JP4606505B1 - 甘味含有飲食品の甘味改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】
飲食品に不要な呈味や香気を付与することなく、甘味含有飲食品の甘味の増強や、塩味含有飲食品の塩味刺激感緩和や、苦味含有飲食品の苦味のマスキングや、渋味含有飲食品の渋味のマスキングや、その他の飲食品の生臭みの低減、こく味増強、濃厚感付与、後残りの改善などの呈味改善をすること。
【解決手段】
フタライド類を有効成分とする飲食品の呈味改善剤。フタライド類を、飲食品に、香気としては感じない程度の微量添加することにより、様々な飲食品の好ましくない呈味は改善し、好ましい呈味が増強または付与される。
【選択図】なし

Description

本発明は、甘味含有飲食品の甘味改善剤に関し、詳しくは、フタライド類を有効成分とする、甘味を有する飲食品甘味を好ましい方向に改善するための甘味改善剤に関する。
蔗糖、果糖、ぶどう糖、その他糖類などの天然の甘味は一般的に多くの人々から受け入れられるものである。甘味は原始的にはヒトが口にした時に、その飲食品中に炭水化物の存在を示すものとして、飲食が好ましいものと判断される指標とも考えられており、ヒトが自然に「おいしい」と感じる甘味である。しかしながら、現代においては、蔗糖などの糖類の一人当たり摂取量が必要量以上に増加し、その結果、肥満や糖尿病などの原因となる可能性が指摘されており、糖類を減少させた食品が市場に多く見られるようになっている。したがって、糖類を使用せずに、あるいは、糖類を減らした場合において甘味を増強する方法が求められている。
甘味を呈する物質は前記糖類以外にも様々な天然または合成の高甘味度甘味料などが存在する。しかしながら、高甘味度甘味料は不自然な苦味や後残りを伴うことがあり、糖類の自然な甘味とはやや異なることが多い。
甘味の増強や甘味質の改善を目的として、香料化合物などを添加する方法が提案されている。このような方法としては、例えば、マルトールを使用することにより砂糖を減量できる甘味の増強方法(特許文献1)、フラネオールを使用することにより砂糖を減量できる甘味の増強方法(特許文献2)などがある。しかしながら、これらの香料物質は香気を感じるレベルまで添加しなければ効果が無く、風味全体に変化をもたらす結果となる。
また、糖類などの甘味は他の物質との相互作用により、質的、強度的に変化することがある。例えば、餡を作る際、砂糖に加え少量の塩を加えたり、スイカを食べる際、塩をふりかけるなど、甘味に塩味や旨味などを加添加することにより、感覚的に甘味が増強することは、経験的によく知られた現象である。しかしながら、食塩を添加することにより得られる甘味の増強は、くどさ、しつこさなどが伴い、必ずしもすっきりとした良好な甘味とはいえない。
したがって、香気などの風味全体に影響を及ばさず、自然ですっきりとした甘味を付与ないし増強することのできる素材が求められている。
米国特許第3409441号 特開昭50−140659号公報
甘味の増強に関する前記のような甘い風味を想起させる香料化合物を添加するような提案では、ある程度の効果は得られるものの、十分満足のいくものとはいえない。そこで、飲食品本来の成分であって、添加することにより何ら異味異臭を生じることなく効果的に甘味を自然な調和の取れた甘味に改善することが求められている。
本発明者らは飲食品の甘味改善に関し、鋭意研究を重ねた結果、チキンブロスのこく味、旨味などの増強にセリ科植物由来の成分が関与しており、それらがフタライド類であることを見いだした(J.Agric.Food Chem.,Vol.56,No.2,512−516,2008)。そこで、本発明者らは、フタライド類に、さらに様々な呈味改善効果があるのではないかと考え、さらに鋭意研究を重ねた。その結果、驚くべきことにフタライド類を、飲食品に、香気としては感じない程度の微量添加するだけで、様々な飲食品の好ましくない甘味は改善し、好ましい甘味が増強または付与されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明は、以下のものを提供する。
(1)フタライド類を有効成分とする甘味含有飲食品の甘味改善剤。
(2)甘味含有飲食品が高甘味度甘味料含有飲食品であることを特徴とする(1)に記載の甘味改善剤。
(3)甘味改善が甘味の増強であることを特徴とする(1)または(2)に記載の甘味改善剤。
(4)フタライド類がセダネノライド、セダノライド、3−n―ブチルフタライドおよび3−ブチリデンフタライドから選ばれる1種以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の甘味改善剤。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の甘味含有飲食品の甘味改善剤を、フタライド類として10ppb〜1%含有することを特徴とする甘味改善剤組成物。
(6)(1)〜(4)のいずれかに記載の甘味改善剤をフタライド類として0.01ppb〜10ppm添加することを特徴とする甘味含有飲食品の甘味改善方法。
(7)(5)に記載甘味改善剤組成物をフタライド類として0.01ppb〜10ppm添加することを特徴とする甘味含有飲食品の甘味改善方法。
本発明により、飲食品に不要な呈味や香気を付与することなく、甘味含有飲食品の甘味の増強などの甘味改善をすることができる。
本発明で用いるフタライド類は、セリ科の植物の精油中に特徴的に存在する独特のスパイシーな生薬臭を有する一群の化合物類で、フタライド骨格を有する化合物を意味する。具体的には、セダネノライド、セダノライド、3−n−ブチルフタライド、3−ブチリデンフタライド、リグステライド、クニジライド、イソクニジライド、ネオクニジライド、メチルセダノエート、3−ブチルヘキサヒドロフタライドなどを指す。これらの化合物のうち、特に好ましいものとして、セダネノライド、セダノライド、3−n−ブチルフタライドおよび3−ブチリデンフタライドを例示することができる。これらのフタライド類は合成品を使用しても良く、また、セリ科植物から水または溶剤抽出あるいは水蒸気蒸留などにより抽出物または精油を得、それらから各種の公知手段などにより精製することもできる。
これらの化合物は、単独で使用しても良く、また、いくつかを組み合わせて使用しても良い。さらにまた、これらの化合物を含むセンキュウ、トウキ、ロベージ、セロリなどの精油やオレオレジンなどの抽出物をそのまま、あるいは調合香料の一部として配合した形態として使用することもできる。
一方、セリ科植物の精油やオレオレジンは、天然原料であり、安全、安心面から、本発明の甘味改善剤として好ましいが、精油やオレオレジンには、前記のフタライド類の他、リモネン、ミルセン、β−カリオフィレン、α−セリネン、β−セリネン、γ−セリネンなどの炭化水素類などが含まれており、独特の青っぽい香気を有する。これらの、青っぽい香気は、通常の香料用途などのようにセリ科植物の風味を付与する目的で使用する場合は、好ましい風味であるが、本発明の甘味改善剤として使用する場合には、不必要に青っぽい風味を付与してしまうため、低減または除去することが好ましい。特にセリネン類はセリ科植物に特有の青っぽい香気が強いため、できるだけ低減または除去することが望ましい。これら炭化水素類のうちリモネン(沸点:176℃;大気圧)のように沸点の比較的低い物質は、通常の精留塔などを用いた蒸留(温度:50℃〜70℃、圧力:500Pa〜1000Pa)により留出させて低減させることが容易であるが、セスキテルペン炭化水素であるセリネン類(β―セリネン:沸点:260℃;大気圧)およびフタライド類(セダネノライド:沸点:367℃;大気圧)はいずれも香料化合物としては比較的沸点が高い部類に属し、通常の精留塔などを用いた蒸留では、いずれの化合物も釜残に残ってしまい、分離が困難である。したがって、簡便でコストのかからない方法によりセリ科植物の精油やオレオレジンから、セリネン類を除く方法が必要となる。
セリ科植物の精油やオレオレジンからセリネンを含む炭化水素類を低減または除去する方法としては、各種クロマトグラフィーなども採用し得るが、簡便で、かつ、工業的に実施可能な方法として分子蒸留を挙げることができる。分子蒸留とは、高真空条件下での蒸留であって、蒸発した分子が他の分子と衝突を起こさず冷却面へ到達して凝縮するような蒸留による精製方法をいう。使用される装置あるいは器具については、かかる方法が適用できる装置であれば、特にその種類は問わないが、一般的に回分式又は連続式分子蒸留装置があり、形式により流下薄膜式分子蒸留装置、遠心薄膜式分子蒸留装置に分類される。これらの装置の中でも安定した薄膜状態を形成できる観点から遠心薄膜式分子蒸留装置、特に連続式遠心薄膜式分子蒸留装置を使用することが好ましい。
遠心薄膜式分子蒸留装置を使用し、炭化水素類を除くための条件としては温度90℃〜110℃、圧力10Pa〜30Paを例示することができる。この条件により、リモネンのような軽沸点の炭化水素類はもちろんのこと、セスキテルペン炭化水素であるセリネンも留去することができ、釜残としてフタライド類を得ることができる。分子蒸留に供する原料が精油である場合は、一回の分子蒸留で前記の釜残としてフタライド類を60%以上含有する本発明の甘味改善剤とすることができる。さらにまた、原料がオレオレジンなどの不揮発性成分を含む場合には、前記条件で、炭化水素類を除いた後、フタライド類を含む釜残を、再度分子蒸留に供し、温度140℃〜160℃、圧力10Pa〜30Paの条件でフタライド類を留出させ、留出部としてフタライド類を60%以上含有する本発明の甘味改善剤とすることができる。
なお、かかる分子蒸留法それ自体は、一般に油脂などの精製に用いられる他、オレンジなどの精油の脱テルペン分画に用いられているが、セリ科植物の精油またはオレオレジンから、リモネンやセリネン類などの不必要な成分を低減または除去して甘味改善剤を精製するために適用されることは知られていない。
本発明は、これらのフタライド類を有効成分とする甘味含有飲食品の甘味改善剤に関し、これらのフタライド類をフタライド類特有のスパイシーな生薬臭を感じさせないレベルの低含量で甘味含有飲食品に含有させることで、甘味含有飲食品の甘味を改善できる甘味改善剤に関する。
次いで、以下に、本発明の個々の態様について例示しながら説明する。
1つの実施態様では、本発明は、甘味含有食品の甘味改善剤である。甘味含有食品とは、糖類や糖アルコールを含む食品である。糖類や糖アルコールとしては、例えば、砂糖、果糖、ぶどう糖、麦芽糖、エリスリトール、マルチトール、パラチノース、還元麦芽糖、還元パラチノース(パラチニット)、ソルビトールなどの糖類または糖アルコール類を含む食品を指す。これらの糖類または糖アルコール類を含有する飲食品に対しては、特に、糖類や糖アルコール類があまり甘すぎない範囲内で存在している場合に、本発明の甘味改善剤を添加すると、甘味の増強作用をもたらす。
これら甘味含有飲食品としては、甘味を有するほとんどすべての飲食品が含まれ、例えば、柑橘果汁や野菜果汁などを含む果実飲料又は野菜ジュース、コーラやジンジャーエール又はサイダーなどの炭酸飲料、スポーツドリンクなどの清涼飲料水、コーヒー、紅茶や抹茶などの茶系飲料、ココア、牛乳、豆乳、乳酸菌飲料などの乳飲料などの飲料一般;ヨーグルト、ゼリー、プディング、ムース、チルドデザートなどのデザート類:ケーキや饅頭などといった洋菓子及び和菓子を含む焼菓子や蒸菓子などの製菓:アイスクリームやシャーベットなどの冷菓並びに氷菓:チューイングガム、ハードキャンディー、ヌガーキャンディー、錠菓、チューインガム、ゼリービーンズなどの菓子一般;果実フレーバーソースやチョコレートソースなどのソース類;バタークリームや生クリームなどのクリーム類;イチゴジャムやマーマレードなどのジャム;菓子パンなどを含むパン;焼き肉、焼き鳥、鰻蒲焼きなどに用いられるタレやトマトケチャップなどのソース類;蒲鉾などの練り製品、レトルト食品、漬け物、佃煮、総菜並びに冷凍食品などを含む農畜水産加工品を広く例示することができる
本発明の甘味含有飲食品において、フタライド類の配合割合は、最終製品に対して0.01ppb〜10ppm、より好ましくは、0.1ppb〜1ppmである。また、これらのフタライド類は実質上は製剤中に配合して、製剤を最終製品に添加する場合が多い。その場合、製剤の最終製品への添加量はおおよそ0.01%〜1%程度であるため、製剤中のフタライド類の配合量としては10ppb〜1%、より好ましくは、100ppb〜1000ppmである。以上の配合割合により、本発明の甘味含有飲食品は甘味が増強される。
なお、飲食品の甘味改善において、フタライド類を添加すべき濃度は前述の通りであるが、上記範囲以上にフタライド類を添加しても、さらなる甘味改善に対する効果はあまりないため、上記範囲以上に添加する必要はない。ただし、所望により、例えばフタライド類に特有の香気を付与するために、フタライド類を上記範囲より多く添加することにはなんら問題はない。
本発明を以下の実施例により更に具体的に述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1(牛乳の甘味増強)
市販の牛乳に本発明品の甘味改善剤(甘味の増強剤)としてセダネノライドを下記表1に示す濃度で添加した牛乳を得た。
香味比較
下記表1に、パネラー10名による本発明品添加および無添加品の牛乳について香味比較評価を示した。
Figure 0004606505
表1に示した通り、セダネノライドを0.01ppb〜10ppm添加することにより、牛乳が本来持っている甘味が増強することが示された。セダネノライドの添加量としては0.1ppb〜1ppm程度が特に良好であった。なお、10ppm添加では甘味が増強されたが、多少スパイシーな香気も感じられた。また、0.01ppbという低濃度でも甘味が若干強くなったと感じたパネラーもおり、低濃度でも甘味増強効果があることが判明した。
実施例2(オレンジジュースの甘味増強)
市販の果汁100%のオレンジジュースに本発明品の甘味改善剤(甘味の増強剤)として3−n−ブチルフタライドを下記表3に示す濃度で添加したオレンジジュースを得た。
香味比較
下記表2に、パネラー10名による本発明品添加と無添加のオレンジジュースの香味比較評価を示した。
Figure 0004606505
表2に示した通り、3−n−ブチルフタライドを0.01ppb〜10ppm添加することにより、オレンジジュースの甘味が増強することが示された。3−n−ブチルフタライドの添加量としては0.1ppb〜1ppm程度が特に良好であった。なお、10ppm添加では甘味が増強されたが、多少スパイシーな香気も感じられた。また、0.01ppbという低濃度でも甘味が若干強くなったと感じたパネラーもおり、低濃度でも甘味増強効果があることが判明した。
参考例1(精油の精密蒸留による精製)
市販のセロリシード精油(参考品1)として、成分組成が3−n−ブチルフタライド1.86%、セダネノライド5.4%およびセダノライド0.32%、リモネン66.2%、β−セリネン12.9%、その他13.3%(ガスクロマトグラフィー法により測定)の精油を使用した。参考品1(120.5g)を、以下の条件で減圧精密蒸留を行った。内温54℃、減圧度を1000Paから500Paまで徐々に減圧し、留出液の留出が止まったところで終了し、留出液および釜残部(参考品2)を得た。得られた留出液および釜残部の組成は以下の通りであった。留出部80.3g(3−n−ブチルフタライド1.43%、セダネノライド3.72%およびセダノライド0.27%、リモネン85.5%、β−セリネン3.5%、その他5.58%)。
釜残部(参考品2)40.8g(3−n−ブチルフタライド7.07%、セダネノライド20.5%およびセダノライド1.22%、リモネン0%、β−セリネン43.4%、その他27.81%)。
上記の通り、精密蒸留では、リモネンがすべて留出し、留出部は85%以上がリモネンであった。一方、釜残部にはフタライド類が濃縮されたが、β−セリネンも釜残部に濃縮されてしまうことが認められた。
実施例(オレオレジンの分子蒸留による精製)
市販のセロリオレオレジン(参考品3)として、揮発性成分組成が3−n−ブチルフタライド5.0%、セダネノライド41.3%およびセダノライド2.5%、リモネン30.4%、β−セリネン8.2%、その他12.6%のオレオレジンを使用した。
参考品3(362.6g)に米サラダ油72.9g(参考品3の20%)を加え良く混合し、遠心薄膜式分子蒸留装置に仕込み、15〜28Paの減圧条件下、3.6g/分の速度でフィードノズルより加熱伝熱面に流入させ、コンデンサーには、冷却水を流し、コールドトラップをドライアイス/アセトンで冷却し薄膜蒸留を行った。このときの処理液の加熱条件は、温度100℃、平均して0.1mmの薄膜状で約1.0秒間の加熱であった。蒸留後、コールドトラップ部25.1g、冷却水トラップ部10.6gおよび釜残部399.8gを得た。
釜残部の揮発性成分組成:3−n−ブチルフタライド6.9%、セダネノライド58.3%、セダノライド3.0%、リモネン8.3%、β−セリネン13.2%、その他10.3%)。
釜残部399.8gを再度遠心薄膜式分子蒸留装置に仕込み、15〜28Paの減圧条件下、3.6g/分の速度でフィードノズルより加熱伝熱面に流入させ、コンデンサーには、冷却水を流し、コールドトラップをドライアイス/アセトンで冷却し薄膜蒸留を行った。このときの処理液の加熱条件は、温度150℃、平均して0.1mmの薄膜状で約1.0秒間の加熱であった。蒸留後、留出部のみを本発明品1とした(収量54.7g)。
本発明品1の成分組成:3−n−ブチルフタライド8.0%、セダネノライド65.5%、セダノライド3.5%、リモネン0.6%、β−セリネン10.9%、その他11.5%なお、2回目の分子蒸留の釜残部(345.1g)にはほとんどガスクロマトグラフィーにより検出される揮発性成分は含まれていなかった。
実施例甘味エンハンスパウダーの調製)
3−n−ブチルフタライド0.093g、セダネノライド0.27gおよびセダノライド0.016gに中鎖脂肪酸トリグリセライド19.6gおよびSAIB30gを混合溶解し油相部とした。他方、軟水680gにパインデックスNo.2を955g及びHLB15のショ糖脂肪酸エステル50gを加えて溶解し、85℃で15分間加熱殺菌した。この溶液を約40℃に冷却後、TK−ホモミキサー(特殊機化工業製)でかき混ぜながら先に調製した油相部50gを注加し、更に5000回転/分で5分間かき混ぜて乳化処理し、乳化液1690gを得た。この乳化液を噴霧乾燥機(NIRO社製:モービルマイナー)を用いて送風温度150℃、排風温度80℃で乾燥し、甘味エンハンスパウダー900gを得た(本発明品2:3−n−ブチルフタライド0.0093%、セダネノライド0.027%およびセダノライド0.0016%含有)。





Claims (6)

  1. フタライド類を有効成分とする甘味含有飲食品の甘味改善剤であって、該甘味含有飲食品が、果実飲料、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料水、コーヒー、茶系飲料、ココア、牛乳、豆乳、乳酸菌飲料、ヨーグルト、ゼリー、プディング、ムース、チルドデザート、洋菓子、和菓子、冷菓、氷菓、ハードキャンディー、ヌガーキャンディー、錠菓、チューインガム、ゼリービーンズ、果実フレーバーソース、チョコレートソース、バタークリーム、生クリーム、ジャム、菓子パン、パン、焼き肉のタレ、焼き鳥のタレ、鰻蒲焼きのタレ、トマトケチャップ、練り製品、レトルト食品、漬け物、及び佃煮からなる群から選ばれる飲食品である、甘味改善剤
  2. 甘味改善が甘味の増強であることを特徴とする請求項1に記載の甘味改善剤。
  3. フタライド類がセダネノライド、セダノライド、3−n―ブチルフタライドおよび3−ブチリデンフタライドから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の甘味改善剤。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の甘味含有飲食品の甘味改善剤を、フタライド類として10ppb〜1%含有することを特徴とする甘味含有飲食品の甘味改善剤組成物であって、該甘味含有飲食品が、果実飲料、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料水、コーヒー、茶系飲料、ココア、牛乳、豆乳、乳酸菌飲料、ヨーグルト、ゼリー、プディング、ムース、チルドデザート、洋菓子、和菓子、冷菓、氷菓、ハードキャンディー、ヌガーキャンディー、錠菓、チューインガム、ゼリービーンズ、果実フレーバーソース、チョコレートソース、バタークリーム、生クリーム、ジャム、菓子パン、パン、焼き肉のタレ、焼き鳥のタレ、鰻蒲焼きのタレ、トマトケチャップ、練り製品、レトルト食品、漬け物、及び佃煮からなる群から選ばれる飲食品である、甘味改善剤組成物
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の甘味改善剤をフタライド類として0.01ppb〜10ppm添加することを特徴とする甘味含有飲食品の甘味改善方法であって、該甘味含有飲食品が、果実飲料、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料水、コーヒー、茶系飲料、ココア、牛乳、豆乳、乳酸菌飲料、ヨーグルト、ゼリー、プディング、ムース、チルドデザート、洋菓子、和菓子、冷菓、氷菓、ハードキャンディー、ヌガーキャンディー、錠菓、チューインガム、ゼリービーンズ、果実フレーバーソース、チョコレートソース、バタークリーム、生クリーム、ジャム、菓子パン、パン、焼き肉のタレ、焼き鳥のタレ、鰻蒲焼きのタレ、トマトケチャップ、練り製品、レトルト食品、漬け物、及び佃煮からなる群から選ばれる飲食品である、甘味改善方法
  6. 請求項4に記載の甘味改善剤組成物をフタライド類として0.01ppb〜10ppm添加することを特徴とする甘味含有飲食品の甘味改善方法であって、該甘味含有飲食品が、果実飲料、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料水、コーヒー、茶系飲料、ココア、牛乳、豆乳、乳酸菌飲料、ヨーグルト、ゼリー、プディング、ムース、チルドデザート、洋菓子、和菓子、冷菓、氷菓、ハードキャンディー、ヌガーキャンディー、錠菓、チューインガム、ゼリービーンズ、果実フレーバーソース、チョコレートソース、バタークリーム、生クリーム、ジャム、菓子パン、パン、焼き肉のタレ、焼き鳥のタレ、鰻蒲焼きのタレ、トマトケチャップ、練り製品、レトルト食品、漬け物、及び佃煮からなる群から選ばれる飲食品である、甘味改善方法
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