JP2014105115A - 高純度ビス(フルオロスルホニル)イミドおよびその製造方法 - Google Patents

高純度ビス(フルオロスルホニル)イミドおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安全且つ簡便に、不純物であるフルオロ硫酸が100ppm未満の高純度のビス(フルオロスルホニル)イミドを製造できるビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法を提供する。
【解決手段】下記化学式(2)で示されるビス(フルオロスルホニル)イミド塩のいずれか一種又は二種以上と、強酸性陽イオン交換樹脂とを、有機溶剤中で接触させることを特徴とするビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法。
((FSON)・M ・・・(2)
但し、上記化学式(2)において、上記Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、オニウムカチオンのいずれか一種のカチオンであり、nは、Mが1価の陽イオンの場合は1であり、Mが2価の陽イオンの場合は2である。
【選択図】なし

Description

本発明は、高純度ビス(フルオロスルホニル)イミドおよびその製造方法に関するものである。
ビス(フルオロスルホニル)イミド[(FSONH]の誘導体であるビス(フルオロスルホニル)イミド塩は、イオン導伝材料やイオン液体のアニオン源として有用な物質であることが知られている。そして、ビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法としては、下記の非特許文献1、非特許文献2及び特許文献1等が知られている。
具体的に、非特許文献1には、フルオロ硫酸(FSOH)と尿素[CO(NH]とを混合した後に加熱して反応させる方法が開示されている。これにより、下記式(A)に示すような化学反応が生じ、ビス(フルオロスルホニル)イミド、フルオロスルホン酸アンモニウム(NHSOF)及び炭酸ガス(CO)が生成される。
5FSOH+2CO(NH→(FSONH+3NHSOF+2CO
・・・(A)
上記式(A)に示す反応と同時に減圧蒸留することで、生成したビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸との混合液を反応液から分留できる。そして、得られた混合液を蒸留することで、ビス(フルオロスルホニル)イミドを単離できる。
また、非特許文献2には、ビス(クロロスルホニル)イミド[(ClSONH]と三フッ化ヒ素(AsF)とを反応させる方法が開示されている。これにより、下記式(B)に示すような化学反応が生じ、ビス(フルオロスルホニル)イミド及び三塩化ヒ素(AsCl)が生成される。
3(ClSONH+2AsF→3(FSONH+2AsCl ・・・(B)
次いで、生成したビス(フルオロスルホニル)イミド[(FSONH]をジクロロメタンに溶解させる。生成したビス(フルオロスルホニル)イミドには、不純物としてフルオロ硫酸が含まれており、このフルオロ硫酸もジクロロメタンに溶解する。この溶解液に塩化ナトリウム(NaCl)を添加すると、下記式(C)に示すような化学反応が生じ、フルオロ硫酸のナトリウム塩(FSONa)と塩酸(HCl)とが生成される。そして、析出したフルオロ硫酸のナトリウム塩を分離した後、ジクロロメタンを留去することにより、ビス(フルオロスルホニル)イミドを単離することができる。
FSOH+NaCl→FSONa+HCl ・・・(C)
また、特許文献1には、含フッ素スルホニルイミド化合物の製造方法が開示されている。特許文献1に開示された方法によれば、含フッ素スルホニルイミド化合物とスルホン酸化合物との混合物を水の存在下で蒸留することにより、高純度の含フッ素スルホニルイミド化合物を製造することが可能である。
特開2011−246385号公報
Chem.Ber.95,246〜8(1962)アッペル及びアイゼンハウアー(Appel&Eisenhauer) Inorg.Synth.11,138〜43(1968)
しかしながら、非特許文献1に開示されたビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法では、ビス(フルオロスルホニル)イミドの沸点(170℃)とフルオロ硫酸の沸点(163℃)とが近いため、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸との混合物の蒸留により、ビス(フルオロスルホニル)イミドを単離することは困難であるという問題があった。
また、非特許文献2に開示されたビス(フルオロスルホニル)イミドを単離する方法では、塩酸ガスが多量に副生するため、その処理方法が大きな問題であった。さらに、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸との分離が不十分であるという問題があった。
また、特許文献1に開示された含フッ素スルホニルイミドの製造方法では、ビス(フルオロスルホニル)イミドの水への安定性が低いため、水の存在下で加熱すると、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸が激しく分解してしまい、蒸留で単離することが困難であった。
一方、近年、ビス(フルオロスルホニル)イミドの誘導体であるビス(フルオロスルホニル)イミド塩は、リチウムイオン二次電池電解質や導電材料等への使用が期待されていることから、より高い純度の製品が求められているのが実情である。
しかし、従来の製造方法では、不純物であるフルオロ硫酸が100ppm未満のビス(フルオロスルホニル)イミドは得られなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、安全且つ簡便に、不純物であるフルオロ硫酸が100ppm未満の高純度のビス(フルオロスルホニル)イミドを製造できるビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1] 不純物であるフルオロ硫酸が100ppm未満の下記化学式(1)で示されるビス(フルオロスルホニル)イミド。
(FSONH ・・・(1)
[2] 下記化学式(2)で示されるビス(フルオロスルホニル)イミド塩のいずれか一種又は二種以上と、強酸性陽イオン交換樹脂とを、有機溶剤中で接触させることを特徴とするビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法。
((FSON)・M ・・・(2)
但し、上記化学式(2)において、上記Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、オニウムカチオンのいずれか一種のカチオンであり、nは、Mが1価の陽イオンの場合は1であり、Mが2価の陽イオンの場合は2である。
[3] 上記化学式(2)で示されるビス(フルオロスルホニル)イミド塩のいずれか一種又は二種以上が前記有機溶剤に溶解した溶解液と、前記強酸性陽イオン交換樹脂とを接触させることを特徴とする前項[2]に記載のビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法。
[4] 前記強酸性陽イオン交換樹脂として、スチレン系樹脂又は(メタ)アクリル酸系樹脂をベース樹脂とし、スルホン酸基をイオン交換基として備えるものを用いることを特徴とする前項[2]又は[3]に記載のビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法。
[5] 前記有機溶剤として、アルコール類および/またはエーテル類を用いることを特徴とする前項[2]乃至[4]のいずれか一項に記載のビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法。
本発明の高純度ビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法によれば、上記化学式(2)で示されるビス(フルオロスルホニル)イミド塩のいずれか一種又は二種以上と、強酸性陽イオン交換樹脂とを、有機溶剤中で接触させることにより、ビス(フルオロスルホニル)イミドを製造するので、安全且つ簡便に、不純物であるフルオロ硫酸が100ppm未満の本発明の高純度のビス(フルオロスルホニル)イミドが得られる。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について詳細に説明する。なお、本発明の技術範囲は下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
<第1の実施形態>
本発明を適用した第1実施形態であるビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法は、下記化学式(2)で示されるビス(フルオロスルホニル)イミド塩のいずれか一種又は二種以上と、強酸性陽イオン交換樹脂とを、有機溶剤中で接触させることにより、ビス(フルオロスルホニル)イミドが前記有機溶剤に溶解されたイミド溶解液を得るイオン交換工程と、イミド溶解液から有機溶剤を留去してビス(フルオロスルホニル)イミドを得る蒸留工程とを含む方法である。
((FSON)・M ・・・(2)
但し、上記化学式(2)において、上記Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、オニウムカチオンのいずれか一種のカチオンであり、nは、Mが1価の陽イオンの場合は1であり、Mが2価の陽イオンの場合は2である。
本実施形態において用いられるビス(フルオロスルホニル)イミド塩(以下、本明細書では「MFSI」と記載する。)は、ビス(フルオロスルホニル)イミド[(FSO]をアニオンとし、アルカリ金属、アルカリ土類金属、オニウムカチオンのいずれか一種をカチオンMとするものであり、化学式[((FSON)・M](nは、Mが1価の陽イオンの場合は1であり、Mが2価の陽イオンの場合は2である。)で示されるものである。
MFSIのカチオンMとして、具体的には、アルカリ金属であるリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、アルカリ土類金属であるカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)を挙げることができる。
また、上記の他のMFSIのカチオンMとしては、窒素、硫黄、酸素、リン、セレン、錫、ヨウ素、アンチモン等の孤立電子対を有する元素を含んだ化合物に陽イオン型の原子団が配位して生ずる少なくとも一つの有機基を有するオニウムカチオンが挙げられる。オニウムカチオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン等の対称アンモニウムカチオン類;エチルトリメチルアンモニウムカチオン、ビニルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、ジエチルジメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリエチルイソプロピルアンモニウムカチオン、N、N−ジメチルピロリジニウムカチオン、N−メチル−N−エチルピロリジニウムカチオン、トリエチルメトキシメチルアンモニウムカチオン等の最短の置換基の炭素数が最長の置換基の炭素数の50%以上100%未満である(以下擬対称ともいう。)アンモニウムカチオン類;トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルイソプロピルアンモニウムカチオン、ブチルトリメチルアンモニウムカチオン、アリルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン、オクチルトリメチルアンモニウムカチオン、ドデシルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメトキシエトキシメチルアンモニウムカチオン、ジメチルジプロピルアンモニウムカチオン等の非対称アンモニウムカチオン類;ヘキサメトニウムカチオン等の2価アンモニウムカチオン類;1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン等の対称イミダゾリウムカチオン類;1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−イソプロピル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−tert−ブチル−3−イソプロピルイミダゾリウムカチオン等の非対称イミダゾリウムカチオン類;N−エチルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン等のピリジニウムカチオン類;トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン等の対称スルホニウムカチオン類;ジエチルメチルスルホニウムカチオン等の擬対称スルホニウムカチオン類;ジメチルプロピルスルホニウム、ジメチルヘキシルスルホニウム等の非対称スルホニウムカチオン類;テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラプロピルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン等の対称ホスホニウムカチオン類;トリメチルエチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン等の擬対称ホスホニウムカチオン類;ヘキシルトリメチルホスホニウムカチオン、トリメチルオクチルホスホニウムカチオン等の非対称ホスホニウムカチオン類等を挙げることができる。
本実施形態において用いられるMFSIは、市販品であっても良いし、事前に合成し、単離・精製した後に乾燥させたものであっても良い。また、本実施形態において用いられるMFSIは、上記のMFSIのいずれか一種であってもよいし、二種以上であってもよい。
本実施形態において用いられる強酸性陽イオン交換樹脂は、スチレン系樹脂又は(メタ)アクリル酸系樹脂をベース樹脂とし、スルホン酸基をイオン交換基として備えるものであって、有機溶剤に接触させて使用できるものが挙げられる。このような強酸性陽イオン交換樹脂を用いることにより、一種又は二種以上のMFSIを原料として、より高純度のビス(フルオロスルホニル)イミドを効率よく製造できる。
スチレン系樹脂又は(メタ)アクリル酸系樹脂をベース樹脂とし、スルホン酸基をイオン交換基として備える強酸性陽イオン交換樹脂としては、例えば、ダウ・ケミカル社製の製品名アンバーライトIR120B、IR124、200CT、252、三菱化学社製の製品名ダイヤイオンSK104、SK1B、PK212、PK216、PK228などの市販品が挙げられる。
また、本実施形態において用いられる強酸性陽イオン交換樹脂の形態としては、ゲル型、ポーラス型など如何なる形態であってもよい。
MFSIと接触させる強酸性陽イオン交換樹脂のイオン交換基量は、MFSIの1〜10倍当量(イオン交換基(モル)/MFSI(モル))が好ましく、1.5〜4倍がより好ましい。強酸性陽イオン交換樹脂のイオン交換基量がMFSIの1倍以下の場合、MFSIが十分にイオン交換されず、ビス(フルオロスルホニル)イミドの収率が不十分となる恐れがある。強酸性陽イオン交換樹脂のイオン交換基量がMFSIの10倍以上である場合、収率を向上させる効果が飽和し、経済的に無駄である。
有機溶剤としては、MFSIとビス(フルオロスルホニル)イミドの両方を溶解しうるものであればよく、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;メチルtert‐ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;メチルエチルケトン、シクロペンタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトニトリル、バレロニトリルなどのニトリル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類;などから選ばれるいずれか1種又は2種以上の混合物などが挙げられる。
これらの有機溶剤の中でも、強酸性陽イオン交換樹脂中で安定であるためアルコール類および/またはエーテル類を用いることが好ましい。
また、本実施形態において用いられる有機溶剤は、有機溶剤中に含まれる水分量が1%以下のものであることが好ましく、0.1%以下のものであることがより好ましい。有機溶剤中の水分量が1%以下である場合、ビス(フルオロスルホニル)イミドが有機溶剤に溶解されたイミド溶解液から有機溶剤を留去する際に、水への安定性が低いものであるビス(フルオロスルホニル)イミドが分解することを防止でき、簡便に高純度のビス(フルオロスルホニル)イミドが得られる。
ビス(フルオロスルホニル)イミドの製造に使用する有機溶剤の量は、有機溶剤中に含まれるMFSI(有機溶剤中にビス(フルオロスルホニル)イミドが含まれている場合には、MFSIとビス(フルオロスルホニル)イミドとの合計量)の割合((MFSI/(MFSI+有機溶剤))×100(質量%))が0.1〜80質量%となる量であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましい。有機溶剤中に含まれるMFSIの割合が80質量%以上である場合、MFSIが有機溶剤に溶解しにくく、また粘性が高くなるため、操作性が悪くなる恐れがある。有機溶剤中に含まれるMFSIの割合が0.1質量%以下である場合、経済的に無駄である。
本実施形態においては、一種又は二種以上のMFSIと、強酸性陽イオン交換樹脂とを、有機溶剤中で接触させることにより、ビス(フルオロスルホニル)イミドが有機溶剤に溶解されたイミド溶解液を得る(イオン交換工程)。
一種又は二種以上のMFSIと、強酸性陽イオン交換樹脂とを、有機溶剤中で接触させる方法としては、特に限定されないが、生産性を向上させるために、一種又は二種以上のMFSIを予め有機溶剤に溶解させておき、一種又は二種以上のMFSIが有機溶剤に溶解したMFSI溶解液と、強酸性陽イオン交換樹脂とを接触させることが好ましい。
また、強酸性陽イオン交換樹脂の入れられた有機溶剤中に、乾燥した固体の一種又は二種以上のMFSIまたは、一種又は二種以上のMFSIが有機溶剤に溶解したMFSI溶解液を添加することにより、一種又は二種以上のMFSIと、イオン交換樹脂とを、有機溶剤中で接触させてもよい。
なお、MFSI溶解液と強酸性陽イオン交換樹脂との接触方法は、バッチ式であってもよいし、カラム式であってもよい。
このようにして得られたビス(フルオロスルホニル)イミドは、不純物であるフルオロ硫酸が100ppm未満の高純度のビス(フルオロスルホニル)イミドである。
次に、ビス(フルオロスルホニル)イミドが有機溶剤に溶解されたイミド溶解液から有機溶剤を留去してビス(フルオロスルホニル)イミドを得る(蒸留工程)。
本実施形態においては、より一層高純度のビス(フルオロスルホニル)イミドを得るために、蒸留工程の後、さらに精密蒸留を行うことが好ましい。
以上説明したように、本実施形態のビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法によれば、一種又は二種以上のMFSIと、強酸性陽イオン交換樹脂とを、有機溶剤中で接触させることにより、ビス(フルオロスルホニル)イミドを製造するので、安全且つ簡便に、不純物であるフルオロ硫酸が100ppm未満の高純度のビス(フルオロスルホニル)イミドが得られる。
しかも、本実施形態のビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法では、製造されたビス(フルオロスルホニル)イミドは、イミド溶解液中の有機溶剤に溶解された状態で得られるため、蒸留工程においてイミド溶解液中の有機溶剤を留去することにより、容易に単離できる。したがって、本実施形態の製造方法によれば、水への安定性が低いものであるビス(フルオロスルホニル)イミドを、水の存在下で加熱して単離する必要はなく、簡便に高純度のビス(フルオロスルホニル)イミドを得ることができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態のビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法では、一種又は二種以上のMFSIが有機溶剤に溶解されたMFSI溶解液の製造方法が、上記第1実施形態と異なっており、その他の工程については同一である。したがって、第2実施形態では、第1実施形態と同じ構成についての説明を省略する。
具体的には、上記第1実施形態では、一種又は二種以上のMFSIが有機溶剤に溶解されたMFSI溶解液を製造する際に、市販品又は事前に合成し、単離・精製した後に乾燥させたMFSIを一種又は二種以上用意し、これを有機溶剤に溶解させてMFSI溶解液とした。
これに対して、本実施形態では、MFSI溶解液として、MFSIを製造する工程において合成されたMFSIを単離・精製・乾燥させる前の段階で得られるMFSIが有機溶剤に溶解された溶解液を、そのまま用いる。
このことにより、MFSIを製造する工程における単離・精製・乾燥を行う工程を省略することができ、MFSIおよびビス(フルオロスルホニル)イミドの生産性を向上させることができるとともに、MFSIの単離・精製・乾燥に伴う不純物の増加を回避でき、高純度のMFSIが有機溶剤に溶解されたMFSI溶解液が得られる。その結果、MFSI溶解液とイオン交換樹脂とを接触させて、ビス(フルオロスルホニル)イミドが有機溶剤に溶解されたイミド溶解液を得ることで、より効率よく簡便に高純度のビス(フルオロスルホニル)イミドを製造できる。
本実施形態において、MFSIを合成(製造)する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法(例えば、特開2010−254543号公報に記載された方法等)を用いることができる。
以下、例えば、MFSIの製造方法として、カチオンがカリウムである(ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩[(FSON・K])の製造方法を例に挙げて説明する。
まず、フルオロ硫酸と尿素とから尿素のフルオロ硫酸溶液を調整し、加熱して反応させる。このことにより、ビス(フルオロスルホニル)イミドとビス(フルオロスルホニル)イミドのアンモニウム塩とが合成される。
次いで、得られた反応終了液を室温まで冷却し、水で希釈した後、炭酸カリウムで中和を行い、固形分を濾別し、濾液から酢酸エチルでビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩を抽出する。この酢酸エチル層を水で洗浄し、ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩の溶解された酢酸エチル溶液を得る。
なお、酢酸エチル溶液には、中和後に残留するビス(フルオロスルホニル)イミドのアンモニウム塩が副生物として溶解されていてもよい。
本実施形態においては、このようにして得られたビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩の溶解された酢酸エチル溶液を、そのままMFSIが有機溶剤に溶解されたMFSI溶解液として使用できる。
また、生産性を向上させるために、ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩の溶解された酢酸エチル溶液から、一部または全量の酢酸エチルを留去し、アルコール類など、MFSIとビス(フルオロスルホニル)イミドの両方を溶解しうる酢酸エチル以外の有機溶剤を新たに加えたものを、MFSI溶解液として使用してもよい。
なお、有機溶剤がアルコール類および/またはエーテル類である場合、以下に示す方法により、MFSIを製造する工程においてMFSI溶解液を得ることができる。すなわち、上述した有機溶剤が酢酸エチルである場合と同様にして、酢酸エチルでビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩を抽出するまでの工程を行う。その後、この酢酸エチル層を水で洗浄し、酢酸エチルを留去させる。次いで、残渣を、アルコール類および/またはエーテル類に溶解させた溶液とする。例えばアルコール類としてエタノールが挙げられる。そして、得られたアルコール類および/またはエーテル類に溶解させた溶液を、そのままMFSIが有機溶剤に溶解されたMFSI溶解液として使用する。このことにより、有機溶剤として強酸性の陽イオン交換樹脂中で安定であるアルコール類および/またはエーテル類を用いたMFSI溶解液が得られる。
また、以下に示す製法を用いても良い。この場合、有機溶剤としては、エーテル類などの水に不溶な溶剤を用いることにより、MFSIを製造する工程においてMFSI溶解液を得ることができる。すなわち、上述した有機溶剤が酢酸エチルである場合と同様にして、フルオロ硫酸と尿素とから尿素のフルオロ硫酸溶液を調整し、加熱して反応させる。次いで、反応終了液を室温まで冷却し、水で希釈した後、エーテル類として例えばメチルtert‐ブチルエーテルを用いてMFSIを抽出する。得られたメチルtert‐ブチルエーテル層を、そのままMFSIが有機溶剤に溶解されたMFSI溶解液として使用する。このことにより、有機溶剤として強酸性陽イオン交換樹脂中で安定であるエーテル類を用いたMFSI溶解液が得られる。
また、MFSIを製造する工程において合成されたMFSIを単離・精製・乾燥させる前の段階で得られるMFSIが有機溶剤に溶解された溶解液を用いて、二種以上のMFSIが有機溶剤に溶解されたMFSI溶解液を製造してもよい。
具体的には、例えば、カチオンの異なる二種以上のMFSIをそれぞれ製造し、各製造工程において製造された各MFSIが有機溶剤に溶解された溶解液を混合することにより、二種以上のMFSIが有機溶剤に溶解されたMFSI溶解液を製造できる。
また、二種以上のMFSIが有機溶剤に溶解されたMFSI溶解液は、MFSIを製造する工程において合成されたMFSIとその副生物として合成された別のMFSIとが、有機溶剤に溶解されたものであってもよい。
なお、カチオンが、リチウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウムなどの他のアルカリ金属や、アルカリ土類金属、オニウムカチオンである場合においても、フルオロ硫酸溶液をそれぞれの炭酸塩などで中和することにより、カチオンがカリウムである場合と同様にして、炭酸塩に対応したビス(フルオロスルホニル)イミド塩を製造できる。
なお、本実施形態において用いられるMFSIの中でも特に、カチオンがナトリウムである[(FSON・Na]とリチウムである[(FSON・Li]は、吸湿性が高く、加水分解反応を受けやすいものであり、単離・精製・乾燥する際の加熱によって不純物が増加しやすく、純度が低下しやすい。したがって、カチオンがナトリウムまたはリチウムである場合、特に、MFSI溶解液として、MFSIを製造する工程において合成されたMFSIを単離・精製・乾燥させる前の段階で得られるMFSIが有機溶剤に溶解された溶解液を、そのまま用いることが好ましい。
本実施形態のビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法によれば、上記第1実施形態の場合と同様の効果が得られる。
以下、実施例によって本発明の効果を詳細に説明する。なお、本発明は実施例によって、なんら限定されるものではない。
(実施例1)
フルオロ硫酸と尿素とから尿素のフルオロ硫酸溶液を調整し、加熱して反応させた。次いで、得られた反応終了液を室温まで冷却し、水で希釈した後、炭酸カリウムで中和を行い、固形分を濾別し、濾液から酢酸エチルでビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩とアンモニウム塩とを抽出した。この酢酸エチル層を水で洗浄し、酢酸エチルを留去させた。
次いで、残渣を、エタノールに溶解させ、ビス(フルオロスルホニル)イミドのカリウム塩とアンモニウム塩の混合物が20質量%の濃度で溶解されたエタノール溶液(MFSI溶解液)を得た。
次いで、エタノールで十分に置換した強酸性陽イオン交換樹脂200cm(スルホン酸基 360mmol)を1Lのビーカーに仕込み、さらにビス(フルオロスルホニル)イミドのカリウム塩とアンモニウム塩の混合物が20質量%の濃度で溶解されたエタノール溶液(MFSI溶解液)200g(MFSI 180mmol)を1Lビーカーに加え、1時間撹拌させた。
実施例1では、強酸性陽イオン交換樹脂として、スチレン系樹脂をベース樹脂とし、スルホン酸基をイオン交換基として備えるIR120B(アンバーライト(商品名):ダウ・ケミカル社製)を用いた。
その後、イオン交換樹脂を濾別し、ビス(フルオロスルホニル)イミドがエタノールに溶解された濾液を得た。次いで、ロータリーエバポレーターを用いて濾液からエタノールを留去し、残渣をガラスフラスコに移し、減圧にて精密蒸留を行い、ビス(フルオロスルホニル)イミド29.0g(160mmol)を得た。収率は89%であった。
精密蒸留後に得られたビス(フルオロスルホニル)イミド中に含まれる不純物を、19F NMRを用いて調べた。その結果、不純物であるフルオロ硫酸は検出されなかった(検出下限:50ppm)。
(実施例2)
実施例1と同じ強酸性陽イオン交換樹脂IR120B(アンバーライト)15cm(スルホン酸基 27mmol)をカラムに充填した。また、純度99%以上のビス(フルオロスルホニル)イミドのカリウム塩が2質量%の濃度でエタノールに溶解されてなるビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩のエタノール溶液(MFSI溶解液)を調製した。
得られたMFSI溶解液60g(ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩1.2g,5.5mmol)を、10mL/minでカラムに通液させた。このことにより、ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩と強酸性陽イオン交換樹脂とをエタノール中で接触させた。
その後、ビス(フルオロスルホニル)イミドがエタノールに溶解されたイミド溶解液である通液後の液から、ロータリーエバポレーターを用いてエタノールを留去し、ビス(フルオロスルホニル)イミド0.9gを得た。収率は91%であった。
得られたビス(フルオロスルホニル)イミド中に含まれる不純物を、19F NMRを用いて調べた。その結果、不純物であるフルオロ硫酸は検出されなかった(検出下限:50ppm)。
(実施例3)
実施例1と同じ強酸性陽イオン交換樹脂IR120B(アンバーライト)13cm(スルホン酸基 23mmol)をカラムに充填した。また、純度99%以上のビス(フルオロスルホニル)イミドナトリウム塩0.6g,3.0mmolと純度99%以上のビス(フルオロスルホニル)イミドアンモニウム塩0.6g,3.0mmolとをテトラヒドロフラン58.8gに溶解させ、ビス(フルオロスルホニル)イミドのナトリウム塩とアンモニウム塩との混合物の濃度が2質量%であるテトラヒドロフラン溶液(MFSI溶解液)を調製した。
得られたMFSI溶解液60g(MFSI1.2g,6.0mmol)を8mL/minでカラムに通液させた。このことにより、ビス(フルオロスルホニル)イミドのカリウム塩とアンモニウム塩と強酸性陽イオン交換樹脂とをテトラヒドロフラン中で接触させた。
その後、ビス(フルオロスルホニル)イミドがテトラヒドロフランに溶解されたイミド溶解液である通液後の液から、ロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフランを留去し、ビス(フルオロスルホニル)イミド0.9gを得た。収率は83%であった。
得られたビス(フルオロスルホニル)イミド中に含まれる不純物を、19F NMRを用いて調べた。その結果、不純物であるフルオロ硫酸は検出されなかった(検出下限:50ppm)。
(実施例4)
フルオロ硫酸と尿素とから尿素のフルオロ硫酸溶液を調整し、加熱して反応させた。次いで、得られた反応終了液を室温まで冷却し、水で希釈した後、炭酸カリウムで中和を行い、固形分を濾別し、濾液から酢酸エチルでビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩とアンモニウム塩とを抽出した。この酢酸エチル層を水で洗浄し、ビス(フルオロスルホニル)イミドのカリウム塩とアンモニウム塩の混合物が14質量%の濃度で溶解された酢酸エチル溶液(MFSI溶解液)を得た。
次いで、酢酸エチルで十分に置換した強酸性陽イオン交換樹脂250cm(スルホン酸基 510mmol)を1Lのビーカーに仕込み、さらにビス(フルオロスルホニル)イミドのカリウム塩とアンモニウム塩の混合物が14質量%の濃度で溶解された酢酸エチル溶液280g(MFSI 250mmol)を1Lビーカーに加え、1時間撹拌させた。
実施例4では、強酸性陽イオン交換樹脂として、(メタ)アクリル酸系樹脂をベース樹脂とし、スルホン酸基をイオン交換基として備えるPK228((ダイヤイオン)(商品名):三菱化学社製)を用いた。
その後、強酸性陽イオン交換樹脂を濾別し、ビス(フルオロスルホニル)イミドが酢酸エチルに溶解された濾液を得た。次いで、ロータリーエバポレーターを用いて濾液から酢酸エチルを留去し、残渣をガラスフラスコに移し、減圧にて精密蒸留を行い、ビス(フルオロスルホニル)イミド29.5g(163mmol)を得た。収率は91%であった。
精密蒸留後に得られたビス(フルオロスルホニル)イミド中に含まれる不純物を、19F NMRを用いて調べた。その結果、不純物であるフルオロ硫酸は検出されなかった(検出下限:50ppm)。
(実施例5)
フルオロ硫酸と尿素とから尿素のフルオロ硫酸溶液を調整し、加熱して反応させた。次いで、得られた反応終了液を室温まで冷却し、水で希釈した後、メチルtert‐ブチルエーテルでビス(フルオロスルホニル)イミドとビス(フルオロスルホニル)イミドのアンモニウム塩を抽出し、ビス(フルオロスルホニル)イミドとビス(フルオロスルホニル)イミドのアンモニウム塩の混合物が9質量%の濃度で溶解されたメチルtert‐ブチルエーテル溶液(MFSI溶解液)を得た。
次いで、メチルtert‐ブチルエーテルで十分に置換した実施例4と同じ強酸性陽イオン交換樹脂PK228(ダイヤイオン)200cm(スルホン酸基 410mmol)を1Lのビーカーに仕込み、さらにビス(フルオロスルホニル)イミドとビス(フルオロスルホニル)イミドのアンモニウム塩の混合物が9質量%の濃度で溶解されたtert‐ブチルエーテル溶液400g(MFSI 200mmol)を1Lビーカーに加え、1時間撹拌させた。
その後、強酸性陽イオン交換樹脂を濾別し、ビス(フルオロスルホニル)イミドがtert‐ブチルエーテルに溶解された濾液を得た。次いで、ロータリーエバポレーターを用いて濾液からtert‐ブチルエーテルを留去し、残渣をガラスフラスコに移し、減圧にて精密蒸留を行い、ビス(フルオロスルホニル)イミド33.1g(183mmol)を得た。収率は92%であった。
精密蒸留後に得られたビス(フルオロスルホニル)イミド中に含まれる不純物を、19F NMRを用いて調べた。その結果、不純物であるフルオロ硫酸は検出されなかった(検出下限:50ppm)。
実施例1〜実施例5において使用したビス(フルオロスルホニル)イミド塩のカチオン、強酸性陽イオン交換樹脂、有機溶剤、収率、フルオロ硫酸の検出の有無を表1に示す。
Figure 2014105115
(比較例1)
撹拌機、温度計を備えた1LのPTFE製の反応器にフルオロ硫酸600gを仕込み、冷却しながら尿素100gを少量ずつ添加し、尿素のフルオロ硫酸溶液を調製した。この反応液を115℃のオイルバスで加熱したところ、反応液の温度が110℃付近から炭酸ガスの発生が確認され、その後、炭酸ガスの激しい噴出とともに反応液の温度が20分で172℃まで上昇した後、発熱と炭酸ガスの発生が収まり、反応が終了した。
その後、反応液から減圧蒸留にてビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸の混合物を260g抜き出した。抜き出し後の残渣は、フルオロ硫酸のアンモニウム塩であった。抜き出した成分について19F−NMRにて分析を行った。52.1ppmにビス(フルオロスルホニル)イミドのピーク、37.1ppmにフルオロ硫酸のピークが確認された。内部標準添加法によりビス(フルオロスルホニル)イミドの尿素基準の収率は40%であった。
その後、塩化メチレン1500gに塩化ナトリウム81.5gを加えたスラリー状の溶液に、撹拌しながらビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸の混合物を滴下した。滴下と同時に塩化水素が発生した。その後フルオロ硫酸ナトリウムを濾別し、ロータリーエバポレーターで塩化メチレンを留去した後に精密蒸留を行った。
精密蒸留後に得られたビス(フルオロスルホニル)イミド中に含まれる不純物を、19F NMRを用いて調べた。その結果、不純物であるフルオロ硫酸が630ppm含まれていた。
(比較例2)
ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩50.0g(0.23モル)と100%硫酸67.1g(0.68モル)とをガラスフラスコに加え、減圧にて加熱を行った。液温が70℃を超えたあたりから、溶液が白濁し始め、内温が100℃になるまで加熱したが、ビス(フルオロスルホニル)イミドは留出しなかった。
内溶液を19F‐NMRを用いて分析した。その結果、ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩は全て分解し、ピークが確認できなかった。

Claims (5)

  1. 不純物であるフルオロ硫酸が100ppm未満の下記化学式(1)で示されるビス(フルオロスルホニル)イミド。
    (FSONH ・・・(1)
  2. 下記化学式(2)で示されるビス(フルオロスルホニル)イミド塩のいずれか一種又は二種以上と、強酸性陽イオン交換樹脂とを、有機溶剤中で接触させることを特徴とするビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法。
    ((FSON)・M ・・・(2)
    但し、上記化学式(2)において、上記Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、オニウムカチオンのいずれか一種のカチオンであり、nは、Mが1価の陽イオンの場合は1であり、Mが2価の陽イオンの場合は2である。
  3. 上記化学式(2)で示されるビス(フルオロスルホニル)イミド塩のいずれか一種又は二種以上が前記有機溶剤に溶解した溶解液と、前記強酸性陽イオン交換樹脂とを接触させることを特徴とする請求項2に記載のビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法。
  4. 前記強酸性陽イオン交換樹脂として、スチレン系樹脂又は(メタ)アクリル酸系樹脂をベース樹脂とし、スルホン酸基をイオン交換基として備えるものを用いることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法。
  5. 前記有機溶剤として、アルコール類および/またはエーテル類を用いることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法。
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