JP2015192610A - 風味向上剤、香料組成物及びこれらを含有する飲食品 - Google Patents

風味向上剤、香料組成物及びこれらを含有する飲食品 Download PDF

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Abstract

【課題】飲食品等に自然な風味や好ましい風味を十分に向上できる風味向上剤の提供。
【解決手段】黒糖芳香画分を含有する風味向上剤であって、上記黒糖芳香画分が、甘蔗搾汁をブリックス(Bx)が65〜82になるまで加熱濃縮して濃縮液を得るステップと、該濃縮液を常圧で加熱蒸留して110〜130℃の温度帯で発生する蒸気を回収及び冷却して蒸留液を得るステップと、該蒸留液を固定担体として合成吸着剤が充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着した吸着成分を溶出溶媒で溶出して溶出画分を得るステップと、を含む製造方法により得られる溶出画分を含む、風味向上剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、風味向上剤、香料組成物及びこれらを含有する飲食品に関する。
従来、苦味、渋味、酸味、青臭味、エグ味、いがらっぽい味、金属味、レトルト臭に代表される、飲食品の持つ嫌味を選択的に消去又は低減する風味改善剤が知られている。例えば、特許文献1には、甘蔗由来の蒸留物を有効成分とする飲食品の風味改善剤であって、甘蔗汁を蒸留して得られる蒸留物を、固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出することによって得られる画分であることを特徴とする風味改善剤が記載されている。また、特許文献2には、甘蔗由来のエキスを有効成分として飲食品に添加し、該飲食品の風味を向上させる方法であって、甘蔗由来のエキスが、甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液及び甘蔗由来の糖蜜から選ばれる原料を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理することにより得られる画分であり、飲食品の風味の向上が、食塩含有飲食品の塩風味の向上、卵含有飲食品の卵風味の向上、香料含有飲食品の香料風味の向上のいずれかである、前記方法が記載されている。
特許4037035号公報 特許4227344号公報
特許文献1及び2に記載された風味改善剤等の有効成分(以下、まとめて「甘蔗由来のエキス」又は「エキス」ともいう。)は、原料糖製造工程で得られるものであり、原液では若干の味と臭いを有するが、使用する際に希釈される。当該エキスを飲食品に加えることにより、飲食品の持つ苦味、渋味、酸味、青臭味、エグ味、いがらっぽい味、金属味、レトルト臭に代表される嫌味を消去又は低減することができる。
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1及び2に記載されたエキスは、飲食品の持つ嫌味をマスキングする点において優れているものの、飲食品本来の好ましい風味を向上させる点において未だ改善の余地があった。
そこで、本発明は、飲食品等の自然な風味や好ましい風味を向上させる能力が優れる風味向上剤を提供することを目的とする。本発明はまた、飲食品等の自然な風味や好ましい風味を向上させる能力が優れる香料組成物を提供することも目的とする。本発明は更に、上記風味向上剤又は上記香料組成物を含有する飲食品を提供することも目的とする。
本発明者らは、黒糖製造工程における甘蔗搾汁の濃縮工程で発生する蒸気を回収・冷却後、カラム抽出によって得られた画分(以下、「黒糖芳香画分」ともいう。)に、特許文献1に記載される従来の原料糖製造工程の甘蔗由来の蒸留物から調製されたエキス(以下、「従来のエキス」ともいう。)とは異質の香味向上や呈味改善等の効果があることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、黒糖芳香画分を含有する風味向上剤であって、上記黒糖芳香画分が、甘蔗搾汁をブリックス(Bx)が65〜82になるまで加熱濃縮して濃縮液を得るステップと、該濃縮液を常圧で加熱蒸留して110〜130℃の温度帯で発生する蒸気を回収及び冷却して蒸留液を得るステップと、該蒸留液を固定担体として合成吸着剤が充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着した吸着成分を溶出溶媒で溶出して溶出画分を得るステップと、を含む製造方法により得られる溶出画分を含む、風味向上剤を提供する。
本発明の風味向上剤は、上記黒糖芳香画分を含有しているため、飲食品等の自然な風味や好ましい風味を向上させる能力に優れている。後述するとおり、上記黒糖芳香画分は、原料糖製造工程の甘蔗由来の蒸留物から調製された従来のエキスとは、香気成分の組成及び濃度が異なっている。このため、本発明の風味向上剤は、従来のエキスとは異質の多種多様な効果を奏する。
上記溶出溶媒は、エタノール、又はエタノールと水の混合液であることが好ましい。これにより、飲食品等の自然な風味や好ましい風味を向上させる能力がより優れたものになる。
上記合成吸着剤は、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂及びアクリロニトリル脂肪族系樹脂からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。これにより、飲食品等の自然な風味や好ましい風味を向上させる能力がより優れたものになる。
上記加熱蒸留は、オープンパン又は遠心薄膜式濃縮機で行われることが好ましい。これにより、飲食品等の自然な風味や好ましい風味を向上させる能力がより優れたものになる。
本発明の風味向上剤は、飲食品が本来有する好ましい風味(飲食品の自然な風味)を増強する能力に優れるため、飲食品の自然な風味を増強する風味増強剤として用いることもできる。
本発明の風味向上剤は、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な(ナチュラルな)風味を付与することができる。ここで、自然な風味とは、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールで実現しようとする風味に対応する飲食物本来の風味であり、例えば、コーヒー香料の場合、ドリップコーヒーの風味であり、高甘味度甘味料の場合、ショ糖の風味である。本発明の風味向上剤はまた、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの自然な風味を増強することもできる。したがって、本発明の風味向上剤は、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与及び/又は増強する風味付与剤又は風味増強剤として用いることもできる。
本発明の風味向上剤は、飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する能力にも優れるため、飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する嫌味低減剤として用いることもできる。
本発明の風味向上剤は、飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに新たな好ましい風味を付与することもできる。したがって、本発明の風味向上剤は、飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する風味付与剤としても用いることができる。
本発明の風味向上剤は、香料の香りの変化又は消失を抑制し、香料の安定性を強化することができるため、香料安定性強化剤として用いることもできる。
本発明の風味向上剤は、香料の香りを感じる時間を長くするという香味の持続性を強化することができるため、香料の香り持続性強化剤として用いることもできる。
上記黒糖芳香画分を含有する本発明の風味向上剤は、香料の安定性強化効果、香料の香味持続性強化効果を奏することから、香料組成物として特に適している。したがって、本発明はまた、黒糖芳香画分を含有する香料組成物であって、上記黒糖芳香画分が、甘蔗搾汁をブリックス(Bx)が65〜82になるまで加熱濃縮して濃縮液を得るステップと、該濃縮液を常圧で加熱蒸留して110〜130℃の温度帯で発生する蒸気を回収及び冷却して蒸留液を得るステップと、該蒸留液を固定担体として合成吸着剤が充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着した吸着成分を溶出溶媒で溶出して溶出画分を得るステップと、を含む製造方法により得られる溶出画分を含む、香料組成物を提供する。
本発明は更に、上述した本発明の風味向上剤、又は上述した本発明の香料組成物を含有する飲食品を提供する。
本発明によれば、飲食品等の自然な風味や好ましい風味を向上させる能力が優れる風味向上剤を提供することが可能となる。
本発明の風味向上剤は、上述した黒糖芳香画分を含有しているため、従来のエキスとは異質の多種多様な効果を奏する。例えば、本発明の風味向上剤は、
(1)飲食品の自然な風味を増強する効果(以下、「効果1」ともいう。)、
(2)香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与する効果又は増強する効果(以下、「効果2」ともいう。)、
(3)飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する効果(以下、「効果3」ともいう。)、
(4)飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する効果(以下、「効果4」ともいう。)、
(5)香料の安定性を強化する効果(以下、「効果5」ともいう。)及び
(6)香料の香りの持続性を強化する効果(以下、「効果6」ともいう。)、
を奏する。
また、近年、さまざまな加工食品等の新しい飲食品の開発に伴い、飲食品の加工、流通及び保存時における香りの損失等を補うために、香料の安定性や香り持続性を強化できる風味向上剤等への需要が高まってきている。更に、消費者の嗜好性向上に応じて、加工食品等の飲食品にも自然な風味が求められている。本発明の風味向上剤及び香料組成物によれば、これらのニーズを満たすことができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<風味向上剤>
本発明の風味向上剤は、黒糖芳香画分を含有する。
黒糖芳香画分は、甘蔗搾汁をブリックス(Bx)が65〜82になるまで加熱濃縮して濃縮液を得るステップ(加熱濃縮ステップ)と、該濃縮液を常圧で加熱蒸留して110〜130℃の温度帯で発生する蒸気を回収及び冷却して蒸留液を得るステップ(加熱蒸留ステップ)と、該蒸留液を固定担体として合成吸着剤が充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着した吸着成分を溶出溶媒で溶出して溶出画分を得るステップ(分画ステップ)と、を含む製造方法により得られる。
加熱濃縮ステップは、甘蔗からの黒糖製造工程と同様に行うことができる。
加熱濃縮ステップでは、常圧又は減圧下で甘蔗搾汁をブリックス(Bx)が65〜82になるまで加熱濃縮して濃縮液を得る。甘蔗搾汁のブリックス(Bx)が75〜82になるまで加熱濃縮することが好ましく、甘蔗搾汁のブリックス(Bx)が80〜82になるまで加熱濃縮することがより好ましい。なお、ブリックス(Bx)は、ブリックス計(例えば、デジタル屈折計(RX−5000),アタゴ社製)により測定することができる。甘蔗搾汁のブリックスを適時測定して所望のブリックスになるまで加熱濃縮すればよい。加熱濃縮は、効率よく濃縮するために、効用缶で行われることが好ましい。
加熱蒸留ステップでは、加熱濃縮ステップで得られた濃縮液から、有効成分(濃縮液(黒糖)から生じる黒糖芳香成分であり、以下、「黒糖芳香成分」ともいう。)が含まれる蒸気を回収及び冷却して蒸留液を得る。加熱蒸留の圧力条件は、常圧でよいが、加圧下の圧力条件下においても行うことができる。蒸気回収の温度帯は、圧力条件に応じて適宜調整が必要であるが、常圧の場合、110〜130℃であり、120〜130℃であることが好ましい。加熱蒸留は、オープンパン、遠心薄膜式濃縮機等で行うことができる。その中でも、オープンパンで行うことが好ましい。加熱蒸留により得られた蒸留液には、有効成分(黒糖芳香成分)が含まれている。
分画ステップでは、加熱蒸留ステップで得られた蒸留液を、固定担体として合成吸着剤が充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着した吸着成分を溶出溶媒で溶出して溶出画分を得る。黒糖芳香画分は、この溶出画分そのものであってもよいし、この溶出画分を含むものであってもよい。カラムに充填する合成吸着剤としては、例えば、有機系樹脂からなるものが挙げられる。有機系樹脂としては、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂及びアクリロニトリル脂肪族系樹脂が好ましく、芳香族系樹脂がより好ましい。また、芳香族系樹脂としては、無置換基型の芳香族系樹脂、無置換基型に特殊処理をした芳香族系樹脂、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂等が挙げられるが、無置換基型の芳香族系樹脂が好ましい。
このような合成吸着剤は市販されており、例えば、ダイヤイオン(商標)HP−10、HP−20、HP−21、HP−30、HP−40、HP−50(以上、無置換基型の芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−825、SP−800、SP−850、SP−875、SP−70、SP−700(以上、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−900(芳香族系樹脂、商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト(商標)XAD−2、XAD−4、XAD−16、XAD−16、XAD−2000(以上、芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイヤイオン(商標)、SP−205、SP−206、SP−207(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);HP−2MG、EX−0021(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト(商標)XAD−7、XAD−8(以上、アクリル酸系エステル樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイヤイオン(商標)HP1MG、HP2MG(以上、アクリル酸系メタクリル樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);セファデックス(商標)LH20、LH60(以上、架橋デキストランの誘導体、いずれも商品名、ファルマシアバイオテク株式会社製)等が挙げられる。その中でも、ダイヤイオン(商標)HP−20が好ましい。これらの合成吸着剤は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カラムに充填する合成吸着剤の量は、カラムの大きさ、溶出溶媒の種類、合成吸着剤の種類等によって適宜決定することができる。
カラムに通液する時の蒸留液の温度は、50℃以下であることが好ましく、40℃以下であることがより好ましい。蒸留液の温度が50℃以下であると、回収される黒糖芳香画分の品質がより安定する。カラムに通液する時の通液量及び通液速度は、合成吸着剤の種類等によって適宜決定することができる。
通液終了後、カラムに吸着された有効成分を溶出溶媒により溶出させる。溶出溶媒は、水、アルコール及びこれらの混合液から選ぶことができるが、エタノール、又はエタノール/水混合液が好ましい。エタノール/水混合液を採用する場合、混合体積比(エタノール/水)が50/50〜99/1の範囲内にあるエタノール/水混合液を使用することができるが、室温において効率よく目的の有効成分を溶出する観点から、混合体積比が60/40〜99/1の範囲内であることが好ましく、エタノール濃度が高い方が望ましいが、消防法や実機製造の観点から、混合体積比が75/25〜90/10の範囲内であることがより好ましい。溶出速度は、カラムの大きさ、溶出溶媒の種類、合成吸着剤の種類等によって適宜決定することができる。なお、カラムに吸着された有効成分を効率的に溶出させるために、蒸留液をカラムに通液する前に、カラム内を水洗することが好ましい。
分画ステップにより得られた黒糖芳香画分は、甘蔗特有の青々とした香りと、黒糖様の重厚な甘い香りを有し、香ばしさが強く、無色〜褐色を呈している。黒糖芳香画分は、通常、香気成分の含有量が1400ppm以上である。香気成分の種類及び含有量は、ガスクロマトグラフ(GC)(例えば、GC6850,Agilent Technologies社製)で分析することができる。
黒糖芳香画分は、そのまま使用してもよいが、蒸留水等で2〜500倍に希釈して使用してもよい。黒糖芳香画分の形状は、特に限定されないが、保管の容易性や使いやすさ等の観点から、液状又は粉末状であることが好ましい。
本発明の風味向上剤は、黒糖芳香画分そのものであってもよく、また黒糖芳香画分以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の添加物を更に含んでもよい。添加物としては、例えば、賦形剤、着色剤、酸化防止剤、保存料、香料、安定剤、酸味料、甘味料、乳化剤等が挙げられる。
本発明の風味向上剤は、黒糖芳香画分を含有することにより、下記効果の中の少なくとも一つの効果、又は二つ以上の効果を奏することができる。
(1)飲食品の自然な風味を増強する効果
(2)香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与する効果又は増強する効果
(3)飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する効果
(4)飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する効果
(5)香料の安定性を強化する効果
(6)香料の香りの持続性を強化する効果
ここでいう香料とは、動植物等からの抽出物等の天然香料、化学合成によって得られる合成香料、又はそれらの混合物を言う。
よって、本発明の風味向上剤は、飲食品の自然な風味を増強する風味増強剤、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与及び/又は増強する風味付与剤又は風味増強剤、飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する嫌味低減剤、飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する風味付与剤、香料安定性強化剤、香料の香り持続性強化剤として使用できる。
ここで、本発明でいう風味とは、味及び臭いの各々、味と臭いとが複合的に存在するときに感じる感覚、並びに、味とのどへの刺激とが複合的に存在するときに感じる感覚の全てを包含する。嫌味とは、好ましくない風味のことをいい、例えば、生地の酸味や苦味、劣化臭、レトルト殺菌臭、油臭、卵の臭み、油脂感、刺激感、粉っぽさ、味のベタ付、金属味等が挙げられる。香料の安定性とは、香料の香りの変化又は消失が抑制されること、すなわち、香料の香味が保持され、風味の劣化が少ないことをいい、例えば、虐待試験や加熱試験等により評価することができる。香料の香りの持続性とは、例えば、香料を匂い紙に賦香した後の残り香を感じることのできる時間や、ガム等の風味を感じることのできる時間の長さをいい、例えば、TIME−INTENSITY法等により評価することができる。
本発明に係る飲食品の自然な風味を増強する風味増強剤は、飲食品が本来有する好ましい風味を増強するものである。飲食品の自然な風味を増強する効果の一例としては、例えば、紅茶飲料に対して、紅茶茶葉本来の茶葉感を増強し、紅茶風味を向上させる効果、オレンジ果汁入り飲料に対して、果汁感やボリューム感を補てんし、呈味を強化する効果を挙げることができる。飲食品の自然な風味を増強する風味増強剤を使用するのに適した飲食品としては、天然由来の材料をそのまま、又は加工等して得られたものであることが好ましく、具体的には、例えば、紅茶飲料、コーヒー飲料、果汁飲料、ラクトアイス、チョコレート等を挙げることができる。飲食品の自然な風味を増強する風味増強剤は、黒糖芳香画分を有効成分として含んでおり、黒糖以外の飲食品に適用した場合に高い効果を発揮する傾向にあるため、黒糖以外の飲食品に適用することが好ましい。
本発明に係る香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与及び/又は増強する風味付与剤又は風味増強剤は、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールで実現しようとする風味に対応する飲食物本来の風味を付与又は増強することができる。すなわち、例えば、果実風味を与えるための香料の場合、果実本来の風味に近い風味(又は本来の風味そのもの)を感じることができるようになる。香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与及び/又は増強する効果の一例としては、例えば、コーヒー香料を含むコーヒー飲料にロースト感や旨味、やわらかい酸味を付与し、ドリップコーヒーのような高級感のあるナチュラルな風味を付与する効果、黒糖香料を含むシュガーキャンディー、ビスケット及びラクトアイスに、黒糖香が非常にナチュラルで、やや青みのあるリアルな黒糖の香りやジャリジャリとした固形感、ボリュームのある風味を付与する効果、レモン香料を含むレモン風味炭酸飲料にレモン香料の風味が増強され、果汁感や酸味感が向上する効果、グレープフルーツ香料を含むカロリーゼロ飲料に自然な甘味感が付与され、グレープフルーツ香料の風味も増強する効果、ビール香料を含むビール風味飲料にビール特有のコク味や厚み、広がりが付与され、ビールらしいトップ香や自然なビールらしい風味を付与する効果、高甘味度甘味料又は糖アルコールを含むガムに甘味の発現性を糖質に近くするリフティング効果を付与する効果を挙げることができる。
香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与及び/又は増強する風味付与剤又は風味増強剤を使用するのに適した飲食品としては、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールを含む飲食品が好ましい。香料としては、例えば、ストロベリー香料、パイナップル香料、グレープ香料等のフルーツ類香料、オレンジ香料、レモン香料、グレープフルーツ香料等のシトラス類香料、バニラ香料、コーヒー香料、チョコレート香料、ビール香料、ウイスキー香料、ワイン香料等のアルコール飲料風味香料等の香料を挙げることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ステビア甘味料、アセスルファムK、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、アリテーム等を挙げることができる。糖アルコールとしては、例えば、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、エリスリトール、環元パラチノース等を挙げることができる。
本発明に係る飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する嫌味低減剤は、例えば、ビール風味飲料の好ましくない酸味、ラクトアイスの好ましくない油脂感、高甘味度甘味料又は糖アルコール特有の好ましくない後甘味、後味、異味及び苦味、チョコレートの好ましくない油脂感、コーヒー飲料のレトルト殺菌臭、アルコール飲料の苦味やアルコールに由来した刺激感、レモン味チューハイの劣化臭、アミノ酸飲料のアミノ酸由来の劣化臭、ヨーグルトの好ましくない酸味、クッキーの好ましくない油臭さと粉っぽさ、卵加工食品の卵の臭み等の嫌味を低減することができる。飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する嫌味低減剤を使用するのに適した飲食品としては、嫌味がある飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコール由来の嫌味がある飲食品が好ましい。具体的には、例えば、焼き菓子や冷菓、和菓子、キャンディー、チューインガム、乳製品、農産加工品、畜産加工品、調理済食品、調味料、調味食品、スナック菓子、スナック麺、チョコレート、ラクトアイス、ビスケット、クッキー等の植物油脂含有飲食品;卵加工食品等の加工食品、ステビア甘味料、アセスルファムK、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、アリテーム等の高甘味度甘味料を含む飲食品、キシリトールや、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、エリスリトール、環元パラチノース等の糖アルコールを含有する飲食品、新ジャンルビール飲料や発泡酒、ビール風味清涼飲料等のビール風味飲料、アルコール飲料、アミノ酸飲料、コーヒー飲料、ヨーグルト等が挙げられる。
本発明に係る飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する風味付与剤は、飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに新たな好ましい風味を付与することができる。ここでいう「新たな好ましい風味」とは、上述した「飲食品の自然な風味」及び「香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールで実現しようとする風味に対応する飲食物本来の風味」と区別することを意図している。飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する効果の一例としては、例えば、バニラ香料を含むスイートチョコレートにコク味やボリューム感等の呈味性を付与し、かつバニラ香料の高級感アップやトップを押し上げる香料の増強効果を付与する効果、バニラ香料を含むラクトアイスにコク味やボリューム感等の呈味性を付与し、かつバニラ香料の高級感アップやトップを押し上げる香料の増強効果を付与する効果、マーガリンと薄力粉を使用したクッキーにしっとりとした良好な風味を付与する効果、卵黄レシチンが配合されたカスタードクリームにマイルドで良好な風味を付与する効果を挙げることができる。
飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する風味付与剤を使用するのに適した飲食品としては、特に制限されない。具体的に例示するとすれば、例えば、焼き菓子や冷菓、和菓子、打錠菓子、ソース、ジャム、野菜ジュース、清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、アルコール飲料、アルコールコントロール飲料糖類調整飲料、カロリーコントロール飲料、シュガーレスガム、シュガーレスキャンディー、ヨーグルト、キャンディー、チューインガム、チョコレート、果皮の甘味料漬け等の飲食品、ステビア甘味料やアセスルファムK、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、アリテーム等の高甘味度甘味料を含む飲食品、キシリトールや、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、エリスリトール、環元パラチノース等の糖アルコールを含む飲食品、ストロベリー香料、パイナップル香料、グレープ香料等のフルーツ類香料、オレンジ香料、レモン香料、グレープフルーツ香料等のシトラス類香料、バニラ香料、コーヒー香料、チョコレート香料、ビール香料、ウイスキー香料、ワイン香料等のアルコール飲料風味香料等の香料を挙げることができる。
本発明に係る香料安定性強化剤は、香料の香りの変化又は消失を抑制し、香料の安定性を強化することができる。香料の安定性を強化する効果の一例としては、例えば、レモン香料を含むレモン味チューハイを50℃、10日間置いた後でも劣化臭がマスキングされ、良好なレモン香味が保持される効果、グレープフルーツ香料を含むアミノ酸飲料を85℃で2時間の殺菌を行った後でもグレープフルーツ香料の香味が保持され、風味の劣化が少ないという効果を挙げることができる。
本発明に係る香料の香り持続性強化剤は、香料の香りを感じる時間を長くするという香味の持続性を強化することができる。香料の香り持続性を強化する効果の一例としては、例えば、グレープフルーツ香料を含むガムに、香り持続性強化剤を添加し、TIME−INTENSITY法で評価したところ、香味の持続性が5〜10分長くなる効果を挙げることができる。
香料安定性強化剤及び香料の香り持続性強化剤を使用するのに適した飲食品としては、香料を含む飲食品であることが好ましい。香料としては、例えば、ストロベリー香料、パイナップル香料、グレープ香料等のフルーツ類香料、オレンジ香料、レモン香料、グレープフルーツ香料等のシトラス類香料、バニラ香料、コーヒー香料、チョコレート香料、ビール香料、ウイスキー香料、ワイン香料等のアルコール飲料風味香料等の香料を挙げることができる。
本発明の風味向上剤の形状は、特に限定されないが、保管の容易性や使いやすさの観点から、液状又は粉末状であることが好ましい。風味向上剤は、通常用いられる製剤用担体を使用して固形製剤又は液体製剤としてもよい。製剤化する方法としては、従来公知の方法を適宜採用することができる。
本発明の風味向上剤の添加量は、添加される飲食品等の種類によって適宜選択することができる。例えば、通常、飲食品全量に対して黒糖芳香画分が0.0001質量%〜5質量%になるように風味向上剤を添加することができ、黒糖芳香画分が0.001質量%〜0.5質量%になるように添加することが好ましい。この範囲の添加量であれば、十分な風味改善効果を得ることができる。
<香料組成物>
本発明の香料組成物は、上記黒糖芳香画分を含有する。本発明の香料組成物は、上記黒糖芳香画分以外に、その他の添加物を更に含んでもよい。添加物としては、例えば、賦形剤、着色剤、酸化防止剤、保存料、安定剤、香料、酸味料、甘味料、乳化剤等が挙げられる。
本発明の香料組成物が適用される飲食品としては、特に限定されないが、上記本発明の風味向上剤が適用できるものが挙げられる。
本発明の香料組成物の形状は、特に限定されないが、保管の容易性や使いやすさの観点から、液状又は粉末状であることが好ましい。香料組成物は、通常用いられる製剤用担体を使用して固形製剤又は液体製剤としてもよい。製剤化する方法としては、従来公知の方法を適宜採用することができる。
本発明の香料組成物の添加量は、添加される飲食品等の種類によって適宜選択することができる。例えば、通常、飲食品全量に対して黒糖芳香画分が0.0001質量%〜5質量%になるように香料組成物を添加することができ、黒糖芳香画分が0.001質量%〜0.5質量%になるように添加することが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中「%」は、特記のない限り「質量%」であり、「部」は、特記のない限り「質量部」である。
<製造例1:黒糖芳香画分>
黒糖工場の製造工程にて得られた甘蔗の圧搾汁に石灰乳を添加し不純物を取り除いた清浄汁を効用缶に供給し、Bx.75になるまで加熱濃縮し、得られた濃縮液を常圧でオープンパンに供給し、加熱蒸留して110〜130℃の温度帯で発生する蒸気を回収・冷却し、連続して集めた。蒸留液約150LをダイヤイオンHP−20(商標、三菱化学株式会社製)750mLを充填したカラム(カラムサイズ:内径10cm、高さ40cm)に、SV=50(hr-1)の流速で通液した。次に、吸着された成分を、80%エタノール水溶液(エタノール/水=80/20(体積/体積))で溶出した。すなわち、SV=2(hr-1)の流速で1.5L通液し、はじめの溶出液は捨て、その後に溶出液の回収を開始した。溶出液を、ろ紙(定性ろ紙No.2、東洋ろ紙株式会社製)でろ過し、得られた濾液を黒糖芳香画分とした。
<製造例2:消臭エキス>
比較のため、特許文献1に記載の従来のエキス(以下、「消臭エキス」ともいう。)を以下の手順で製造した。原料糖工場の製造工程にて得られた甘蔗の圧搾汁(Bx.12.5)2800Lを250L/時の速度で遠心式薄膜真空蒸発装置(商標:エバポールCEP−1、大川原製作所株式会社)に供給し、500〜630mmHgの減圧下で温度90〜95℃で留出する成分を、冷却水温25℃、冷却水量15m3/時間、コンデンサ面積2m2の条件でコンデンサにて冷却し、連続して集めた。原料圧搾汁が約2400L、Bx.14.5になったとき、蒸留物の回収を終了した。得られた蒸留液は約400Lであった。この蒸留液をアンバーライトXAD7HP(商標、オルガノ株式会社)40mLを充填したカラム(カラムサイズ:内径2.6cm、高さ20cm)に、SV=100(hr-1)の流速で通液した。通液終了後、約5分間、同じ流速で水洗した。次に、吸着された成分を、80%エタノール水溶液(エタノール/水=80/20(体積/体積))で溶出した。すなわち、SV=2(hr-1)の流速で通液し、はじめの15mLの溶出液は捨て、その後に溶出液の回収を開始した。80%エタノール水溶液80mLを通液した後、成分の押し出しのため蒸留水を同じ速度で通液し、回収溶出液の総量が100mLになった時点で溶出を終了した。得られた溶出液を、ろ紙(定性ろ紙No.2、東洋ろ紙株式会社製)でろ過し、得られた濾液を甘蔗由来の画分である風味向上剤サンプルとした。このサンプルは、アルコール濃度計(YSA−200、矢崎計器株式会社)で測定した結果、エタノール58%(体積/体積)の、若干レモン色をした透明な液体であった。
<参考例:黒糖芳香画分と消臭エキスの成分分析>
製造例1で得られた黒糖芳香画分及び製造例2で得られた消臭エキスについて、ガスクロマトグラフィー(GC)(GC6850、AgilentTechnologies社製)により、下記の条件で成分分析を行った。黒糖芳香画分の分析結果は下記表1左欄に示し、消臭エキスの分析結果は下記表1右欄に示す。表1の結果から、黒糖芳香画分に含まれる芳香成分の量(1420.58ppm)は、消臭エキスに含まれる芳香成分の量(30.35ppm)を大幅に超えていることが分かった。また、黒糖芳香画分に含まれる芳香成分の種類及び組成は、消臭エキスにおける種類及び組成とは全く異なっていることが分かった。なお、標準物質として、黒糖芳香画分に1%テトラデカン溶液を0.1mL添加し、消臭エキスに0.1%テトラデカン溶液を0.1mL添加した。
GCの分析条件:
カラム:DB−1(0.25mmφ×60m)
オーブン温度:50℃(5min)〜240℃(7℃/min)
サンプル注入方法:Splitle(Split Ratio 30:1)
サンプル注入量:1.0μL

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*:推定化合物
以下、黒糖芳香画分を使用した実施例について説明する。なお、各実施例の見出しに付した効果1等の記載は、当該実施例において確認された効果を示すものである。効果1〜6はそれぞれ以下の効果に対応する。
効果1:飲食品の自然な風味を増強する効果
効果2:香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与する効果又は増強する効果
効果3:飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する効果
効果4:飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する効果
効果5:香料の安定性を強化する効果
効果6:香料の香りの持続性を強化する効果
実施例における被検品の評価基準は、対照品を「1」とした場合に対する被検品の相対評価を「1」〜「4」の数値で表した。すなわち、「1」=対照品と変わらず、「2」=対照品と比較しやや効果あり、「3」=対照品と比較し効果あり、「4」=対照品と比較し大きな効果あり、とした。
<実施例1:紅茶飲料の風味増強(効果1)>
下記表2に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を紅茶飲料に20ppm添加した被検品と、対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品を調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表3に示すように、被検品は、対照品と比べて自然な茶葉感が増強され、紅茶風味が向上されていた。
Figure 2015192610
Figure 2015192610
<実施例2:オレンジ果汁入り飲料の風味増強効果(効果1)>
下記表4に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を添加したオレンジ果汁入り飲料(被検品)及び黒糖芳香画分を添加しなかったオレンジ果汁入り飲料(対照品)をそれぞれ調製した。
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5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表5に示すように、被検品は対照品と比べて果汁感やボリューム感が補てんされ、呈味が強化されていた。
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<実施例3:コーヒー香料の風味増強効果(効果2)>
下記表6に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を5%添加したコーヒー香料を0.1%賦香した被検品と対照品のコーヒー飲料を調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表7に示すように、被検品は対照品と比べてロースト感や旨味、柔らかい酸味が付与され、ドリップコーヒーのような高級感のあるナチュラルな風味が付与されていた。
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<実施例4:黒糖香料の風味増強効果)(効果2)>
下記表8〜10に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を10%添加した黒糖香料を、シュガーキャンディー、ビスケット及びラクトアイスにそれぞれ0.1%賦香した被検品、並びに対照として、シュガーキャンディー、ビスケット及びラクトアイスにそれぞれ黒糖香料だけを0.1%賦香した対照品をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表11〜13に示すように、被検品は、対照品と比べて黒糖香が非常にナチュラルで、やや青みのあるリアルな黒糖の香りやジャリジャリとした固形感、ボリュームのある風味が付与されていた。
Figure 2015192610
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<実施例5:レモン風味炭酸飲料の酸味増強効果(効果2)>
下記表14に示す処方により、レモン風味炭酸飲料に製造例1で得られた黒糖芳香画分を約8ppm添加した被検品及び黒糖芳香画分を添加しなかった対照品を調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表15に示すように、被検品は、対照品と比べてレモン風味が増強され、果汁感や酸味感が向上されていた。
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Figure 2015192610
<実施例6:カロリーゼロ飲料の風味増強効果(効果2+効果3)>
下記表16に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を添加したグレープフルーツ風味カロリーゼロ飲料(被検品)及び黒糖芳香画分を添加しなかったグレープフルーツ風味カロリーゼロ飲料(対照品)をそれぞれ調製した。
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5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表17に示すように、被検品は、対照品と比べて、高甘味度甘味料や糖アルコールの後味や異味が、ショ糖、ブドウ糖、果糖のような自然な甘味感を感じるようになり、グレープフルーツ風味も増強されていた。
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<実施例7:ビール風味飲料の風味増強効果(効果2+効果3)>
下記表18に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をビール風味飲料に約17ppm添加し、被検品を調製した。一方、対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表19に示すように、被検品は、対照品1と比べて生地の酸味が低減されると共に、ビール特有のコク味や厚み、広がりが付与され、ビールらしいトップ香や自然なビールらしい風味が増強されていた。また、下記表20に示すように、対照品2と比べて、対照品2が風味を抑え込んでいたのに対して被検品はビール特有のコク味や厚み、広がりが付与され、ビールらしいトップ香や自然なビールらしい風味が増強されていた。
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<実施例8:チョコレートの好ましくない油脂感の改良効果及びバニラ香料の風味増強効果(効果3+効果4)>
下記表21に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を5%添加したバニラ香料をスイートチョコレートに0.1%賦香して、被検品を調製した。対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表22に示すように、被検品は、対照品1と比べてチョコレートの好ましくない油脂感がマスキングされると共に、コク味やボリューム感等の呈味性が付与され、且つ、バニラ香料の高級感アップやトップを押し上げる香料の増強効果も見られた。また、下記表23に示すように、被検品は、対照品2と比べても、好ましくない油脂感のマスキング効果や、コク味やボリューム感等の呈味性付与効果、バニラ香料の高級感アップ及びトップを押し上げる香料の増強効果がより強く確認された。
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<実施例9:ラクトアイスの好ましくない油脂感の改良効果及びバニラ香料の風味増強効果(効果3+効果4)>
下記表24に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を5%添加したバニラ香料をラクトアイスに0.1%賦香した被検品、並びに対照として黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、表25に示すように、被検品は、対照品1と比べてラクトアイスの好ましくない油脂感がマスキングされると共に、コク味やボリューム感等の呈味性が付与され、且つ、バニラ香料の高級感アップやトップを押し上げる香料の増強効果も見られた。また、表26に示すように、対照品2と比べても、好ましくない油脂感のマスキング効果や、コク味やボリューム感等の呈味性付与効果、バニラ香料の高級感アップ及びトップを押し上げる香料の増強効果がより強く確認された。
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<実施例10:好ましくない高甘味度甘味料の後甘味の改良効果(効果3)>
下記表27に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を高甘味度甘味料ステビア甘味料の0.2%水溶液に0.01%添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表28に示すように、被検品は、対照品1と比べて高甘味度甘味料特有の好ましくない後味及び苦味が低減されていた。また、下記表29に示すように、対照品2と比べても高甘味度甘味料特有の好ましくない後味及び苦味がより低減されていた。
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Figure 2015192610
<実施例11:コーヒー飲料の好ましくないレトルト殺菌臭の改良効果(効果3)>
下記表30に示す処方により、コーヒー飲料に製造例1で得られた黒糖芳香画分を0.005%添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。被検品と対照品1及び2について、それぞれ121℃、30分の条件で、加熱殺菌を行った。その後、5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表31に示すように、被検品は、対照品1と比べて後味やレトルト殺菌後の好ましくない風味が改善されていた。また、下記表32に示すように、対照品2と比べても後味やレトルト殺菌後の好ましくない風味がより改善されていた。
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<実施例12:アルコール飲料の好ましくない苦味の改良効果(効果3)>
下記表33に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をレモン味チューハイ(アルコール濃度約6%)に100ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表34に示すように、被検品は、対照品1と比べて苦味やアルコールに由来した刺激感がマスキングされ、飲みやすさ及び飲み口のスムースさが付与されていた。また、下記表35に示すように、対照品2と比べても苦味やアルコールに由来した刺激感がよりマスキングされ、飲みやすさ及び飲み口のスムースさも良好であった。
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<実施例13:レモン味チューハイの劣化臭の改良効果(効果3+効果5)>
下記表36に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をレモン味チューハイ(アルコール濃度約8%、レモン香料含有)に100ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。次に、被検品と対照品1及び2をそれぞれ50℃、10日間の虐待試験に供した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表37に示すように、被検品は、対照品1と比べてオフフレーバー(劣化臭)がマスキングされ、良好なレモン香味が保持されていた。また、下記表38に示すように、対照品2と比べても、より劣化臭がマスキングされ、良好なレモン香味が保持されていた。
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<実施例14:アミノ酸飲料の好ましくない香味の改良効果(効果3+効果5)>
下記表39に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をアミノ酸飲料(グレープフルーツ香料含有)に200ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。次に、被検品と対照品1及び2について、それぞれ85℃で2時間の殺菌を行った。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表40に示すように、被検品は、対照品1と比べてグレープフルーツ香料の香味が保持され、風味の劣化が少なく、アミノ酸由来の劣化臭の発生も少なかった。また、下記表41に示すように、対照品2と比べても、よりグレープフルーツ香料の香味が保持され、風味の劣化が少なく、アミノ酸由来の劣化臭の発生も少なかった。
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<実施例15:ヨーグルトの好ましくない酸味改良効果(効果3)>
下記表42に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をドリンクヨーグルトに200ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。次に、被検品と対照品1及び2について、それぞれ5℃、10日での経時劣化試験を行った。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表43に示すように、被検品は、対照品1と比べて経時的に生成する酸味が低減されていた。また、下記表44に示すように、対照例2と比べても、より経時的に生成する酸味が低減されていた。
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<実施例16:クッキーの風味増強効果(効果3+効果4)>
下記表45に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を、マーガリンと薄力粉を使用したクッキーに0.03%添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表46に示すように、被検品は、対照品1と比べて好ましくない油臭さと粉っぽさが低減され、しっとりとした良好な風味になった。また、下記表47に示すように、対照品2と比べても、好ましくない油臭さと粉っぽさがより低減され、しっとりとした良好な風味になった。
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<実施例17:卵加工食品の好ましくない風味改善(効果3+効果4)>
下記表48に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を、卵黄レシチンが配合されたカスタードクリームに200ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表49に示すように、被検品は、対照品1と比べて好ましくない卵の臭みが低減され、マイルドで良好な風味になった。また、下記表50に示すように、対照品2と比べても、好ましくない卵の臭みがより低減され、マイルドで良好な風味になった。
Figure 2015192610
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Figure 2015192610
<実施例18:高甘味度甘味料入りガムの甘みの改良効果及び香味持続力増強効果(効果2+効果3+効果6)>
下記表51に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をシュガーレスガムに添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表52に示すように、被検品は、対照品1と比べてグレープ香料のガム生地への味乗りが良くなり、グレープの丸みのある甘みが付与されると共に、酸味もはっきりと感じるようになり、美味しさが加味されていた。また、高甘味度甘味料独特の味のベタ付を抑えるマスキング効果や甘味の発現性をショ糖やブドウ糖等の糖質に近くするリフティング効果も認められた。更に、香味の持続性について、TIME−INTENSITY法で評価した結果、対照品1と比べて、5〜10分ほど伸びることが判明した。また、下記表53に示すように、対照品2と比べてもグレープ様の風味、酸味、美味しさの増強効果、甘味料のマスキング効果、香味の持続効果は良好であった。
Figure 2015192610
Figure 2015192610
Figure 2015192610

Claims (12)

  1. 黒糖芳香画分を含有する風味向上剤であって、
    前記黒糖芳香画分が、甘蔗搾汁をブリックス(Bx)が65〜82になるまで加熱濃縮して濃縮液を得るステップと、該濃縮液を常圧で加熱蒸留して110〜130℃の温度帯で発生する蒸気を回収及び冷却して蒸留液を得るステップと、該蒸留液を固定担体として合成吸着剤が充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着した吸着成分を溶出溶媒で溶出して溶出画分を得るステップと、を含む製造方法により得られる溶出画分を含む、風味向上剤。
  2. 前記溶出溶媒が、エタノール、又はエタノールと水の混合液である、請求項1に記載の風味向上剤。
  3. 前記合成吸着剤が、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂及びアクリロニトリル脂肪族系樹脂からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の風味向上剤。
  4. 前記加熱蒸留が、オープンパン又は遠心薄膜式濃縮機で行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の風味向上剤。
  5. 飲食品の自然な風味を増強する風味増強剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の風味向上剤。
  6. 香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与及び/又は増強する風味付与剤又は風味増強剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の風味向上剤。
  7. 飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する嫌味低減剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の風味向上剤。
  8. 飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する風味付与剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の風味向上剤。
  9. 香料安定性強化剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の風味向上剤。
  10. 香料の香り持続性強化剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の風味向上剤。
  11. 黒糖芳香画分を含有する香料組成物であって、
    前記黒糖芳香画分が、甘蔗搾汁をブリックス(Bx)が65〜82になるまで加熱濃縮して濃縮液を得るステップと、該濃縮液を常圧で加熱蒸留して110〜130℃の温度帯で発生する蒸気を回収及び冷却して蒸留液を得るステップと、該蒸留液を固定担体として合成吸着剤が充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着した吸着成分を溶出溶媒で溶出して溶出画分を得るステップと、を含む製造方法により得られる溶出画分を含む、香料組成物。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の風味向上剤、又は請求項11に記載の香料組成物を含有する、飲食品。
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