を2.59重量%として、十分に攪拌し、高屈折率用の塗工液とした。
得られた塗工液を図2に示した塗工装置の液貯蔵部19に入れた後、ポンプ25、供給管26を用いて液貯蔵部19から液供給部14に所定量入れる。なお、液供給部14に入れられた塗工液は、供給管16を介して塗工ノズル11の液溜部13に供給される。
図2に示した塗工装置において、塗工速度3.5m/min、塗工ギャップは250μmとなるように調節し、前述した塗工方法にてプラスチック基板に塗工を行った。塗工済の基板を減圧機に入れ、20秒かけて10Paまで減圧して溶媒を除去した。溶媒除去後、基材を減圧機から取り出し、紫外線照射を行って硬化処理した。
得られた薄膜付基板を(株)島津製作所製 分光光度計 UV-2400PCにて測定し、得られたピーク波長より光学膜厚を求めたところ、nd=190nmとなり、所望する膜厚が得られていた。また、厚さムラや乾燥ムラ等による外観不良は見当たらなかった。以上の結果を表1に示す。表1では、基板1上に形成された薄膜を目視にて観察し、膜厚の厚さムラや乾燥ムラ等による外観不良がなければ○、外観不良が生じていれば×とした。なお、表1中の組成物における各材料の数値はすべて重量%を表している。
<実施例2>
実施例1の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてフ゜ロヒ゜レンク゛リコールモノメチルエーテルとした以外は、全て実施例1と同条件とし、高屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例1同様の条件にて基板1上に高屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例1同様に求めたところ190nmであり、所望する膜厚が得られていた。また、外観不良は見当たらなかった。以上の結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてイソブタノールとした以外は、全て実施例1と同条件とし、高屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例1同様の条件にて基板1上に高屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例1同様に求めたところ190nmであり、所望する膜厚が得られていた。また、外観不良は見当たらなかった。以上の結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてメチルイソブチルケトン(MIBK)とした以外は、全て実施例1と同条件とし、高屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例1同様の条件にて基板1上に高屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例1同様に求めたところ190nmであり、所望する膜厚が得られていた。また、外観不良は見当たらなかった。以上の結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてエチルセルソルブとした以外は、全て実施例1と同条件とし、高屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例1同様の条件にて基板1上に高屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例1同様に求めたところ190nmであり、所望する膜厚が得られていた。また、外観不良は見当たらなかった。以上の結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例1の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えて酢酸ブチルとした以外は、全て実施例1と同条件とし、高屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例1同様の条件にて基板1上に高屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例1同様に求めたところ190nmであり、所望する膜厚が得られていた。また、外観不良は見当たらなかった。以上の結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてジアセトンアルコールとした以外は、全て実施例1と同条件とし、高屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例1同様の条件にて基板1上に高屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例1同様に求めたところ190nmであり、所望する膜厚が得られていた。しかしながら、乾燥ムラが生じていた。以上の結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてイソプロピルアルコール(IPA)とした以外は、全て実施例1と同条件とし、高屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例1同様の条件にて基板1上に高屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例1同様に求めたところ190nmであり、所望する膜厚が得られていた。しかしながら、溶媒の蒸発が早く塗工が不安定となり、塗工よるスジが生じていた。以上の結果を表1に示す。
<比較例3>
実施例1の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてメタノールとした以外は、全て実施例1と同条件とし、高屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例1同様の条件にて基板1上に高屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例1同様に求めたところ190nmであり、所望する膜厚が得られていた。しかしながら、溶媒の蒸発が早く塗工が不安定となり、塗工よるスジが生じていた。以上の結果を表1に示す。
<比較例4>
実施例1の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてメチルカルビトールとした以外は、全て実施例1と同条件とし、高屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例1同様の条件にて基板1上に高屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例1同様に求めたところ190nmであり、所望する膜厚が得られていた。しかしながら、乾燥ムラが生じていた。以上の結果を表1に示す。
<比較例5>
実施例1の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてγ−ブチロラクトンとした以外は、全て実施例1と同条件とし、高屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例1同様の条件にて基板1上に高屈折率を有する薄膜を形成しようとしたが、表面張力が高すぎてしまい、成膜を行うことができなかった。以上の結果を表1に示す。
<比較例6>
実施例1の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてシクロヘキサンとした以外は、全て実施例1と同条件とし、高屈折率用の反射防止膜用組成物を得ようとしたが、無極性溶媒であるためDPHAが不溶であった。以上の結果を表1に示す。
<比較例7>
実施例1の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてキシレンとした以外は、全て実施例1と同条件とし、高屈折率用の反射防止膜用組成物を得ようとしたが、無極性溶媒であるためDPHAが不溶であった。以上の結果を表1に示す。なお、本実施形態に用いた紫外線硬化樹脂がDPHAであったため、キシレンには不溶であり、結果として評価を×としたが、無極性溶媒に可溶な紫外線硬化樹脂であれば、反射防止膜用組成物を得ることができるとともに、キシレンの蒸気圧は0.8kPaであるため、外観不良も発生する可能性は低いと考える。
Figure 2005246274
次に、低屈折率用の反射防止膜用組成物の実施例等として、実施例7〜実施例12、及び比較例8〜比較例14を以下に挙げる。
<実施例7>
実施例7に用いる塗工液は、溶媒としてn−ブタノールを全体の97重量%、UV硬化樹脂であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)を全体の1.32重量%、及びグリシジルメタクリレートを全体の0.15重量%、硬化剤であるイルガキュア907(チハ゛ スヘ゜シャルティ ケミカルス゛(株)製 含有量5重量%-イソフ゜ロヒ゜ルアルコール溶液)を全体の0.07重量%、SiO2ゾルを1.46重量%として、十分に攪拌し、低屈折率用の塗工液とした。
実施例1の塗工液を用いて第1薄膜層を形成したプラスチック基板上に、前述した塗工装置を使用して本実施例(実施例7)の塗工液を塗工した。塗工条件は、塗工速度3.0m/min、塗工ギャップは250μmとした。塗工済の基板を減圧機に入れ、20秒かけて10Paまで減圧して溶媒を除去した。溶媒除去後、基材を減圧機から取り出し、紫外線照射を行って硬化処理した。このような工程を経ることにより、図1に示すような高屈折率層となる第1薄膜層と低屈折率層となる第2薄膜層からなる反射防止膜を基板上に形成した。低屈折率層となる第2薄膜層の光学膜厚は120nmとなり、所望する膜厚が得られていた。
また、波長550nmにおける反射率は0.5%であり、厚さムラや乾燥ムラ等による外観不良は見当たらなかった。以上の結果を表2に示す。表2では、基板1上に形成された薄膜を目視にて観察し、膜厚の厚さムラや乾燥ムラ等による外観不良がなければ○、外観不良が生じていれば×とした。なお、表2中の組成物における各材料の数値はすべて重量%を表している。
<実施例8>
実施例7の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてフ゜ロヒ゜レンク゛リコールモノメチルエーテルとした以外は、全て実施例7と同条件とし、低屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例7同様の条件にて高屈折率の第1薄膜層(実施例1の組成)が形成されている基板1上に低屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例7同様に求めたところ120nmであり、所望する膜厚が得られていた。また、波長550nmにおける反射率は0.5%であり、厚さムラや乾燥ムラ等による外観不良は見当たらなかった。以上の結果を表2に示す。
<実施例9>
実施例7の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてイソブタノールとした以外は、全て実施例7と同条件とし、低屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例7同様の条件にて高屈折率の第1薄膜層(実施例1の組成)が形成されている基板1上に低屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例7同様に求めたところ120nmであり、所望する膜厚が得られていた。また、波長550nmにおける反射率は0.5%であり、厚さムラや乾燥ムラ等による外観不良は見当たらなかった。以上の結果を表2に示す。
<実施例10>
実施例7の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてメチルイソブチルケトン(MIBK)とした以外は、全て実施例7と同条件とし、低屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例7同様の条件にて高屈折率の第1薄膜層(実施例1の組成)が形成されている基板1上に低屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例7同様に求めたところ120nmであり、所望する膜厚が得られていた。また、波長550nmにおける反射率は0.5%であり、厚さムラや乾燥ムラ等による外観不良は見当たらなかった。以上の結果を表2に示す。
<実施例11>
実施例7の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてエチルセルソルブとした以外は、全て実施例7と同条件とし、低屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例7同様の条件にて高屈折率の第1薄膜層(実施例1の組成)が形成されている基板1上に低屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例7同様に求めたところ120nmであり、所望する膜厚が得られていた。また、波長550nmにおける反射率は0.5%であり、厚さムラや乾燥ムラ等による外観不良は見当たらなかった。以上の結果を表2に示す。
<実施例12>
実施例7の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えて酢酸ブチルとした以外は、全て実施例7と同条件とし、低屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例7同様の条件にて高屈折率の第1薄膜層(実施例1の組成)が形成されている基板1上に低屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例7同様に求めたところ120nmであり、所望する膜厚が得られていた。また、波長550nmにおける反射率は0.5%であり、厚さムラや乾燥ムラ等による外観不良は見当たらなかった。以上の結果を表2に示す。
<比較例8>
実施例7の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてジアセトンアルコールとした以外は、全て実施例7と同条件とし、低屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例7同様の条件にて高屈折率の第1薄膜層(実施例1の組成)が形成されている基板1上に低屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例7同様に求めたところ120nmであり、所望する膜厚が得られていた。しかしながら、乾燥ムラによる外観不良が発生していた。以上の結果を表2に示す。
<比較例9>
実施例7の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてジアセトンアルコールとした以外は、全て実施例7と同条件とし、低屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例7同様の条件にて高屈折率の第1薄膜層(実施例1の組成)が形成されている基板1上に低屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例7同様に求めたところ120nmであり、所望する膜厚が得られていた。しかしながら、乾燥ムラによる外観不良が発生していた。以上の結果を表2に示す。
<比較例10>
実施例7の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてイソプロピルアルコール(IPA)とした以外は、全て実施例7と同条件とし、低屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例7同様の条件にて高屈折率の第1薄膜層(実施例1の組成)が形成されている基板1上に低屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例7同様に求めたところ120nmであり、所望する膜厚が得られていた。しかしながら、溶媒の蒸発が早く塗工が不安定となり、塗工よるスジが生じていた。以上の結果を表2に示す。
<比較例11>
実施例7の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてメチルカルビトールとした以外は、全て実施例7と同条件とし、低屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例7同様の条件にて高屈折率の第1薄膜層(実施例1の組成)が形成されている基板1上に低屈折率を有する薄膜を形成した。得られた薄膜の光学膜厚ndを実施例7同様に求めたところ120nmであり、所望する膜厚が得られていた。しかしながら、乾燥ムラによる外観不良が発生していた。以上の結果を表2に示す。
<比較例12>
実施例7の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてγ−ブチロラクトンとした以外は、全て実施例7と同条件とし、低屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例7同様の条件にて高屈折率の第1薄膜層(実施例1の組成)が形成されている基板1上に低屈折率を有する薄膜を形成しようとしたが、表面張力が高すぎてしまい、成膜を行うことができなかった。以上の結果を表2に示す。
<比較例13>
実施例7の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてシクロヘキサンとした以外は、全て実施例7と同条件とし、低屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例7同様の条件にて高屈折率の第1薄膜層(実施例1の組成)が形成されている基板1上に低屈折率を有する薄膜を形成しようとしたが、無極性溶媒であるためDPHAが不溶であった。以上の結果を表2に示す。
<比較例14>
実施例7の組成に対し、溶媒をn−ブタノールに換えてキシレンとした以外は、全て実施例7と同条件とし、低屈折率用の反射防止膜用組成物を得た。得られた反射防止膜用組成物を用いて、実施例7同様の条件にて高屈折率の第1薄膜層(実施例1の組成)が形成されている基板1上に低屈折率を有する薄膜を形成しようとしたが、無極性溶媒であるためDPHAが不溶であった。以上の結果を表2に示す。なお、本実施形態に用いた紫外線硬化樹脂がDPHAであったため、キシレンには不溶であり、結果として評価を×としたが、無極性溶媒に可溶な紫外線硬化樹脂であれば、反射防止膜用組成物を得ることができるとともに、キシレンの蒸気圧は0.8kPaであるため、外観不良も発生する可能性は低いと考える。
Figure 2005246274
光学薄膜付透明基板の膜構成を示した図である。 本実施形態における塗工装置を示した概略構成図である。 本実施形態の塗工装置における塗工ノズルの移動機構を示した図である。 塗工ノズルによる基板への塗工状態を示した図である。 基板に対して塗工ギャップを一定とするために塗工ノズルを傾けた状態を示した図である。
符号の説明
1 透明基板
10 移動台
11 塗工ノズル
12 細隙
14 載置台
15 液供給部
17 載置台
18 台
20 駆動手段
21 駆動手段
22 駆動手段
24 変位センサ
30 制御部

Claims (6)

  1. 塗工ノズルと基板との間に間隙を有しつつ該塗工ノズル先端から出る塗工液を基板に接液させた状態にて相対的に基板を移動させることによって基板上に薄膜を形成する塗工方法において、塗工を行う前記基板の厚さ方向の変位を検出し、該検出結果に基づいて前記塗工ノズルと基板との間の間隙を一定に保ちながら基板に塗工を行うことを特徴とする塗工方法。
  2. 請求項1の塗工方法において、前記基板の変位の検出は相対的な基板の移動に伴って行うことを特徴とする塗工方法。
  3. 請求項2の塗工方法において、前記基板の変位の検出結果に基づいて前記塗工ノズルの高さ位置を変更することにより前記塗工ノズルと基板との間の間隙を一定に保つことを特徴とする塗工方法。
  4. ダイコート法を用いて基板に薄膜を形成する塗工装置において、前記基板との間に間隙を有しつつ塗工液を基板に接液させるための接液手段と、該接液手段に対して前記基板を相対的に移動させる移動手段と、該移動手段によって移動する前記基板の厚さ方向の変位を検出する変位検出手段と、該変位検出手段にて得られた検出結果に基づいて前記接液手段と前記基板との間の間隙を一定に保つように前記接液手段の位置を制御する位置制御手段と、を備えることを特徴とする塗工装置。
  5. 請求項4の塗工装置において、前記変位検出手段は前記基板の両端付近の変位を各々検出するために複数設けられていることを特徴とする塗工装置。
  6. 請求項5の塗工装置において、前記基板は樹脂により形成されていることを特徴とする塗工装置。




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