JP2015117157A - 酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液とその製造方法 - Google Patents

酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015117157A
JP2015117157A JP2013261885A JP2013261885A JP2015117157A JP 2015117157 A JP2015117157 A JP 2015117157A JP 2013261885 A JP2013261885 A JP 2013261885A JP 2013261885 A JP2013261885 A JP 2013261885A JP 2015117157 A JP2015117157 A JP 2015117157A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zirconium oxide
oxide particles
organic solvent
dispersion
alcohol organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013261885A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6025701B2 (ja
Inventor
敦樹 寺部
Atsuki Terabe
敦樹 寺部
木村 真一
Shinichi Kimura
真一 木村
育実 加藤
Ikumi Kato
育実 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
REJINO COLOR KOGYO KK
Original Assignee
REJINO COLOR KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by REJINO COLOR KOGYO KK filed Critical REJINO COLOR KOGYO KK
Priority to JP2013261885A priority Critical patent/JP6025701B2/ja
Publication of JP2015117157A publication Critical patent/JP2015117157A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6025701B2 publication Critical patent/JP6025701B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

【課題】酸化ジルコニウム粒子を分散質とし、非アルコール親油性有機溶剤を分散媒とする分散液であって、酸化ジルコニウム粒子を高濃度で含みながら、高い透明性と低い粘度を有する分散液を提供する。更に、そのような分散液を容易に安定して得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば、
(a)酸化ジルコニウム粒子と、
(b)分散剤と、
(c)非アルコール親油性有機溶媒からなる分散媒と
を含む酸化ジルコニウム粒子有機溶媒分散液であって、上記分散剤がシランカップリング剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の組み合わせからなり、上記分散剤において、シランカップリング剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤に対する重量比が75/25〜10/90の範囲にあり、上記分散剤を酸化ジルコニウム粒子100重量部に対して5〜40重量部の範囲で含む酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液が提供される。また、上記分散液の製造方法も提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液とその製造方法に関する。詳しくは、本発明は、酸化ジルコニウム粒子を分散質とし、非アルコール有機溶媒を分散媒とし、高い屈折率と高い透明性を有し、例えば、光学用途に好適に用いることができる酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液とその製造方法に関する。
近年、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)のようなプラスチック基板における反射防止膜の形成のために、屈折率が高く、透明性にすぐれる酸化ジルコニウム粒子を含む光硬化性組成物が種々、提案されており、また、実用化されている。
このような酸化ジルコニウム粒子を含む光硬化性組成物は、例えば、酸化ジルコニウム粒子の有機溶媒分散液にその酸化ジルコニウム粒子の分散状態を維持しながら、光硬化性(メタ)アクリレート類を加え、溶解させることによって得ることができる。従って、そのような酸化ジルコニウム粒子の有機溶媒分散液における分散媒としては、(メタ)アクリレート類に親和性を有する有機溶媒、例えば、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等のような親油性の非アルコール有機溶媒が好ましく用いられる。
そして、上記酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、通常、酸化ジルコニウム粒子をそのような非アルコール有機溶媒に分散させたり、又は最初に酸化ジルコニウム粒子のアルコール分散液を調製した後、その分散媒である上記アルコールを上記非アルコール有機溶媒に置換したりすることによって得ることができる。
しかし、酸化ジルコニウム粒子は、表面にヒドロキシ基を有して、本来、親水性であるので、これをそのまま、非アルコール有機溶媒に加えて、分散させようとしても、非アルコール有機溶媒に親和性をもたないことから、酸化ジルコニウム粒子はそのような非アルコール有機溶媒中において容易に凝集し、また、得られた混合物が白濁したり、時には、著しく増粘したりして、流動性を失うことさえある。
そこで、酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液を得るために、1つの方法として、酸化ジルコニウム粒子を非アルコール有機溶媒中で表面処理することによって得る方法が種々提案されている。
例えば、酸化ジルコニウム粒子をトルエンのような非アルコール有機溶媒中でシランカップリング剤で表面処理して、トルエン分散液を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。酸化ジルコニウム粒子をトルエン中でリン酸エステルアニオン界面活性剤で表面処理した後、シランカップリング剤で処理して、トルエン分散液を得る方法も提案されている(特許文献2参照)。
また、別の方法として、酸化ジルコニウム粒子のメタノール分散液を先ず調製し、次に、この分散液に酸を加え、その存在下に酸化ジルコニウム粒子をシランカップリング剤で処理した後、分散媒であるメタノールを非アルコール有機溶媒に置換して、酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液を得る方法も提案されている(特許文献3参照)。
本発明者らは、酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液の調製の上述した状況の下、酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液にシランカップリング剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の所定割合の組み合わせからなる分散剤を上記酸化ジルコニウム粒子に対して所定の割合で少量、加えると共に、非アルコール有機溶媒を加え、かくして得られた混合物を攪拌下に加熱して、上記脂肪族低級アルコールを上記混合物から除去する工程を含む方法によって、酸化ジルコニウム粒子の透明な非アルコール有機溶媒分散液を容易に安定して得ることができ、好ましい態様によれば、上記非アルコール有機溶媒中に酸化ジルコニウム粒子を高濃度で含みながら、その酸化ジルコニウム粒子はナノオーダーサイズであり、しかも、高透明性と低粘度を有する酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液を容易に安定して得ることができることを見出して本発明を完成したものである。
特開2007−217242号公報 特開2010−195967号公報 国際公開WO2011/052762号公報
従って、本発明は、分散媒である非アルコール有機溶媒に分散質として酸化ジルコニウム粒子を高濃度で含みながら、高透明性と低粘度を有する分散液を提供することを目的とする。更に、本発明は、そのような酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、
(a)酸化ジルコニウム粒子と、
(b)分散剤と、
(c)非アルコール有機溶媒からなる分散媒と
を含む酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液であって、
上記分散剤がシランカップリング剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の組み合わせからなり、
上記分散剤において、シランカップリング剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤に対する重量比が75/25〜10/90の範囲にあり、
上記分散剤を酸化ジルコニウム粒子100重量部に対して5〜40重量部の範囲で含む酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液が提供される。
本発明において、非アルコール親油性有機溶媒とは、分子中にヒドロキシ基をもたない親油性の有機溶媒をいう。具体例は後述する。
本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液においては、好ましくは、酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は100nm以下であり、特に好ましくは、本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、平均粒子径10nm以下の酸化ジルコニウム粒子を濃度20重量%以上で含む。
更に、本発明においては、上記分散剤において、シランカップリング剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤に対する重量比が70/30〜15/85の範囲にあり、上記分散剤を酸化ジルコニウム粒子100重量部に対して8〜35重量部の範囲で含むことが好ましい。
また、本発明によれば、
(a)酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液に
(b)分散剤と
(c)非アルコール有機溶媒を加え、
得られた混合物を攪拌下に加熱して、この混合物から上記脂肪族低級アルコールを除去する工程を含む酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液の製造方法であって、
上記分散剤がシランカップリング剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の組み合わせからなり、
上記分散剤において、シランカップリング剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤に対する重量比が75/25〜10/90の範囲にあり、
上記分散剤を上記酸化ジルコニウム粒子100重量部に対して5〜40重量部の範囲で用いる酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液の製造方法が提供される。
本発明の方法においては、好ましくは、用いる酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液における酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は100nm以下であり、特に好ましくは、本発明によれば、平均粒子径10nm以下の酸化ジルコニウム粒子を濃度20重量%以上で含む酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液を得ることができる。
更に、本発明の方法においては、シランカップリング剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の組み合わせからなる分散剤において、シランカップリング剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤に対する重量比が70/30〜15/85の範囲にあり、上記分散剤を酸化ジルコニウム粒子100重量部に対して8〜35重量部の範囲で含むことが好ましい。
本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、分散媒が非アルコール有機溶媒であって、平均粒子径100nm以下の酸化ジルコニウム粒子を濃度20重量%以上で含み、好ましい態様によれば、分散剤を少量でのみ、含みながら、そして、平均粒子径10nm以下のナノオーダーの微細な酸化ジルコニウム粒子を20重量%以上の高濃度で含みながら、高透明性と低粘度を有し、従って、例えば、反射防止膜の製膜ほか、光学用途におけるコーティング剤として好適に用いることができる。
本発明の方法によれば、酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液から出発して、酸化ジルコニウム粒子が微細であっても、また、酸化ジルコニウム粒子濃度が高くとも、酸化ジルコニウム粒子の凝集、白濁、ゲル化等なしに、上述した酸化ジルコニウム粒子の透明な非アルコール有機溶媒分散液を容易に安定して得ることができる。
本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、
(a)酸化ジルコニウム粒子と、
(b)分散剤と、
(c)非アルコール有機溶媒からなる分散媒と
を含む酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液であって、
上記分散剤がシランカップリング剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の組み合わせからなり、
上記分散剤において、シランカップリング剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤に対する重量比が75/25〜10/90の範囲にあり、
上記分散剤を酸化ジルコニウム粒子100重量部に対して5〜40重量部の範囲で含むものである。
本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液において、酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は、好ましくは、100nm以下であり、好ましくは、1〜10nmの範囲であり、最も好ましくは、1〜5nmの範囲である。ここに、酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液における酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は、分散液を希釈し、得られた希釈物について動的光散乱法にて測定した値である。
また、後述するように、本発明による酸化ジルコニウム粒子有機溶媒分散液の製造において用いる酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液における酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径も、動的光散乱法にて測定した値である。
本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液においては、上記酸化ジルコニウム粒子は、アルミニウム、マグネシウム、チタンのほか例えば、イットリウムのような希土類元素を安定化元素として含んでいてもよい。
本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液においては、酸化ジルコニウム粒子と共に、分散剤として、シランカップリング剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の組み合わせを含み、この分散剤において、上記シランカップリング剤の上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤に対する重量比、即ち、シランカップリング剤/ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤重量比は75/25〜10/90の範囲、好ましくは、70/30〜15/85の範囲にあり、しかも、このような組み合わせからなる分散剤を上記酸化ジルコニウム粒子100重量部に対する割合が5〜40重量部、好ましくは、8〜35重量部の範囲であるように含むことによって、上記酸化ジルコニウム粒子が分散媒である非アルコール有機溶媒において白濁、凝集、ゲル化等を起こすことなく、微細且つ安定に分散していると共に、高い透明性と低い粘度を保持している。
本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、後述するように、通常、酸化ジルコニウム粒子を20重量%以上、好ましくは、30〜60重量%の範囲で含み、それでいて、酸化ジルコニウム粒子が分散媒である非アルコール有機溶媒中において、凝集、白濁、ゲル化することなしに、安定に分散していると共に、高い透明性と低い粘度を有している。
本発明において用いるシランカップリング剤は、通常、次の一般式(I)
n−Si−X4-n
(式中、Rは非反応性基又は反応性官能基を含む基を示し、Xは加水分解性基又はヒドロキシ基を示し、nは1、2又は3である。)
で表される。
このようなシランカップリング剤が、酸化ジルコニウム粒子を表面処理し、又は表面修飾して、分散媒中における分散安定性を高めることは既に知られている。
上記非反応性基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基等を挙げることができ、上記反応性官能基を含む基としては、例えば、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基、ハロゲン原子、(メタ)アクリロイル基等を含む基を挙げることができる。
従って、非反応性基を有する所謂非反応性シランカップリング剤の具体例として、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルメトキシヒドロキシシラン等を挙げることができる。
反応性官能基を含む基を有する所謂反応性シランカップリング剤の具体例としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン等を挙げることができる。
本発明においては、特に、高屈折率を有する重合性組成物を得る場合には、同様に、高屈折率 、例えば、1.45以上を有するシランカップリング剤が用いられる。そのような高屈折率を有するシランカップリング剤としては、例えば、p−スチリルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤は必要に応じて、2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明において用いるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤は、次の一般式(II)
Figure 2015117157
(式中、Rは炭素原子数4〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、Mは水素原子又は金属イオン、アンモニウムイオン又は有機塩基イオンであり、nは1〜20の範囲の数であり、kは1又は2である。)
で表されるモノエステル、ジエステル又はこれらの混合物である。
上記金属イオンは、好ましくは、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオンであり、有機塩基イオンは、例えば、トリエタノールアミンイオンのようなアルカノールアミンイオンを含むアミンイオンである。
このようなポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤としては、例えば、東邦化学工業(株)から入手し得るフォスファノールRA−600、ML−220、ML−240、RD−510Y、RS−410、RS−610、RS−710等を挙げることができる。
本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、酸化ジルコニウム粒子のための分散剤として上記シランカップリング剤と上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の組み合わせを含み、この分散剤において、シランカップリング剤/ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤重量比は75/25〜10/90の範囲、好ましくは、70/30〜15/85の範囲にあり、しかも、このような組み合わせからなる分散剤を酸化ジルコニウム粒子100重量部に対する割合が5〜40重量部、好ましくは、8〜35重量部の範囲であるように含む。
本発明において、分散媒である親油性の非アルコール有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等の脂肪族又は脂環式ケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の飽和又は不飽和低級脂肪酸アルキルエステル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PMA)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジブチルエーテル、ジオキサン等の脂肪族又は環状エーテル類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の炭化水素類、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭素水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のカルボン酸アミドを挙げることができる。これらの非アルコール有機溶媒は、単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。
但し、本発明によれば、酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、上述した非アルコール有機溶媒と共に、その製造に由来する後述する脂肪族低級アルコール類、例えば、メタノールを10重量%まで、好ましくは、5重量%まで、含んでいてもよい。
本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、酸化ジルコニウム粒子を分散質とし、上述した非アルコール有機溶媒を分散媒とする分散液であるので、例えば、(メタ)アクリレート類や、その他の樹脂をよく溶解させることができ、従って、例えば、反射防止膜の製膜や、その他の光学用途におけるコーティング剤として好適に用いることができる。
本発明において、酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液における酸化ジルコニウム粒子の割合は、特に、限定されるものではないが、通常、20重量%以上、好ましくは、30重量%以上であり、上限は、その安定性から、通常、60重量%である。一方、酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液における分散媒の割合は、通常、80重量%以下、好ましくは、70重量%以下であり、その下限は、その安定性から、通常、40重量%である。
酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液における酸化ジルコニウム粒子の割合が20重量%よりも少ないときは、例えば、コーティング用途に用いても、高屈折率を有する被膜を形成することが困難である。しかし、分散液における酸化ジルコニウム粒子の割合が60重量%よりも多いときは、分散液の安定性が損なわれるのみならず、流動性が低下して、コーティング剤として実用し難い。
本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、このように、酸化ジルコニウム粒子を高濃度に含むにもかかわらず、透明性がすぐれており、粘度も低い。本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液の粘度は、通常、25℃において、3mPa・sから50mPa・s未満の範囲、好ましくは、5〜25mPa・sの範囲である。
また、本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、用いるシランカップリング剤の屈折率にもより、また、分散液に溶解させる(メタ)アクリレート類流動や樹脂の種類、その量等にもよるが、通常、1.5以上の屈折率を有し、好ましい場合には、1.6以上の屈折率を有する被膜を与える。
本発明による上述した酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、本発明による下記の製造方法によって得ることができる。
即ち、本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、
(a)酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液に
(b)分散剤と
(c)非アルコール有機溶媒を加え、
得られた混合物を攪拌下に加熱して、この混合物から上記脂肪族低級アルコールを除去する工程を含む酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液の製造方法であって、
上記分散剤がシランカップリング剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の組み合わせからなり、
上記分散剤において、シランカップリング剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤に対する重量比が75/25〜10/90の範囲にあり、
上記分散剤を上記酸化ジルコニウム粒子100重量部に対して5〜40重量部の範囲で用いるものである。
本発明において用いる酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液においては、好ましくは、酸化ジルコニウム粒子の平均粒径は100nm以下であり、好ましくは、1〜10nmの範囲であり、最も好ましくは、1〜5nmの範囲である。
本発明において、酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液における分散媒、即ち、上記脂肪族低級アルコールは、例えば、メタノール、エタノール、n−及びi−プロパノール並びにn−、i−、s−及びt−ブタノールから選ばれる少なくとも1種であり、特に、メタノール又はエタノールが好ましく、なかでも、メタノールが最も好ましい。
例えば、平均粒子径が10nm以下の微粒子の酸化ジルコニウム粒子の分散液は、最初、分散媒を水とした分散液として製造されることが多く、分散媒が非アルコール有機溶媒である酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、このような分散媒が水である酸化ジルコニウム粒子分散液の分散媒である水を水混和性又は親水性のアルコール溶媒で置換し、更に、必要に応じて、この水混和性又は親水性のアルコール溶媒を更に疎水性乃至親油性の非アルコール有機溶媒に置換して製造されることが多く、そこで、上記水混和性又は親水性のアルコール溶媒として脂肪族低級アルコールが好ましく用いられるからである。
本発明において、出発物質として用いる酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液は、その製造方法にもよるが、当初から、種々の添加剤、例えば、酸や塩基類、シランカップリング剤や界面活性剤等の分散剤を含んでいてもよい。しかし、このように、本発明において用いる酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液が当初からこれらの添加剤を含んでいる場合、これらの添加剤は、本発明における分散剤に含めない。即ち、これらの添加剤は、本発明において、分散剤として、その量を計算に含めない。
本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液の製造においては、上述した酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液に分散剤として前記シランカップリング剤と前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の組み合わせを用いる。この分散剤において、シランカップリング剤/ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤重量比は75/25〜10/90の範囲、好ましくは、70/30〜15/85の範囲にあり、しかも、この分散剤を酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液における酸化ジルコニウム粒子100重量部に対して5〜40重量部、好ましくは、8〜35重量部の範囲で含むこととなるように用いる。
上記シランカップリング剤及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性については、前述したとおりである。
特に、高屈折率を有する非アルコール有機溶媒分散液を得る場合には、前述したように、同様に高屈折率を有するシランカップリング剤を用いればよい。
本発明によれば、平均粒子径が100nm以下、好ましくは、10nm以下である酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液に分散剤としての上述したシランカップリング剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の組み合わせと非アルコール有機溶媒を酸化ジルコニウム粒子に対して所定の割合にて加え、単純に、得られた混合物を攪拌下に加熱して、上記脂肪族低級アルコールを混合物から除去することによって、上記酸化ジルコニウム粒子が上記非アルコール有機溶媒中において白濁、凝集、ゲル化等を起こすことなく、安定に分散していると共に、高い透明性と低い粘度を有する酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液を得ることができる。
別の方法として、例えば、第1段階の工程として、酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液に所定割合の上記分散剤と所定量の一部の非アルコール有機溶媒を加え、得られた混合物を攪拌下に加熱して、上記脂肪族低級アルコールを一部、除去し、次いで、第2段階の工程として、第1段階の工程で得られた混合物に非アルコール有機溶媒の上記所定量の残部を加え、更に、上記脂肪族低級アルコールの残部を除去することによっても、本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液を得ることができる。
本発明によれば、上記混合物を攪拌下に加熱して、酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液の分散媒を混合物から除去する際に、必要に応じて、混合物を減圧下に加熱してもよい。
本発明の方法においては、上述したように、得られる非アルコール有機溶媒分散液は、その出発物質である酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液に由来する上記脂肪族低級アルコール、例えば、メタノールを10重量%まで含んでいてもよい。
このように、上記脂肪族低級アルコールを含む酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液を製造するには、例えば、酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液に分散剤として前記シランカップリング剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の組み合わせと非アルコール有機溶媒を酸化ジルコニウム粒子に対してそれぞれ所定の割合にて加え、得られた混合物を攪拌下に加熱して、得られる酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液に所定割合の上記脂肪族低級アルコールが残留するように、上記脂肪族低級アルコールの所定量を上記混合物から除去することによって、目的とする上記脂肪族低級アルコールを所定割合で含む酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液を得ることができる。
また、別の方法として、第1段階の工程として、酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液に所定割合の上記分散剤と所定量の一部の非アルコール有機溶媒を加え、得られた混合物を攪拌下に加熱して、上記脂肪族低級アルコールを一部、除去し、次いで、第2段階の工程として、第1段階の工程で得られた混合物に非アルコール有機溶媒の上記所定量の残部を加え、更に、上記脂肪族低級アルコールの所定量を除去することによって、所定割合の上記非アルコール有機溶媒と共に所定割合の上記脂肪族低級アルコールを含む酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液を得ることができる。
ここに、第1段階の工程において、酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液に加える上記非アルコール有機溶媒の所定量の一部と上記脂肪族低級アルコールの除去量と、第2段階の工程において、酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液に加える上記非アルコール有機溶媒の所定量の残部量と上記脂肪族低級アルコールの除去量は、最終的に得ようとする酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液における酸化ジルコニウム粒子、非アルコール有機溶媒及び脂肪族低級アルコールの割合を考慮して決定される。
本発明によれば、上記混合物を攪拌下に加熱して、酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級
本発明による酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液は、酸化ジルコニウム粒子を通常、20重量%以上、好ましくは、30重量%以上含みながら、上記分散剤は少量でのみ、含み、それでいて、酸化ジルコニウム粒子が非アルコール有機溶媒中において、安定に分散していると共に、高い透明性と低い粘度を有している。
従って、本発明によるこのような酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液を(メタ)アクリレート類に加え、更に、光又は熱重合開始剤を加えた後、得られた混合物から分散媒を除去して重合性組成物とし、又は樹脂を溶解させて樹脂組成物とし、これらを適宜の基材上に塗布し、前者の重合性組成物の場合には、例えば、紫外線を照射し、又は加熱し、また、後者の場合には加熱し、分散媒を除去すれば、基材上に透明で高屈折率の樹脂被膜を形成させることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下において、「部」は特に断りのない限り、「重量部」を意味する。また、以下において、酸化ジルコニウムのメタノール分散体、シランカップリング剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤及び(メタ)アクリレート類は下記のものを用いた。
酸化ジルコニウム粒子メタノール分散体
堺化学工業(株)製酸化ジルコニウム粒子メタノール分散体、SZR−M、酸化ジルコニウム粒子濃度30重量%、動的光散乱法による酸化ジルコニウムの平均粒子径3nm
シランカップリング剤
信越化学工業(株)製p−スチリルトリメトキシシラン、KBM−1403
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤
東邦化学工業(株)製フォスファノールRA−600
プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PMA)
三協化学(株)製
また、以下の実施例及び比較例において、酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液と酸化ジルコニウム粒子の有機溶媒分散液非アルコール親油性有機溶媒分散液の物性は下記のようにして測定した。
(酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液及び酸化ジルコニウム粒子の非アルコール親油性有機溶媒分散液における酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径)
日機装(株)製粒度分布測定装置UPA−EX150を用いて、動的光散乱法にて測定した。
(酸化ジルコニウム粒子の非アルコール親油性有機溶媒分散液の透明性)
分光測色計(コニカミノルタ(株)製CM−3600d)を用いて、分散液を光路長4mmのガラスセルに入れて、波長600nmにおける透過率を測定した。
(酸化ジルコニウム粒子の非アルコール親油性有機溶媒分散液の流動性)
分散液を透明な容器に入れ、傾けたとき、流れが認められたときを○、流れが認められなかったときを×とした。
(酸化ジルコニウム粒子の非アルコール親油性有機溶媒分散液の粘度)
BL型回転粘度計(東機産業(株)製)を用いて、液温25℃、ローター1番、回転数60rpmにて測定した。
実施例1
酸化ジルコニウムメタノール分散体100部にp−スチリルトリメトキシシラン2.4部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤1.2部及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PMA)66.4部を加えて、混合物を調製した。
この混合物を攪拌しながら、温度55〜70℃で約3時間加熱し、メタノールを除去して、その組成を表1に示すように、酸化ジルコニウム30.0部、p−スチリルトリメトキシシラン2.4部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤1.2部及びPMA66.4部からなる酸化ジルコニウム粒子の分散液を得た。
実施例2〜9
表1に示す仕込む組成にて混合物を調製し、実施例1と同様にして、表1及び表2に示す組成を有する酸化ジルコニウム粒子の分散液を得た。
実施例10
第1段の工程として、酸化ジルコニウムメタノール分散体100部にp−スチリルトリメトキシシラン2.0部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤1.0部及びPMA20.0部を加えて、混合物を調製した。
この混合物を攪拌しながら、温度55〜70℃で約1時間加熱し、メタノールを一部、除去して、酸化ジルコニウム粒子濃度43重量%とメタノール20重量%を含む混合物を得た。
次いで、第2段の工程として、第1段の工程で得られた上記混合物を上記温度を維持しながら、同時に、上記混合物にPMA42.0部を滴下しながら、上記混合物からメタノールを一部、留出除去して、その組成を表2に示すように、酸化ジルコニウム30.0部、p−スチリルトリメトキシシラン2.0部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤1.0部、PMA62.0部及びメタノール5.0部からなる酸化ジルコニウム粒子の分散液を得た。
実施例11
実施例10において、第2段の工程において、第1段の工程で得られた混合物にPMA37.0部を滴下した以外は、同様にして、表2に示す組成を有する酸化ジルコニウム粒子の分散液を得た。
実施例12
実施例10において、PMAに代えて、メチルエチルケトン(MEK)を用いた以外は、同様にして、その組成を表2に示すように、酸化ジルコニウム30.0部、p−スチリルトリメトキシシラン2.0部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤1.0部、MEK62.0部及びメタノール5.0部からなる酸化ジルコニウム粒子の分散液を得た。
実施例13
実施例11において、PMAに代えて、酢酸エチルを用いた以外は、同様にして、表2に示す組成を有する酸化ジルコニウム粒子の分散液を得た。
比較例1
酸化ジルコニウムメタノール分散体100部にp−スチリルトリメトキシシラン2.88部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤0.72部及びPMA66.4部を加えて、混合物を調製し、この混合物を攪拌しながら、温度55〜70℃に加熱したところ、酸化ジルコニウム粒子が凝集して、得られた混合物が白濁すると共に、粘度が上昇して、流動性を有する分散液は得られなかった。
比較例2
酸化ジルコニウムメタノール分散体100部にポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤(フォスファノールRA−600)3.6部及びPMA66.4部を加えて、混合物を調製し、この混合物を攪拌しながら、温度55〜70℃に加熱したところ、透明ではあったが、粘度が上昇して、流動性を有する分散液は得られなかった。
Figure 2015117157
Figure 2015117157
表1に示す結果から明らかなように、本発明の方法によれば、PMA中に微細な酸化ジルコニウム粒子を30重量%含み、それでいて、酸化ジルコニウム粒子が凝集、白濁、ゲル化等することなしに、安定に分散していると共に、高い透明性と低い粘度を有する酸化ジルコニウム粒子有機溶媒分散液を得ることができる。
これに対して、比較例1においては、シランカップリング剤/分散剤重量比が高すぎ、比較例2においては、分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤のみを用いたので、いずれの場合も、目的とする流動性を有する分散液を得ることができなかった。

Claims (6)

  1. (a)酸化ジルコニウム粒子と、
    (b)分散剤と、
    (c)非アルコール有機溶媒からなる分散媒と
    を含む酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液であって、
    上記分散剤がシランカップリング剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の組み合わせからなり、
    上記分散剤において、シランカップリング剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤に対する重量比が75/25〜10/90の範囲にあり、
    上記分散剤を酸化ジルコニウム粒子100重量部に対して5〜40重量部の範囲で含む酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液。
  2. 酸化ジルコニウム粒子が平均粒子径100nm以下のものである請求項1に記載の酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液。
  3. 平均粒子径100nm以下の酸化ジルコニウム粒子を濃度20重量%以上で含む請求項1に記載の酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液。
  4. (a)酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液に
    (b)分散剤と
    (c)非アルコール有機溶媒を加え、
    得られた混合物を攪拌下に加熱して、この混合物から上記脂肪族低級アルコールを除去する工程を含む酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液の製造方法であって、
    上記分散剤がシランカップリング剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤の組み合わせからなり、
    上記分散剤において、シランカップリング剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルアニオン界面活性剤に対する重量比が75/25〜10/90の範囲にあり、
    上記分散剤を上記酸化ジルコニウム粒子100重量部に対して5〜40重量部の範囲で用いる酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液の製造方法。
  5. 酸化ジルコニウム粒子の脂肪族低級アルコール分散液における酸化ジルコニウム粒子が平均粒子径100nm以下のものである請求項6に記載の酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液の製造方法。
  6. 酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液が平均粒子径100nm以下の酸化ジルコニウム粒子を濃度20重量%以上で含むものである請求項6に記載の酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液の製造方法。


JP2013261885A 2013-12-18 2013-12-18 酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液とその製造方法 Active JP6025701B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013261885A JP6025701B2 (ja) 2013-12-18 2013-12-18 酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013261885A JP6025701B2 (ja) 2013-12-18 2013-12-18 酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015117157A true JP2015117157A (ja) 2015-06-25
JP6025701B2 JP6025701B2 (ja) 2016-11-16

Family

ID=53530230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013261885A Active JP6025701B2 (ja) 2013-12-18 2013-12-18 酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6025701B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016182007A1 (ja) * 2015-05-13 2016-11-17 レジノカラー工業株式会社 酸化ジルコニウム粒子と(メタ)アクリレート類を含む重合性組成物とその製造方法
US9976036B2 (en) * 2014-09-05 2018-05-22 Sakai Chemical Industry Co., Ltd. Organic solvent dispersion of zirconium oxide particles and method for producing same
JP2018108914A (ja) * 2016-12-31 2018-07-12 大研化学工業株式会社 単斜晶ジルコニア系ナノ粒子及びその製造方法
JP2019038738A (ja) * 2017-08-25 2019-03-14 堺化学工業株式会社 酸化ジルコニウム粒子の有機溶媒分散液
CN109971413A (zh) * 2019-02-26 2019-07-05 北京化工大学 一种高折射率led封装胶材料的制备方法
WO2019240154A1 (ja) 2018-06-15 2019-12-19 ナガセケムテックス株式会社 無機酸化物微粒子分散液
CN114486649A (zh) * 2022-01-30 2022-05-13 广东东方锆业科技股份有限公司 一种纳米二氧化锆的粒度测试方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07325389A (ja) * 1994-05-31 1995-12-12 Toray Ind Inc 水なし平版印刷版原版
JP2009054344A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Toyo Ink Mfg Co Ltd 導電性被膜の製造方法
WO2009119899A1 (en) * 2008-03-28 2009-10-01 Fujifilm Corporation Organic-inorganic hybrid composition and method for producing same, shaped article and optical component
US20100041775A1 (en) * 2008-08-15 2010-02-18 Fujifilm Corporation Inorganic nanoparticle dispersion liquid and method for producing the same, and composite composition
JP2010189506A (ja) * 2009-02-17 2010-09-02 Dic Corp 無機酸化物微粒子含有樹脂組成物および該組成物から得られる硬化物
JP2010195967A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Dic Corp 無機酸化物分散液、その製造方法及び該分散液を用いた複合体
WO2011052762A1 (ja) * 2009-10-29 2011-05-05 堺化学工業株式会社 無機酸化物微粒子の有機溶媒分散体の製造方法
JP2011213506A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 無機酸化物分散液とその製造方法及び透明混合液並びに透明複合体、光学部材
US20110288215A1 (en) * 2009-01-22 2011-11-24 Schultz Nathan E Surface-modified zirconia nanoparticles

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07325389A (ja) * 1994-05-31 1995-12-12 Toray Ind Inc 水なし平版印刷版原版
JP2009054344A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Toyo Ink Mfg Co Ltd 導電性被膜の製造方法
WO2009119899A1 (en) * 2008-03-28 2009-10-01 Fujifilm Corporation Organic-inorganic hybrid composition and method for producing same, shaped article and optical component
JP2009242486A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 Fujifilm Corp 有機無機複合組成物とその製造方法、成形体、および光学部品
US20100041775A1 (en) * 2008-08-15 2010-02-18 Fujifilm Corporation Inorganic nanoparticle dispersion liquid and method for producing the same, and composite composition
JP2010042369A (ja) * 2008-08-15 2010-02-25 Fujifilm Corp 無機ナノ粒子分散液及びその製造方法、並びに複合組成物
US20110288215A1 (en) * 2009-01-22 2011-11-24 Schultz Nathan E Surface-modified zirconia nanoparticles
JP2010189506A (ja) * 2009-02-17 2010-09-02 Dic Corp 無機酸化物微粒子含有樹脂組成物および該組成物から得られる硬化物
JP2010195967A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Dic Corp 無機酸化物分散液、その製造方法及び該分散液を用いた複合体
WO2011052762A1 (ja) * 2009-10-29 2011-05-05 堺化学工業株式会社 無機酸化物微粒子の有機溶媒分散体の製造方法
US20120217456A1 (en) * 2009-10-29 2012-08-30 Keiichi Nagakawa Method for producing dispersion of microparticles of inorganic oxide in organic solvent
JP2011213506A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 無機酸化物分散液とその製造方法及び透明混合液並びに透明複合体、光学部材

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9976036B2 (en) * 2014-09-05 2018-05-22 Sakai Chemical Industry Co., Ltd. Organic solvent dispersion of zirconium oxide particles and method for producing same
WO2016182007A1 (ja) * 2015-05-13 2016-11-17 レジノカラー工業株式会社 酸化ジルコニウム粒子と(メタ)アクリレート類を含む重合性組成物とその製造方法
JP2018108914A (ja) * 2016-12-31 2018-07-12 大研化学工業株式会社 単斜晶ジルコニア系ナノ粒子及びその製造方法
JP2019147733A (ja) * 2016-12-31 2019-09-05 大研化学工業株式会社 単斜晶ジルコニア系ナノ粒子及びその製造方法
JP2019038738A (ja) * 2017-08-25 2019-03-14 堺化学工業株式会社 酸化ジルコニウム粒子の有機溶媒分散液
JP7155749B2 (ja) 2017-08-25 2022-10-19 堺化学工業株式会社 酸化ジルコニウム粒子の有機溶媒分散液
WO2019240154A1 (ja) 2018-06-15 2019-12-19 ナガセケムテックス株式会社 無機酸化物微粒子分散液
CN112272655A (zh) * 2018-06-15 2021-01-26 长濑化成株式会社 无机氧化物微粒分散液
KR20210021447A (ko) 2018-06-15 2021-02-26 나가세케무텍쿠스가부시키가이샤 무기 산화물 미립자 분산액
CN109971413B (zh) * 2019-02-26 2020-10-27 北京化工大学 一种高折射率led封装胶材料的制备方法
CN109971413A (zh) * 2019-02-26 2019-07-05 北京化工大学 一种高折射率led封装胶材料的制备方法
CN114486649A (zh) * 2022-01-30 2022-05-13 广东东方锆业科技股份有限公司 一种纳米二氧化锆的粒度测试方法
CN114486649B (zh) * 2022-01-30 2024-05-14 广东东方锆业科技股份有限公司 一种纳米二氧化锆的粒度测试方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6025701B2 (ja) 2016-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6025701B2 (ja) 酸化ジルコニウム粒子の非アルコール有機溶媒分散液とその製造方法
JP6072134B2 (ja) 酸化ジルコニウム粒子と(メタ)アクリレート類を含む重合性組成物とその製造方法
TWI609935B (zh) 無機粒子分散液、含無機粒子之組成物、塗膜、附塗膜之塑膠基材、顯示裝置
US9783455B2 (en) Liquid composition and glass article
KR20100075999A (ko) 변성 금속산화물 복합 졸, 코팅조성물 및 광학부재
JP6614412B2 (ja) コーティング組成物及び光学部材
KR20170141703A (ko) 코팅 조성물 및 광학부재
JP3712561B2 (ja) 硬化被膜を有する光学部材
JP4288432B2 (ja) コーティング組成物及び光学部材
JP2012031353A (ja) コーティング組成物及び光学部材
JP2019044146A (ja) 有機溶剤を含有していない眼鏡レンズ用ハードコーティング液組成物及びその製造方法
KR101091083B1 (ko) 실리카 입자가 불소화합물에 안정적으로 분산된 분산액 및 이의 제조방법
JP2007084606A (ja) シリカ系フィラーおよびそれを含む透明樹脂組成物
JP4287534B2 (ja) コーティング組成物
JPH05196802A (ja) 光学部品の反射防止処理液及び反射防止処理光学部品
JP4510489B2 (ja) コーティング組成物の製造方法
JP6383983B2 (ja) 金属酸化物膜形成用組成物及び金属酸化物膜
JP2014114358A (ja) 黒色フィラー及びその製造方法
JP5998981B2 (ja) 被膜付き基板の製造方法
JP2017002243A (ja) 酸化ジルコニウム粒子とオルガノポリシロキサンを含む組成物とその製造方法
JP3398939B2 (ja) 硬化被膜を有する光学部材及びその製造方法
JP2005266292A (ja) 光学素子の製造方法および光学素子
JP2610155B2 (ja) 光学部品の反射防止処理液及び反射防止処理方法並びに反射防止処理光学部品
JPH10245523A (ja) コーティング組成物及び光学部材
KR20240119074A (ko) ZrO2 분산액

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160921

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161011

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6025701

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250