JP2015224152A - 炭化ケイ素セラミックの接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの炭化ケイ素セラミックの間に残存物を残さずに、かつ、大掛かりな装置を必要とせずに、2つの炭化ケイ素セラミックを接合する炭化ケイ素セラミックの接合方法を提供することができる。【解決手段】炭化ケイ素セラミックの接合方法は、1000℃以上の温度条件及び30kg/cm2以上の面圧条件下において、前記2つの炭化ケイ素セラミックの熱圧着を行う工程Aを含む。前記2つの炭化ケイ素セラミックのうち、少なくとも一方の炭化ケイ素セラミックを構成するケイ素は、70%よりも大きい質量%を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも2つの炭化ケイ素セラミックを接合する炭化ケイ素セラミックの接合方法に関する。
従来、2つの炭化ケイ素セラミックを接合することによって、半導体製造装置又は加熱炉で用いるセラミック部材が製造される。
2つの炭化ケイ素セラミックを接合する方法としては、無機接着剤によって2つの炭化ケイ素セラミックを接合する方法(以下、接合方法A)、2つの炭化ケイ素セラミックの間に介在物を挟み、2つの炭化ケイ素セラミックのそれぞれと介在物とを接合する方法(以下、接合方法B)、2つの炭化ケイ素セラミックの界面に鏡面加工を施して、2つの炭化ケイ素セラミックを接合する方法(以下、接合方法C)等が提案されている(例えば、特許文献1−3)。
特開平1−197374号公報 特開2001−328873号公報 特開平2−107580号公報
しかしながら、接合方法Aでは、無機接着剤の残存物が2つの炭化ケイ素セラミックの間に残ってしまう。接合方法Bでは、介在物の残存物が2つの炭化ケイ素セラミックの間に残ってしまう。接合方法Cでは、鏡面加工の後に熱間等方圧加圧法(HIP:Hot Isostatic Pressing)を行う必要があり、HIPを行う大掛かりな装置が必要である。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、2つの炭化ケイ素セラミックの間に残存物を残さずに、かつ、大掛かりな装置を必要とせずに、2つの炭化ケイ素セラミックを接合する炭化ケイ素セラミックの接合方法を提供することを目的とする。
第1の特徴は、少なくとも2つの炭化ケイ素セラミックを接合する炭化ケイ素セラミックの接合方法であって、1000℃以上の温度条件及び30kg/cm以上の面圧条件下において、前記2つの炭化ケイ素セラミックの熱圧着を行う工程Aを含み、前記2つの炭化ケイ素セラミックのうち、少なくとも一方の炭化ケイ素セラミックを構成するケイ素は、70%よりも大きい質量%を有することを要旨とする。
第1の特徴において、前記少なくとも一方の炭化ケイ素セラミックの理論密度は、98%以上である。
第1の特徴において、前記工程Aは、真空条件下で行われる。
本発明によれば、2つの炭化ケイ素セラミックの間に残存物を残さずに、かつ、大掛かりな装置を必要とせずに、2つの炭化ケイ素セラミックを接合する炭化ケイ素セラミックの接合方法を提供することができる。
図1は、第1実施形態に係る炭化ケイ素セラミックの接合方法を説明するための図である。 図2は、評価結果を説明するための図である。 図3は、評価結果を説明するための図である。
以下において、本発明の実施形態に係る炭化ケイ素セラミックの接合方法について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[実施形態の概要]
実施形態に係る炭化ケイ素セラミックの接合方法は、少なくとも2つの炭化ケイ素セラミックを接合する方法である。炭化ケイ素セラミックの接合方法は、1000℃以上の温度条件及び30kg/cm以上の面圧条件下において、前記2つの炭化ケイ素セラミックの熱圧着を行う工程Aを含む。前記2つの炭化ケイ素セラミックのうち、少なくとも一方の炭化ケイ素セラミックを構成するケイ素は、70%よりも大きい質量%を有する。
実施形態では、2つの炭化ケイ素セラミックのうち、少なくとも一方の炭化ケイ素セラミックを構成するケイ素は、70%よりも大きい質量%を有する。従って、工程Aにおいて、少なくとも一方の炭化ケイ素セラミックから遊離するケイ素が他方の炭化ケイ素セラミックのフリーカーボンと反応することによって、2つの炭化ケイ素セラミックの接合が促進される。これによって、2つの炭化ケイ素セラミックの間に残存物を残さずに、かつ、大掛かりな装置を必要とせずに、2つの炭化ケイ素セラミックを接合することができる。
[第1実施形態]
(炭化ケイ素セラミックの接合方法)
以下において、第1実施形態に係る炭化ケイ素セラミックの接合方法について説明する。図1は、炭化ケイ素セラミックの接合方法を説明するための図である。
図1に示すように、接合装置100を用いて炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bを接合することによって、接合焼結体20を製造する。
炭化ケイ素セラミック10Aは、炭素及びケイ素によって構成されており、炭素の質量%とケイ素の質量%との比率は、約3:7である。炭化ケイ素セラミック10Aは、例えば、φ30cm×25cmの円柱形状を有する。同様に、炭化ケイ素セラミック10Bは、炭素及びケイ素によって構成されており、炭素の質量%とケイ素の質量%との比率は、約3:7である。炭化ケイ素セラミック10Bは、例えば、φ30cm×25cmの円柱形状を有する。
但し、第1実施形態において、炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bのいずれか一方の炭化ケイ素セラミックにおいて、炭化ケイ素セラミックを構成するケイ素は、70%よりも大きい質量%を有する。すなわち、一方の炭化ケイ素セラミックにおいて、炭化ケイ素セラミックを構成する炭素は、30%未満の質量%を有する。
また、炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bの双方の炭化ケイ素セラミックにおいて、炭化ケイ素セラミックを構成するケイ素は、70%よりも大きい質量%を有していてもよい。
なお、炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bは、特に限定されるものではなく、自焼結タイプの炭化ケイ素セラミックであってもよく、シリコン含浸タイプの炭化ケイ素セラミックでもよく、反応焼結タイプの炭化ケイ素セラミックであってもよい。
第1実施形態において、炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bのいずれか一方の炭化ケイ素セラミックにおいて、炭化ケイ素セラミックの理論密度は、98%以上であることが好ましい。
また、炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bの双方の炭化ケイ素セラミックにおいて、炭化ケイ素セラミックの理論密度は、98%以上であってもよい。
接合装置100は、加熱炉110と、加圧部材120とを有する。
加熱炉110は、筒状の側壁及び筒状の側壁の一端を塞ぐ底板を有する。なお、筒状の側壁の他端は、開口を構成する。加熱炉110は、炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bが積層された状態で、炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bを収容する。また、加熱炉110は、炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bを加熱する。詳細には、加熱炉110は、1000℃以上の温度条件で炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bを加熱する。
加圧部材120は、加熱炉110に収容された炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bに圧力を加える部材である。詳細には、加圧部材120は、30kg/cm以上の面圧条件で、炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bに圧力を加える部材である。
第1実施形態において、接合装置100は、1000℃以上の温度条件及び30kg/cm以上の面圧条件下において、炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bの熱圧着を行う。ここで、接合装置100は、アルゴン等の不活性雰囲気下で、炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bの熱圧着を行う。或いは、接合装置100は、真空雰囲気下で、炭化ケイ素セラミック10A及び炭化ケイ素セラミック10Bの熱圧着を行う。
(作用及び効果)
第1実施形態では、2つの炭化ケイ素セラミックのうち、少なくとも一方の炭化ケイ素セラミックを構成するケイ素は、70%よりも大きい質量%を有する。従って、工程Aにおいて、少なくとも一方の炭化ケイ素セラミックから遊離するケイ素が他方の炭化ケイ素セラミックのフリーカーボンと反応することによって、2つの炭化ケイ素セラミックの接合が促進される。これによって、2つの炭化ケイ素セラミックの間に残存物を残さずに、かつ、大掛かりな装置を必要とせずに、2つの炭化ケイ素セラミックを接合することができる。
[評価結果]
以下において、評価結果について説明する。具体的には、比較例、実施例1−5に係るサンプルを準備して、各サンプルの接合強度について評価した。比較例、実施例1−5では、上述した接合装置100を用いて、第1部材及び第2部材の熱圧着を行った。第1部材及び第2部材の組成、第1部材及び第2部材の接合条件は、図2に示す通りである。
第1部材及び第2部材は、それぞれ、φ30cm×25cmの円柱形状を有する。また、接合装置100は、30kg/cmの面圧条件で第1部材及び第2部材に圧力を印加しながら、400℃/hrの昇温条件で最高温度(1900℃)まで加熱炉内を昇温し、最高温度(1900℃)を1時間に亘って継続した後に、自然冷却によって加熱炉が室温まで下がるのを待った。
このようなサンプルについて、図3に示すように、40mmの間隔(スパン)を有する支持点で接合焼結体の裏面側から接合焼結体を支持した状態で、接合焼結体の表面側から接合焼結体に圧力を印加した。なお、接合焼結体に印加される圧力を0.5mm/minで増大させた。このような試験において、第1部材及び第2部材が破断した圧力を接合強度として測定した。測定結果は、図2に示す通りである。
図2に示すように、実施例1−5では、第1部材及び第2部材のうち、少なくとも一方の部材において、炭化ケイ素セラミックを構成するケイ素が70%以上の質量%を有している。一方で、比較例では、第1部材及び第2部材の双方において、炭化ケイ素セラミックを構成するケイ素が70%の質量%を有する。
このような状況下において、実施例1−5では、比較例と比べて、接合強度が増大することが確認された。特に、第1部材及び第2部材のうち、少なくとも一方の部材において、炭化ケイ素セラミックの理論密度(SiC密度)が98%である実施例4,5では、実施例1−3と比べて、接合強度がさらに増大することが確認された。さらに、真空雰囲気下で焼結が行われた実施例5では、実施例1−4と比べて、接合強度がさらに増大することが確認された。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
実施形態では、2つの炭化ケイ素セラミックを接合する方法について例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。すなわち、実施形態は、3つ以上の炭化ケイ素セラミックを接合する方法であってもよい。このような場合には、界面を境界として互いに隣接する1対の炭化ケイ素セラミックのうち、いずれの一方の炭化ケイ素セラミックスにおいて、炭化ケイ素セラミックを構成するケイ素が70%よりも大きい質量%を有していればよい。
10…炭化ケイ素セラミック、20…接合焼結体、100…接合装置、110…加熱炉、120…加圧部材

Claims (3)

  1. 少なくとも2つの炭化ケイ素セラミックを接合する炭化ケイ素セラミックの接合方法であって、
    1000℃以上の温度条件及び30kg/cm以上の面圧条件下において、前記2つの炭化ケイ素セラミックの熱圧着を行う工程Aを含み、
    前記2つの炭化ケイ素セラミックのうち、少なくとも一方の炭化ケイ素セラミックを構成するケイ素は、70%よりも大きい質量%を有することを特徴とする炭化ケイ素セラミックの接合方法。
  2. 前記少なくとも一方の炭化ケイ素セラミックの理論密度は、98%以上であることを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素セラミックの接合方法。
  3. 前記工程Aは、真空条件下で行われることを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素セラミックの接合方法。
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