JP2022002471A - 茶飲料用香味改善剤およびその製造方法 - Google Patents

茶飲料用香味改善剤およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】茶飲料の呈味に影響を及ぼすことなく、茶飲料の殺菌時に発生する加熱臭を抑制または低減することができる茶飲料用香味改善剤およびその製造方法を提供する。【解決手段】茶飲料用香味改善剤は、遊離脂肪酸を有効成分して含む。また、茶飲料用香味改善剤の製造方法は、(a)茶類原料にペクチナーゼを作用させる工程、(b)(a)工程と同時または(a)工程の後に、茶類原料にリパーゼを作用させる工程、(c)(b)工程の後に、茶類原料から茶抽出物を得る工程、を含む。茶飲料用香味改善剤によれば、茶飲料の呈味に影響を及ぼすことなく、茶飲料の殺菌時に発生する加熱臭を抑制または低減することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、茶飲料用香味改善剤およびその製造方法に関する。
一般に、飲料の製造において殺菌工程を含む場合が多くあり、特に、容器詰飲料等の製造においては殺菌工程が必須となる。殺菌工程で用いられる殺菌方法としては、レトルト殺菌(121℃、10分程度)や高温短時間殺菌(UHT:135℃、1分程度)等の加熱殺菌が一般的である。このような加熱殺菌では、短時間であっても飲料が高温にさらされることにより、飲料中の成分が影響を受け、飲料に好ましくない味や香気が発生してしまう。このように発生する不快な臭気は加熱臭、加熱殺菌臭またはレトルト臭などと呼ばれ(以下、加熱臭という)、飲料の嗜好性を低下させる大きな要因となっている。
飲料の中で、特に茶飲料は加熱により風味変化が大きいことが知られている。そのため、茶飲料の加熱臭を抑制または低減する方法として、例えば、特許文献1には、容器詰茶飲料(容器詰緑茶飲料)に特定成分(サイクロデキストリン)を添加して加熱臭を抑制する方法が提案されている。
特許第2566801号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法で作製された茶飲料は、加熱臭は抑制されるが、添加した特定成分自体が茶飲料の呈味に影響を及ぼす恐れがある。
以上より、本発明の目的は、茶飲料の呈味に影響を及ぼすことなく、茶飲料の殺菌時に発生する加熱臭を抑制または低減できる茶飲料用香味改善剤およびその製造方法を提供することである。
本発明者らが鋭意研究を進めた結果、遊離脂肪酸がごくわずかな添加量で加熱臭を抑制または低減することを見出した。かくして、前記課題は、例えば、次の[1]〜[14]に記載の茶飲料用香味改善剤およびその製造方法により解決できる。
[1]遊離脂肪酸を有効成分として含む、茶飲料用香味改善剤。
[2]容器詰茶飲料用である、[1]に記載の茶飲料用香味改善剤。
[3]前記遊離脂肪酸としてオレイン酸、リノール酸またはリノレン酸のいずれか1種以上を含む、[1]または[2]に記載の茶飲料用香味改善剤。
[4]茶抽出物からなり、前記遊離脂肪酸の含有量が、前記茶抽出物の全固形分(Bx換算)を基準にして1.6ppm以上14ppm以下である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の茶飲料用香味改善剤。
[5]前記遊離脂肪酸としてオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸を含み、前記遊離脂肪酸の含有量が、前記茶抽出物の全固形分(Bx換算)を基準にして5.1ppm以上14ppm以下であり、前記遊離脂肪酸の合計量に対する前記リノレン酸の含有量が80質量%以上97質量%以下である、[4]に記載の茶飲料用香味改善剤。
[6]Z−3−ヘキセノール、ベンジルアルコール、ゲラニオール、リナノールまたは3−メチル−2,4−ノナンジオンのいずれか1種以上を含む、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の茶飲料用香味改善剤。
[7][1]〜[6]のいずれか1つに記載の茶飲料用香味改善剤を含む茶飲料であって、前記遊離脂肪酸の含有量が、28ppb以上240ppb以下である、茶飲料。
[8]前記遊離脂肪酸としてオレイン酸を含み、前記オレイン酸の含有量が、8.0ppb以上32ppb以下である、[7]に記載の茶飲料。
[9]前記遊離脂肪酸としてリノール酸を含み、前記リノール酸の含有量が、12ppb以上60ppb以下である、[7]に記載の茶飲料。
[10]前記遊離脂肪酸としてリノレン酸を含み、前記リノレン酸の含有量が、40ppb以上232ppb以下である、[7]に記載の茶飲料。
[11]茶抽出物からなる茶飲料用香味改善剤の製造方法であって、(a)茶類原料にペクチナーゼを作用させる工程、(b)前記(a)工程と同時または前記(a)工程の後に、前記茶類原料にリパーゼを作用させる工程、(c)前記(b)工程の後に、前記茶類原料から茶抽出物を得る工程、を含む、茶飲料用香味改善剤の製造方法。
[12](d)前記(a)工程と同時または前記(a)工程の後に、前記茶類原料にβ−グルコシダーゼを作用させる工程をさらに含む、[11]に記載の茶飲料用香味改善剤の製造方法。
[13][11]または[12]に記載の茶飲料用香味改善剤の製造方法によって製造された茶飲料用香味改善剤を用いた茶飲料の香味改善方法であって、(e)前記茶飲料用香味改善剤を、茶飲料に添加する工程、(f)前記茶飲料を加熱殺菌する工程、を含む、茶飲料の香味改善方法。
[14](g)遊離脂肪酸を有効成分として含む茶飲料用香味改善剤を、茶飲料に添加する工程、(h)前記茶飲料を加熱殺菌する工程、を含み、前記(g)工程の後において、前記茶飲料中の前記遊離脂肪酸の含有量が、28ppb以上240ppb以下である、茶飲料の香味改善方法。
本発明の茶飲料用香味改善剤によれば、茶飲料の呈味に影響を及ぼすことなく、茶飲料の殺菌時に発生する加熱臭を抑制または低減することができる。
茶飲料用香味改善剤を添加した茶飲料の官能評価の結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
(茶飲料用香味改善剤)
本実施の形態に係る茶飲料用香味改善剤(以下、本香味改善剤という。)は、遊離脂肪酸を有効成分として含む。遊離脂肪酸とは、本香味改善剤中に遊離した状態で存在する脂肪酸のことである。後述するように本香味改善剤が茶抽出物からなる場合には、遊離脂肪酸は、茶抽出物を構成する茶抽出液(茶エキス)中に遊離した状態で存在する脂肪酸を意味する(詳細は後述の<茶に含まれる脂肪酸について>を参照。)。本発明者らが鋭意研究を進めた結果、後述の実施例に示すように、本香味改善剤の有効成分である遊離脂肪酸が、茶飲料の呈味に影響を及ぼすことなく、茶飲料の加熱臭を抑制または低減することを見出した。
また、本香味改善剤が添加される茶飲料の種類は、特に限定されるものではないが、本香味改善剤は、加熱殺菌を必須の製造工程として含む容器詰茶飲料に添加して使用することが好ましい。
本発明者らは、炭素数10〜22の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸のいずれにおいても、茶飲料の加熱臭抑制・低減に効果があることを確認している。その中で、後述の実施例に示すように、遊離脂肪酸としては、酵素処理により茶抽出物中に比較的多く遊離されるオレイン酸、リノール酸またはリノレン酸のいずれか1種以上が、茶飲料の加熱臭抑制・低減に顕著な効果があることを見出した。
本香味改善剤に含まれる遊離脂肪酸は、合成品由来であっても天然物由来であってもよい。ただし、茶飲料の呈味に自然な厚みおよび甘みを与えることができるという観点から、本香味改善剤に含まれる遊離脂肪酸は、茶類原料を酵素処理することによって遊離させた脂肪酸であることが好ましい。
本香味改善剤は(遊離)脂肪酸のみにより構成してもよいが、茶飲料に添加しやすいように、遊離脂肪酸を含む水溶液であることが好ましい。この場合、脂肪酸を食品において使用が認められている適当な溶剤に溶解してから水に添加し、水溶液とすることが好ましい。
さらに、本香味改善剤は、後述するように、茶抽出物からなることが好ましい。こうすることで、本香味改善剤が、茶類原料(茶葉または茶葉の抽出液を意味する。以下、同じ。)由来として遊離脂肪酸を含むため、茶飲料の呈味に自然な厚みおよび甘みを与えることができる。
本香味改善剤中の遊離脂肪酸の含有量(濃度)については、本香味改善剤を添加する茶飲料において、遊離脂肪酸が加熱臭を抑制または低減する効果が得られるように調整できるのであれば特に限定されるものではない。すなわち、本香味改善剤が(遊離)脂肪酸のみにより構成されていてもよい。
その中で、本香味改善剤を茶飲料に添加した場合に、茶飲料の呈味に自然な厚みおよび甘みを与えることができるよう、本香味改善剤は茶抽出物からなることが好ましく、この場合、遊離脂肪酸の含有量(濃度)は、茶抽出物の全固形分(Bx換算)を基準とした場合に、1.6ppm以上14ppm以下(質量比、以下同じ。)が好適である。このような濃度に調整することで、茶飲料に添加した際に、遊離脂肪酸による加熱臭抑制効果と香気成分による風味改善効果とのバランスに優れる。
ここで、Bx(Brix、ブリックス)とは、溶液100gあたりの可溶性固形物の質量[g]を、ショ糖液100g中に含まれるショ糖の質量[g]に換算した値である(単位は[°(度)])。Bxの値は、例えば溶液の屈折率をBx計で測定することで得られる。本明細書において、茶抽出物の全固形分(Bx換算)を基準として、遊離脂肪酸の含有量(濃度)を表しているが、これは茶抽出物に含まれる遊離脂肪酸(本発明品1では合計50.44ppm)を、その茶抽出物のBx(本発明品1では4.51°)で割ることにより、Bx1°あたりの遊離脂肪酸含有量(本発明品1では11.18ppm)を算出したものを意味する。
本香味改善剤における各遊離脂肪酸の含有量(濃度)は特に限定されず、本香味改善剤は特定の1種類の遊離脂肪酸のみを高濃度で含有していても、複数の種類の遊離脂肪酸をバランス良く含有していてもよい。いずれの場合であっても、後述の実施例に示すように、茶飲料の加熱臭の低減・抑制効果が得られる。その中で、本香味改善剤が遊離脂肪酸としてオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸を含む場合には、後述の実施例に示すように、遊離脂肪酸の含有量が、茶抽出物の全固形分(Bx換算)を基準にして5.1ppm以上14ppm以下であり、遊離脂肪酸の合計量に対するリノレン酸の含有量が80質量%以上97質量%以下であることがより好ましい(本発明品1、本発明品2、リノレン酸添加4〜6)。こうすることで、加熱臭を効果的に抑制・減少させることができ、かつ、茶飲料の呈味に自然な厚みおよび甘みを与えることができる。
また、本香味改善剤は、Z−3−ヘキセノール、ベンジルアルコール、ゲラニオール、リナロールまたは3−メチル−2,4−ノナンジオン(以下、これらの香気成分をまとめて本香気成分という場合がある。)をいずれか1種以上含有することが好ましい。本香味改善剤に本香気成分を含有させることにより、本香味改善剤が添加された茶飲料(特に容器詰茶飲料)において、加熱臭を低減または抑制するとともに、茶飲料にお茶(緑茶)らしい青い香気を付与でき、嗜好性を向上させることができる。なお、本香気成分は、遊離脂肪酸と同様に、茶類原料の酵素反応により生成できる。そのため、本香味改善剤に本香気成分を別途添加するよりも、茶類原料の酵素反応により本香気成分を生成する方が、製造コスト削減ができるだけでなく、茶類原料由来成分として自然な緑茶らしい青い香気を茶飲料に付与できるため好ましい。
(茶飲料)
本実施の形態に係る茶飲料(以下、本茶飲料という。)は、本香味改善剤を含む茶飲料である。前述の通り、本香味改善剤を含むことにより、茶飲料の加熱臭を抑制または低減することができる。
前述したように、本茶飲料は、加熱殺菌を必須の製造工程として含む容器詰茶飲料(以下、本容器詰茶飲料という。)であることが好ましい。本容器詰茶飲料は、遊離脂肪酸を含んでいるため、加熱殺菌した場合であっても、容器詰茶飲料の呈味に影響を及ぼすことなく加熱臭を低減または抑制することができる。容器詰茶飲料としては特に限定されず、缶詰飲料、ビン詰飲料、紙パック詰飲料、ポリ容器詰飲料(ペットボトル詰飲料を含む)等、任意の容器詰茶飲料に適用できる。
本茶飲料に対する本香味改善剤の添加量(濃度)は、添加する対象の茶飲料の全固形分(通常、Bx換算で0.1〜0.5°)には影響せず、後述するように、茶飲料中の遊離脂肪酸の含有量を基準に定めることができる。そのため、本香味改善剤に含まれる遊離脂肪酸によって、本香味改善剤の添加量は変動するが、茶飲料の0.01〜5質量%が好ましく、0.2〜0.4質量%がより好ましい。
本茶飲料中の遊離脂肪酸の含有量(濃度)は、加熱臭を抑制または低減できるものであればよいが、後述の実施例に示すように、本茶飲料中の遊離脂肪酸の含有量(濃度)は28ppb以上240ppb以下であることが好ましい。このような範囲とすることで、茶飲料の呈味に影響を及ぼすことなく、加熱臭を低減または抑制することができる。
また、本香味改善剤が遊離脂肪酸としてオレイン酸を含む場合には、オレイン酸の含有量が8.0ppb以上32ppb以下であることが好ましい。同様に、本香味改善剤が遊離脂肪酸としてリノール酸を含む場合には、リノール酸の含有量が、12ppb以上60ppb以下であることが好ましい。同様に、本香味改善剤が遊離脂肪酸としてリノレン酸を含む場合には、リノレン酸の含有量が、40ppb以上232ppb以下であることが好ましい。こうすることで、加熱臭を効果的に抑制・減少させることができ、かつ、茶飲料の呈味に自然な厚みおよび甘みを与えることができる。
本香味改善剤は、通常の茶飲料(飲用濃度の茶抽出液)に添加して使用することを想定しているが、本香味改善剤が茶抽出物からなる場合には、遊離脂肪酸の含有量(濃度)を基準に、必要に応じて希釈して(すなわち水に本香味改善剤を添加して)飲用濃度にすることにより本茶飲料とすることもできる。ただし、製造コストの観点からは、本香味改善剤の添加量を少なくできるよう、本香味改善剤が茶抽出物からなる場合であっても、飲用濃度の茶抽出液(通常の茶飲料)に本香味改善剤を添加して本茶飲料とすることが好ましい。
(茶飲料用香味改善剤の製造方法)
本実施の形態に係る茶飲料用香味改善剤の製造方法(以下、本香味改善剤の製造方法という。)は、茶抽出物からなる茶飲料用香味改善剤の製造方法であって、(a)茶類原料にペクチナーゼを作用させる工程、(b)前記(a)工程と同時または前記(a)工程の後に、前記茶類原料にリパーゼを作用させる工程、(c)前記(b)工程の後に、前記茶類原料から茶抽出物を得る工程、を含む。
本発明者らは、茶類原料にペクチナーゼおよびリパーゼを作用させることにより、茶抽出物中に効果的に遊離脂肪酸を生成させることができ、その結果、例えばこの茶抽出物を用いて茶飲料を調製する場合において、殺菌時に発生する加熱臭が遊離脂肪酸により抑制または低減されることを見出した。
本発明者らの検討によれば、リパーゼは主に食品中に存在する脂肪であるトリグリセリドから特異的に脂肪酸を遊離させる酵素であるが、茶類原料に単にリパーゼを作用させても茶抽出物中に脂肪酸を十分に遊離させることができないことが明らかとなった。この点、本香味改善剤の製造方法によれば、茶類原料にペクチナーゼおよびリパーゼを作用させることで、ペクチナーゼによって茶類原料に含まれる茶葉の繊維が分解され、リパーゼと茶葉の細胞の接触機会が増大し、茶類原料に含まれるトリグリセリドから効率的に脂肪酸を遊離させることができる。
そして、酵素処理した茶類原料は、酵素失活させた後に、遠心分離や濾紙濾過等の適宜な分離手段を採用して不溶物を分離することにより、清澄な茶抽出物として、本香味改善剤を得ることができる。
また、本香味改善剤の製造方法は、(d)前記(a)工程と同時または前記(a)工程の後に、前記茶類原料にβ−グルコシダーゼを作用させる工程をさらに含むことが好ましい。茶類原料に含まれる茶葉に対して、ペクチナーゼおよびリパーゼに加え、β−グルコシダーゼを作用させることにより、ペクチナーゼおよびリパーゼによって茶葉の繊維が分解されるとともに細胞が破壊され、β−グルコシダーゼによって、茶葉中に不揮発性の配糖体の形で存在する香気成分(茶葉が不発酵茶の場合には、Z−3−ヘキセノール、ベンジルアルコール、ゲラニオール、リナロール等)を茶抽出物中に生成させることができる。これらの香気成分は、緑茶らしい青い香気であるため、茶飲料の加熱殺菌時に発生する加熱臭を抑制または低減しながら、茶本来が有する呈味、香気を増強・改善し、容器詰緑茶飲料の嗜好性を向上させることができる。
なお、後述の実施例に示すように、本発明者らは、本香味改善剤の製造方法によれば、茶類原料にペクチナーゼおよびリパーゼを作用させることによって、緑茶らしい青い香気を付与する香気成分である3−メチル−2,4―ノナンジオンが酵素処理を行わない場合に比べて増加することを見出した。さらに、本発明者らは、茶類原料にペクチナーゼおよびリパーゼに加えてβ−グルコシダーゼを作用させた場合には、3−メチル−2,4−ノナンジオンがβ−グルコシダーゼを作用させない場合に比べてさらに増加することを見出した。3−メチル−2,4−ノナンジオンは、配糖体の形で存在する香気成分ではないため、重要な知見である。これらのことから、本香味改善剤の製造方法によれば、茶が本来有する呈味、香気を増強・改善し、茶飲料の嗜好性を向上させることができる香味改善剤を提供することができる。
ペクチナーゼ、リパーゼ、β−グルコシダーゼの作用(反応)順序については、これら酵素を同時に添加し酵素を作用させてもよいし、酵素反応の進行を見ながら順次添加し作用させてもよい。順次添加しながら作用させる場合には、第一にペクチナーゼを反応させるのがよい。こうすることで、ペクチナーゼにより、まず茶葉の繊維を分解して、リパーゼおよびβ−グルコシダーゼと茶葉の細胞との接触機会が増大させることができ、その結果、酵素の作用効率を高めることができる。リパーゼおよびβ−グルコシダーゼの作用順序については不問である。
(茶飲料の香味改善方法)
本実施の形態に係る茶飲料の香味改善方法(以下、本香味改善方法という。)は、本香味改善剤を用いた茶飲料の香味改善方法であって、(e)本香味改善剤を、茶飲料に添加する工程、(f)前記茶飲料を加熱殺菌する工程、を含む。本香味改善方法によれば、前述したように、茶飲料に本香味改善剤を添加(0.2〜0.4質量%程度)することにより、茶飲料が加熱殺菌される場合でも茶飲料の加熱臭を抑制または低減することができる。
また、本香味改善方法は、茶飲料中の遊離脂肪酸の含有量(濃度)に着目すれば、(g)遊離脂肪酸を有効成分として含む茶飲料用香味改善剤を、茶飲料に添加する工程、(h)前記茶飲料を加熱殺菌する工程、を含み、前記(g)工程の後において、前記茶飲料中の前記遊離脂肪酸の含有量が、28ppb以上240ppb以下である、茶飲料の香味改善方法である。茶飲料中の遊離脂肪酸の含有量をこのような範囲とすることで、後述の実施例に示すように、茶飲料の呈味に影響を及ぼすことなく、加熱臭を低減または抑制することができる。
本香味改善方法において、前記(e)工程と前記(f)工程との順序は特に限定されず、本香味改善剤を、加熱殺菌工程の前に添加しても、加熱殺菌工程と同時に添加しても、加熱殺菌工程の後に添加してもよい。また、加熱殺菌工程の温度や保持時間等の条件も任意である。
本香味改善方法において、前述したように、本香味改善剤は遊離脂肪酸を有効成分として含むものであればこれに限定されるものではないが、本香味改善剤が茶類原料の酵素反応により製造されたものであることが好ましい。こうすることで、茶類原料由来成分として自然な緑茶らしい青い香気を茶飲料に付与できる。
なお、本香味改善方法は、茶飲料の香味を改善する方法であるが、茶飲料の製造方法と捉えることもできる。すなわち、本実施の形態に係る茶飲料の製造方法(以下、本茶飲料の製造方法)は、(e2)飲用濃度の茶抽出物に前記茶飲料用香味改善剤を添加する工程、(f2)前記茶飲料用香味改善剤を添加した前記茶抽出物を加熱殺菌する工程、を含む。本茶飲料の製造方法によれば、飲用濃度の茶抽出物に本香味改善剤を添加(0.2〜0.4質量%程度)して茶飲料を製造することにより、その製造工程に加熱殺菌工程を含む場合でも茶飲料の加熱臭を抑制または低減することができる。
(容器詰茶飲料の製造方法)
本実施の形態に係る容器詰茶飲料の製造方法(以下、本容器詰茶飲料の製造方法という。)は、(i)茶飲料に前記茶飲料用香味改善剤を添加する工程、(j)前記茶飲料を容器に詰める工程、(k)前記容器を加熱殺菌する工程、を含む。
本容器詰茶飲料の製造方法では、前記(i)工程において、飲用濃度の茶飲料に本香味改善剤を添加(0.2〜0.4質量%程度)する。この際、茶飲料中の遊離脂肪酸の含有量(濃度)は28ppb以上240ppb以下であることが好ましい。このような範囲とすることで、後述の実施例に示すように、茶飲料の呈味に影響を及ぼすことなく、加熱臭を低減または抑制することができる。
本容器詰茶飲料の製造方法において、前記(i)工程、前記(j)工程および前記(k)工程は、それぞれ独立した工程であっても、連続した1つの工程(前記(i)工程、前記(j)工程および前記(k)工程のうち、2つ以上の工程が同時に行われる場合を含む。)であってもよい。例えば、高温短時間殺菌の場合は、前記(j)工程と前記(k)工程とが同時に行われる。
本容器詰茶飲料の加熱殺菌温度および保持時間は特に限定されるものではないが、缶詰充填した場合に実施するレトルト殺菌は、加熱温度が110〜140℃、より好ましくは120〜130℃、保持時間が1〜60分、より好ましくは5〜15分の条件下で行うことができる。また、紙容器やペットボトルの高温短時間殺菌は、加熱温度が130〜140℃、保持時間が10秒〜1分の条件下で、適宜行うことができる。
(その他詳細)
<茶類原料について>
本発明で使用しうる茶葉としては、ツバキ科の常緑樹であるチャ(学名:Camellia sinensis(L)O.Kuntze)の芽、葉、茎などから得られる生葉、製茶された不発酵茶、半発酵茶および発酵茶を挙げることができる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、ほうじ茶、玉露、かぶせ茶、てん茶などの蒸し製の不発酵茶や、嬉野茶、青柳茶、各種中国茶等の釜炒茶などの不発酵茶が挙げられ;半発酵茶としては、例えば、包種茶、鉄観音茶、ウーロン茶などが挙げられ;発酵茶としては、例えば、紅茶、プーアール茶、阿波番茶、碁石茶(登録商標)などが挙げられる。また、不発酵茶や半発酵茶を花で加香した茶なども使用することができる。これらのうち、特に、フレッシュでナチュラルな香気や甘味、旨味などを有する茶抽出物が得られるという観点から、不発酵茶が好適である。
<茶葉の処理(仕込み)について>
茶葉の大きさおよび抽出時に混合する水の量について説明する。茶葉は水と混合する前に適当な大きさに粉砕または裁断することで、水との混合・攪拌状態を良好にすることができるが、あまり細かくしてしまうと、雑味が出る原因となる。粉砕または裁断の大きさは、例えば0.1mm〜原体(未粉砕)程度であるが、雑味の出にくさと、水との混合・攪拌状態とを考慮した場合、0.2mm〜20mmが好ましく、0.5mm〜10mmがより好ましい。
茶葉と混合する水の量は、物理的に攪拌が容易な量であれば特に制限はなく、茶葉の性質、茶葉の粉砕・裁断粒度に応じて適宜選択することができる。好適な条件としては、水の量は、茶葉1質量部に対し2質量部〜100質量部が好ましく、茶葉1質量部に対し5質量部〜50質量部が好ましく、さらに、茶葉1質量部に対し8質量部〜20質量部が特に好ましい。水の量が茶葉1質量部に対し2質量部未満の場合、攪拌が難しく、酵素反応には不適当である。また、水の量が茶葉1質量部に対し100質量部より多い場合、抽出液の濃度が薄くなってしまい、飲料などに添加する場合に抽出液を多量に添加しなければならずコスト面から不利となる。
なお、茶葉と水との混合物は、酵素処理が適切に行われるよう、約30〜121℃で約2秒〜20分間殺菌した後、冷却してから酵素処理に供することが好ましい。また、茶葉の酸化劣化防止のため、アスコルビン酸またはアスコルビン酸ナトリウムを茶葉および水の混合物全量に対し、0.01〜5%程度配合することが好ましい。
<茶に含まれる脂肪酸について>
五訂日本食品標準成分表(脂肪酸成分表編)によれば、茶には脂質1g当たり598mgの脂肪酸が存在し、検出されている脂肪酸としてパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が記載されている。しかし、上記の食品成分表に記載されている脂質とは、食品中の有機溶媒に溶ける有機化合物の総称であり、中性脂肪のほかに、リン脂質、ステロイド、ろう、脂溶性ビタミン等も含んでいる。この脂質を食品からエーテル等の有機溶剤により抽出した後に誘導体化して分析し、検出された脂肪酸が成分表に記載されている。そのため、茶葉に対して通常行われる抽出方法を用いて茶抽出物を製造した場合には、上記食品成分表に記載された茶葉中の脂肪酸は茶抽出物中に遊離しない。
一方、本実施の形態のように、茶葉にペクチナーゼおよびリパーゼを作用させることではじめて、茶葉中に存在する脂肪であるトリグリセリドから特異的に脂肪酸を遊離させることができる。
<ペクチナーゼについて>
本香味改善剤(茶抽出物)の製造工程において使用するペクチナーゼは、ポリガラクツロナーゼ、ペクチックエンザイム、ポリメチルガラクツロナーゼ、ペクチンデポリメラーゼとも呼ばれ、ペクリニン酸、ペクチン、ペクチン酸などのα−1,4結合を加水分解する酵素である。ペクチナーゼは、細菌、カビ、酵母、高等植物、カタツムリなどに含まれていることが知られており、本発明ではこれらをはじめとする生物から採取したペクチナーゼを広く使用することができる。また、市販のペクチナーゼ製剤を使用することもできる。市販のペクチナーゼ製剤としては、例えば、スクラーゼ(登録商標)A、スクラーゼ(登録商標)N、スクラーゼ(登録商標)S(以上、三菱化学フーズ社製)、ペクチネックスウルトラ(登録商標)SP−L(ノボノルディクスA/S社製)、メイセラーゼ(登録商標)(明治製菓(株)社製)、ウルトラザイム(登録商標)(ノボノルディクスA/S社製)、ニューラーゼF(登録商標)(天野エンザイム(株)社製)などを例示することができる。これらのペクチナーゼは単独又は数種組み合わせて利用することもできる。
本香味改善剤の製造工程におけるペクチナーゼの使用量は、特に限定されるものではないが、茶類原料を基準として、0.01〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。こうすることで、茶葉の繊維が分解され、後の工程において茶葉の細胞にリパーゼを十分に作用させることができる。
<リパーゼについて>
本香味改善剤(茶抽出物)の製造工程において使用するリパーゼは、脂質を構成するエステル結合を加水分解する酵素群である。本香味改善剤(茶抽出物)の製造工程において使用するリパーゼとしては、特に制限されるものではなく、例えば、アスペルギルス属、リゾムコール属、リゾープス属、ペニシリウム属、キャンディダ属、ピキア属、クロモバクテリウム属、アルカリゲネス属、ストレストマイセス属、アクチノマデュラ属、バチラス属等の各種微生物から採取されるリパーゼ、豚の膵臓から得られるリパーゼ、子山羊、子羊、子牛の口頭分泌腺から採取したオーラルリパーゼなどを適宜利用することができる。また、市販品としてはリパーゼL、リパーゼM、リパーゼAP、リパーゼAY、リパーゼP、リパーゼAK、リパーゼCES、リパーゼM−AP、リパーゼD、リパーゼN、リパーゼCT、リパーゼR、リパーゼMER(以上、天野エンザイム(株)製)、スミチームNLS、スミチームRLS、スミチームALS(以上、新日本化学工業(株)製:登録商標);リパーゼMY、リパーゼPL、リパーゼQLM(以上、名糖産業(株)製)、リパーゼP、リパーゼA−10D、PLA2、リパーゼ−サイケン(登録商標)(以上、ナガセケムテックス(株)製)、豚膵臓リパーゼ(シグマアルドリッチジャパン(株)製)、レシターゼ(登録商標)、パラターゼ、パラダーゼM(以上、ノボザイムズ(株)製)、タリパーゼ(田辺製薬(株)製)等を例示することができる。これらのリパーゼは単独又は数種組み合わせて利用することもできる。
後述の実施例に示すように、本香味改善剤の製造工程におけるリパーゼの使用量は、茶類原料を基準として、1.8〜4.6質量%が好ましく、2.0〜4.4質量%がより好ましい。こうすることで、香味改善剤(茶抽出物)中に十分な量の脂肪酸が遊離され、これを添加した茶飲料の加熱臭を低減または抑制し、茶飲料の呈味に厚みを与えることができる。
<β−グルコシダーゼについて>
本香味改善剤(茶抽出物)の製造工程において使用するβ−グルコシダーゼ(β-glucosidase)は、グリコシダーゼ(glycosidase)の一種である。β−グルコシダーゼは、一般に、糖のβ−グリコシド結合を加水分解する反応を触媒する酵素(配糖体分解酵素)であり、β−D−グルコシドグルコヒドロラーゼ、アミグダーゼ、セロビアーゼ、ゲンチオビアーゼとも呼ばれる。
β−グルコシダーゼとしては、具体的には、例えば、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾープス属、シュードモナス属、ピキア属などに属するβ−グルコシダーゼ生産菌を、小麦ふすま、米ぬかなどの固体栄養培地または液体栄養培地で常法に従って固体培養又は液体培養し、得られる培養物またはその処理物を常法により精製処理したものを挙げることができる。また、バニラ豆、生茶葉などの植物より精製処理し得られるものも使用することができ、さらに、シグマアルドリッチ社から市販されているアーモンド由来のエムルシン、またはβ−グルコシダーゼを含む酵素製剤セルラーゼA(アマノエンザイム)、セルラーゼT(アマノエンザイム)などから分離したものも使用することができる。これらのβ−グルコシダーゼは単独又は数種組み合わせて利用することもできる。
後述の実施例に示すように、本香味改善剤の製造工程におけるβ−グルコシダーゼの使用量は、茶類原料を基準として0.3〜1.8質量%が好ましく、0.4〜1.7質量%がより好ましい。こうすることで、香味改善剤(茶抽出物)中に十分な量の香気成分が遊離され、これを添加した茶飲料に緑茶らしい青い香気を付与することができる。
<タンナーゼについて>
後述の実施例に示すように、本香味改善剤(茶抽出物)の製造方法は、(l)前記(a)工程と同時または前記(a)工程の後に、前記茶類原料にタンナーゼを作用させる工程をさらに含むことが好ましい。タンナーゼは茶類原料の脂肪酸遊離や香気成分生成に直接関係はしないと考えられるが、茶類原料中のタンニンを分解することで、茶抽出物から経時的に生成する沈殿を防止することができるためである。
使用するタンナーゼとしては、タンニンを分解する活性を有するものであれば特に制限はなく任意のものを使用することができる。具体的には、例えば、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾープス属、ムコール属などに属するタンナーゼ生産菌を、これら糸状菌の培養に用いられる培地で常法に従って固体培養または液体培養し、得られる培養物またはその処理物を常法により精製処理したものを挙げることができる。なお、市販されているタンナーゼ、例えば、タンナーゼキッコーマン(500U/g)、タンナーゼキッコーマン(5000U/g)、タンナーゼ三共(500U/g)などを用いることもできる。これらのタンナーゼは単独又は数種組み合わせて利用することもできる。
本香味改善剤の製造工程におけるタンナーゼの使用量は、茶類原料の重量を基準として0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜2質量%がより好ましい。こうすることで、茶抽出物に生じる沈殿を防止することができる。
<その他の酵素について>
ペクチナーゼ、リパーゼ、β−グルコシダーゼおよびタンナーゼ以外にも本香味改善剤(茶抽出物)の製造には様々な酵素を使用することができる。使用できる酵素としては、糖質関連酵素(α−アミラーゼ、イソアミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ、グルコースイソメラーゼ、α−グルコシダーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−アミラーゼ、マルトトリオヒドロラーゼ、サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、トランスグルコシダーゼ、インベルターゼ、β−ガラクトシダーゼ(ラクターゼ)、デキストラナーゼ、イヌリナーゼなど)、タンパク質関連酵素(細菌・糸状菌・放線菌プロテアーゼ、ペプチダーゼ、酸性・中性・アルカリ性プロテアーゼ、パパイン、ブロメライン、レンネット、キモシン、ペプシン、トリプシン、パンクレアチンなど)、植物組織崩壊酵素(ペクチンメチルエステラーゼ、ヘスペリジナーゼ、ナリンジナーゼ、タンナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、キチナーゼ、マンナナーゼ、グルカナーゼ、リゾチームなど)、脂質関連酵素(ホスホリパーゼ、酸性ホスファターゼなど)、その他酵素(カタラーゼ、パーオキシダーゼ、デアミナーゼ、ヌクレアーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、キトサナーゼ、アスパラギナーゼ、グルタミナーゼ、トランスグルタミナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、アルギン酸リアーゼ、フィターゼ)が例示でき、これらの酵素は単独又は数種組み合わせて利用することもできる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明する。
<<実施例1:酵素処理により生成した香味改善剤(茶抽出物)>>
<製造工程>
(本発明品1)
緑茶葉250gを45℃に加温した0.08%アスコルビン酸ナトリウム水溶液3250gに加え、45℃にて10分攪拌後、ペクチナーゼ(150000unit)0.25g(対茶葉0.1%)を添加溶解し作用させる工程(工程a)、リパーゼ(30000unit)7.5g(対茶葉3%)を添加溶解し作用させる工程(工程b)、β−グルコシダーゼ(2000unit)0.25g(対茶葉0.1%)を添加溶解し作用させる工程(工程c)、タンナーゼ(5000unit)0.25g(対茶葉0.1%)を添加溶解し作用させる工程(工程d)のそれぞれを同時に45℃で4時間行った。
上記酵素反応後、さらし布にてバスケット型遠心分離機により茶葉残渣固形物を除いた後、No.2濾紙(ADVANTEC社製 直径16cm、保持粒子径5μm)にセルロースパウダー100gをプレコートしたヌッチェを使用して一定圧力にて吸引濾過(減圧度13.33kPa)を行い、清澄な抽出液3007gを得た。この抽出液を90℃にて10分間加熱殺菌し(茶飲料における加熱殺菌工程に相当)、香味改善剤(本発明品1)3008gを得た(対茶葉収率12倍、pH4.55、Bx4.51°)(以上を本発明品1の製造工程という)。
(本発明品2)
本発明品1の製造工程において工程cを実施しなかった以外は本発明品1の製造工程と全く同様の操作を行い、香味改善剤(本発明品2)2972gを得た(対茶葉収率11.9倍、pH4.51、Bx4.40°)。
(比較品1)
本発明品1の製造工程において工程a、bおよびcを実施しなかった以外は本発明品1の製造工程と全く同様の操作を行い、香味改善剤(比較品1)2950gを得た(対茶葉収率11.8倍、pH4.43、Bx4.29°)。
(比較品2)
本発明品1の製造工程において工程aおよびcを実施しなかった以外は本発明品1の製造工程と全く同様の操作を行い、香味改善剤(比較品2)2966gを得た(対茶葉収率11.9倍、pH4.38、Bx4.34°)。
(比較品3)
本発明品1の製造工程におい工程bおよびcを実施しなかった以外は本発明品1の製造工程と全く同様の操作を行い、香味改善剤(比較品3)3011gを得た(対茶葉収率12倍、pH4.44、Bx4.26°)。
(比較品4)
本発明品1の製造工程において工程aおよびbを実施しなかった以外は本発明品1の製造工程と全く同様の操作を行い、香味改善剤(比較品4)2932gを得た(対茶葉収率11.73倍、pH4.32、Bx4.13°)。
(比較品5)
本発明品1の製造工程において工程aを実施しなかった以外は本発明品1の製造工程と全く同様の操作を行い、香味改善剤(比較品5)3017gを得た(対茶葉収率12.07倍、pH4.52、Bx4.31°)。
(比較品6)
本発明品1の製造工程において工程bを実施しなかった以外は本発明品1の製造工程と全く同様の操作を行い、香味改善剤(比較品6)3019gを得た(対茶葉収率12.8倍、pH4.49、Bx4.24°)。
<遊離脂肪酸の分析方法>
上記本発明品1〜2および比較品1〜6を試料とした。試料溶液50mgを試験管に採り、これに0.1%ADAM(登録商標)試薬(フナコシ薬品社製)メタノール溶液1mLを加え、密栓し、室温で30分間反応させた。その後、フィルター濾過してバイアルびんに移し、バイアルびんから5μLをHPLC分析に供した。分析条件を下記に示す。
(分析条件)
装置:Prominence UFLC(SHIMADZU)
カラム:Inertsil C8−3 4.6×250mm(ジーエルサイエンス)
移動相:A 水:アセトニトリル=900:100
:B 水:アセトニトリル=100:900
分析時間:60min
グラジエント条件:A:B=50:50(0min)〜0:100(20min)〜0:100(60min)
流量:1.2mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RF−20S(蛍光検出器)
検出波長:励起波長365nm、蛍光波長412nm
注入量:5μL
誘導体化試薬:ADAM試薬(フナコシ薬品)
<香気分析方法>
上記本発明品1〜2および比較品1〜6を試料とした。20mLバイアルびんに試料15gを採り、Twister(登録商標、Gestel社製、長さ10mm、膜厚0.5mm)を用いて、遮光下室温で300rpm、30分撹拌した。Twisterを超純水で洗浄し、水分を拭き取った後、窒素ガス(100mL/min)で1分間パージした。その後、加熱脱着ユニット(TDU、Gestel社製)にTwisterをセットし、加熱脱着により香気成分をGC−MS/FID(MS−7、InertCap(登録商標)WAX)に導入し、測定を行った。
<官能評価の方法>
市販の緑茶飲料に、上記本発明品1〜2および比較品1〜6を0.4質量%添加して茶飲料を生成し、この茶飲料の官能評価を行った。官能評価はよく訓練されたパネリスト6人で評価した。香気および味については自由記述式にし、加熱臭(主としてメチオナール(芋っぽい香り))については、比較品1を基準として、以下のように評価した。
(評価)
−:比較品1と比べ加熱臭が完全に抑制されている
±:比較品1と比べ加熱臭が十分抑制されている
+:比較品1と比べ加熱臭が抑制され感じにくくなっている
++:比較品1と比べわずかに加熱臭が抑制されている
+++:比較品1(基準)
<実施例1の結果>
本発明品1〜2および比較品1〜6の香味改善剤(茶抽出物)の固形分濃度(Bx)、酵素(使用:○、不使用:×)、各遊離脂肪酸の含有量およびその合計(表1:香味改善剤中およびそのBx換算値、表2:茶飲料中)、ならびに、官能評価の結果を表1,2に示した。
Figure 2022002471
Figure 2022002471
表1,2に示す通り、本発明品1では、加熱臭が抑制されつつ、適度な甘味、渋み、厚みが感じられ、緑茶らしい青い香気を有していた。また、本発明品2は、緑茶らしい青い香気はやや弱いが、加熱臭が抑制され、適度な甘味、渋み、厚みが感じられた。一方、比較品1〜6は加熱臭が低減または抑制されず、味も弱く渋味も感じられた。本発明品1,2と比較品1〜6との比較から、本発明品1,2に含まれる遊離脂肪酸により、加熱臭が抑制されることが明らかとなった。
特に、本発明品1,2の結果から、茶類原料をペクチナーゼおよびリパーゼで酵素処理することにより、遊離脂肪酸としてオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸を含む香味改善剤が生成できること、および、香味改善剤に含まれるこれらの遊離脂肪酸は茶飲料の加熱臭を抑制するだけではなく、適度な甘味、渋み、厚みを感じさせる等、呈味を改善することができることが明らかになった。
また、表1に示すように、本発明品1〜2および比較品1〜6の香気成分分析の結果、緑茶らしい青い香気を示す香気成分としてZ−3−ヘキセノール、ベンジルアルコール、ゲラニオール、リナロールおよび3−メチル−2,4−ノナンジオンが検出同定された。本発明品1は比較品1と比較して、Z−3−ヘキセノール、ベンジルアルコール、ゲラニオールおよびリナロールが3〜30倍増加し、β−グルコシダーゼを反応させていない本発明品2でも比較品1と比較して、1.1〜5倍程度増加した。これらの香気成分は、本発明品1,2の緑茶らしい青い香気の付与に寄与していると考えられる。
一方、表1に示すように、比較品4,5および6ではβ−グルコシダーゼにより香気成分が比較例1に比べて約1.5〜37倍増加しているが、その香気は華やかな香気が強く感じられてしまい、緑茶らしくないとの評価となった。
以上の結果より、香味改善剤(茶抽出物)により茶飲料にお茶(緑茶)らしい青い香気を付与させるには、本発明品1,2のように遊離脂肪酸によって、加熱臭を適切に抑制した上で、前記香気成分を含有させることが重要であると考えられる。すなわち、加熱臭の抑制と、香気成分の増加による適度な甘味、渋味、味の厚み等の呈味向上との相乗効果により、茶飲料の嗜好性を向上させる効果を奏するものと考えられる。
また、表1に示すように、3−メチル−2,4―ノナンジオンは、本発明品1と比較品1と比較すると4倍多く生成し、β−グルコシダーゼを反応させていない本発明品2と比較品1と比較しても3倍多く生成している。今回、その作用機序は不明であるが、茶類原料を酵素処理することにより3−メチル−2,4−ノナンジオンが多く生成したことは、はじめての知見である。
<<実施例2:脂肪酸の添加による効果>>
遊離脂肪酸自体の効果をより明確にするために、遊離脂肪酸をほとんど含まない香味改善剤(茶抽出物、実施例1の比較品6)にオレイン酸、リノール酸またはリノレン酸をそれぞれ添加して評価を行った。具体的には、実施例1で得られた比較品6に、溶解可能な最小限量のエタノールで溶解したオレイン酸、リノール酸またはリノレン酸を表3,4の濃度になるようにそれぞれ添加し、官能評価を行った。官能評価は実施例1で行った方法と同様に行った。
オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸の各濃度、および、遊離脂肪酸の合計濃度(表3:香味改善剤中およびそのBx換算値、表4:茶飲料中)、脂肪酸中のオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸の割合、ならびに、官能評価の結果を表3,4に示した。なお、表3,4のオレイン酸、リノール酸またはリノレン酸の各濃度は、比較品6に含まれる遊離脂肪酸と添加した脂肪酸との合計値である。
Figure 2022002471
Figure 2022002471
表3,4に示すように、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸を一定の濃度以上含む香味改善剤を茶飲料に添加することで加熱臭を低減または抑制できることが確認できた。このように、実施例2では脂肪酸を別途添加して香味改善剤を生成しても、実施例1と同様の効果が得られたことから、遊離脂肪酸はその由来によらず、茶飲料の加熱臭を低減・抑制できるといえる。
なお、実施例1のように茶類原料に対して酵素処理を行い、茶葉由来の脂肪酸を遊離脂肪酸として含む香味改善剤を生成すると、前述したように香気成分も増加し、茶飲料の呈味に自然な厚みおよび甘みを加えられること、および、生産効率およびコスト面で有利であることから、実施例2のように脂肪酸を別途添加して香味改善剤を生成するよりも好ましい。
<<実施例3:リパーゼの添加量>>
リパーゼの添加量による影響を確認するために、実施例1の本発明品1の製造工程中、工程bにおいてリパーゼの添加量(濃度)を変化させた以外は本発明品1の製造工程と全く同様の操作を行い、得られた香味改善剤(茶抽出物)を評価した。官能評価は実施例1で行った方法と同様に行った。
リパーゼの添加濃度、加熱臭および官能評価のコメントを表5に示した。
Figure 2022002471
表5に示すように、茶類原料にペクチナーゼを作用させた後に、特定の添加濃度でリパーゼを作用させることにより、香味改善剤(茶抽出物)中に十分な量の脂肪酸が遊離され、これを添加した茶飲料は加熱臭が低減または抑制され、また呈味についても厚みが感じられた(リパーゼ処理茶抽出物5〜10)。なお、表5に示すように、リパーゼの添加濃度が低いと加熱臭が低減または抑制されず、呈味も味が薄く感じられ(リパーゼ処理茶抽出物1〜4)、反対にリパーゼの添加濃度が高いと加熱臭が低減または抑制されるが、呈味に渋味やエグ味が感じられる(リパーゼ処理茶抽出物11)ということもわかった。
<<実施例4:β−グルコシダーゼの添加量>>
β−グルコシダーゼの添加量による影響を確認するために、実施例1の本発明品1の製造工程中、工程cにおいてβ−グルコシダーゼの添加量を変化させた以外は実施例1と全く同様の操作を行い、得られた香味改善剤(茶抽出物)を評価した。官能評価は実施例1でおこなった方法と同様に行った。
β−グルコシダーゼの添加濃度、香気成分量および官能評価のコメントを表6に示した。
Figure 2022002471
表6に示すように、茶類原料にペクチナーゼを作用させた後に、特定の添加濃度でβ−グルコシダーゼを作用させることにより、十分な量の香気成分が遊離され、緑茶らしい青い香気を付与することができた(β−グルコシダーゼ処理茶抽出物3〜7)。なお、表6に示すように、β−グルコシダーゼの添加濃度が低いと緑茶らしい青い香気が弱く(β−グルコシダーゼ処理茶抽出物1〜2)、添加濃度が高すぎると華やかな香りが強くなりすぎて、緑茶らしい香気が失われる(β−グルコシダーゼ処理茶抽出物8〜9)ということもわかった。
<<実施例5:容器詰茶飲料(UHT殺菌)>>
市販の緑茶飲料に本発明品1を添加した後、容器に充填してUHT殺菌を行い、容器詰茶飲料を製造し、加熱臭が抑制されるかどうかを検討した。
(容器詰茶飲料の製造工程)
60℃の軟水3500gに緑茶葉70g添加し時々攪拌しながら5分間静置した後、固液分離を行い、得られた茶抽出物3450gと同量の軟水と混合した。この混合液に本発明品1を添加(対液0.4質量%)した後、UHT殺菌機にて、135℃、30秒殺菌を行った。これをペットボトルに分注し、容器詰茶飲料(以下、本発明品1賦香容器詰茶飲料という場合がある)を得た。
(コントロール品の製造方法)
本発明品1賦香容器詰茶飲料の製造方法において本発明品1を添加する工程を行わない点以外は同様の操作を行い、コントロール品を得た。
<官能評価の方法>
官能評価は事前によく訓練されたパネリスト6人で、青香、フレッシュな香り、甘い香り、加熱臭、ボディ感、すっきり感、苦渋みの各評価項目に関して、7点満点で採点して評価した。
<実施例5の結果>
官能評価の結果を図1に示す。本発明品1賦香容器詰茶飲料はコントロール品と比較して、加熱臭、苦渋味が抑制される一方、青い香り、甘い香り、フレッシュな香り、ボディ感、すっきり感が向上した。

Claims (14)

  1. 遊離脂肪酸を有効成分として含む、茶飲料用香味改善剤。
  2. 容器詰茶飲料用である、請求項1に記載の茶飲料用香味改善剤。
  3. 前記遊離脂肪酸としてオレイン酸、リノール酸またはリノレン酸のいずれか1種以上を含む、請求項1または2に記載の茶飲料用香味改善剤。
  4. 茶抽出物からなり、
    前記遊離脂肪酸の含有量が、前記茶抽出物の全固形分(Bx換算)を基準にして1.6ppm以上14ppm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の茶飲料用香味改善剤。
  5. 前記遊離脂肪酸としてオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸を含み、
    前記遊離脂肪酸の含有量が、前記茶抽出物の全固形分(Bx換算)を基準にして5.1ppm以上14ppm以下であり、
    前記遊離脂肪酸の合計量に対する前記リノレン酸の含有量が80質量%以上97質量%以下である、請求項4に記載の茶飲料用香味改善剤。
  6. Z−3−ヘキセノール、ベンジルアルコール、ゲラニオール、リナロールまたは3−メチル−2,4−ノナンジオンのいずれか1種以上を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の茶飲料用香味改善剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の茶飲料用香味改善剤を含む茶飲料であって、
    前記遊離脂肪酸の含有量が、28ppb以上240ppb以下である、茶飲料。
  8. 前記遊離脂肪酸としてオレイン酸を含み、
    前記オレイン酸の含有量が、8.0ppb以上32ppb以下である、請求項7に記載の茶飲料。
  9. 前記遊離脂肪酸としてリノール酸を含み、
    前記リノール酸の含有量が、12ppb以上60ppb以下である、請求項7に記載の茶飲料。
  10. 前記遊離脂肪酸としてリノレン酸を含み、
    前記リノレン酸の含有量が、40ppb以上232ppb以下である、請求項7に記載の茶飲料。
  11. 茶抽出物からなる茶飲料用香味改善剤の製造方法であって、
    (a)茶類原料にペクチナーゼを作用させる工程、
    (b)前記(a)工程と同時または前記(a)工程の後に、前記茶類原料にリパーゼを作用させる工程、
    (c)前記(b)工程の後に、前記茶類原料から茶抽出物を得る工程、
    を含む、茶飲料用香味改善剤の製造方法。
  12. (d)前記(a)工程と同時または前記(a)工程の後に、前記茶類原料にβ−グルコシダーゼを作用させる工程をさらに含む、請求項11に記載の茶飲料用香味改善剤の製造方法。
  13. 請求項11または12に記載の茶飲料用香味改善剤の製造方法によって製造された茶飲料用香味改善剤を用いた茶飲料の香味改善方法であって、
    (e)前記茶飲料用香味改善剤を、茶飲料に添加する工程、
    (f)前記茶飲料を加熱殺菌する工程、
    を含む、茶飲料の香味改善方法。
  14. (g)遊離脂肪酸を有効成分として含む茶飲料用香味改善剤を、茶飲料に添加する工程、
    (h)前記茶飲料を加熱殺菌する工程、
    を含み、
    前記(g)工程の後において、前記茶飲料中の前記遊離脂肪酸の含有量が、28ppb以上240ppb以下である、茶飲料の香味改善方法。
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