JP2015166307A - ジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法およびジフルオロリン酸アルカリ金属塩の製造方法 - Google Patents

ジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法およびジフルオロリン酸アルカリ金属塩の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】極めて簡便な方法で、効率よく製造することが可能なジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法およびジフルオロリン酸アルカリ金属塩の製造方法を提供する。【解決手段】本発明のジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法は、MOH(式中、Mはアルカリ金属原子)で表されるアルカリ金属水酸化物と、POX3(式中、Xはフッ素以外のハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ホスホリルとを反応させることにより、MPO2X2(式中、M及びXは前記に規定したとおりである。)で表されるジハロリン酸アルカリ金属塩を生成させるものである。【選択図】 なし

Description

本発明は、ジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法およびジフルオロリン酸アルカリ金属塩の製造方法に関する。さらに詳しくは、アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリルとの反応により、極めて簡便に高効率での製造を可能にするジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法およびジフルオロリン酸アルカリ金属塩の製造方法に関する。
従来、ジフルオロリン酸アルカリ金属塩を除くジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法としては、例えば、オキシ塩化リンと炭酸リチウムを反応させることにより、ジクロロリン酸リチウムを製造する方法がある(下記特許文献1参照)。この製造方法によれば、ジクロロリン酸リチウムを効率的かつ簡便に製造することが可能とされている。
しかしながら、特許文献1の製造方法であると、オキシ塩化リンと炭酸リチウムとの反応性が緩慢なため、反応性を高めるためには、少なくとも90℃程度の加熱還流操作が必要となる。また、反応が完了するまでに長時間を要する。さらに、特許文献1の製造方法であると、反応の副生物として塩化リチウムが生成するため、反応後にこれを濾過によって分離する操作が必要となる。また生成物であるジクロロリン酸リチウムは有機溶媒に対する溶解性に乏しいため、生成するジクロロリン酸リチウムを完全に溶解するためには多量の反応溶媒が必要となる。さらに、反応濾液からジクロロリン酸リチウムを分離するためには真空乾燥や加熱乾燥等の操作によって多量の反応溶媒を留去する必要があり、エネルギー使用量の点や安全上の観点からも好ましくない。
また、特許文献1には、オキシ塩化リンと炭酸リチウムとの反応により得られたジクロロリン酸リチウムに対して、フッ化水素を反応させることによりジフルオロリン酸リチウムを製造する方法も開示されている。
しかしながら、フッ化水素は反応性が高いため、ジクロロリン酸リチウムの塩素との置換反応以外に酸素との置換反応をも引き起こす。その結果、六フッ化リン酸リチウムやフッ化リチウムが副生するという問題がある。目的物であるジフルオロリン酸リチウム以外の副生物の生成によって、フッ化水素が過剰に消費されるのは、反応効率の観点から好ましくない。仮に六フッ化リン酸リチウムやフッ化リチウムとの混合物が得られてもよい場合であっても、ジフルオロリン酸リチウムと副生物の生成比率の制御が困難であり、煩雑な操作を要する。
特開2014−15343号
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、極めて簡便な方法で、効率よく製造することが可能なジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法およびジフルオロリン酸アルカリ金属塩の製造方法を提供することにある。
本発明のジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法は、前記の課題を解決する為に、MOH(式中、Mはアルカリ金属原子を示す。)で表されるアルカリ金属水酸化物と、POX(式中、Xはフッ素以外のハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ホスホリルとを反応させることにより、MPO(式中、M及びXは前記に規定したとおりである。)で表されるジハロリン酸アルカリ金属塩を生成させることを特徴とする。
また、前記構成に於いては、前記MOHで表されるアルカリ金属水酸化物と、前記POX3で表されるハロゲン化ホスホリルとの反応を、有機溶媒中で行うことができる。
また、前記の構成に於いては、前記MOHで表されるアルカリ金属水酸化物と、前記POX3で表されるハロゲン化ホスホリルとの反応を、無溶媒下で行うことができる。
前記構成に於いては、前記Mがリチウム原子であることが好ましい。
さらに、前記構成に於いては、前記Xが塩素原子であることが好ましい。
また、本発明のジフルオロリン酸アルカリ金属塩の製造方法は、前記の課題を解決する為に、前記に記載のジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法により得られた前記MPO2X2で表されるジハロリン酸アルカリ金属塩を、1価又は2価のカチオンのフッ化物塩と他の有機溶媒中で反応させてフッ素化させることを特徴とする。
本発明のジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法によれば、アルカリ金属水酸化物(MOH(式中、Mはアルカリ金属原子を示す。))と、ハロゲン化ホスホリル(POX(式中、Xはフッ素原子以外のハロゲン原子を示す。))とを反応させることにより、ジハロリン酸アルカリ金属塩(MPO(式中、M及びXは前記に規定したとおりである。))を簡便に効率よく生成させることが可能になる。
また、本発明のジフルオロリン酸アルカリ金属塩の製造方法によれば、ジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法により得られたジハロリン酸アルカリ金属塩(MPO)を、1価又は2価カチオンのフッ化物塩と他の有機溶媒中で反応させてフッ素化させることにより、ジフルオロリン酸アルカリ金属塩を簡便に効率よく生成させることが可能になる。
(ジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法)
本実施の形態に係るジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法について、以下に説明する。
本実施の形態のジハロリン酸アルカリ金属塩(MPO(式中、Mはアルカリ金属原子を示し、Xはフッ素以外のハロゲン原子を示す。)の製造方法は、アルカリ金属水酸化物と、ハロゲン化ホスホリルとを反応させることにより行われる。
前記アルカリ金属水酸化物は、MOH(式中、Mはアルカリ金属原子を示す。)で表される。前記Mはアルカリ金属原子であって、具体的にはLi、Na、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ハロゲン化ホスホリルとの反応性の高さの観点からは、前記MはLiであることが好ましい。また、前記Xはフッ素以外のハロゲン原子であって、具体的には塩素、臭素及びヨウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
前記ハロゲン化ホスホリルは、POX(式中、Xはフッ素以外のハロゲン原子を示す。)で表される。より具体的には、例えば塩化ホスホリル、臭化ホスホリル、ヨウ化ホスホリル等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。これらのハロゲン化ホスホリルのうち、入手の容易さと、アルカリ金属水酸化物との反応性の高さの観点からは、塩化ホスホリルが好ましい。
前記アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリルが反応を開始する際の反応開始温度は、当該反応が進行する限りにおいて特に限定されないが、−20℃〜100℃の範囲内であり、好ましくは0℃〜25℃、より好ましくは10℃〜25℃未満である。反応開始温度を100℃以下にすることにより、ハロゲン化ホスホリルの蒸発による収率の低下を抑制し、ジハロリン酸アルカリ金属塩の純度が低くなるのを防止することができる。その一方、反応開始温度を−20℃以上にすることにより、ハロゲン化ホスホリルが凝固するのを防止することができる。温度の調整手段としては特に限定されず、反応開始温度を前記温度範囲内となる様に冷却して制御する場合には、アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリル等が投入された反応容器を氷冷等により行うことができる。また、反応開始温度を前記温度範囲内となる様に加熱して制御する場合には、任意の温度に設定された湯浴等により行うことができる。尚、前記アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリルの反応終了後は、室温(例えば、25℃)程度にまで下がる。
前記アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリルとの反応は、有機溶媒中で行ってもよく、無溶媒下で行ってもよい。前記有機溶媒としては特に限定されないが、非プロトン性有機溶媒が好ましい。アルコール等のプロトン性有機溶媒を用いないことにより、アルコキシホスホリル基やフェノキシホスホリル基の生成といった副反応が生じるのを抑制することができる。
前記非プロトン性有機溶媒としては特に限定されず、例えば、ニトリル類、エステル類、ケトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記ニトリル類としては特に限定されず、例えば、アセトニトリル、プロピオ二トリル等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記エステル類としては特に限定されず、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記ケトン類としては特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記エーテル類としては特に限定されず、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記ハロゲン化炭化水素としては特に限定されず、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
また、前記非プロトン性溶媒のその他の例としては、例えば、ニトロメタン、ニトロエタン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらも単独で、又は複数を併用することができる。
前記有機溶媒の使用量としては、前記アルカリ金属水酸化物の質量に対し2倍量以上が好ましく、2〜10倍量がより好ましく、4〜5倍量が特に好ましい。前記有機溶媒の使用量を、前記アルカリ金属水酸化物の質量の2倍量以上にすることにより、前記アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリルの反応の際におけるアルカリ金属水酸化物の攪拌性の悪化を防止し、反応性の低下を抑制することができる。尚、前記有機溶媒の使用量の上限については特に限定されないが、過剰に前記有機溶媒を用いると、これを留去する際に必要以上のエネルギーが必要となり、工業的に不利となる場合がある。従って、有機溶媒の使用量の上限については、反応種に応じて適宜設定するのが好ましい。
前記有機溶媒中でジハロリン酸アルカリ金属塩を合成する際に使用するハロゲン化ホスホリルの使用量は、アルカリ金属水酸化物1当量に対して1当量以上が好ましく、より好ましくは1〜2当量、さらに好ましくは1.05〜1.5当量、特に好ましくは1.1〜1.2当量である。前記ハロゲン化ホスホリルの使用量を1当量以上にすることにより、アルカリ金属水酸化物が残存するのを防止することができる。上限は特に指定しないが、ハロゲン化ホスホリルを2当量以上使用した場合、余剰のハロゲン化ホスホリルを留去する際に必要以上のエネルギーが必要となる場合がある。従って、有機溶媒の使用量の上限については、反応種に応じて適宜設定するのが好ましい。尚、「当量」とはモル当量のことを意味する。モル当量は、物質量(単位:モル[mol])の比を表すものである。
また、前記有機溶媒中でジハロリン酸アルカリ金属塩を合成する場合、各原料の添加の順序については特に限定されないが、通常は、アルカリ金属水酸化物を反応容器に投入した後に、有機溶媒及びハロゲン化ホスホリルを順次添加して行われる。
また、前述したとおり、前記アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリルとの反応は、無溶媒下で行うこともできる。この場合、ハロゲン化ホスホリルは反応溶媒としての役割も果たす。
無溶媒下で前記アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリルとを反応させる場合、当該ハロゲン化ホスホリルの使用量は、アルカリ金属水酸化物1当量に対して1.5当量以上が好ましく、より好ましくは1.5〜20当量、さらに好ましくは1.8〜10当量、特に好ましくは2〜5当量である。前記ハロゲン化ホスホリルの使用量を1.5当量以上にすることにより、アルカリ金属水酸化物が残存するのを防止することができる。尚、ハロゲン化ホスホリルの使用量の上限については、当該ハロゲン化ホスホリルが反応種としての役割の他に溶媒としての役割も担うため、特に限定はされない。しかしながら、ハロゲン化ホスホリルを過剰に用いると、これを留去する際に必要以上のエネルギーが必要となり、工業的に不利となる場合がある。従って、ハロゲン化ホスホリルの使用量の上限については、反応種に応じて適宜設定するのが好ましい。尚、ここでいう「当量」とは、前述の場合と同様、モル当量を意味する。
また、無溶媒下でジハロリン酸アルカリ金属塩を合成する場合、各原料の添加の順序については特に限定されないが、通常は、溶媒としての役割を果たすハロゲン化ホスホリルを反応容器に投入した後に、アルカリ金属水酸化物を添加して行われる。
アルカリ金属水酸化物と、ハロゲン化ホスホリルとの反応の際は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス中またはガス気流中で行うことが好ましい。これにより、大気中の水分がジハロリン酸アルカリ金属塩に溶解し組成変化が生じるのを防止することができる。また、アルカリ金属水酸化物と、ハロゲン化ホスホリルとを反応させる際は、撹拌や振動、揺動等の混合操作を行ってもよい。
以上の通り、本実施の形態のジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法によれば、極めて簡便に高効率でジハロリン酸アルカリ金属塩を製造することができる。得られたジハロリン酸アルカリ金属塩は、ジフルオロリン酸塩やリン酸ジエステル及びリン酸ジエステル塩を製造する際の好適な前躯体として利用でき、その結果、リチウムイオン二次電池の電解質等の電子材料用途や洗浄剤、繊維処理剤、乳化剤、防錆剤、医薬中間体等の幅広い分野で活用することができる。
(ジフルオロリン酸アルカリ金属塩の製造方法)
前記ジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法により得られたジハロリン酸アルカリ金属塩は、ジフルオロリン酸アルカリ金属塩を製造する際の出発原料として用いることが可能である。
前記ジフルオロリン酸アルカリ金属塩は、前記ジハロリン酸アルカリ金属塩を、他の有機溶媒中で、1価又は2価のカチオンのフッ化物塩と反応させてフッ素化することにより製造することができる。
前記1価又は2価のカチオンのフッ化物塩とは、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属又はオニウムのフッ化物塩を意味する。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記フッ化物塩を構成するアニオンとしては特に限定されず、例えば、フッ化物イオン(F)、酸性フッ化物イオン(F(HF))、ポリフッ化イオン(F(HF)n(但し、nは1〜10の自然数である。))等が挙げられる。これらのアニオンは、対になるカチオン種との組み合わせや、フッ素化を行う際の反応条件に応じて種々のフッ化物やフッ化物塩を形成し、本実施の形態のジフルオロリン酸アルカリ金属塩の製造方法に用いることが可能になる。
前記アルカリ金属としては特に限定されず、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。反応性の観点からはカリウム、ルビジウム、セシウムが好ましく、さらに製造コスト等の経済性を考慮するとカリウムが特に好ましい。
前記アルカリ土類金属としては特に限定されず、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記遷移金属としては特に限定されず、例えば、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、クロム、銅、モリブデン、タングステン、バナジウム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記フッ化物塩を構成するオニウムとしては特に限定されず、例えば、アンモニウム、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンのプロトン付加体、第4級アンモニウム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記第1級アミンとしては特に限定されず、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記第2級アミンとしては特に限定されず、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジプイソロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。これらの第2級アミンのうち、取り扱い易さの観点からは、ジエチルアミンが好ましい。
前記第3級アミンとしては特に限定されず、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−エチルジメチルアミン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。これらの第3級アミンのうち、入手のし易さ及び取り扱い易さの観点からは、トリエチルアミンが好ましい。
前記第4級アンモニウムとしては、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトライソプロピルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、トリメチルイソプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルブチルアンモニウム、トリメチルペンチルアンモニウム、トリメチルヘキシルアンモニウムが挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。これらの第4級アンモニウムのうち、入手のし易さ及び取り扱い易さの観点からは、テトラブチルアンモニウムが好ましい。
前記他の有機溶媒としては特に限定されないが、副反応の抑制やフッ素化反応の反応性の観点からは、非プロトン性有機溶媒を用いるのが好ましい。前記非プロトン性有機溶媒として特に限定されず、例えば、ニトリル類、エステル類、ケトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記ニトリル類としては特に限定されず、例えば、アセトニトリル、プロピオ二トリル等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記エステル類としては特に限定されず、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記ケトン類としては特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記エーテル類としては特に限定されず、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記ハロゲン化炭化水素としては特に限定されず、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
また、前記非プロトン性溶媒のその他の例としては、例えば、ニトロメタン、ニトロエタン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらも単独で、又は複数を併用することができる。
前記に例示した非プロトン性有機溶媒のうち、フッ素化反応の反応性の観点からは、ジメトキシエタンやアセトニトリルが好ましく、特にジメトキシエタンが好ましい。
フッ素化の反応温度は0℃〜100℃が好ましく、20℃〜100℃がより好ましく、反応性の観点から25℃〜90℃がさらに好ましい。反応温度を0℃以上にすることにより、生成物が析出するのを抑制し、反応の進行が阻害されるのを防止することができる。その一方、反応温度を100℃以下にすることにより、副反応の発生を抑制することができ、製造コスト等の経済性の向上が図れる。
前記他の有機溶媒の使用量としては、前記ジハロアルカリ金属塩の質量に対し2倍量以上が好ましく、2〜20倍量がより好ましく、5〜15倍量が特に好ましい。前記他の有機溶媒の使用量を、前記ジハロアルカリ金属塩の質量の2倍量以上にすることにより、前記ジハロリン酸アルカリ金属塩と前記フッ化物塩の反応の際におけるジハロリン酸アルカリ金属塩の攪拌性の悪化を防止し、反応性の低下を抑制することができる。尚、前記他の有機溶媒の使用量の上限については特に限定されないが、過剰に前記他の有機溶媒を用いると、これを留去する際に必要以上のエネルギーが必要となり、工業的に不利となる場合がある。従って、他の有機溶媒の使用量の上限については、反応種に応じて適宜設定するのが好ましい。
前記他の有機溶媒中でジフルオロリン酸アルカリ金属塩を合成する際に使用する前記フッ化物塩の使用量は、前記ジハロリン酸アルカリ金属塩1当量に対して2〜10当量であることが好ましく、より好ましくは2〜5当量、特に好ましくは2〜3当量である。前記フッ化物塩の使用量を2当量以上にすることにより、未反応のジハロアルカリ金属塩の発生を抑制することができる。その一方、フッ化物塩の使用量を10当量以下にすることにより、余剰のフッ化物塩等を除去するためのエネルギーを抑制することができる。尚、ここでいう「当量」とは、前述の場合と同様、モル当量を意味する。
尚、フッ素化反応の後においては、濾過や乾燥、抽出等の操作を適宜組み合わせることにより、ジフルオロリン酸アルカリ金属塩を得ることが可能である。また、フッ素化反応の際は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス中またはガス気流中で行うことが好ましい。これにより、大気中の水分がジフルオロリン酸アルカリ金属塩に溶解し組成変化が生じるのを防止することができる。さらに、フッ素化反応の際は、撹拌や振動、揺動等の混合操作を行ってもよい。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨ではない。
(実施例1)
冷却管と滴下ロートを装着したフラスコにジメチルカーボネート25.0gを投入し、その後水酸化リチウム5.0gを投入した。続いて、20℃(反応開始温度)、窒素雰囲気下にてフラスコ内を攪拌しながら、38.4gの塩化ホスホリルをゆっくりと滴下した。このときフラスコ内にて激しく反応している様子が確認された。尚、塩化ホスホリルは、水酸化リチウム1当量に対し、1.2当量であった。また、ジメチルカーボネートは、水酸化リチウムの質量1に対し、5倍量であった。
その後、フラスコ内を約30分間攪拌し、ガスの発生がほぼ収まり、室温まで冷却されたところで、窒素気流下130℃にてジメチルカーボネートと余剰の塩化ホスホリルの留去を行った。これにより、29.2gの白色結晶が得られた。
この白色結晶をアニオンクロマトグラフィー(メトローム社製、商品名:IC−850)、カチオンクロマトグラフィー(ダイオネクス社製、商品名:ICS−1500)、FT−IR(パーキンエルマー社製、商品名:SPECTRUM2000)、TG−DTA(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:EXSTAR6000 TG/DTA6300)を用いて分析した。
前記カチオンクロマトグラフィーによる分析の結果、Liイオンのみが検出された。また、アニオンクロマトグラフィーによる分析の結果、Clイオン、POイオンが検出された。各イオン濃度より、Li、Cl、P元素についてそれぞれ含有量を求めたところLiイオン:4.9%、Clイオン:49.9%、P元素:21.9%となった。この値は、LiPOClの各元素の含有量(Li:4.9%、Cl:50.3%、P:22.0%)と極めて近い値となった。
また、FT−IRを用いて赤外吸収スペクトルを確認したところ、得られた化合物には1100cm−1付近にO=P−O結合由来の吸収が確認された。これにより、塩化ホスホリルのO=P−Cl骨格がO=P−O骨格へ変換されていることが示唆された。
さらに、TG−DTAの測定結果より、当該化合物の熱分解温度は199℃であることが確認された。原料である塩化ホスホリルの沸点は105℃であり、水酸化リチウムの分解点は924℃ある。従って、白色結晶の生成物とは熱物性が異なっていることが確認された。
以上の分析結果に基づき総合的に判断した結果、得られた白色結晶の固体はジクロロリン酸リチウムであると判定した。また、得られた白色結晶の個体のジクロロリン酸リチウムから換算した質量収率は99.3質量%であった。
(実施例2)
冷却管と滴下ロートを装着したフラスコにジメチルカーボネート25.0gを投入し、その後水酸化リチウム5.0gを投入した。続いて、100℃(反応開始温度)、窒素雰囲気下にてフラスコ内を攪拌しながら、38.4gの塩化ホスホリルをゆっくりと滴下した。このときフラスコ内にて激しく反応している様子が確認された。尚、塩化ホスホリルは、水酸化リチウム1当量に対し、1.2当量であった。また、ジメチルカーボネートは、水酸化リチウムの質量1に対し、5倍量であった。
その後、フラスコ内を約30分間攪拌し、ガスの発生がほぼ収まり、室温まで冷却されたところで、窒素気流下130℃にてジメチルカーボネートと余剰の塩化ホスホリルの留去を行った。これにより、29.1gの白色結晶が得られた。
この白色結晶をアニオンクロマトグラフィー(メトローム社製、商品名:IC−850)、カチオンクロマトグラフィー(ダイオネクス社製、商品名:ICS−1500)、FT−IR(パーキンエルマー社製、商品名:SPECTRUM2000)、TG−DTA(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:EXSTAR6000 TG/DTA6300)を用いて分析した。
前記カチオンクロマトグラフィーによる分析の結果、Liイオンのみが検出された。また、アニオンクロマトグラフィーによる分析の結果、Clイオン、POイオンが検出された。各イオン濃度より、Li、Cl、P元素についてそれぞれ含有量を求めたところLiイオン:4.9%、Clイオン:50.1%、P元素:22.1%となった。この値は、LiPOClの各元素の含有量(Li:4.9%、Cl:50.3%、P:22.0%)と極めて近い値となった。
また、FT−IRを用いて赤外吸収スペクトルを確認したところ、得られた化合物には1100cm−1付近にO=P−O結合由来の吸収が確認された。これにより、塩化ホスホリルのO=P−Cl骨格がO=P−O骨格へ変換されていることが示唆された。
さらに、TG−DTAの測定結果より、当該化合物の熱分解温度は199℃であることが確認された。原料である塩化ホスホリルの沸点は105℃であり、水酸化リチウムの分解点は924℃ある。従って、白色結晶の生成物とは熱物性が異なっていることが確認された。
以上の分析結果に基づき総合的に判断した結果、得られた白色結晶の固体はジクロロリン酸リチウムであると判定した。また、得られた白色結晶の個体のジクロロリン酸リチウムから換算した質量収率は99.0質量%であった。
(実施例3)
冷却管と滴下ロートを装着したフラスコにジメチルカーボネート10gを投入し、その後水酸化リチウム0.5gを投入した。続いて、20℃(反応開始温度)、窒素雰囲気下にてフラスコ内を攪拌しながら、臭化ホスホリル6.0gをジメチルカーボネート20gに溶解させた溶液を、ゆっくりと滴下した。このときフラスコ内にて激しく反応している様子が確認された。尚、臭化ホスホリルは、水酸化リチウム1当量に対し、1.0当量であった。また、ジメチルカーボネートは、水酸化リチウムの質量1に対し、20倍量であった。
その後、フラスコ内を約30分間攪拌し、ガスの発生がほぼ収まり、室温まで冷却されたところで、窒素気流下130℃にてジメチルカーボネートの留去を行った。これにより、4.77gの白色結晶の固体が得られた。
得られた白色結晶の個体について、FT−IR(パーキンエルマー社製、商品名:SPECTRUM2000)、TG−DTA(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:EXSTAR6000 TG/DTA6300)を用いて分析を行った。
前記FT−IRを用いて赤外吸収スペクトルを確認したところ、得られた化合物には1100cm−1付近にO=P−O結合由来の吸収が確認された。これにより、臭化ホスホリルのO=P−Br骨格がO=P−O骨格に変換されていることが示唆された。また、得られた結晶のジブロモリン酸リチウムから換算した質量収率は99.5質量%であった。
(実施例4)
フラスコにジメトキシエタン30gを投入し、続いて、トリエチルアミン7.19g及び無水フッ化水素酸2.9gを順次加え、ジメトキシエタン中でトリエチルアミンフッ化水素酸塩を調整した。
次に、実施例1で得られたジクロロリン酸リチウム5.0gをジメトキシエタン20gに懸濁させた。さらに、この懸濁液を窒素雰囲気下で、トリエチルアミンフッ化水素酸塩/ジメトキシエタン溶液に、攪拌しながら滴下した。このときの反応温度は25℃であり、撹拌は3時間行った。反応は、白色の沈殿を生じさせながら進行した。
次に、得られた白色沈殿物を減圧ろ過により濾液と分離した。さらに、この濾液を減圧下留去することにより、白色固体を得た。この白色固体を、イオンクロマトグラフィー(ダイオネクス製、商品名:ICS−1000)を用いてアニオン分析を行った。その結果、得られた白色固体はジフルオロリン酸リチウムであることが確認された。また、ジフルオロリン酸イオンの相対面積比をジフルオロリン酸リチウムの純度の指標とした。得られたジフルオロリン酸リチウムの純度は相対面積で94.0%であった。
(実施例5)
冷却管と固体ロートを装着したフラスコに塩化ホスホリル48.1gを投入し、氷冷下水酸化リチウム5.0gを少しずつ投入した。続いて、20℃(反応開始温度)、窒素雰囲気下にてフラスコ内を攪拌していると、フラスコ内にて激しく反応している様子が確認された。尚、塩化ホスホリルは、水酸化リチウム1当量に対し1.5当量であった。
その後、フラスコ内を約30分間攪拌し、ガスの発生がほぼ収まり、室温まで冷却されたところで、窒素気流下130℃にて余剰の塩化ホスホリルの留去を行った。これにより、29.0gの白色結晶が得られた。
前記カチオンクロマトグラフィーによる分析の結果、Liイオンのみが検出された。また、アニオンクロマトグラフィーによる分析の結果、Clイオン、POイオンが検出された。各イオン濃度より、Li、Cl、P元素についてそれぞれ含有量を求めたところLiイオン:4.9%、Clイオン:50.1%、P元素:21.9%となった。この値は、LiPOClの各元素の含有量(Li:4.9%、Cl:50.3%、P:22.0%)と極めて近い値となった。
また、FT−IRを用いて赤外吸収スペクトルを確認したところ、得られた化合物には1100cm−1付近にO=P−O結合由来の吸収が確認された。これにより、塩化ホスホリルのO=P−Cl骨格がO=P−O骨格へ変換されていることが示唆された。
さらに、TG−DTAの測定結果より、当該化合物の熱分解温度は199℃であることが確認された。原料である塩化ホスホリルの沸点は105℃であり、水酸化リチウムの分解点は924℃ある。従って、白色結晶の生成物とは熱物性が異なっていることが確認された。
以上の分析結果に基づき総合的に判断した結果、得られた白色結晶の固体はジクロロリン酸リチウムであると判定した。また、得られた白色結晶の個体のジクロロリン酸リチウムから換算した質量収率は98.6質量%であった。
(実施例6)
冷却管と固体ロートを装着したフラスコに塩化ホスホリル16.0gを投入し、氷冷下水酸化リチウム0.5gを少しずつ投入した。続いて、20℃(反応開始温度)、窒素雰囲気下にてフラスコ内を攪拌していると、フラスコ内にて激しく反応している様子が確認された。尚、塩化ホスホリルは、水酸化リチウム1当量に対し5当量であった。
その後、フラスコ内を約30分間攪拌し、ガスの発生がほぼ収まり、室温まで冷却されたところで、窒素気流下130℃にて余剰の塩化ホスホリルの留去を行った。
これにより、2.8gの白色結晶が得られた。
前記カチオンクロマトグラフィーによる分析の結果、Liイオンのみが検出された。また、アニオンクロマトグラフィーによる分析の結果、Clイオン、POイオンが検出された。各イオン濃度より、Li、Cl、P元素についてそれぞれ含有量を求めたところLiイオン:4.9%、Clイオン:49.7%、P元素:21.8%となった。この値は、LiPOClの各元素の含有量(Li:4.9%、Cl:50.3%、P:22.0%)と極めて近い値となった。
また、FT−IRを用いて赤外吸収スペクトルを確認したところ、得られた化合物には1100cm−1付近にO=P−O結合由来の吸収が確認された。これにより、塩化ホスホリルのO=P−Cl骨格がO=P−O骨格へ変換されていることが示唆された。
さらに、TG−DTAの測定結果より、当該化合物の熱分解温度は199℃であることが確認された。原料である塩化ホスホリルの沸点は105℃であり、水酸化リチウムの分解点は924℃ある。従って、白色結晶の生成物とは熱物性が異なっていることが確認された。
以上の分析結果に基づき総合的に判断した結果、得られた白色結晶の固体はジクロロリン酸リチウムであると判定した。また、得られた白色結晶の個体のジクロロリン酸リチウムから換算した質量収率は96.6質量%であった。
(実施例7)
冷却管と固体ロートを装着したフラスコに塩化ホスホリル64.0gを投入し、氷冷下水酸化リチウム0.5gを少しずつ投入した。続いて、20℃(反応開始温度)、窒素雰囲気下にてフラスコ内を攪拌していると、フラスコ内にて激しく反応している様子が確認された。尚、塩化ホスホリルは、水酸化リチウム1当量に対し20当量であった。
その後、フラスコ内を約30分間攪拌し、ガスの発生がほぼ収まり、室温まで冷却されたところで、窒素気流下130℃にて余剰の塩化ホスホリルの留去を行った。
これにより、28.7gの白色結晶が得られた。
前記カチオンクロマトグラフィーによる分析の結果、Liイオンのみが検出された。また、アニオンクロマトグラフィーによる分析の結果、Clイオン、POイオンが検出された。各イオン濃度より、Li、Cl、P元素についてそれぞれ含有量を求めたところLiイオン:4.9%、Clイオン:49.9%、P元素:21.6%となった。この値は、LiPOClの各元素の含有量(Li:4.9%、Cl:50.3%、P:22.0%)と極めて近い値となった。
以上の分析結果に基づき総合的に判断した結果、得られた白色結晶の固体はジクロロリン酸リチウムであると判定した。また、得られた白色結晶の個体のジクロロリン酸リチウムから換算した質量収率は97.6質量%であった。

Claims (6)

  1. MOH(式中、Mはアルカリ金属原子を示す。)で表されるアルカリ金属水酸化物と、POX(式中、Xはフッ素以外のハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ホスホリルとを反応させることにより、
    MPO(式中、M及びXは前記に規定したとおりである。)で表されるジハロリン酸アルカリ金属塩を生成させるジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法。
  2. 前記MOHで表されるアルカリ金属水酸化物と、前記POXで表されるハロゲン化ホスホリルとの反応を、有機溶媒中で行う請求項1に記載のジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法。
  3. 前記MOHで表されるアルカリ金属水酸化物と、前記POXで表されるハロゲン化ホスホリルとの反応を、無溶媒下で行う請求項1に記載のジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法。
  4. 前記Mがリチウム原子である請求項1〜3の何れか1項に記載のジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法。
  5. 前記Xが塩素原子である請求項1〜4の何れか1項に記載のジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法により得られた前記MPOで表されるジハロリン酸アルカリ金属塩を、1価又は2価のカチオンのフッ化物塩と他の有機溶媒中で反応させてフッ素化させるジフルオロリン酸アルカリ金属塩の製造方法。
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