JP5377784B2 - ビス(フルオロスルホニル)イミド塩及びそれを含むイオン導電材料、電解質及びイオン液体 - Google Patents

ビス(フルオロスルホニル)イミド塩及びそれを含むイオン導電材料、電解質及びイオン液体 Download PDF

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本発明は、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩及びそれを含むイオン導電材料、電解質及びイオン液体に関するものである。
ビス(フルオロスルホニル)イミド塩((FSON・M,Mは、Li,Na,K,NH等である)は、イオン導電材料やイオン液体のアニオン源として有用な物質であることが知られている。また、フルオロ硫酸塩は、イオン導電材料や難燃剤として有用な物質であることが知られている。さらに、ビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩は、イオン液体として有用なイオン性化合物であることが知られている。
ところで、ビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法としては、下記の非特許文献1及び非特許文献2が知られている。具体的に、非特許文献1には、尿素(CO(NH)とフルオロ硫酸(FSOH)とを混合した後に加熱して反応させる方法が開示されている。これにより、下記式(1)に示すような化学反応が生じ、ビス(フルオロスルホニル)イミド、硫酸水素アンモニウム(NHHSO)、フッ化水素(HF)及び炭酸ガス(CO)が生成される。
Figure 0005377784
上記式(1)に示す反応と同時に減圧蒸留することで、生成したビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸との混合液を反応液から分留することができる。そして、得られた混合液を蒸留することでビス(フルオロスルホニル)イミドを単離することができる。
また、非特許文献2には、ビス(クロロスルホニル)イミド((ClSONH)と三フッ化ヒ素(AsF)とを反応させる方法が開示されている。これにより、下記式(2)に示すような化学反応が生じ、ビス(フルオロスルホニル)イミド及び三塩化ヒ素(AsCl)が生成される。
Figure 0005377784
次いで、生成したビス(フルオロスルホニル)イミドをジクロロメタンに溶解させる。生成したビス(フルオロスルホニル)イミドには不純物としてフルオロ硫酸が含まれており、このフルオロ硫酸もジクロロメタンに溶解する。この溶解液にNaClを添加すると下記式(3)に示すような化学反応が生じ、フルオロ硫酸のナトリウム塩(FSONa)と塩酸(HCl)とが生成される。そして、析出したフルオロ硫酸のナトリウム塩を分離した後、ジクロロメタンを留去してビス(フルオロスルホニル)イミドを単離することができる。
Figure 0005377784
従来のビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法としては、非特許文献3に記されているように、上述した非特許文献1及び非特許文献2に開示された方法によってビス(フルオロスルホニル)イミドを生成し、単離したビス(フルオロスルホニル)イミドを水などに溶解した後にアルカリで中和してビス(フルオロスルホニル)イミド塩を生成する方法が知られている。
また、従来のフルオロ硫酸塩の製造方法としては、上述した非特許文献1及び非特許文献2に開示された方法によって得られたビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸との混合物を塩化メチレン、ジクロロメタン等の溶媒に溶解した後にNaClと反応させ、上記式(3)に示すような化学反応を用いてフルオロ硫酸塩を生成する方法が知られている。
さらに、従来のビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩の製造方法としては、上述した非特許文献1及び非特許文献2に開示された方法によってビス(フルオロスルホニル)イミドを生成し、単離したビス(フルオロスルホニル)イミドを水などに溶解した後にオニウム化合物を添加してビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩を生成する方法が知られている。
Chem.Ber.95,246〜8(1962)アッペル及びアイゼンハウアー(Appel &Eisenhauer) Inorg.Synth.11,138〜43(1968) Inorganic Chemistry Vol.4, 10, 1446−1449(1965)
ところで、ビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法として、尿素とフルオロ硫酸とを用いる方法は、反応工程が短く、原料も安価であるため工業的に有利である。しかしながら、非特許文献1に開示された、尿素とフルオロ硫酸とを用いたビス(フルオロスルホニル)イミドの反応では、原料であるフルオロ硫酸が非常に強い酸であり、このフルオロ硫酸の一部が分解すると硫酸とフッ化水素とが生成することが知られている。したがって、上記式(1)に示す化学反応による反応液からビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸との混合液を減圧蒸留で抜き出す際に、一般に使用されているガラスや金属材質の装置が反応液によって腐食されてしまうという問題があった。
また、非特許文献1に開示された、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸との混合物を蒸留して分離する方法では、ビス(フルオロスルホニル)イミドの沸点(170℃)とフルオロ硫酸の沸点(163℃)とが近いため、蒸留によるビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸との分離が困難であるという問題があった。
また、非特許文献2に開示された、ビス(フルオロスルホニル)イミドを単離する方法(すなわち、フルオロ硫酸のナトリウム塩の製造方法)では、塩酸ガスが多量に副生して装置を腐食させる原因となるという問題があった。さらに、濾別したフルオロ硫酸のナトリウム塩から、塩酸ガスの発生が数日間続くため、その処理方法は大きな問題であった。
さらに、非特許文献3に開示された従来のビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法では、水を留去する工程において、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩の一部が加水分解してしまうため、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩中にフッ素イオン等の不純物が混入してしまい、高純度のビス(フルオロスルホニル)イミド塩を単離することが困難であるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、安全且つ簡便に、高純度のビス(フルオロスルホニル)イミド塩を単離することが可能なビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、安全且つ簡便なフルオロ硫酸塩の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、安全且つ簡便なビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題について鋭意研究した結果、フルオロ硫酸がビス(フルオロスルホニル)イミドの存在下では水に溶解させることが可能であり、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸との混合液を水に溶解させた後にアルカリで中和することによってビス(フルオロスルホニル)イミド塩とフルオロ硫酸塩とを得ることができることを見出し、本発明に至った。特に、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩又はフルオロ硫酸塩の中和液への溶解度が低い場合には、中和液から析出して分離するため、分液や濾過等の操作と組み合わせることで目的の塩を得ることができる。
すなわち、本発明は、以下に関する。
[1] ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液を水に溶解させて水溶液を調製する工程と、前記水溶液をアルカリで中和して中和液を調製する工程と、前記中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩を単離する工程と、を備えることを特徴とするビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法。
[2] 前記ビス(フルオロスルホニル)イミド塩を単離する工程が、有機溶剤を用いて中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩を抽出することを特徴とする前項[1]に記載のビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法。
[3] ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む前記混合液が、尿素とフルオロ硫酸との反応液であることを特徴とする前項[1]又は[2]に記載のビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法。
[4] 前記アルカリが、MOH、MCO、MHCO、アンモニア、アミンからなる群から選ばれた化合物のいずれか一種であることを特徴とする前項[1]乃至[3]のいずれか一項に記載のビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法。
但し、上記Mは、Na,K,Li,アンモニウムカチオンのいずれか一種である。
[5] ビス(フルオロスルホニル)イミド塩のフッ素イオンの含有量が、100ppm以下であることを特徴とする前項[1]乃至[4]のいずれか一項に記載のビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法。
[6] ビス(フルオロスルホニル)イミド塩のフッ素イオンの含有量が、20ppm以下であることを特徴とする前項[1]乃至[4]のいずれか一項に記載のビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法。
[7] ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液を水に溶解させて水溶液を調製する工程と、前記水溶液をアルカリで中和して中和液を調製する工程と、前記中和液からフルオロ硫酸塩を単離する工程と、を備えることを特徴とするフルオロ硫酸塩の製造方法。
[8] フルオロ硫酸塩を単離する工程が、前記中和液から析出したフルオロ硫酸塩を濾別することを特徴とする前項[7]に記載のフルオロ硫酸塩の製造方法。
[9] ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む前記混合液が、尿素とフルオロ硫酸との反応液であることを特徴とする前項[7]又は[8]に記載のフルオロ硫酸塩の製造方法。
[10] 前記アルカリが、MOH、MCO、MHCO、アンモニア、アミンからなる群から選ばれた化合物のいずれか一種であることを特徴とする前項[7]乃至[9]のいずれか一項に記載のフルオロ硫酸塩の製造方法。
但し、上記Mは、Na,K,Li,アンモニウムカチオンのいずれか一種である。
[11] ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液を水に溶解させて水溶液を調製する工程と、前記水溶液をアルカリで中和して中和液を調製する工程と、前記中和液にオニウム化合物を添加する工程と、を備えることを特徴とするビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩の製造方法。
[12] ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む前記混合液が、尿素とフルオロ硫酸との反応液であることを特徴とする前項[11]に記載のビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩の製造方法。
[13] 前記アルカリが、MOH、MCO、MHCO、アンモニア、アミンからなる群から選ばれた化合物のいずれか一種であることを特徴とする前項[11]又は[12]に記載のビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩の製造方法。
但し、上記Mは、Na,K,Li,アンモニウムカチオンのいずれか一種である。
本発明のビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法によれば、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液を水に溶解させて水溶液を調製し、この水溶液をアルカリで中和することで、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩とフルオロ硫酸塩とを生成することができる。そして、得られた中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩を単離することにより、安全且つ簡便に、高純度のビス(フルオロスルホニル)イミド塩を得ることができる。
また、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩が中和液に溶解している場合には、有機溶剤を用いることにより中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩を抽出することができる。これにより、上記中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩のみを単離することができる。
本発明のフルオロ硫酸塩の製造方法によれば、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液を水に溶解させて水溶液を調製し、この水溶液をアルカリで中和することで、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩とフルオロ硫酸塩とを得ることができる。そして、得られた中和液からフルオロ硫酸塩を単離することにより、安全且つ簡便に、高純度のフルオロ硫酸塩を得ることができる。
また、フルオロ硫酸塩が中和液から析出している場合には、中和液を濾別することにより、フルオロ硫酸塩を分離することができる。これにより、上記中和液からフルオロ硫酸塩のみを単離することができる。
本発明のビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩の製造方法によれば、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液を水に溶解させて水溶液を調製し、この水溶液をアルカリで中和することで、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩とフルオロ硫酸塩とを得ることができる。そして、得られた中和液にオニウム化合物を添加して塩交換させることにより、ビス(フルオロスルホニル)イミドのオニウム塩を安全且つ簡便に得ることができる。
以下、本発明のビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法、フルオロ硫酸塩の製造方法及びビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩の製造方法について詳細に説明する。
<ビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法>
本発明のビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法は、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液を水に溶解させて水溶液を調製する工程(水溶液の調製工程)と、上記水溶液をアルカリで中和して中和液を調製する工程(中和液の調製工程)と、上記中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩を単離する工程(単離工程)と、を備えている。以下、各工程について詳細に説明する。
(水溶液の調製工程)
水溶液の調製工程では、先ず、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液を入手する。ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液は、特に限定されるものではないが、尿素(CO(NH)とフルオロ硫酸(FSOH)との反応液であることが好ましい。
ここで、尿素(CO(NH)とフルオロ硫酸(FSOH)との反応は、非特許文献1に開示されている下記式(4)に示すような従来の反応を用いることができる。
Figure 0005377784
上記式(4)に示す反応と同時に減圧蒸留することで、生成したビス(フルオロスルホニル)イミドと原料であるフルオロ硫酸との混合液を反応液から分留することができる。
なお、尿素(CO(NH)とフルオロ硫酸(FSOH)との反応は、非特許文献1に開示されている反応機構に限定されるものではなく、その他の反応機構であっても良い。
次に、上記混合液を水に溶解させる。混合液を溶解させる水の量は、混合液の質量部に対して1〜50倍とすることが好ましく、2〜10倍とすることがより好ましい。
ところで、フルオロ硫酸は、通常では水と接触すると激しく反応し、フッ化水素と硫酸とに分解する。しかしながら、本発明では、フルオロ硫酸が水と接触しても激しい分解反応が生じない。この理由として、尿素とフルオロ硫酸との反応終了液にはフルオロ硫酸の他にビス(フルオロスルホニル)イミド、あるいは尿素が分解して生成したアンモニア等が含まれていることにより、水中におけるフルオロ硫酸の分解速度が非常に遅くなるためと考えられる。従って、本発明では、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸との混合液を穏やかな条件で水に溶解させて、水溶液を調製することができる。
(中和液の調製工程)
次に、上記水溶液を速やかにアルカリ水溶液で中和して中和液を調製する。水溶液の中和は、pH4〜10の範囲となるまで行うことが好ましく、pH7〜9の範囲まで行うことがより好ましい。pH4未満では、フルオロ硫酸塩とビス(フルオロスルホニル)イミド塩の生成が不十分となるために好ましくない。また、pH10を超えると、フルオロ硫酸塩とビス(フルオロスルホニル)イミド塩の分解反応が進むために好ましくない。一方、上記範囲であると、フルオロ硫酸塩とビス(フルオロスルホニル)イミド塩の生成が十分となり、また分解反応も抑えられるため好ましい。
上記水溶液の中和に用いるアルカリは、MOH、MCO、MHCO、アンモニア(NH)、アミン(NR)からなる群から選ばれた化合物のいずれか一種の水溶液であることが好ましい。但し、上記カチオンMは、Na,K,Li,アンモニウムカチオン(R−N)のいずれか一種である。
より具体的には、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化アンモニウム(RNOH)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸アンモニウム((RN)CO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)、炭酸水素リチウム(LiHCO)、炭酸水素アンモニウム((RN)HCO)、アンモニア(NH)等が上げられる。
アンモニウムカチオン(R−N)は、特に限定されるものではなく、アンモニウムイオン(NH )、第1級アンモニウムカチオン、第2級アンモニウムカチオン、第3級アンモニウムカチオン、第4級アンモニウムカチオンのいずれであっても良い。ここで、上記R、R、R、Rは、水素原子(H)、脂肪族のアルキル基又は芳香族のアルキル基である。また、アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オクタデセニル基、オクタデカジエニル基、フェニル基等を適宜混合して本発明に用いることが出来る。
アミンは、第一級アミン、第二級アミン、第3級アミンのいずれであっても良い。第一級アミンは、特に限定されるものではなく、例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、iso−プロピルアミン、n−ブチルアミン、iso−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、エタノールアミン、n−プロパノールアミン、iso−プロパノールアミン、4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、1−アミノ−2−ブタノール、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。第二級アミンは、特に限定されるものではなく、例えば、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−iso−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−iso−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−プロパノールアミン、ジ−iso−プロパノールアミン等が挙げられる。第三級アミンは、特に限定されるものではなく、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−iso−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−iso−ブチルアミン、トリエタノールアミン、トリ−n−プロパノールアミン、トリ−iso−プロパノールアミン等が挙げられる。
上記水溶液をアルカリで中和して中和液を調製することにより、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩((FSON・M)とフルオロ硫酸塩(FSO・M)とを生成することができる。
ビス(フルオロスルホニル)イミド塩((FSON・M)としては、ビス(フルオロスルホニル)イミドナトリウム塩、ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム塩、ビス(フルオロスルホニル)イミドアンモニウム塩が挙げられる。
フルオロ硫酸塩(FSO・M)としては、フルオロ硫酸ナトリウム塩、フルオロ硫酸カリウム塩、フルオロ硫酸リチウム塩、フルオロ硫酸アンモニウム塩が挙げられる。
(単離工程)
次に、上記中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩を単離する。ここで、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩の中和液への溶解度が低い場合には、分液(液体として分離する場合)や濾過(固体として析出する場合)等の分離操作によって中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩を単離することができる。
一方、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩が中和液に溶解している場合には、有機溶剤を用いることにより中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩を抽出することができる。これにより、上記中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩のみを単離することができる。中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩を抽出する有機溶剤としては、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩が溶解し、水と分離する有機溶剤であれば特に限定されるものではない。水と分離する有機溶剤としては、例えば酢酸エステル系溶媒を用いることが好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。
また、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩の抽出に必要な溶剤量は、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩の質量部に対して1〜50倍とすることが好ましく、10〜20倍とすることがより好ましい。溶剤量が10倍未満では、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩の抽出が不十分となるために好ましくない。また、50倍を超えると、経済的に無駄である。一方、上記範囲であると、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩を十分に抽出できるために好ましい。
生成したビス(フルオロスルホニル)イミド塩が常温で固体の場合には、抽出に使用した有機溶媒等を留去することにより、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩を結晶として得ることができる。
以上のようにして、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩を製造することができる。
ところで、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩などのフッ素含有アニオンを持つ化合物は、イオン導電材料や電解質、イオン液体のアニオン源として有用であることが知られているが、フッ素イオンが多いビス(フルオロスルホニル)イミド塩を用いた場合には、不純物であるフッ素イオンによる装置の腐食や、樹脂の劣化などを引き起こしてしまうため、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩中のフッ素イオン含有量は少ない方が好ましい。
しかしながら、上記非特許文献3に開示されているような従来のビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法によれば、水を留去する工程において、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩の一部が加水分解してしまうため、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩中にフッ素イオン等の不純物が混入してしまい、単離したビス(フルオロスルホニル)イミド塩中には不純物が多く含まれるという問題があった。具体的には、不純物としては、フッ素イオンが数百ppm〜数千ppm含まれていた。非特許文献3にはエタノールを用いた再結晶による精製方法も記載されているが、再結晶によるフッ素イオンの低減の効果はほとんど見られなかった。
これに対して、本発明のビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法によれば、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩を含む水溶液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩が析出、もしくはビス(フルオロスルホニル)イミド塩が溶解している場合にはビス(フルオロスルホニル)イミド塩のみを有機溶剤で抽出し、抽出した有機溶剤を留去することでビス(フルオロスルホニル)イミド塩が得られるという構成となっているため、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩を水中で加熱するという操作が皆無であることから、水による加水分解が極めて起こりにくく、不純物の含有量を低減することができる。これにより、高純度のビス(フルオロスルホニル)イミド塩を単離することが可能となる。
なお、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩中のフッ素イオンの含有量は、例えばイオンクロマトグラフィー法により測定することができる。イオンクロマトグラフィー法によるフッ素イオンの含有量の測定は、具体的には、次のようにして行なうことができる。
先ず、試料0.5gをイオン交換水50mLに溶解し、測定用試料を調製する。次に、試料中のフッ素イオン含有量の測定は、例えば、DIONEX社製のイオンクロマトグラフィーシステムICS−2000(カラム:IonPacAS19、検出器:電気伝導度検出器)を用い、20mmol/Lの水酸化カリウム溶液を溶離液(流量1.0ml/min)として行う。
<フルオロ硫酸塩の製造方法>
本発明のフルオロ硫酸塩の製造方法は、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液を水に溶解させて水溶液を調製する工程(水溶液の調製工程)と、上記水溶液をアルカリで中和して中和液を調製する工程(中和液の調製工程)と、上記中和液からフルオロ硫酸塩を単離する工程(単離工程)と、を備えている。なお、水溶液の調整工程及び中和液の調整工程は、上述したビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法と同様であるため、説明を省略する。
(単離工程)
次に、上記中和液の調製工程で調整した中和液からフルオロ硫酸塩を単離する。一般的にフルオロ硫酸塩の中和液への溶解度は低いため、中和液から固体として析出する場合が多い。一方、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩は中和液に溶解している場合が多い。したがって、中和液を濾過等の分離操作によって中和液からフルオロ硫酸塩を単離することができる。
また、フルオロ硫酸塩の中和液への溶解度が高い場合には、上述したビス(フルオロスルホニル)イミド塩の単離方法と同様の分離手段を適宜選択することにより、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩とフルオロ硫酸塩とを分離することができる。
<ビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩の製造方法>
本発明のビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩の製造方法は、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液を水に溶解させて水溶液を調製する工程(水溶液の調製工程)と、上記水溶液をアルカリで中和して中和液を調製する工程(中和液の調製工程)と、上記中和液にオニウム化合物を添加する工程(オニウム化合物の添加工程)と、を備えている。なお、水溶液の調整工程及び中和液の調整工程は、上述したビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法と同様であるため、説明を省略する。
(オニウム化合物の添加工程)
次に、上記中和液の調製工程で調整した中和液にオニウム化合物を添加する。これにより、生成したビス(フルオロスルホニル)イミド塩((FSON・M)とオニウム化合物との塩交換が生じ、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン((FSO)とオニウム塩とのイオン性化合物が生成される。
オニウム化合物は、特に限定されるものではないが、オニウムカチオンと、ハロゲンイオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオンなどからなる塩が例示される。
上記オニウムカチオンとしては、例えば、窒素、硫黄、酸素、リン、セレン、錫、ヨウ素、アンチモン等の孤立電子対を有する元素を含んだ化合物に陽イオン型の原子団が配位して生ずる少なくとも一つの有機基を有するカチオンであればよく、特に制限されない。本発明で使用できるオニウムイオンを例示すれば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン等の対称アンモニウムカチオン類;エチルトリメチルアンモニウムカチオン、ビニルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、ジエチルジメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリエチルイソプロピルアンモニウムカチオン、N、N−ジメチルピロリジニウムカチオン、N−メチル−N−エチルピロリジニウムカチオン、トリエチルメトキシメチルアンモニウムカチオン等の最短の置換基の炭素数が最長の置換基の炭素数の50%以上100%未満である(以下擬対称ともいう。)アンモニウムカチオン類;トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルイソプロピルアンモニウムカチオン、ブチルトリメチルアンモニウムカチオン、アリルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン、オクチルトリメチルアンモニウムカチオン、ドデシルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメトキシエトキシメチルアンモニウムカチオン、ジメチルジプロピルアンモニウムカチオン等の非対称アンモニウムカチオン類;ヘキサメトニウムカチオン等の2価アンモニウムカチオン類;1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン等の対称イミダゾリウムカチオン類;1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−イソプロピル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−tert−ブチル−3−イソプロピルイミダゾリウムカチオン等の非対称イミダゾリウムカチオン類;N−エチルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン等のピリジニウムカチオン類;トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン等の対称スルホニウムカチオン類;ジエチルメチルスルホニウムカチオン等の擬対称スルホニウムカチオン類;ジメチルプロピルスルホニウム、ジメチルヘキシルスルホニウム等の非対称スルホニウムカチオン類;テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラプロピルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン等の対称ホスホニウムカチオン類;トリメチルエチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン等の擬対称ホスホニウムカチオン類;ヘキシルトリメチルホスホニウムカチオン、トリメチルオクチルホスホニウムカチオン等の非対称ホスホニウムカチオン類等を挙げることができる。
本発明では、特に、イミダゾール系のオニウム塩及びアンモニウム系のオニウム塩を用いることが好ましい。このようにして、ビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩を製造することができる。
以上説明したように、本発明のビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法によれば、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液を水に溶解させて水溶液を調製し、この水溶液をアルカリで中和することで、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩とフルオロ硫酸塩とを生成することができる。そして、得られた中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩を単離することにより、安全且つ簡便に、高純度のビス(フルオロスルホニル)イミド塩を得ることができる。
また、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩が中和液に溶解している場合には、有機溶剤を用いることにより中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩を抽出することができる。これにより、上記中和液からビス(フルオロスルホニル)イミド塩のみを単離することができる。
本発明のフルオロ硫酸塩の製造方法によれば、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液を水に溶解させて水溶液を調製し、この水溶液をアルカリで中和することで、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩とフルオロ硫酸塩とを得ることができる。そして、得られた中和液からフルオロ硫酸塩を単離することにより、安全且つ簡便に、高純度のフルオロ硫酸塩を得ることができる。
また、フルオロ硫酸塩が中和液から析出している場合には、中和液を濾別することにより、フルオロ硫酸塩を分離することができる。これにより、上記中和液からフルオロ硫酸塩のみを単離することができる。
本発明のビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩の製造方法によれば、ビス(フルオロスルホニル)イミドとフルオロ硫酸とを含む混合液を水に溶解させて水溶液を調製し、この水溶液をアルカリで中和することで、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩とフルオロ硫酸塩とを得ることができる。そして、得られた中和液にオニウム化合物を添加して塩交換させることにより、ビス(フルオロスルホニル)イミドのオニウム塩を安全且つ簡便に得ることができる。
以下、実施例によって本発明の効果をさらに詳細に説明する。なお、本発明は実施例によって、なんら限定されるものではない。
(実施例1)
撹拌機、温度計を備えた5Lのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の反応器に、フルオロ硫酸3.2kgを仕込み、冷却しながら尿素800gを少量ずつ添加し、尿素のフルオロ硫酸溶液を調整した。
撹拌機、温度計、ガス流量計を備えた5LのPTFEコーティングしたステンレス製の反応器にフルオロ硫酸2.4kg、ビス(フルオロスルホニル)イミド80gを仕込み、120℃で加熱しているところへ、尿素のフルオロ硫酸溶液を定量ポンプで525g/Hrの速度で滴下した。
滴下と同時に炭酸ガスの発生を確認し、滴下終了時には合計299Lのガスが発生した。反応終了液を室温まで冷却し、15kgの水に徐々に滴下して溶解させた。その後、炭酸カリウム3.6kgを加え、pH9まで中和を行い、析出した結晶を濾過し、60℃で乾燥してフルオロ硫酸のカリウム塩を4.4kg得た。濾液を酢酸エチル7kgで2回、2kgで1回抽出した。
酢酸エチル層を水で洗浄し、酢酸エチルを留去して、残渣としてビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム1081gを得た(尿素基準の収率37%)。DIONEX社製のイオンクロマトグラフィーシステムICS−2000(カラム:IonPacAS19、検出器:電気伝導度検出器)を用い、20mmol/L水酸化カリウム溶液を溶離液(流量1.0ml/min)としてサンプル中のフッ素イオン含有量の測定を行った結果、フッ素イオン濃度は3ppmであった。
融点103〜104℃、19F−NMR 53.5ppm(溶媒DMSO−d 内部標準物質CFCl
(実施例2)(アンモニウム塩の例)
実施例1と同様に反応を行い、反応終了液を室温まで冷却し、15kgの水に溶解、28%アンモニア水2.0kgでpH7まで中和した。その後、酢酸エチル7kgで2回、2kgで1回抽出し、酢酸エチル層を水で洗浄し、酢酸エチルを留去してビス(フルオロスルホニル)イミドアンモニウム792gを得た(尿素基準の収率30%)。
フッ素イオン濃度3ppm、融点85〜88℃
(実施例3)(Liを用いた例)
実施例1と同様に行った反応液100gを200gの水に溶解させた。その後炭酸リチウム46gでpH7まで中和を行った。過剰の炭酸リチウムを濾別し、水層を酢酸エチル100gで2回、30gで1回抽出した。イオン交換水30gで酢酸エチル層を洗浄し、酢酸エチル層を留去してビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム14.5gを得た(尿素基準の収率35%)。
フッ素イオン濃度8ppm
(実施例4)
実施例1と同様に行った反応液200gを、800gの水に溶解させた。その後炭酸カリウム52gでpH7まで中和を行い、析出したフルオロ硫酸のカリウム塩を濾別した。テトラプロピルアンモニウムブロミド37gを溶解させた水溶液を濾液に滴下すると同時にビス(フルオロスルホニル)イミド・テトラプロピルアンモニウムの結晶が析出し、濾過分離後、60℃の乾燥機で乾燥し、ビス(フルオロスルホニル)イミド・テトラプロピルアンモニウム48gを得た(尿素基準の収率30%)。
フッ素イオン濃度1ppm、融点140〜141℃
(実施例5)
実施例1と同様に行った反応液200gを、800gの水に溶解させた。その後炭酸カリウム51gでpH7まで中和を行い、析出したフルオロ硫酸のカリウム塩を濾別した。濾液に1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド31gを添加すると、ビス(フルオロスルホニル)イミド・1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムが反応液から分離した。分離した有機層を水洗、乾燥してビス(フルオロスルホニル)イミド・1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム45gを得た(尿素基準の収率32%)。
フッ素イオン濃度1ppm
(比較例)
実施例1と同様に行った反応液を減圧蒸留し、フルオロ硫酸とビス(フルオロスルホニル)イミドの混合物を得た。この混合物645gを塩化メチレン3230gに溶解し、塩化ナトリウム170gを加えてフルオロ硫酸ナトリウムを生成させ、ろ過分離した。濾液から塩化メチレンを留去し、その後、常圧蒸留を行い、ビス(フルオロスルホニル)イミド326gを得た。これを水978gに溶解し、炭酸カリウム154gでpH7まで中和し、水を留去してビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム313gを得た。得られたビス(フルオロスルホニル)イミドカリウムのフッ素イオン濃度は354ppmであった。

Claims (9)

  1. フッ素イオンの含有量が、100ppm以下であることを特徴とするビス(フルオロスルホニル)イミド塩。
  2. フッ素イオンの含有量が、20ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のビス(フルオロスルホニル)イミド塩。
  3. 当該ビス(フルオロスルホニル)イミド塩が、ビス(フルオロスルホニル)イミド・アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載のビス(フルオロスルホニル)イミド塩。
  4. 当該ビス(フルオロスルホニル)イミド塩が、ビス(フルオロスルホニル)イミド・オニウム塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載のビス(フルオロスルホニル)イミド塩。
  5. 当該ビス(フルオロスルホニル)イミド塩が、ビス(フルオロスルホニル)イミド・イミダゾール塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載のビス(フルオロスルホニル)イミド塩。
  6. 当該ビス(フルオロスルホニル)イミド塩が、ビス(フルオロスルホニル)イミド・アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載のビス(フルオロスルホニル)イミド塩。
  7. フッ素イオンの含有量が100ppm以下であるビス(フルオロスルホニル)イミド塩を含むことを特徴とするイオン導電材料。
  8. フッ素イオンの含有量が100ppm以下であるビス(フルオロスルホニル)イミド塩を含むことを特徴とする電解質。
  9. フッ素イオンの含有量が100ppm以下であるビス(フルオロスルホニル)イミド塩を含むことを特徴とするイオン液体。
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