JP5672016B2 - フッ素化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塩素化合物からフッ素化合物を合成するフッ素化合物の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン2次電池で使用される電解液の支持塩として、LiN(SOF)等のイミド塩が注目されている。
また、溶融塩電池の溶融塩として、KN(SOF)若しくはNaN(SOF)またはこれらの混合物が採用されている。溶融塩電池では、電池を作動させるために、溶融塩が溶解する温度にまで加熱することを要するが、KN(SOF)若しくはNaN(SOF)またはこれらの混合物は、従来の溶融塩と比べて溶融点が低いため、溶融塩電池の作動温度を低くする材料として注目されている。
KN(SOF)およびKN(SOF)の製造方法は、次に示す文献に開示されている。特許文献1では、触媒としてピリジンを用い、反応原料をアセトニトリル溶媒中でフッ素化することによりKN(SOF)を生成する。特許文献2では、HN(SOCl)をニトロメタン溶媒中でフッ素化することによりKN(SOF)を生成する。非特許文献1では、ジクロロメタン溶媒中でHN(SOCl)とKFとを反応させてKN(SOF)を生成する。
特開2007−182410号公報 特表2004−522681号公報
Z.Anorg.Allg.Chem,2005,631,55−59
溶融塩電池をより低価とするために、溶融塩電池に用いられるKN(SOF)またはNaN(SOF)の製造コストを抑える必要がある。しかし、いずれの文献による製造方法でもHFSIのフッ素化を完了するまでに48〜72時間を要し、これが障害となって、KN(SOF)またはNaN(SOF)のコストを低くすることができない。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、短時間で、ハロゲン化物からフッ素化合物を得ることのできるフッ素化合物の製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、下記(1)式に示されるハロゲン化合物のハロゲン元素をフッ素に置換することにより下記(2)式に示されるフッ素化合物を合成するフッ素化合物の製造方法であって、前記ハロゲン化合物と、アルカリ金属Mのフッ化物であるアルカリ金属フッ化物MFとを無溶媒で反応させて中間生成物を生成し、その後、この中間生成物と前記アルカリ金属フッ化物MFとをプロトン性極性溶媒中で反応させることを要旨とする。
HN(SO)(SO) ・・・ (1)
MN(SOF) ・・・ (2)
・XおよびXは、それぞれ独立にCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。
・アルカリ金属Mは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかを示す。
従来の方法では、ジクロロメタン等の溶媒中で、HN(SOCl)とアルカリ金属フッ化物とを反応させるが、両者の反応速度が遅い。これは、フッ化物はジクロロメタンに溶解しないことから、両者の反応はフッ化物の表面上でしか行われないためであると考えられる。一方、フッ化物が溶解する溶媒中でHN(SOCl)とアルカリ金属フッ化物とを反応させることも考えられる。しかし、結果的には、アセトニトリル中で両者の反応を行っても反応が速くならないことが確かめられている。なお、アルカリ金属フッ化物が溶解する水溶媒中で両者を反応させることも考えられるが、HN(SOCl)は水と反応して加水分解してしまうため、目的物を合成することができない。
発明者は、これらことを考慮し、溶媒中を用いない反応を鋭意研究し、次のことを見出した。HN(SO)(SO)とアルカリ金属フッ化物MFとが無溶媒で反応して一方のハロゲン元素をフッ素に置換すること、および同反応が短時間で完了することを見出した。さらに、この反応により得られる生成物がMN(SOX)(SOF)であること、MN(SOX)(SOF)とアルカリ金属フッ化物MFとを極性溶媒中で反応させることにより、目的物であるMN(SOF)が得られること、およびこの合成方法は、従来の合成方法と比べて短時間で完了することを見出した。したがって、上記方法によれば、従来の方法に比べて、短時間で、MN(SOF)を合成することができる。
また、本発明は次の特徴を有する。従来では、1つの工程で、所定条件下でHN(SOCl)とKFとを反応させてKN(SOF)を生成する。これに対して、本発明では、第1工程で、HN(SO)(SO)の一方のハロゲン元素をフッ素に置換し、第2工程で他方のハロゲン元素をフッ素に置換するという方法を用いている。このような2段階の工程によれば次のような効果が奏する。すなわち、第1工程で、HN(SO)(SO)をアルカリ金属塩に変換してHN(SO)(SO)を消滅させることにより、第2工程において、アルカリ金属フッ化物MFを溶融しやすい水を用いることを可能とする。
また、本発明では、極性溶媒としてプロトン性極性溶媒を用いる。
アルカリ金属フッ化物(MN(SO )(SO F))は、非プロトン性極性溶媒よりもプロトン性極性溶媒に多く溶解する。このため、この構成によれば、MN(SO )(SO F)とアルカリ金属フッ化物MFとの反応を促進することができる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフッ素化合物の製造方法において、前記ハロゲン化合物と前記アルカリ金属フッ化物とを反応させる前に、前記アルカリ金属フッ化物から水分を除去することを要旨とする。
HN(SO)(SO)は水と反応して加水分解し、副生成物を生成する。上記発明によれば、アルカリ金属フッ化物から水分を除去しているため、加水分解による副生成物の生成を抑制することができる。
参考技術として、下記(3)式に示されるハロゲン化合物の一方のハロゲン元素をフッ素に置換することにより下記(4)式に示されるフッ素化合物を合成するフッ素化合物の製造方法であって、前記ハロゲン化合物と、アルカリ金属Mのフッ化物であるアルカリ金属フッ化物MFとを無溶媒で反応させる。
HN(SOX) ・・・ (3)
MN(SOX)(SOF) ・・・ (4)
・XはCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。
・アルカリ金属Mは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかを示す。
この参考技術は、上記発明において第1工程の反応を行うことによって、HN(SOX)から、MN(SOX)(SOF)を得るものである。この方法によれば、MN(SOX)(SOF)を従来に比べて短時間で合成することができる。
(3)請求項3に記載の発明は、下記(4)式に示されるハロゲン化合物のフッ素以外のハロゲン元素をフッ素に置換することにより下記(5)式に示されるフッ素化合物を合成するフッ素化合物の製造方法であって、前記ハロゲン化合物とアルカリ金属Mのフッ化物であるアルカリ金属フッ化物MFとをプロトン性極性溶媒中で反応させることを要旨とする。
MN(SOX)(SOF) ・・・ (4)
MN(SOF) ・・・ (5)
・XはCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。
・アルカリ金属Mは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかを示す。
この発明は、上記発明において第2工程の反応を行って、MN(SOF)を得るものである。なお、原料であるMN(SOX)(SOF)の製造方法は、アルカリ金属フッ化物MFとHN(SOX)と反応させて生成する上記製造方法に限定されない。
本発明によれば、短時間で、ハロゲン化物からフッ素化合物を得ることのできるフッ素化合物の製造方法を提供することができる。
フッ素化合物の19F−NMRスペクトルを示し、(A)はKN(SOF)19F−NMRスペクトル図、(B)は、中間生成物Aに水を添加した直後の19F−NMRスペクトル図、(C)は、中間生成物Aに水を添加して8時間経過後の19F−NMRスペクトル図。
式(A)を参照して、HN(SOCl)から合成されるKN(SOF)の製造方法の概略を説明する。
HN(SOCl)は、従来の製造方法により生成する。次に、HN(SOF)を過剰の粉状のKFに滴下する。なお、KFに水分が含まれているとき、水とHN(SOCl)とが反応して加水分解を起こすため、KFにHN(SOCl)を滴下する前に、予めKFから水分を除去する。HN(SOF)とKFとの反応により、KN(SOCl)(SOF)とHClが生成する。この反応は溶媒なしで行われるため、反応は2〜3分程度で完了する。なお、粉状のKFにHN(SOF)を滴下して形成されたもの、すなわちKN(SOCl)(SOF)とKFとを含むものを中間生成物Aとする。
次に、中間生成物Aに、溶媒としての水を添加する。KN(SOCl)(SOF)と水とは反応しないため、加水分解による生成物は生成されない。一方、KFは水に溶解してイオン化する。このため、KN(SOCl)(SOF)のClがフッ素と置換する。これにより、KN(SOF)とKClが生成される。この反応は、6〜7時間で概ね完了し、12時間経過後には殆ど完了する。その後、反応系を減圧して、水を蒸発させる。さらに、蒸発して得たものからKN(SOF)を抽出する。
Figure 0005672016
<HN(SOCl)の合成>
KN(SOF)の原料であるHN(SOCl)の合成方法の一例を挙げる。なお、HN(SOCl)の合成方法は以下に挙げる例に限定されない。
スルファミン酸、クロロスルホン酸、塩化チオニルを不活性雰囲気で、モル比1.0:1.0:2.4となるように混合し、この混合液を加熱するとともに蒸留物の一部を還流する。すると、温度80℃に達した時点から塩化チオニルが沸騰し、反応が開始する。この反応を温度130℃で約8時間持続する。8時間の経過後、反応系に水分が浸入しないように塩化カルシウム管を反応系の蒸気排出口に取り付けて、反応系全体を冷却する。これにより液状の中間生成物Bが得られる。中間生成物Bには、目的物であるHN(SOCl)が含まれている。
次いで、中間生成物BからHN(SOCl)を抽出するために、減圧下(650Pa以下)で、温度130℃で加熱して、残余している塩化チオニルを揮発させる。さらに、塩化チオニルの揮発が完了した時点で、反応系をさらに加熱し、温度約130度で蒸留する。これにより、目的物であるHN(SOCl)が抽出される。
<KN(SOF)の合成>
以下、KN(SOF)の合成方法を説明する。
第1工程では、粉体のKFを予め乾燥して、KFから水分を除去する。そして、予めHN(SOF)を温度37℃以上に加熱して液体とした上で、HN(SOF)をKFに滴下する。HN(SOF)の滴下量は、KF2.5〜3.0molに対してHN(SOF)1.0molとされる。すなわち、KFは、HN(SOF)に対して過剰量とし、HN(SOF)の全てがKFと反応するように、両者の量が決められる。
KFとHN(SOF)とは発熱して反応し、HClを発生させる。HClが発生しなくなったとき、あるいは発熱がなくなったとき、反応の終了とする。この反応により、KN(SOCl)(SOF)が生成される。この反応では、KN(SOF)は形成されない。反応は2〜3分で完了する。このように反応時間が短くなる理由は、溶媒中で両者が接触するのではなく、直接両者が接触するためであると考えられる。
第2工程では、第1工程の中間生成物Aに水を添加する。水の量はKFの容積の約3倍の量とされる。そして、この水溶液を室温下で12時間撹拌する。なお、この撹拌時、室温以上の温度にして撹拌することもできる。
次いで、水溶液を減圧して乾燥することにより、KF、KCl、KN(SOF)の混合粉末を得る。KN(SOF)は次の方法により分離される。例えば、KN(SOF)の融点がKFおよびKClよりも低いことに基づいてKN(SOF)を分離する。具体的には、混合粉末を、KN(SOF)が溶融する温度であってかつKFおよびKClが溶融しない温度に維持して、KN(SOF)を溶融するとともにKFおよびKClを固形物として残す。そして、溶融物と固形物との混合物を遠心分離機または濾過装置にかけることにより、KN(SOF)をKFおよびKClから分離する。
また、KF、KCl、KN(SOF)の各種溶媒に対する溶解度の差に基づき、KFおよびKClが溶解しかつKN(SOF)が溶解しにくい溶媒を選択し、この溶媒中でKN(SOF)を析出させる方法(再結晶法)を用いてもよい。また、カラムクロマトグラフィ装置を用いて、KN(SOF)をKFおよびKClから分離する方法を用いてもよい。
図1の19F−NMRのスペクトルを参照し、KN(SOF)の生成について説明する。
図1(A)に示すように、KN(SOF)単体の19F−NMRスペクトルは、77δ/ppmに1本のピークを有す。
図1(B)に、第2工程における初期、すなわち、第1工程の中間生成物Aに水を添加した直後における、反応物および生成物の19F−NMRスペクトルを示す。この時期において、KN(SOF)、KN(SOCl)(SOF)、KFのスペクトルが見られる。すなわち、第2工程における水添加直後に、KN(SOF)が生成されることが分かる。
図1(C)に、水の添加後、8時間経過したときの反応物の19F−NMRスペクトルを示す。この時期には、KN(SOCl)(SOF)の相当するスペクトルが殆ど消滅している。すなわち、8時間経過後には、KN(SOCl)(SOF)のフッ素化の反応は略完了している。
本実施形態によれば以下の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、HN(SOCl)をKFに滴下して中間生成物Aを生成し、その後、この中間生成物AとKFとを水溶媒中で反応させて、KN(SOF)を合成する。この方法によれば、従来の方法に比べて、短時間で、KN(SOF)を合成することができる。
(2)本実施形態では、HN(SOCl)をKFに滴下する前に、KFから水分を除去する。HN(SOCl)は水と反応して加水分解し副生成物を生成するが、上記方法によれば、KFから水分を除去しているため、加水分解による副生成物の生成を抑制することができる。
(3)本実施形態では、上記第2工程において溶媒として水を用いている。この方法によれば、溶媒として無極性溶媒を用いるときよりも、水にKFを多く溶かすことができるため、KN(SOCl)(SOF)とフッ素との反応を促進することができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態にて示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。また以下の各変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記実施形態では、第2工程において、中間生成物Aを溶解する溶媒として水が用いられているが、この溶媒は極性溶媒であればよく、例えば、水に代えて、エタノール、アセトニトリル等を用いることもできる。
・上記実施形態では、HN(SOCl)を原料として目的物であるKN(SOF)を合成しているが、HN(SO)(SO)を原料とすることもできる。ここで、XおよびXはそれぞれ独立にCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。このような原料を用いても上記実施形態と同様の製造方法により、目的物であるKN(SOF)を合成することができる。
また、KN(SOX)(SOF)を原料として目的物であるKN(SOF)を合成することもできる。ここで、Xは、Cl、Br、Iのいずれかの元素を示す。この場合、第2工程と同様の合成方法を採用する。なお、KN(SOX)(SOF)の合成方法は、上記第1工程による合成方法に限定されない。
・上記実施形態では、KN(SOF)の合成方法について説明したが、同様の方法によりMN(SOF)を合成することができる。ここでMはアルカリ金属すなわちLi、Na、K、Rb、Csのいずれかを示す。すなわち、MN(SOF)は、HN(SOX)またはHN(SO)(SO)を原料として上記第1工程および第2工程に準じた工程により合成される。また、MN(SOF)は、MN(SOX)(SOF)を原料として、上記第2工程に準じた工程により、合成することができる。ただし、フッ素源として、各工程におけるKFに代えて、目的物であるアルカリ金属塩に対応するアルカリ金属フッ化物が用いられる。
・上記実施形態では、KN(SOF)を目的物としているが、第1工程により形成されるアルカリ金属塩すなわちKN(SOX)(SOF)を合成目的物とすることもできる。ここでXはCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。KN(SOX)(SOF)の製造方法は、上記第1工程と同様である。
また、同様に、LiN(SOX)(SOF)、NaN(SOX)(SOF)、RbN(SOX)(SOF)、CsN(SOX)(SOF)を上記第1工程に準じた方法により合成することができる。ただし、同工程で使用されるKFに代えて、目的物であるアルカリ金属塩に対応するアルカリ金属フッ化物が用いられる。

Claims (3)

  1. 下記(1)式に示されるハロゲン化合物のハロゲン元素をフッ素に置換することにより下記(2)式に示されるフッ素化合物を合成するフッ素化合物の製造方法であって、
    前記ハロゲン化合物と、アルカリ金属Mのフッ化物であるアルカリ金属フッ化物MFとを無溶媒で反応させて中間生成物を生成し、その後、この中間生成物と前記アルカリ金属フッ化物MFとをプロトン性極性溶媒中で反応させる
    ことを特徴とするフッ素化合物の製造方法。
    HN(SO)(SO) ・・・ (1)
    MN(SOF) ・・・ (2)
    およびXは、それぞれ独立にCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。
    アルカリ金属Mは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかを示す。
  2. 請求項1に記載のフッ素化合物の製造方法において、
    前記ハロゲン化合物と前記アルカリ金属フッ化物とを反応させる前に、前記アルカリ金属フッ化物から水分を除去する
    ことを特徴とするフッ素化合物の製造方法。
  3. 下記(4)式に示されるハロゲン化合物のフッ素以外のハロゲン元素をフッ素に置換することにより下記(5)式に示されるフッ素化合物を合成するフッ素化合物の製造方法であって、
    前記ハロゲン化合物とアルカリ金属Mのフッ化物であるアルカリ金属フッ化物MFとをプロトン性極性溶媒中で反応させる
    ことを特徴とするフッ素化合物の製造方法。
    MN(SOX)(SOF) ・・・ (4)
    MN(SOF) ・・・ (5)
    XはCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。
    アルカリ金属Mは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかを示す。
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