JP2015124137A - 炭化珪素接合体及びその製造方法 - Google Patents

炭化珪素接合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炭化珪素接合体の残留応力を小さく図ることが可能な炭化珪素接合体を提供する。
【解決手段】炭化珪素接合体20は、炭化珪素焼結体からなる母材層21,22が炭化珪素からなる接合層23を介して接合されている。接合層23は、厚さが35〜55μm、気孔割合が10〜20%、平均気孔径が0.1〜7.0μmである。炭化珪素焼結体11,12の間に、厚さが50〜130μmであり、炭化珪素及び結合材としてバインダを含みなる接合シート13を挟み込み、加圧しながら熱処理して、厚さが35〜55μm、気孔割合が10〜20%、平均気孔径が0.1〜7.0μmである接合層23を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素焼結体同士を接合させた炭化珪素接合体、及びその製造方法に関する。
炭化珪素焼結体は、機械的強度、耐熱性、耐食性などに優れており、水冷機構を有するピンチャック、液浸露光装置の液体回収部、CVD装置のガス供給部であるシャワープレートなど、半導体製造装置用の部材に多く用いられている。
しかし、炭化珪素焼結体は、焼結温度が高く、不活性ガス雰囲気で焼成されるので、良好に形成可能な大きさには限界がある。そこで、種々の接合技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、炭化珪素焼結体同士を、炭化珪素を主成分として厚さが1〜100mmの脱脂体を介して接合する技術が記載されている。脱脂体が熱処理されてなる接合層(接合部材)の最大空孔(ボイド)径を、炭化珪素焼結体の最大空孔径よりも小さくすることで、接合強度を高めている。
特開2013−216500号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、接合時の熱処理によって脱脂体は緻密化するので、熱処理時に炭化珪素焼結体に生じる歪みを吸収できない。よって、炭化珪素接合体に大きな残留応力が残留し、その後の加工時に炭化珪素接合体が破損するおそれがあった。
本発明は、炭化珪素接合体に残留する残留応力を小さく図ることが可能な炭化珪素接合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の炭化珪素接合体は、炭化珪素焼結体が炭化珪素からなる接合層を介して接合された炭化珪素接合体であって、前記接合層は、厚さが35〜55μm、気孔割合が10〜20%、平均気孔径が0.1〜7.0μmであることを特徴とする。
接合層の厚さが35μm未満であると、接合時の熱処理で生じた炭化珪素焼結体の内部歪みが十分に吸収されず、炭化珪素接合体に残留する残留応力が大きくなる。一方、接合層の厚さが55μmを超えると、破壊の起源となる欠陥数が増加するため、炭化珪素接合体の接合強度が低下する。
また、接合層の気孔割合が10%未満、又は接合層の平均気孔径が0.1μm未満であると、接合時の熱処理で生じた炭化珪素焼結体の内部歪みが接合層内の気孔で十分に吸収されず、炭化珪素接合体に残留する残留応力が大きくなる。一方、接合層の気孔割合が20%を超える、又は接合層の平均気孔径が7.0μmを超えると、気孔が大きく多いため、接合層の強度が劣り、炭化珪素接合体の接合強度が低下する。
これらにより、本発明の炭化珪素接合体によれば、接合強度を確保したうえで、炭化珪素接合体に残留する残留応力を小さく図ることが可能となる。
さらに、炭化珪素焼結体の気孔割合が1%未満であると、接合時の熱処理で生じた炭化珪素焼結体の内部歪みが十分に吸収されず、炭化珪素接合体に残留する残留応力が大きくなる。一方、炭化珪素焼結体の気孔割合が5%を超えると、炭化珪素焼結体の空孔が多くなるため、炭化珪素焼結体の強度が劣り、炭化珪素接合体の接合強度が低下する。なお、炭化珪素焼結体の気孔割合とは、炭化珪素焼結体の切断断面における、気孔の面積の割合である。
そして、炭化珪素焼結体の平均気孔径が0.1μm未満であると、接合時の熱処理で生じた炭化珪素焼結体の内部歪みが十分に吸収されず、炭化珪素接合体に残留する残留応力が大きくなる。一方、炭化珪素焼結体の平均気孔径が5.0μmを超えると、炭化珪素焼結体の空孔が大きくなるため、炭化珪素焼結体の強度が劣り、炭化珪素接合体の接合強度が低下する。
よって、本発明の炭化珪素接合体において、前記炭化珪素焼結体は、気孔割合が1〜5%、平均気孔径が0.1〜5.0μmであることが好ましい。
本発明の炭化珪素接合体の製造方法は、炭化珪素焼結体の間に、厚さが50〜130μmであり、炭化珪素及びバインダを含みなる接合シートを挟み込み、加圧しながら熱処理して、厚さが35〜55μm、気孔割合が10〜20%、平均気孔径が0.1〜7.0μmである接合層を形成することを特徴とする。
本発明の炭化珪素接合体の製造方法によれば、上述した本発明の好ましい炭化珪素接合体を製造することができる。
(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る炭化珪素焼結接合体の製造方法を順次模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る炭化珪素焼結体の製造方法について説明する。
図1(a)に示すように、母材として、複数、ここでは2個の炭化珪素焼結体11,12を用意する。炭化珪素焼結体11,12は、プレス成形、CIP成形、鋳込み成形等の成形方法、及び常圧焼結、加圧焼結、反応焼結等の焼結方法により作製することができる。焼結助剤として、炭化珪素に対し、炭化硼素0.1〜1.0%、グラファイトを1.0〜5.0%添加してもよい。
炭化珪素焼結体11,12は、気孔割合が1〜5%であることが好ましい。気孔割合が1%未満であると、接合時の熱処理で生じた炭化珪素焼結体11,12の内部歪みが十分に吸収されず、炭化珪素接合体20に残留する残留応力が大きくなる。一方、気孔割合が5%を超えると、炭化珪素焼結体11,12の空孔が多くなるため、炭化珪素焼結体11,12の強度が劣り、炭化珪素接合体20の接合強度が低下する。
なお、炭化珪素焼結体11,12の気孔割合とは、炭化珪素焼結体11,12の切断断面における、気孔の面積の割合である。気孔の面積は、顕微鏡を用いて切断断面を写真撮影し、画像処理することで得ることができる。
また、炭化珪素焼結体11,12は、平均気孔径が0.1〜5.0μmであることが好ましい。炭化珪素焼結体11,12の平均気孔径が0.1μm未満であると、接合時の熱処理で生じた炭化珪素焼結体11,12の内部歪みが十分に吸収されず、炭化珪素接合体20に残留する残留応力が大きくなる。一方、平均気孔径が5.0μmを超えると、炭化珪素焼結体11,12の空孔が大きくなるため、炭化珪素焼結体11,12の強度が劣り、炭化珪素接合体20の接合強度が低下する。
さらに、炭化珪素焼結体11,12は、最大気孔径が3〜10μmであることが好ましい。炭化珪素焼結体11,12の最大気孔径が3μm未満であると、接合時の熱処理で生じた炭化珪素焼結体11,12の内部歪みが十分に吸収されず、炭化珪素接合体20に残留する残留応力が大きくなる。一方、最大気孔径が10μmを超えると、炭化珪素焼結体11,12の強度が劣り、炭化珪素接合体20の接合強度が低下する。
各炭化珪素焼結体11,12の接合面11a,12aの表面粗さが0.7μm以下となるように、平面研削機、マシニングセンタ等により研削することが好ましい。接合面11a,12aの表面粗さが0.7μmを超えると、炭化珪素焼結体11,12と接合シート13の接触不足が生じ、接合が不十分となり、剥離が発生するからである。ラッピング加工等の鏡面研磨加工は必要ない。また、接合面11a,12aの平坦度は5μm以下であることが好ましい。接合面11a,12aの平坦度が5μmを超えると、炭化珪素焼結体11,12と接合シート13の接触不足が生じ、接合が不十分となり、剥離が発生するからである。
さらに、炭化珪素及び結合材としてのバインダを材料として含み、シート状に成形した接合シート13を用意する。接合シート13の厚さは、50〜130μmである。
接合シート13を構成する炭化珪素の含有率は85〜95質量%であることが好ましい。含有率が85質量%未満であると、接合層内における骨格としての機能が発現されないため、接合層23の体積変化を生じ、剥離が発生するおそれがある。一方、95質量%を超えると、炭化珪素が相対的に多く存在し、シート状に成形することが難しい。
また、炭化珪素の平均粒径は1〜20μmであることが好ましい。平均粒径が1μm未満であると、接合層内における骨格としての機能が発現されないため、接合層23の体積変化を生じ、未接合部が発生し易くなる。一方、平均粒径が20μmを超えると、炭化珪素焼結体11,12との接触する比表面積が少なくなるため、剥離が発生するおそれがある。
バインダとして、例えば、アクリル樹脂系バインダを用いることができる。例えば、炭化珪素を85〜95体積%、バインダを5〜15体積%の割合で混合すればよい。
また、接合シート13は、炭化硼素、グラファイトなどの焼結助剤を、炭化珪素に対し添加してもよい、例えば、炭化硼素0.1〜1.0体積%、グラファイトを1.0〜5.0体積%添加してもよい。さらに、接合シート13は、ポリカルボン酸系などの分散剤、フタル酸系などの可塑剤を添加したものであってもよい。可塑剤は、例えば、バインダに対して40〜50体積%添加すればよい。
位置ずれを防止するために、接着剤を用いて接合シート13を接合面11a,12aに接着させてもよい。なお、接合シート13は、脱脂されていない。
次に、図1(b)に示すように、接合シート13を炭化珪素焼結体11,12の間に挟み込み、接合面11a,12aと当接させる。そして、その状態で加圧しながら、加熱することにより接合する。
この接合工程では、1900〜2100℃の温度で、3〜10時間保持することが好ましい。これは、接合温度が1900℃未満であると、接合シート13の溶融不足となり緻密化せず、剥離が発生するおそれがあり、2100℃を超えると、炭化珪素焼結体11,12の炭化珪素が異常粒成長し、接合強度が低下するためである。
保持時間が3時間未満であると、接合シート13の溶融不足となり緻密化せず、剥離が発生するおそれがある。一方、保持時間が10時間を超えると、炭化珪素焼結体11,12の炭化珪素が異常粒成長し、接合強度が低下する。
そして、1800℃までは真空中で、1800℃からは不活性ガス雰囲気、例えばアルゴン雰囲気であることが好ましい。1800℃まで真空中とするのは、炭化珪素の表面酸化層の除去や、接合材のバインダを炭化するためである。
また、接合時には、2〜4MPaの荷重をかけることが望ましい。接合荷重が2MPa未満であると、接合シート13と接合面11a,12aとが密着せずに隙間が生じるおそれがあり、4MPaを超えると、接合シート13が変形するおそれがあるためである。
これにより、図1(c)に示すように、本発明の実施形態に係る炭化珪素接合体20が得られる。炭化珪素接合体20は、炭化珪素焼結体11,12からなる母材層21,22が、接合シート13が変質してなる接合層23を介して接合されたものである。
接合層23の厚さは、接合シート13の厚さの35〜55%となっている。また、母材層21,22は炭化珪素焼結体11,12に対して厚さ方向に0.04%以下しか収縮しておらず、寸法変化は非常に小さい。
接合層23の厚さは、35〜55μmである。接合層23の厚さが35μm未満であると、接合時の熱処理で生じた母材層21,22の内部歪みを接合層23で十分に吸収することができない。一方、接合層23の厚さが55μmを超えると、炭化珪素接合体20の気孔割合が多くなるため、炭化珪素接合体20の接合強度が低下する。
接合層23は、気孔割合が10〜20%、平均気孔径が0.1〜7.0μmである。接合層23の気孔割合が10%未満、又は接合層23の平均気孔径が0.1μm未満であると、接合時の熱処理で生じた母材層21,22の内部歪みを接合層23内の空孔で十分に吸収することができない。一方、接合層23の気孔割合が20%を超える、又は接合層23の平均気孔径が7.0μmを超えると、空孔が大きく多いため、接合層23の強度が劣り、炭化珪素接合体20の接合強度が低下する。
さらに、接合層23は、最大気孔径が5〜15μmであり、母材層21,22の最大気孔径より大きいことが好ましい。接合層23の最大気孔径が5μm未満であると、接合時の熱処理で生じた母材層21,22の内部歪みが十分に吸収することができない。一方、接合層23の最大気孔径が15μmを超えると、接合層23の空孔が大きくなるため、接合層23の強度が劣り、炭化珪素接合体20の接合強度が低下する。なお、母材層21,22の最大気孔径は、炭化珪素焼結体11,12の最大気孔径とほぼ同じである。
このような接合層23は、上述した接合シート13が接合処理によって緻密化することで形成される。接合層23は、焼成温度が高い、加圧圧力が高い、又は、接合シート13のバインダ量が多いと、気孔割合、平均気孔径及び最大気孔径が大きくなる。
このような炭化珪素接合体20は、室温において、曲げ強度が、母材である炭化珪素焼結体11,12の曲げ強度の78〜100%となり、高強度である。
また、炭化珪素接合体20は、残留応力が、引張り応力で50〜150MPaと小さく、内部歪みが抑制されている。
以下、本発明の実施例及び比較例を具体的に挙げ、本発明を詳細に説明する。
〔実施例1〕
図1(a)に示すように、直径100mm、厚さ6mmの2枚の炭化珪素焼結体11,12を用意した。これらの炭化珪素焼結体11,12は、市販の炭化珪素粉末(シュタルク社製UF−10)を用い、プレス成形後、CIP成形し、常圧焼結した。焼結助剤として、炭化珪素に対し、炭化硼素を0.25%、グラファイトを2.0%添加した。接合面の表面粗さは、平面研削機により研削し、0.3μmに調整した。
室温における炭化珪素接合体20の曲げ強度を、JIS R 1624−2010に準拠して測定した。曲げ強度は420MPaであった。
そして、接合面11a,12aの表面粗さが0.3μm、平坦度が2.3μmとなるように研削加工した。
また、直径100mm、厚さ100μmの接合シート13を用意した。この接合シート13は、炭化珪素及び結合材としてバインダを添加したスラリーを作製し、ドクターブレード法により作製した。バインダとして、アクリル樹脂系バインダを用いた。バインダは、炭化珪素を85体積%、バインダを15体積%の割合で混合した。
また、接合シート13には、焼結助剤として炭化硼素を0.25%、グラファイトを2.0%添加した。さらに、接合シート13は、ポリカルボン酸系の分散剤、フタル酸系の可塑剤を添加した。
次に、図1(b)に示すように、炭化珪素焼結体11,12の接合面11a,12aと当接するように、炭化珪素焼結体11,12の間に接合シート13を挟み込んだ状態で4.0MPaの圧力で加圧しながら、加熱することにより接合する。
1800℃までは真空中で、1800℃から常温(熱処理終了)までアルゴン雰囲気とした。2100℃の温度で、6時間保持した。
これにより、図1(c)に示すように、炭化珪素接合体20が得られた。接合層23の厚さは45μmであった。また、接合層23は、気孔割合が10%、平均気孔径が0.1μm、最大気孔径が5μmであった。
なお、気孔割合は、炭化珪素接合体20の切断断面を研磨し、光学顕微鏡を用いて2500倍の倍率で研磨面を拡大して撮影し、120μm×90μmの範囲内の気孔の割合(面積)を測定した。気孔径は、上述した画像の範囲内の気孔径を全数測定し、平均気孔径と最大気孔径を求めた。
室温における炭化珪素接合体20の曲げ強度を、JIS R 1624−2010に準拠して測定した。曲げ強度は423MPaであり、母材である炭化珪素焼結体11,12の曲げ強度の101%であり、高強度であった。
また、炭化珪素接合体20の残留応力の測定は、測定装置として、プロトマニュファクチュアリング株式会社製LXRDを用いて、ASTM−E915(米国材料試験協会)の方法に準拠して、実施した。残留応力は148MPaと小さかった。
実施例1〜7の結果を、表1及び表2にまとめた。
〔実施例2〕
実施例2として、焼成温度を2050℃とし、3.5MPaの圧力で加圧したこと以外は、実施例1と同様に炭化珪素接合体20を製造した。接合層23は、気孔割合が13%、平均気孔径が0.5μm、最大気孔径が7μmであった。
室温における炭化珪素接合体20の曲げ強度は415MPaであり、母材である炭化珪素焼結体11,12の曲げ強度の99%であり、高強度であった。また、炭化珪素接合体20の残留応力は102MPaと小さかった。
〔実施例3〕
実施例3として、焼成温度を2000℃とし、3.5MPaの圧力で加圧したこと以外は、実施例1と同様に炭化珪素接合体20を製造した。接合層23は、気孔割合が15%、平均気孔径が1.0μm、最大気孔径が10μmであった。
室温における炭化珪素接合体20の曲げ強度は398MPaであり、母材である炭化珪素焼結体11,12の曲げ強度の95%であり、高強度であった。また、炭化珪素接合体20の残留応力は84MPaと小さかった。
〔実施例4〕
実施例4として、焼成温度を1950℃とし、3.0MPaの圧力で加圧したこと以外は、実施例1と同様に炭化珪素接合体20を製造した。接合層23は、気孔割合が18%、平均気孔径が3.0μm、最大気孔径が12μmであった。
室温における炭化珪素接合体20の曲げ強度は372MPaであり、母材である炭化珪素焼結体11,12の曲げ強度の89%であり、高強度であった。また、炭化珪素接合体20の残留応力は68MPaと小さかった。
〔実施例5〕
実施例5として、焼成温度を1900℃とし、2.0MPaの圧力で加圧したこと以外は、実施例1と炭化珪素接合体20を製造同様にした。接合層23は、気孔割合が20%、平均気孔径が5.0μm、最大気孔径が15μmであった。
室温における炭化珪素接合体20の曲げ強度は359MPaであり、母材である炭化珪素焼結体11,12の曲げ強度の85%であり、高強度であった。また、炭化珪素接合体20の残留応力は50MPaと小さかった。
〔実施例6〕
実施例6として、接合シート13の厚さを80μmとし、焼成温度を2000℃とし、3.5MPaの圧力で加圧したこと以外は、実施例1と炭化珪素接合体20を製造同様にした。接合層23は、厚さが35μm、気孔割合が15%、平均気孔径が1.0μm、最大気孔径が10μmであった。
室温における炭化珪素接合体20の曲げ強度は402MPaであり、母材である炭化珪素焼結体11,12の曲げ強度の96%であり、高強度であった。また、炭化珪素接合体20の残留応力は113MPaと小さかった。
〔実施例7〕
実施例7として、接合シート13の厚さを120μmとし、焼成温度を2000℃とし、3.5MPaの圧力で加圧したこと以外は、実施例1と同様に炭化珪素接合体20を製造した。接合層23は、厚さが55μm、気孔割合が15%、平均気孔径が1.0μm、最大気孔径が10μmであった。
室温における炭化珪素接合体20の曲げ強度は328MPaであり、母材である炭化珪素焼結体11,12の曲げ強度の78%であり、高強度であった。また、炭化珪素接合体20の残留応力は75MPaと小さかった。
〔比較例1〕
比較例1として、焼成温度を2150℃としたこと以外は、実施例1と同様に炭化珪素接合体20を製造した。接合層23は、厚さが45μm、気孔割合が8%、平均気孔径が0.08μm、最大気孔径が4μmであった。
室温における炭化珪素接合体20の曲げ強度は436MPaであり、母材である炭化珪素焼結体11,12の曲げ強度の104%であり、高強度であった。
しかし、炭化珪素接合体20の残留応力は248MPaと大きかった。これは、接合層23の気孔割合が8%と低く、平均気孔径が0.08μm、最大気孔径が4μmと気孔が小さく、接合時の熱処理で生じた母材層21,22の内部歪みを十分に吸収できなかったためであると考えられる。
比較例1〜4の結果を、表3及び表4にまとめた。
〔比較例2〕
比較例2として、焼成温度を1850℃とし、2.0MPaの圧力で加圧したこと以外は、実施例1と同様に炭化珪素接合体20を製造した。接合層23は、厚さが45μm、気孔割合が22%、平均気孔径が6.0μm、最大気孔径が17μmであった。
室温における炭化珪素接合体20の曲げ強度は291MPaであり、母材である炭化珪素焼結体11,12の曲げ強度の69%しかなく、強度が劣っていた。これは、接合層23の気孔割合が22と高く、平均気孔径が6.0μm、最大気孔径が17μmと気孔が大きく、母材層21,22の強度が低下したためであると考えられる。炭化珪素接合体20の残留応力は48MPaと小さかった。
〔比較例3〕
比較例3として、接合シート13の厚さを45μmとし、焼成温度を2000℃とし、3.5MPaの圧力で加圧したこと以外は、実施例1と同様に炭化珪素接合体20を製造した。接合層23は、厚さが25μm、気孔割合が15%、平均気孔径が1.0μm、最大気孔径が10μmであった。
室温における炭化珪素接合体20の曲げ強度は411MPaであり、母材である炭化珪素焼結体11,12の曲げ強度の98%であり、高強度であった。
しかし、炭化珪素接合体20の残留応力は298MPaと大きかった。これは、接合層23の厚さが25μmと薄く、接合時の熱処理で生じた母材層21,22の内部歪みを十分に吸収できなかったためであると考えられる。
〔比較例4〕
比較例4として、接合シート13の厚さを150μmとし、焼成温度を2000℃とし、3.5MPaの圧力で加圧したこと以外は、実施例1と同様に炭化珪素接合体20を製造した。接合層23は、厚さが65μm、気孔割合が15%、平均気孔径が1.0μm、最大気孔径が10μmであった。
室温における炭化珪素接合体20の曲げ強度は284MPaであり、母材である炭化珪素焼結体11,12の曲げ強度の68%しかなく、強度が劣っていた。これは、接合層23の厚さが65μmと厚く、破壊の起源となる欠陥数が増加したためであると考えられる。炭化珪素接合体20の残留応力は52MPaと小さかった。
11,12…炭化珪素焼結体、母材、 11a,12a…接合面、 13…接合シート、20…炭化珪素接合体、 21,22…母材層、 23…接合層。

Claims (3)

  1. 炭化珪素焼結体が炭化珪素からなる接合層を介して接合された炭化珪素接合体であって、
    前記接合層は、厚さが35〜55μm、気孔割合が10〜20%、平均気孔径が0.1〜7.0μmであることを特徴とする炭化珪素接合体。
  2. 前記炭化珪素焼結体は、気孔割合が1〜5%、平均気孔径が0.1〜5.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素接合体。
  3. 炭化珪素焼結体の間に、厚さが50〜130μmであり、炭化珪素及び結合材としてバインダを含みなる接合シートを挟み込み、加圧しながら熱処理して、厚さが35〜55μm、気孔割合が10〜20%、平均気孔径が0.1〜7.0μmである接合層を形成することを特徴とする炭化珪素焼結接合体の製造方法。
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