JP5231064B2 - 真空吸着装置及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば、シリコン基板やガラス基板等の基板を吸着保持する真空吸着装置に関する。
従来、例えば半導体装置の製造工程において、半導体基板を搬送、加工、検査する場合には、真空圧を利用した真空吸着装置が使用され、均一な吸着を行うために、基板を吸着載置する面を多孔質体で形成した真空吸着装置が用いられてきた。例えば、多孔質体からなる載置部を樹脂またはガラスなどの接着剤により支持部に接着してなり、下方の吸引孔より真空吸引することにより、上記載置部の載置面に半導体基板の全面を吸着するものが提案されている(例えば、特許文献1)。このような真空吸着装置を用いて基板の吸着離脱を繰り返すと、摩擦により基板が帯電し、クーロン力により強く貼り付いて迅速な離脱ができなくなり、処理速度が遅くなる場合があった。また、異物を吸着しやすくなる問題もあった。さらに、静電気の放電により、静電破壊を起こす場合があり、特にデバイスが形成された基板を加工する場合には、大きな問題であった。
そこで、真空吸着装置を導電性材料で作製することが提案されている(例えば、特許文献2〜4)。特許文献2では、多孔質体として高分子材料と金属粉からなる導電性材料が用いられている。また、特許文献3では、多孔質体の表面にダイヤモンドライクカーボン膜を形成してなる真空吸着用冶具が開示されている。また、特許文献4では、炭化珪素を主成分とする多孔質体をガラス状の結合層により支持部と結合した真空吸着装置が開示されている。
特開2005−50855号公報 特開平10−107131号公報 特開2006−86389号公報 特開2007-253284号公報
しかしながら、特許文献2に記載された発明では、金属粉として、鋼、銅、ニッケル、クロム、チタン、コバルト、バナジウム、マンガン、13ークロム鋼、真鍮、ハステロイ、ステンレス鋼、金又は銀等が挙げられているが、このような金属粉を多孔質体材料に用いた場合、シリコン基板と金属粉が接触し、基板の金属汚染が生じる問題があった。また、特許文献3のように表面に膜を形成した場合には、膜が剥離する恐れがある。特に、シリコン基板は加工時に発熱したり、保護フィルムの貼り付け時等に加熱されたりするので、加熱冷却を繰り返すと膜が剥離する問題があった。さらに、特許文献4に記載された発明では、載置部と支持部とをガラス状の結合層により結合されているので、ガラスにより接地が遮断され、十分に静電気を除電できない問題があった。
さらに近年のシリコン基板の大口径化および薄型化のための加工手段として乾式加工が行われているが、研削液を用いる湿式加工に比べて、乾式加工では、摩擦による発熱が著しいため、シリコン基板の加工精度が低下して反りが生じたり、保護フィルムが溶融したりといった問題があった。
一方で、基板を吸着載置する面を多孔質体で形成した真空吸着装置は、多孔質体からなる載置部とそれを支持する支持部とを接着して得られるが、多孔質体の接着は、接着剤が多孔質体に浸透しやすいため、ムラなく接着することは困難であり、載置部が剥離することが多く問題となっていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、特に乾式加工時の静電気による不具合、及び、発熱による問題を低減でき、パーティクルの発生が少なく、吸着性能に優れた真空吸着装置を提供する。
本発明は、上記課題を解決するために、炭化珪素粒子が金属珪素により結合された構造を有する多孔質体からなる載置部と、炭化珪素焼結体の緻密質体からなる支持部と、を具備する真空吸着装置であって、前記載置部の炭化珪素と前記支持部の炭化珪素とが直接的に接合する接合界面が形成され、金属珪素により前記載置部と前記支持部とが隙間なく直接接合された接合構造を有することを特徴とする真空吸着装置を提供する。
本発明の真空吸着装置では、載置部と支持部とが実質的に隙間無く直接接合された構造を有しているので、導電性及び熱伝導性に優れている。ここで、載置部と支持部とが「実質的に隙間無く直接接合された」とは、載置部の多孔質構造が支持部と接する接合部まで連続していることを意味する。したがって、接合部には、多孔質体の気孔と比べて著しく大きな隙間はなく、炭化珪素粒子同士を結合する結合材の金属珪素により載置部と支持部が接合されている。
また、金属珪素(25〜500℃熱膨張係数:4.0×10−6)により炭化珪素(25〜500℃熱膨張係数:4.6×10−6)粒子同士が結合されると同時に、支持部とが接合されているので、全ての部材の熱膨張が近似しており、製造過程および、使用中における熱膨張の不一致に伴う問題を解消することができる。例えば、特許文献2の載置部と支持部とをガラス状の結合層により接合されているので、加工時に発熱すると、結合層のガラスの熱膨張と、支持部および載置部との熱膨張の不一致により、剥離するおそれがあったが、本発明のような構造であれば、載置部の剥離の問題は解消される。
さらに、本発明の構成によれば、40〜100W/(m・K)の熱伝導率を有する多孔質体を載置部として適用することができる。さらに、支持部と載置部との間の導電および熱伝導を阻害するような結合層が存在しないため、静電気の除電及び、放熱を素早く行うことが可能となる。したがって、乾式加工時の静電気の発生および温度上昇を抑えられ、デバイスが破壊したり、保護フィルムが溶融したりといった問題を解消することができる。
次に、本発明の多孔質体のヤング率は80GPa以上であることが望ましい。また、多孔質体において、金属珪素と炭素との反応焼結により生成された炭化珪素の割合が、0.1質量%以下であることが望ましい。
真空吸引時に大気圧により載置面が押されたり、研削加工時に負荷がかかったりすると、載置部が変形する。この変形は、載置部を構成する多孔質体のヤング率が小さい場合に著しくなり、載置部と支持部との間に段差を生じる場合がある。本発明では、多孔質体のヤング率が80GPa以上と大きいため、この段差の発生を抑制することができる。
また、載置部自体の加工や、使用中の変形、磨耗により載置部の多孔質体からパーティクルが発生する場合がある。このパーティクルは載置部の強度が小さい場合に多く発生する。特に金属珪素とスラリーに含まれた炭素との反応焼結により微細な炭化珪素が多く生成されると粒子間の結合強度が低下し、パーティクルも増加することが分かった。したがって、本発明では、反応焼結により炭化珪素となり得る残炭の生成を抑えるために、スラリーへの有機成分の添加を少なくしている。
本発明の真空吸着装置は、炭化珪素粒子および金属珪素粉末に、水またはアルコールを加えて混合してスラリーを調整するスラリー調整工程と、前記スラリーを載置部が形成される支持部に設けられた凹部に充填するスラリー充填工程と、前記凹部に前記スラリーが充填された前記支持部を、大気中で加熱する脱脂工程と、金属珪素が溶融して炭化珪素粒子間が結合される温度まで不活性雰囲気中で加熱する熱処理工程と、を含む方法により製造される。
このような製造方法によれば、載置部と支持部とが実質的に隙間無く直接接合された構造を実現することができる。特許文献4に記載された発明のように、多孔質体を別個に製造して接合することも考えられるが、成形助剤として残炭の多い熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を大量に用いると、上述したように反応焼結により生成する微細な炭化珪素が多く生成され、結合部が脆化してパーティクルが増加してしまう。一方、本発明では、成形助剤はほとんど必要ない。なぜなら、支持部が成形型を兼ねるので、成形体の強度を必要としないためである。
したがって、本発明では、前記脱脂工程における重量減少率が0.5%以下と極めて少量にすることができ、脱脂工程後の前記スラリーにおける残炭率も少なくできる。脱脂工程において、焼失する重量減少の対象物は、スラリーの炭化珪素粒子と金属珪素粉末とを均一分散するために添加する有機成分である。有機成分を上記範囲の少量に抑えることにより、反応焼結炭化珪素の生成を抑制して、多孔質体の強度を高めるとともにパーティクルの発生を低減することができる。
また、単に残炭率を少なくするだけでなく、重量減少率、すなわち脱脂を要する有機成分の添加量を少量にするのは、炭化珪素と金属珪素により多孔質体が構成されているので、大気中での加熱に制限があるためである。大気中で高温まで加熱すれば残炭を無くすことができるが、炭化珪素および金属珪素の酸化が起こり、濡れ性が低下して結合が著しく弱まるため好ましくない。また、有機成分が多いと炭化珪素粒子と金属珪素の充填率も低下するため、結合が低下したり、熱処理時に収縮したりするため好ましくない。
静電気による不具合、及び乾式加工での発熱による問題を低減し、吸着性能に優れた真空吸着装置を提供する。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の真空吸着装置を示す概略断面図である。真空吸着装置10は、多孔質体からなる載置部11と、該載置部の周囲を取り囲むように支持する緻密質体からなる支持部12と、該支持部12に形成された吸引孔13及び多孔質体全体で吸引できるように形成した吸引溝14とを具備し、載置面11a上に、シリコン基板Wを載置する。載置部11と支持部12との接合界面は実質的に隙間なく一体的に形成されている。
載置部11は、炭化珪素粒子同士が金属珪素により結合された多孔質体である。載置部に用いられる多孔質体としては、平均気孔径が5〜50μm、気孔率が20〜50%とすることが好ましく、このような気孔径および気孔率を得るためには、前記載置部の炭化珪素粒子は、平均粒径が14μm〜150μmのものを使用することが好ましい。なお、本発明において、平均気孔径は水銀圧入法による測定値であり、また、平均粒径(体積基準D50)は、レーザー回折式粒度分布測定法による測定値である。
また、金属珪素と炭素との反応焼結により生成された炭化珪素の割合が、0.1質量%以下である。これは、パーティクルの発生を抑えるためである。反応焼結により炭化珪素化した部分は脆化して粒子間の結合が低下するため炭化珪素粒子がパーティクルとなって生じやすくなる。
金属珪素粉末の平均粒径は、炭化珪素粒子の平均粒径より小さい方が好ましい。
その理由は、金属珪素粉末の平均粒径が炭化珪素粒子よりも大きいと、炭化珪素粒子充填を阻害して充填率が低くなるため、金属珪素粉末が溶融した際に収縮を起こすからである。金属珪素粉末の平均粒径は、好ましくは、炭化珪素粒子の平均粒径の1/10以下、さらに好ましくは1/20以下が望ましい。
添加する金属珪素粉末の量は、特に限定しないが、炭化珪素粒子の粒径が大きい場合と同様に大量に添加すると炭化珪素粒子の充填を阻害し、収縮を起こすため、少量が望ましい。ただし、少なすぎると炭化珪素粒子の結合強度が低下し、脱粒や強度不足の問題が生じるため、結合強度を発揮するような量が必要である。具体的には、目標とする気孔率、炭化珪素粒子の粒度、焼成温度等を考慮して調整されるが、炭化珪素粒子100質量部に対して20〜50質量部の範囲で添加することが望ましい。このような範囲で調整すれば、十分な粒子間の結合を確保でき、多孔質体の熱伝導率を40〜100W/(m・K)とすることができる。
支持部12は炭化珪素焼結体が用いられる。炭化珪素は、熱伝導性、導電性に優れているので、真空吸着装置の部材に適している。炭化珪素焼結体は緻密質であり、気孔率は5%以下ものが好適に用いられる。
本発明の真空吸着装置の製造方法について説明する。はじめに載置部11を形成する多孔質体の原料である炭化珪素粒子および金属珪素粉末に、水またはアルコールを加えて混合してスラリーを調整する。原料の混合は、ボールミル、ミキサー等、公知の方法が適用できる。ここで、水またはアルコール量は特に限定しない。炭化珪素粒子の粒度、金属珪素粉末の添加量を考慮し所望の流動性が得られるよう水またはアルコールの添加量を調整する。
スラリーには、炭化珪素粒子及び金属珪素粉末を均一に分散するための分散剤等の有機成分が加えられても良い。ただし、加えられる有機成分の量は、残炭を低減するためにも少量に抑える必要がある。本発明では、支持部が成形型を兼ねるので、バインダー等の成形強度を高めるための添加物は不要である。有機成分としては、分散剤、滑剤、可塑剤等が挙げられ、市販のものを適用できる。なお、本発明の範囲内であればバインダーを少量添加してもかまわない。
次に、載置部が形成される凹部を設けた炭化珪素焼結体からなる支持部12の該凹部に得られたスラリーを充填する。この際、必要に応じて、残留気泡を除去するための真空脱泡や、充填を高めるための振動を加えると良い。また、吸引孔13および吸引溝14は、載置部となるスラリーを注ぐ前に、ろう、樹脂等の焼失部材により閉塞しておく。
凹部にスラリーが充填された支持部を十分に乾燥させた後、大気中で脱脂を行う。脱脂を行うのは、スラリーに含まれる有機成分を焼失させるためである。脱脂工程は、水またはアルコールが揮発した後、500℃まで加熱して行われる。より高温まで大気中で加熱すれば、より残炭を低減することができるが、加熱しすぎると炭化珪素および金属珪素の酸化が起こり、濡れ性が低下して結合が著しく弱まるため好ましくない。特に金属珪素が酸化すると、溶融し難くなり粒子間の結合が低下するおそれがある。
次に、金属珪素が溶融する温度に加熱して炭化珪素粒子間を結合と同時に、支持部と載置部との接合を行う。本発明では、炭化珪素粒子間の結合、すなわち多孔質体の形成と、多孔質体からなる載置部と支持部との接合が同時に行われる。この熱処理工程は、脱脂工程の大気雰囲気から、真空または、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気に置換して1410〜1500℃に加熱してなされる。
このような製造方法によれば、載置部と支持部とを別個に製造することなく、一体的に載置部と支持部材を焼成できるため、大幅な製造コストの低減を実現できる。さらには、載置部と支持部との接合面を合わせるための加工が不要であるため、支持部となる緻密質焼結体を加工することなくそのまま使用できる。したがって、大幅に製造コストが削減できるという効果がある。
吸着面となる載置面11aは、載置部11と載置部の周囲の支持部12とともに研磨加工により形成される。吸引孔13は、載置部11の裏面側の中央部に支持部12を貫通するように設けられており、吸引孔13を介して図示しない真空ポンプにより吸引することにより、載置部11の載置面11aに載置されたシリコン基板Wが真空吸着される。
以下、本発明の作製例により本発明を詳細に説明する。炭化珪素粒子(平均粒径:125μm)、金属珪素粉末(平均粒径:10μm)および蒸留水を100:30:45の質量比で混合し、分散剤を所定量添加してミキサーを用いて混錬し調整したスラリーを外径250mm、高さ50mm(凹部:内径200mm、深さ40mm)の緻密質炭化珪素焼結体からなる支持部の凹部に注型し、真空脱泡を行った後、振動を加えて沈降充填させた。150℃で乾燥させた後、500℃にて大気中で脱脂を行い、真空雰囲気中1450℃で熱処理を行った。次に表面をダイヤモンド砥石で研磨することにより真空吸着装置の吸着面となる載置面を得た。
高圧流水洗浄および超音波洗浄により研磨汚れを落とし、110℃で十分に乾燥させた後、載置部と支持部との接合部を光学顕微鏡により観察し、隙間の有無を確認した。ヤング率は、JISR1602に準拠し共振法により測定した。パーティクル評価は、ポリイミドテープ(面積:50×50mm)を載置面に貼り付けた後ピールし、テープに付着したパーティクルの有無を、光学顕微鏡で観察した。結果を表1に示す。
脱脂工程における重量減少率は、スラリーについて熱重量分析(Rigaku製Thermo plus TG 8120、昇温10℃/min)を行って、水分が蒸発した後の150〜500℃における重量変化により求めた。また、反応焼結による炭化珪素はスラリーの残炭分が反応して生成したものであることから、スラリーの残炭率に基づいて反応焼結で生じた炭化珪素の割合を算出した。残炭率はスラリーを500℃で加熱した後の炭素質量を測定した。残炭率は、炭化珪素粒子、金属珪素粉末および残炭分の合計質量に対する残炭分の割合である。
Figure 0005231064
本発明の範囲内の作製No.1〜5では、隙間無く接合され、載置部の多孔質体のヤング率が高く、パーティクルも生じなかった。一方、反応焼結炭化珪素が多く生成した作製No.6では、結合部が脆化して、支持部と載置部との接合部および載置面における脱粒により、隙間及びパーティクルが生じた。反応焼結炭化珪素は少ないが重量減少率の大きい作製No.7では、載置部の多孔質体が収縮したため隙間が生じた。
次に、金属珪素の添加量を変えて、載置部の多孔質体の開気孔率及び熱伝導率を調整して真空吸着装置を作製した。上記作製例で用いた炭化珪素粒子100質量部に対して所定質量部の金属珪素粉末を加え、蒸留水及び分散剤を所定量添加してスラリーを調整した。上記作製例と同様の手順で真空吸着装置を作製した。なお、いずれの作製例においても重量減少率は0.5質量%以下であり、反応焼結で生じた炭化珪素の割合も0.1質量%以下であった。
開気孔率はアルキメデス法により、熱伝導率は、JISR2616に準拠し熱線法より測定した。結果を表2に示す。
Figure 0005231064
作製No.12〜15では、金属珪素量を20〜50質量部として載置部を作製することにより、真空吸着装置に適した開気孔率の載置部が形成できた。これらの載置部の多孔質体の熱伝導率は、40〜100W/(m・K)であり放熱性も良好であった。一方、金属珪素量の少ない作製No.11では、粒子間の結合が不十分であり、形を保てる程に載置部を形成できなかった。また、金属珪素量の多い作製No.16では、開気孔率が小さく、また熱処理により収縮したため、隙間が生じており、真空吸着装置として適用できるものが得られなかった。
本発明の真空吸着装置の概略構成を示す模式断面図である。
符号の説明
10;真空吸着装置
11;載置部
11a;載置面
12;支持部
13;吸引孔
14;吸引溝
W;基板

Claims (6)

  1. 炭化珪素粒子が金属珪素により結合された構造を有する多孔質体からなる載置部と、
    炭化珪素焼結体の緻密質体からなる支持部と、
    を具備する真空吸着装置であって、
    前記載置部の炭化珪素と前記支持部の炭化珪素とが直接的に接合する接合界面が形成され、金属珪素により前記載置部と前記支持部とが隙間なく直接接合された接合構造を有することを特徴とする真空吸着装置。
  2. 前記多孔質体において、金属珪素と炭素との反応焼結により生成された炭化珪素の割合が、0.1質量%以下である請求項1記載の真空吸着装置。
  3. 前記多孔質体のヤング率が80GPa以上である請求項1または2記載の真空吸着装置。
  4. 前記多孔質体の熱伝導率が40〜100W/(m・K)である請求項1〜3のいずれか一項に記載の真空吸着装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の真空吸着装置の製造方法であって、
    炭化珪素粒子および金属珪素粉末に、水またはアルコールを加えて混合してスラリーを調整するスラリー調整工程と、
    前記スラリーを前記載置部が形成される前記支持部に設けられた凹部に充填するスラリー充填工程と、
    前記凹部に前記スラリーが充填された前記支持部を、大気中で加熱する脱脂工程と、
    金属珪素が溶融して炭化珪素粒子間が結合される温度まで不活性雰囲気中で加熱する熱処理工程と、
    を含むことを特徴とする真空吸着装置の製造方法。
  6. 前記脱脂工程における重量減少率が0.5%以下である請求項5記載の真空吸着装置の製造方法。
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