JP2012144412A - フッ素化合物の製造方法 - Google Patents

フッ素化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012144412A
JP2012144412A JP2011006215A JP2011006215A JP2012144412A JP 2012144412 A JP2012144412 A JP 2012144412A JP 2011006215 A JP2011006215 A JP 2011006215A JP 2011006215 A JP2011006215 A JP 2011006215A JP 2012144412 A JP2012144412 A JP 2012144412A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkali metal
fluorine
fluorine compound
fluoride
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011006215A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5672016B2 (ja
Inventor
Atsushi Fukunaga
篤史 福永
Shoichiro Sakai
将一郎 酒井
Koji Nitta
耕司 新田
Atsushi Yamaguchi
山口  篤
Masatoshi Mashima
正利 真嶋
Shinji Inasawa
信二 稲澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2011006215A priority Critical patent/JP5672016B2/ja
Priority to PCT/JP2012/050577 priority patent/WO2012096371A1/ja
Priority to KR1020137017374A priority patent/KR20140024841A/ko
Priority to US13/978,980 priority patent/US20130294997A1/en
Priority to CN201280005069.2A priority patent/CN103313933B/zh
Publication of JP2012144412A publication Critical patent/JP2012144412A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5672016B2 publication Critical patent/JP5672016B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B21/00Nitrogen; Compounds thereof
    • C01B21/082Compounds containing nitrogen and non-metals and optionally metals
    • C01B21/086Compounds containing nitrogen and non-metals and optionally metals containing one or more sulfur atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B21/00Nitrogen; Compounds thereof
    • C01B21/082Compounds containing nitrogen and non-metals and optionally metals
    • C01B21/087Compounds containing nitrogen and non-metals and optionally metals containing one or more hydrogen atoms
    • C01B21/093Compounds containing nitrogen and non-metals and optionally metals containing one or more hydrogen atoms containing also one or more sulfur atoms
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • H01M10/0525Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0564Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
    • H01M10/0566Liquid materials
    • H01M10/0568Liquid materials characterised by the solutes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】短時間で、ハロゲン化物からフッ素化合物を得ることのできるフッ素化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】KN(SOF)は、HN(SOCl)をKFに滴下することにより中間生成物を生成し、その後、この中間生成物とKFとを水溶媒中で反応させることにより、合成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、塩素化合物からフッ素化合物を合成するフッ素化合物の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン2次電池で使用される電解液の支持塩として、LiN(SOF)等のイミド塩が注目されている。
また、溶融塩電池の溶融塩として、KN(SOF)若しくはNaN(SOF)またはこれらの混合物が採用されている。溶融塩電池では、電池を作動させるために、溶融塩が溶解する温度にまで加熱することを要するが、KN(SOF)若しくはNaN(SOF)またはこれらの混合物は、従来の溶融塩と比べて溶融点が低いため、溶融塩電池の作動温度を低くする材料として注目されている。
KN(SOF)およびKN(SOF)の製造方法は、次に示す文献に開示されている。特許文献1では、触媒としてピリジンを用い、反応原料をアセトニトリル溶媒中でフッ素化することによりKN(SOF)を生成する。特許文献2では、HN(SOCl)をニトロメタン溶媒中でフッ素化することによりKN(SOF)を生成する。非特許文献1では、ジクロロメタン溶媒中でHN(SOCl)とKFとを反応させてKN(SOF)を生成する。
特開2007−182410号公報 特表2004−522681号公報
Z.Anorg.Allg.Chem,2005,631,55−59
溶融塩電池をより低価とするために、溶融塩電池に用いられるKN(SOF)またはNaN(SOF)の製造コストを抑える必要がある。しかし、いずれの文献による製造方法でもHFSIのフッ素化を完了するまでに48〜72時間を要し、これが障害となって、KN(SOF)またはNaN(SOF)のコストを低くすることができない。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、短時間で、ハロゲン化物からフッ素化合物を得ることのできるフッ素化合物の製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、下記(1)式に示されるハロゲン化合物のハロゲン元素をフッ素に置換することにより下記(2)式に示されるフッ素化合物を合成するフッ素化合物の製造方法であって、前記ハロゲン化合物と、アルカリ金属Mのフッ化物であるアルカリ金属フッ化物MFとを無溶媒で反応させて中間生成物を生成し、その後、この中間生成物と前記アルカリ金属フッ化物MFとを極性溶媒中で反応させることを要旨とする。
HN(SO)(SO) ・・・ (1)
MN(SOF) ・・・ (2)
・XおよびXは、それぞれ独立にCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。
・アルカリ金属Mは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかを示す。
従来の方法では、ジクロロメタン等の溶媒中で、HN(SOCl)とアルカリ金属フッ化物とを反応させるが、両者の反応速度が遅い。これは、フッ化物はジクロロメタンに溶解しないことから、両者の反応はフッ化物の表面上でしか行われないためであると考えられる。一方、フッ化物が溶解する溶媒中でHN(SOCl)とアルカリ金属フッ化物とを反応させることも考えられる。しかし、結果的には、アセトニトリル中で両者の反応を行っても反応が速くならないことが確かめられている。なお、アルカリ金属フッ化物が溶解する水溶媒中で両者を反応させることも考えられるが、HN(SOCl)は水と反応して加水分解してしまうため、目的物を合成することができない。
発明者は、これらことを考慮し、溶媒中を用いない反応を鋭意研究し、次のことを見出した。HN(SO)(SO)とアルカリ金属フッ化物MFとが無溶媒で反応して一方のハロゲン元素をフッ素に置換すること、および同反応が短時間で完了することを見出した。さらに、この反応により得られる生成物がMN(SOX)(SOF)であること、MN(SOX)(SOF)とアルカリ金属フッ化物MFとを極性溶媒中で反応させることにより、目的物であるMN(SOF)が得られること、およびこの合成方法は、従来の合成方法と比べて短時間で完了することを見出した。したがって、上記方法によれば、従来の方法に比べて、短時間で、MN(SOF)を合成することができる。
また、本発明は次の特徴を有する。従来では、1つの工程で、所定条件下でHN(SOCl)とKFとを反応させてKN(SOF)を生成する。これに対して、本発明では、第1工程で、HN(SO)(SO)の一方のハロゲン元素をフッ素に置換し、第2工程で他方のハロゲン元素をフッ素に置換するという方法を用いている。このような2段階の工程によれば次のような効果が奏する。すなわち、第1工程で、HN(SO)(SO)をアルカリ金属塩に変換してHN(SO)(SO)を消滅させることにより、第2工程において、アルカリ金属フッ化物MFを溶融しやすい水を用いることを可能とする。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフッ素化合物の製造方法において、前記ハロゲン化合物と前記アルカリ金属フッ化物とを反応させる前に、前記アルカリ金属フッ化物から水分を除去することを要旨とする。
HN(SO)(SO)は水と反応して加水分解し、副生成物を生成する。上記発明によれば、アルカリ金属フッ化物から水分を除去しているため、加水分解による副生成物の生成を抑制することができる。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のフッ素化合物の製造方法において、前記極性溶媒はプロトン性極性溶媒であることを要旨とする。
アルカリ金属フッ化物(MN(SO)(SOF))は、非プロトン性極性溶媒よりもプロトン性極性溶媒に多く溶解する。このため、上記発明によれば、MN(SO)(SOF)とアルカリ金属フッ化物MFとの反応を促進することができる。
(4)請求項4に記載の発明は、下記(3)式に示されるハロゲン化合物の一方のハロゲン元素をフッ素に置換することにより下記(4)式に示されるフッ素化合物を合成するフッ素化合物の製造方法であって、前記ハロゲン化合物と、アルカリ金属Mのフッ化物であるアルカリ金属フッ化物MFとを無溶媒で反応させることを要旨とする。
HN(SOX) ・・・ (3)
MN(SOX)(SOF) ・・・ (4)
・XはCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。
・アルカリ金属Mは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかを示す。
この発明は、上記発明において第1工程の反応を行うことによって、HN(SOX)から、MN(SOX)(SOF)を得るものである。この方法によれば、MN(SOX)(SOF)を従来に比べて短時間で合成することができる。
(5)請求項5に記載の発明は、下記(4)式に示されるハロゲン化合物のフッ素以外のハロゲン元素をフッ素に置換することにより下記(5)式に示されるフッ素化合物を合成するフッ素化合物の製造方法であって、前記ハロゲン化合物とアルカリ金属Mのフッ化物であるアルカリ金属フッ化物MFとを極性溶媒中で反応させることを要旨とする。
MN(SOX)(SOF) ・・・ (4)
MN(SOF) ・・・ (5)
・XはCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。
・アルカリ金属Mは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかを示す。
この発明は、上記発明において第2工程の反応を行って、MN(SOF)を得るものである。なお、原料であるMN(SOX)(SOF)の製造方法は、アルカリ金属フッ化物MFとHN(SOX)と反応させて生成する上記製造方法に限定されない。
本発明によれば、短時間で、ハロゲン化物からフッ素化合物を得ることのできるフッ素化合物の製造方法を提供することができる。
フッ素化合物の19F−NMRスペクトルを示し、(A)はKN(SOF)19F−NMRスペクトル図、(B)は、中間生成物Aに水を添加した直後の19F−NMRスペクトル図、(C)は、中間生成物Aに水を添加して8時間経過後の19F−NMRスペクトル図。
式(A)を参照して、HN(SOCl)から合成されるKN(SOF)の製造方法の概略を説明する。
HN(SOCl)は、従来の製造方法により生成する。次に、HN(SOF)を過剰の粉状のKFに滴下する。なお、KFに水分が含まれているとき、水とHN(SOCl)とが反応して加水分解を起こすため、KFにHN(SOCl)を滴下する前に、予めKFから水分を除去する。HN(SOF)とKFとの反応により、KN(SOCl)(SOF)とHClが生成する。この反応は溶媒なしで行われるため、反応は2〜3分程度で完了する。なお、粉状のKFにHN(SOF)を滴下して形成されたもの、すなわちKN(SOCl)(SOF)とKFとを含むものを中間生成物Aとする。
次に、中間生成物Aに、溶媒としての水を添加する。KN(SOCl)(SOF)と水とは反応しないため、加水分解による生成物は生成されない。一方、KFは水に溶解してイオン化する。このため、KN(SOCl)(SOF)のClがフッ素と置換する。これにより、KN(SOF)とKClが生成される。この反応は、6〜7時間で概ね完了し、12時間経過後には殆ど完了する。その後、反応系を減圧して、水を蒸発させる。さらに、蒸発して得たものからKN(SOF)を抽出する。
Figure 2012144412
<HN(SOCl)の合成>
KN(SOF)の原料であるHN(SOCl)の合成方法の一例を挙げる。なお、HN(SOCl)の合成方法は以下に挙げる例に限定されない。
スルファミン酸、クロロスルホン酸、塩化チオニルを不活性雰囲気で、モル比1.0:1.0:2.4となるように混合し、この混合液を加熱するとともに蒸留物の一部を還流する。すると、温度80℃に達した時点から塩化チオニルが沸騰し、反応が開始する。この反応を温度130℃で約8時間持続する。8時間の経過後、反応系に水分が浸入しないように塩化カルシウム管を反応系の蒸気排出口に取り付けて、反応系全体を冷却する。これにより液状の中間生成物Bが得られる。中間生成物Bには、目的物であるHN(SOCl)が含まれている。
次いで、中間生成物BからHN(SOCl)を抽出するために、減圧下(650Pa以下)で、温度130℃で加熱して、残余している塩化チオニルを揮発させる。さらに、塩化チオニルの揮発が完了した時点で、反応系をさらに加熱し、温度約130度で蒸留する。これにより、目的物であるHN(SOCl)が抽出される。
<KN(SOF)の合成>
以下、KN(SOF)の合成方法を説明する。
第1工程では、粉体のKFを予め乾燥して、KFから水分を除去する。そして、予めHN(SOF)を温度37℃以上に加熱して液体とした上で、HN(SOF)をKFに滴下する。HN(SOF)の滴下量は、KF2.5〜3.0molに対してHN(SOF)1.0molとされる。すなわち、KFは、HN(SOF)に対して過剰量とし、HN(SOF)の全てがKFと反応するように、両者の量が決められる。
KFとHN(SOF)とは発熱して反応し、HClを発生させる。HClが発生しなくなったとき、あるいは発熱がなくなったとき、反応の終了とする。この反応により、KN(SOCl)(SOF)が生成される。この反応では、KN(SOF)は形成されない。反応は2〜3分で完了する。このように反応時間が短くなる理由は、溶媒中で両者が接触するのではなく、直接両者が接触するためであると考えられる。
第2工程では、第1工程の中間生成物Aに水を添加する。水の量はKFの容積の約3倍の量とされる。そして、この水溶液を室温下で12時間撹拌する。なお、この撹拌時、室温以上の温度にして撹拌することもできる。
次いで、水溶液を減圧して乾燥することにより、KF、KCl、KN(SOF)の混合粉末を得る。KN(SOF)は次の方法により分離される。例えば、KN(SOF)の融点がKFおよびKClよりも低いことに基づいてKN(SOF)を分離する。具体的には、混合粉末を、KN(SOF)が溶融する温度であってかつKFおよびKClが溶融しない温度に維持して、KN(SOF)を溶融するとともにKFおよびKClを固形物として残す。そして、溶融物と固形物との混合物を遠心分離機または濾過装置にかけることにより、KN(SOF)をKFおよびKClから分離する。
また、KF、KCl、KN(SOF)の各種溶媒に対する溶解度の差に基づき、KFおよびKClが溶解しかつKN(SOF)が溶解しにくい溶媒を選択し、この溶媒中でKN(SOF)を析出させる方法(再結晶法)を用いてもよい。また、カラムクロマトグラフィ装置を用いて、KN(SOF)をKFおよびKClから分離する方法を用いてもよい。
図1の19F−NMRのスペクトルを参照し、KN(SOF)の生成について説明する。
図1(A)に示すように、KN(SOF)単体の19F−NMRスペクトルは、77δ/ppmに1本のピークを有す。
図1(B)に、第2工程における初期、すなわち、第1工程の中間生成物Aに水を添加した直後における、反応物および生成物の19F−NMRスペクトルを示す。この時期において、KN(SOF)、KN(SOCl)(SOF)、KFのスペクトルが見られる。すなわち、第2工程における水添加直後に、KN(SOF)が生成されることが分かる。
図1(C)に、水の添加後、8時間経過したときの反応物の19F−NMRスペクトルを示す。この時期には、KN(SOCl)(SOF)の相当するスペクトルが殆ど消滅している。すなわち、8時間経過後には、KN(SOCl)(SOF)のフッ素化の反応は略完了している。
本実施形態によれば以下の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、HN(SOCl)をKFに滴下して中間生成物Aを生成し、その後、この中間生成物AとKFとを水溶媒中で反応させて、KN(SOF)を合成する。この方法によれば、従来の方法に比べて、短時間で、KN(SOF)を合成することができる。
(2)本実施形態では、HN(SOCl)をKFに滴下する前に、KFから水分を除去する。HN(SOCl)は水と反応して加水分解し副生成物を生成するが、上記方法によれば、KFから水分を除去しているため、加水分解による副生成物の生成を抑制することができる。
(3)本実施形態では、上記第2工程において溶媒として水を用いている。この方法によれば、溶媒として無極性溶媒を用いるときよりも、水にKFを多く溶かすことができるため、KN(SOCl)(SOF)とフッ素との反応を促進することができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態にて示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。また以下の各変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記実施形態では、第2工程において、中間生成物Aを溶解する溶媒として水が用いられているが、この溶媒は極性溶媒であればよく、例えば、水に代えて、エタノール、アセトニトリル等を用いることもできる。
・上記実施形態では、HN(SOCl)を原料として目的物であるKN(SOF)を合成しているが、HN(SO)(SO)を原料とすることもできる。ここで、XおよびXはそれぞれ独立にCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。このような原料を用いても上記実施形態と同様の製造方法により、目的物であるKN(SOF)を合成することができる。
また、KN(SOX)(SOF)を原料として目的物であるKN(SOF)を合成することもできる。ここで、Xは、Cl、Br、Iのいずれかの元素を示す。この場合、第2工程と同様の合成方法を採用する。なお、KN(SOX)(SOF)の合成方法は、上記第1工程による合成方法に限定されない。
・上記実施形態では、KN(SOF)の合成方法について説明したが、同様の方法によりMN(SOF)を合成することができる。ここでMはアルカリ金属すなわちLi、Na、K、Rb、Csのいずれかを示す。すなわち、MN(SOF)は、HN(SOX)またはHN(SO)(SO)を原料として上記第1工程および第2工程に準じた工程により合成される。また、MN(SOF)は、MN(SOX)(SOF)を原料として、上記第2工程に準じた工程により、合成することができる。ただし、フッ素源として、各工程におけるKFに代えて、目的物であるアルカリ金属塩に対応するアルカリ金属フッ化物が用いられる。
・上記実施形態では、KN(SOF)を目的物としているが、第1工程により形成されるアルカリ金属塩すなわちKN(SOX)(SOF)を合成目的物とすることもできる。ここでXはCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。KN(SOX)(SOF)の製造方法は、上記第1工程と同様である。
また、同様に、LiN(SOX)(SOF)、NaN(SOX)(SOF)、RbN(SOX)(SOF)、CsN(SOX)(SOF)を上記第1工程に準じた方法により合成することができる。ただし、同工程で使用されるKFに代えて、目的物であるアルカリ金属塩に対応するアルカリ金属フッ化物が用いられる。

Claims (5)

  1. 下記(1)式に示されるハロゲン化合物のハロゲン元素をフッ素に置換することにより下記(2)式に示されるフッ素化合物を合成するフッ素化合物の製造方法であって、
    前記ハロゲン化合物と、アルカリ金属Mのフッ化物であるアルカリ金属フッ化物MFとを無溶媒で反応させて中間生成物を生成し、その後、この中間生成物と前記アルカリ金属フッ化物MFとを極性溶媒中で反応させる
    ことを特徴とするフッ素化合物の製造方法。
    HN(SO)(SO) ・・・ (1)
    MN(SOF) ・・・ (2)
    およびXは、それぞれ独立にCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。
    アルカリ金属Mは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかを示す。
  2. 請求項1に記載のフッ素化合物の製造方法において、
    前記ハロゲン化合物と前記アルカリ金属フッ化物とを反応させる前に、前記アルカリ金属フッ化物から水分を除去する
    ことを特徴とするフッ素化合物の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のフッ素化合物の製造方法において、
    前記極性溶媒はプロトン性極性溶媒である
    ことを特徴とするフッ素化合物の製造方法。
  4. 下記(3)式に示されるハロゲン化合物の一方のハロゲン元素をフッ素に置換することにより下記(4)式に示されるフッ素化合物を合成するフッ素化合物の製造方法であって、
    前記ハロゲン化合物と、アルカリ金属Mのフッ化物であるアルカリ金属フッ化物MFとを無溶媒で反応させる
    ことを特徴とするフッ素化合物の製造方法。
    HN(SOX) ・・・ (3)
    MN(SOX)(SOF) ・・・ (4)
    XはCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。
    アルカリ金属Mは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかを示す。
  5. 下記(4)式に示されるハロゲン化合物のフッ素以外のハロゲン元素をフッ素に置換することにより下記(5)式に示されるフッ素化合物を合成するフッ素化合物の製造方法であって、
    前記ハロゲン化合物とアルカリ金属Mのフッ化物であるアルカリ金属フッ化物MFとを極性溶媒中で反応させる
    ことを特徴とするフッ素化合物の製造方法。
    MN(SOX)(SOF) ・・・ (4)
    MN(SOF) ・・・ (5)
    XはCl、Br、Iのいずれかの元素を示す。
    アルカリ金属Mは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかを示す。
JP2011006215A 2011-01-14 2011-01-14 フッ素化合物の製造方法 Expired - Fee Related JP5672016B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011006215A JP5672016B2 (ja) 2011-01-14 2011-01-14 フッ素化合物の製造方法
PCT/JP2012/050577 WO2012096371A1 (ja) 2011-01-14 2012-01-13 フッ素化合物の製造方法
KR1020137017374A KR20140024841A (ko) 2011-01-14 2012-01-13 불소 화합물의 제조 방법
US13/978,980 US20130294997A1 (en) 2011-01-14 2012-01-13 Method for producing fluorine compound
CN201280005069.2A CN103313933B (zh) 2011-01-14 2012-01-13 制造氟化合物的方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011006215A JP5672016B2 (ja) 2011-01-14 2011-01-14 フッ素化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012144412A true JP2012144412A (ja) 2012-08-02
JP5672016B2 JP5672016B2 (ja) 2015-02-18

Family

ID=46507262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011006215A Expired - Fee Related JP5672016B2 (ja) 2011-01-14 2011-01-14 フッ素化合物の製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20130294997A1 (ja)
JP (1) JP5672016B2 (ja)
KR (1) KR20140024841A (ja)
CN (1) CN103313933B (ja)
WO (1) WO2012096371A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2707633T3 (es) 2012-08-06 2019-04-04 Nippon Soda Co Método para producir bis(halosulfonil)amina
CN105523530B (zh) * 2014-10-23 2018-09-07 浙江蓝天环保高科技股份有限公司 一种双(氟磺酰)亚胺钾的制备方法
CN117529448A (zh) 2021-06-10 2024-02-06 法国特种经营公司 用于制备双(氟磺酰基)亚胺盐的无溶剂方法
EP4151592A1 (en) 2021-09-15 2023-03-22 Rhodia Operations Solvent-free process for preparing a salt of bis(fluorosulfonyl)imide

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001288193A (ja) * 2000-01-31 2001-10-16 Morita Kagaku Kogyo Kk スルホニルイミド化合物の製造方法
JP2004522681A (ja) * 2000-12-29 2004-07-29 ハイドロ−ケベック ハロスルホニル基、又はジハロホスホニル基を含む化合物をフッ素化するための方法
JP2007182410A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd フッ素化合物の製造方法及びそれにより得られるフッ素化合物
WO2010010613A1 (ja) * 2008-07-23 2010-01-28 第一工業製薬株式会社 ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン化合物の製造方法およびイオン対化合物
JP2010189372A (ja) * 2008-03-31 2010-09-02 Nippon Shokubai Co Ltd フルオロスルホニルイミド類およびその製造方法
WO2010140580A1 (ja) * 2009-06-03 2010-12-09 セントラル硝子株式会社 イミド酸塩の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1931626A1 (en) * 2005-08-22 2008-06-18 Transfert Plus S.E.C. Process for preparing sulfonylimides and derivatives thereof

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001288193A (ja) * 2000-01-31 2001-10-16 Morita Kagaku Kogyo Kk スルホニルイミド化合物の製造方法
JP2004522681A (ja) * 2000-12-29 2004-07-29 ハイドロ−ケベック ハロスルホニル基、又はジハロホスホニル基を含む化合物をフッ素化するための方法
JP2007182410A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd フッ素化合物の製造方法及びそれにより得られるフッ素化合物
JP2010189372A (ja) * 2008-03-31 2010-09-02 Nippon Shokubai Co Ltd フルオロスルホニルイミド類およびその製造方法
WO2010010613A1 (ja) * 2008-07-23 2010-01-28 第一工業製薬株式会社 ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン化合物の製造方法およびイオン対化合物
WO2010140580A1 (ja) * 2009-06-03 2010-12-09 セントラル硝子株式会社 イミド酸塩の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20140024841A (ko) 2014-03-03
JP5672016B2 (ja) 2015-02-18
CN103313933B (zh) 2015-09-02
US20130294997A1 (en) 2013-11-07
CN103313933A (zh) 2013-09-18
WO2012096371A1 (ja) 2012-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6964595B2 (ja) リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの新規の製造方法
JP6391081B2 (ja) リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの生成方法
JP5899789B2 (ja) イミド塩の製造方法
JP6339091B2 (ja) フルオロスルホニル基を含むイミド塩を調製するための方法
CN111498819B (zh) 制备含有氟磺酰基基团的酰亚胺
US11420877B2 (en) Lithium fluorosulfonate production method
WO2018201711A1 (zh) 一种双氟磺酰亚胺锂的制备方法
JP4621783B2 (ja) フルオロスルホニルイミド類およびその製造方法
JP5672016B2 (ja) フッ素化合物の製造方法
JP2004522681A (ja) ハロスルホニル基、又はジハロホスホニル基を含む化合物をフッ素化するための方法
JP6495041B2 (ja) ジハロリン酸アルカリ金属塩の製造方法およびジフルオロリン酸アルカリ金属塩の製造方法
NL2020683B1 (en) Production of lithium hexafluorophosphate
JP6921464B2 (ja) リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法
JP2017218328A (ja) ビス(フルオロスルホニル)イミドアルカリ金属塩の製造方法
JP6779468B2 (ja) ペンタフルオロスルファニルピリジン
WO2010113492A1 (ja) 含フッ素n-アルキルスルホニルイミド化合物及びその製造方法、並びにイオン性化合物の製造方法
AU2020243365A1 (en) Methods of preparing fluorinated alcohols
JP5308763B2 (ja) N−フルオロピリジニウム塩の製造方法
JP6505115B2 (ja) 臭化亜鉛および臭化リチウムを含む非プロトン性溶液の製造方法
WO2013037923A1 (fr) Procédé de synthèse de liquides ioniques

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140902

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5672016

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees