JP2005170894A - 肌感触を改善する剤、並びに該剤を含む皮膚用化粧品及び浴用剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、植物由来で、安全性が高く且つ生産コストの安い肌感触を改善する剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 甘蔗由来の蒸留物を有効成分とする、肌感触を改善する剤を提供する。甘蔗由来の蒸留物は、(1)甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料からの蒸留物、(2)甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料からの蒸留物を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理することにより得られる蒸留物、(3)甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理して得た画分からの蒸留物のいずれかの方法を使用して得られる。
【選択図】 なし
【解決手段】 甘蔗由来の蒸留物を有効成分とする、肌感触を改善する剤を提供する。甘蔗由来の蒸留物は、(1)甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料からの蒸留物、(2)甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料からの蒸留物を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理することにより得られる蒸留物、(3)甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理して得た画分からの蒸留物のいずれかの方法を使用して得られる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、安全性に優れ、すべすべした滑らかな状態になるように肌感触を改善する剤に関する。
さらに、本発明は、該剤を含む皮膚用化粧品及び浴用剤組成物に関する。
さらに、本発明は、該剤を含む皮膚用化粧品及び浴用剤組成物に関する。
肌をすべすべした滑らかな状態に保つことは美容上の見地から好まれており、肌感触を改善するための各種方法がこれまでに研究されている。例えば、水溶性カシス抽出物を配合した浴用組成物によりしっとりと滑らかな肌感触が得られることが知られている(特許文献1)。また、低級一価アルコール、水溶性収斂剤及び多価アルコールを含有する化粧料が、ひげそり前後の肌に塗布した時にさらさら感、滑らかな感触等の肌感触改善効果を与えることが知られている(特許文献2)。その他、シリコーン鎖を有するポリマーとヒドロキシ基を有するポリマーを含有し、皮膚に塗布したときに皮膚上で被膜を形成することを特徴とする皮膚化粧料(特許文献3)、側鎖にポリエチレングリコール構造を有するアクリル酸又はメタクリル酸系モノマーを構成単位とする重合体等を配合する化粧料(特許文献4)、カエデ科カエデ属植物の樹液を配合する化粧料(特許文献5)等が知られており、これらは肌の水分保湿状態の向上によって肌感触を改善するといわれている。
従来の上記方法では肌へ適用時の使用感が改善されているものの、保湿効果を付与する目的で付与した成分により、僅かなべたつきを感じたり又は僅かにべたつきが残り、或いは配合によっては不快な残留物が発生する場合があるなどの欠点がある。また、天然物抽出物においてはその原料入手が困難であること、精製過程が煩雑なこと等により生産コストが高くなるという欠点がある。さらに、近年では肌への刺激が考えられる表示指定成分や香料、合成色素等の悪影響が懸念されていることから、機能面だけでなく、安全且つ安心して使用することのできる化粧品用の素材が切望されている。
そこで、本発明は、植物由来で、安全性が高く且つ生産コストの安い肌感触を改善する剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するためにヒトに対して安全であり且つ低コストでできる肌感触を改善する剤について鋭意研究を重ねた結果、意外にも甘蔗由来の蒸留物が肌感触を改善する効果を有することを見出した。すなわち、本発明は、甘蔗由来の蒸留物を有効成分とする、肌感触を改善する剤(以下、「本発明の剤」という)を提供する。本発明の剤は、甘蔗由来の蒸留物を有効成分とすることから、安全性が高い。また、本発明の剤は、砂糖を製造する工程を利用できることから、低コストである。
また、本発明は、該剤を含む皮膚用化粧品、浴用剤組成物を提供する。
また、本発明は、該剤を含む皮膚用化粧品、浴用剤組成物を提供する。
本発明によれば、甘蔗由来の蒸留物を有効成分とする剤を肌に塗布などによって適用することにより、肌の感触をすべすべした滑らかな状態になるように改善することができる。しかも、本発明の剤は、植物由来であり、且つ古来よりヒトがそのままかじっていた甘蔗、飲用にしていた甘蔗汁などの天然の飲食物中に存在している成分である。従って、本発明の剤は、ヒトの健康を害することなく安全である。
以下に本発明を説明する。なお、本発明において特に限定していない場合、「部」は「重量部」を意味する。
本発明でいう「肌感触」とは、「すべすべ」又は「滑らか」と表現される感触をいう。「すべすべ」又は「滑らか」とは肌に高い平滑性を与え、すべすべした又は滑らかな感触を与える様態をいう。本発明でいう「肌感触を改善する」とは、「すべすべ」又は「滑らか」と表現される肌感触を改善し或いは向上することを意味する。
本発明の剤は、甘蔗由来の蒸留物を有効成分として含む。
甘蔗由来の蒸留物の1の実施態様は、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料からの蒸留物である(甘蔗由来の蒸留物1)。甘蔗由来の蒸留物の別の実施態様は、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料からの蒸留物を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理することにより得られる成分である(甘蔗由来の蒸留物2)。さらに甘蔗由来の蒸留物の他の実施態様は、上記操作を逆の順序に行う。すなわち、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理して得た画分からの蒸留物である(甘蔗由来の蒸留物3)。
甘蔗由来の蒸留物の1の実施態様は、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料からの蒸留物である(甘蔗由来の蒸留物1)。甘蔗由来の蒸留物の別の実施態様は、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料からの蒸留物を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理することにより得られる成分である(甘蔗由来の蒸留物2)。さらに甘蔗由来の蒸留物の他の実施態様は、上記操作を逆の順序に行う。すなわち、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理して得た画分からの蒸留物である(甘蔗由来の蒸留物3)。
上記した甘蔗由来の蒸留物1〜3は、具体的には次のように夫々処理して得ることができる。
なお、「甘蔗汁」は、甘蔗(サトウキビ)を圧搾して得られる圧搾汁、甘蔗を水で浸出して得られる浸出汁、又は原糖製造工場における石灰処理した清浄汁及び濃縮汁を包含する。「甘蔗の溶媒抽出物」とは、甘蔗を汎用の有機溶媒で抽出した抽出液を意味する。有機溶媒としては、例えばメタノールやエタノールなどのアルコール類が挙げられ、これらを単独でも組み合わせて使用しても良く、さらにこれらの溶媒と水を組み合わせて使用しても良い。
また、本発明でいう蒸留とは、乾燥固形分と目的とする成分を分けるための操作を意味する。
なお、「甘蔗汁」は、甘蔗(サトウキビ)を圧搾して得られる圧搾汁、甘蔗を水で浸出して得られる浸出汁、又は原糖製造工場における石灰処理した清浄汁及び濃縮汁を包含する。「甘蔗の溶媒抽出物」とは、甘蔗を汎用の有機溶媒で抽出した抽出液を意味する。有機溶媒としては、例えばメタノールやエタノールなどのアルコール類が挙げられ、これらを単独でも組み合わせて使用しても良く、さらにこれらの溶媒と水を組み合わせて使用しても良い。
また、本発明でいう蒸留とは、乾燥固形分と目的とする成分を分けるための操作を意味する。
甘蔗由来の蒸留物1
甘蔗由来の蒸留物は、好ましくは甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を、蒸留装置または蒸発装置などを使用することにより回収することができる。蒸留は、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を、加熱装置を持つタンクに入れ加熱し、蒸気を集めることによりおこなう。集められた蒸気は、甘蔗由来の蒸留物を含み、液体としてまたはそのまま気体として回収され得る。蒸留装置は、加熱装置を持ち、蒸気を冷却し液体で、または蒸気をそのまま気体として回収できるあらゆる装置が使用できる。
甘蔗由来の蒸留物は、好ましくは甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を、蒸留装置または蒸発装置などを使用することにより回収することができる。蒸留は、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を、加熱装置を持つタンクに入れ加熱し、蒸気を集めることによりおこなう。集められた蒸気は、甘蔗由来の蒸留物を含み、液体としてまたはそのまま気体として回収され得る。蒸留装置は、加熱装置を持ち、蒸気を冷却し液体で、または蒸気をそのまま気体として回収できるあらゆる装置が使用できる。
蒸留条件は、50℃〜120℃の温度で、好ましくは80℃〜120℃の温度で甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料が沸騰する圧力下で行うことができる。好ましくは、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を450〜1450mmHg圧力下で加熱し、85〜120℃で蒸留する。
具体的には、本発明の蒸留物は、例えば甘蔗汁を118℃(0.9kg/cm2加圧下、すなわち1425mmHg)〜110℃(0.3kg/cm2加圧下、すなわち980mmHg)で蒸留することができる。また、異なる蒸留条件、例えば甘蔗汁を87℃(300mmHg減圧下、すなわち460mmHg)〜100℃(常圧、すなわち760mmHg)で蒸留することができる。
具体的には、本発明の蒸留物は、例えば甘蔗汁を118℃(0.9kg/cm2加圧下、すなわち1425mmHg)〜110℃(0.3kg/cm2加圧下、すなわち980mmHg)で蒸留することができる。また、異なる蒸留条件、例えば甘蔗汁を87℃(300mmHg減圧下、すなわち460mmHg)〜100℃(常圧、すなわち760mmHg)で蒸留することができる。
圧力は、抽出に用いる溶媒(水、メタノール、エタノール)及び溶媒の組み合わせの比率、並びに蒸留工程で用いる装置等に応じて適宜調整される。例えば、抽出溶媒に水を用いて、遠心式薄膜真空蒸発装置、冷却管を接続したフラスコ、または蒸留機を用いて蒸留する場合には、70〜105℃において、240mmHg〜常圧である。これより低い温度および圧力にて蒸留を行うことも可能である。しかしながら、液体として蒸気を回収したい場合には、温度を低くするとそれだけ高い減圧条件にする必要があり、またトラップ内において蒸留温度以下で蒸留物を凝縮させる必要があるので、装置等にコストがかかりすぎる。したがって、実験室においてはこの条件での操作は可能であるが、工業的には適さない。
蒸留装置としては、例えば、実験室内においては冷却管などに接続したフラスコが、工場においては濃縮缶、結晶缶、効用缶等が用いられる。これら温度及び圧力条件を調節することにより、蒸留物中の肌感触の改善に有効成分と水の割合(水が含まれる場合には)を変化させ、希望する濃度の有効成分を含む本発明の剤を得ることができる。得られた蒸留物は、そのまま気体もしくは液体として、または適当な溶媒例えば水で適当な濃度に希釈して、本発明の剤として用いることができ、または賦形剤に添加して、本発明の剤として用いることができる。
上記のようにして得られた甘蔗由来の蒸留物(液体又は気体の態様でもよい)は、有効成分をさらに濃縮する目的で、カラムクロマトグラフィー処理を行うことができる(甘蔗由来の蒸留物2)。
上記甘蔗由来の蒸留物2を得る上で使用するカラムクロマトグラフィー処理の方法について、以下に述べる。
甘蔗由来の蒸留物1(液体または気体でもよい)または甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料は、そのまま、または水で任意の濃度に調整して、固定担体を充填したカラムに通液することができる。甘蔗汁の場合、Bx(ブリックス)5〜30の濃度に調整することが好ましい。また、甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料の場合、Bx5〜30の濃度に調整することが好ましい。なお甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料は、異物除去のために、カラムで処理する前に、ろ過することが望ましい。ろ過の手法は特に限定されず、食品工業で広く使用されているスクリーンろ過、ケイソウ土ろ過、精密ろ過、限外ろ過等の手段を好ましく使用できる。
固定担体としては、合成吸着剤が好ましい。合成吸着剤としては、好ましくは有機系樹脂を用いることができ、例えば、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、アクリロニトリル脂肪族系樹脂等が使用できる。また、このような合成吸着剤は市販されており、例えばダイヤイオン(商標)系としてHP−10、HP−20、HP−21、HP−30、HP−40、HP−50(以上、無置換基型の芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−825、SP−800、SP−850、SP−875、SP−70、SP−700(以上、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−900(芳香族系樹脂、商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト(商標)として、XAD−2、XAD−4、XAD−16、XAD−2000(以上、芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイヤイオン(商標)系として、SP−205、SP−206、SP−207(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);HP−2MG、EX−0021(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト(商標)系として、XAD−7HP、XAD−8(以上、アクリル酸系エステル樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイヤイオン(商標)系として、HP1MG、HP2MG(以上、アクリル酸系メタクリル樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);セファデックス(商標)系としてLH20、LH60(以上、架橋デキストランの誘導体、いずれも商品名、ファルマシア バイオテク株式会社製)などが挙げられる。通液対象物の濃度、溶媒、抽出法、共存物などにより適する合成吸着剤の種類は異なるため、適宜選択を行うことができる。
固定担体の量は、カラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類等によって変化する。例えば甘蔗由来の剤(液体)を使用する場合には、固定担体の1.5〜20,000倍の蒸留物を通液し、有効成分を固定担体に吸着させる。したがって、通液しようとする蒸留物の1.5〜20,000分の1の湿潤体積量の固定担体を使用するのが好ましい。また、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を使用する場合には、その固形分に対して、0.01〜5倍湿潤体積量の固定担体を使用するのが好ましい。
通液対象物(甘蔗由来の液体状蒸留物または甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料)を上記カラムに通すことにより、通液対象物中の肌感触を改善する剤の有効成分は固定担体に吸着される。通液量及び通液速度は、甘蔗由来の蒸留物の蒸留方法、または甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料のうち、何を原料とするかによって異なる。また、通液対象となる液体がアルコールを含む場合には、この液体を水で希釈してからカラムクロマトグラフィーに通液する必要がある。通液対象物をカラムに通液した後、不純物除去のためカラムを水洗し、樹脂に吸着されずにカラム内に残存している成分を除去することが好ましい。
固定担体に吸着された成分は、溶媒により溶出する。溶出溶媒は、水、メタノール、エタノール及びこれらの混合物から選ばれる。溶出溶媒は水とアルコールの混合溶媒、特にエタノール−水混合溶媒が好ましい。更に、室温において効率よく目的の効果を有する成分を溶出できるので、50/50〜99.5/0.5(体積/体積)エタノール−水混合溶媒が好ましい。このように、本発明の効果を有する成分は、前記溶媒で溶出される画分に存在する。溶出速度はカラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類等によって変化するので特に限定されないが、SV=0.1〜10hr−1で溶出し、樹脂の6倍湿潤体積量以内に溶出する溶出液を回収するのが好ましい。なお、SV(Space Velocity、空間速度)は、1時間あたり樹脂容積の何倍量の液体を通液するかという単位である。
カラムクロマトグラフィー処理は、これに限定されるものではないが、好ましくは次のようにして行うことができる。すなわち、無置換基型の芳香族系樹脂あるいはアクリル酸系エステル樹脂を充填したカラムに、カラム温度60〜97℃にて通液対象物を通液した後、カラム内を水洗し、次いでカラムに吸着されている成分を、カラム温度20〜40℃にて50/50〜99.5/0.5(体積/体積)エタノール−水混合溶媒で溶出させ、エタノール−水混合溶媒での溶出開始時点から集めた溶出液の量が前記樹脂の6倍湿潤体積量以内に溶出する溶出液を回収する。かくしてカラムから得られた溶出液(溶出溶媒を含む)は、肌感触を改善する剤としてそのまま使用できる。
次に、甘蔗由来の蒸留物を気体のままカラムクロマトグラフィー処理する場合について述べる。
ゼオライト系吸着剤、活性炭、カーボンブラック、アルミナ、シリカゲルなどの多孔質吸着材、高分子吸着剤の多孔質または繊維状吸着剤、セラミック系多孔質吸着剤を充填したカラムを、蒸留装置の蒸気出口に接続し、蒸気をカラム内に通過させる。吸着した成分の回収は、カラムに蒸留時の温度より高い温度をかけ、またはカラム内圧を減少させることにより脱着回収することができる。この温度と圧力は、選択した吸着剤の種類により異なる。この場合、カラム処理により得られた成分は気体でカラムから出てくるが、トラップで冷却し、液体にすることもできる。かくして得られたカラム処理後の液体は、本発明の剤としてそのまま使用できる。
ゼオライト系吸着剤、活性炭、カーボンブラック、アルミナ、シリカゲルなどの多孔質吸着材、高分子吸着剤の多孔質または繊維状吸着剤、セラミック系多孔質吸着剤を充填したカラムを、蒸留装置の蒸気出口に接続し、蒸気をカラム内に通過させる。吸着した成分の回収は、カラムに蒸留時の温度より高い温度をかけ、またはカラム内圧を減少させることにより脱着回収することができる。この温度と圧力は、選択した吸着剤の種類により異なる。この場合、カラム処理により得られた成分は気体でカラムから出てくるが、トラップで冷却し、液体にすることもできる。かくして得られたカラム処理後の液体は、本発明の剤としてそのまま使用できる。
また、カラムに吸着した成分は、エタノールやメタノールのようなアルコール類やその他の有機溶媒をカラム内に通すことにより、有効成分を脱着回収して溶出液を得ることができる。かくして得られた該溶出液(溶出溶媒を含む)は、本発明の剤としてそのまま使用できる。
次に、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで先に処理して得た画分を、上記した条件でその後蒸留又は蒸発することにより甘蔗由来の蒸留物を得ることができる(甘蔗由来の蒸留物3)。
カラムクロマトグラフィー処理の方法は前記したとおりである。蒸留条件は、50℃〜120℃の温度で、カラムクロマトグラフィーで得た画分が沸騰する圧力下で行うことができる。好ましくは70℃〜120℃の温度で、カラムクロマトグラフィーで得た画分が沸騰する圧力下で行うことができる。さらに、好ましくは、常圧下、70〜100℃の間に留出することにより得られる成分を回収する。或いは、450〜1450mmHgの圧力下で加熱し、85〜120℃の間に留出することにより得られる成分を回収する。
カラムクロマトグラフィー処理の方法は前記したとおりである。蒸留条件は、50℃〜120℃の温度で、カラムクロマトグラフィーで得た画分が沸騰する圧力下で行うことができる。好ましくは70℃〜120℃の温度で、カラムクロマトグラフィーで得た画分が沸騰する圧力下で行うことができる。さらに、好ましくは、常圧下、70〜100℃の間に留出することにより得られる成分を回収する。或いは、450〜1450mmHgの圧力下で加熱し、85〜120℃の間に留出することにより得られる成分を回収する。
本発明の剤は上記した通り液体で回収される。本発明の剤は、該液体をそのまま使用してもよく、または精製水、グリセリン水溶液、エタノール水溶液などに希釈して使用してもよい。本発明の剤は、常温もしくは冷蔵、冷凍で保存する。
本発明の剤は、皮膚用化粧品に添加して使用することができる。皮膚用化粧品は、化粧水、化粧液、クリーム、乳液、洗顔料、フェイシャルリンス、パック、その他の皮膚用化粧品に大きく分けられる。化粧液は、保湿液、美容液を含む。クリームは、シェービングクリーム、日やけ用クリーム、日やけ止め用クリームを含む。乳液は、シェービングミルク、日やけ用乳液、日やけ止め乳液、乳液を含む。洗顔料は、クレンジングクリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、洗顔クリーム、洗粉、洗顔料を含む。パックは、マスク・パックを含む。その他の皮膚用化粧品として、ボディリンスが含まれる。本発明の皮膚用化粧品は、本発明の剤の他に、他の肌感触を改善する効果を有する剤、香料、アルコールなどを含んでもよい。
皮膚用化粧品の種類によっても異なるが、例えば下記で述べる製造例2の剤の場合、皮膚用化粧品100部中、0.01部〜20部、好ましくは0.1部〜10部、さらに好ましくは0.2部〜5部含むことができる。
また、本発明の剤は、浴用剤組成物(バスプロダクツ)に添加して使用することができる。本発明の剤は、例えば下記で述べる製造例2の剤の場合、浴用剤組成物100部中、0.01部以上、好ましくは0.1部以上、さらに好ましくは1部以上含むことができる。該浴用剤組成物は、無機塩類、無機酸類、有機酸類、多価アルコール類、香料類など通常入浴剤に用いられるような各種成分を必要に応じて含む。
また、本発明の剤を含む皮膚用化粧品の使用形態は特に限定されず、例えば以下の様な形態で使用することができる。
塗布用として液状・ゲル状・ペースト状、及び紙・不織布にしみ込ませたシート状として使用できる。また、液状である皮膚用化粧品を容器に入れ、スポンジ・布などの液体を浸透させる媒体を容器中の皮膚用化粧品に一部接触させ、浸透した皮膚用化粧品を肌に塗布して使用する。さらに、液状である皮膚用化粧品をスプレー容器に入れ、肌にスプレー噴霧して使用する。
塗布用として液状・ゲル状・ペースト状、及び紙・不織布にしみ込ませたシート状として使用できる。また、液状である皮膚用化粧品を容器に入れ、スポンジ・布などの液体を浸透させる媒体を容器中の皮膚用化粧品に一部接触させ、浸透した皮膚用化粧品を肌に塗布して使用する。さらに、液状である皮膚用化粧品をスプレー容器に入れ、肌にスプレー噴霧して使用する。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されない。
[実施例]
製造例1
原糖工場の製造工程にて得られた甘蔗の圧搾汁(Bx.12.2)2800リットルを250リットル/時の速度で遠心式薄膜真空蒸発装置(商品名:エバポールCEP−1、大川原製作所株式会社)に供給し、260mmHgの減圧下(すなわち500mmHg)〜130mmHgの減圧下(すなわち630mmHg)、温度90〜95℃で留出する成分を、冷却水温25℃、冷却水量15m3/時間、コンデンサ面積2m2の条件下でコンデンサにて冷却し、連続して集めた。原料圧搾汁が約2400リットル、Bx.13.9になったとき、蒸留を終了し、約400リットルの本発明の剤を得た(製造例1の剤)。該剤は、ほぼ無色透明な液体であった。
製造例1
原糖工場の製造工程にて得られた甘蔗の圧搾汁(Bx.12.2)2800リットルを250リットル/時の速度で遠心式薄膜真空蒸発装置(商品名:エバポールCEP−1、大川原製作所株式会社)に供給し、260mmHgの減圧下(すなわち500mmHg)〜130mmHgの減圧下(すなわち630mmHg)、温度90〜95℃で留出する成分を、冷却水温25℃、冷却水量15m3/時間、コンデンサ面積2m2の条件下でコンデンサにて冷却し、連続して集めた。原料圧搾汁が約2400リットル、Bx.13.9になったとき、蒸留を終了し、約400リットルの本発明の剤を得た(製造例1の剤)。該剤は、ほぼ無色透明な液体であった。
製造例2
製造例1の剤の約400リットルを、アンバーライトXAD7HP(商品名、オルガノ株式会社)40mlを充填したカラム(カラムサイズ:内径2.6cm、高さ20cm)に、SV=75hr−1の流速で通液した。通液終了後、約5分間、同じ流速で水洗した。吸着された成分を、80%エタノール水溶液(エタノール/水=80/20(体積/体積))で溶出した。SV=2hr−1の流速で通液し、はじめの25mlの溶出液は捨て、溶出液の回収を開始した。80%エタノール水溶液80mlを通液した後は、成分の押し出しのため蒸留水を同じ速度で通液し、回収溶出液の量が100mlになった時点で溶出を終了し、本発明の剤を得た(製造例2の剤)。該剤は、若干レモン色をした透明な液体であり、pH 7.2、エタノール60%(体積/体積)であった。エタノール濃度は、アルコール濃度計(YSA−200、矢崎計器株式会社)で測定した。
製造例1の剤の約400リットルを、アンバーライトXAD7HP(商品名、オルガノ株式会社)40mlを充填したカラム(カラムサイズ:内径2.6cm、高さ20cm)に、SV=75hr−1の流速で通液した。通液終了後、約5分間、同じ流速で水洗した。吸着された成分を、80%エタノール水溶液(エタノール/水=80/20(体積/体積))で溶出した。SV=2hr−1の流速で通液し、はじめの25mlの溶出液は捨て、溶出液の回収を開始した。80%エタノール水溶液80mlを通液した後は、成分の押し出しのため蒸留水を同じ速度で通液し、回収溶出液の量が100mlになった時点で溶出を終了し、本発明の剤を得た(製造例2の剤)。該剤は、若干レモン色をした透明な液体であり、pH 7.2、エタノール60%(体積/体積)であった。エタノール濃度は、アルコール濃度計(YSA−200、矢崎計器株式会社)で測定した。
製造例3
原糖製造工場の製造工程にて得られた甘蔗の圧搾汁(Bx.12.5)を、ジュースヒーターで80℃に加温し、管型限外濾過(MH−25)で濾過処理して、約750リットルの処理液を得た。
合成吸着剤SP−850(商品名、三菱化学株式会社)15Lをウォータージャケット付きのカラム(カラムサイズ:内径17.0cm、高さ100cm)に充填し、これに前記の圧搾汁濾過処理液を、SV=5hr−1の流速で通液した。なお、圧搾汁濾過液通液中は、ウォータージャケットには、65℃の水を常に循環させた。通液終了後、同じ流速で、溶出液のブリックスが0.1になるまで水洗した。その後、55%エタノール水溶液(エタノール/水=55/45(体積/体積))をSV=2hr−1にて通液し、吸着成分を溶出させた。溶出溶媒通液中は、ウォータージャケットには25℃の水を常に循環させた。はじめの樹脂容量分の溶出液は捨て、エタノールが溶出され始めたら、溶出液の回収を開始した。55%エタノール水溶液30リットルを通液した後は、蒸留水を同じ速度で通液し、溶出液のエタノール濃度が約10%になるまで溶出液を回収した。回収された溶出液は、茶褐色で、エタノール濃度が37.5%(体積/体積)、約45リットルであった。エタノール濃度は、アルコール濃度計(YSA−200、矢崎計器株式会社)で測定した。
得られた溶出液を、溶剤単蒸留装置(AS−10型、清水理化学機器製作所株式会社)を用い、常圧下で蒸留し、温度70〜100℃にて留出した成分を、20℃前後の水道水で冷却することにより回収して、約30リットルの本発明の剤を得た(製造例3の剤)。該剤は、薄い黄緑色の透明な液体であり、エタノール濃度48%(体積/体積)であった。エタノール濃度は、アルコール濃度計(YSA−200、矢崎計器株式会社)で測定した。
原糖製造工場の製造工程にて得られた甘蔗の圧搾汁(Bx.12.5)を、ジュースヒーターで80℃に加温し、管型限外濾過(MH−25)で濾過処理して、約750リットルの処理液を得た。
合成吸着剤SP−850(商品名、三菱化学株式会社)15Lをウォータージャケット付きのカラム(カラムサイズ:内径17.0cm、高さ100cm)に充填し、これに前記の圧搾汁濾過処理液を、SV=5hr−1の流速で通液した。なお、圧搾汁濾過液通液中は、ウォータージャケットには、65℃の水を常に循環させた。通液終了後、同じ流速で、溶出液のブリックスが0.1になるまで水洗した。その後、55%エタノール水溶液(エタノール/水=55/45(体積/体積))をSV=2hr−1にて通液し、吸着成分を溶出させた。溶出溶媒通液中は、ウォータージャケットには25℃の水を常に循環させた。はじめの樹脂容量分の溶出液は捨て、エタノールが溶出され始めたら、溶出液の回収を開始した。55%エタノール水溶液30リットルを通液した後は、蒸留水を同じ速度で通液し、溶出液のエタノール濃度が約10%になるまで溶出液を回収した。回収された溶出液は、茶褐色で、エタノール濃度が37.5%(体積/体積)、約45リットルであった。エタノール濃度は、アルコール濃度計(YSA−200、矢崎計器株式会社)で測定した。
得られた溶出液を、溶剤単蒸留装置(AS−10型、清水理化学機器製作所株式会社)を用い、常圧下で蒸留し、温度70〜100℃にて留出した成分を、20℃前後の水道水で冷却することにより回収して、約30リットルの本発明の剤を得た(製造例3の剤)。該剤は、薄い黄緑色の透明な液体であり、エタノール濃度48%(体積/体積)であった。エタノール濃度は、アルコール濃度計(YSA−200、矢崎計器株式会社)で測定した。
[試験例]
製造例2の剤の皮膚一次刺激性試験
製造例2の剤(以下、試験品1)及び該剤を60%(体積/体積)エタノール水溶液を使用して3倍希釈した剤(以下、試験品2)、60%(体積/体積)エタノール水溶液(以下、対照品)を使用し、ウサギを用いた皮膚一次刺激性試験を行った。日本白色種雄性ウサギ3匹を使用し、試験前に電気バリカンでこれらの背部を除毛してヘアーサイクルを観察し、いずれの個体においても皮膚状態が良好であることを確認した。飼育条件は、温度22±2℃、湿度55±15%、照明1日12時間、換気回数10〜15回/時間であり、固形飼料(製品名RC4、オリエンタル酵母工業株式会社)150g/日、飲料水は自由に摂取させて飼育した。
サンプルの塗布はOECDガイドライン(No.404,1992年)に準じて実施した。塗布前日に電気バリカンで除毛した3匹のウサギの背部に2.5×2.5cmの塗布区画4ヶ所設定し、その内の3ヶ所に各試験品、対照品を夫々0.5ml塗布し、残りの1ヶ所には何も塗布しなかった。塗布区画の上から2.5×2.5cmに裁断したガーゼ及び絆創膏の貼り付けを夫々行った。さらに、布製カバー及びチューブ型ネット包帯で被覆固定した。塗布後4時間終了後に貼付用絆創膏、ガーゼを除去し、塗布部位を微温湯にて清拭した。
刺激性の判定は、塗布前、ガーゼを除去後1、24、48、72時間に肉眼的判定を行い、OECDガイドラインの判定基準に準拠して塗布部位の紅斑(痂皮形成)及び浮腫についてそれぞれ評価した。また、ISO10993-10(1995年)で提唱された基準に準じて、24、48及び72時間の評価により一次刺激指数(紅斑(痂皮形成)及び浮腫の合計評点の平均値)を算出し、得られた一次刺激指数から試験品の刺激性の強度を判定した。結果を以下の表1に示す。
製造例2の剤の皮膚一次刺激性試験
製造例2の剤(以下、試験品1)及び該剤を60%(体積/体積)エタノール水溶液を使用して3倍希釈した剤(以下、試験品2)、60%(体積/体積)エタノール水溶液(以下、対照品)を使用し、ウサギを用いた皮膚一次刺激性試験を行った。日本白色種雄性ウサギ3匹を使用し、試験前に電気バリカンでこれらの背部を除毛してヘアーサイクルを観察し、いずれの個体においても皮膚状態が良好であることを確認した。飼育条件は、温度22±2℃、湿度55±15%、照明1日12時間、換気回数10〜15回/時間であり、固形飼料(製品名RC4、オリエンタル酵母工業株式会社)150g/日、飲料水は自由に摂取させて飼育した。
サンプルの塗布はOECDガイドライン(No.404,1992年)に準じて実施した。塗布前日に電気バリカンで除毛した3匹のウサギの背部に2.5×2.5cmの塗布区画4ヶ所設定し、その内の3ヶ所に各試験品、対照品を夫々0.5ml塗布し、残りの1ヶ所には何も塗布しなかった。塗布区画の上から2.5×2.5cmに裁断したガーゼ及び絆創膏の貼り付けを夫々行った。さらに、布製カバー及びチューブ型ネット包帯で被覆固定した。塗布後4時間終了後に貼付用絆創膏、ガーゼを除去し、塗布部位を微温湯にて清拭した。
刺激性の判定は、塗布前、ガーゼを除去後1、24、48、72時間に肉眼的判定を行い、OECDガイドラインの判定基準に準拠して塗布部位の紅斑(痂皮形成)及び浮腫についてそれぞれ評価した。また、ISO10993-10(1995年)で提唱された基準に準じて、24、48及び72時間の評価により一次刺激指数(紅斑(痂皮形成)及び浮腫の合計評点の平均値)を算出し、得られた一次刺激指数から試験品の刺激性の強度を判定した。結果を以下の表1に示す。
試験品1及び試験品2を塗布したいずれの箇所においても、全観察期間を通じて刺激性反応は認められなかった。従って、試験品1及び試験品2の一次刺激指数は0.0と算出され、刺激性はNegligibleと判定された。また、60%エタノール水溶液を塗布した箇所、何も塗布しなかった箇所についても、全観察期間を通じて刺激性反応は認められなかった。以上の結果より、製造例2の剤及び製造例2の剤を希釈した剤はウサギの皮膚に対して刺激性を持たないものと考えられた。
(化粧水)
以下の表2に示す配合成分Aをエタノールに混合・溶解し、これをエタノール相とした。また以下の表2に示す配合成分Bを精製水に混合・溶解し、水相とした。その後、エタノール相と水相とをホモミキサー(株式会社 日本精機製作所製)に入れ混合し、化粧水を製造した。
以下の表2に示す配合成分Aをエタノールに混合・溶解し、これをエタノール相とした。また以下の表2に示す配合成分Bを精製水に混合・溶解し、水相とした。その後、エタノール相と水相とをホモミキサー(株式会社 日本精機製作所製)に入れ混合し、化粧水を製造した。
[比較例1]
実施例1の化粧水において、製造例2の剤の代わりに精製水を用いて、実施例1と同様にして化粧水を製造した。
実施例1の化粧水において、製造例2の剤の代わりに精製水を用いて、実施例1と同様にして化粧水を製造した。
[評価]
実施例1の化粧水と比較例1の化粧水を夫々ヒトの肌に塗布し、塗布前後の肌感触の変化を評価した。その結果、比較例1の化粧水の場合、ややべとつきのある肌感触であったが、実施例1の化粧水の場合、すべすべの滑らかな肌感触に変化した。
実施例1の化粧水と比較例1の化粧水を夫々ヒトの肌に塗布し、塗布前後の肌感触の変化を評価した。その結果、比較例1の化粧水の場合、ややべとつきのある肌感触であったが、実施例1の化粧水の場合、すべすべの滑らかな肌感触に変化した。
(クリーム)
以下に表3に示す配合成分Aを加温しながら精製水に溶解し、すべて溶解したら75℃に保ち、これを水相とした。以下に表3に示す配合成分Bを加熱溶解し、すべて溶解したら75℃に保ち、これを油相とした。両相を75℃に保ったまま、水相に油相を徐々に加えながら、ホモミキサー(株式会社 日本精機製作所製)で攪拌して、均一に乳化した。その後、該乳化したものをかき混ぜながら30℃まで冷却して、クリームを製造した。
以下に表3に示す配合成分Aを加温しながら精製水に溶解し、すべて溶解したら75℃に保ち、これを水相とした。以下に表3に示す配合成分Bを加熱溶解し、すべて溶解したら75℃に保ち、これを油相とした。両相を75℃に保ったまま、水相に油相を徐々に加えながら、ホモミキサー(株式会社 日本精機製作所製)で攪拌して、均一に乳化した。その後、該乳化したものをかき混ぜながら30℃まで冷却して、クリームを製造した。
[比較例2]
実施例2のクリームにおいて、製造例2の剤の代わりに精製水を用いて、実施例2と同様にしてクリームを製造した。
実施例2のクリームにおいて、製造例2の剤の代わりに精製水を用いて、実施例2と同様にしてクリームを製造した。
[評価]
実施例2のクリーム及び比較例2のクリームを5人のヒトの肌に夫々塗布し、塗布前後の肌感触の変化を評価した。その結果、比較例2のクリームの場合、4人が肌がややべたつく、1人がべたつくと回答した。実施例2のクリームの場合、4人がべたつきのないすべすべの滑らかな肌感触に変化したと回答した。
実施例2のクリーム及び比較例2のクリームを5人のヒトの肌に夫々塗布し、塗布前後の肌感触の変化を評価した。その結果、比較例2のクリームの場合、4人が肌がややべたつく、1人がべたつくと回答した。実施例2のクリームの場合、4人がべたつきのないすべすべの滑らかな肌感触に変化したと回答した。
製造例1乃至3のいずれかの剤を含む、表4に示す浴用剤組成物(A〜C)を常法により調製した。
[比較例3]
実施例3の浴用組成物において、製造例1〜3の剤の代わりに99.5%(体積/体積)エタノールを用い、実施例3と同様にして浴用組成物を製造した。
実施例3の浴用組成物において、製造例1〜3の剤の代わりに99.5%(体積/体積)エタノールを用い、実施例3と同様にして浴用組成物を製造した。
[評価]
浴用剤組成物A〜C、比較例3の浴用組成物 40gを40℃、160Lの浴湯に夫々添加して、よく撹拌、混合した。被験者6名を5分間それぞれの浴湯に入浴させ、入浴後の肌感触の改善効果を以下の評価基準により判定し、その平均点で示した。
5点:非常にすべすべする
4点:よくすべすべする
3点:すべすべする
2点:変化なし
1点:べとべとする
4点:よくすべすべする
3点:すべすべする
2点:変化なし
1点:べとべとする
その結果、浴用剤組成物A〜Cの評価は、夫々4.2、4.5、4.3であった。一方、比較例3の浴用組成物の評価は、2.7であった。従って、浴用剤組成物A〜Cはいずれも、肌の感触を改善する効果に優れていることがわかる。
32歳から53歳までの健康な男性8名、女性2名を被験者として選んだ。製造例2の剤をエタノール濃度20%(体積/体積)になるように水とエタノールを用いて3倍希釈した。この溶液を脱脂綿に適量含ませて肌に塗布し、水分が乾いた(10分後)の肌感触の改善効果を評価した。10人中、9人(男性7名、女性2名)は、肌がすべすべの滑らかな状態になったと回答した。
32歳から53歳までの健康な男性7人、女性1人を被験者として選んだ。製造例1の剤を4リットル容水槽に、液温を40度に調整・維持した。各被験者は腕を液に2分間浸した後、乾燥タオルにて通常の方法で肌を拭い取り、3分後の肌表面を手で前後に軽く擦り、使用後の肌感触の改善効果(肌のすべすべ感)について評価を行った。その結果、8人中、7人が「非常にすべすべしている」、1人が「すべすべしている」、1人が「効果無し」と回答した。
Claims (11)
- 甘蔗由来の蒸留物を有効成分とする、肌感触を改善する剤。
- 甘蔗由来の蒸留物が、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料からの蒸留物である、請求項1記載の肌感触を改善する剤。
- 甘蔗由来の蒸留物が、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料からの蒸留物を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理することにより得られる成分である、請求項1記載の肌感触を改善する剤。
- 前記カラムクロマトグラフィー処理が、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料からの蒸留物を、固定担体としての合成吸着剤を充填したカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノール及びこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出する処理である、請求項3記載の肌感触を改善する剤。
- 甘蔗由来の蒸留物が、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を450〜1450mmHg圧力下で加熱し、85〜120℃の間に留出する成分である、請求項1〜4のいずれか一項記載の肌感触を改善する剤。
- 甘蔗由来の蒸留物が、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理して得た画分からの蒸留物である、請求項1記載の肌感触を改善する剤。
- 前記カラムクロマトグラフィー処理が、甘蔗汁および甘蔗の溶媒抽出物から選ばれる原料を、固定担体としての合成吸着剤を充填したカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノール及びこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出する処理である、請求項6記載の肌感触を改善する剤。
- 甘蔗由来の蒸留物が、カラムクロマトグラフィーで処理して得た画分を、450〜1450mmHgの圧力下で加熱し、85〜120℃の間に留出する成分である、請求項6〜7のいずれか記載の肌感触を改善する剤。
- 請求項1〜8のいずれか一項記載の剤を含む皮膚用化粧品。
- 前記皮膚用化粧品が、化粧水、化粧液、クリーム、乳液、洗顔料、フェイシャルリンス、パック、ボディリンスのいずれかである、請求項9記載の皮膚用化粧品。
- 請求項1〜8のいずれか一項記載の剤を含む浴用剤組成物。
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JP2003415714A JP2005170894A (ja) | 2003-12-12 | 2003-12-12 | 肌感触を改善する剤、並びに該剤を含む皮膚用化粧品及び浴用剤組成物 |
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---|---|---|---|---|
WO2015152271A1 (ja) * | 2014-03-31 | 2015-10-08 | 三井製糖株式会社 | 風味向上剤、香料組成物及びこれらを含有する飲食品 |
KR101916095B1 (ko) * | 2017-03-31 | 2018-11-07 | 코스맥스 주식회사 | 탄산마스크 시트, 이의 제조 방법 및 이를 위한 탄산파우더 분산 용액 |
JP2019085379A (ja) * | 2017-11-09 | 2019-06-06 | 三井製糖株式会社 | 髪質改善用組成物 |
US20220296496A1 (en) * | 2011-04-06 | 2022-09-22 | Mary Kay Inc. | Topical skin care formulations comprising plant extracts |
-
2003
- 2003-12-12 JP JP2003415714A patent/JP2005170894A/ja active Pending
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