JP4621783B2 - フルオロスルホニルイミド類およびその製造方法 - Google Patents
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Description
式中、R3は、フッ素、塩素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基を示す。
で表される9種類の複素環オニウムカチオンの内の1種。
で表される5種類の不飽和オニウムカチオンの内の1種。
攪拌器、温度計、還流管、ガス導入管を取り付けた200mlの反応容器に、液体無水硫酸(SO3)80.1g(1.0mol)を入れ、ここに、25℃〜35℃の温度下で、塩化シアンガス(CNCl)61.5g(0.53mol)を2時間かけて導入した後、反応溶液を25℃〜30℃に調整して、0.5時間攪拌した。反応終了後、還流管およびガス導入管を反応容器から外し、常圧で蒸留し、106℃〜107℃の留分として無色透明液体を得た(118.5g、0.83mol、収率83.7%)。
攪拌器、温度計、還流管、滴下装置を取り付けた500mlの反応容器に、クロロスルホン酸(ClSO3H)148.7g(1.28mol)を加え、120℃まで加熱した。ついで、合成例1と同様の手法で得られたクロロスルホニルイソシアネート180.4g(1.27mol)を滴下装置から反応容器内へ2時間かけて加えた後、混合溶液を150℃に加熱し、6時間攪拌した。反応終了後、還流管および滴下装置を反応容器から外し、減圧蒸留を行い、104℃〜106℃(0.3kPa)の留分として、無色透明の液状物を得た(178.4g、0.83mol、収率65.6%)。
IR(neat):νs (N-H)3155,νas (S-O)1433,1428、νs (S-O)1183、νs (N-S)824cm-1
20mlの反応容器に、ジ(クロロスルホニル)イミド2.18g(0.01mol)、アセトニトリル4.36gを加え、攪拌した。ここに、ZnF22.63g(0.025mol)を加え、室温(25℃)で24時間反応を行った。反応溶液を濾過し、濾物をアセトニトリル5gで洗浄した後、ろ液と洗浄液とを併せた溶液を19F-NMR(「Unity plus 400型」、バリアン社製、内部標準物質:トリフルオロメチルベンゼン、積算回数:32回)で分析した。得られたチャートのピークの面積を計測し、塩素からフッ素への変換割合を定量し、反応が定量的に進行し、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が得られていることを確認した。
19F-NMR(CD3CN):δ56.0
20mlの反応容器に、ジ(クロロスルホニル)イミド2.13g(0.01mol)、アセトニトリル4.26gを加え、攪拌した。ここに、ZnF22.57g(0.025mol)を加え、室温(25℃)で1時間反応を行った。反応溶液を濾過し、濾物をアセトニトリル5gで洗浄した後、ろ液と洗浄液とを併せた溶液を、合成例3と同様にして19F-NMRで分析したところ、反応は定量的に進行しており、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が生成していることを確認した。
19F-NMR(CD3CN):δ56.0
20mlの反応容器に、ジ(クロロスルホニル)イミド1.66g(0.008mol)、アセトニトリル6.68gを加え攪拌した。ここにCuF21.97g(0.02mol)を加え、室温(25℃)で24時間反応を行った。反応溶液を濾過し、濾物をアセトニトリル5gで洗浄した後、ろ液と洗浄液とを併せた溶液を、合成例3と同様にして19F-NMRで分析したところ、反応は定量的に進行しており、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]銅塩が生成していることを確認した。
19F-NMR(CD3CN):δ55.9
20mlの反応容器に、ジ(クロロスルホニル)イミド2.46g(10mmol)、アセトニトリル6.68gを加え、攪拌した。ここに、BiF35.10g(20mmol)を加え、室温(25℃)で24時間反応を行った。反応溶液を濾過し、濾物をアセトニトリル5gで洗浄した後、ろ液と洗浄液とを併せた溶液を、合成例3と同様にして19F-NMRで分析した結果、反応は定量的に進行しており、トリス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]ビスマス塩が得られていることを確認した。
19F-NMR(CD3CN):δ57.0
100mlの反応容器に、ジ(クロロスルホニル)イミド10.4g(48.6mmol)、アセトニトリル20.8gを加え、攪拌した。ここに、ZnF212.5g(120mmol)を加え、室温(25℃)で24時間反応を行った。反応溶液を濾過し、濾物をアセトニトリル25gで洗浄した後、ろ液と洗浄液とを併せた溶液を、合成例3と同様にして19F-NMRで分析した結果、反応は定量的に進行しており、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が生成していることを確認した。
19F-NMR(CD3CN):δ56.0
容量100ml(径:2cm)のカラムに、強酸性イオン交換樹脂(Amberlitet IR-120B H型、オルガノ株式会社製(「アンバーライト」はローム・アンド・ハース・カンパニーの登録商標))36gを充填し、カラム内をイオン交換水で満たした。次いで、カラム上部より水酸化リチウム水溶液を加え、流出液のpHが10になるまでカラム下部より液を抜き出した。引き続き、カラム上部よりイオン交換水を加え、流出液のpHが7になるまでカラム下部から液を抜き出した。
20mlの反応容器に、ジ(クロロスルホニル)イミド3.09g(14.4mmol)、アセトニトリル6.18gを加え、攪拌した。ここに、フッ化カリウム3.57g(61.5mmol)を加え、室温(25℃)で24時間反応を行った。反応溶液を濾過し、濾物をアセトニトリル5gで洗浄した後、ろ液と洗浄液とを併せた溶液を合成例3と同様にして19F-NMRで分析した結果、塩素からフッ素への転化率は3%であり、原料の大部分がフッ素化されず、ジ(クロロスルホニル)イミドのままであることが確認された。
19F-NMR(CD3CN):δ55.9
20mlの反応容器にジ(クロロスルホニル)イミド1.80g(0.008mol)、アセトニトリル3.59gを加え、攪拌した。ここに、ZnF20.87g(0.008mol)を加え、室温(25℃)で24時間反応を行った。その後、反応溶液をろ過し、濾物をアセトニトリル5gで洗浄した後、ろ液と洗浄液とを合わせた溶液を、合成例3と同様にして19F-NMRで分析したところ、反応は定量的に進行しており、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が生成していることを確認した。
19F-NMR(CD3CN):δ56.0
100mlの反応容器に、ジ(クロロスルホニル)イミド54.39g(0.25mol)、アセトニトリル108.9gを加え、攪拌した。ここに、ZnF226.27g(0.25mol)を加え、室温(25℃)で24時間反応を行った。その後、反応溶液をろ過し、濾物をアセトニトリル50gで洗浄した後、ろ液と洗浄液とを合わせた溶液を、合成例3と同様にして19F-NMRで分析したところ、反応は定量的に進行しており、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が生成していることを確認した。
19F-NMR(CD3CN):δ56.0
100mlの反応容器に、合成例10で得られた固体(ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩)5.05g、オニウムカチオンを含む塩として塩化アンモニウム1.27g(0.024mol)、酢酸ブチル45g、水5gを加え、室温で1時間攪拌した。分液ロートにより有機相を分離し、水5gで洗浄する操作を4回繰り返し行った。減圧下で、得られた有機相から酢酸ブチルを留去し、ジ(フルオロスルホニル)イミドのアンモニウム塩を1.53g(0.0077mol)得た。
19F-NMR(CD3CN):δ56.0
100mlの反応容器に、合成例10で得られた固体5.08g、オニウムカチオンを含む塩として塩酸トリエチルアミン3.29g(0.024mol)、酢酸ブチル45g、水5gを加え、室温で1時間攪拌した。分液ロートにより有機相を分離し、得られた有機相を水5gで洗浄する操作を4回繰り返し行った。減圧下で、得られた有機相から酢酸ブチルを留去し、ジ(フルオロスルホニル)イミドのトリエチルアンモニウム塩を3.88g(0.014mol)得た。
19F-NMR(CD3CN):δ55.9
100mlの反応容器に、合成例10で得られた固体5.00g、オニウムカチオンを含む塩としてエチルメチルイミダゾリウムブロミド4.49g(0.024mol)、酢酸ブチル45g、水5gを加え、室温で1時間攪拌した。分液ロートにより有機相を分離し、有機相を水5gで洗浄する操作を4回繰り返し行った。減圧下で、得られた有機相から酢酸ブチルを留去し、ジ(フルオロスルホニル)イミドのエチルメチルイミダゾリウム塩を3.92g(0.013mol)得た。
19F-NMR(CD3CN):δ55.9
20mlの反応容器にジ(クロロスルホニル)イミド1.99g(0.0093mol)、酢酸ブチル3.98gを加え、攪拌した。ここに、ZnF20.96g(0.0093mol)を加え、室温(25℃)で24時間反応を行った。得られた反応溶液を、合成例3と同様にして19F-NMRで分析したところ、反応は定量的に進行しており、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が生成していることを確認した。
19F-NMR(CD3CN):δ56.0
攪拌器、温度計、還流管及び滴下装置を取り付けた500mlの反応容器に、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)190.6g(1.27mol)を加え、120℃まで加熱した。次いで、合成例1と同様の手法で得られたクロロスルホニルイソシアネート179.7g(1.27mol)を滴下装置から反応容器内へ2時間掛けて加えた後、混合溶液を150℃に加熱し、6時間攪拌した。反応終了後、還流管、滴下装置を反応容器からはずし、減圧蒸留を行い、無色透明の液状物を得た(212.9g、0.86mol、収率67.7%)。
20mlの反応容器に、合成例15で得られたN−(クロロスルホニル)−N−(トリフルオロメチルスルホニル)イミド2.00g(8.1mmol)と、酢酸ブチル18gを加え、攪拌した。ここにZnF20.44g(4.3mmol)を加え、室温(25℃)で24時間反応を行った。得られた反応溶液を濾過し、合成例3と同様にして洗浄し、ろ液と洗浄液とを合わせた溶液を19F-NMRで分析したところ、反応は定量的に進行しており、ビス[N−(フルオロスルホニル)−N−(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]亜鉛塩が生成していることを確認した。
3Lの反応容器にジ(クロロスルホニル)イミド240.00g(1.12mol)、酢酸ブチル2160gを加え、攪拌した。ここに、ZnF2121.72g(1.18mol)を加え、室温(25℃)で3時間反応を行った。得られた反応溶液を濾過し、合成例3と同様にして洗浄した後、ろ液と洗浄液とを合わせた溶液を19F-NMRで分析したところ、反応は定量的に進行し、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が生成していることを確認した(19F-NMR (CD3CN):δ56.0)。
19F-NMR (CD3CN):δ56.0
100mlの反応容器にジ(クロロスルホニル)イミド2.00g(9.3mmol)、バレロニトリル18gを加え、攪拌した。ここに、ZnF21.01g(9.8mmol)を加え、室温(25℃)で3時間反応を行った。得られた反応溶液を合成例3と同様にして19F-NMRで分析したところ、反応は定量的に進行しており、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が生成していることを確認した(19F-NMR (CD3CN):δ56.0)。
19F-NMR (CD3CN):δ56.0
合成例18と同様の手法で得られたトリエチルアンモニウムジ(フルオロスルホニル)イミドを、酢酸ブチルに溶解させて、濃度を7.7%に調製した溶液を1688g量り取り(0.46mol)、これを3Lの分液ロートに加えた。ここに、348gの超純水に溶解した水酸化リチウム58g(1.38mol)を加え、混合した後、水相を除去した。目的物の生成は、19F-NMR及び1H-NMRの分析で、トリエチルアンモニウム由来のピークが消失したことにより確認した。
攪拌器、温度計、還流管を取り付けた500mlの反応容器に、アミド硫酸48.5g(0.5mol)、塩化チオニル178.5g、クロロスルホン酸58.3g(0.5mol)を加え、この混合溶液を、攪拌下、70℃で4時間、130℃で20時間反応させた。反応終了後、還流管を反応容器から外し、減圧蒸留を行い、104℃〜105℃の留分として無色透明の液状物を得た(102.7g、0.48mol、収率96%)。
IR(neat):νs (N-H)3155,νas (S-O)1433,1428、νs (S-O)1183、νs (N-S)824cm-1
20mlの反応容器に、合成例20で得られたジ(クロロスルホニル)イミド0.50g(2.01mmol)、酢酸ブチル4.5gを加え、攪拌した。ここに、ZnF20.25g(2.5mmol)を加え、室温(25℃)で3時間反応を行った後、19F-NMR分析を行った。得られたチャートのピークの面積を計測し、塩素からフッ素への変換割合を定量した結果より、反応が定量的に進行し、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が得られていることを確認した。
19F-NMR(CD3CN):δ56.0
20mlの反応容器に、合成例21で得られたビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩を含む反応溶液を加え、ここに、酢酸ブチル5gに溶解した1,4−ジアゾビシクロ[2.2.2]オクタン0.53g(4.7mmol)混合しながら加えた。混合溶液を室温(25℃)下で攪拌した後、析出した白色固体を濾取した。得られた固体を重DMSOに溶解し、1H-NMR及び19F-NMRで分析し、1,4−ジアゾビシクロ[2.2.2]オクタンジ(フルオロスルホニル)イミドが生成していることを確認した。
50mlの反応容器にジ(クロロスルホニル)イミド3.01g(14.1mmol)とバレロニトリル27.09gを加え、攪拌した。ここにZnF21.53g(14.8mmol)を加え、室温(25℃)で4時間反応を行った。得られた反応溶液を合成例3と同様に19F-NMRで分析したところ、反応は定量的に進行しており、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が生成していることを確認した。
19F-NMR (CD3CN):δ56.0
19F-NMR (CD3CN):δ56.0
Claims (10)
- フルオロスルホニルイミド塩の製造方法であって、
第11族〜第15族、第4周期〜第6周期の元素(但し、砒素およびアンチモンは除く)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むフッ化物と、下記一般式(I)で表される化合物とを反応させて一般式(II)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を得ることを特徴とするフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
上記一般式中、R1は、第11族〜第15族、第4周期〜第6周期の元素(但し、砒素およびアンチモンは除く)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、R3は、フッ素、塩素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基、R4は、フッ素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基であり、mは2又は3の整数を示す。 - 請求項1に記載の方法で得られた一般式(II)の化合物をカチオン交換して下記一般式(III)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を得る請求項1に記載のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
上記一般式中、R1は、第11族〜第15族、第4周期〜第6周期の元素(但し、砒素およびアンチモンは除く)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、R2は、H+またはR1以外の金属イオン、R4は、フッ素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基であり、mは2又は3の整数、lは1〜3の整数を示す。 - 請求項1に記載の方法で得られた一般式(II)の化合物を、オニウムカチオンを含む有機化合物と反応させて下記一般式(VI)で表されるフルオロスルホニルイミドの有機塩を得、このフルオロスルホニルイミドの有機塩(VI)をカチオン交換反応して一般式(III)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を得る請求項1または2に記載のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
- 請求項1に記載の方法で得られた一般式(II)の化合物を、オニウムカチオンを含む有機化合物と反応させて下記一般式(VI)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を得る請求項1に記載のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
上記一般式中、R1は、第11族〜第15族、第4周期〜第6周期の元素(但し、砒素およびアンチモンは除く)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、R4は、フッ素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基であり、R5は、有機カチオンを示し、mは2又は3の整数、nは有機カチオンR5の価数に相当し、1〜3の整数を示す。 - 請求項2または3に記載の方法で得られた一般式(III)の化合物を、オニウムカチオンを含む有機化合物と反応させて一般式(VI)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を得る請求項2または3に記載のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
上記一般式中、R2は、H+またはR1以外の金属イオン、R4は、フッ素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基であり、R5は、有機カチオンを示し、lは1〜3の整数、nは有機カチオンR5の価数に相当し、1〜3の整数を示す。 - 上記フッ化物がCu,Zn,Biよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むものである請求項1〜5のいずれかに記載のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
- 上記一般式(I)においてR3が塩素、一般式(II)及び一般式(III)においてR4がフッ素である請求項1〜6のいずれかに記載のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
- 上記一般式(III)中、R2で示される金属イオンが、アルカリ金属である請求項2、3または5のいずれかに記載のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
- 上記一般式(I)で表される化合物が、出発原料として塩化シアンを用いて得られたものである請求項1〜8のいずれかに記載のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
- 上記一般式(I)で表される化合物が、出発原料としてアミド硫酸を用いて得られたものである請求項1〜8のいずれかに記載のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
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