JP2015165035A - 室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温・高湿下での硬化物の硬さの低下が少なく、各種基材に対する接着性が良好な室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を提供する。【解決手段】主剤組成物(A)と硬化剤組成物(B)とからなる2液型の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物であり、主剤組成物(A)は、(c)平均単位式:(R13SiO1/2)p[Si(OH)xO(4−x)/2]qで表されるレジン構造を有するポリオルガノシロキサンを所定の割合で含有し、硬化剤組成物(B)は、(e)3官能性または4官能性のシラン化合物またはその部分加水分解縮合物と、(f)アミノ基含有ケイ素化合物を含有する。そして、(e)成分と(f)成分中のアルコキシ基と、(a)成分と(c)成分中のSi−OH基とのモル比(アルコキシ基/OH基)が、5〜50である。【選択図】なし
Description
本発明は、室温で硬化してゴム状弾性体を生じる縮合反応型のポリオルガノシロキサン組成物に関する。
ソーラーシステム部品、自動車部品、電気・電子機器部品等の接着・シール材、ポッティング材、FIPG(Formed In Place Gasket)シール材等の用途には、空気中の水分との接触により室温で硬化してゴム状弾性体を生じる、縮合反応型のシリコーンゴム組成物が広く用いられている。
しかしながら、従来からの縮合反応型のシリコーンゴム組成物は、高温および高湿度の雰囲気では、硬化物であるゴムの加水分解が進行して、硬さ等の物理的特性が著しく低下するという問題があった。
無溶剤型の室温硬化性シリコーン組成物として、式:R3SiO1/2で表される1官能性シロキシ単位(M単位)と、式:SiO4/2で表される4官能性シロキシ単位(Q単位)とからなるポリオルガノシロキサンを含有する、2液型の縮合反応型シリコーン組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献1の組成物においては、ベースとなるシラノール末端ジオルガノシロキサン重合体の粘度が低く、かつ充填剤の含有量が低いため、物理的特性に優れた硬化ゴムを得ることができなかった。また、この組成物においては、硬化物の耐加水分解性を改善する効果が十分でなく、高温・高湿下では硬化物の粘度低下が生じるものと考えられる。
また、耐熱性を向上させるために、式:R1SiO3/2で表される3官能性シロキシ単位(T単位)および/または4官能性シロキシ単位(Q単位)を含むポリオルガノシロキサンを含有する縮合反応硬化型のシリコーン組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、特許文献2の組成物においても、高温・高湿雰囲気では硬化物の硬さ等が大きく低下するという問題があった。
ここで、1官能性シロキシ単位、3官能性シロキシ単位および4官能性シロキシ単位を、前記したように、当業界で常用される略称であるM単位、T単位およびQ単位と示すことがある。また、式:R2SiO2/2で表される2官能性シロキシ単位をD単位と示すことがある。なお、シロキシ単位を表す式において、Rは有機基を示すものとする。
本発明はこのような従来技術の課題を解決するためになされたもので、高温・高湿雰囲気で硬化物の硬さの低下が少ない、あるいは硬さの低下が生じない、などの良好な硬化性を有し、かつ各種基材に対する接着性に優れた室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を提供することを目的とする。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、
(a)分子鎖末端が水酸基で封鎖された、23℃における粘度が0.1〜100Pa・sであるポリオルガノシロキサン100質量部と、
(b)充填剤1〜300質量部と、
(c)平均単位式:(R1 3SiO1/2)p[Si(OH)xO(4−x)/2]q…(1)
(式中、R1は同一または異なる炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、xは0.001〜0.8であり、pおよびqはいずれも正数である。)で表されるポリオルガノシロキサン0.1〜20質量部と
を含む主剤組成物(A)と、
(e)一般式:R2 nSi(OR3)4−n…(2)
(式中、R2は同一または異なる置換(ただし、アミノ基での置換は除く)もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、R3は同一または異なる非置換の1価の炭化水素基であり、nは0または1である。)で表される3官能性または4官能性のシラン化合物、またはその部分加水分解縮合物0.1〜20質量部と、
(f)一般式:(R4O)3Si−R5−NH−R6 …(3)
(式中、R4は同一または異なる非置換の1価の炭化水素基であり、R5は置換もしくは非置換の2価の炭化水素基であり、R6は水素原子、非置換の1価の炭化水素基、またはアミノアルキル基である。)表される第1のアミノ基含有ケイ素化合物、および
一般式:(R7O)3−mR8 mSi−R9−NH−R9−SiR8 l(OR7)3−l…(4)
(式中、R7は同一または異なる非置換の1価の炭化水素基であり、R8は同一または異なる置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、R9は同一または異なる置換もしくは非置換の2価の炭化水素基である。mおよびlは0〜2の整数である。)で表される第2のアミノ基含有ケイ素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ基含有ケイ素化合物0.1〜20質量部と、
(g)スズ系の硬化触媒0.01〜10質量部と
を含む硬化剤組成物(B)、とからなる2液型組成物であり、
前記(e)成分と前記(f)成分中のケイ素原子に結合されたアルコキシ基の合計量と、前記(a)成分と前記(c)成分中のケイ素原子に結合された水酸基の合計量とのモル比(アルコキシ基/OH基)が、5〜50であることを特徴とする。
(a)分子鎖末端が水酸基で封鎖された、23℃における粘度が0.1〜100Pa・sであるポリオルガノシロキサン100質量部と、
(b)充填剤1〜300質量部と、
(c)平均単位式:(R1 3SiO1/2)p[Si(OH)xO(4−x)/2]q…(1)
(式中、R1は同一または異なる炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、xは0.001〜0.8であり、pおよびqはいずれも正数である。)で表されるポリオルガノシロキサン0.1〜20質量部と
を含む主剤組成物(A)と、
(e)一般式:R2 nSi(OR3)4−n…(2)
(式中、R2は同一または異なる置換(ただし、アミノ基での置換は除く)もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、R3は同一または異なる非置換の1価の炭化水素基であり、nは0または1である。)で表される3官能性または4官能性のシラン化合物、またはその部分加水分解縮合物0.1〜20質量部と、
(f)一般式:(R4O)3Si−R5−NH−R6 …(3)
(式中、R4は同一または異なる非置換の1価の炭化水素基であり、R5は置換もしくは非置換の2価の炭化水素基であり、R6は水素原子、非置換の1価の炭化水素基、またはアミノアルキル基である。)表される第1のアミノ基含有ケイ素化合物、および
一般式:(R7O)3−mR8 mSi−R9−NH−R9−SiR8 l(OR7)3−l…(4)
(式中、R7は同一または異なる非置換の1価の炭化水素基であり、R8は同一または異なる置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、R9は同一または異なる置換もしくは非置換の2価の炭化水素基である。mおよびlは0〜2の整数である。)で表される第2のアミノ基含有ケイ素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ基含有ケイ素化合物0.1〜20質量部と、
(g)スズ系の硬化触媒0.01〜10質量部と
を含む硬化剤組成物(B)、とからなる2液型組成物であり、
前記(e)成分と前記(f)成分中のケイ素原子に結合されたアルコキシ基の合計量と、前記(a)成分と前記(c)成分中のケイ素原子に結合された水酸基の合計量とのモル比(アルコキシ基/OH基)が、5〜50であることを特徴とする。
なお、本明細書において、式:Si(OH)xO(4−x)/2で表される4官能性シロキシ単位をQOH単位と示す。そして、このQOH単位を有するポリオルガノシロキサンを、レジン構造(三次元網目構造)を有するポリオルガノシロキサンという。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、硬化性が良好で十分な硬度を有する硬化物が得られ、かつ硬化物は耐加水分解性に優れ、高温・高湿下でも硬化物の硬さの低下が少ない、あるいは硬さの低下が生じない。また、本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、各種基材に対する接着性にも優れている。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、主剤組成物(A)と硬化剤組成物(B)とからなる2液型(2成分型)の組成物である。
そして、主剤組成物(A)は、(a)分子鎖末端が水酸基で封鎖されたポリオルガノシロキサンと、(b)充填剤と、(c)レジン構造を有するポリオルガノシロキサンとを含有する。また、硬化剤組成物(B)は、(e)3官能性または4官能性のシラン化合物またはその部分加水分解縮合物と、(f)アミノ基含有ケイ素化合物と、(g)スズ系硬化触媒とを含有する。主剤組成物(A)は、(d)分子鎖末端がビニル基および/またはメチル基で封鎖されたポリオルガノシロキサンを含有することができる。また、硬化剤組成物(B)は、(h)分子鎖末端がビニル基および/またはメチル基で封鎖されたポリオルガノシロキサンを含有してもよい。
以下、主剤組成物(A)および硬化剤組成物(B)を構成する各成分について説明する。
そして、主剤組成物(A)は、(a)分子鎖末端が水酸基で封鎖されたポリオルガノシロキサンと、(b)充填剤と、(c)レジン構造を有するポリオルガノシロキサンとを含有する。また、硬化剤組成物(B)は、(e)3官能性または4官能性のシラン化合物またはその部分加水分解縮合物と、(f)アミノ基含有ケイ素化合物と、(g)スズ系硬化触媒とを含有する。主剤組成物(A)は、(d)分子鎖末端がビニル基および/またはメチル基で封鎖されたポリオルガノシロキサンを含有することができる。また、硬化剤組成物(B)は、(h)分子鎖末端がビニル基および/またはメチル基で封鎖されたポリオルガノシロキサンを含有してもよい。
以下、主剤組成物(A)および硬化剤組成物(B)を構成する各成分について説明する。
<(a)末端水酸基封鎖ポリオルガノシロキサン>
実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物において、(a)成分である分子鎖末端が水酸基で封鎖されたポリオルガノシロキサンは、主剤組成物(A)の主成分であり、代表的には、下記一般式(5)で表される実質的に直鎖状のポリオルガノシロキサンである。
実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物において、(a)成分である分子鎖末端が水酸基で封鎖されたポリオルガノシロキサンは、主剤組成物(A)の主成分であり、代表的には、下記一般式(5)で表される実質的に直鎖状のポリオルガノシロキサンである。
式(5)中、複数のR0は、互いに同一であっても異なっていてもよい、置換または非置換の1価の炭化水素基である。R0としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基のようなアルキル基;シクロヘキシル基のようなシクロアルキル基;ビニル基、アリル基のようなアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基のようなアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基のようなアラルキル基、さらにこれらの炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子やシアノ基等の他の原子または基で置換された基、例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基のようなハロゲン化アルキル基;3−シアノプロピル基のようなシアノアルキル基、p−クロロフェニル基のようなハロゲン化アリール基等が例示される。合成が容易であり、分子量の割に低い粘度を有し、硬化前の組成物に良好な押出し性を与えることと、硬化後の組成物に良好な物理的性質を与えることから、全てのR0の85%以上がメチル基であることが好ましく、実質的に全てのR0がメチル基であることがより好ましい。
一方、特に、耐熱性、耐放射線性、耐寒性または透明性を付与する場合は、R0の一部としてアリール基を、耐油性、耐溶剤性を付与する場合は、R0の一部として3,3,3−トリフルオロプロピル基や3−シアノプロピル基を、また表面に塗装適性を付与する場合は、R0の一部として長鎖アルキル基やアラルキル基を、それぞれメチル基と併用するなど、目的に応じて任意に選択することができる。
(a)成分の水酸基量としては、0.01〜0.3mmol/gが好ましく、0.02〜0.08mmol/gがより好ましい。また、(a)成分であるポリオルガノシロキサンは、23℃における粘度が0.1〜100Pa・sのものである。したがって、式(5)中のkは、このポリオルガノシロキサンの23℃における粘度が前記範囲になる数(整数)である。(a)成分の23℃における粘度が0.1Pa・s未満では、硬化物の伸びが不十分となり、逆に100Pa・sを超えると、吐出性等の作業性および流動特性が低下する。硬化前および硬化後の組成物に要求される物性を調和させる観点から、(a)成分のより好ましい粘度は0.5〜50Pa・sである。
(a)成分としては、分子鎖両末端が水酸基で封鎖された前記粘度を有するポリオルガノシロキサンの1種を選択して使用することができる。また、(a)成分は、粘度が異なる2種以上のポリオルガノシロキサンを混合し、混合物の粘度を前記範囲(0.1〜100Pa・s)に調整したものでもよい。異なる粘度の2種以上のポリオルガノシロキサンを組み合わせて使用することで、所望の粘度への調整が容易になり、かつ使用できるポリオルガノシロキサンの粘度の範囲が広くなるという利点がある。
<(b)充填剤>
実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物において、(b)成分である充填剤は、室温硬化性組成物に粘稠性を付与し、硬化物に機械的強度を付与する働きをするものであり、主剤組成物(A)に配合される。(b)充填剤としては、例えば、アルカリ土類金属塩、無機酸化物、金属水酸化物、カーボンブラック等が挙げられる。
実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物において、(b)成分である充填剤は、室温硬化性組成物に粘稠性を付与し、硬化物に機械的強度を付与する働きをするものであり、主剤組成物(A)に配合される。(b)充填剤としては、例えば、アルカリ土類金属塩、無機酸化物、金属水酸化物、カーボンブラック等が挙げられる。
アルカリ土類金属塩としては、カルシウム、マグネシウム、バリウムの炭酸塩、重炭酸塩および硫酸塩等が挙げられる。無機酸化物としては、煙霧質シリカ、焼成シリカ、沈澱シリカ、石英微粉末、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、けいそう土、アルミナ等が挙げられる。金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム等が挙げられる。また、これらアルカリ土類金属塩、無機酸化物、金属水酸化物の表面を、シラン類、シラザン類、低重合度シロキサン類、または有機化合物により処理したものを用いてもよい。
(b)充填剤としては、炭酸カルシウムの使用が好ましい。(b)充填剤として炭酸カルシウムを使用した場合には、硬化前の組成物に高い流動性を付与し、かつ硬化物に高い機械的強度を付与することができる。炭酸カルシウムの粒径(平均一次粒子径)は0.001〜10μmの範囲であることが好ましい。炭酸カルシウムの平均一次粒子径が10μmを超えると、硬化物の機械的特性が低下するばかりでなく、硬化物の伸張性が十分でなくなる。平均一次粒子径が0.001μm未満の場合には、硬化前の組成物の粘度が上昇して流動性が低下する。なお、本明細書における平均一次粒子径は、特に断りのない限りBET法により測定された平均一次粒子径である。
さらに、このような炭酸カルシウムとしては、表面が未処理のものの他に、ステアリン酸やパルミチン酸のような脂肪酸、ロジン酸、エステル化合物、ケイ酸系化合物等で、表面を処理したものを用いてもよい。前記脂肪酸等で表面処理された炭酸カルシウムを使用した場合には、炭酸カルシウムの分散性が改善されるため、組成物の加工性が向上する。表面処理剤としては、ステアリン酸やロジン酸の使用が好ましい。また、(b)成分として、表面処理した炭酸カルシウムを用いることで組成物を硬化して得られる硬化物の基材への接着性の向上が期待できる。
なお、ロジン酸は、天然樹脂を構成するカルボン酸類、例えば、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、レボピマル酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸等の総称である。本発明においては充填剤の表面処理剤として通常用いられているロジン酸が特に制限なく使用できる。また、ロジン酸には、上記カルボン酸の単一成分からなるもの、2種以上を含むものの他に、これらを不均化、水素添加、脱水素化などして得られるものも含まれる。
表面処理された炭酸カルシウムとしては市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、Viscoexcel−30(商品名、白石工業社製、平均一次粒子径80nm(電子顕微鏡観察による平均一次粒子径30nm))、白艶華CCR(商品名、白石工業社製、平均一次粒子径120nm(電子顕微鏡観察による平均一次粒子径80nm))等が挙げられる。
(b)充填剤の配合量は、前記(a)成分100質量部に対して1〜300質量部であり、好ましくは5〜100質量部である。1質量部未満では、配合による補強等の効果が十分に得られず、300質量部を超えると、吐出性等の作業性および流動特性が低下する。
<(c)レジン構造を有するポリオルガノシロキサン>
実施形態において、主剤組成物(A)に含有される(c)成分であるポリオルガノシロキサンは、平均単位式:(R1 3SiO1/2)p[Si(OH)xO(4−x)/2]q…(1)で表される、レジン構造(三次元網目構造)を有するポリオルガノシロキサンである。
実施形態において、主剤組成物(A)に含有される(c)成分であるポリオルガノシロキサンは、平均単位式:(R1 3SiO1/2)p[Si(OH)xO(4−x)/2]q…(1)で表される、レジン構造(三次元網目構造)を有するポリオルガノシロキサンである。
式(1)中、R1は互いに同一であっても異なっていてもよい、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、または水酸基である。炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基のようなアルキル基;シクロヘキシル基のようなシクロアルキル基;ビニル基、アリル基のようなアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基のようなアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基のようなアラルキル基等が挙げられる。好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基であり、より好ましくはメチル基、ビニル基、フェニル基である。
また、pおよびqはいずれも正数である。pおよびqの値は、後述する質量平均分子量とp/qの値により算出されるので、質量平均分子量およびp/qの値を限定すれば、p,qを個々に限定する必要はないが、pの値は10〜50が好ましく、qの値は10〜50が好ましい。
そして、(c)成分であるレジン構造を有するポリオルガノシロキサンにおいては、安定性の観点から、前記(R1 3SiO1/2)単位(M単位)と前記[Si(OH)xO(4−x)/2]単位(QOH単位)とのモル比(p/qの値)は、0.4〜1.2が好ましい。p/qが0.4未満の場合には、(c)成分の溶解性が不十分なため、主剤組成物(A)の安定性が不十分となる。p/qが1.2を超えると、(c)成分における架橋が不十分なため、十分な安定性を有する硬化物が得られない。
さらに、QOH単位における水酸基(OH)の数の平均値であるxは、0.001〜0.8であり、(c)成分であるレジン構造(三次元網目構造)を有するポリオルガノシロキサンにおいて、水酸基の含有量は(c)成分全体に対して0.01〜10質量%であることが好ましい。水酸基はアルコキシ基と反応して架橋するため、水酸基の含有割合が高すぎると、硬化物が脆くこわれやすくなり、水酸基の含有割合が低すぎると、長時間経過で硬化物が軟化しやすくなる。
さらに、(c)成分の質量平均分子量(Mw)は、500〜20000の範囲が好ましく、500〜10000の範囲がより好ましい。なお、この質量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを基準とするGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)により求められる。
(c)成分であるレジン構造を有するポリオルガノシロキサンの製造方法としては、周知の方法を用いればよい。USP3,205,283に記載された方法を用いることもできる。例えば、各単位源となる化合物を上述した割合で組み合わせた後、酸、アルカリの存在下で共加水分解し、続いて縮合する方法等が挙げられる。
(c)成分の配合量は、前記(a)成分100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは1〜15質量部である。0.1質量部未満では、硬化物の高温・高湿下での硬さの低下を改善する効果が十分に得られない。20質量部を超えると、硬化物の弾性や硬さ等の物性が低下する。
<(d)末端メチル基等封鎖ポリオルガノシロキサン>
主剤組成物(A)および最終的に得られる室温硬化性ポリオルガノシロキサンの粘度を調整し、かつ前記(b)充填剤の配合を容易にするために、(d)分子鎖末端がビニル基および/またはメチル基で封鎖されたポリオルガノシロキサンを主剤組成物(A)に配合することが好ましい。(d)成分としては、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサンや、分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサン等が例示される。
主剤組成物(A)および最終的に得られる室温硬化性ポリオルガノシロキサンの粘度を調整し、かつ前記(b)充填剤の配合を容易にするために、(d)分子鎖末端がビニル基および/またはメチル基で封鎖されたポリオルガノシロキサンを主剤組成物(A)に配合することが好ましい。(d)成分としては、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサンや、分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサン等が例示される。
(d)成分の23℃における粘度は、0.1〜100Pa・sの範囲であることが好ましい。主剤組成物(A)の粘度の調整が容易であるように、(a)成分の粘度より低粘度であることが好ましい。(d)成分の配合量は、前記主剤組成物(A)が所望の粘度になるように調整され、(a)成分100質量部に対して0.1〜100質量部が好ましく、より好ましくは5〜50質量部とする。
<(e)シラン化合物またはその部分加水分解縮合物>
実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物において、(e)成分である式:R2 nSi(OR3)4−n…(2)(ただし、式(2)中、nは0または1である。)で表される3官能性または4官能性のシラン化合物、またはその部分加水分解縮合物は、前記(a)成分および(c)成分の架橋剤として作用する。
実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物において、(e)成分である式:R2 nSi(OR3)4−n…(2)(ただし、式(2)中、nは0または1である。)で表される3官能性または4官能性のシラン化合物、またはその部分加水分解縮合物は、前記(a)成分および(c)成分の架橋剤として作用する。
式(2)中、R2は互いに同一であっても異なっていてもよい、置換もしくは非置換の1価の炭化水素基である。前記した(a)成分を示す式(5)におけるR0と同様な基が例示される。R0に関する前記記載は全てR2にも適用される。R3は互いに同一であっても異なっていてもよい、非置換の1価の炭化水素基である。R3としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基のようなアルキル基が例示される。R2およびR3としては、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
このような3官能性または4官能性のシラン化合物の部分加水分解縮合物は、1分子中のSi数が3〜20であることが好ましく、4〜15がより好ましい。Si数が3未満では、十分な硬化性が得られないことがある。また、Si数が20を超えると、硬化性や硬化後の機械的特性が低下する。(e)成分であるシラン化合物またはその部分加水分解縮合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。(e)成分については、4官能性のシラン化合物が好ましく、その部分加水分解縮合物がより好ましい。
(e)成分の配合量は、前記主剤組成物(A)の(a)成分100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは1〜5質量部である。0.1質量部未満では、架橋が十分に行われず、硬度の低い硬化物しか得られないばかりでなく、架橋剤を配合した組成物の保存安定性が不良となる。20質量部を超えると、硬化の際の収縮率が大きくなり、硬化物の弾性や硬さ等の物性が低下する。
<(f)アミノ基含有ケイ素化合物>
実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物において、(f)成分であるアミノ基含有ケイ素化合物は、式:(R4O)3Si−R5−NH−R6…(3)で表される第1のアミノ基含有ケイ素化合物(f−1)と、式:(R7O)3−mR8 mSi−R9−NH−R9−SiR8 l(OR7)3−l…(4)で表される第2のアミノ基含有ケイ素化合物(f−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ官能性アルコキシシランである。これらのアミノ官能性アルコキシシランは、前記(a)成分および(d)成分の架橋剤として作用する。また、組成物の接着性を向上させる働きもする。
実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物において、(f)成分であるアミノ基含有ケイ素化合物は、式:(R4O)3Si−R5−NH−R6…(3)で表される第1のアミノ基含有ケイ素化合物(f−1)と、式:(R7O)3−mR8 mSi−R9−NH−R9−SiR8 l(OR7)3−l…(4)で表される第2のアミノ基含有ケイ素化合物(f−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ官能性アルコキシシランである。これらのアミノ官能性アルコキシシランは、前記(a)成分および(d)成分の架橋剤として作用する。また、組成物の接着性を向上させる働きもする。
(f−1)第1のアミノ基含有ケイ素化合物
第1のアミノ基含有ケイ素化合物を表す式(3)において、R4は同一であっても異なっていてもよい、非置換の1価の炭化水素基であり、前記した(e)成分のR3と同様な基が例示される。R3に関する前記記載は全てR4にも適用される。R5は同一であっても異なっていてもよい、置換または非置換の2価の炭化水素基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、メチルエチレン基などのアルキレン基;フェニレン基、トリレン基などのアリーレン基;メチレンフェニレン基、エチレンフェニレン基などのアルキレンアリーレン基などが例示される。これらの炭化水素基の中でも、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、メチルエチレン基などのアルキレン基が好ましい。
第1のアミノ基含有ケイ素化合物を表す式(3)において、R4は同一であっても異なっていてもよい、非置換の1価の炭化水素基であり、前記した(e)成分のR3と同様な基が例示される。R3に関する前記記載は全てR4にも適用される。R5は同一であっても異なっていてもよい、置換または非置換の2価の炭化水素基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、メチルエチレン基などのアルキレン基;フェニレン基、トリレン基などのアリーレン基;メチレンフェニレン基、エチレンフェニレン基などのアルキレンアリーレン基などが例示される。これらの炭化水素基の中でも、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、メチルエチレン基などのアルキレン基が好ましい。
その理由は、アミノ基(−NH−)とケイ素原子に結合したアルコキシル基との間に、フェニレン基、トリレン基などのアリーレン基や、メチレンフェニレン基、エチレンフェニレン基などのアルキレンアリーレン基が存在すると、アルコキシル基の反応性が低下するとともに、接着性の低下を招くことがあるためである。
さらに、R6は、水素原子、非置換の1価の炭化水素基またはアミノアルキル基である。非置換の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基が例示される。アミノアルキル基としては、アミノエチル基、N−アミノエチルアミノエチル基等が例示される。
このような(f−1)第1のアミノ基含有ケイ素化合物の具体例としては、下記式(31)で表される3−アミノプロピルトリエトキシシラン、式(32)で表される3−アミノプロピルトリメトキシシラン、式(33)で表されるN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(C2H5O)3Si−C3H6−NH2 ……(31)
(CH3O)3Si−C3H6−NH2 ……(32)
(CH3O)3Si−C3H6−NH−C2H4NH2 ……(33)
(CH3O)3Si−C3H6−NH2 ……(32)
(CH3O)3Si−C3H6−NH−C2H4NH2 ……(33)
(f−2)第2のアミノ基含有ケイ素化合物
第2のアミノ基含有ケイ素化合物を表す式(4)において、R7は同一であっても異なっていてもよい、非置換の1価の炭化水素基であり、前記(f−1)第1のアミノ基含有ケイ素化合物におけるR4と同様な基が例示される。R4に関する前記記載は全てR7にも適用される。また、R8は、互いに同一であっても異なっていてもよい、置換または非置換の1価の炭化水素基であり、前記した(e)成分のR2と同様の基が例示される。R2に関する前記記載は全てR8にも適用される。
第2のアミノ基含有ケイ素化合物を表す式(4)において、R7は同一であっても異なっていてもよい、非置換の1価の炭化水素基であり、前記(f−1)第1のアミノ基含有ケイ素化合物におけるR4と同様な基が例示される。R4に関する前記記載は全てR7にも適用される。また、R8は、互いに同一であっても異なっていてもよい、置換または非置換の1価の炭化水素基であり、前記した(e)成分のR2と同様の基が例示される。R2に関する前記記載は全てR8にも適用される。
R9は同一であっても異なっていてもよい、置換または非置換の2価の炭化水素基であり、前記(f−1)におけるR5と同様な基が例示される。R5に関する前記記載は全てR9にも適用される。さらに、mおよびlは0〜2の整数である。mおよびlは0が好ましい。また、アミノ基の両側は同一であることが好ましい。
このような(f−2)第2のアミノ基含有ケイ素化合物の具体例としては、下記式(41)で表されるビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンや、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン等が挙げられる。
(CH3O)3Si−C3H6−NH−C3H6−Si(OCH3)3 ……(41)
(CH3O)3Si−C3H6−NH−C3H6−Si(OCH3)3 ……(41)
上記(f)成分のうちでも、組成物を硬化して得られる硬化物の基材への接着性向上の観点からは、式(33)で示されるN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、式(41)で示されるビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン等が好ましく使用される。このような(f)成分であるアミノ基含有ケイ素化合物(アミノ官能性アルコキシシラン)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
また、(f)成分であるアミノ基含有ケイ素化合物の配合量は、前記(a)成分100質量部に対して0.1〜20質量部とし、より好ましくは0.5〜10質量部とする。0.1質量部より少ないと、硬化が発現しにくくかつ接着性の発現も十分ではない。20質量部より多い場合には、機械的強度の低下、接着信頼性の低下ならびに耐熱性の低下などを引き起こすことがある。
<(g)スズ系硬化触媒>
実施形態において、(g)成分であるスズ系硬化触媒は、前記(a)成分と前記(e)成分等との反応(硬化反応)を促進する硬化触媒として働く。
実施形態において、(g)成分であるスズ系硬化触媒は、前記(a)成分と前記(e)成分等との反応(硬化反応)を促進する硬化触媒として働く。
スズ系触媒としては、スズカプリレート、スズオレートのようなスズの有機酸(カルボン酸)塩;ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジオレート、ジメチルスズネオデカノエート、ジブチルスズネオデカノエート、ジフェニルスズジアセテートのようなアルキルスズカルボン酸塩;酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシドのようなジアルキルスズオキシド;ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ、ジメチルビス〔(1−オキソネオデシル)オキシ〕スタンナンのようなジアルキルスズジアルコキシドなどが挙げられる。
(g)成分であるスズ系触媒の配合量は、前記(a)成分100質量部に対して0.01〜10質量部、より好ましくは0.5〜10質量部とする。(g)スズ系触媒の配合量が0.01質量部より少ないと硬化が発現しにくい。10質量部より多い場合には、機械的強度の低下および耐熱性の低下などを引き起こすことがある。
<(h)末端メチル基等封鎖ポリオルガノシロキサン>
硬化剤組成物(B)等の粘度を制御するとともに、前記主剤組成物(A)に対する硬化剤組成物(B)の配合比率を所望の値に調整するために、(h)分子鎖末端がビニル基および/またはメチル基で封鎖されたポリオルガノシロキサンを、硬化剤組成物(B)に配合することが好ましい。(h)成分としては、前記(d)成分と同様に、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサンや、分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサン等が例示される。
硬化剤組成物(B)等の粘度を制御するとともに、前記主剤組成物(A)に対する硬化剤組成物(B)の配合比率を所望の値に調整するために、(h)分子鎖末端がビニル基および/またはメチル基で封鎖されたポリオルガノシロキサンを、硬化剤組成物(B)に配合することが好ましい。(h)成分としては、前記(d)成分と同様に、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサンや、分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサン等が例示される。
(h)成分の23℃における粘度は、0.1〜100Pa・sの範囲が好ましく、1〜10Pa・sの範囲がより好ましい。(h)成分の配合量は、硬化剤組成物(B)および最終的に得られる室温硬化性ポリオルガノシロキサンが所望の粘度になるように調整され、(a)成分100質量部に対して0.1〜100質量部が好ましく、より好ましくは1〜20質量部とする。
<その他の成分>
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、各種基材に対して優れた接着性を示すが、接着性をさらに高めるために、公知の接着性向上剤を配合することができる。用いられる接着性向上剤としては、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等のイソシアヌル環含有ケイ素化合物、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン等が例示される。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、各種基材に対して優れた接着性を示すが、接着性をさらに高めるために、公知の接着性向上剤を配合することができる。用いられる接着性向上剤としては、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等のイソシアヌル環含有ケイ素化合物、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン等が例示される。
これらの接着性向上剤は、硬化剤組成物(B)に配合することが好ましい。接着性向上剤の配合量は、前記(a)成分100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
また、粘度調整または着色のために、シリカ、酸化チタン、カーボンブラック、炭酸カルシウム、けいそう土等の充填剤を、硬化剤組成物(B)に配合してもよい。これらの充填剤の配合量は、前記(a)成分100質量部に対して1〜100質量部が好ましい。
実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物には、さらにこの種の組成物に一般的に配合されている添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて配合することができる。そのような添加剤としては、顔料、染料、チクソトロピー性付与剤、紫外線吸収剤、防かび剤、耐熱性向上剤等が挙げられる。これらの添加剤は、主剤組成物(A)に配合してもよいし、硬化剤組成物(B)に配合してもよいし、主剤組成物(A)と硬化剤組成物(B)の両方に配合してもよい。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物において、(e)成分および(f)成分中のケイ素原子に結合されたアルコキシ基の合計量と、(a)成分および(c)成分中のケイ素原子に結合された水酸基の合計量とのモル比(アルコキシ基/OH基)は、接着性、硬化性等の観点から、5〜50であることが好ましい。アルコキシ基/OH基は、より好ましくは10〜30であり、特に好ましくは15〜25である。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、(a)分子鎖末端が水酸基で封鎖されたポリオルガノシロキサンと、(b)充填剤と、(c)レジン構造を有するポリオルガノシロキサン、および必要に応じて(d)分子鎖末端がビニル基および/またはメチル基で封鎖されたポリオルガノシロキサンを含む主剤組成物(A)と、(e)3官能性または4官能性のシラン化合物またはその部分加水分解縮合物と、(f)アミノ基含有ケイ素化合物と、(g)スズ系硬化触媒、および必要に応じて(h)分子鎖末端がビニル基および/またはメチル基で封鎖されたポリオルガノシロキサンを含む硬化剤組成物(B)、とに分けて調製される。そして、主剤組成物(A)と硬化剤組成物(B)とは、別々の容器に分けて保存され、使用時にこれらを混合し空気中の水分に曝すことによって硬化させる、いわゆる2液型(2成分型)組成物の態様で使用される。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、湿気の存在しない密封条件下では安定であり、空気中の水分と接触することにより、室温で硬化してゴム状弾性体を生じる。特に本発明によれば、硬化速度が速く、深部硬化性に優れるうえに、各種基材に対し優れた接着性を示す。そして、硬化物の耐加水分解性が良好であり、高温および高湿雰囲気で、硬化物の硬さの低下が少ない、あるいは硬化物の硬さが低下しないという優れた特長を有する。
したがって、本発明の組成物は、ソーラー部品、自動車部品、電気・電子機器用部品の弾性接着剤、コーティング材、ポッティング材、FIPGシール材等として有用であり、また、現場形成ガスケット、建築用シーリング材等としても有用である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、実施例および比較例において、「部」とあるのはいずれも「質量部」を表し、粘度等の物性値は全て23℃、相対湿度50%での値を示す。
(実施例1)
まず、M単位とQOH単位とからなるポリオルガノシロキサン(以下、MQOHレジンと示す。)を、以下に示すようにして製造した。
まず、M単位とQOH単位とからなるポリオルガノシロキサン(以下、MQOHレジンと示す。)を、以下に示すようにして製造した。
[(c)MQOHレジンの製造]
トリメチルクロロシラン100部とナトリウムシリケート200部を、水とIPA(イソプロピルアルコール)およびキシレンの混合溶媒中で、加水分解とそれに続く縮合を行った。80℃以下で2時間の撹拌後、水相と油相とに分液し、油相としてMQOHレジンのキシレン溶液を得た。
得られたMQOHレジンは、M単位とQOH単位とのモル比(M/QOH)が0.9で、質量平均分子量(Mw)が3000であり、水酸基の含有量が0.2質量%のものであった。
トリメチルクロロシラン100部とナトリウムシリケート200部を、水とIPA(イソプロピルアルコール)およびキシレンの混合溶媒中で、加水分解とそれに続く縮合を行った。80℃以下で2時間の撹拌後、水相と油相とに分液し、油相としてMQOHレジンのキシレン溶液を得た。
得られたMQOHレジンは、M単位とQOH単位とのモル比(M/QOH)が0.9で、質量平均分子量(Mw)が3000であり、水酸基の含有量が0.2質量%のものであった。
(a1)分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(粘度10Pa・s、水酸基量0.036mmol/g)100.0部に、(d)分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(粘度0.1Pa・s)10.0部と、前記で得られた(c)MQOHレジンのキシレン溶液10.0部(固形分)を混合し、140℃−2mmHgの減圧下で溶媒を除去した後、(b1)ステアリン酸で表面処理された炭酸カルシウム(Viscoexcel−30(商品名、白石工業社製、平均一次粒子径80nm))80.0部を加えてプラネタリーミキサーで2時間混合し、主剤組成物200.0部を得た。
また、(h)分子鎖両末端がビニルメチルシリル基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(粘度3.0Pa・s)9.4部、カーボンブラック3.1部、(e3)式:Si(OC2H5)4で表されるシラン化合物の部分加水分解縮合物(ポリエチルシリケート:Si数7)2.0部と、(f4)N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン1.7部、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート0.7部、およびジメチルビス〔(1−オキソネオデシル)オキシ〕スタンナン0.1部を、プラネタリーミキサーを用いて20分間混合し、硬化剤組成物17.0部を得た。次いで、前記主剤組成物200.0部と硬化剤組成物17.0部とをスタティックミキサーを用いて均一に混合し、ポリオルガノシロキサン組成物を得た。
(実施例2〜13、比較例1〜7)
表1〜3に主剤組成物として示す各成分を同表に示す組成で配合し、実施例1と同様に混合して、同表に合計で示す部数の主剤組成物を得た。また、表1〜3に硬化剤組成物として示す各成分を同表に示す組成で配合し、実施例1と同様に混合して、同表に合計で示す部数の硬化剤組成物を得た。次いで、こうして得られた主剤組成物と硬化剤組成物とを均一に混合し、室温硬化性のポリオルガノシロキサン組成物を得た。
表1〜3に主剤組成物として示す各成分を同表に示す組成で配合し、実施例1と同様に混合して、同表に合計で示す部数の主剤組成物を得た。また、表1〜3に硬化剤組成物として示す各成分を同表に示す組成で配合し、実施例1と同様に混合して、同表に合計で示す部数の硬化剤組成物を得た。次いで、こうして得られた主剤組成物と硬化剤組成物とを均一に混合し、室温硬化性のポリオルガノシロキサン組成物を得た。
表1〜3に実施例1〜13および比較例1〜7における、(e)成分と(f)成分中のケイ素原子に結合されたアルコキシ基の合計量と、(a)成分と(c)成分中のケイ素原子に結合された水酸基の合計量とのモル比「アルコキシ基/OH基」を合わせて示す。
なお、表1〜3に示す各成分のうちで、MDTOHレジンおよび実施例1で使用した以外の(a)成分〜(f)成分としては、それぞれ以下に記載したものを使用した。なお、MDTOHレジンは、M単位とD単位とTOH単位とからなるポリオルガノシロキサンを示す。
[MDTOHレジンの製造]
メチルトリクロロシラン30部、ジメチルジクロロシラン100部、トリメチルクロロシラン4部を混合し、水を用いて加水分解とそれに続く縮合を行った。30℃以下で4時間の撹拌後、水相と油相とに分液し、油相を重炭酸ナトリウムで中和してMDTOHレジンの溶液を得た。得られたMDTOHレジンは、4モル%のM単位と76モル%のD単位と20モル%のTOH単位とからなり、23℃の粘度は70mPa・s(cP)であった。また、水酸基の含有量は0.1質量%であった。
メチルトリクロロシラン30部、ジメチルジクロロシラン100部、トリメチルクロロシラン4部を混合し、水を用いて加水分解とそれに続く縮合を行った。30℃以下で4時間の撹拌後、水相と油相とに分液し、油相を重炭酸ナトリウムで中和してMDTOHレジンの溶液を得た。得られたMDTOHレジンは、4モル%のM単位と76モル%のD単位と20モル%のTOH単位とからなり、23℃の粘度は70mPa・s(cP)であった。また、水酸基の含有量は0.1質量%であった。
[(a)成分]
(a2)分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(粘度40Pa・s、水酸基量0.023mmol/g)
(a3)分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(粘度5Pa・s、水酸基量0.041mmol/g)
[(b)成分]
(b2)炭酸カルシウム(日東粉化工業社製、品番:NS#400、平均一次粒子径1.7μm)
(b3)ステアリン酸で表面処理された炭酸カルシウム(白艶華CCR(商品名、白石工業社製、平均一次粒子径120nm))
(a2)分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(粘度40Pa・s、水酸基量0.023mmol/g)
(a3)分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(粘度5Pa・s、水酸基量0.041mmol/g)
[(b)成分]
(b2)炭酸カルシウム(日東粉化工業社製、品番:NS#400、平均一次粒子径1.7μm)
(b3)ステアリン酸で表面処理された炭酸カルシウム(白艶華CCR(商品名、白石工業社製、平均一次粒子径120nm))
[(e)成分]
(e1)メチルトリメトキシシラン……SiCH3(OCH3)3
(e2)ポリメチルシリケート……式:Si(OCH3)4で表されるシラン化合物の部分加水分解縮合物(ポリメチルシリケート:Si数4)
(e1)メチルトリメトキシシラン……SiCH3(OCH3)3
(e2)ポリメチルシリケート……式:Si(OCH3)4で表されるシラン化合物の部分加水分解縮合物(ポリメチルシリケート:Si数4)
[(f)成分]
(f1)ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン
(f2)3−アミノプロピルトリエトキシシラン
(f3)3−アミノプロピルトリメトキシシラン
[充填剤]
煙霧質シリカ(商品名:レオロシールHM−30S(トクヤマ社製、ヘキサメチルジシラザン表面処理品)
(f1)ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン
(f2)3−アミノプロピルトリエトキシシラン
(f3)3−アミノプロピルトリメトキシシラン
[充填剤]
煙霧質シリカ(商品名:レオロシールHM−30S(トクヤマ社製、ヘキサメチルジシラザン表面処理品)
次いで、実施例1〜13および比較例1〜7で得られたポリオルガノシロキサン組成物について、下記に示す方法で、硬化物の硬さ(初期および高温・高湿雰囲気で放置後の硬さ)、および接着性を測定し評価した。結果を表1〜表3の下欄に示す。
[硬さ]
得られたポリオルガノシロキサン組成物をディスペンスして、6mmのブロック状に成形した後、23℃、50%RHの雰囲気で3日間放置して硬化させた。こうして得られた硬化物の硬さ(初期硬さ)を、タイプA硬度計で測定した。
得られたポリオルガノシロキサン組成物をディスペンスして、6mmのブロック状に成形した後、23℃、50%RHの雰囲気で3日間放置して硬化させた。こうして得られた硬化物の硬さ(初期硬さ)を、タイプA硬度計で測定した。
[高温・高湿雰囲気で放置後の硬さ]
23℃、50%RHの雰囲気で硬化させて得られた硬化物を、80℃、80%RHの雰囲気で30日間放置した後、硬化物の硬さをタイプA硬度計で測定した。そして、初期の硬さからの変化を求めた。
23℃、50%RHの雰囲気で硬化させて得られた硬化物を、80℃、80%RHの雰囲気で30日間放置した後、硬化物の硬さをタイプA硬度計で測定した。そして、初期の硬さからの変化を求めた。
[接着性]
各種基材(アルミニウム、ガラス、PPO(ポリフェニレンオキサイド)およびエポキシガラス)の表面に、ポリオルガノシロキサン組成物を、長さ50mm、幅10mmで、厚さ1mmになるように塗布し、23℃、50%RHの雰囲気中に3日間放置して硬化させた。その後、基材表面から硬化物を金属ヘラで掻き取り、このときの硬化物の剥離の状態を調べた。そして、以下の基準で接着性を評価した。
接着性○:基材の界面(表面)から硬化物を剥離することができず、硬化物が破壊する。
接着性△:基材の界面(表面)から硬化物の一部は剥離し、硬化物の一部は破壊する。
接着性×:基材の界面(表面)から硬化物を剥離することができる。
各種基材(アルミニウム、ガラス、PPO(ポリフェニレンオキサイド)およびエポキシガラス)の表面に、ポリオルガノシロキサン組成物を、長さ50mm、幅10mmで、厚さ1mmになるように塗布し、23℃、50%RHの雰囲気中に3日間放置して硬化させた。その後、基材表面から硬化物を金属ヘラで掻き取り、このときの硬化物の剥離の状態を調べた。そして、以下の基準で接着性を評価した。
接着性○:基材の界面(表面)から硬化物を剥離することができず、硬化物が破壊する。
接着性△:基材の界面(表面)から硬化物の一部は剥離し、硬化物の一部は破壊する。
接着性×:基材の界面(表面)から硬化物を剥離することができる。
表1〜表3からわかるように、(a)〜(c)の各成分が所定の割合で配合され、任意に(d)成分等が配合された主剤組成物(A)と、(e)〜(g)の各成分が所定の割合で配合され、任意に(h)成分等が配合された硬化組成物(B)とを混合してなる実施例1〜13のポリオルガノシロキサン組成物は、硬化性に優れ、硬化物が十分な硬さを有しており、かつ硬化物を高温・高湿雰囲気で放置しても硬化物の硬さの低下が少ないか、あるいは硬化物の硬さの低下が生じない。また、実施例1〜13のポリオルガノシロキサン組成物は、金属、ガラス、プラスチックおよびエポキシガラスのような各種の基材に対して良好な接着性を有している。
これに対して、比較例1〜7で得られたポリオルガノシロキサン組成物は、(c)成分であるMQOHレジンが配合されていないので、高温・高湿雰囲気での硬化物の硬さの低下が大きい。また、比較例6で調製されたポリオルガノシロキサン組成物は、MDTレジンは配合されているがMQOHレジンは配合されていないので、高温・高湿雰囲気での硬化物の硬さの低下が大きくなっている。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物によれば、十分な硬さを有し、高温および高湿雰囲気での硬さの低下が少ない硬化物を得ることができる。また、各種基材に対する接着性に優れた硬化物を得ることができる。
したがって、本発明の組成物は、ソーラー部品、自動車部品、電気・電子機器用の弾性接着剤、コーティング材、ポッティング材、FIPGシール材等として有用であり、また、現場形成ガスケット、建築用シーリング材等としても有用である。
したがって、本発明の組成物は、ソーラー部品、自動車部品、電気・電子機器用の弾性接着剤、コーティング材、ポッティング材、FIPGシール材等として有用であり、また、現場形成ガスケット、建築用シーリング材等としても有用である。
Claims (8)
- (a)分子鎖末端が水酸基で封鎖された、23℃における粘度が0.1〜100Pa・sであるポリオルガノシロキサン100質量部と、
(b)充填剤1〜300質量部と、
(c)平均単位式:(R1 3SiO1/2)p[Si(OH)xO(4−x)/2]q…(1)
(式中、R1は同一または異なる炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、xは0.001〜0.8であり、pおよびqはいずれも正数である。)で表されるポリオルガノシロキサン0.1〜20質量部と
を含む主剤組成物(A)と、
(e)一般式:R2 nSi(OR3)4−n…(2)
(式中、R2は同一または異なる置換(ただし、アミノ基での置換は除く)もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、R3は同一または異なる非置換の1価の炭化水素基であり、nは0または1である。)で表される3官能性または4官能性のシラン化合物、またはその部分加水分解縮合物0.1〜20質量部と、
(f)一般式:(R4O)3Si−R5−NH−R6 …(3)
(式中、R4は同一または異なる非置換の1価の炭化水素基であり、R5は置換もしくは非置換の2価の炭化水素基であり、R6は水素原子、非置換の1価の炭化水素基、またはアミノアルキル基である。)表される第1のアミノ基含有ケイ素化合物、および
一般式:(R7O)3−mR8 mSi−R9−NH−R9−SiR8 l(OR7)3−l…(4)
(式中、R7は同一または異なる非置換の1価の炭化水素基であり、R8は同一または異なる置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、R9は同一または異なる置換もしくは非置換の2価の炭化水素基である。mおよびlは0〜2の整数である。)で表される第2のアミノ基含有ケイ素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ基含有ケイ素化合物0.1〜20質量部と、
(g)スズ系の硬化触媒0.01〜10質量部と
を含む硬化剤組成物(B)、とからなる2液型組成物であり、
前記(e)成分と前記(f)成分中のケイ素原子に結合されたアルコキシ基の合計量と、前記(a)成分と前記(c)成分中のケイ素原子に結合された水酸基の合計量とのモル比(アルコキシ基/OH基)が、5〜50であることを特徴とする室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。 - 前記モル比(アルコキシ基/OH基)が、10〜30であることを特徴とする請求項1記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- 前記主剤組成物(A)は、(d)分子鎖末端がメチル基で封鎖された、23℃における粘度が0.1〜100Pa・sであるポリオルガノシロキサン0.1〜100質量部を、さらに含有することを特徴とする請求項1または2記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- 前記硬化剤組成物(B)は、(h)分子鎖末端がビニル基で封鎖された、23℃における粘度が0.1〜100Pa・sであるポリオルガノシロキサン0.1〜100質量部を、さらに含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- 前記(c)成分であるポリオルガノシロキサンにおいて、前記(R1 3SiO1/2)単位と前記[Si(OH)xO(4−x)/2]単位とのモル比(p/q)は、0.4〜1.2であり、かつ水酸基の含有量は0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- 前記(c)成分であるポリオルガノシロキサンの質量平均分子量(Mw)は、500〜10,000であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- 前記(b)成分である充填剤は、ステアリン酸またはロジン酸で表面処理された炭酸カルシウムを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- 前記(a)成分は、粘度の異なる2種以上の分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたポリジオルガノシロキサンの混合物であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
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