JP6291317B2 - 風味向上剤、香料組成物及びこれらを含有する飲食品 - Google Patents
風味向上剤、香料組成物及びこれらを含有する飲食品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6291317B2 JP6291317B2 JP2014071837A JP2014071837A JP6291317B2 JP 6291317 B2 JP6291317 B2 JP 6291317B2 JP 2014071837 A JP2014071837 A JP 2014071837A JP 2014071837 A JP2014071837 A JP 2014071837A JP 6291317 B2 JP6291317 B2 JP 6291317B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- flavor
- fragrance
- brown sugar
- effect
- food
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23L—FOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
- A23L2/00—Non-alcoholic beverages; Dry compositions or concentrates therefor; Their preparation
- A23L2/52—Adding ingredients
- A23L2/56—Flavouring or bittering agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23L—FOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
- A23L27/00—Spices; Flavouring agents or condiments; Artificial sweetening agents; Table salts; Dietetic salt substitutes; Preparation or treatment thereof
- A23L27/10—Natural spices, flavouring agents or condiments; Extracts thereof
- A23L27/115—Natural spices, flavouring agents or condiments; Extracts thereof obtained by distilling, stripping, or recovering of volatiles
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23L—FOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
- A23L27/00—Spices; Flavouring agents or condiments; Artificial sweetening agents; Table salts; Dietetic salt substitutes; Preparation or treatment thereof
- A23L27/88—Taste or flavour enhancing agents
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Nutrition Science (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Seasonings (AREA)
Description
(1)飲食品の自然な風味を増強する効果(以下、「効果1」ともいう。)、
(2)香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与する効果又は増強する効果(以下、「効果2」ともいう。)、
(3)飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する効果(以下、「効果3」ともいう。)、
(4)飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する効果(以下、「効果4」ともいう。)、
(5)香料の安定性を強化する効果(以下、「効果5」ともいう。)及び
(6)香料の香りの持続性を強化する効果(以下、「効果6」ともいう。)、
を奏する。
本発明の風味向上剤は、黒糖芳香画分を含有する。
(1)飲食品の自然な風味を増強する効果
(2)香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与する効果又は増強する効果
(3)飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する効果
(4)飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する効果
(5)香料の安定性を強化する効果
(6)香料の香りの持続性を強化する効果
ここでいう香料とは、動植物等からの抽出物等の天然香料、化学合成によって得られる合成香料、又はそれらの混合物を言う。
本発明の香料組成物は、上記黒糖芳香画分を含有する。本発明の香料組成物は、上記黒糖芳香画分以外に、その他の添加物を更に含んでもよい。添加物としては、例えば、賦形剤、着色剤、酸化防止剤、保存料、安定剤、香料、酸味料、甘味料、乳化剤等が挙げられる。
黒糖工場の製造工程にて得られた甘蔗の圧搾汁に石灰乳を添加し不純物を取り除いた清浄汁を効用缶に供給し、Bx.75になるまで加熱濃縮し、得られた濃縮液を常圧でオープンパンに供給し、加熱蒸留して110〜130℃の温度帯で発生する蒸気を回収・冷却し、連続して集めた。蒸留液約150LをダイヤイオンHP−20(商標、三菱化学株式会社製)750mLを充填したカラム(カラムサイズ:内径10cm、高さ40cm)に、SV=50(hr-1)の流速で通液した。次に、吸着された成分を、80%エタノール水溶液(エタノール/水=80/20(体積/体積))で溶出した。すなわち、SV=2(hr-1)の流速で1.5L通液し、はじめの溶出液は捨て、その後に溶出液の回収を開始した。溶出液を、ろ紙(定性ろ紙No.2、東洋ろ紙株式会社製)でろ過し、得られた濾液を黒糖芳香画分とした。
比較のため、特許文献1に記載の従来のエキス(以下、「消臭エキス」ともいう。)を以下の手順で製造した。原料糖工場の製造工程にて得られた甘蔗の圧搾汁(Bx.12.5)2800Lを250L/時の速度で遠心式薄膜真空蒸発装置(商標:エバポールCEP−1、大川原製作所株式会社)に供給し、500〜630mmHgの減圧下で温度90〜95℃で留出する成分を、冷却水温25℃、冷却水量15m3/時間、コンデンサ面積2m2の条件でコンデンサにて冷却し、連続して集めた。原料圧搾汁が約2400L、Bx.14.5になったとき、蒸留物の回収を終了した。得られた蒸留液は約400Lであった。この蒸留液をアンバーライトXAD7HP(商標、オルガノ株式会社)40mLを充填したカラム(カラムサイズ:内径2.6cm、高さ20cm)に、SV=100(hr-1)の流速で通液した。通液終了後、約5分間、同じ流速で水洗した。次に、吸着された成分を、80%エタノール水溶液(エタノール/水=80/20(体積/体積))で溶出した。すなわち、SV=2(hr-1)の流速で通液し、はじめの15mLの溶出液は捨て、その後に溶出液の回収を開始した。80%エタノール水溶液80mLを通液した後、成分の押し出しのため蒸留水を同じ速度で通液し、回収溶出液の総量が100mLになった時点で溶出を終了した。得られた溶出液を、ろ紙(定性ろ紙No.2、東洋ろ紙株式会社製)でろ過し、得られた濾液を甘蔗由来の画分である風味向上剤サンプルとした。このサンプルは、アルコール濃度計(YSA−200、矢崎計器株式会社)で測定した結果、エタノール58%(体積/体積)の、若干レモン色をした透明な液体であった。
製造例1で得られた黒糖芳香画分及び製造例2で得られた消臭エキスについて、ガスクロマトグラフィー(GC)(GC6850、AgilentTechnologies社製)により、下記の条件で成分分析を行った。黒糖芳香画分の分析結果は下記表1左欄に示し、消臭エキスの分析結果は下記表1右欄に示す。表1の結果から、黒糖芳香画分に含まれる芳香成分の量(1420.58ppm)は、消臭エキスに含まれる芳香成分の量(30.35ppm)を大幅に超えていることが分かった。また、黒糖芳香画分に含まれる芳香成分の種類及び組成は、消臭エキスにおける種類及び組成とは全く異なっていることが分かった。なお、標準物質として、黒糖芳香画分に1%テトラデカン溶液を0.1mL添加し、消臭エキスに0.1%テトラデカン溶液を0.1mL添加した。
GCの分析条件:
カラム:DB−1(0.25mmφ×60m)
オーブン温度:50℃(5min)〜240℃(7℃/min)
サンプル注入方法:Splitle(Split Ratio 30:1)
サンプル注入量:1.0μL
効果1:飲食品の自然な風味を増強する効果
効果2:香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与する効果又は増強する効果
効果3:飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する効果
効果4:飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する効果
効果5:香料の安定性を強化する効果
効果6:香料の香りの持続性を強化する効果
下記表2に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を紅茶飲料に20ppm添加した被検品と、対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品を調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表3に示すように、被検品は、対照品と比べて自然な茶葉感が増強され、紅茶風味が向上されていた。
下記表4に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を添加したオレンジ果汁入り飲料(被検品)及び黒糖芳香画分を添加しなかったオレンジ果汁入り飲料(対照品)をそれぞれ調製した。
下記表6に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を5%添加したコーヒー香料を0.1%賦香した被検品と対照品のコーヒー飲料を調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表7に示すように、被検品は対照品と比べてロースト感や旨味、柔らかい酸味が付与され、ドリップコーヒーのような高級感のあるナチュラルな風味が付与されていた。
下記表8〜10に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を10%添加した黒糖香料を、シュガーキャンディー、ビスケット及びラクトアイスにそれぞれ0.1%賦香した被検品、並びに対照として、シュガーキャンディー、ビスケット及びラクトアイスにそれぞれ黒糖香料だけを0.1%賦香した対照品をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表11〜13に示すように、被検品は、対照品と比べて黒糖香が非常にナチュラルで、やや青みのあるリアルな黒糖の香りやジャリジャリとした固形感、ボリュームのある風味が付与されていた。
下記表14に示す処方により、レモン風味炭酸飲料に製造例1で得られた黒糖芳香画分を約8ppm添加した被検品及び黒糖芳香画分を添加しなかった対照品を調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表15に示すように、被検品は、対照品と比べてレモン風味が増強され、果汁感や酸味感が向上されていた。
下記表16に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を添加したグレープフルーツ風味カロリーゼロ飲料(被検品)及び黒糖芳香画分を添加しなかったグレープフルーツ風味カロリーゼロ飲料(対照品)をそれぞれ調製した。
下記表18に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をビール風味飲料に約17ppm添加し、被検品を調製した。一方、対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表19に示すように、被検品は、対照品1と比べて生地の酸味が低減されると共に、ビール特有のコク味や厚み、広がりが付与され、ビールらしいトップ香や自然なビールらしい風味が増強されていた。また、下記表20に示すように、対照品2と比べて、対照品2が風味を抑え込んでいたのに対して被検品はビール特有のコク味や厚み、広がりが付与され、ビールらしいトップ香や自然なビールらしい風味が増強されていた。
下記表21に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を5%添加したバニラ香料をスイートチョコレートに0.1%賦香して、被検品を調製した。対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表22に示すように、被検品は、対照品1と比べてチョコレートの好ましくない油脂感がマスキングされると共に、コク味やボリューム感等の呈味性が付与され、且つ、バニラ香料の高級感アップやトップを押し上げる香料の増強効果も見られた。また、下記表23に示すように、被検品は、対照品2と比べても、好ましくない油脂感のマスキング効果や、コク味やボリューム感等の呈味性付与効果、バニラ香料の高級感アップ及びトップを押し上げる香料の増強効果がより強く確認された。
下記表24に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を5%添加したバニラ香料をラクトアイスに0.1%賦香した被検品、並びに対照として黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、表25に示すように、被検品は、対照品1と比べてラクトアイスの好ましくない油脂感がマスキングされると共に、コク味やボリューム感等の呈味性が付与され、且つ、バニラ香料の高級感アップやトップを押し上げる香料の増強効果も見られた。また、表26に示すように、対照品2と比べても、好ましくない油脂感のマスキング効果や、コク味やボリューム感等の呈味性付与効果、バニラ香料の高級感アップ及びトップを押し上げる香料の増強効果がより強く確認された。
下記表27に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を高甘味度甘味料ステビア甘味料の0.2%水溶液に0.01%添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表28に示すように、被検品は、対照品1と比べて高甘味度甘味料特有の好ましくない後味及び苦味が低減されていた。また、下記表29に示すように、対照品2と比べても高甘味度甘味料特有の好ましくない後味及び苦味がより低減されていた。
下記表30に示す処方により、コーヒー飲料に製造例1で得られた黒糖芳香画分を0.005%添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。被検品と対照品1及び2について、それぞれ121℃、30分の条件で、加熱殺菌を行った。その後、5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表31に示すように、被検品は、対照品1と比べて後味やレトルト殺菌後の好ましくない風味が改善されていた。また、下記表32に示すように、対照品2と比べても後味やレトルト殺菌後の好ましくない風味がより改善されていた。
下記表33に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をレモン味チューハイ(アルコール濃度約6%)に100ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表34に示すように、被検品は、対照品1と比べて苦味やアルコールに由来した刺激感がマスキングされ、飲みやすさ及び飲み口のスムースさが付与されていた。また、下記表35に示すように、対照品2と比べても苦味やアルコールに由来した刺激感がよりマスキングされ、飲みやすさ及び飲み口のスムースさも良好であった。
下記表36に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をレモン味チューハイ(アルコール濃度約8%、レモン香料含有)に100ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。次に、被検品と対照品1及び2をそれぞれ50℃、10日間の虐待試験に供した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表37に示すように、被検品は、対照品1と比べてオフフレーバー(劣化臭)がマスキングされ、良好なレモン香味が保持されていた。また、下記表38に示すように、対照品2と比べても、より劣化臭がマスキングされ、良好なレモン香味が保持されていた。
下記表39に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をアミノ酸飲料(グレープフルーツ香料含有)に200ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。次に、被検品と対照品1及び2について、それぞれ85℃で2時間の殺菌を行った。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表40に示すように、被検品は、対照品1と比べてグレープフルーツ香料の香味が保持され、風味の劣化が少なく、アミノ酸由来の劣化臭の発生も少なかった。また、下記表41に示すように、対照品2と比べても、よりグレープフルーツ香料の香味が保持され、風味の劣化が少なく、アミノ酸由来の劣化臭の発生も少なかった。
下記表42に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をドリンクヨーグルトに200ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。次に、被検品と対照品1及び2について、それぞれ5℃、10日での経時劣化試験を行った。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表43に示すように、被検品は、対照品1と比べて経時的に生成する酸味が低減されていた。また、下記表44に示すように、対照例2と比べても、より経時的に生成する酸味が低減されていた。
下記表45に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を、マーガリンと薄力粉を使用したクッキーに0.03%添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表46に示すように、被検品は、対照品1と比べて好ましくない油臭さと粉っぽさが低減され、しっとりとした良好な風味になった。また、下記表47に示すように、対照品2と比べても、好ましくない油臭さと粉っぽさがより低減され、しっとりとした良好な風味になった。
下記表48に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を、卵黄レシチンが配合されたカスタードクリームに200ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表49に示すように、被検品は、対照品1と比べて好ましくない卵の臭みが低減され、マイルドで良好な風味になった。また、下記表50に示すように、対照品2と比べても、好ましくない卵の臭みがより低減され、マイルドで良好な風味になった。
下記表51に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をシュガーレスガムに添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表52に示すように、被検品は、対照品1と比べてグレープ香料のガム生地への味乗りが良くなり、グレープの丸みのある甘みが付与されると共に、酸味もはっきりと感じるようになり、美味しさが加味されていた。また、高甘味度甘味料独特の味のベタ付を抑えるマスキング効果や甘味の発現性をショ糖やブドウ糖等の糖質に近くするリフティング効果も認められた。更に、香味の持続性について、TIME−INTENSITY法で評価した結果、対照品1と比べて、5〜10分ほど伸びることが判明した。また、下記表53に示すように、対照品2と比べてもグレープ様の風味、酸味、美味しさの増強効果、甘味料のマスキング効果、香味の持続効果は良好であった。
Claims (11)
- 黒糖芳香画分を含有する風味向上剤であって、
前記黒糖芳香画分が、甘蔗搾汁をブリックス(Bx)が65〜82になるまで加熱濃縮して濃縮液を得るステップと、該濃縮液を常圧で加熱蒸留して110〜130℃の温度帯で発生する蒸気を回収及び冷却して蒸留液を得るステップと、該蒸留液を固定担体として合成吸着剤が充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着した吸着成分を溶出溶媒で溶出して溶出画分を得るステップと、を含む製造方法により得られる溶出画分を含み、
前記合成吸着剤が有機系樹脂からなるものであり、
前記溶出溶媒がエタノール、又はエタノールと水の混合液である、風味向上剤。 - 前記合成吸着剤が、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂及びアクリロニトリル脂肪族系樹脂からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の風味向上剤。
- 前記加熱蒸留が、オープンパン又は遠心薄膜式濃縮機で行われる、請求項1又は2に記載の風味向上剤。
- 飲食品の自然な風味を増強する風味増強剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の風味向上剤。
- 香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与及び/又は増強する風味付与剤又は風味増強剤である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の風味向上剤。
- 飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する嫌味低減剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の風味向上剤。
- 飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する風味付与剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の風味向上剤。
- 香料安定性強化剤である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の風味向上剤。
- 香料の香り持続性強化剤である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の風味向上剤。
- 黒糖芳香画分を含有する香料組成物であって、
前記黒糖芳香画分が、甘蔗搾汁をブリックス(Bx)が65〜82になるまで加熱濃縮して濃縮液を得るステップと、該濃縮液を常圧で加熱蒸留して110〜130℃の温度帯で発生する蒸気を回収及び冷却して蒸留液を得るステップと、該蒸留液を固定担体として合成吸着剤が充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着した吸着成分を溶出溶媒で溶出して溶出画分を得るステップと、を含む製造方法により得られる溶出画分を含み、
前記合成吸着剤が有機系樹脂からなるものであり、
前記溶出溶媒がエタノール、又はエタノールと水の混合液である、香料組成物。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の風味向上剤、又は請求項10に記載の香料組成物を含有する、飲食品。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014071837A JP6291317B2 (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | 風味向上剤、香料組成物及びこれらを含有する飲食品 |
PCT/JP2015/060207 WO2015152271A1 (ja) | 2014-03-31 | 2015-03-31 | 風味向上剤、香料組成物及びこれらを含有する飲食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014071837A JP6291317B2 (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | 風味向上剤、香料組成物及びこれらを含有する飲食品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015192610A JP2015192610A (ja) | 2015-11-05 |
JP6291317B2 true JP6291317B2 (ja) | 2018-03-14 |
Family
ID=54240590
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014071837A Expired - Fee Related JP6291317B2 (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | 風味向上剤、香料組成物及びこれらを含有する飲食品 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6291317B2 (ja) |
WO (1) | WO2015152271A1 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7117076B2 (ja) * | 2016-10-28 | 2022-08-12 | サッポロビール株式会社 | 炭酸飲料、炭酸飲料の製造方法、及び、喉越し感向上剤 |
JP2018099066A (ja) * | 2016-12-20 | 2018-06-28 | 物産フードサイエンス株式会社 | ミルク感増強用組成物 |
JP6931289B2 (ja) * | 2017-02-17 | 2021-09-01 | 小川香料株式会社 | 甘味増強剤および甘味増強用香料組成物 |
CN116555498A (zh) | 2017-05-01 | 2023-08-08 | 生物质能技术有限公司 | 加工甘蔗的系统和方法 |
JP7303161B2 (ja) * | 2020-06-23 | 2023-07-04 | 長谷川香料株式会社 | 茶飲料用香味改善剤およびその製造方法 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4037035B2 (ja) * | 2000-04-19 | 2008-01-23 | 三井製糖株式会社 | 風味改善剤 |
JP4737797B2 (ja) * | 2000-04-21 | 2011-08-03 | 三井製糖株式会社 | 肝機能増強剤 |
JP2001335506A (ja) * | 2000-05-24 | 2001-12-04 | Shin Mitsui Sugar Co Ltd | 抗ストレス剤 |
JP2003274890A (ja) * | 2002-03-20 | 2003-09-30 | Shin Mitsui Sugar Co Ltd | 風味向上剤 |
JP2005170894A (ja) * | 2003-12-12 | 2005-06-30 | Shin Mitsui Sugar Co Ltd | 肌感触を改善する剤、並びに該剤を含む皮膚用化粧品及び浴用剤組成物 |
WO2008029822A1 (fr) * | 2006-09-07 | 2008-03-13 | Mitsui Sugar Co., Ltd. | Désodorisant comprenant une substance désodorisante provenant du distillat de canne à sucre en tant que substance active et procédé pour améliorer l'odeur provenant de la canne à sucre |
CN103429096B (zh) * | 2012-02-03 | 2014-10-01 | 三井制糖株式会社 | 甜叶菊制剂 |
-
2014
- 2014-03-31 JP JP2014071837A patent/JP6291317B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2015
- 2015-03-31 WO PCT/JP2015/060207 patent/WO2015152271A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015192610A (ja) | 2015-11-05 |
WO2015152271A1 (ja) | 2015-10-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102068375B1 (ko) | 향미 프로파일 식용 조성물의 개선을 위한 n-아실-아미노산 유도체 | |
JP4248571B2 (ja) | 風味改善剤、これを用いた風味改善方法及び飲食品 | |
JP6291317B2 (ja) | 風味向上剤、香料組成物及びこれらを含有する飲食品 | |
JP2017023017A (ja) | 高甘味度甘味料の呈味改善剤 | |
JP7134976B2 (ja) | 苦丁茶加工物 | |
JP6868086B1 (ja) | ロタンドンを有効成分とする香味発現増強剤 | |
JP5102408B1 (ja) | ステビア製剤 | |
JP2018523473A (ja) | 味覚調節化合物を含む組成物、それらの使用およびそれらを含む食品 | |
JP6411997B2 (ja) | キノコ抽出物及び呈味改善剤 | |
JP4037035B2 (ja) | 風味改善剤 | |
JP6281926B1 (ja) | 高甘味度甘味料の呈味改善剤 | |
JP4606505B1 (ja) | 甘味含有飲食品の甘味改善剤 | |
JP2009240297A (ja) | 呈味改善方法 | |
JP2003265135A (ja) | 風味向上剤 | |
CN111526728A (zh) | 香草组合物 | |
JP5964528B1 (ja) | 4−アルコキシシンナムアルデヒドを有効成分とする香味変調剤 | |
CN106659204B (zh) | 甜味剂组合物 | |
JP2022170686A (ja) | 酸味・酸臭の抑制剤 | |
JP6985332B2 (ja) | ドデセン酸を有効成分とする飲食品の不快味のマスキング剤 | |
JP2012183026A (ja) | 飲食物及びその製造方法 | |
JP6255132B1 (ja) | 飲食品の濃厚感付与増強剤 | |
JP7433128B2 (ja) | ロタンドンを有効成分とする飲食品の不快味のマスキング剤 | |
JP4850305B1 (ja) | ショウガ風味炭酸飲料及びその製造方法 | |
JP2003274890A (ja) | 風味向上剤 | |
JP7215918B2 (ja) | 酢酸含有製品の酢酸臭マスキング剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170215 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170221 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170306 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20171031 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171222 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180206 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180209 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6291317 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |